この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
(´・ω・`)オクレテ
(´・ω・`)ゴメンネ
古めかしい家具に囲まれた薄暗い部屋の中。
窓から射し込む月明かりを頼りに、俺達三人は用意された布団の上でマジマジと向かいあっていた。
勿論、カズマとの事を話す為だ。
そのカズマの姿はここにない。
本来ならあいつも説明する側としてここにいるべきなんだろうが、今はめぐみんの親父さんと一緒に居間でイビキをかいてる。酒をお伴に魔道具談義で随分と盛り上がっていたようだ。カズマも職人気質な所があるからめぐみんの親父さんとは馬が合ったみたいで、子供みたいに目をキラキラさせて話す姿は可愛く━━━━と、思い出してる場合じゃなかった。
気持ちを入れ直し、俺は二人へと視線を向けた。
「えーーーと、その、まぁ、なんだ。取り敢えず、カズマとのこと黙っててごめんな。話すつもりだったんだけど、どうにもタイミングが掴めなくて」
頭を下げながらそう言うと、二人はお互いの顔を見合わせてからこちらに苦笑して見せた。
「いや、カナデの気持ちは良く分かる・・・とまでは言えないが、パーティー内での男女関係は難しい問題だからな。慎重になってしまうのは理解出来る。そこまで気にするな」
「パーティー内の男女関係で崩壊するパーティーも少なくないですからね。ですが、もう少し早く話して欲しかったのも本当です。見ないフリするの大変だったので」
見ないフリ、という言葉に嫌な汗が流れる。
気になって何時から知ってたのか聞くと、二人は何とも言えない顔で遠くを見つめた。先に口を開いたのはダクネスの方だ。
「悪い事だと知りながら、以前クリスの誘いに乗ってカナデ達を尾行した事があってな・・・・連れ込み宿に入ってくのを見たのが始まりだ。騎士を目指す者としてあるまじき事だが、少しばかり盗み聞きまでしてしまった。申し訳ない」
つっ、連れ込み宿って・・・・暫く使ってないんだけど。随分前からバレてたのか。マジか。ていうか、クリスも知ってるの?前に俺の事見て、妙に頬を赤らめてる時があって、その時は「なんだろ?」と不思議に思ってたけど━━そういう事か。
「というか、その現場も見た事があってだな。正確には立ち会ったというか、あっ、勿論不可抗力ではあったんだが」
「━━━━ごふっ!!ごっ、ごほっ、えっ、ちょっ、ええ!?なに、は、はぁ!?いつ!?」
「あれだ、ほら、皆でカニを食べた時があっただろ。あの時、カナデは随分と酔っていて、危ないから一緒に風呂にいったんだが・・・・先にカズマがいてな。それで、成り行きで、うん」
どうしよう、いたたまれない。
恥ずかしさで顔が熱くなるのを自覚してると、めぐみんが「あのですね」と続いてくる。
「私はカズマの工作室で、お尻を使ってエッチしてるのを見たのが最初です。初めはカナデが騙されてたり、弱みでも握られて脅されて、カズマにエッチな事されてるのかと思っていたんですが・・・・その、何日か観察を続けてく内に、そうじゃないのが分かったので、それで、はい・・・・そんな感じです」
「お尻っ━━━カナデ、お前そんなプレイまで。そうか、お尻で」
色んなプレイしてると言うのに、寄りにもよってアナルプレイをめぐみんに見られてるとか。
めぐみんのご両親、預かった娘さんに変なの見せてすみません。本当にすみません。ダクネスもそんな目で見るな。何でちょっと嬉しそうなんだ。違うからな、お前の変態性癖と一緒にするな!仲間じゃないからな!
