この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
こんなにギャグ補正が強いとは・・・。
(´・ω・`)(反省中)
オナ禁生活、延長からの七日目。
あの手この手でサトウカズマの貞操を狙うものの、今日という日まで回避され続けていた俺は、師匠の下を訪れていた。
「師匠どうやったら、やれますか?」
「人を淫乱女みたいに言うの止めてくれるかな?」
誰かから何かを奪うなら、これ以上の相手はおるまい。
そう思って俺は、盗みのプロである盗賊クリス、もとい師匠に相談していた。
「え?違うんですか?師匠、そんなギルド職員よりある意味過激な露出の多いスケベ服着てるのに、淫乱じゃないんですか?冒険者の間でシコイ貧乳ランキング一位なのに、俺の童貞はクリスにやったって冒険者が二十人くらいいたのに、ハートキャッチクリキュアじゃないんですか?ヤリマンビッチじゃないんですか?」
「露出の多い服着てることは言い訳出来ないけど・・・・ハートキャッチクリキュアでもないし、ヤリマンビッチでもないから。そもそも経験ないし。というか、そのなんとかランキングとか、自称あたしに童貞くれたとかいうアホ共の話はもっと詳しく教えて」
怒気を纏ったクリスに逆らえる訳もなく、俺は快くアホ共の名前を教えた。嘘つき共には是非とも鉄槌をくれて貰いたい。
一通り話し終えた後、俺は露出趣味のある処女クリスに相談を続行した。ちょっと頼りなくなったけど、盗みのプロである事は変わらないからね。同僚に相談しても「睡眠薬でも食べ物に混ぜれば?ははは」と鬼畜な提案しかしてこないから、こっちの方が全然頼りになるというもの。
「それにしてもカズマねぇ・・・・いや、悪い子じゃないよ?でも良いの?」
「まぁ、チンコちっさそうだもんね」
「いや、そこじゃなくて」
クリスは少し考える素振りを見せた後、「あのね」と話し始めた。
「経験がないからなんとも言えないんだけどさ、そういう事は簡単にしちゃ駄目だと思うよ。そういうのは結婚した相手とだけするものでしょ。そもそも、その、せ・・・せっく・・・・・・すは愛する男女が子供を作る為に行う行為で、快楽の為に行うものではないの」
「成る程なー」
「そうなの。良い?エリス様の教えでは━━━━━」
そうして始まったのは、クリスによるエリス様のありがたいお言葉講座。教えを口にするクリスは、まるでエリス教の御神体である女神エリスもかくもや、といった雰囲気を漂わせ慈愛に満ちた声で優しく語る。愛するとはなんぞや、幸せとはなんぞやと。
クリスの口から溢れる言葉はまるでオルゴールの音色のように耳に心地よく、いつまでも聞いていたい気持ちにさせられた。
そして同時に凄く眠たくなる声でもあり、俺は自らの体の反応に逆らわず━━━━思う様寝た。
「━━━━って聞いてますか!?」
「っおっほぅ!?んにゃ?んん?ぃひぇる、きいてひぇる」
「全然聞いてないじゃないですか!!」
プンプンとプンスコするクリスに謝ってると、後ろから笑い声が聞こえてきた。振り向いて見ればウンコと同価値のダストと何故かパーティーを組んでる、魔法使いのリーンの姿があった。ダストをしばいたりしてる内に仲良くなった子だ。
「やっほー、カナデー。カズマのお尻追い掛けるのは止めて、エリス教にでも入信すんのー?」
「おーす、リーン。エリス教には入信しなーい。あとカズマのお尻は追い掛けてないから。チンコだけだから」
「あははっ!今日も今日とてアホだねー、あんたは」
そう笑いながらリーンは俺達の隣に腰掛けた。
「リーン!笑い事じゃないんだからね!」
「まぁまぁ、クリスも落ち着いて落ち着いて。この子がアホなのは最初からでしょ。そう目くじらを立てないの。一杯奢るからさ、ね?」
「あ~~~もうっ!」
リーンに宥められたクリスは膨れながらも椅子に座り直し、大きな声でウェイターを呼ぶとシュワシュワを注文した。大ジョッキを叫ぶ。
それに続いてリーンと俺もおつまみとシュワシュワを頼んでおく。
そう時間も掛からずシュワシュワがやってきたので、三人で乾杯した。
クリスがシュワシュワを一気する中、リーンが俺の事情を聞いてきたので素直に教えた。ここ数日アタックが無駄に終わった事や、今夜のゾンビメーカー討伐クエストを置いてけぼりにされた事だ。
「夜クエはマジで身の危険を感じるから、お前は来るなって言われた~。くぅぅーなんだよぉぉー、人を性犯罪者みたいにさーー!」
「じゃぁ、もし何かの拍子でカズマと二人きりになったら?」
「草むらに連れ込む」
「そりゃ、置いていかれるよ」
なん、だと・・・!?
