※この作品はR-18です。

この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を   作:らいじゅう

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待たせたな( *・ω・)☆!


えっ、待ってなかったって?
そうか!それでもよし(自己満足ッ)!


信用がないのは初めからじゃないですか?え、悪化してんの?あーどんまい

「我が敬愛なるアクシズ教徒達よ!この街では現在、魔王軍による破壊活動が行われています!お風呂は今危険で危ないので、事態が治まるまで入らないで下さい!繰り返します!我が敬愛なる━━━━」

 

装備を整えてからカズマ達を追い掛けて少し。

真っ昼間の歓楽街のど真ん中、噴水のある広場に異様な人だかりを発見した。嫌な予感と共に近寄ってみれば、噴水の所に見慣れた黄色と水色の二人の姿。メガホンのような物を持った水色はそれを口元に当て、何処かの選挙前の政治家のように演説する。頭の悪そうな演説だけど。

 

周りを見渡してみれば、広場の端っこに死んだ魚の目をしためぐみんとカズマの姿を見つけた。声を掛ければ生気のない目で返事を返してくる。なに、ゾンビ?

 

「色々と言いたい事があったんだけど・・・えっと、取り敢えずカズマ達から状況報告お願いしていい?」

「・・・・ああ。っても、言える事なんて殆んどないけどな」

 

カズマが言うことにゃ、あれから温泉巡りしつつ調査して実際に汚染されてる場所は幾つか見つけたらしい。温泉に混じっていた毒素はそこまで強くなかったものの、長期間に渡って利用すれば肌が荒れたり体調が悪くなったり下手したら皮膚病やら何やらに掛かる恐れがあるレベルだったそうだ。

 

それで水色がそれを街の皆に教えると言って・・・まぁ、後は見れば分かる。

 

「アクアがいうように誰かの工作なのかは分からないけど、源泉かもしくは源泉を通してるパイプになんかある可能性は出てきたな」

「・・・そうなのか?」

「ああ、この街の温泉は全部向こうに見える山の源泉から引いてるらしいんだよ。━━━んで、それは行政がちゃーんと管理してるそうだ。役所にいって何処から引いてて、どんなパイプを通ってきてるのか、ある程度は調べたら直ぐに分かったぞ。因みにこれが今回汚染のあった場所と何処から引いてるのか調べたメモ。あと、これが温泉のサンプルな。取り敢えず行った所は全部とっておいた」

 

さっとポケットから取り出された用紙と、肩掛けしたバッグの中から名前の書かれた小さな水筒数個が顔を出す。取り敢えず用紙を見させて貰えば、温泉の名前と源泉についての記録が書かれていた。言われた通り、今回汚染されてた温泉は引いてきてる場所が同じみたいだ。

 

よく気がついたなと軽く関心したら、カズマが分かりやすく顔をニヤつかせた。チョロいんだから、まったく。可愛いから別にそのままで良いんだけど、変な女に引っ掛かるなよ?━━━と心の中で思ってると、カズマとの間にめぐみんが体を割り込ませてきた。何か言いたげ。

 

「━━━因みに、それを最初に言ったのは私です」

「おい、こら。共通点があるかも知れないのに気づいたのは俺だぞ」

「カズマではそこから先は思い付かなかったでしょうから、実質私の天才的な頭脳のお陰です。感謝して下さい。浴槽を削りとってきて『原因はここにある。俺の灰色の頭脳が、そう直感している!!』って言いながら浴槽の欠片片手に無駄に格好いいポーズでドヤ顔したのは誰ですか?」

「おまっ!?あ、あれは、汚染されてた風呂場の創設時期が近かったし、お湯が原因と決めつけるのはアレだったからで!それにあの時はありとあらゆる可能性を考慮してだな!」

「アクアが浄化する前にサンプルを取ろうといったのも私です」

「おいおいおい!それは流石に俺だからな!?」

 

喧嘩し始めた二人を宥めていると、水色達の方が騒がしくなってきた。三人揃って様子を伺うと、水色がアクシズ教徒らしき集団から罵倒を浴びせられている。水色がちょっと涙目になってるのも見えた。話を聞いてなかったからどうしてそうなったのか分からないけど・・・。

