この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
本当に、申し訳ない(メタルマン風味)
未だ紅蓮の残る、熱風渦巻く砕かれた大地。
倒れふす迷い子達、祈りを捧げる子羊達、絆を紡いだ仲間達を背に彼女は立ち上がった。
「悪魔殺すべし・・・・!」
すべてを包み込む母なる海のような青の髪を。
淡い光を放つ薄紅色の羽衣を。
風に靡かせて。
「魔王しばくべし・・・・!」
サファイアの瞳を輝かせながら、彼女は右の拳を空へと翳した。途端、暗雲の立ち込めていた大地に━━━いや、神々しいまでの輝きをその身から発する彼女の元へ光が落ちる。彼女を祝福するように。
「━━━━貴様っ、この気配は!!」
彼女の姿に大地を焦土と変える一撃を生き残った異形は驚愕の声をあげる。漂う雰囲気に禍々しき紫に染まる異形はその場から逃げ去ろうとするが、彼女の仲間達が残した残り火達がそれを許さない。
その光景に紫の異形は吼える。
「その青い、髪!!羽衣!!あいつらが崇拝してる!あの、忌々しい女神は!まさか━━━━!!」
彼女は祈りを背に駆ける。
その身より発していた光を右の拳に集束しながら。
足を止めた異形に向かって。
「懺悔なさい!私の可愛い信者達をイジメ、パーティーの皆をボロボロにし、魔王にくみし世界に混乱を与えたその罪を!!あと、減らない借金の罪を地獄の底でぇ!!」
「待てぇ!覚えてねぇけど、何となくこの惨状はおれのせいじゃねぇ!どうみても爆心地だろうが!スライムの俺に出来るか!あと借金は絶対に俺のせいじゃねぇだろ!!」
「問答無用!!受けなさい、女神の怒りと悲しみとほんのすこしの切なさを乗せた必殺の拳!!『ゴッドブロー』ォォォォォ!!」
光を纏った拳が異形へと打ち込まれる。
空気を切り裂く必殺の拳は異形の形を容易く歪ませ、その口から絶叫を上げさせた。されどまだ、異形の体は消失せず拳へと抗いを見せる。
「この、程度のっ!攻撃で!!俺は、魔王軍幹部!デットリぃ、ぽいっ、ず、ん、スライムだっ!喰らって━━━この力はっ、お前っ、ま、まだ!!」
「そして、これがぁ、女神の愛と哀しみの鎮魂歌!!『ゴッドレクイエム』ッッッッッッ!!」
聖歌の如く紡がれる祈りを拳に乗せ、彼女は━━━女神アクアは二つ目の拳を異形へと叩きつけた。流星の如き光の濁流が異形の体を貫き、砕き、塵へと変える。
「こんな、こんなやつにぃ━━━━!!」
彼女の拳から放たれた光は異形を飲み込み空へと駆け上がる。大気を揺らし闇を貫き、周辺一体を太陽の如く照らしながら真っ直ぐに高く。何処までも高く。
人々は空と大地を繋ぐ、その光の柱を見た。
彼女が産み出した奇跡を。
「「「━━━━っていう、夢を見たのか」」」
「ちっっっがうわよ!!」
魔王軍幹部討伐から翌日。
宿で目を覚ました俺達は事の結末を知ってると言い張る水色の話を食事をしながら聞いていた。
ベーコンエッグ美味しい。
「本当なの!そんな感じで私が大活躍してあの忌々しい魔王軍幹部倒したの!ほら、ギルドからも討伐記録だって貰ってるでしょ!!なんでそんな可哀想なものを見る目でみるの!?おかしいわよ!おかしいわ!」
怒り狂う水色にカズマ達がジト目を向ける。
「そうは言ってもなぁ・・・お前のゴッドブローとかゴッドなんちゃらっていうの、まともに機能したの見たことないからな。魔力がバカ高いことも、ステータスの筋力が高い事も認めるけど、それはお前幾らなんでも盛りすぎだろ」
「盛りすぎ!?何言ってるのよ!カズマは知ってるでしょ!私は女神よ!歴とした女神なのよ!それくらい出来るの!元から出来るの!カエルは、いろいろ、なんか、あれだっただけで、ゴッドレクイエムは受けたら本当に死ぬの!本当よ!?」
