部屋の内装が僕とトガちゃんの血でドッロドロになった頃。朝を知らせる役割をもった時計がとてもうるさく鳴り響いた頃。
おもむろに、部屋のドアがガチャリと開いた。
「おはよう、良い朝だな! 眠くてたまらねぇぜ──って、なんじゃこりゃぁ!」
「だぅ」
赤ちゃんを抱えたトゥワイスが部屋に入ってきて、驚愕を顕にする。
そりゃあそういう反応になるよねぇ。
ベッドやテーブルはもちろん、床や壁にまでベットリと血が染み付いているのだから。
「あぁ。おはようトゥワイス」
「くぅ……すぅ……」
ベッドに座ったまま、僕はトゥワイスに挨拶を返す。そんな僕の膝を枕にしながら、彼女は静かな寝息を立てていた。
流石に服は着ている。来るのがあと数十分早かったら、多分全裸だったと思うけど。
「さ、殺人でもあったのか……?」
「いや、愛し合ってただけだよ」
まぁ、精液や愛液その他諸々の匂いは血の臭いで上書きされてるんだけどね。僕や彼女が今着ている服も血まみれで、もはや紅くない場所が見当たらないレベルだ。
傷に関しては僕の個性で治したから、二人とももうピンピンしてるんだけどね。ただ、徹夜でセックスしてたから眠いのなんのって。
「うっわ……げっほ、げっほ! 血の臭いすっげぇ! 爽やかな匂いだな!」
「赤ちゃんの面倒見てもらってありがとう。ごめんね、トゥワイス」
「気にすんなって! 百倍にして返しな!」
「そうさせてもらうよ」
笑顔を浮かべて、トゥワイスにお礼と謝罪を述べる。半日くらい丸投げしてしまって、本当に申し訳ない。
「ところで洗濯機ってあるかな。この服じゃ外に出れないからさ」
「部屋にはねぇな! 手洗いで落としな!」
「落ちるかなぁ」
血って時間が経っちゃうとなかなか落ちないんだよねぇ。それでも、頑張ればなんとか落ちるんだけどさ。
「それよりもよ、アライブ! なんかスッキリした顔してんな! ひっでぇ顔だぜ!」
「そう? 新しい性癖に目覚めたからかな」
ヤバい性癖が開花しちゃったんだよね。とりあえず、彼女の肉は甘い血の味がしたことをここに明記しておこう。
僕の血も、彼女にとってはあんな風に感じられているのだろうか。
「ヤバそうな気配がするから訊かないでおくぜ! 話すんじゃねぇぞ!」
「おや、残念」
どうやら本気で嫌がっているらしい。どっちも否定の言葉ってことは、これは相当だろう。
「で、今日は何かあるのかな?」
「知らねぇな! 知ってるぜ!」
彼女の頭を僕の膝から下ろし、代わりに枕を挟んであげる。これも血まみれで感触はアレだろうけど、彼女の髪も血でベットリだから、大して問題はないだろう。
「むにゃ……アライブぅ……」
「あははっ。はいはい、ここに居るよトガちゃん」
ベッドから立とうとした僕の服の裾を掴む彼女。何そのしぐさ、めっちゃ可愛いんだけど。
特に、裾を掴んだ瞬間に見せた、あの安心したようなぽわっとした表情が最高だったね。あれは個人的には国宝級だと思うんだけど。
「あぅ……ふぇ……んぅー」
「んむぅ……ふぁ……ご飯ですかぁ……?」
あ、起きた。
寝てても赤ちゃんのぐずりにすぐ気づくような所は、やっぱり母親っぽいというかなんというか。
「ください……」
「はいよ、トガちゃん! 返したくねぇなぁ!」
体は素直に返そうとして、顔は返そうとしないという無駄に器用なことをするトゥワイス。そんな彼から赤ちゃんを受け取り、その腕に抱く彼女の姿はまさしく聖母という他なく。
血塗れの聖母、か。地獄に落ちそうな題名だね。ただ、それでも僕はそれを美しいと思う。思ってしまう。
「あぅ、あぅー」
「よしよし……すぐご飯あげますからねー……」
そう言って、彼女はおもむろに上着を捲り上げる。すると当然、彼女のメロンのような爆乳がぷるんとこぼれ落ちてくる訳で。
