この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
壁Ιキョロ((・ω・`三′・ω・))キョロ
壁Ι′・ω・))「マタセタナ(小声)」
紅魔の里を訪れた翌日の朝。
いつもの癖で早くに目が覚めた俺は、イビキをかくめぐみん達を起こさぬようにそっと布団から抜け出した。
そのまま二度寝しようと思えば出来ない事もなかったが、肌を撫でる冷気に少し尿意を覚えたし、居間に転がされてるであろうカズマの事が少し気になったのだ。
そうしてトイレを拝借してから居間に顔を出してみれば、昨日の呑兵衛達が乱れた布団に包まったまま畳の上を転がっていた。
カズマは兎も角、めぐみん父はこの家の大黒柱であろうに・・・今更言ってもあれだが、やっぱり無理にでも布団まで運べば良かったかな?でも気持ち良さそうにしてたからなぁ。
様子を窺ってるとカズマが少し寒そうにしてたので、起こさないように気をつけながら布団を掛け直してやった。ついでにめぐみん父にもファサっといた。手間でもないし。
そのまま部屋へと帰り二度寝しようとしたのだが、ヒヤリとした感触に足を止められた。視線を落として見てみれば、布団から伸びた手が俺の足首を握っている。その様子を眺めてると布団がモゾモゾして、寝ぼけ眼のカズマが顔を出す。
「・・・・おっー・・・・す」
「おはよ」
カズマは俺の言葉に返事はしたものの殆ど目を開けず、眉間に深いシワを寄せて何やら苦しげな声をあげる。
しゃがんで寝癖のついた頭を撫でながら「どした?」と聞けば、カズマは「頭痛ぇ」とうめき声をあげつつ、頭を撫でてた手にもっとスリついてくる。猫かな。かわいい。
「なんだ、二日酔いか?昨日はどんだけ飲んだんだよ。お馬鹿。お水飲むか?ん?」
「・・・・あ゛あ゛ー」
「はいはい、分かったからちょっと待ってろ」
カズマを適当にあしらい、台所からコップを一つ拝借。日も上がらない朝っぱらから井戸水を汲んでくるのは面倒だったので、クリエイトウォーターでパパッと水を注いでやる。
だが、折角持ってきてやってもカズマは飲もうとしない。ぐったり横になったまま呻いてるだけ。仕方ないので体を起こしてやってコップを渡してやれば、苦痛で顔を歪ませながらも漸くそれに口を付けた。
「調子悪そうだな。もしあれだったら、今日の観光に付き合わないでゆっくり休んでて良いぞ。めぐみん達の事は俺が見てるし」
「・・・い、いや、良い。大丈夫だ。少し、すれば、なん、とかなる、多分」
「そっか、でも無理はしなくて良いからな」
カズマは水を飲み干すとまたぐったり横になろうとした。なのでそのまま頭を引き寄せて膝枕をしてやった。手透きだったので引き続き頭も撫でてやる。
依然として頭痛そうにはしてるが、撫でられてるカズマの表情は心なしか綻んだような気がする。喜んでくれてるなら何よりだ。よしよし。
「なぁ、カズマ?」
「んーー?」
「昨日さ、俺とカズマの事な、色々と皆に話しちゃった。悪い。二人から話聞いたら、もう誤魔化すの無理そうだったからさ」
「へぇーー、そうか・・・・・マジかー」
飛び起きるだろうかと思ったけど、カズマの反応は思ったより大きくなかった。膝の上で少し身動ぎした程度だ。寝起きでぼんやりしてるのもあるかもだが。
「あんまり驚かないな?」
「まぁ、流石に、そろそろ、バレるとは、思ってたからなぁ。どうせなら、俺から、伝えたかったんだけど・・・・なんか言ってたか、あいつら」