「そ、それで、もしかして水色も知ってる?」
「いえ、アクアは知らないと思いますよ。カズマの事を怪しんではいるみたいですけど。絶対私達で穢らわしい妄想してるわよ!というのは良く聞きますが」
「カズマの事を未使用エクスカリバーと揶揄っていたからな・・・」
すまん、水色の幻想を崩して。
俺のせいですっかりヤリチンなんだ。
使用済みずる剥けブーメランエクスカリバーなんだ。
俺のマンコで調教済みなんだ━━━━いや、調教されてるのは俺かも知らんけど。
最近の挿入のフィット感が凄いからな。納まるところに納まってる感じで、繋がってる時凄く安心する。だからって刺激がない訳でもない。挿入される時はそれだけで軽くいっちゃうし、一回動き出すと気持ち所ばっかり責められて啼かされっぱなしになっちゃう。熱い物を注がれる度に、お腹の下の所がきゅんきゅんして・・・。
「カナデ、カナデ。お願いですから、妄想の世界から帰ってきて下さい。涎垂れてますよ」
「はっ、ごめんごめん」
「バレた途端にポンコツになり過ぎです」
一旦冷静になってから改めて考えてみる。
話しによれば二人共随分前から知っていたらしい。
そう知ってしまえば今更ながら二人が何かと理由をつけて家を留守にしていた事に思い至った。隙を見つけたつもりになってたが、どうやらかなり気を使われてたらしい。思えばアルカンレティアの時もカズマと一緒にいた事を深く追及されなかったし、一旦アクセルに帰ると言った時も理由をつけて二人きりにしてくれた。いつだって突然やってきて空気をぶち壊していくのは水色だけだった気がする。
そう考えると羞恥心が込み上げてきて頬を熱くさせた。いたたまれなくて枕に顔を埋めて謝ったが、二人からは過ぎた事だからと、これから相談してくれれば良いと宥められてしまう。ありがたい。
「・・・・ただな、カナデ。アクアにまだ話すつもりがないなら、お風呂でそういう事するのは止めた方が良いぞ。声が良く響くからな」
心臓がドキリとした。
枕から顔をあげてダクネスとがっつり目が合う。
冷や汗が額に浮かぶ俺に、そういう話ならとめぐみんが続ける。
「台所でイチャイチャするのも程々にして下さい。カズマがカナデにセクハラしてると勘違いしたアクアが『カナデは身内に甘いわね~』ってぼやいてました。それから妙に大人ぶった態度で『代わりに怒ってあげた方が良いのかしら?』とか何とかも言ってましたよ。多分もう覚えてないと思いますけど」
おっと、思いの外がっつり見られてた。
屋敷に住んでからそんな場面何度かあって、特別皆の反応がなかったから誤魔化せてると思ったんだが・・・・いや、まぁ、そうだよな。うん━━━というか、水色も水色でなんでそれで気づかないのか。
「あと、細かい事ですが、カズマの洗濯物の臭いを嗅いだり、干したてのカズマの枕抱き締めたり、そういうのは止めた方が良いですよ。一応気にして目立たない所でやってるみたいですけど、見ようと思えば意外と見えるので。あとカズマの世話を焼く時も、かなり表情に出てますよ。一回気づくと凄い目について・・・・いえ、それまで私に気づかせなかったので、十分隠蔽出来てはいると思うのですが」
俺は静かに布団へと潜った。
穴が合ったら入りたい、という言葉はこういう時に使うものらしい。成る程、正確に理解した。
抵抗する俺を布団から引き摺り出しながら、めぐみんの話を聞いたダクネスも最近特に表情に出てるなと続けた。曰くカズマを見る時に熱の籠った瞳をしてる時があるとか、曰くカズマと話す時の声のトーンが甘いとか、曰く慈愛に満ちた顔でお腹を撫でてる時とか、曰く子供用品の編み物してる時矢鱈と幸せそうな顔をしてるとかなんとか。特にお腹を撫でてる時とか編み物してる時なんか、いよいよ来るものが来たのかと肝を冷やしていたそうだ。
「それなのに、カナデはいつもと同じくらい働くだろう?アルカンレティアの時もそうだったが冒険者としても平気で最前線に立つし、家事にしても一切手を抜かないしな。カナデも馬鹿ではないから、もし本当に身重なら無理はしないと信じてはいたが、やはり気が気でなくてな━━━かと言って、一応知らない事になってる身としてあれこれ言うのもな?」
「ああ、それは私も気にはなってました。カナデそういうのはまだないのですよね?」
二人からジト目を向けられた。
今の所そういう症状は出てはいない。
いないのだが・・・・。
「ど、どうだろ・・・・今のところ、そういうのは症状的にはないぞ。それに避妊薬はちゃんと飲んでるし」
カズマに薬は禁止されたが、あれから欠かさず服用してる。勿論カズマには内緒だ。
少し悩んだ事ではあるけど、考えれば考えるほど子供作るには時期が悪いと思ったからだ。せめて商売が軌道に乗ってから、欲をかけば魔王軍の攻勢が落ち着く頃まで待ちたかった。冒険者という職業である以上、あれらの事は他人事には出来ない。何かあれば駆り出される可能は高い。それに既に幹部の何人かを葬っているのだし、何らかの報復行動がある可能性は高い事も考えれば余計にだ。非常事態に妊娠を理由に足を引っ張るのも、力になれないのもごめんなのだ。
二人にその事を簡単に説明すると、少しだけ寂しそうな顔をしたが納得してくれた。冒険者の厳しさは俺より早くこの業界に入った二人も良く分かっているのだろう。
「まぁ実際、冒険者という家業で家庭を作るというのは難しい話ではあるしな。常に命の危機が付きまとう仕事だ。私も父から冒険者を止め、家庭に入る事を望まれているからな」
ダクネスの父が再婚するか養子を取らない限り、次のダスティネス家の家督はダクネスなのだから当然だろう。俺と違ってダクネスは王国を支える貴族で、後継を作るのは絶対の義務の一つといっていい。
ダスティネス家に釣り合う家柄から婿を取るとなると、かなりの上位貴族になる筈だ。聞いてる話だとダクネスは幾つも縁談を潰してるらしいし、年頃を考えればダスティネス閣下が繋げられる縁談は実はそう残ってないのではないだろうか?あれ?やばい?
