この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
まじかぁ(´・ω・`)
「ふふっ!この街はとっても素敵ね!カズマ、カナデ!お金も一杯ある事だし、別荘の一つも買ってたまに皆できましょうよ!そうよ、それが良いわ!ね!」
カズマとデートをしたその日の夜。
夕食時、街を散策しにいった水色はそれはそれは楽しそうに、カエルの唐揚げを頬張りながらそう言ってきた。よっぽど楽しかったのかギルドで飲み会してる時みたいにニッコニコ。隣に座るダクネスも賛成なのか、恍惚の表情を浮かべてウンウンと頷いているが・・・めぐみんが死んだ魚の目で虚ろにステーキとサラダを頬張っているのが凄い気になる。何があったのかは察せる。
反対に一人温泉に入ってのんびりしていたウィズはホクホク顔だ。温泉が随分と気にいったようで、この後も入るらしいけど。
「ああ、本当にここは良いところだった。アクシズ教団の総本山がだけあって、皆熱心なアクシズ教信者でな・・・・エリス様のペンダントを見せると、それはそれは辛辣になじってくるのだ。あの態度・・・思い出すだけでも・・・・くぅ!」
「いや、お前は何を楽しんでんだよ。それは楽しむ所じゃ絶対にないからな?」
「そうはいってもな・・・あのごみを見るような目、堪らん!」
「お前らと行かなくて本当良かったわ・・・」
ダクネスの話を聞いて、カズマが心底呆れたように溜息をつきドリンクを呷った。そんなカズマの横顔をボケッと眺めていたら目があって無様なウィンクを見せてきた。言いたい事は分かるのでウィンクを仕返したら、顔を赤くしてそっぽを向いてくる。自分でやっておいて恥ずかしがるなよ、まったく。
まぁ、そういう所も可愛いんだけども。
真っ赤になったカズマの耳を眺めてると、視界の端にウィズに耳打ちしてる水色の姿が目にはいった。何か余計な事を吹き込んでるな。
「━━━えっ、カズマさん本当に別荘を買うんですか!?でしたら、ぜひ温泉つきの一戸建てを買った方が良いですよ!私聞いたんですけど、そういう物件を取り扱ってる不動産屋さんがあるみたいなんです。お値段は結構するみたいですけれど・・・でもカズマさんなら大丈夫ですよ!宣伝用に冒険者の方にお渡ししたライターの評判は上々ですし!見せて頂いた発表前の商品も凄そうですし!温泉のある別荘!素敵ですね!購入したら遊びにいかせて下さい!楽しみにしてます!」
「えっ、い、いや、買わない買わな・・・・い。いや、もしかしたらぁ、買うかも知れないけどぉ・・・」
確認をとるようにカズマが見てきたので、俺の気持ちを込めてニッコリ笑っておいた。するとブルリと体を震わせて「買わないかな」と神妙な顔でウィズに伝える。
分かれば宜しい。本当に儲かって儲かって、余裕一杯が出来たら検討くらいはしてやる。検討くらいは、な。
・・・それにしても、めぐみん大丈夫か?
さっきから暗い顔で黙々とご飯食べてるんだけど。
全然こっちの会話に反応しないんだけど。
「めぐみーん?大丈夫か?」
「えっ、は、はい。カナデ、何ですか?」
本当に聞いてなかったのか、めぐみんが慌てた様子でこっちを見た。正面から改めて見ると、本当に疲れてた顔してる。
「元気ないな、そんなに大変だったか。お守り」
「お守り・・・は、そこまでは。ただ、己の仕出かした事の大きさに、どうして良いか分から・・・あっ、いえ、何でもないです。勧誘が酷くて・・・いえ、元はといえば、それも私が・・・・あっ、いえ何でもありません」
「良く分からないけど、今夜は美味しい物食べて風呂入ってゆっくり休め。ほら、デザートあげるから」
「・・・・・ありがとうございます」
しょんぼりするめぐみんに取り敢えず手元のデザートを渡した所で明日の話になった。水色は今日訪問した教会でチヤホヤされた事に味をしめたらしく、明日もアクシズ教のプリーストとして大手をふって街を練り歩くそうだ。ダクネスもそれに着いていくらしい。カズマから「そんなに虐められたいのか、この変態クルセイダーが」と罵倒を貰って「違う!」と頑なに言い張っていたが、頬を朱に染め口元をニヤケさせる表情に説得力はなかったとだけはいっておく。
ウィズは引き続き温泉に入りたかったみたいだけど、めぐみんに誘われて爆裂魔法撃ちに行くらしい。心配なのでついて行こうかと言ったけど、「そこまで野暮でもありませんので」と断られた。・・・・野暮?
