※この作品はR-18です。

この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を   作:らいじゅう

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物語動かすと、中々エッチできねぇな。
分かってた事だけど(´・ω・`)クソゥエロカキタイ


ようやくおにゅー武器の出番ですか?あれが相手なら丁度良いですね。

『チキンレース』

 

それは走り鷹鳶というモンスターが繁殖期に見せる、メスに向けたオス達の一風変わった求愛行動をさす言葉である。本能的に硬度の高い物を見つけたオスは全速力でそこへと駆けて行き、激突するギリギリでそれを回避する。対象物は硬ければ硬い程に良いし、回避はギリギリであればギリギリである方が好ましいそうだ。

 

当然回避に失敗するものもいるが、その際はほぼ即死らしい。まぁ、硬い物を好き好んで選んで突っ込んでいるので自業自得以外の何物でもないのだが。

 

そして、そんな走り鷹鳶は今━━━全力で求愛行動をしていた。体力を注ぎ込み、精神を削り、命を死に晒し。躊躇う事なく、全速力で。走りまくっていた。

 

 

 

「カズマ、カナデ!来たっ!次が来た!今度こそはっ、今度こそはもうダメだ!ああああっ!ぶつかる!ぶつかるぅぅぅぅーーー!!」

 

 

 

硬い事に定評のあるうちのパーティーメンバー、変態ドM騎士ダクネスこと、ダスティネス・フォード・ララティーナに向かって。

 

両手両足を拘束されたダクネスから、それはそれは楽しそうな歓喜の声があがる。

良かれと思ってバインドという拘束スキルを走り鷹鳶に放ち、結果としてダクネスを縛りあげてしまった馬車の護衛務める冒険者からは悲痛な声があがる。

 

そもそも欲望のままバインドを邪魔したダクネスが全部悪いのだが、そこら辺は関係ないらしい━━━というか、なんか果てしない勘違いをしてるっぽい。あいつは俺ですら及ばない、変態の中の変態だぞ?騎士とかおまけ要素だぞ?なぶられたいだけだぞ?

カズマに確認を求めて視線を向けたら、迷いなく目を逸らされた。

 

そんな中、走り鷹鳶達はダクネス目掛け突っ込んでいき━━━━━弾丸のような速度を保ったまま、背面飛びでかわす。ダクネスの前髪にかするギリギリ回避。見守っていた護衛の冒険者達から悲鳴があがる。

 

一匹の走り鷹鳶が駆け抜けていくと、直ぐ様別の走り鷹鳶達がダクネスへと迫る。そして高速正面飛び、挟み飛び、ベリーロール、開脚飛び、前方三回ひねり、ひざ抱えこみ飛びなど華麗に技を披露しながら飛びかわして行く。どれもギリギリ。

その度に護衛の冒険者を始め、他の馬車のお客様も悲鳴をあげていく。ダクネスは何を口にしたのかは言うまでもない。

 

「カズマっ、カナデぇ!これは焦らしプレイの一環なのだろうか!?このギリギリでのお預け感がまた・・・・!なんて事だ、私の体の上を次々と発情したオス達が通り過ぎていく・・・・!」

 

「よし、人目もあるんだ。お前はもう黙ってろ!」

「一緒にされても嫌だから、俺の名前は呼ぶなメス豚のララティーナ」

 

「ふぁ!?こ、こんな時にも言葉責めっ、だと!?カナデは心得過ぎている!!こんなに興奮させて、私をどうするつもりだぁ!!」

 

どうもしないわ、まったく・・・・ん、なんだよ。カズマ。その目は。なんもしないわ。なんもしないって、言ってんだろ!こらぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

温泉旅行が始まって暫く。

カズマの幸運は何処へやら、俺達一行を乗せた馬車は早速アクシデントに巻き込まれていた。

野生の走り鷹鳶の襲撃である。

 

大体水色で次にめぐみんが原因だったりするのだが、今回はダクネスの硬さに惹かれてモンスターが集まったようだ。ダクネスは鎧がどうとか、アダマンタイトがどうとか言ってるけど、絶対ダクネスが硬いからだろう。腹筋なんて割るから。