童貞なら、はい喜んでっていう場面じゃないのか!?
疑いの眼差しでリーンを見れば、呆れた視線が返ってきた。
「じゃぁさ、もし夜クエでダストと━━━━」
「殺す」
「そういう事」
成る程・・・・いや、待て。
それって、サトウカズマにとって俺は、俺にとってのダストと同レベという事ではないか。
あまりのショックにカエルの唐揚げが口から溢れた。
勿体ないから直ぐ拾って食べ━━━━ようとしたけど、クリスに止められたので未遂に終わる。三秒ルールは通用しなかった。
「そんなにショック受けなくても・・・・というか、こう言っちゃなんだけど、なんでカズマ?あんまり良い噂聞かないよ?他にも良さげな人いるじゃん。あ、ほら、最近こっちに戻ってきたミツルギさんとか」
リーンは不思議そうな顔でそう言ってきた。
ミツルギ?とやらは知らんからおいておいて、まったく残念な奴だ。カズマの良さが分からんとはな。
「そうだなぁ、性欲が籠った舐めるような視線で見るくせに、こっちがアピールすると途端に怖じ気づく所とか・・・」
「えぇぇ」
「誘惑する為にあげたパンツを、嫌そうな顔をしながらも大事そうにポケットにしまう所とか・・・」
「うわぁ」
良いところを挙げた筈なのに、リーンとクリスは何故だかどんどんゲンナリしていく。おかしい。
良い所なのに。エロスケベの癖に隠そうとする、その童貞臭さが良いのに。そういうギャップが良いのに。可愛いのに。キュンキュンくるのに。
「・・・ええっと、まぁ、誠実で優しいし?」
「全然説得力ないんだけど」
「ダクネス、大丈夫かな・・・」
ダクネスの何を心配してるんだろうか、クリスは。
基本的にあいつ頭おかしいのに。
仲間に入る前から、大分おかしいのに。
それから暫く話していると女子会してる感じになって、だんだんシュワシュワの量が増えてきた。俺は強い方なので少し気分が高揚してオナりたくなる程度だが、リーンとクリスは見るからにテンションがあがってきた。
「そーら!くりひゅ!しんひゅつのあいを、むけるんらよ!!しょひぃて!わたひは、ぼーきぇんしゃにきゃたりつがれりゅようにゃ、でぁいまひょーつきゃいに、ひぇんひぇちゅになるんらよぉぉぉぉ!!うひゃひゃひゃ!」
「そりゃーそりゃー!ひゃれが、まんにぇんひょひょりゃ!!こっひらってねぇ、ひゃいへんなんらから!しゅきでひょひょにゃ、ないらよぉ!ひょれにぃ、あらしは、みんにゃがしあわせにゃら、それへいいんらもん!ふふふふ!」
おおう、何言ってるか全然分からない。
でも凄い楽しそう。
もうここまで来ると、酔っぱらわない方がアホみたいだな。損してる気分だ。
という訳で俺も限界にチャレンジ。
酔いの向こう側を目指す為に同僚におかわりを所望。
大ジョッキこいやぁ!
