この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
そう思った。
━━━━━完全に失敗しました。
私はそんな思いと共にベッドへと倒れこみました。体を包み込むふとんからふんわり日向の匂いがします。きっとカナデが干してくれたのでしょう。側にある枕を手元に引き寄せれば、同じように日向の匂いがしました。
今朝天気を見ながら随分とはりきっていましたからね。この様子だと皆のふとんも干してそうです。
ふとんの上をゴロゴロしながら思い返すのは、イレギュラーな訪問者ゆんゆん。彼女が来たせいで大分流れが変わってしまいました。お陰でこの数日の努力はパァです。
数日間に渡ってカズマもしくはカナデの監視を続けていました。敢えて隠れずに、あれこれと理由をつけて側にいながら。どうしてそうしたのかと言えば、構って欲しかったからとかそんな幼稚な理由ではありません。焦らす為です。
カナデの様子はいつも通りでしたが、案の定堪え性のないカズマは見事にボロを出しました。明らかにカナデを見ながら、そわそわしているのです。
だから敢えて、今日は泳がせてみたのですが・・・・まさかゆんゆんが来るとは。
「まったく、本当に、間の悪い子ですね・・・・」
別に来るなとは言いませんけど、タイミングくらい考えて欲しいものです。あの後も中々帰りませんでしたし・・・というか、夕飯食べてお風呂まで入って帰っていきましたからね。あの子。随分と図太くなったものです。本当に、もうぅ。
いや、まぁ、全部カナデが勧めたせいなのですが。
それにしても、随分と楽しそうにしてましたね。あの子・・・・・今度遊んであげるとしましょう。勿論ただではありませんし、この件が片付いてからになりますけど。
「━━━はぁ、仕方ありませんね。いつまでもクヨクヨしてても何の得にもなりませんし、次を考えましょう」
立ち直った勢いでベッドから這い出た私は、そのまま机に座り改めて作戦を練り直しを始めました。解決が早い方が良いのは間違いありませんが、だからといって焦りは禁物です。着実に、確実に、決定的に、突き止められるように。慎重に作戦を立てなければ。
カナデには沢山助けられてます。
それには沢山感謝しています。
ですがそれはそれ、これはこれなのです。
私に内緒にしてる罰です。
うんと驚かせなくては。
それからどれだけ時間が経ったのか。
腕を枕に机に突っ伏していました。ふと視線を落とせば机が涎でしっとりしています。━━━ついでに寝巻きの袖もしっとりしていて、思わず頭を抱えました。救いがあるとすれば、参考書として読んでいた推理小説が無事である事と、誰にもみられてなかった事でしょ・・・・・んん?
何か違和感を禁じて肩を見れば、毛布が掛けられていました。少し考えてみましたが自分で掛けた覚えはありません。誰だろうかと考えていると、机の端においてあるそれが目につきました。
銀のティーポットと白磁のティーカップです。
ティーカップは空でしたが、ティーポットを手にとってみると中身が入ってるようで重さがあります。ティーポットの蓋を開ければ、僅な温もりと甘い香りが漂ってきました。
ティーカップに注げば琥珀色のそれが、カップの中で小さな波紋を浮かべます。湯気こそ出ませんでしたが、色味も綺麗で匂いも香しくて十分美味しそうです。
「こういう事をするのは、カナデしかいませんね」
灯りが付きっぱなしだったので、何かやってると思って持ってきてくれたのかも知れませんね。素直に嬉しく思いますが、何のために机に突っ伏していたかを考えるとその優しさが辛いです。もとはといえば、話してくれないカナデが悪いとは思うのですが・・・・うぅん。それでも辛いものは辛いです。
注いだそれに口を付けると、香っていた匂いを裏切らない甘さが口の中に広がりました。渋みがあまりなくて口当たりよく飲みやすいです。基本的に渋めが好きですが、こういうのも嫌いではありません。
しかし、紅茶を入れるのは自信がないといってましたが、これだけ出来るなら十分だと思います。カナデは何処を目指しているのでしょうか。まぁ、拘りを持つ事は悪い事とは言いませんけど。
