石でも包丁でも縄文土器でも好きに投げてください。全部受け止めます。
リハビリがてら書いたのであまり自信はないです。
親友。
それは友人以上、恋人未満の曖昧なものだ。
貴方の友人はいますか、と問われて答えられる人は多い。
けれど、貴方の親友はいますか、と問われて即答できる人は数少ない。答えられる人よりも答えられない人の方が圧倒的に多いだろう。
ましてや、異性の親友なんて小説や漫画の中だけの話かもしれない。
だがしかし、恋人でもないのにキスをして、異性に手ブラを出来るような人間を、どういう言葉で表現すればいいのだろうか。
お互いがそう思っていないだけで、他人から見れば親友以上恋人未満。
そう表せられるものかもしれない。
✴︎
なんでもない休日。
とてつもない重大な事実に気付き、陽キャ達が集まるお洒落なカフェにフレンダを呼び出していた。
そしてフレンダに呪文のような名前の飲み物注文してもらい、木製の椅子にゆったりと座る。
「えぇ!?絹旗の誕生日を知らないって訳!?l
飲んでいたを飲み物を吹き出す勢いで叫ぶ目の前の金髪少女。
出来る大人アピールをしていたのに失敗したじゃないか小娘。
「たかが200文字の商品を注文できない男子高校生に言われたくない訳よ。というか、絹旗の誕生日知らないって、本気?」
本気も本気。超本気。流石に彼氏の癖に何もプレゼントを贈らない訳にもいかない。
去年の付き合うまではどうしていたんだ、という話だが、特に何もしなかったというのが事実だ。恐らく彼女ら友人達で愉快なお誕生日会をしていただろう。
「そっかぁ。だから去年の絹旗は妙にソワソワしてたのね。で、今年は何か買おうって話だけど正直かなりギリギリって訳よ」
えっ、そわそわ…?……冷や汗が吹き出る。
僕の中の第六感が叫んでいる。これは夏休みの最後の日、白紙の課題プリントを見つけた時の絶望感に近い、と。
「2日後、よ」
「おら行くぞフレンダァ!手始めにあそこのデパートに行くぞォ!」
■■は決意した。
次からはきちんと計画を立てて夏休みの課題を終わらせよう、と。
✴︎
学園都市の中でもかなり大きなデパート。
そのデパート内の女性向けの雑貨が取り扱われている店内で、ショーケースに入ったキラキラと輝くネックレスやイヤリングの値札を呆然と眺めていた。
おかしい。0が多い気がする。いや、絶対に多い。
これは何かの政治の陰謀か、店員のボッタクリか、僕の目が不具合を起こしたかのどれかだろう。
「別にそれは店員の間違いでもボッタクリでも無いって訳よ。大体、女性のお洒落雑貨はそんなもんよ」
これが、雑貨?違う、僕の中の雑貨と違う気がする。庶民の雑貨はもっと適当に置かれているはずだ。
フレンダに「現実を見せるって訳よ」と流されるままに着いてきたが、セレブ女性の店に連れてこられた気がしてならない。
「ここがレベルが高い人だったり、お嬢様学校の人達用の店って訳よ」
あ、ほんとだ。常盤台の制服をきたツインテールの子がグフフって可愛い笑みを浮かべてる。
「……可愛い?……まっ、結局レベルが低い人には生き辛い都市って訳よ」
そうだなぁ。フレンダが言うように僕は苦学生であり、札の束で人の頬を叩けるほどセレブではないのだ。
生き辛い都市ではあるけれど、最愛達とも出会えたし、悪いことだけでないのも確かだ。
雑草を食べる生活も悪くない。
「それは絶対に悪いって訳よ。まぁ、さ。プレゼントは値段じゃないって訳。結局、絹旗が■■から高いもの貰っても心配しちゃって素直に喜べないと思うよ?」
ま、まぁ確かに。
僕がどれだけ金欠なのかは多分僕よりも最愛の方が理解している。
そんな僕から高いものを貰っても困るだけかもしれない……。
「あっ、じゃあさ。お花とかどうよ。花言葉でロマンチックにさ。それならネックレスとかよりも高くないし、良いと思うって訳よ!」
さてはこいつ天才か?
