この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
エロがないなんて(┓´ω`┏)ツラタン
許さぬ、こんな展開を呼んだあやつめが、許さぬ。
あぁ、朝から晩まで死ぬほどセックスがしたい。ズッコンバッコンされたい。種付けプレスされたい。子宮口をグリグリされたい。
そんな考えが頭を過る、徹底抗戦宣言四日目。
願掛けの意味もあって、なんやかんやとサトウカズマと致してない俺は、その日もせっせと作戦を遂行していた。
王都で。
「━━━と、これで取り敢えず王都での仕事は終わりっと。次は・・・と、あ、ルナさんお疲れ様です」
「あ、いえ、お気になさらず・・・・怒ってましたねぇ・・・・はぁ」
一緒に王都の冒険者ギルドを出てきたルナさんは深い、それは深い溜息をついた。
その目には言い知れない、深淵すら生温いとでもいうような、闇より暗き闇の波動を感じる。
まぁ、決定した事が事なので、そんなルナさんの気持ちは分からないでもないけど。アクセルの冒険者ギルドの責任者の名代とか、一職員でしかないルナさんには荷が重すぎる。今更だけど、相変わらず最低だな、うちのギルドの責任者。
こうして名代なルナさんと王都に来たのには幾つか理由があるが、主な目的は二つ。一つは単純な情報収集。もう一つは今回の件に冒険者ギルドをぐるっと巻き込む為の、その下準備だ。
はっきり言おう、何度も言おう。
今回の件、まともにやったらまず勝てない。
王政の世の中で、その王家からの判子貰った書類がある以上、それは絶対の効力を持ってる。理由も証拠も些細な物。「知らん、首チョンパね」と言われたらそれで終わり。勝負にもならない。
だから勝つ為に、こっちの土俵に引き摺り込み勝負の形に持っていく為に、どうしても後ろ楯がいる。
王家が一度許可した執行命令を、王家の威信と天秤に掛けてもなお撤回ないし停止を考えせられる、強力な後ろ楯が。
そしてその後ろ楯として俺達が目をつけたのが、僕と私と皆の冒険者ギルドだ。
この国において冒険者ギルドの威光は絶大。
王都の冒険者ギルドなんて、下手な貴族よりよっぽど発言力があったりする。
きっと最初は、長き魔王軍との戦いで疲弊した王国軍にとって、冒険者ギルドは使い勝手のよい金さえ払えば兵力を補填してくれる、単なる傭兵団でしかなかったんだろう。今でも冒険者を無頼の輩と揶揄して毛嫌いしてる貴族の噂を聞けば、昔どんな風に扱われていたのか分かろうというもの。
それが今では王国兵は元より王国騎士団すら押し退けて、冒険者ギルドは民衆からかなりの支持を受けているという現実。一番人気だ。警らの王国兵に頼むくらいなら腕の良い冒険者を雇うよ、なんてよく聞く話らしい。
冒険者という職種事態にそこまで人気はないものの、腕っぷしに覚えのある者にとって、実力いかんで一攫千金も夢ではない冒険者は魅力的な職業で、毎年一定数の人数を確保。
対して王国兵への志願兵は今や減少の一途を辿っており、それに比例するように質の低下も激しいのだとか。組織を運営する貴族達の体制の悪さも影響してか、一部の兵を除き頗る評判が悪い。
情報収集すればするほど、この国に未来を感じないのはどうした事だろうか。やっぱり、国出た方が良くないかなぁ・・・。
まぁ、そうなってしまった背景には、度々この世界に訪れる俺やカズマの同族連中、つまりチート持ちの転生者と思われる連中が、王国兵やら王国騎士団の面目を潰す勢いで冒険者として戦果をあげたり━━━伝説的な偉業を成したり━━━━そもそもの活躍の場を根こそぎかっ浚ったりした事がメチャクチャ影響してそうなんだが・・・・いや、まぁ、それは俺とカズマのせいじゃないし。知った事ではないんだけど。
自称女神の水色はこの世界を本気で救う気あったんだろうか・・・。あいつのテキトーさで、今確実に滅びに向かっていってるんだけど。
「・・・・カナデさんは随分と余裕がありそうですね。正直いって、私ストレスで吐きそうな程なんですが・・・・」
考え事してると、不意に話し掛けられた。
その声と表情から本気で痛いんだろうなぁと染々感じる。逆にノンストレスだったら怖いのでいいけど。良いのか?