 

ダクネスの尻拭いの為、自主的に戦闘に参加する事にした俺達パーティーは、護衛の冒険者達に雑ざりそれぞれ戦闘を開始した。

 

 

「━━━っっっっっっぜぇあ!!」

 

 

ダクネスを飛び越えてきた走り鷹鳶の群れ目掛け、新調したハルバードに渾身の力を込めて振り払う。全身のバネを使って放った空気を切り裂く必殺の斬撃は、風切り音と共に鮮血を撒き散らす。

 

跳ね飛ぶ首と地面を転がってくる死体をかわし、次の獲物目掛け体にひねりを加える。踏み込んだ足の爪先から、全身を巻き込むよう一気に回転。全体重を乗せるイメージで二振り目を振り抜く。当たりが悪かったのか、一撃目より若干鈍い感触が手に走ったが、刃は難なく走り鷹鳶の首二つと胴体一つを切り裂いた。

 

直後、ピィーーーヨロロロと鳴き声が響く。

身を翻えせば走り鷹鳶の一羽がこちらに向かってきた。瞳に明らかな敵意が滲んでいる。

流石に刃を返してる時間が無かった為、そのまま刃の反対側についているピックを横っ面へ叩きつけた。鈍い感触が手に響き、白目を剥いた走り鷹鳶が俺の隣を転がっていく。

 

次の獲物が迫ってきてるのが見え、俺はハルバードの切っ先を地面に突き刺し、全力でその地面を蹴り飛ばす。棒高跳びの要領で宙へと浮いた俺の下を、走り鷹鳶が駆け抜けていく。二羽が通り過ぎた後、俺の落下に合わせたようにタイミングよく走り鷹鳶が落下地点を通り抜けようとしたので、そのまま背中に飛び乗ってやった。走り鷹鳶は酷く暴れたが、首を握り絞め行きたい方向へと傾ければ大人しく言うこと聞いて走ってくれた。

これは良い。

 

「はい、どうどう。あっち行こうなっ!」

 

走り鷹鳶を走り鷹鳶で追い掛け回し、何羽か今夜の夕食の材料にしたまでは良かったのだが、首を絞めすぎたせいで騎乗してた走り鷹鳶がお亡くなりなってしまうというアクシデントが起きた。いきなり崩れ落ちてびっくりしたけど、着地はばっちりしたので怪我はない。惜しいやつを亡くした。

それからも通り過ぎてく走り鷹鳶を切ったり突いたり叩いたりしながら、おにゅー武器の感触を改めて確かめていく。しっかり試して選んだグリップは凄く握り具合が良い。柄の長さも、重さも丁度良い。良い感じだ。

 

デストロイヤー戦で壊れて以降、間に合わせでデストロイヤー内部に落ちてた古ぼけたメイスを使っていた。とにかく頑丈で、造りも良くて、錆びにくい材料で作ってあって、武器として申し分なかったけど、俺が扱うには少し重くて大きすぎた。

そこで新しく新調したのがこのハルバードだった。

 

流石にギルドで使ってたやつと比べると質が落ちるけど、それでも十分過ぎる切れ味と頑強さに文句は出ない。

 

一通り走り鷹鳶が駆け抜けていくと、「カナデ!こっちこい!」とカズマに呼ばれた。振り向けば馬車に向かって歩を進めるダクネスを担いだカズマの姿がある。

 

「重いだろ、代わるぞ?」

「いや一人じゃ無理だ。手貸してくれ」

 

「おっ、おいっ!?二人して私が重いみたいな感じで話すな!!正しく言い直せ!!鎧が重いんだ!!私はそんなに重くない!!」

 

喚くダクネスを無視して二人で担ぎあげる。

カズマの言うとおり、地味に重い。

レベルがあがったお陰か、多分今の俺なら一人で持てない事もないけど。

 

ダクネスを担いで馬車に入ると、パーティーメンバー全員の姿がある。またカズマが何か企んでいるのだろう。

 