 

「温泉をお湯に変えてるってのは、ねえちゃんのことだったのか!何だってそんな質の悪い悪戯しやがる!!」

「魔王軍だか何だか知らねぇが、てめぇも大概じゃねぇか!何が狙いだ!」

「ウチの温泉駄目にしやがって!!今日の売上どうしてくれんだ!出るとこ出てやるぞこら!」

「アクア様みたいな綺麗な髪をしていて、なんて罰当たりな!!丸坊主になってアクア様に謝罪なさい!!この不心得者!!」

 

わぁお、凄い言われよう。

でも流石にちょっと言い過ぎだろう。

そりゃ、水色は余計な事ばっかりしてるから文句を言われるのは仕方ないけど・・・だからと言って、ちょっとこれは見てられないな。そもそも誰の為に頭パーのあいつが、アホみたいな演説してると思ってるんだか。

 

「はぁ、まったく・・・カズマ、めぐみん」

 

二人に視線を送れば、何も言わず頷いてくれた。

顔は少し嫌そうな表情だったけども。

 

取り敢えず喧しいのを震脚で黙らせる事にする。

スキルを発動し、光の灯った足で思い切り地面を踏み抜く。すると振動と轟音が周囲に響き渡り、騒がしかった喧騒が悲鳴に変わる。ギルドの酔っ払いに教えて貰った瞬間的に攻撃力を強化するスキルだけど、威圧としての効果もそれなりにあったみたいで場はすっかり静まりかえった。代わりに視線がアホみたいに刺さってくるけど。

 

俺が一歩足を踏み出せば面白いくらい簡単に人ごみが割れ、水色達の元へと続く一本の道が出来た。

 

「行くぞ」

「っす!カナデさん!!」

「はっ、はい!了解です!!」

 

なんで敬語。

 

沢山の視線を浴びながら噴水の前へ行けば、顔を赤く染めながらプルプルしてるダクネスと顔を青くさせながら涙目になっていた水色が明るい表情を浮かべる。そしてそのまま水色はポロポロ涙を流しながら飛び付いてきた。いつもなら投げ飛ばしたり、かわしたりする所だけど、今回は仕方ないので抱き止めてやる。

 

「何してんだ、お前は」

「うわぁぁぁん!カナデぇぇぇぇ!聞いてよぉぉぉ!私悪くないのに!皆を助けようとしただけなのにぃぃぃ!」

「話聞いてなかったからよく分からないけど、どうせ昨日みたいに勝手に温泉浄化しちゃったんだろ?ちゃんと事情話して、納得して貰ってからやんないと駄目だろ」

「でもっ、でも!あんなお湯に入ってたら、病気になっちゃうと思ったからぁぁぁぁ!それなのにぃ、皆がぁぁぁ!!」

「はいはい、よしよし。そうだよなぁ、困らせようとしたんじゃないよなぁ。泣かない泣かない」

 

水色をよしよししてるとダクネスからいやに視線を感じて・・・何となく手招きをしたけど首を横に振られた。違うのか。頭撫でて欲しいのかと思ったんだけどな。

 

「・・・突然現れてよォ、その、嬢ちゃんなんだよ?」

 

水色の慰めを続行してると、側にいた売上がどうたらと叫んでいたおっちゃんが話し掛けてきた。なので普通に仲間である事を教えると顔を真っ赤にして怒り始める。温泉浄化しやがってとか、賠償金払えとか。

 

なので至極当たり前に、常識の範囲で言葉を返す。

 

「温泉を浄化してしまった事は、こちらの不手際ですから謝罪します。必要であれば今回の損害について賠償金を支払う準備も致します」

「そっ、そうだろ!お宅らは俺の温泉を駄目にしやがったんだ!きっちり落とし前を━━━━」

「ですので、そちらも謝罪と賠償金の用意をお願いしますね?」

 

そう伝えるとおっちゃんは目を点にした。

同じように温泉を浄化された事に対して文句を言っていた連中を一通り視線を向ければ、どれも似たような顔をしてる。何でそんな顔してるんだか?