「━━━いや、人を超人みたいに言わないで下さいよ。これでも胃とかチクチクしてますよ?ちょっとだけ」
「ちょっとで済んでれば十分だと思いますよ。私きっと穴が空いてますから━━━━初めて会った時から、何かと目の引く人でしたけど、まさかこうなるとは思いませんでした。ああ、でも彼女は違いましたね」
一瞬誰の事だろうと思ったけど、直ぐにルナさんと仲が良かった同僚の顔が浮かんだ。
「同僚ですか?私の事何か言ってました?」
「いつか何かやりますよ、と。こんな事だとは思いませんでしたが。私は精々男女のあれこれで、ギルドが荒れるとか・・・・そんなだと思っていたんですけどね」
「まっさかぁー、あはははー」
軽いジョークを笑い飛ばすと、何故かジト目で見られた。解せぬ。
「それにしても、本当に動いてくれるとは思いませんでした。あの王都の冒険者ギルドが」
ルナさんが疲れた顔でそう呟いた。
俺としては事情を聞けば動くと踏んでいたので、寧ろ動かないと思っていた事の方が意外だ。
まぁ、対応した連中は中々に鼻持ちならない連中ではあったけど。
「そりゃ、動きますよ。今回の事例が通ったら他人事では終わりませんもん。寧ろ、貴族に近い王都の冒険者ギルドだからこそ、殴り込みにくる勢いで手を貸してくると思いましたよ」
「そうなの?私としては静観するのが賢いと思うんだけど」
「それこそ無いですよ。聞いた話だと王都の冒険者ギルドはかなり恨みを買ってますから。冒険者ギルドに大部分の活躍の場を奪われてる所は大半。王国軍と王国騎士団、警察や検察も何故かとばっちり受けてるみたいですし━━━あははっ。王都見た目は綺麗なんですけど、調べれば調べるほど、ドロッドロなんですよねぇ」
「えぇぇ・・・カナデさん、全然笑えないんだけど」
苦笑いするルナさんに、思わず俺も苦笑いを返してしまう。調べる前はファンタジーな世界だから~なんて少し思ってたけど、人間なんて何処にいっても変わらないなんだなぁと今は思う。
確かに王都の冒険者ギルドは大きな発言力を持っている。━━━けれどそれは、かなりギリギリのバランスの上にある力でもあるのだ。
力はあるとは言っても貴族界からは睨まれ、王国の武力組織には睨まれ、常に隙を狙われている四面楚歌の現状。王都の冒険者ギルドは権威を守る為に必死だ。今回の協力要請に大した見返りもなく助力を申し出たのが良い証拠。こっちの無い袖を理由に協力を出し渋れば、次は自分達に火の粉が振り掛かる。もしその上で回避しようものなら、アクセルの街の冒険者ギルドを、身内から叩き出すくらいの骨を折らなくちゃいけない。そのダメージは計り知れないし、それこそ王都の冒険者ギルドにとって最悪の選択に他ならない。
なにせ王都の政治は表面上こそ平和そうにしてるけど、一度裏に回れば足の引っ張りあいが当たり前の泥沼の戦場。弱味の一つも見せようものなら、一気に漬け込まれ腕の一本二本簡単に落ちてしまう、そんな弱肉強食の魑魅魍魎が跋扈する世界。
「今回の件が押し通ってしまうと、今後の冒険者達の活動に大きく支障をきたしますからね。これのいかんで責任問題について定義が決まる可能性もありますし」
「えっ、定義・・・?これで決まるの?というか、それが決まるとどうなるの?」
どうなるか・・・具体的には俺にも分からない所だな。
「まぁ、極端な話で言えば、冒険者がクエストを受注しますよね?それで今回みたいな事故が起きて・・・例えそれが不確定要素が多分に含まれた状況で冒険者に責任があるとは思えない時でも、冒険者が一方的に事故の責任取らされたりとかですか?極端な話ですけどね?」
そう伝えるとルナさんが渋い顔をした。
伝わったみたいだ。
「・・・・ああ、何となく理解出来ました。それは王都の冒険者ギルドが黙ってる訳ありませんね。その、難癖つけ放題な定義が決まる可能性は高いんですか?」
