南雲機動部隊 膨乳ダンジョンに迷い込む 作:エロが好きなやべー奴
よろしくお願いします。
『海の上に塔が現れるらしい』
最初に言った人は分からないが、そんな噂が全国規模で流行っていた。
やがて噂の運命とでも言うべきか、東では異世界への入り口、西では政府が生み出した秘密基地と言った、尾ひれがつき始めたが殆どの人はセンスの無い冗談だろう流している。
そんな世間の中、海上には四つの人影が海を進む。
異形、深海棲艦が支配する海で、戦う手段を持つ若い女性、艦娘である。四人は縦一列に並んで、動きながら話をしていた。
「海上の塔ってロマンがあるとおもいませんか⁉」
「まぁ……それで、その塔には何かあるんですか?」
「うーん、私が聞いた話だと財宝があるそうです」
蒼龍の話を淡々と聞く赤城。そこへ飛龍も話に入る。
「秘密基地じゃなかった?」
「そうなのですか?」
「いや、私のも聞いただけだから」
「へぇー、そうなんですか」
赤城は飛龍の話を聞く。そこに加賀もまた話に入って来た。
「はぁ……無駄口を叩いてる暇があったら、巡回を怠らないで下さい」
「はーい」
加賀に咎められ、蒼龍、飛龍の二航戦の二人は返事を返す。
この日、正規空母の赤城を筆頭に、同じく空母の加賀、蒼龍、飛龍の四人は噂の発生源とも言われている海域の巡回に来ていた。
「それで、加賀さんはこの話をどう思いますか?」
「赤城さんまで……塔なんてあるわけないでしょう」
「まぁ……そうですよね」
後輩二人の聞きかじりの話をほぼ信じていない二人。
そんな他愛のない話をしつつ任務を遂行しようとしていた。
「来ましたね」
空に飛ばしていたそれぞれの艦載機が戻って来て、四人の腕に付いている甲板に着陸しすると何を見たのか、操縦士である妖精は言い始めた。
「何も無し、ですか」
「私もです。魚影一つ見つらなかったそうです」
「収穫無しっと……」
「同じく」
それぞれの妖精から話を聞いた四人は、ここには何も無いという事を知る。
「それで、赤城さん。どうしますか?」
「う~ん、一旦帰投しましょう。燃料も余りありませんし」
飛龍に言われ考えた赤城は結論を出し、加賀は呟く。
「所詮、噂だった。と言う事ね」
こうして、四人は帰投の準備を始めた。
「では、行きましょうか」
「はい」
先頭の赤城は振り向き三人に聞くと、三人もよいと返答をする。
やがて、海上を進んでいるうちに霧が出始めた。
「霧?」
「急ぎましょう! 皆さん、離れない様に!」
視界が遮られれば危険も増す、赤城は皆に急ぐよう指示を出す。
「ん?」
「蒼龍! ぼけっとしてないで行くよ!」
「いや、あれ……」
急ぐ一行の中で蒼龍が何かに気づき、その方向を見つめながら指を指す。
「赤城さん!」
「加賀さん⁉」
加賀の大声を聞き、赤城は振り返る。三人は足を止めて、明後日の方を見つめており、赤城もまたその方を向くと言葉を失った。
「……塔……⁉」
四人の前には巨大な白色に茶のドアが付いた塔が佇んでいた。
「スゴイ……本当にあったんだ!」
「嘘でしょう……⁉」
目を輝かせる蒼龍に、驚きを隠せない加賀。
「ちょ、ちょっと待って」
飛龍に言われ、四人は塔を凝視する。何と、塔はゆっくりと動き、一行の方へ迫って来ていた。
「こっちに向かって来てない⁉」
「逃げるわよ!」
加賀の指示に従い四人は塔に背を向けて、全速力で海の上を滑るように走り出した。
塔も逃がさないと言わんばかりに、一気にスピードを上げて迫る。
徐々に距離を詰めていき、一番後ろを走る蒼龍との距離が三メートル程なったその時、ドアが開かれ中から巨大な色白の手が飛び出し、蒼龍を掴んだ。
「きゃあああああああ‼」
「蒼龍!」
蒼龍の叫び声を聞いた飛龍は彼女を掴んだ手にしがみつく。その結果、二人共塔の中へ引きずり込まれてしまった。
「二人共!」
「赤城さん! 止まらないで!」
「ぐっ!」
手は後の二人も捕まえようと迫る。後ろの加賀は塔の方を振り返り、後ろに滑りながら、相手の動きを読み蛇行運転でかわしていく。しかし、それにも限界が訪れる。
「しまっ……!」
「加賀さん!」
加賀が捕まったのを見ると赤城はすかさず矢筒から矢を抜き、弓で空に向かって射る。矢は宙で戦闘機になり飛び立つ。
「鎮守府に戻って誰かに伝えて!」
それだけ言うと赤城は三人を追って塔へ飛び込んだ。