身振り手振りを交えた必死な言葉に、めぐみんが仕方ないと言わんばかりに溜息をついた。
「まぁまぁ、カズマ。倒したのは本当のようですし、この際その過程については追及しないで置きましょう。私にはそういう経験はありませんが、その、なんというか、気持ちは何となく分かりますので」
「まって、めぐみん!私のどんな気持ちが分かったの!?その顔は分かってないやつだと思うんですけど!?その過程を信じて欲しいだけなんですけど!?」
「分かります。アクア。時に人は見栄を張りたい時もあります。今回は、誰も傷つかない嘘ですし、私は信じますよ」
「それは百万パーセント信じてない人の台詞よ!!だぁ、もうっ!ダクネス!ダクネスからも何か言って!ちょっと意識あったでしょ!回復させた時、起きてたでしょ!」
水色に泣きつかれてダクネスは苦笑いを浮かべ困ったように頬をかく。
「すまない。弁明してやりたいのは山々なのだが、あの時の事はあまり覚えていないんだ。意識は朦朧としていて、アクアに回復して貰い始めた頃からしか・・・流石にあの規模の爆裂魔法は堪えた。よもや、あれほどの威力とは思わなくてな。ああ、しかし、本当に凄まじい威力だった。あまりの威力に震えた。魔王軍幹部にもきく威力という事は、すなわち魔王軍幹部級の威力ということ。そう考えるとあれは・・・・いや、何でもない」
「か、カズマぁ!!カナデ!!ダクネスが完全に変な扉開いちゃってるわ!大変よ!!もう痛くしてくれるなら、何でもいいみたいになってるの!!」
「ちがっ、そんな事は言ってない!!止めろ、アクア!!私を何だと思ってるんだ!!」
「安心しろ、アクア。そいつの変な扉とやらは年中無休ずっと開きっぱなしだ」
「カズマ貴様ぁ!!」
カズマとダクネスが仲良く取っ組み合いし始めた所で水色が涙目でこっちを見てきた。仕方ないので手招きして、側に寄ってきた頭をぐりぐり撫でてやる。
よしよし、頑張ったなぁー。うんうん。わかってるわかってる。助けてくれてありがとなー。ほら、野菜スティックだぞー。はい、美味しいね。うんうん、帰りに地酒一杯かって帰ろうな。
その時の状況は兎も角、あのスライムを倒しきれてなかった以上、意識を失い倒れていた俺達がピンチだった事に変わりはない。実際こうして討伐記録もある。一回意識を取り戻した時、荒れ地で元気にチョコチョコ動いていたのは水色だけだった。余波を受けたと思われる貧乏店主が薄くもなってたし・・・今回に限り信じてやろうと思う。今回に限り。
暫く慰めていると元気を取り戻した水色は勢いよく立ち上がり、「街にいって皆にお祝いして貰うわ!」と出掛けていった。正直行かせたくなかったが、ワクワク顔のダクネスが様子を見るとの事なので見送ることに。
宿の玄関を出る時"水色の話が本当ならアクシズ教徒が良い意味で黙ってないと思うのだが、なんでこんなに静かに過ごせるのか?"と疑問を抱いたが、まぁ放っておくことにした。泣かされて帰ってきたら、その時はまた慰めてやろう。何時間もつかな。
めぐみんはご飯を食べ終わったら貧乏店主を伴って爆裂散歩に出掛けていった。昨日の今日だというのに元気一杯であった。いや、昨日の今日だから、かも知れない。
あと、貧乏店主がまだちょっと薄かった。カズマ経由でダクネスエネルギー送らなかったら今頃成仏してたかも知れないな。あれは。
因みにカズマも例の如く爆裂散歩に誘われたが、戦いの影響で全身が痛いとの事で宿に残る事になった。
俺は温泉に入りたかったので普通にお留守番を選択。アクシズ教徒と会いたくないし、他に選択肢はない。
さて、明日はいよいよ帰る日。