「うぉっ……!?」
「必殺、速攻目潰し!」
「うぎゃぁー!? 目が、目がぁぁぁ!!」
そして、彼女のおっぱいを目撃したトゥワイスの目を潰す僕なのであった。
彼女の生おっぱいを見て良いのは僕だけ。これくらいの我が儘は、まぁ許してほしい。後で治してあげるからさ。
「んむっ、こくっ、こくっ……」
「美味しいですかー……?」
眠そうな顔で、いつもと違うおっとりとした声で赤ちゃんに母乳をあげる彼女。
寝起きってことで、結構レアな彼女を見れている訳だが。
「アライブも飲みますー……?」
「え、良いの?」
赤ちゃんが吸っていない、もう片方のおっぱいを手で押し上げ、僕の眼前に押し出す彼女。勃起した乳首の先からはじんわりと白い液体が滲んできており、それを見ただけで僕の性欲は一瞬でマックスになってしまった。
いや、これは彼女がエッチ過ぎるのが悪いと思います。僕は全面的に悪くないと思います。
「じゃ、じゃあ……はむっ」
「んっ……!」
彼女の乳首を咥えた瞬間、ビクンと彼女の体が震える。それに合わせて、乳首からトロリと甘い液体が溢れ出す。
「ちゅむっ、ちゅうっ、ちゅうぅぅっ」
「あんっ……んふっ、んひあぁぁっ……!」
乳首を舌の上でコロコロと転がし、ストローを吸うように吸い上げる。それだけで、彼女の爆乳おっぱいからは絶え間なく母乳が溢れてくる。
(甘い……)
妊娠したての頃に吸った母乳よりも、数段濃くて甘い味がする。
栄養満点というべきか。これを飲んでれば、確かに赤ちゃんもすくすくと育ってくれることだろう。
「ちゅぽっ……ふぅ、ごちそうさま」
「はぁ……はぁ……」
息を荒くして、顔を赤くしながらも、彼女は赤ちゃんに母乳をあげ続けている。うむ、尊い。尊すぎて尊死しそうだ。死なないけど。
「けぷっ」
「終わりましたかー……?」
おっぱいから口を離した赤ちゃんがげっぷをしたのを見届けた彼女は、そっと赤ちゃんをベッドに寝かせる。
どこも血だらけだけど、幸いにも乾いているので赤ちゃんに血が付くことは無さそうだ。良かった良かった。
「ふふっ……ふぁーあ。おやすみなさい……むにゃ」
「また寝るんだ」
っていうか、服はちゃんと戻そうね。おっぱいがこぼれ落ちたままになってるから。誰かに見られたらどうするの。
そんなこんなで彼女の服を戻し、未だに部屋の床をゴロゴロと転がっているトゥワイスに血をあげて復活してもらった。
「これでよし、と」
「アライブてめぇ! ありがとな!」
どういたしまして。全部僕のマッチポンプだけど、ちゃんとお礼を言ってくれるトゥワイスはいい人だよね、ホントに。
「さて、オーバーホールの所に行こっか」
「トガちゃんはどうすんだ? 帰っていいよな?」
「帰っちゃダメだよ、トゥワイス。トガちゃんは……まぁ、寝かせておいてあげようよ」
僕に付き合って、徹夜でセックスしてたからねぇ。しかも今回は結構な痛みも感じてて、精神的な疲労も大きかっただろうし。
きっとオーバーホールも許してくれるでしょ。許さなくっても別にいいけど。
「さ、行くよトゥワイス」
「おう! イヤだね!」
すやすやと眠る彼女と赤ちゃんを部屋に寝かせて、僕とトゥワイスは一路、オーバーホールの元へと歩みを進めるのだった。
────────────────────-
深い、深い闇の中を落ちていく。
まっさらなままで、生まれたままの姿で。
(…………)
目も耳も、手足の先すらも何も感じない。ただ、お腹の奥。おへその下辺りが、キュンキュンと激しい疼きを訴えてくる。
その疼きは徐々に全身へと拡がっていって、やがてどうしようもない渇きが全身を支配していく。
(っ……!)
