この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
壁┃・`)ゴゴゴゴゴゴ
壁┃・ω・`)ゴゴゴゴゴゴ
貴様、待っていたなッッッ!?
はい、待たせてすんませんした(平身低頭ッッ!!)。
せやかて工藤、忙しかったんや(圧倒的言い訳)。
「━━━━うまい、うん。旨いな。素晴らしいお土産をありがとう。カナデくん。そしてカズマくん。歓迎するよ。しかし旨いな、この饅頭は。なぁ母さん」
「本当ですね、もくもく・・・甘味なんていつ以来かしら。最近特に厳しかったから・・・・ふふ、あっ、カナデさん、カズマさん、お茶のお代わりは幾らでもありますからね!遠慮せずに言って下さいね!」
「んまぁい!お饅頭おいしぃねぇ!」
苦し紛れに始めた『お土産作戦』がすっかり二人の空気は軟化させた・・・どころか、全身全霊で歓迎してきた。険しい顔をしていた厳格という言葉を体現していためぐみん父は柔らかい笑みを見せ、めぐみん母はおっとりとした雰囲気にそぐわない速度でお茶を用意してみせた。
あまりの手の返しの早さに、めぐみんが何とも言えない顔をしたのは言うまでもない。
お土産から一ミリも視線を動かさなくなっためぐみん妹も含めて、あまりに食べ物への執着が凄いこの家族の姿を見て、旅の為に用意していた残りの食糧も差し出してみたら旧知の仲ぐらいに距離を詰めてくる。
めぐみんが顔を赤くさせて掌で覆ったのは見なかった事にしておいた。
そんな訳で大分穏やかに話し始まったのだが、いよいよ勘違いの原因であるめぐみんの手紙を見させられて・・・・俺は何も言えなくなった。それまで色々と言い訳を考えていたのだが、一文一文読む度に、頭が真っ白になってしまうのだ。ニコニコでお土産を貪るめぐみん親子を前にすると、余計にいたたまれない気持ちになる。
何せそこに書かれていたのは、多少言い方を変えてはいるが俺がやってきた事だ。
「いやぁ!すまない!カナデくん!こんな常識のある心清い君が近くにいて、娘がこんなふしだなら事をされている訳がない!カズマくんも疑ってすまんな!」
「いやぁ・・・・」
「あははは・・・・」
ガハハ、と笑うめぐみん父に俺とカズマの乾いた笑い声が返される。心の中で、ふしだらでごめんないと謝りながら。
めぐみんが両親に送った手紙は基本的に至って普通の近況報告なのだが一部分がヤバかった。両親に見栄を張ったと思われる、男女関係についての報告だ。そこに書かれていたのは俺とカズマの情事の事が大半だったのである。一緒にお風呂に入ってほにゃららしたとか、男のちんこほにゃららしたとか、お尻の穴をほにゃららしたとから・・・すっごい遠回しで多少脚色はあるけど、俺達が屋敷でやってたプレイそのものだった。
きっと親御さんに手紙のやり取りの中、子供扱いされた事があったのだろう。そしてそれにムッと思ったんだろう。ちゃんと冒険者として身を立てているのにと。
実際めぐみんはつい最近まで未成年の子供ではあったけど、それと同時に魔王軍幹部を打ち倒したり、なんちゃら要塞デストロイヤーを破壊するといった冒険者として立派な活躍を納めている。その功績を考えたら『もう子供じゃないんだと』言いたい気持ちは良く分かる。
でもだからと言って、大人の女になってますアピールはどうなんだろうか。背伸びしたいその心は分からなくはないけど、他にもやりようはあった筈ではないだろうか・・・・と、思った所で後の祭りだ。そもそもバレるような迂闊な真似した自分が一番悪いし。
「・・・・うわっ、カズマ。貴方めぐみんにこんな事してたの?何か変な臭いがする時があるのは気づいてたけど、そういう事だったのね。幾ら愛があってもこれは引くわー、成人前の子供にそれは引くわー」
「!?みっ、水色!?変な臭っ、止めろ!そういう誤解を生むような事言うのは!それにめぐみんにカズマがそんな事する訳ないだろ!」
「分からないじゃない、だってカズマさん女の子のパンツとって喜ぶ変態だもの。この間もちょむすけにパンツの柄を覚えさせながら、命令したら取ってくるように躾たもの。それにしても、また過激ねぇ、ふぅん、へぇー、ほー」
ぼーっとしてたらうっかり水色に手紙を取られた。