「お客さん!もう限界ですよ!馬車が壊されちまう!」

 

悲鳴のような御者のおっちゃんの声に、カズマが「準備出来た、おっちゃん出してくれ!」と怒鳴り声を返した。待ってましたと言わんばかりに馬車が走り出す。

すると他の馬車の周りで駆けずり回っていた走り鷹鳶達の視線がこちらを向いた。何を察知したのか分からないけど、鳶みたいな鳴き声をあげて一斉に駆け出してくる。

 

「がっつり引き連れてきちゃってるぞ、カズマ。何するつもりだ」

「御者のおっちゃんが言うには、この先に洞窟があるらしい。ダクネス囮にして誘導する。━━━んで、いつものだ」

 

カズマに視線を向けられためぐみんは、杖を胸の所に抱え鼻息を荒く頷く。

 

「りょ━━━でも、このままだと直ぐ追い付かれるな」

「そういう事だ。━━━アクア、俺達に筋力増加の支援魔法頼む!」

 

「分かったわ、パワード!」

 

水色の魔法で体が妖しく光り、何処からともなく不思議と力が湧いてくる。しかしな、やっぱり支援魔法はいつ受けても変な感じがするな。慣れない。

 

カズマの狙撃と俺の投擲で牽制、時間を稼ぐ。

途中ウィズの協力もあって馬車は無事洞窟へと辿り着いた。そこから先は、まぁ言うまでもない。

 

「『エクスプロージョン』!!」

 

俺達の前にいつものと同じ業火が降り注いだ。

小山のような洞窟を綺麗に吹き飛ばす。

必殺の業火が。

 

 

 

 

 

 

すっかり日が暮れた頃。

馬車の旅は休息の時を迎えていた。

灯りの乏しい夜間の移動は危険なので、日暮れ前には馬を止め野営するのがスタンダードだそうだ。勿論例外はあるそうだが。

 

そんな野営中。

 

商隊の皆さんや護衛の冒険者達にがっつり取り囲まれ、あれこれやと世話を焼かれていた。

 

「さぁ、どうぞどうぞ!良い部分が焼けましたので、是非とも召し上がってください!」

 

率先して焼けたお肉を渡してくるのは商隊のリーダーをやってるおじさん。凄いニコニコで俺やカズマに渡してくる。

少し離れた所でご飯を食べてるめぐみんとダクネスも満更でもない様子で接待中だ。水色はウィズと一緒になんかやってる。どうせ得意の水芸だろうけど。

 

「しかし、お見事でした!まさか、爆裂魔法をお使いになる程の大魔法使いがおられるとは・・・・!しかも、あれだけの負傷者を簡単に治療してしまったアークプリースト様に、走り鷹鳶の群れを相手に一歩引かず、それらを一身に引き受けた勇敢なクルセイダー様・・・!そちらの方の上級魔法である泥沼魔法での咄嗟の足止め!見事な判断で敵を洞窟へと導き、一網打尽にしたあなた様のその機転!いや、お見事です!そして━━━━」

 

そこにいた全員の視線が俺に集まった。

心臓がどきりとする。

 

「走り鷹鳶の群れに迷いなく飛び込み、槍の一振りごとに血の旋風を巻き起こす!返り血に頬を濡らし、武器を肩に走り鷹鳶へ股がる姿は、正に伝説に聞きし鬼神が如し!いやぁ、お見事です!凄いモノを見せて頂きました!」

 

そういう商隊のリーダーさんの目はキラキラと光ってる。その様子から褒めてるのは分かるんだが、全然褒められてる気がしない。

てか仮にも女の俺に鬼神とか言うかね?確かに戦士系のジョブを選択する女性は、下手に女性扱いするより武功を称えたり、今みたいに男性戦士に向かって言うような褒め言葉が好まれるとかなんとかギルドで聞いた事はあるけどさ?むむー。

 

鬼神というパワーワードについて考えてると、近くにいた戦士風の冒険者が鼻息荒く詰めよってきた。

 