◇◇◇
「良いか、アクアちゃんとやれよ?お前が引き受けたんだからな」
「分かってるわよ!何度も言わないで!━━━というより、このアクア様がそんなに薄情に見えるわけ?そもそも、死者を送ってあげるのはプリーストとしても女神としても歴とした私の役目なんだから、ちゃんとやるわよ」
ふんすと鼻息を漏らすアクアに不安を覚える。
なんかやらかすような気がしてならない。
今夜引き受けたゾンビメーカー討伐クエスト。
クエスト的には大失敗だった。
いる筈のゾンビメーカーはおらず、そこにいたのは無害そうなリッチーが一人。それも人の良さそうなおっとり美人。名前はウィズといってちゃっかりアクセルの街に店とか出しちゃってる人だった。
リッチーは消毒と騒ぐアホのアクアを押さえて話を聞けば、墓場に集まる成仏出来ない魂を夜な夜な天に還していたらしい。無償で。
リッチーの特性のせいで、副次的にゾンビを発生させていたらしいが、それもそれでちゃんと成仏させており・・・・はい、良い人でした。
色々と話し合った結果、人に危害を加えるような人には思えないウィズは見逃し、以降の墓場に集まる魂はアクアが処理する事で話はまとまった。これでこれから先ゾンビが墓場に現れる事はないだろう。
勿論それはアクアがサボらなければの話だが。
アクアのアホ面を横目に歩いてると袖を引っ張られた。
振り向けばロリッ子と目が合う。
「どうしためぐみん?」
「ギルドについたら、ちゃんと謝るのですよ」
「・・・・・」
めぐみんが何を言ってるのかは分かる。カナデの事だ。
置いてくといった時のあの捨てられた子犬みたいな目は忘れられない。どう考えても絶対あいつが悪いけど、あんな顔されると罪悪感が凄い。胃がチクチクする。正直ゾンビメーカーの出現時間を待ってる間にやったバーベキューは、全然美味しく頂けなかった。
「分かってる。あいつが、絶対に、百パーセント、確実に悪かったとしても、もうちょっと言い方とか、まぁ、なんだ・・・・謝るよ」
そう言うとめぐみんが嬉しそうに笑った。
「それでこそカズマです。早く仲直りして下さいね。また皆でクエストいきましょう」
「いや、仲直りも何も、別に喧嘩してる訳じゃ・・・」
ただあいつが発情してるだけなんだよなぁ。
ど変態の顔を思い浮かべていると、ダクネスがしゃしゃり出てきた。
「そうだぞ、カズマ。あんまりカナデを苛めるな、可哀想だろ。そんなにストレスが溜まってるなら、私に全力でぶつけてこい。遠慮はいらんぞ。口汚く罵ってくれて良い。寧ろお仕置きなんかも━━━」
「黙ってろ、変態」
「━━━へ、変態っ、んふぅ!」
やっぱり謝るの止めようかな・・・・。
変態が二人に戻ってしまうし。
どう謝ろうか悩みながらギルドに戻ると、夜もふけた時間帯だと言うのに異様に騒がしかった。不審に思いながらギルドの扉を開くと、普段男だらけの冒険者ギルドが酒臭い女の巣と化していた。
「おぉ・・・なにか、凄い事になってますね」
「何かあったのか?」
「よく分からないけど、楽しそうね!私も混ぜてー」
アホのアクアがそう走り出すと、めぐみんとダクネスが慌てて追い掛けていった。もう保護者だ。まぁ、追い掛けていった二人もそうとう問題児ではあるが。
俺は雰囲気的に入っていけず入り口で戸惑ってると「おい、カズマ」と小さな声が聞こえた。見ればカナデに何かと金をむしられるダストが物陰から手招きしている。
そのダストの顔に嫌な予感を覚えた俺は潜伏スキルを発動。静かにダストの下へと向かう。
「何があった、手短に」
「いや、詳しい事情は俺もしらねぇ。野暮用済ませてキース達とリーンを呼びに来た時にはこうなってた。かれこれ三時間は酒盛りしてる」
「三時間もこれをみてんのか?暇だな」