「━━━そう言えば話は戻るけど、カズマとカナデもあの後出掛けたんでしょ?何処に行ったの?どうせ出掛けるなら一緒に行けば良かったのに」
不意に掛けられた水色の声に心臓が跳ねあがった。
カズマも俺と似たような気持ちなのか、飲み物を変な気管に詰まらせて咳き込んでる。俺も食べたり飲んでたりしたらああなった事だろう。笑えない。
「ねぇねぇ、何処に行ったの?私達は教会に行く前に、大通りの屋台とか有名な建物とかフラフラ見て回ったけど、二人とは会わなかったでしょ?二人は何処を見てきたの?何か面白いものあった?あんなに遅かったんだもの、きっと何か見つけたのよね?ねぇ、意地悪しないで教えなさいよ」
グイグイと迫られるカズマが分かりやすく助けを求める顔をした。こんな時こそお前の良く回る舌を使えと言いたいけど・・・・まぁ、仕方ないか。いきなり詰め寄られてパニックなんだろうし。
「━━━俺達は」
「それよりもアクア。この後アクシズ教団御用達の秘湯に行くんだったよな?折角の機会だ、私もついて行って良いだろうか?エリス教徒の私では普段は縁が無さそうな場所だしな」
そう言ってダクネスが話に割り込んできた。
きょとんとしてると、意味深なわざとらしい笑みを向けられる。
「ん?ダクネスも秘湯に入りたいの?本当は敬虔なアクシズ教徒しかいれちゃいけないけれど・・・まぁ、仕方ないわね。良いわよ。特別に私が口を聞いてあげるわ」
「秘湯ですか!?で、でしたら、アクア様、私も一緒に・・・」
「アンデットは駄目よ。可愛い信者達の憩いのお風呂場が穢れるじゃない。こっちこないで」
「そ、そんなぁ、あの、そこを何とか~」
「ちょ、すがらないでっ!いやよ!アンデットなんて入れてなるもんですか!お湯がアンデット臭くなっちゃうでしょ!もうっ、ダクネスも見てないで何とか言って!」
放っておくとウィズも話に交ざってきてすっかり温泉の話になってしまった。わいのわいのと喧しい。話が逸れたみたいで、こっちとしては助かったけれど・・・あの笑みはなんだったのか?まさかカズマとの事がバレてる?とも思ったけど、あの鈍きこと脳筋が如しな変態にバレる訳もないと思うので、よっぽど秘湯に興味があったんだろう。結局心臓をどきりとさせた話はそのまま蒸し返される事なく、賑やかな夕飯は暫くして終わりを迎えた。
夕飯後、結局熱意に負けた水色はウィズも連れて三人で秘湯へと出掛けていった。「アンデット嫌いの水色が丸くなったなぁ」と水色達の近くで話を聞いていたカズマに漏らせば「対価に馬鹿高い酒を要求してたぞ」と教えてくれた。やっぱり水色は水色だった。
しかし、貧乏店主の何処にそんな金があるのか・・・・謎だ。
「はぁぁぁーー」
それで出掛けた連中を見送った俺達はと言えば、仲良く宿の露天風呂だ。混浴があったからそっちに皆で入ろうとしたけど、他のお客もいるようなので大人しく女風呂にきてる。妄りに肌を晒すつもりはないからな。カズマは・・・・どうせ混浴だろ。だってカズマだしな。
夜空を眺めながら暖まっていると、少し離れた所でちょむすけを洗おうと奮闘していためぐみんが漸く湯船に入ってきた。奮闘の結果がどうなったのかは分からないけど、風呂桶の中でぐったりしてるちょむすけの様子を見れば熱い戦いだったことは察した。
湯船にちょむすけ入りの桶を浮かべためぐみんは浴槽をまじまじと眺めた後、ジャブジャブと音を立てながらこちらに泳いで来る。
「カナデ、カナデ。折角貸し切り状態ですし、ちょっと競争しませんか?」
ビシッと湯船の端を指差すワクワク顔のめぐみんに、俺は右手を左手に添えてビシュッと水鉄砲を放つ。突然の不意打ちにめぐみんの口から可愛い悲鳴があがった。ついでに桶の上で湯船に揺られていたちょむすけからも甲高い悲鳴があがった。ちょっと掛かったようだ。
「なっ、何をするのですか、いきなりっ!ちょむすけも私もびっくりですよ!もう!」
「ははは、ごめんごめん。でもなお風呂で泳いだら駄目だぞ。マナー違反だからな」
「それはそうですけれど・・・こんなに広いお風呂で二人と一匹っきりの貸切状態。湯船はうんと広くて、開放的で・・・ほら、ウズウズしませんか?」
そう言われてしまえばウズウズしないとは言えない。
大きなお風呂ってそういう魔力があるものだし、何より"駄目と言われれば尚更"という所もある。
目をキラキラさせるめぐみんに「少しだけな?」と言えば、嬉しそうな笑顔が返ってきた。なんかフリフリっなわんこの尻尾も見える気がする。