取り返そうと伸ばした俺の手をかわしながら、水色は苦々しい顔で手紙を読み続けていく。身体能力の高さは理解してたつもりだったけど、本気を出すとこんなに面倒なやつだったのか、こいつ。
「フンッッッ!!!」
「ぐえっ!?」
何処で余計な事を溢すか分からないので、仕方なく鳩尾で水色を沈めた。水色が短い悲鳴と共に床へと転がり、手紙の束が床へと散らばっていく。
「か、カナデくん?」
「どうかしたの、カナデさん?」
「むぐ?あむあむ」
「あああっ!すみません、家のカナデが!!いや、あのですね、家のアークプリーストは昔から頭が弱い所がありまして、何か不適切な事をこめっこちゃんの前で言うかも知れないので、それで今、はい、ちょっとですね、眠らせたというか・・・・・カナデ、こっちは良いからそっち宜しく!!」
めぐみんの家族をカズマに任せた俺は床で青い顔した水色の首をキュッとして気持ちを落ち着かせてから、無言で散らばったそれを集め始めた。少しして何とも言えない顔したダクネスとが頬を赤く染めためぐみんが手伝い始める。
俺と同じく無言で。
「・・・・いつからだ」
カズマ達の話声や水色の寝息より静かに。
俺は二人に尋ねてみた。
めぐみんは視線をキョロキョロと泳がせた後、恐る恐るといった様子で口を開く。
「か、カズマの工作室で、お尻でエッチしてるのを見てからです。すみません」
あっ、え、ご、ごめんなさい。
こっちこそ普通じゃなくて。
「私は、その、悪いとは思ったんだが、ある噂の真偽を確かめる為にクリスとお前達を尾行した事があってだな・・・・あの、あのな、つ、連れ込み宿に入ったのを見た時が最初だ」
連れ込み宿ってお前、かなり前の事なんだけど。
最近そっちはご無沙汰なんだけど。
いって無さすぎてポイントカードの期限切れかけなんだけど。
「「「・・・・・」」」
微妙な空気と静寂がその場を支配した。
カズマ達の話声が異様なまで大きく聞こえる。
水色の寝言も喧しいくらい聞こえる。
「と、取り敢えず、後で話す・・・それで良いか?」
申し訳なさと後悔で頭を一杯にしながら聞くと二人は静かに頷いた。怒ってる気配がないのは幸いだ。
「その歳で、君は屋敷を持っているのかね!?」
二人の様子にほっとしてると、不意にめぐみん父の大声が鼓膜を揺らした。見ればカズマが冷や汗をかきながらあたふたしてる。
「い、いや、屋敷を持ってるというか、今はまだ借りてるだけで・・・・近い内にちゃんと購入しようとは思ってますけど、それも商品の売上次第な所もあるので今はなんとも」
「いやいや!待ってくれ!そもそも屋敷を買い入れる額なぞ、そう簡単に稼げるものか!嘘をつくんじゃない!」
ばんっ、と床を叩かれカズマが更に慌てた。
何となく不味い気はしたが、止めるより早くカズマの口が再び開いてしまう。
「いえいえ!嘘じゃないんです!本当に、今度知り合いの伝で王都とアクセルの街で商品を販売するんです!初回は様子見であまり出さないんですが、予定通り売り切れば今月末には四百万程は・・・」
「「四百万!?」」
「すいませんっっっ!嘘つきました!既にどっちの店からも追加発注来てまして!!商品が間に合えば恐らくは一千万くらいは行くと思います!!」
「「一千万!?」」
それを聞いた二人は少しの間呆けていた。
けれど直ぐにハッとした顔になって、それぞれカズマの肩をがっつりと掴む。
「本当に良く来たね、カズマくん!!君みたいな子がめぐみんとパーティーを組んでいてくれてワシは嬉しい!!今日は泊まっていきなさい!ご飯を一緒に食べよう!なっ!なに、遠慮はいらん!!可愛い娘の友人なら、あれだ、君もワシの子供みたいなものだ!!いつでも来なさい!我が家だと思って!さぁ、母さんは飯の用意だ!うんと旨いものを作ってやりなさい!!」
「はい、直ぐに用意しますね!あなたは奥の物置━━━げふんげふん!!使ってない部屋を用意して頂けますか?カズマさん達の寝床を作らないと!あぁ、めぐみんにこめっこ!お母さん達忙しいから貴女達で、カズマさん達の為にお風呂の用意して頂戴」
「ん!できる!いこ、お姉ちゃん!」
「わわわっ、こめっこ!そんなに慌てないで下さい!私はまださっきの疲れがあるので━━━━━」
慌ただしく各所へ散っていためぐみん一家を見送ったカズマは少しの間呆けてから、錆び付いたブリキ人形みたいな動きでこっちを見た。