そのどうしようもない疼きと渇きに耐えかねて、私は右手をゆっくりと自分の股に伸ばす。
ぐちゅり、と湿った音がした。
それと同時に、激しい快楽が全身を駆け巡るのが分かった。それが頭まで到達した瞬間、私の股からは勢いよく真っ白くてドロッとした本気汁が噴き出してきた。
「ひっ、あっ、あふぁぁぁっ!??!?」
必然というべきか、私の口からは喘ぎ声が漏れる。今まで希薄だった五感が、急速に私の元へと戻ってくる。
そうして、理解した。
「……えっ?」
見慣れた景色、見慣れた人達。
この春から通うことになった雄英高校の教室、そしてそこに在籍するクラスメイト達。
彼らが、驚愕に満ちた目で私を見ている。
誰も彼もが固まったまま、教卓の上に立った私を見ている。
「う、麗日……さん……?」
震える声が、聞こえる。
聞き慣れた声だ。
私が好きになった彼の声だ。
「────ぁ」
背筋がぞわぞわと総毛立つ。
見られている、見られている、見られている。
彼だけじゃない。
クラスメイト全員に、私の裸が見られている。
「────ぃや」
固く屹立した乳首も。
白濁を噴き出すおまんこも。
全部、全部──見られている。
「い、いやぁぁぁぁぁぁっ!!!」
咄嗟に、両手を使って秘部を隠す。そのまま力なく地面に座り込めば、びしゃっ、と愛液の水溜まりから愛液がはねた。
「やっ、なにっ!? やめっ、見んといてぇ!!」
見えないようにと押さえたおまんこからはドロドロと本気汁が流れ出し、腕で隠した両乳首は腕に触れただけで全身に甘い電流が走る。
隠しているのに、見ないでと懇願しているのに。クラスメイト達の視線は止むことがない。誰も彼もが、私のだらしない体を舐めるように見つめている。
男女問わず、好きになった彼さえも、私の体に厭らしい視線を向けてくる。
「うっわ、エッロ……」
「なにやってんだ、アイツ……」
「頭おかしくなったのか?」
そして、その厭らしい視線はやがて軽蔑の視線に変わっていく。 白昼堂々、クラスメイトの目の前で公開全裸オナニー。ドン引かれるに決まっている。
だけど、私の体はそんな視線を受けて悦び、歓喜してしまっている。蔑まれることが、気持ちいいと感じてしまっている。
「えっ、やっ、うそっ、なんでっ……!!」
自らの意思とは関係なく、腕が股間に伸びていく。
震える足で立ち上がって、腰を前に突き出してしまう。
「やっ……やああぁぁぁぁっ!!!」
自分の手でおまんこを左右に割り広げ、その中身をクラスメイト全員に見せつけてしまっている。
子宮の奥から溢れ出す液体を垂れ流しにして、自らの一番恥ずかしい部分を惜しげもなく公開してしまっている。
おまんこから流れ落ちた愛液が滴り落ちて、とぷん、と愛液溜まりの面積を広げた。
(は、恥ずかしいぃぃ……! 恥ずかしいよぉぉ……!!)
顔から火が出るとは正にこの事。羞恥心で頭の回路が焼ききれそうだ。
「な、何してんだよ麗日……」
「信じられませんわ……」
「下品……最っ低ー」
無様な私に、クラスメイトから次々と浴びせられる蔑みの言葉。
それを聞く度に、ゾクゾクと全身に電流が走る。私の中にある、大事なものにヒビが入っていく。
「見損なったぞ、麗日くん」
「ケロ、最低ね」
「金輪際、私に近寄らないでね?」
心にもない、当然すぎる罵詈雑言が私を貫く。
一人、また一人と席を立ち、教室を出ていく。
そして、最後に残った人は。
「…………」
「……デ、デクくん……!」
緑色の髪をした、私が好きだった彼。ああ、彼はこんな私を見捨てないでくれている。まだ、友達で居てくれている。
私は教卓を降りて、彼の元に向かった。そして、彼に向けて手を伸ばして。
「近寄らないで、変態」
その手を、呆気なく弾かれた。
「────ぇ」
パシン、と乾いた音が耳を突く。
拒絶された。
「麗日さんがそんな変態だったなんて」
彼は、まるで生ゴミでも見るかのような目で私を見ている。その視線に含まれるのは、明らかな失望、嫌悪、軽蔑。およそマイナスの感情がすべて乗ったと思われる視線が、容赦なく私を射抜いた。
「二度と僕の前に出てこないで、この変態」
あ────あああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁぁあぁああぁああぁあああぁああぁああああぁぁぁぁぁああああぁぁぁあああああああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁあぁああぁああぁあああぁあああああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁぁあぁああぁああぁあああぁあああああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁぁあぁああぁああぁあああぁああぁああああぁぁぁぁぁああああぁぁぁあああああああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁあぁああぁああぁあああぁあああああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁぁあぁああぁああぁあああぁああ────
彼に、嫌われた。
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「順調順調っと……」
薄暗い部屋の奥。自分以外には誰も居ない部屋で、ギランは一人ほくそ笑む。
目の前には、全裸のまま椅子に座らされた少女が一人。その頭には妙な機械が取り付けられており、少女は時折虚ろな声を上げながら体を揺らすのみ。
アライブから依頼を受けたときは最初こそどうなるかと思っていたが、案外なんとかなっているようだ。
「しっかし、えらい時間がかかるなぁ」
ギランが壁にあるモニターへ視線を向けると、そこには87%という数字が。ちなみにここまでくるのに一ヶ月近く掛かっている。
順調ではあるが、順風満帆という感じではないようだ。
「流石は雄英生、精神力も超一流ってか?」
皮肉混じりにそう囁き、ギランは手元のコンソールを操作する。
「ま、85%越えてるし、こいつで一気に仕上げだな」
悪い笑みを浮かべながら、なんらかのコードを打ち込んだギランは決定のボタンを押す。
その瞬間。
「ぎっ──ぎぃあああぁぁぁぁっ!!?!??!?!?」
椅子に座ったままのお茶子が、いきなりビクビクと体を震えさせた。その喉からは悲鳴を上げ、股からはブシッと潮が噴き出す。
その様子を見たギランは、勝利を確信した笑みを浮かべる。モニターに映った数字は、100%と表示されていた。
「よーし、よしよし。長かったけどもようやくお目覚めだなぁ」
「はぁー……はぁー……」
吐き出す息は荒く、艶っぽくて熱っぽい。頭についた機械をゆっくりと外し、ギランは目の前の少女の顔を覗き込んだ。
虚ろに濁り、一切の光を映さないその瞳を見て、感慨深そうに頷いた。
「うんうん、完璧に堕ちたな。後は動作テストだが……おい、メス豚」
「はいっ! 何かご用でしょうか!」
いきなり元気よく立ち上がったお茶子に少し驚くも、ギランは納得したような笑みでお茶子を見つめる。
虚ろな瞳、勃起した乳首、愛液を垂れ流すおまんこ。それらを一通り確認し、ギランはまたも口を開く。
「お前の名前は?」
「麗日お茶子です!」
「いままで何してた?」
「ヒーロー達に捕まって、尋問を受けていました! そこをギラン様に助けていただいたと記憶しています!」
「お前の居場所は?」
「ヴィラン連合です!」
淀みなく、はっきりと自分の質問に答える様子を見て、ギランは洗脳の成功を確信する。予定通り、上手くいったようだ。
そんなお茶子に、ごく自然な動作で右手を差し出す。
「おかえり、
お茶子は花のような笑顔を浮かべ、その手を両手で握り返した。
──────────────────
「平和だねぇ……」
「そうですねー」
「きゃっきゃっ」
僕たち三人(+赤ちゃん)が死穢八斎會に出向してきてから、既に一週間が立った。
その間、実に平和な時間が流れている。
ヤクザと言っても、映画やドラマで見るような派手なドンパチなんてそうそう起きない。そもそも、ヤクザっていうジャンルそのものが衰退しているのだから、他の組との抗争なんて起きるはずもない。
「何しよっか」
「トランプでもします?」
「いいね。トゥワイスもやる?」
「はぁ!? 面白そうだな! やらねぇよ!」
そう言って、ファックサインをつくりながら席に座るトゥワイス。うん、いつも通りのトゥワイスだ。
「大富豪でもやる?」
「大富豪ってどうやるんですか?」
「おっと、そこからかー……」
「ジョーカー出せば勝ちだろ! 使ったら負けるんじゃねーの!?」
「トゥワイスもかー……」
仕方ないので、大まかなルールを教えてあげるとしよう。あとはやってれば自然と覚えていくでしょ。
「三人しかいないからちょっとルール変えなきゃだけどね。もう一人いれば良かったんだけど」
「あら、では私も参加して宜しいですか?」
ああ、どうぞ……って。
「……どうしてここに?」
「それはもちろん、アライブ様を追いかけてきたからに決まっています」
深緑の髪、伽藍堂の瞳。テーブルの側に優雅に佇んでいるその姿は間違いなく、ギランのアジトで出会ったあの小柄な少女──ハナちゃんだった。