そう言われて思い返してみたが、カズマに対して何かを言ってる姿は特に思い出せない。これまで黙ってた事に関して不服そうではあったけど、二人共黄色い声をあげながら楽しそうにしていただけだ。それだけ、あっ、ダクネスはちょっと、いや、かなりアレだったか。まぁ、でも、まぁ、いつもの事だしな。うん。
「んーーー、特には。あーでもな、なんかめぐみんが『カズマには私からガツンと言ってやりますよ!任せて下さい!』とは言ってたかな?腕捲りしながら」
「何をガツンされんだ、俺は。しかし、そうかー、まぁー、なるようにしかならないからなぁー」
そんな事をぼやきながらカズマが太腿に頬擦りしてくる。やっぱり猫かな。猫にしてはデカ過ぎるけど。
旅の疲れが出てるのか、指に触れるカズマの髪は少し固くパサついてる。それはお世辞にも手触りが良いものではなかった。
でもだ、俺には、その手触りも、膝から伝わるカズマの鼓動も、太腿を撫でる熱い吐息も心地よかった。胸の所がポカポカする。嬉しい気持ちで胸が一杯になる。頬が自然と緩んで、何でもしてあげたくなってしまう。
まぁそうはいっても、側でめぐみん父がいるし、そもそも人の家だから、エッチな事とかはお願いされてもしてやれないのだが。我が家で、めぐみん達が側にいなければ、全然普通にやってたかも知れないけど。うん、やってたな(確信)。
そう言った気持ちの代わりという訳ではないが、そのまま腰を曲げてカズマの横顔にキスを一つ落とした。ちゅっ、という音と共に高ぶったていた気持ちが少し落ち着くのを感じる。
けれど擽ったそうにしつつも頬の感触を当たり前のように受け入れたカズマを見てると、何となくもっとしたくなってオレは何度もキスを落とした。静かな部屋に小さなキスの音が続いてく。
一つキスをする度に、胸が高鳴った。
好きな気持ちが次から次へと湧いてきて、する度にもっとその感触が欲しくなっていく。唇に伝わる感触度に、胸の中で好きな気持ちが膨れ上がってく。
何でこんなに好きなのか分からない。
理由なら一杯思い付くのだけれども、そのどれもオレの中でピンとこない。何故だか言葉にしてしまうと、どれも後付けのような気がしてしまうのだ。
そしてその理由を、触れたくなる理由を、抱き締めたくなる理由を、この人の子供が欲しくなるちゃんとした理由を、オレは欲しいとは思ってない。きっとカズマに抱く気持ちに、オレは理由が欲しくないのだと思う。
「かーずまぁー」
頬をつついて呼べば、横を向いてた顔がちょっとこっちを向く。眠たそうな顔に胸がきゅんとする。
「・・・ん?なんだ」
「んふふ♪ごめんな、起こしちゃって。何でもないから寝てて良いぞ。なんかな、ちょっと呼んでみたくなっただけだから」
「お前、さらっとお可愛いムーヴしやがって・・・・俺が童貞なら死んでるぞ」
「んー?そう?よく分からんけど、それなら大丈夫だな。カズマはもう童貞じゃないもんな。それにな、こんな事、カズマにしかしないから大丈夫だ」
そう言ってこめかみに一つキスを落とせば、カズマは耳まで赤くして布団を頭まで被ってしまう。個人的にはこういうウブな所も含めて、カズマの方がよっぽど可愛いムーヴしてると思うのだが?
呼んでも揺らしても出てこなくなったので、仕方なく布団の上から頭をポンポンしながら暫くぼーっと過ごしてると、ドタドタと賑やかな足音が聞こえてきた。
音を視線で追っかけていると目の前にあった襖が音を立てながら勢いよく開いた。その先にはパジャマ姿のこめっこと水色。どちらも楽しそうなニコニコ顔である。
「おつまみの残りはどこだー!」
「余りのお酒も寄越せー!」
どっちも朝から欲が迸ってるなぁ・・・山賊かな?