「これ、不味ったかな・・・・」
俺はダクネスと顔を見合わせた後、そっと頷きその言葉を返した。
「いつも思う。お金って怖いな」
「・・・なんだろ、言葉が重いなぁ。俺カナデとは腰を据えてじっくり話さないといけない気がする」
「奇遇だな、カズマ。私もそう思ってた所だ」
二人してなんだ。
それはどういう意味だ。
おい。
それから暫くして賑やかな夕飯が始まった。
先に渡した食糧と近くの商店で買ってきた食材も合わせた豪勢な鍋にめぐみん一家は多いに喜んでくれた。肉の取り合いで多少険悪になる時もあったが、概ね平和な夕食の時間であった事に変わりはない。
夕食を終えるとカズマはめぐみん父に随分と気に入られたようで、そのまま晩酌タイムへ移行。俺と他の皆は順番にお風呂の時間となった。
「おぉぉーー、カナちゃんおっぱいすごーい。お姉ちゃんと違ってぽよぽよしてるー」
それで俺は今何をしてるのかと言えば、めぐみん妹であるこめっこと仲良く入浴中だ。もっというなら頭を洗ってあげてる。お鍋の世話をしてたら随分となつかれてしまった。やはり肉を多目にとってあげたお陰だろうか?この一家は食べ物に対する耐性が低過ぎて、変な騙され方しないか心配になってくるな。
あと、お姉ちゃんと違ってとか本人に言わなきゃいいが。あれで気にしてるから。
「はいはい、良い子だから前向いて目瞑ってろよ。頭の泡流しちゃうからな」
「はーい」
こめっこは元気な返事を返すと、おっぱいから視線を外して前を向いた。目を瞑るように一声を掛けてからお湯を掛ければ、白い泡が落ちて黒くて艶々した髪が顔を覗かせる。
まだ傷みが目立つけれどこのままちゃんと手入れを続ければ、今のめぐみんみたいにもっと綺麗な髪になるだろう。そこら辺はやっぱり姉妹といったところか。
「もう目開けて良いー?」
「良いぞ、ほら見てごらん。綺麗になったろ」
「ん?・・・・わあぁ、ほんとだぁ」
湯船に映った自分の姿を見たこめっこは、湿った髪を指でなぞりながら嬉しそうに笑う。その姿は子供の割には妙に色香が漂っていて、めぐみんとは違う方向で将来性がありそうだ。
「こめっこ、いつも何で頭洗ってたんだ?凄いゴワゴワしてたぞ」
何となく気になって聞いたら、「んっ!」と隅っこにある洗濯石鹸を指差した。そりゃゴワゴワもするわ。それは頭洗うやつ違う。せめて普通の石鹸であって欲しかった。
まぁ、そうは言ってもだ、前の世界と比べると石鹸だとか洗剤だとかは気軽に買えるものでもないから、これも仕方ないんだが。シャンプーみたいな髪用の洗剤は贅沢物の類いになるし・・・・というか、最近生活が潤ってきてこういう物に手が出るようになったけど、思えば俺も来たばかりの頃は髪の具合なんて気にしてる余裕はなかったか。人の事は言えないな。うん。
「仕方ないな、こめっこにはこの石鹸をあげよう。匂いはないやつだけど、髪が綺麗になる石鹸だぞ。直ぐ無くなっちゃうから髪洗う時だけに使いな」
「いいの?」
「良いよ、あげる。女の子の髪は綺麗にしておかないとな」
そう言って頭を撫でると、こめっこは擽ったそうに目を細めた。
「えへへ。カナちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
それからさっさと体も洗ってしまって、二人で湯船へと浸かった。お世辞にも広いとは言えない浴槽なので、こめっこは俺の膝の上である。暫く俺のおっぱいに後頭部をぶつけてポヨンポヨン遊んでたこめっこだったけど、ふと何かを思い出したようにこっちに振り返った。
「カナちゃん、お兄ちゃんとおまたペロペロして遊んでたのは内緒にするからね!大丈夫だよ!」
その言葉に思わず吹き出した。
がっつり見てるやん。あれから全然何も言わないから大丈夫かと思ってたのに、想像以上にがっつりしっかり見てるやんって。
「そ、そっかぁ、うん、ありがとう・・・今度ケーキ買ってあげるからな」
「ケーキ?なにそれ?」
「甘い焼き菓子だ。美味しいぞ」
俺の言葉を聞いたこめっこは「やったぁ!」と湯船の中でパシャパシャとはしゃぐ。それだけ見ると可愛げがあるんだが、俺にはどうにも膝の上にいるその子が小悪魔の類いにしか見えなかった。