用意して貰ったそれを飲み干した所でちょっと体が震えました。せっかくだからと全部飲みましたが、少し量が多かったようです。
厚手のケープを羽織り、私はお花を摘みに廊下に出ました。薄暗がりの廊下はいつもながら何処か不気味です。少しだけランプを用意するか迷いましたが、そもそもランプを持ってない事に気づきます。屋敷には魔力で灯りを生み出すライトがあるので、部屋にあっても邪魔なランプは物置部屋にしまっていたのです。
幽霊騒動があって暫くは携帯していたのですが・・・。
私はランプを諦め、意を決して静かな廊下へと足を踏み出しました。ひんやりとした風が漂う廊下は、本当に静かで昼間とは空気が違うような錯覚を覚えました。何処か見知らぬ場所を歩いている気分です。
幾つかの部屋を横切り真っ直ぐトイレへ━━━と思っていたのですが、それが耳につきました。
「・・・・?」
音は酷く聞き取りづらく、一瞬何なのか分かりませんでした。ですが良く良く聞いてみると・・・誰かの、女の子の声が聞こえた気がします。
音に釣られて歩くこと少し。
私は閉めきられたある部屋の前に辿り着きました。
そこはカズマの工作室で、色々危ない物があるからと立ち入り禁止にされてる部屋でした。工作室に使ってるだけあって仮に誰かがいても廊下に響く程音は聞こえない筈なのですが・・・ふと気になってドアに耳を当ててみましたがいまいちです。ですが中から何か話すような声は聞こえます。それもカナデとカズマの声です。
声の主に気づいて咄嗟にドアを開けよう━━━と、しましたが理性で止めました。どうせ鍵が掛かっているでしょうし、以前それでしらを切られてますからね。
どうするか考えていると、廊下で聞いた声がまた聞こえてきました。それはその部屋からではなく、隣の部屋から聞こえてきてるようです。試しに隣の部屋のドアノブを回せば、ガチャリと小さな音を上げて開きました。
少し妙にも思いましたが、そのまま開いた部屋の中を覗くと真っ暗な部屋の中に光の筋が射し込んでいます。
誘われるようにそこを覗くと━━━━━見知った二人の姿がありました。
「━━━━かずまぁ」
「カナデ」
床に敷かれた厚手の毛布。
脱ぎ散らかされた衣服。
小さな炎が揺れるランプ。
毛布の上に腰掛けながら。
甘い声をあげながら見つめ合い。
唇を重ね合わせる、その二人の姿が。
「あわっ・・・・」
あわわ、あわわわわわわ。
あわわわわわ、わわわわわわわわわっわわっ。
あわぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!?
咄嗟に口は押さえられましたが、僅かに声が溢れてしまいました。二人は気づかなかったようで、まだ先程の行為続行中です。絡んでます。物凄く絡んでます。二人の、それが、なんか凄いエッチな音が、指とか、手足とかも、もう、もうぅ、もっ、あわわわわわっ。
確かに怪しいとは思っていました。何かあるとは。
ですが、ここまで進んでいたのは想定外です。
い、いえ、どちらも成人ですし、おかしくはないのですが、ですが、あの二人ですよ?!仲が良かったのは分かりますし、ですが、せいぜい付き合いたてくらいかなって━━━━━━はぅわ?!
キスしながら、カズマの手がカナデの胸に触れました。それに反応するように声があがりましたが、くぐもったカナデの声は甘さが滲んでいて、嫌そうなそぶりは見えません。カズマの手は膨らんだカナデのそれを揉んでいきます。ゆっくりと、何度も。
その度カナデの甘い声が響いてきます。声には段々と熱がこもっていって、見ているだけでこっちが恥ずかしくて湯だってしまうくらいに。
カズマはカナデの口から唇を離し、そのまま首筋に口づけします。チュッ、と吸い付くような音がなります。
擽ったそうにカナデが身を捩ると、カズマは胸を弄っていた手を腰に回し逃がさないようしました。
そしてまた首筋へのキスを続けていきます。
「━━━━ひゃっ!?」
不意にカナデの悲鳴が聞こえました。
それまでと少し違う、驚いたような声。
どうしたのかと目を凝らせば、カズマの手が腰より下へと落ちていました。
「ばっか、そこは・・・・汚いから駄目」
「ちゃんと準備してきたんだろ?」