そうしてちょむすけの鳴き声を合図に始まった水泳競争だが・・・あっさり俺の勝ちで終わった。距離が短い為、本当に一瞬で終わった。口ほどにも無かった。鼻で笑ってやったらむきになって再戦を申し込んできたので勿論受けてやる。ただし一度きりという条件つきでだ。
お客さんがこないか確認してから始まった二度目の競争の結果は━━━━言うまでもなく俺の勝ち。僅差ではあるけど、やっぱり俺の勝ちである。大人げないと言うことなかれ。競争は真面目にやってこそだ。それに負けること自体悪い事じゃないしね。時に敗北は勝利以上に学ぶことがあるものだ。うんうん。
競争を終えるとめぐみんは疲れたおっさんみたいな声をあげながら、湯船の囲いの岩へへたり込んだ。ぐでーっとする姿はなんか虎の敷物みたい。
「レベル差も開いてきましたし、そろそろ勝てるのではないかと思ったのですが・・・・やはり魔法使いと戦士では基本的な筋力に差がありますね」
「戦士といっても、ジョブでいえば冒険者だけどな」
「だからこそ勝てると思って・・・・はぁ、カズマになら勝てる気がするのですが」
ガタッと、混浴のある柵の向こうから物音がした。
「それはそうと、カナデまた大きくなりました?」
そう言っためぐみんの視線は胸に釘付けになってる。
その眼差しの中に少し憎しみが篭ってる気がするのは、きっと気のせいではないのだろう。昔幼馴染が似たような目で胸の大きい女子を睨んでいた事があったし、なんかそういう、女子にしか分からない何かがあるんだろう。いや、知らないけど。いっても俺は女子歴一年未満だからなぁ。
「少しだけなぁ」
「少しだけ・・・むぅ、私も成長期の筈なのですけど」
ペタペタと触るそれは僅かな膨らみ。
ないのと一緒と言っていた、中三の春に見たあの悲しき横顔を思い出す。まぁ、そんな顔したあいつはその後、急激にでかくなったんだけど。協力しといてあれだけど、まさか本当に効果があるとは思わなかっ・・・た━━━━あっ。
「・・・・えっと、揉んでみるか?」
「はい、揉んでみて貰って・・・・ふぇっ!?も、揉んでっ、ひぇっ!?カナデ、何を言ってるのですか!?」
掌をグーパーしながら提案すれば、一気にめぐみんとの距離が開いた。物理的にでもあるし、多分精神的にも。
「偶然だとは思うけどな?昔の知り合いに揉んで貰って大きくなったやつがいたからさ。どうかなって」
「えぇ・・・それはよく聞きますけど、ただの迷信ではないんですか?」
「どうだろうなぁ・・・そいつは母親も割りと大きい方だったからなぁ。そのまんま遺伝のような気がする」
「ほら、やっぱり。いい加減な事言わないで下さいよ、まったく・・・・・んん?」
呆れたように笑っためぐみんだったけど、何やら急に思案顔になった。
「・・・一つ聞いても良いですか?カナデのそれが大きくなったのって、具体的にいつ頃から?」
「んん?いつ頃とか言われてもなぁ・・・気がついたらそうなってたとしか。この間、ほら魔王軍幹部がまた来た時あったろ?あの時久しぶりにウェイトレスの制服きたらきついかな?ってなってな」
それを聞くとめぐみんは胸を張った。
そして腰に両手を当て、キリッとした男前な顔つきで口を開く。
「さぁ、カナデ、ばーんと来て下さい!!」
やだ、カッコいい。
竹を割ったようなってこんな感じだろうか。
めぐみんは気持ちのいい子だな、本当に。
「保証はしないぞ?」
「いえ、ある意味で保証があるみたいなので」
「ん?そうか?まぁ、良いけど。それじゃ軽く揉んでみるか・・・・とその前に。カズマ、そこにいるなら今すぐ離れろ」
出来るだけ低い声でそういうと、バッシャァーンと激しく水に飛び込む音が聞こえてきた。めぐみんが顔を真っ赤にしながらアワアワしてる。この様子だとすっかりカズマのこと忘れてたみたいだ。
石鹸と桶とちょむすけの雨を降らせた後、少しだけめぐみんの胸を揉んでやった。めぐみんは終始擽ったそうに身を捩りながら頑張って揉まれていたけど、果たして効果はあるのだろうか。まったくの謎である。
ご利益があるようにと、おっぱい揉まれて拝まれた身としては効果があって欲しいけれど。
取り敢えずエリス様に、めぐみんの胸が大きくなるように祈っておいた。
えっ、身近に女神がいるのに?あの女神はご利益どころか、膨らんだ乳房をイリュージョンで消し兼ねないからなぁ。