「改めて考えると、ダクネスは早く引退させた方が良いよな。閣下に睨まれるのは怖いし。めぐみん、今の内に新しい盾役見つけておくか」
「残念ですが仕方ありませんね。私としてはいつまでも一緒に冒険者していたいですが、ダクネスは赤ちゃんポコポコ作らないといけないですからね。貴族ですからね」
「ちょっ、ちょっと待て二人共!?なんでそういう話になった!?カナデっ、都合が悪いからって話を変えるな!私は誤魔化されないからな!というか、それをいうならカナデの代わりを見つけるのが先だろう!私より離脱する可能性が高いではないか!」
流石に騙されなかったか。
それから布団を被りながらカズマとの関係について聞かれるがまま話した。告白したのはどっちとか、そういう関係になったのは何時とか、どういうお付き合いしてるんだとかとか。めぐみんもダクネスもこういった話題に興味津々といった様子で根掘り葉掘り聞いてきた。恋に恋するお年頃だからこれも仕方ない。特に俺達の近くには男気のある者もおらず、こういった類いの話は普段する人もいないから余計だったのだろう。
まぁ、そんな俺も人の事は言えないくらい浮かれてしまったが。黙ってた分色々溜まってたらしくて、一回話し出すと言葉は俺が思ってたよりスムーズに出ていったのだ。全然自覚はないのだが、俺の話はのろけが過ぎるとのコメントも貰ってしまったくらいだ。
「━━━━それで、カナデは結婚とかはどうするんですか?」
不意にめぐみんがそんな事を聞いてきた。
ダクネスも興味深そうに見つめてくる。
「・・・・・うーん。正直言うとな、結婚っていうのはあんまり現実味がなくてな。これぐらいの距離で今は良いかなと思ってるんだ」
「そうなのですか?」
「別にカズマがどうとかっていう話しでもないぞ。個人的に思う所があってな」
カズマの伴侶になって良いのか正直迷ってる。
俺みたいな半端者じゃなくて、もっとちゃんとした相手が良いのではないかと。それこそめぐみんでも良いし、ダクネスでも良い。水色は・・・あれで女神なんて大層な存在だから色々と無理があるのかも知れないが、俺よりはよっぽどちゃんとした女性だ。カズマはそういうちゃんとした女性と、普通の所帯を持つべきだと個人的には思ってるのだ。
なにせ側に置くには俺はあまりに特殊過ぎる。
恋に浮かれてる今なら幾らでも愛を囁いてくれるだろうが、いつか落ち着いた時に、もっと良い出会いがあった時に、俺との関係をカズマは後悔するだろう。カズマは俺と違ってまともだし、いつまでも恋に浮かれ続けられるほど間抜けでもないのだから。
「それより、めぐみんはそういうの無いのか?」
「うえっ!?わ、私ですか!?そ、その、私はっ・・・爆裂魔法がありますので、そういう事に現を抜かしてる暇がないと言いますか、あの・・・・だっ、ダクネスとかはどうなんですか!?この間は男性の冒険者と飲んでましたよね!?」
「ああ、確かに飲んでいたぞ。ただし、ララティーナ、ララティーナと面白おかしくからかってくる、元パーティーメンバーだった酔っ払い共とな!モテなくて悪かったな!」
それからまた暫く俺達は話をした。
話し始めた頃の緊張感が嘘のように、いつものような他愛ないの話を━━━━瞼が落ちるその時まで。
はい、という訳でですね、丸々一月サボってしまい申し訳ないDESU(;・ω・)
夏の暑さに負け、忙しさに負け、展開に悩み、完全にへたれておりました。やはり駄目。しんどい時こそご飯一杯食べて、アホみたいに寝ないと駄目。黒が緑に見えたのは人生で初めての経験でした(笑)。
またちょくちょく更新していけたらと思いますので、気がえらく長いお方は無我の境地でお待ち頂けたらと思います。(取り敢えず、紅魔の里までは書く予定)
またしてもぴょーさんから可愛いイラストを頂いたのでアドレスを貼らせて頂きます。毎度毎度、ありがたい事です。イイね( *・ω・)ノ
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