この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
毎度のことながら、18禁の名折れよのぉ。
テヘペロ(*ゝ∀・*)
「徹底抗戦です!!私の頭脳を持ってすれば、あの程度の検察官などちょちょいのちょいで言い負かせてあげましょう!!その為にも無実である事の証拠を集めるのです!!」
屋敷に帰ってきてから始まったパーティー会議。
めぐみんはテーブルをひっぱたいて立ち上がった。
力強い握り拳が天井に突き上げられる。
「ああ、勿論私も協力しよう。こんな言い掛かりのような罪状認められる物か。カズマは最善を尽くした。屋敷こそ消し飛ばしてしまったが、結果的に誰一人犠牲者は出ていないのだ。寧ろ褒めてしかるべきだ。情状酌量の余地はある。受けてたとう!」
追従してダクネスも立ち上がる。
目に闘志が宿ってる。
「そうね、そうよね!私達何も悪くないものね!こうなったら、皆でカズマの無実を徹底的に訴えましょう。そして壊した屋敷の件はチャラにするわよ!!勝つぞー!おー!」
当たり前のように調子の良い方に流される水色も拳を天井に突き上げた。あれは考える事を放棄した顔だ。
カズマはまだ思案顔だったので、全員が俺の顔を見てきた。流れを見れば求められる言葉も分かる。完全にもうそういうムードだし。
「いや、夜逃げするから準備しよ」
まぁ、何処の誰がなんと言って、どんな聞こえの良い事を言おうと、それでも俺はガン逃げするつもりだけど。
俺の言葉を聞いてカズマも含めて目を点にした。
そこまでおかしい事言ったつもりもないので、ちょっと心外である。
少しして、最初に口を開いたのはやっぱりめぐみんだった。
「あの、カナデ。そもそも、最初に言い出したのは、その、カナデだったと思うのですが・・・・」
「そうだな。間違いないぞ」
「それならばどうしてなのですか?夜逃げなんて、罪を認めるようなものではありませんか」
めぐみんの言葉にダクネスと水色が頷く。
カズマは様子を窺ってるのか、じっとこっちを見てきていた。まったく。
「まず一つ、ギルドでも言ったように、今回の件についてカズマには殆ど非はないと言っておく。現場の指揮官であったから、流石に無罪放免とはいかないけど、あんな罪状を押し付けられるのは間違ってると思う」
全員が納得したように頷く。
「それを踏まえた上で言っておく。絶対に勝てないからこの話には乗らないでトンズラをこきます。どうしてか分からないだろうから先に言っておくぞ。それは命令を出した王家は勿論、貴族も信用に足らない馬鹿だからだ」
その言葉に何故かダクネスが体勢を崩した。
なんか言いたげな目をしてる。
「か、カナデ。馬鹿は言い過ぎじゃなかろうか。私達の国なのだ、その、もう少しなにか・・・」
「ない。検察がそうであるように、司法にすら貴族の息が掛かっている可能性もある。セナさんが馬鹿みたいに良い人だったからあの場は何とかなったけど、他の話を聞かない連中だったら令状突きだして強制連行待ったなしだ。そんな中裁判なんてやってみろ。どんな証拠を引っ張りだそうと、出たら最後間違いなく、これだっ」
首をきるジェスチャーをすれば水色が小さな悲鳴をあげた。
「元より頭に王政が乗っかっていたから期待していなかったが、今回の件ではっきりした。この国に、もとい王家の統治機構に、そこら辺は一切期待出来ない。始まりの街と呼ばれる程、冒険者が生まれるこの場所に対してなんら援助もしなければ、大きな戦果をあげた冒険者に報酬金も渡さない。それどころか罪人にしたてあげ、全責任を押し付けようとする。━━━━冒険者という、魔王軍と戦う為の対抗手段の一つ。国が最も重視すべき連中に対しての配慮が無さすぎる。その内、内側から崩壊して、隙をついた魔王軍に攻め滅ぼされるのが落ちだ。今の内に有力そうな強国にいって一からやり直そう。カズマの運があれば商売しても上手くいきそうだし」