 

「何、言ってんだ?謝罪と賠償金?俺達が?」

「えぇ、そうですよ?温泉の水質管理を怠り、著しく安全性の欠けた温泉を素知らぬ顔で一般開放していたんですよ?それで経営者の方になんの責任もないと本気で思っているんですか?私の仲間はその温泉に入り、身体的にも精神的にも耐え難い苦痛を受けました。今現在、健康的な被害はありませんが、もし何かあれば追って連絡します。この件についてこちらも断固とした姿勢で抗議させて貰いますのであしからず。━━━後日、裁判所から通達が来ると思うので、そこで改めてお話出来ればと思います」

「えっ、裁判所?な、なんで、裁判所が出てくんだよ?」

「はぁ?ですから、訴えるので覚悟をしておいて下さいね?と言っているんですが」

 

笑顔でそういうと宿経営者陣が固まった。

 

「温泉の管理について怠った結果こうなっているのでしょう?まぁ、お互い責任はとった方が後腐れもありませんし・・・ああ、そうですね。裁判をする前に、まずはこちらを警察に届けないと行けないですね。ん?これですか?私の仲間が採取した温泉のサンプルですよ。刑事責任が問われるかは分かりませんが、公衆の集まる場である温泉に毒素が混じってるなんて笑い話で済むものでもないでしょうし、犯人や原因は兎も角としてもきっちり調べて貰いましょうね?」

「ま、待て待て、お嬢ちゃん!警察は待ってくれ!そんな事したら━━━━」

「どうなるんですか?何か問題でも?」

 

じっと目を見つめるとおっちゃんは顔を背けた。

そりゃ何も言えない。警察とは名ばかりの貴族の犬共なんかに話したら、原因がなんであれ温泉の管理が杜撰であった事が公になってしまう。法的に罰則を食らうのは勿論、汚染された温泉を開放していたなんて広まれば社会的制裁を食らうのも間違いない。アクシズ教徒天国だったここに、アホ貴族から利益を掻っ払う為に要らない横槍が入るかも知れない。そうなったらそれこそ、宿が潰れかねない。下手をすれば観光で成り立ってる街そのものが終わる可能性もある。だからこんな所でウダウダ吼えてるのだ。訴えようにも、温泉の管理側にも問題はあって、そしてその自覚もあるから警察には話せないから。

これは温泉が汚染されてる噂をキチンと調査せず、誤魔化して営業し続けてきた、この街の連中へのツケそのものだ。

 

こういう時なんやかんや気の優しいカズマ辺りなら、責任は水色にあるとかなんとか言って補償金とかそのまま払いそうだけど━━━俺はそういうのはごめんなので痛い所はガンガン突かせて貰う。抵抗するなら使える手は全部使って、徹底的に叩きのめす所存だ。

 

俺は顔を背けるおっちゃんの耳元に口を近づけ、そっと囁くように続ける。

 

「よく聞いて下さい。私の仲間は温泉の汚染に気づいたあなた方に頼まれ、善意から無報酬で汚染された温泉を浄化した。浄化の魔法が効きすぎて真水になってしまったものの、元より善意からの行動であるし、何よりお客様に健康被害を与える事が"なかった"ので大目に見る事にしようと思う━━━━分かったら頷いて貰えます?」

 

体を震わせながらコクコクと頷くおっちゃんに、分かったら他の人にも教えてあげて下さいと伝えれば人混みの中に突っ込んでいった。そして何人か集まって話をすると、そこにいた全員がこちらに頭を下げた。

 

「「「「申し訳ありません、こちらの勘違いでした!!また何かあれば助力頂けると幸いです!!」」」」

 

綺麗に揃ってそう言うとスゴスゴと帰ってく。

元気に批判してた連中が静かになると、話の流れは変わっていってヒソヒソと皆が最近の温泉について話し始める。確かにここの所肌荒れが酷いとか、前より変な臭いがする時があるとかなんとか。

まったく、現金な物だ。

 

「カナデ様って呼んだ方が良いかしら」

「水色・・・・ふざけた呼び方してると、今すぐ尻に蹴り入れるからな?」

「わ、私、一応女神なんですけどぉ!?」

 