明日の出発は朝が早く、朝風呂に入ってる時間もない。なので今日がゆっくり温泉に入れる最後の日なのだ。
俺は着替えを手に宿の温泉へと向かった。
「・・・・・はぁ」
皆と別れてから少し、無事温泉に浸かる事は出来た。
出来たが・・・・少し問題がある。出来た、というのが正しいのかも知れないが。
目の前にある湯気の立ち込めるそれを手に掬い、そっと嗅いでみる。そこに昨日まで漂っていた硫黄の臭いはなく、色も温泉と呼ぶにはあまりにもあまりに澄んでいた。そういう温泉もあるだろうが、少なくとも昨日はちゃんと色があったのに。
「・・・・あいつ、やったな」
犯人には心当たりがある。
こういう事を出来る人間はそうはいない。
今朝の様子から悪戯を企んでいたようには思えなかったので、これは恐らく犯人も意図しない出来事だったに違いない。
「・・・・本当にゴッドなんちゃらやったのか。あいつ」
貧乏店主が余波で消滅しかけた一撃。
浄化魔法としての効果もあった破壊の一撃。
当然比較的近くにあった源泉にもその人ならざる者の力、正真正銘の神パワーを示してしまったのだろう。
「━━━━はぁ、まぁ、広いお風呂ってだけでも、悪くはないけどな・・・・俺は」
そう、俺は。街の人間が納得するかは別の話。
道理であいつの元に誰もこない訳だ。今頃街はパニックが起きているのであろう。当たり前に出ていた温泉が全てお湯に変わってしまって。
そしてそこに、元凶たるあのお馬鹿は突っ込んでいった、と。成る程。頭痛いなぁー。
「うーーーん、ダクネスだけで何とかなるのか?」
言っちゃなんだが、何ともならない気がする。
あーーー、ん。もういいや。
考えるだけ疲れる。
ぼーっとしてるとガラガラと戸が開く音が聞こえた。
振り返ってみればカズマがこそっと覗いてる。
部屋に備え付けてある個室とはいえノックぐらいして欲しいものだけど・・・・まぁ、良いか。見られたからって別に減るものでもないし。
「入ってOK?」
「良いぞ」
そう許可を出せばカズマがビクリとした。
どうやら入りにきた訳ではないらしい。
よくよく見れば浴衣も普通に着てる。
冗談のつもりだったのか?分かりにくい。
「・・・あっ、や、つ、疲れてるかなぁーと」
「そういうの気にするならノックもしろ。びっくりするだろ?大丈夫だから入ってこい。背中流してやるから」
「あっ、はい」
大人しく服を脱いできたカズマに合わせ、俺も湯船から上がった。今更タオル巻くのもアホらしいのだが、カズマが隠してくれとお願いするので胸元の所から股が隠れる大きめのタオルを巻いとく。どうせ湯船に戻るんだから、巻いたって仕方ないだろ?と聞くと、タオルの大切さをとくとくと語られた。濡れたタオルのしたに見える体のラインとか、うっすら見える肌の色とか、股間がギリギリ見えないチラリズム感とか、なんかそんなのが良いらしい。
その気持ちはまったく分からないとは言わないが、お互い飽きる程裸見せ合ってるのに、何を今更・・・と思わなくもない。いや、やるけどさ。
宣言通り背中を流してやって(エロなし)一緒に湯船に浸かった。隣に座ったカズマは何かしたそうだけど、これはスルーしておく。直ぐそんな事言ってられない状況になる気がするからだ。主に水色関係で。
「なぁ、カナデ・・・・」
「んーー?」
ぼんやりしてるとカズマの手が腰に触れた。
探るように優しく撫でてくる。
「お前、体痛いんじゃないのか?」
「まぁ、全然痛くないというと嘘にはなるな。傷自体はアクアが治してくれたし言うほどじゃない」
「そっか、それなら良いけど」
