前回のあらすじ:東都政府から依頼を受けた十六夜達は「いや、そんな話じゃないわよ!?」「あ、お嬢様」「本編であんなことになってるのにまだそんな呼び方なの!?ショックだわ」「それでは本編開始」
自分の友人と想い人の性的な行為を見せられるという異様な状況に混乱してしまい耀の言葉に頷いてしまった飛鳥だったが、直ぐに自身が何に頷いてしまったのか気づいた。
「あ、かっ春日部さん。違う、違うのよ。つい頷いてしまっただけで私はそういうことをするつもりはないわ、ええ!いっ十六夜くんならわかってくれるわよね?」
赤面した顔で、一種の気の迷いでしかないと弁明する飛鳥だったが焦ったように一気に喋るその姿からは誤魔化しているようにしか感じられない。
「だ、だいたい複数人と関係を持つなんて良くないと思うの!ええ!それに婚前交渉なんて良くないと思うの!そう、だからこれをほどいてくれないかしら?今ならまだ冗談で済ませてあげてもいいわ!」
恥ずかしさとあまりに一気に喋りすぎたことで発生した酸欠で飛鳥の顔がどんどんゆでダコのように真っ赤になっていく中で話を黙って聞いてた十六夜が言葉を発した。
「なあ、春日部。俺も望んでない人間にこういうことをするのは好きじゃないんだが、やめとかないか?」
と、飛鳥を助けるような、その実全く助けにならないことを言った。
「本人がこんなに嫌がってる以上は俺したいとは思わない。朝飯もできるだろうし、リビングに行かないか?」
「..そうだね、確かに黒ウサギの朝ご飯作りもそろそろ終わるかもしれない。でもちょっとだけ耳を貸して飛鳥」
そういうと、耀は十六夜に聞こえないような小さな声で
「(ねえ、本当にいいの?飛鳥?)」
と囁いた
「(な、なにがかしら?春日部さん)」
「(多分十六夜は優しいから、本当に何もしないと思うよ?けど飛鳥は本当にそれでいいの?)」
「(構わないわ)」
「(十六夜のことだからこれ以降そういう目でも見なくなると思うよ?飛鳥も十六夜のこと好きなんだよね?本当にいいの?)」
「(..構わないわ)」
飛鳥は本心を隠すように、小声だった声をさらに小さくして、本心を見透かすような耀の眼から表情を隠す。それを見た耀は、飛鳥にある免罪符を与える。
「(ねえ、飛鳥?十六夜とエッチなことをするのはね
まるで、悪魔が人を堕とすように、大切な友達に甘い言葉を囁いた。
「(それ、は..)」
「(もちろん、本当に嫌なら良いけどね、他の脱出方法を探せばいいから)さ、拘束は外したよ、たてる?飛鳥」
拘束を外された飛鳥は自由を取り戻したにも関わらず身じろぎ一つしなかった、長い髪を垂らし表情すら2人には見せない。
「お嬢様?」
「ふふ、どうしたの飛鳥?」
そうして、数秒、数十秒身動きひとつしなかった飛鳥は
「ねえ、十六夜くん。ちょっとこっちに来てくれるかしら?」
と、声をかけた。十六夜は頭に疑問符を浮かべながらも、顔を隠した飛鳥に近づいた。
「なんだ?お嬢様」
「十六夜くん、私はあなたのことが好きです」
そう言いながら、飛鳥は顔を近づけてきた十六夜に唇を合わせた。
「..!?お嬢様!?」
飛鳥の突然の行動に十六夜が驚愕するが、それを見た真っ赤な顔の飛鳥は
「プフッ、どうしたのよ十六夜くん、私の初めてのキスをプレゼントしたのに。さ、黒ウサギの作った朝ご飯を食べに行きましょう、先に言ってるわよ」
と息継ぎなしで言い切った飛鳥は、びっくりして固まっている十六夜を尻目に髪をばさりと後ろに流しながら部屋から足早にでて..部屋の中から見えなくなった瞬間に普段の彼女からは信じられない速度で走り出した。もっとも、ほとんど走っている音がしないのは流石と言えるが。
「..春日部、お嬢様にさっき何言ったんだ?」
「ん?背中を押しただけだよ?」
そういうと耀は
「私も十六夜のこと好きだよ。I love youってやつだね耀だけに!、なんてね」
と言いながら満面の笑みを浮かべながら抱きついた。
1番堅実に積み上げる飛鳥
1段飛ばしにすっ飛んでいく耀
そして出番の少ない黒ウサギ
次回は黒ウサギ本編に出したいなぁ。
ちなみに寝巻きは浴衣からネグリジェ、シャネルの五番から猫さんパジャマまで各種備え付けられています。ついでに書庫にはあらゆるハウツー本が、倉庫には大人の玩具があります。あと、時間の流れが違うのでこのゲーム盤に数百年いても外では1秒も経ちません。