「あ、うう、思った以上に言われた・・・」
何故かダクネスが泣きそうな顔してる。
さっきからどうしたと言うのか。
落ち込んでると思えば、今度はキリッとした顔をしてこっちを見てくる。不思議に思って話を促せば『ダスティネス家』という貴族の名前が出て来た。
「ど、どうだろうか。ダスティネス家は王国の懐刀と呼ばれる程だ。評判だって悪くない。ちょうどこの街に邸もあるし、話だけでもしにいかないか?実は私はな━━━━」
「あー、それは駄目。はっきり言って使えない」
「━━━━何故だ。私は何かしたか?カナデ?寧ろ応援している位なのにぃ・・・」
「?」
意味が分からないけど、説明して欲しそうなので説明してあげた。どれだけダスティネス家とやらが駄目なのか。
実は俺、前回の魔王軍幹部戦後の借金騒動の一件以来、色々と調べて回っていた。借金の件がどうしても納得いかなかったのだ。
その結果分かったのだが、門の修理費の出所がダスティネスという貴族である事を知った。ダスティネス家は王国の懐刀と呼ばれるだけあって財力も影響力も大きい。とはいえ、門の修理費は馬鹿にならずかなりの負担になったらしいが。
「取り敢えず、そこまではいいか?」
「あ、ああ。今の所・・・その、貴族としての務めを果たしてると思うのだが」
「見ようによってはな」
だがダスティネス家は今回また盛大にやらかした。
あろう事かデストロイヤー進行で被害にあった農村に援助金を出すそうだ。それも自分の領地でもない場所に対してだ。聞く所によると借金までする予定だとか。
「━━━よって今のダスティネス家は火の車。何かを相手してる余裕はない。こんな些細な一般市民の話を聞く時間はない」
「そ、そんな事はないと思うぞ!取り敢えず行って」
「そもそもだ、ダスティネス家は勘違いしている」
「勘違い・・・・?」
「そう、勘違い」
そもそもこれは、ダスティネス家が介入する話ではなく、この地を治める領主の責任の元行われるべき事なのだと。
ダスティネス家は下手に修理費を払うべきでは無かったし、農村への援助金も支払う姿勢をみせるべきでは無かった。何よりも早くその件についての責任を追求し、対応をとろうとしない領主を王国の懐刀として正式に糾弾するべきだったのだ。
そして正式な形で領地に関知出来る立場を作るべきだった。監査機関を設けるなりなんなりすれば良かったのだ。本格的な援助はそれからで良い。
「・・・・・あ、いや、でもな、貧困に喘ぐ人々にとっては━━━━」
「万を助ける為に百を殺すのが、人を治めるやつの仕事だろ。個人的にはそういうの好かないけどな。でも場当たり的に人助けして自滅するやつよりは信用出来るぞ」
「・・・・・・・」
ダクネスは口を真一文字に閉じた。
「王国の現状を考えれば、魔王軍の討伐がどれだけの影響力があるかは、言わなくても分かるだろ。それに比べれば門の修理費程度、はっきりいって端金だ。報酬もさっさと払ってやって、功績の大きい冒険者には勲章の一つでもくれてやれば良い。王都で軽いパレードでもしてやればもっと良いかもな。そうやって評価される事を知れば、冒険者の士気は勝手にあがる。あとは噂が噂を呼んで、冒険者達は魔王軍幹部は倒せる相手で、討伐すれば国がその実績を認めてくれると認識する筈だ。そうなったらこっちのもんだ。冒険者は競うように勝手に強くなって、勝手に挑んでいく事になるだろ━━━━そんな簡単な事も分からない王家とダスティネス家、及びアクセルを治める貴族に期待など欠片もしてはいけない・・・という事だ」