「どうですかね?貴族が本気で騒げば、王家も無視出来ないですからね。何かしらは影響はあると思いますよ。あとは司法の判断次第ですけど・・・」
「カナデさんはその司法も疑ってるんですよね・・・?」
「えぇ、まぁ」
叩き潰す相手が一杯で大変だ。
マジで。
司法に関してはダスティネス家辺り期待していたのだが、ダスティネス家現在マジポンコツだったからなぁ。めぐみん達が上手くやってくれてれば良いけど。
ふとルナさんが黙り込んだので振り返ってみると、さっきの渋い顔が更に深刻そうな物に変わっていた。
「カナデさん。今更何ですけど、割ととんでもない事態になってませんか?━━━というか、そうなるように仕向けてませんか?」
俺はルナさんからそっと視線を外し前を向いた。
笑顔を浮かべ行き交う人々の姿が目に映る。何処かの出店からお腹がすくような香ばしい匂いが鼻を刺激し、楽しげな声や活気のある声が鼓膜を揺らす。
うん、平和だなぁ。
「━━━━ルナさん。さっきの会合じゃ碌に食べられなかったようですし、何処かでご飯食べてから次行きましょう」
「誤魔化されませんよ!?もしかしてですけど、これの結果次第で国が傾っ━━━━もがぁ」
「おっと、ルナさん。口元に汚れが」
軽く恐慌状態のルナさんの口をハンカチで封じ、俺は静かに路地裏に連れ込んだ。ここはゆっくりと、二人きりでのお話し合いが必要みたいだからな。大丈夫、ルナさん。そんなに怯えないで。少しだけだから。少しだけ、ほんの少しだけ、ちょっと怖い話するだけだから。
大丈夫、上手くいけばチャラだから。
多分。
げっそりしたルナさんとアクセルに帰還。
ルナさんを冒険者ギルドに預け屋敷に帰ると、めぐみん達が玄関の所でオロオロしていた。
どうやら時間切れみたいだ。
四日間の保留。
個人的にはぶっちゃけ持った方だと思う。
「カナデっ!たたたっ、大変です!カズマがっ!!」
「大丈夫、分かってる。拘留されたんだろ?裁判の話はどんな感じだ?」
目を丸くするめぐみんに代わり、隣にいたダクネスが指を三本立てる。
「三日後の正午だ。事は国家に関わる問題ではあるが、これはあまりに早すぎる。知っている中でも異例の早さだ。やはり何かあるぞ」
「三日後か・・・・二日間の半日、ちょっと厳しいかな」
リーン達とクリスに頼んだ事もあるので、一週間は欲しかったのだが・・・・やはり世の中はどうにも上手くはいかない。こんなもんだとは思うけど、何とも言えない悔しさが残る。
まぁ、その代わりにというか何というか、裏で糸を引いてる奴がいるのは確定したけど。
「━━━━っよし!めぐみん!」
「はっはい!」
「ダクネス!」
「ああ!」
「水色!」
「神々しく麗しい女神な私の名前を呼ぶ事に抵抗を覚えるのは分かるけど・・・・そろそろ名前で呼んでも、私怒らないわよ?カナデ」
「水色!!」
「・・・・ふぁい」
じっと見つめてやれば、全員の顔つきが変わった。
戦う前として、ベストないい面構えだ。・・・なんだ水色。その気の抜けた顔は!お酒抜くぞ!よし、いい面構えだ!!
「ここからは俺の指示の元動いて貰う。あともう一踏ん張りだ。リーン達とクリスも動いてくれてる。他にも何人も協力してくれている。最後まで諦めず、徹底的に叩いて、叩いて、叩いて、叩き潰す感じで頑張るぞ!!おーーー!」
「「おおぉーーー!」」
「叩き潰すのは止めてくれ。というが、カズマよりよっぽどカナデのが危険人物なのだが」
ダクネスの冷たいツッコミが来たけど、取り敢えずスルーしておく。気にしたら負けだもんね。
それにしても、裏で糸を引いてるのは何を考えているのだろうか。あまりにも色々と杜撰過ぎる。これならいっそ、水色の方が頭を使ってるくらいだ。
「罠・・・・か?嫌でもな、なんか違うんだよなぁ」
「ん?カナデ、何か言いましたか?」
「あっ、いや、何でもない。頑張るぞー!」