この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
代わりに、ちょっとアレなアレ用意しといたで。もしかして、需要・・・ある?
紅魔の里を目指して、二日目正午。
私達パーティーは紅魔の里へと向かうのを一時中断し、とある理由から林の中を駆け回っていた。
「━━━━いたぞっ、カナデ!皆!!」
決して大きくはないが緊張感のあるダクネスの声に、周囲に散らばっていた皆の視線がダクネスへと集まる。
ダクネスは茂みの向こうを見ながら腰に提げた剣を引き抜く。どうせ当たらないんだからしまっとけ、と少し思ったが今は何より見てる物の方が気になる。
さっさとダクネスの側へ行き茂みの向こうを覗けば、探していたそれが目についた。
「・・・・無事、のようだな」
そういうダクネスと俺の視線の先、猿轡されたままズボン脱がされたカズマと、厭らしい音を立てながらカズマの股関に顔を埋め何かにがっつく豚っぽい人型モンスターの姿があった。周囲にはモンスター同士が争ったのか、同種の豚モンスターがボコボコにされた状態で捨て置かれてる。
「無事かなぁ・・・あれは」
「い、命の危機はなさそうではないか」
そう言いながらダクネスは目を逸らした。
お前も内心は無事と思ってないだろ。
まぁ、それも仕方ない。あれは別の意味で死んでるようなもんだからな。
飛び込むタイミングを伺ってると、めぐみん達も足早にやって来て━━━━茂みの向こうを覗いて顔を赤くした。
「あわわわわっ、大変です!か、カズマのっ、カズマのカズマが!」
「め、めぐみん!あれって、そういう!?そういうのよね!?ど、どどどっ、どうしよう!カズマさんが!」
狼狽える紅魔コンビとは違い、水色は分かりやすく顔をげんなりさせる。流石に女神やってただけあって、この程度では狼狽えないらしい。
「うわっ、カズマのあれって・・・もう手遅れじゃないの?バッちぃんですけど。助けたくないんですけど」
「バッちぃとか言うな。可愛いもんだぞ。流石に俺も、一回洗わないと咥えられないけど」
「えっ?くわっ、えっ、カナデさん?私何か変な言葉聞いたんですけど?幻聴かしら?幻聴よね?あの・・・・カナデさん?」
「・・・気のせいだろ」
「そうよね!びっくりしたわ!」
危ない、うっかり本音が漏れてしまった。
ダクネスもそんな顔で見るな。バレちゃうだろ、やめい。
この発端は丁度三十分程前。
当初の予定とは少し遅れたものの、特別大きなトラブルもなく予定休憩ポイントまでやってきた俺達は少し遅いお昼休憩を取っていた。
警戒しながら食べる干し肉と堅パンはそもそもの味が良くないし、その上緊張感があったせいで楽しい休憩とは言い難いものではあった。しかし、何かあった時に動けないなんて事はあってはいけないので、皆で流し込むように食べて体を休めていた。
そんな中、カズマが用を足しにいくという。近場で済ませろと言ったのだが、カズマは見られるのが恥ずかしと近くの林まで行って━━━━で、帰って来なかった。大きい方にしても遅すぎると探しに行けば、使い損なったらしいちゅんちゅん丸とモンスターの足跡しかなかった。いや、臭いのもあったが。
そんな訳で皆で足跡を追い掛け、捜索の果てようやく辿り着いたら・・・もうある意味で手遅れだった。
いや、手遅れと言っても、もう死んでるとかではない。ちゃんと生きてる。こうして見てても呼吸してるのが見えるし、瞬きも一応してるから。けれど、呆然と空を見上げたままの生気を感じない瞳や、モンスターの暴挙に対して僅かな抵抗もしない姿を見てると・・・・もう駄目なんじゃないかなって。もうオチンポ立たへんのやないかなって。
「━━━━━んもぅ!なんて我が儘なふにゃちんぽなのぉぉぉ!!こんなに尽くしてあげてるのにぃ!!いけずよ、いけずぅ!しょーがないわねぇん!!貴方だけ特別よ!サービスしてあげるわぁん♡!」
そう言ってアマゾネスなブラを投げ捨てたのは、絶賛カズマを襲ってるオークと呼ばれるモンスターのメス。ゆんゆん曰く、同族のオスを犯り殺すだけには飽きたらず、この辺りを縄張りとする種族を選ばず男を犯り殺すと評判のセックスモンスターらしい。
セックスモンスターなだけあって極めて暴力的な巨乳が惜し気もなく晒してくるが、カズマは股間も表情もシュンとしてる。まったくの無反応。顔も体も化け物ではあるが、一応人型のメス相手にここまで無反応なのは・・・もう駄目かも知れん。男として。
「男はパイズリ好きでしょぅ♡!優しくしてあげるから、早くオチンポおっきさせてぇん♡!」