「い、一応は・・・でも、やっぱり無理。なんか、ちょっと、そこは違うというか━━━ふぁん、にゃっ、やぁ」
ここからだと良く見えません。
ですが位置からすると・・・そうカズマの指の行方を考え、お尻がきゅっとしました。
「この間より余裕ありそうだな?」
「んんっ、ふっ、ふっぅ、あぅ、やぁあん」
何かを出し入れする音が聞こえてきます。
粘っこい液体をかき混ぜるような。
その音はカズマの腕の揺れに合わせ、激しくなっていきました。
「かっ、かずまぁっ!ま、まえにゃらっ、しゅきに、しへいいかりゃ、おしりっは、ひゃっぱひっ、ンンンッッッ!ふぅ!」
「そう言いながら段々とこなれてきてんだよなぁ、お前。本当に底なしだな。ほら、ここだろ?」
「━━━ッッッッひゃぁん!」
腕の動きが治まった瞬間、カナデの肩が大きく跳ねあがりました。カズマの背中に回された手は、その背中を離すまいと強く掴んでいて、場所によっては僅かに血が滲んでいます。
「・・・やらぁっへ、いっひゃのにぃ」
カズマの肩に顔を埋めたカナデは肩で息をしながら抗議の声をあげます。ただ、その声はしまりのない甘ったるいだけの物で迫力は少しもありませんでした。
近くで聞いていたカズマもそうなのか、使った指を掃除しながらカナデをいとおしそうに見つめるだけ。反省の色は見えません。
「ごめんな、カナデがあんまり可愛くて」
「・・・・むぅ、そういってれば、いいとおもってるだろぉ。だまされないからなぁっ、んっ」
不服そうに頬を膨らませたカナデでしたが、怒っていられたのはほんの少しだけ。直ぐにキスされて顔を蕩けさせました。くちゅくちゅと音をたてながら、口元から唾液が溢れ落ちて、胸元やおへそ、ふとももを汚していきます。その姿は何処か厭らしく、とても妖艶でした。
「本当だって、カナデの事が好きだ」
「ほんとぉ?」
「本当。ほら、こんなになってるんだぞ?」
そういって、カズマは何かをカナデのお腹にぶつけました。それはランプの灯りに照らされてヌラヌラと光る、反り返った棒のような何か。
カナデはそれを見ると妖しい笑みを浮かべつつ、それに触れます。壊れ物を扱うように、そっと。
「すごい・・・ふふっ、ふーん」
カナデは自分の腰をそれへと近づけ、股の割れ目の所へすり付け始めました。水を交えた触れ合い。ヌチャヌチャと背中がぞくぞくするような音が響いてきます。
それは何故か股の所が疼かせて・・・・。
ふと違和感を感じて視線を落とし私は、ズボンを引っ張ってショーツを覗きました。するとショーツには濡れたような染みが浮かんでいます。
私はそこへと手を伸ばし━━━カナデと同じように手を擦り付けて見ました。
すると、ぞくりとした何とも言えない刺激が腰から這い上がっていきました。
「んっふ、ん、ん」
カナデの姿を見ながら、カナデの動きを見ながら。
同じように擦り付けていく。
何回も、何回も。
走る刺激は段々と大きく。
はっきりとして━━━。
「━━━カナデっ、そろそろ、良いか?」
急に聞こえた声に視線を向けると、カズマのそれが割れ目の所へと宛がわれていました。くちゅりと反りたつそれが、割れ目の隙間に入り込もうとしています。
カナデはそれを見つめた後、カズマに視線を送り頷きました。
ゆっくりと入り込むそれに合わせて、私も指をそこへと潜り込ませます。くちゅりと、カナデと同じような音をたて指が吸い込まれていきます。
ピリッと刺激が背筋を走っていきました。
「んっぁ、んん!」
何度もカナデの中へ出入りするそれに合わせて、私も指を何度も潜り込ませていきます。カナデの喘ぐ声を聞きながら。
「ぁっ、ぁっ、ぁう・・・・」
段々と激しくなるカズマの動きに合わせて手を動かしていると、何かが直ぐ側まできてるのが分かりました。言葉にするにはあまりにも、言葉に出来ない何かが。
「カナデっ、そろそろ出すぞっ、良いか!!」
「んんっ、い、いいよぉ、きへ!かずまのっ、ひっぱい、おくにして、ぎゅっうってして!」
カナデの大きな声に応えるように、それが背筋を昇り頭の中を駆け巡っていきました。
頭が真っ白になるような、それが。
それから数時間。
私は二人を眺め続けました。
濡れてしまったショーツを撫でながら。