 

 

 

 

水色達を助けてから暫く。

場所を近場の喫茶に変えてた俺は、軽食を摘まみながら露天風呂で出会った怪しい女の事と聞いた不穏な話を皆に聞かせた。カズマは「本格的に面倒な事になりそうだな」と本気で嫌そうな顔になり、めぐみんは「我が爆裂魔法の出番ですね」と目を赤く輝かせ、水色は「きっと悪魔ね、殺しにいきましょう」と黒いオーラを垂れ流して立ち上がった。

自由だな、こいつらは。

 

アホスリーを眺めてるとダクネスが「いいか?」と声を掛けてくる。

 

「その女が何者なのかも気になるが、それよりもやはり今は温泉の事だな。もしその話が本当なら、一連の騒ぎは人為的に行われてる可能性がある。罪のない民を苦しめる所業、騎士を目指す者として見過ごせん」

「まぁ、騎士云々はおいておいても、何もしないのは流石に心が痛むもんな・・・・警察に証拠提出して帰ろうな」

「カナデ、帰ったら駄目だぞ。帰ったら話が終わりだ」

 

良いじゃん、いってもこの街の連中がどうなろうと関係ないし━━━と思ってたらめぐみんがテーブルをバンっと叩き立ち上がる。

 

「そうです!駄目です!カナデ!こんな面白━━━こんな爆裂チャンスに帰るなんて!私達で調査し、犯人を見つけてドカンとやりましょう!!私は準備万端です!」

「面白いのがまだマシだったぞ、めぐみん」

 

バンっとテーブルを叩く音が続く。

振り返れば水色が立ち上がっていた。

 

「駄目よ!私の可愛い信者達が困ってるのよ!?警察なんかに任せておいて、手遅れになったらどうするの!?今日回った所にはかなり汚染されていた場所もあったの!アレにお客さんが入ってたら病気にでもなっていたのよ!」

 

いつもテキトーな水色がいやにやる気を見せる。

少し意外な姿だけど・・・そもそもこいつは女神で普通の人とは色々と違うやつだ。当然、価値観だって大分違う。自分を信仰してくれる信者は俺達が考えるより大切なのかも知れない。

 

ふとカズマの方を見れば、俺の視線に気づいたカズマは頭をかきながら溜息をついた。それで仕方ないって顔でこっちに苦笑を返してくる。リーダーがそういうなら、俺にいうことはない。

 

「取り敢えず、だ。調査は続ける。ただし、もし犯人を特定出来たり見つけたりした場合、戦闘は避け冒険者ギルドに任せる。それでいいな?」

 

カズマの言葉に水色が目を輝かせるが、めぐみんが不満げな顔をする。どうせ爆裂魔法撃ちたいんだろう。それなりの付き合いだ、分かる。

 

めぐみんが文句を言おうと口を開く瞬間。

バタバタと騒がしい足音と共に喫茶店のドアが壊れんばかりの勢いで開いた。視線をそこへ向ければ、さっき騒いでた温泉宿のおっちゃん達が息を切らしながらそこにいた。

 

「あっ!いたぞ!水色のねーちゃんだ!!」

「本当だ!いたぁぁぁぁ!」

 

突然の野太い大声にビビったのか、水色が袖を摘まんでくる。不覚にもちょっと可愛く思ったのは内緒だ。

おっちゃん達は荒い呼吸のまま近づいてきて、そのまま俺達のテーブルの前までくると凄い勢いで頭を下げた。

 

「さっきの事は本当にすまねぇ!こんな事言える立場じゃねぇ事は分かってんだが、あんたの腕を見込んで頼みたい事があるんだよ!」

「また汚染された湯が噴き出やがったんだよ!それもウチらの所だけじゃねぇ!知り合いの所もえれぇ事になってんだ!ギルドにも頼んだんだが、汚染の濃度が高くて並みの術師じゃどうにもならねぇって・・・!」

 

えぇぇ、マジかー。

あの時から嫌な予感はしてたけど・・・・女の勘って当たるもんだな。女になって初めて知ったわ。

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