「っむ・・・・・・・むぐ・・・・?」
「そうよぉん♡!ほら、今からこの私のおっぱいが、頭のオチンポをむにゅむにゅしちゃうのよぉ♡!!想像するだけでオチンポ立っちゃうでしょう!!」
「むぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!もごっ!!むごぉぉぉぉおおおおお!!!」
おお、激しく嫌がってる。
そろそろ限界かと武器を手にした所で、周囲の様子を確認し終えためぐみんとゆんゆんが戻ってきた。二人の報告によって俺の敵関知スキルの射程外、黙視出来る範囲に潜伏してる敵はいないらしい。めぐみん達とは反対側の様子を見てきた水色とダクネスからも潜伏してる敵はいないとの事。
「よし、じゃぁ、取り敢えず俺が突っ込むから援護宜しくな。ゆんゆん」
「はい、カナデさん」
「俺が敵の相手してる間に、ダクネスはカズマの保護に走れ。良いな?」
「うむ、任せておけ」
「めぐみんは敵の援軍が来た場合に備えて、爆裂魔法撃てる準備」
「ええ、任されますとも!わぁーっときたら、ドカっとやってやりますよ!!」
「水色は何もするな」
「仕方ないわね!えぇ、任せて頂戴!女神の・・・・ってなんでよぉ!」
お前が一番問題起こしそうだから、って言ったら面倒だから秘密兵器だからって事にしておいた。・・・そうだよ。お前はうちの一番のエースだからな、うん。隠しておかないと、切り札は。そうだぞ、お前はうちの秘密兵器だから。バレたら駄目なんだぞ。いざという時にきてくれないと。逆転の手立てなんだから。だから、その時まで秘密なんだ。のけ者にしてる訳じゃないんだ。OK?そうか、分かってくれて良かった。危うく眠らせなきゃいけない所だった。
水色を説得した後はカズマを襲ってる隙だらけのオークの首から撥ね飛ばしにいった。
ついでに周りに転がってる連中も先に逝ったオークが寂しがらないように仲良く経験値にしてあげた。経験値うまうま。
ん?何で離れた、ダクネス。めぐみん?ゆんゆん?何で逃げ腰・・・・え?怒ってないよ。怒ってない。だから、怒ってないって、言ってるでしょ?水色。
「・・・カズマ、もう本当に、敵はいないぞ」
紅魔の里への旅を再開してから一時間後。
可哀想だからと放置してきたが、いい加減歩きにくいので上着の裾を掴みながらくっついてるカズマにそう言った。カズマは捨てられた子犬のように目をウルウルさせて、いやいやと弱々しく首を振る。
直接しゃぶられたおちんちんは洗って綺麗になったが、襲われた時のダメージまでは抜けなかったらしく、旅を再開してからずっとこの調子だ。
正直に言えばそれはそれで可愛くは思うし、思いっきり甘やかしたい衝動にかられるけど、今は危険地帯を進行中。さっきのセックスモンスターしかり他のモンスターしかり、急に何が出てくるのか分からない以上、咄嗟に動けるようにしておきたい━━━のだけど、その目を見るとどうにも強く断れなかった。やんわりと遠回しに離すよう伝えるのが精一杯。
「・・・はぁ、仕方ないな。もうちょっとだけだぞ?」
そう伝えて頭をポンポンしてやるとカズマがコクコクと頷く。その仕草が何となく愛らしくて、その頭を撫でてやればほわっと顔を緩めてきた。なんかこれ可愛い。本当に犬みたい。
そうやって少し心が癒されてる中、ダクネスとめぐみんが冷たい眼差しと共に口を開いてきた。
「いや、いい加減立ち直れ。カズマ。カナデの邪魔になるぞ」
「そうです、ショックなのは理解しますが場を弁えて下さい。カズマが動けない今、まともなアタッカーはカナデだけなのですよ」
「そうだぞ、カズマ。まともなアタッカーは・・・待て、めぐみん。ガード主体ではあるが、私も一応アタッカー枠だと思うのだが・・・・」
「ほら、カズマが立ち直らないからダクネスがおかしな事を言い始めましたよ。早くツッコミして下さい」
「めぐみん!?めぐみんは私を何だと!?」
元気なやり取りをする二人から隠れるように、カズマが俺の背中の方へぴったりくっついた。
その姿にめぐみんとダクネスは何とも言えない視線を、ゆんゆんからは分かりやすく幻滅した視線を・・・意外と男心というか、今回カズマが受けたダメージを理解してたらしい水色からは生暖かい優しげな視線が送られる。水色の浮かべた慈愛の表情は酷く優しく、初めて女神に見えた程であった。
「まぁまぁ皆、カズマさんだってこんな時くらいあるわよ。もう沢山虐められたのだもの、あんまり責めたら可哀想よ。カナデの邪魔になるのが駄目なら私が代わりに預かるわ。それで良いでしょ?」