「本当に見事なお手前でした!!俺も長物を扱っておりますが、ああも上手くは扱えません!!尊敬致します!よき師をお持ちですね!羨ましい!!スキル構成はどのように!?」

「す、スキルって言われても・・・攻撃系のスキルは持ってないので。あっ、投擲とかなら、一応?」

「スキル無し!?まさかっ、そんな!?それでは、あれは貴女自身の?信じられない、その若さで・・・・やはり師の教えが貴女の・・・?しかし、あのような技見たことが・・・」

 

師とか言われてもな・・・・昔幼馴染の実家の道場で薙刀やったくらいしかないなぁ。あれも齧る程度だし。うーん。

 

「薙刀なら、少し・・・・?」

「やはり!ナギナタというものは少し分かりませんが、さぞ高名な槍術なのでしょう!ご迷惑でなければ、一度手合わせを━━━━」

 

捲し立てる冒険者の顔を遮るよう、程よく焼けたお肉が俺の目の前に現れた。良い匂いが鼻を擽る。

何処からやってきたのかと出所をみれば、しかめっ面のカズマから手が伸びていた。

 

「すみません。俺達は今、完全なプライベート、旅行中なので、そういうことは控えて貰えませんかね?予想外の戦闘で疲れてもいますし」

「━━━あっ、も、申し訳ない。そんなつもりでは」

「いえいえ、分かって貰えれば。手合わせはまたの機会ということで・・・あっ、これは貰ってやって下さい。冒険者の方はこれからも仕事でしょうし、精のつく物を食べてゆっくり休んで下さい」

 

カズマに笑顔で肉を手渡された冒険者は、何ともバツが悪そうな表情を浮かべ離れていく。そんなカズマの様子を見て、商隊のリーダーさんも料理を盛った皿を置いて今もちやほやされて喜んでるめぐみん達の元へ去っていった。きっとその内、水色オンステージの方にも行くんだろう。あれ見てる分には地味に楽しいんだよな。

 

ちょっとだけ静かになったそこで、何となくカズマの手に自分の指を絡めてみた。するとそれに応えるようにカズマの指が俺の指を弄り始める。

 

「嫉妬した・・・・?」

「別にぃ・・・」

「ふぅん?」

 

そう言ってる間にもだんだん弄り方がエロくなってきた。撫でられたり、擦られたり、ムニムニ揉まれたり・・・ちょっとこそばゆい。

 

「・・・今夜は駄目だからな」

「当たり前だ、こんな所でやってたまるか。俺が言うのもなんだけどな、お前の頭の中はピンク色か」

 

そう言われて少し考えてみた・・・考えてみたけど、特に意味はなかった。

最近忙しくってあれだったけど、あの時から基本的に気持ちはずっと変わってないから。

 

「ふふ、ごめんな。わりとピンク色だと思う」

「お前な・・・・っ?!」

 

皆の隙を見て、頬にキスしてやる。

真ん丸に見開かれたカズマの瞳に俺が映る

 

「━━━━でも、カズマのせいだからな?」

 

そう笑い掛ければ、カズマは照れ臭そうに顔をそっぽに向けてしまった。顔は見えないけど、耳が赤いのは見える。可愛いな、こいつは。良い意味で慣れないやつだ。本当。

 

「・・・鬼神とかないわ。お前は、絶対、小悪魔だと思う」

「それはそれで、微妙な気分になるな」

 

それからカズマと焚き火を眺めながらまったりした。

途中から鎧を直して欲しいとダクネスがきたり、暇そうなめぐみんがやってきたりで二人きりにはなれなかったけど、それはそれで楽しい時間に思えた。

 

でも、出来たらだけど、今度は二人きりでこういう事が出来たらなと・・・薪の上で揺れる炎を眺めながら、少しだけ思った。

 

 

 

 

 

 

んで、その日の深夜。

明日に思いを馳せたり、夜の余韻に浸ったりしながら寝たというのに━━━ゾンビ襲撃で夜中に叩き起こされて戦いました。原因の水色は後で絞めようと思う。

 

というか、ゾンビ討伐した後に締めた。

こう、きゅって。

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