「・・・・・・・そうかも知れないがぁ、うぅ、そんな、そんなに言わなくても・・・ひっぐ、くぅ、お父様はべつに、そんな・・・・うぅ」
何故かダクネスが泣いた。
しかも結構な泣きが入ってる。
貴族の知り合いでもいるのだろうか。
「兎に角な、短くまとめると、もうこの国駄目だから別の所にいこう━━━ってこと」
一通り言い終わるとめぐみんが手を挙げた。
「はい、めぐみん」
「カナデの思い切りの良さはたまに怖いくらいですね。えっとですね、カナデに一つ確認です。夜逃げした後、再び冒険者になって活躍する機会はありますか?」
「ほとぼりが冷めたら良いと思うぞ。多分、この国管理ガバガバだから、その内指名手配とかいい加減になると思うし、活動場所もある程度選べるだろ」
「それなら別に良いです。夜逃げしましょう」
「我が王国はそこまでガバガバじゃない!」
何故かダクネスが怒った所で「いいか?」とカズマが手を挙げる。
話を促せば決意した眼差しでカズマは口を開いた。
「俺は戦おうと思う」
場がまた静まりかえった。
カズマなら俺の意見に乗っかると思っていたので、少し意外に思う。そしてそれはめぐみん達も同じだろう。
明らかに今回の戦いは不利なのだ。
「カズマ、さっきも言ったけど」
「分かってる。ちゃんと聞いてた。勝つのが難しい事も。━━━けどな、俺はコソコソ逃げ回って生きるのはごめんだ」
「それは・・・・まぁ、いい気しないのは分かるけど、命には変えられないだろ?俺は嫌だぞ、カズマがそういう事になるの」
「・・・・ありがとう。大変嬉しいです」
頬を真っ赤にしたカズマは、一旦顔を叩き仕切り直してから続けた。
「こほん・・・・・兎に角だ。俺は罪人として生きるつもりはないし、おかしな罪状背負うつもりもない。真っ当な経歴で、真っ当に生きるつもりだ。いつか、その、けっ、けけけ、けこっ、結婚する相手とかに、変な醜聞とか掛かるのは嫌だからな。ここでキッチリ、完全無罪を証明するっ━━━!!」
「まぁ、世の中何が起きるか分かりませんので、カズマの結婚がどうなるか分かりませんが━━━━完全無罪は無理だと思いますよ。指揮官でしたから。多少のペナルティーはあります」
「うるさいめぐみんっ!そういう意気込みって事だ!!」
結婚・・・結婚かぁ・・・・・ほぅ。
べ、べつに、結婚式とか、そんなのは興味とかないけど、結婚かぁ・・・結婚はうん、良いなぁ。
個人的には子供三人くらい欲しいかなぁ。
チラっとカズマを見たら目が合った。
エッチの時とはまた違った熱の籠った目・・・ちょっとは期待しても良いのだろうか。
「えーーーまぁ、そうは言ってもな、現実問題、色々と問題は山積みだ。策がないわけでもないけど、いかんせん情報が足りないし、現状だと勝率だって高いとは言えない。それに一人じゃどうにもならない」
そういうとカズマは頭を下げた。
「頼む。情けない話なんだが助けてくれ。勝つ為には、お前らの力が必要なんだ」
確かに情けない話だ。
格好悪い。
でも━━━━周りを見れば皆が真剣にカズマを見ていた。断る雰囲気は少しもない。
「しょうがないなぁ・・・・もう」
思わず呟いた言葉に「ですねぇ」と返ってきた。
「やりましょう、カナデ」
「仕方ないわねぇーカズマさんったらー」
「・・・・え?ああ、うん。私もやるぞ。勿論だとも、やるとも、仲間の、為だ」
最後のやつがちょっと心配だけど、パーティーとしての方向性は決まった。
「皆でぇ!王家と領主を!叩き潰すぞー!!」
「「「おおおーー」」」
「いや、待てぇ!!それこそ国家転覆罪ものなんだが!?」
ダクネスのツッコミが炸裂した所で話し合いは始まった。
喧嘩を売ってきた奴等をコテンパンにする為の。