その提案にカズマは分かりやすく不信感を露にした。
さっき一度見捨てようとした事や、普段の言動と比べてまとも過ぎる事を言うので、俺も最初は何かおかしな事でも企んでるのかと思ったが━━━どうやら今回の件について水色は本心から同情してるっぽい。
ばっちいと言ってたちんこを綺麗にしたお陰なのか、元より現代人なカズマの精神的なキャパの限界を知ってるからこそなのか・・・・理由は分からないが、既に疑った事を後悔するレベルで濁りのない綺麗で優しい瞳してる。
さっき一瞬でも見捨てようとしたのが、まるで夢か幻だったかのようだ。夢でも幻でもないけど。
まぁ、何がともあれ迷惑な掌返しでもないので、カズマに聞くだけ聞いてみる事にした。
「・・・・カズマ、別にお前が嫌だから言う訳じゃないぞ?ただ実際問題、俺の役割的に何かあった時に直ぐ動けないと不味いから、もう少し落ち着いた場所に着くまで水色の所へ行ってて貰って良いか。水色、任せて大丈夫なんだよな?」
「ええ、勿論よ。さぁカズマさん、こっちにいらっしゃいな。カナデの代わりに、この麗しのアクア様が特別に構ってあげるわ。悪いようにはしないから、ほらほら。ちっちっちっ、おいでおいで」
「聞き分けない子供を相手してるようですね」
「いや、庭先にいる小鳥か何かだろう」
「どっちにしても、大人の男性への態度じゃないんですね・・・・」
三人が余計な事を言ったせいでカズマが意固地になりそうになったが、俺と水色の説得の甲斐あってカズマは無事に水色へと移った。
俺の時と違って必要以上にくっつく事はなかったが、変にからかったりしない女神モードな水色の側も落ち着くようで、カズマの安心したような表情を浮かべる。
前々から思ってた事だけど、やっぱりこの二人相性が良い。普段のやり取りを見てると余計に思う。俺自身こいつと付き合いがなかった頃は、皆に教えられた通り二人の関係は夫婦だと思ってた。
縁があって今は俺が付き合ってるが、何か間違えてたらこいつら普通にくっついてる気がする・・・まぁ、そんな事言ったら、めぐみんやダクネスも、なんて話になるかもだけど。
そうして進む事少し。
そろそろ目的地周辺と言える場所に差し掛かった所で何か大きな音が響いてきた。方角としては俺達の目的地の方だ。ゆんゆんへと視線を移せば、緊張した面持ちで俺の予想を肯定するように頷いてくる。
紅魔の連中が交戦してる可能性が高いと踏んで全員に戦闘準備と警戒を、めぐみんに爆裂魔法の用意をさせながら加勢する為にそこへと駆けつけたのだが・・・そこにいたのは魔王軍の旗を掲げた大軍ともいえるモンスターと、変なポーズを取りながら赤い目を爛々と輝かせる、何処か既視感を感じさせる格好に身をつつんだ四人組だった。
「肉片も残らずに消え去るがいい、我が深淵より生まれる、闇の炎によって!」
「もうダメだ、我慢出来ない!この俺の破壊衝動を鎮めるための贄となれぇぇーっ!!」
「さぁ、永久に眠るがいい・・・・、我が氷の腕に抱かれて・・・・!」
「お逝きなさい。あなた達の事は忘れはしないわ。そう、永遠に刻まれるの・・・・この私の魂の記憶の中に・・・・!」
魔法の詠唱・・・・と一瞬思ったが、何処か聞き覚えのある感じにゆんゆんへ視線を向けたら顔を逸らされた。
言葉での返事はなかったけど理解した。
「ちょっ、待っ」
明らかな逃げ腰満載な台詞に、紅魔族らしき四人組は怒声をあげた。
「『ライト・オブ・セイバー』!」
「『ライト・オブ・セイバー』ッッ!」
「セイバーッッ!」
「セイバァァァァーーッッッ!!」
前口上完全無視で放たれた同種の上級魔法の一撃で、モンスターの大軍は一瞬でその姿を塵へと変えた。
四人組の顔に一切の疲労は感じない。逆に物凄く生き生きした顔してハイタッチしてる。
今見たもので全部判断するのもどうかと思うが、少なくともこいつらには余裕が見てとれる。とても追い込まれてる連中の一部とは思えない。
「・・・・ゆんゆん、魔王軍に・・・何だよな?」
「えっ、う、うん。手紙では、そう書いてあったんですけど・・・・こ、これは」
ゆんゆんに改めて確認してると、ハイタッチしてた四人がこっちに気づいた。その中の1人が笑顔を浮かべながらこっちにくる。
「やぁやぁ!旅の人とは珍しいな!観光ですか!我が名はぶっころりー!紅魔族随一の靴屋のせがれ!アークウィザードにして━━━━━っと、めぐみんとゆんゆんじゃないか。里帰りか?」
そしてやっぱり、その呑気な語り口に緊張感はなかった。欠片も。
「ゆんゆん・・・・?」
「わ、私に聞かれても!」