「おはよ、二人共。残念だけど余り物なんかないぞ。昨日のうちに片付けちゃったからな」
遊び疲れた二人が早々に寝てしまった後の事だ。
あれから暫くカズマとめぐみんの親父さんは魔道具談義で盛り上がっていたが、日付が変わる頃にはどっちも呆気なく酔い潰れてしまった。カズマは旅の疲れがあった事だろうし、親父さんも親父さんで久しぶりの深酒だったそうで酔い潰れるのが早かったらしい。
そして二人が酔い潰れると、私達とめぐみん母のゆいゆいさんとで余り物はさっさと片付けてしまっていた。
ゆいゆいさんとしては余り物を翌日の食卓にオカズとして並べる気満々だったようだが、滞在中の食費として極一般的な宿代分に少し色をつけて手渡したら盛大に俺達へ祈りを捧げたのち考えを変えたようで、満面の笑みと共に余り物をモシャモシャしていた。その様子はおっきなこめっこであった。親子なんだなぁって。
そんな訳で余り物なんてのはない。
それを聞くと二人が見るからに元気をなくす。
どちらも絶望と言わんばかりの顔だ。昨日は昨日でちゃんと夕飯食べておいて、余り物の一つや二つで一喜一憂し過ぎではなかろうか。
「・・・・大袈裟な。今夜にでもまた飲めば良いだろ。こめっこも、そんな顔するな。今日出掛けた時にでもお菓子買ってきてやるから」
その言葉を聞くや否や、二人は見るからに元気になった。言われてもないのに何か言いたげに手を挙げてくる。
「━━━━お菓子!カナちゃん、わたし昨日のおまんじゅう!!それと、クッキーとお煎餅も!!」
「そうね、そうよね!今夜も飲めば良いのよ!!昨日はお鍋だったんだから、今日は焼き鳥パーティーよ!カナデ!!」
「はいはい、分かったからあんまり騒ぐな。ここに二日酔いに苦しんでる奴等がいるから」
俺の言葉でカズマの存在に気づいた水色は「あらあら、なっさけないわねぇ〜」と人を小馬鹿にした顔でやってきて、布団越しにカズマの頭をポンポンと叩き始めた。
一応二日酔いの痛みを知る仲間だからかポンポンする手つきは程々に優しいのだが、酒を飲めなかった恨みからかネチネチと鬱陶しい絡み方をする。
そんな水色にイラッとしたのか、カズマが布団をくるまったままコロコロ部屋の隅へと移動するが━━━結局カズマを追い掛けて水色も移動していったので意味はなかった。
頑張れ、カズマ。
そんな二人を他所にこめっこが俺の膝を枕にコロンと横になる。食べ物がないからか、完全に二度寝体勢である。
まったくもって抜け目なし。
こめっこが可愛らしい寝息をかき、カズマ達の攻防が徐々に激しさを増し始めた頃。「んぁー」と間延びした声が背後から聞こえてくる。そっと声のした方へ視線を送れば、親父さんが布団を押し上げむくりと起き上がっていた。
こめっこを撫でながら挨拶すると、相変わらずのぶっきらぼうな挨拶を返し、こっちに何か言いたげな視線を送った後で「顔を洗ってくる」とか何とか言ってさっさとその場を離れていった。・・・うーむ、聞かれてたかもしれない。
それから少しして、めぐみん母やめぐみん達も起きてきた。
俺はこめっこを水色に預け、めぐみん母と共に朝御飯の支度へ。
そしてカズマとめぐみん達はというと━━━━
「それじゃぁ、カズマ。少し向こうに行くぞ」
「安心して下さい、カズマ。今回の所は、朝御飯が始まるまでに終わらせてあげますから」
「おっ、おお、お手柔らかにっ」
━━━━颯爽と近くの茂みに連行されていったのであった。両手に花であった。些か、あれな雰囲気だけど。うん。
どうやら同じ話を連投していたようで…。
本当に、申し訳ない(ブレイク風味)
あ、あと教えてくれたみんな、ありがとごぜーます!