「……さん……ぎさん……赤城さん!」
「ん……」
赤城は加賀の呼びかけに目を覚まし、上体を起こす。
辺りを見渡すと、土がむき出しの地面に岩の壁、壁には松明が刺さってそれが広場全体を光らせる光源になっている。
「加賀さん……」
「良かった……」
「ここは?」
「恐らく、塔の内部かと……それと、艤装が無くなりました」
加賀の台詞に赤城は自分の体を見る。腕の甲板も、弓矢も、足の装置も無くなっていた。
艤装は戦闘、海の移動に必要不可欠な物、四人は帰る手段を失ったのである。
「これは……」
「何故こんな無茶を……」
「でも、艦載機は飛ばしました。無事に鎮守府に着けば、この事は伝わる筈です」
「私達の事は構わずに行けば……」
「……皆さんを放って逃げれませんよ……!」
真剣な眼差しで加賀を見つめる。
「赤城さん!」
そこへ飛龍の声が聞こえ二人はその方を向くと二航戦の二人がこちらに歩いて来た。
「赤城さん、その……」
蒼龍は申し訳なさそうにしているのに対して赤城は優しく論する。
「私なら大丈夫ですよ。二人は怪我はありませんか?」
「あ、それなら二人共無傷ですよ」
飛龍は両手を腰に当て、得意げな顔をする。
「赤城さんも……その、頬に」
蒼龍は言いづらそうに左頬を触る。赤城もそれを真似するように、左頬を撫でる。
「何かあるんですか?」
「数字が書いてあります。86って……」
「86?」
蒼龍の指摘を聞き、周囲の三人の左頬を見る。加賀は88、飛龍は85、蒼龍は90の数字が刻まれていた。蒼龍の顔を見つめ視線を徐々に下に向けていくと胸元に0が書かれているのに気づく。
「どうかしたんですか?」
「数字を見ているんです」
「数字?」
蒼龍は赤城の視線の先に目を向けると確かにそこには0の数字がある。
「本当だ」
二人のやり取りを聞いていた二人もまた自分の胸元を見る。
「私も0です」
「同じく、これには何の意味が……?」
台詞から飛龍と加賀、すなわちこの場の全員が0を刻まれている事が分かった。
その時、ガコンと金属が落ちる音が響く。
「何⁉ 何⁉」
蒼龍に怯え声の後すぐに、木の軋む音が響く。
「音源は……向こうからですね」
「行ってみましょう。加賀さんは一番後ろを二人は私についてきてください」
三人に指示を出して、音の元へ向かう四人。
「これは……!」
着いた先には、木製の扉、その傍には木製のテーブル、その上には大量の武器が置いてあり、大きめの物は壁に立て掛けてある。
更に壁に看板が掛けられており、そこにはこう書かれていた。
『出口はここから 全階層15階 報酬:艤装一式 ※このダンジョンは一人までしか入れません! 装備はご自由にどうぞ』
「だんじょん?」
「迷宮って意味ですよ」
聞きなれない言葉に加賀は首を傾げると、飛龍が耳打ちをする。
「何故、迷宮と書かないのかしら」
「いや、私に言われても……」
「一人、ですか」
加賀と飛龍がやり取りをしている前で赤城は一人考えた。
その後、赤城は立て掛けある鞘に入ったロングソードを手に取り、テーブル上のナイフとベルトも取り、腰に巻き付け、左腰に鞘とナイフを取り付ける。
「待って下さい、行くんですか⁉」
「私が最初に行きます」
「赤城さん、危険ですよ!」
赤城の行動を見た蒼龍は、必死に止めに入る。
「この看板の言う通りですと、到達すれば外に出られるかもしれません。最悪、誰か一人でも突破出来れば、ここの事を伝えるも出来ます」
「でも、赤城さんが最初に行かなくても……!」
「私が先行して進みます。……私が倒れても、絶対に突破してください」
「そんな! 私が行きます!」
「すいません、間違えました。ここを抜けて必ず助けを呼びます。だから、待っていてください」
三人の前で笑って見せると、真剣な顔に戻り加賀に頼み込む。
「加賀さん、ここはお願いしますよ」
「……分かったわ」
加賀に見送られ二人の叫びを聞きつつ赤城は広間を出る。
「赤城さん!」
「赤城さん‼」
その瞬間ドアに光の膜が現れ通れない様になってしまう。
三人は赤城の無事を祈る事しか出来なかった。
赤城です。先行して迷宮に乗り込んだ私に待っていたのは、人体改造の連続でした。けれど、約束をした以上、必ず戻ってみせます!
次回は
『デカアアアアイ! 説明不要!』
『赤城イズマーメイド』
です。
正規空母の誇り、揺るぎません!