コテっとカズマの肩に頭を預けると、腰を撫でてた手が体を支えるよう置かれた。視線を上げてカズマの顔を覗けば、分かりやすくえっちな顔してる。欲望に正直か。こいつ。まぁ、いつもならドンとこいなんだが・・・・今はなぁ。
「あのなぁ、カズマ━━━━━んっ」
水色達の事を教えようとしたら、カズマに唇を塞がれた。いきなり舌が口の中に潜り込んできて、遠慮なしに口の中を這いずり回っていく。ざらついた感触が口内を暴れていく。ゾクゾクするほど、厭らしい音を立てながら。
俺の口の中を蹂躙しながら、カズマは空いてる手でお腹に触れた。酷く優しい手つきで、壊れ物でも触るように。カズマの指はその場所を撫でていく。
「━━━━━━っ、は、カナデ」
息が苦しくなるほどの長い口づけを終わらせ、カズマが切なそうな声をあげた。けれどそんな声とは対称的に、
カズマの目は獲物を前にした獣みたいにギラついていた。見てるだけで撫でられているお腹の所がきゅっとする。
「しても、良いか?実をいうとな、昨日の戦いの後から、おさまりが悪いというか、なんというか・・・・」
おねだりカズマ可愛い。
その仕草だけで俺のあそこは受け入れ準備しちゃってる。・・・・いや、違うか。これは昨日からずっとだ。疼いていた。
だって、あんなに格好いい姿を見せられて、胸がときめかない訳がない。怪我なんてしなければ、絶対カズマを誘ってる。それこそ朝までコース。頭が馬鹿になるくらいカズマにいっぱい可愛がられて、苦しくなるぐらい精を注ぎ込まれて、蕩けそうなほどキスをして、何度も指を絡めて、キスマークつけあったりして━━━━。
だから一思いに頷いてこのままカズマに付き合ってやりたいけど、あの馬鹿共がなぁ━━━━。
「・・・・まっ、いっか」
「ん?」
「昨日頑張ったのは俺もだし。ご褒美くらい貰っても罰は当たらないだろ。うん。あとでやれば良いや」
きょんとするカズマの唇に、俺は自分の唇を重ねる。
さっきのお返しに今度は俺が舌を捩じ込む。
舌を絡めて、唾液を啜って━━━━昨日やりたかったそれをぶつける。
応えてくれたカズマの指はお腹を伝って下へ。辿り着いたそこでじんわりと濡れる秘部に触れる。
カズマの指は少し膨らんだそれを摘まみ、くりくりと刺激してきた。重ねた唇から思わず甘い声が漏れる。
ゾクゾクするものが背筋から這い上がってきて、俺は弄ってくるカズマの手をそっと止める。
「━━━━カナデ?」
「だぁめ、本気でしたくなっちゃう」
秘部を弄っていたカズマの指を口元に引き寄せ、それに舌を這わせた。ぺろぺろと舐めると少ししょぱい味がする。そのまま口に含んでしゃぶってやれば、カズマの荒い息づかいが耳に触れた。
「んっ・・・・ここでしてると、あいつらがきちゃうかも知れないだろ?それでお預けなんて、やだ。むり。だから、二人きりになれる場所つれていって。カズマ、俺な━━━━」
カズマに体を這わせながら耳元に顔を寄せる。
出来るだけ甘い声を出せるように心掛けて。
そっと吐息を交えて言った。
「━━━━━━子作りえっちしたいの♡本気の、えっち。いっぱい、いっぱいカズマの赤ちゃん汁、ここに欲しい・・・・ねぇ、お願い♡」
効果を確認する為に体を離して顔を覗けば、カズマが赤い物を鼻から流していた。つーーっと。音もなく。
「・・・・あっ、はい。ちょ、ちょっと、ちょっと待ってろ・・・!待ってろ下さい!!」
鼻血を出したカズマは湯船からあがると勢いよく駆けていった。滑るから気をつけろ、と声をあげる前に見事に転ぶ━━━が、こけない。突撃する猪みたいに鼻息荒く、態勢を素早く整えて滑りながら脱衣場を出ていった。凄い、エロパワー凄い。
「うーーーん、さてと、エッチしますか」
恐らく泣いて帰ってくる水色達に心の中で軽く謝って、俺も湯船からあがった。