「お会いしたかったですわ、アライブ様──おや?」
「動かないでください」
そんな少女に、怖い表情でナイフを突きつける彼女。喉元一ミリといった絶妙な距離感で、ピタリと刃先が肌に触れている。
「動いたら殺します。喋っても殺します」
「…………」
「さっすがトガちゃん。でもいいよ。この人、僕に用事があるみたいだし」
僕の言葉に、彼女は不承不承といった表情ながらもナイフを下げてくれた。
それを確認したハナちゃんは、ほう、と恍惚とした息をついて笑顔を浮かべる。
「ああ、今のがヒミコ様の本気の殺気……! どうしましょう、少し濡れてきてしまいました……!」
開口一番にそれかぁ。僕と彼女もなかなかだけど、ハナちゃんもかなりぶっ飛んでるよねぇ。
「こほん……さて、私がここに居るのを疑問に思うこともあるでしょう。そこは企業秘密なので教えられませんが……」
「大方、信者の誰かの個性を使わせてもらったんでしょ?」
「はい! その通りでございますアライブ様! 流石は聡明なお方でいらっしゃいます!」
「刺していいですか?」
「ダメだよトガちゃん」
確かにこの手のひらドリルはイラッとするかもしれないけど、刺しちゃダメだよ。せめて、何しに僕を追って来たのかを聞き出さなくちゃ。
「で? 率直に聞くけど、ここに来た理由は?」
「それはもう、アライブ様の子種を授かるために決まっています! さぁ! 私を使い捨てのタダマンオナホールだと思って、遠慮なく精を吐き出してくださいませ!」
オーケーオーケー。取り敢えず、その誤解されるような言動をやめようか。トガちゃんはナイフしまって。あと、トゥワイスは壁際までドン引いてないで戻ってきて。
「いや……前にも言ったけど、トガちゃんの許可がないとそれは出来ないんだって……ってトガちゃんステイ、ステイ!」
「殺します」
「殺さなくていいから!」
「ああヒミコ様、なんて濃厚な殺気……! 私のアソコが大変なことになってしまいます……!」
「殺します」
「君もトガちゃんを煽るようなこと言わないで!」
殺しますBotになってるから! 彼女、殺しますしか言わない殺戮Botになってるから!
「殺します」
「あっ、そんなっ、だめっ、ヒミコ様っ……! ふぅ……」
ねぇ、それは何のため息なの? なんか妙にスッキリとした顔になってない? もしかしてイったの? 性器に全く触ってないよね? 一ミリも触れてなかったよね?
「失礼。ヒミコ様の殺気があまりに極上だったので、つい」
テーブルの側に立っているハナちゃんの足下に、ポタリと謎の液体が滴り落ちた。よく見れば、スカートから覗く生足は既に謎の液体が伝ってびしょびしょだった。
僕が言えたことじゃないけど、この子も大概変態だったみたい。いや、前回会ったときから分かってたけどね。
「それで、私がアライブ様とセックスする対価ですけれど」
賢者タイムに入ったのに臆面もなくセックスとか言わないで、赤ちゃんの教育に悪いから。寝てるけど。
「口頭で説明をすると時間が掛かりますので、こちらを」
そう言って、ハナちゃんは懐から一枚の書類を取り出した。
渡されたままに読んでみると、そこにはビッシリと、空白が無いほどに書かれた文字の羅列が存在していた。
「うわ……目が疲れそう……」
「読めるかこんなもん! 楽勝だぜ!」
「殺します」
トガちゃんはそろそろ帰ってきて。
「まぁ、要約すると私たち人類再生教はそのすべてをアライブ様に捧げるという約定書ですね」
「え、なにそれこわい」
ちょっと捧げる内容が重すぎない? 僕、そんな大した人間じゃないんだけど?
「どうでしょう、これでセックスしていただけますでしょうか」
「うーん……」
正直、メリットを考えれば受けるべきなんだろう。ヴィラン連合の為にも、これからの為にも。
だけど──だけども。
「ごめん、やっぱり──」
「いいですよ」
えっ。
「いいですよ、アライブとセックスしても」
思わぬところからの発言。彼女からの、思いがけない許可の言葉。それに驚き、僕は言葉を失った。
「出来るものなら、ですけどね」
そして、彼女はニタリと笑みを浮かべる。それはイタズラを仕掛ける子供のようで、また相手に情けをかける可憐な少女のようで。
その笑顔を見て、僕は彼女が何を言いたいのかを完全に悟った。
「……しょうがないなー。トガちゃんが良いって言うんだったら、僕も別にいいよ」
僕は彼女にしか興奮しない。彼女にしか欲情できない。だから、これはそういうことなのだろう。
「セックスしようか」
そんな僕の言葉に、ハナちゃんはひどく淫靡な表情で頷いた。
唐突ですが、私はレイプ目が好きです。でも、イチャラブセックスはもーっと好きです。
レイプ目しながらイチャラブできたら良いのに……(矛盾)