「ちげぇわ。動きたくても動けなかったんだよ。あいつらなんか不穏な話━━━━━━」
何かを言い掛けて、ダストは止まった。
まるで蛇に睨まれたカエルのようなダスト。
嫌な汗が背中をつたり、俺はそっとダストの見つめる先へと振り返った。
そこには目の座ったリーン。
それと顔を赤くして、ひっくひっくと変な声をあげるクリスがいた。
「あーーーー!かえっへきはろーーー!!」
「ひゃすともいらろーーー!!」
その声が響いた瞬間、全員の目が俺達を見た。
「カズマ」
「ダスト」
俺達はお互い見つめ合い━━━━お互いを殴り飛ばした。別に示し合わせた作戦ではない。恐らく考えた事が一緒だっただけだ。
「カズマくぅぅぅぅん!なんでいきなり殴ってくるのかなぁ!?」
「うるせぇ!お前だって同じだろうが!」
俺の言葉にダストは濁った視線を返してくる。
言葉以上に伝わるものがある。この野郎。
そうこのクズは、俺を生け贄として差し出すつもりだったのだ。
まぁ、俺もダストを差し出すつもりだったが。
そうこうしてる内、入り口付近で飲んでた酔っ払い冒険者達に俺達は捕まった。女と言えど冒険者。その力は予想以上に強く、頑張って抵抗したが簡単に担ぎあげられた。
俵のように担ぎあげられた俺とダストはそれぞれ運ばれる。俺が向かう先はギルドの奥、賑わいまくってる所のようだ。ダストは━━━分からない。ささっと人混みに消えていったから。ダストが向かう先、人の群れの隙間に拷問器具のような十字の磔台がチラッと見えたが・・・気のせいだと思いたい。
ダストの悲鳴を聞きながら運ばれていくと、空のジョッキが沢山並ぶテーブルの下へと辿り着いた。
そこにはシュワシュワを煽る見慣れた奴。
「・・・おい、説明しろ。カナデ」
俺の声に顔を真っ赤にさせたカナデがこっちを向いた。
その目は完全にいっちゃっていた。
「おぉあ!?しゃとう、かずゅまがみえゆ!!」
呂律の回らないカナデは立ち上がり、フラフラしながらこちらに向かってくる。
女冒険者は俺を床に置き期待の眼差しで見てきた。
・・・何をしろと?!
フラフラしたままのカナデは俺の腹に頭突きするように突っ込み、そのまま激しく頭を擦り付けてきた。
「うなぁぁぁぁ!まぼりょしにゃのにっ、かんひょくまへあるぅぅぅ!りあゆーーーー!!」
「幻じゃねぇから。なぁ、何があったんだよ。そんでこれなに?」
「うはぁぁぁぁ!いかくしゃいいいい!!はふっ、はふふっふぉ、ふぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「だ、誰がイカ臭いだこらぁ!!てか、臭いを嗅ぐな!!臭いを!!」
周りの痛い視線に耐えながらド変態の頭を無理矢理離すと、ド変態と目があった。
「えへへ、しゃとうかずゅまぁぁー」
頬を赤らめニヘラと笑ったその顔に、少しドキッとさせられた。ウェイトレスのこいつを最初に見た時、素直に可愛いと思った純粋だったあの頃を思い出す。
正直な話、こいつの中身を知らなかったあの頃なら、今のアタックも満更ではなかったと思う。見た目は普通に可愛い女の子だし。彼女欲しいし。元男っていうのは・・・・かなり複雑ではあるけど。
それでも、まぁ、こういう顔をされると悪くないと思ってしまう自分が━━━━━
「ずっこんばっこんしよ!」
━━━━おし、危なかった。危なかった!
あと少して頷く所だったぁ!!あぶねぇぇぇ!!
騙されるな、おれっ!!
息を整えた俺は目の前のド変態に返した。
「━━━━しねぇよ!!」
それからなんやかんや酒盛りに混ざり、ダストの懺悔のBGMを聞きながら飲んで騒いだ。
そう、飲んで騒いだのだ。
一番の危険人物と共に。
◇◇◇
つづくっ( *・`ω・)ノ