確かに最愛はあまり花言葉とか詳しく無さそうだし、渡してから花言葉を検索してもらい、照れてる姿を見るのは最高に良いかもしれない。
さては自分天才か?
「バラとかは本数で意味が変わるって聞いたのよね。。『生まれ変わっても愛してる』なんてあった筈だし超ロマンチックて訳よ!」
何それキュンとしちゃう。
「ま、金銭的な問題があるから本数系はダメだけどね。とりあえず、花屋さんに行ってみるって訳よ」
流石だ。このフレンダ、かなり出来る!
女心が分かりそうな女友達を考えて真っ先に出てきたのがフレンダだったため呼び出した訳だが、本当にフレンダで良かった。
沈利は……まぁ、なんだ。適材適所って言葉があるから仕方ないね。うん。
頭の中で必死に言い訳を考えながら、快活に笑うフレンダに手を引かれるのだった。
…………おててやわらかぁい(思考放棄)
✴︎
「らっしゃっせぇー」
お花屋さんで野球部育ちのコンビニ店員のような挨拶をされながら入店する。
店内は花が鮮やかに飾られていて、花独特の甘い香りが充満していた。けれど不快感はなく、どこか現実離れした空間に感じる。
スマートフォンで花言葉について調べながら、グルリと花を見渡し確信する。
「あっこれ無理」
「諦めるのが早すぎるって訳よ!」
だって花が超多すぎるって訳よ。とてもじゃないけど素人には選びきれないって■■は■■は絶望感を露わにしてみたり。
「その言葉遣いちょっと嫌って訳よ。まぁ、花の数だけ花言葉もあるから。じゃあ、この花なんてどう?結構いい感じだと思うんだけど」
フレンダが手にしたのは『赤色の菊』。
えーっと、赤の菊の花言葉は……なになに。『貴方を愛しています』?
なんて天ぷら。違うテンプル。違う、シンプルなんだ。
「似たような言葉でバラとかでも良いんだけど、絹旗も流石に知ってるかなぁって思う訳よ。菊の花言葉なんて知らないだろうし、良いかなって」
なるほど。流石はフレンダだ。
天才すぎないか君?
「元から天才よ。じゃあ、それ買って帰る訳よ。誕生日までに枯らすなんて絶対ダメだからね」
それは任せて欲しい。雑家で草を栽培してるんだ。
花の管理なんて造作もない。
「へぇー、そうなんだ。じゃあ任せるって訳よ。それで、他に用事とかある?」
じゃあもうちょっとだけ花を見て帰ろうかな。
あまり来る機会も無いだろうしもう少しだけ見ていきたい。
「りょーかい。じゃあ私も麦野達用に少し見ていくって訳よ」
ちなみに。会計時にカップルだと思われたのはご愛嬌。
✴︎
気付けば日も暮れて、赤い夕陽が街を照らしている。
車が目の前を通り過ぎていくのを眺めながら信号を待つ。
あぁ、今日も楽しかった。
女性と二人きりで出かけるなんてあまりしない経験だから、緊張していたけど流石は陽キャのフレンダ。男同士と遊んでいるかのようだった。
「男友だち、ね。じゃあさ、■■は今日私とデートして何も感じなかったの?」
デ、デートか。そうか、これって普通に考えればデートなのか。
まぁ、その、かなり緊張していたし、ずっとドキドキしてた。
「……そっか。それなら良いって訳よ!あっ、そういえば最後に何か買ってなかった?誰宛のプレゼントって訳よ」
ん?あ、あー、まぁ、その、驚かせたかったけど、見られてたのか。
ガサガサと買い物袋から鮮やかなオレンジ色の花を取り出す。
「これ、マリーゴールド?」
そう、マリーゴールド。ネットで検索したり、店員さんに聞いたりして買った花。
ちなみに、フレンダはマリーゴールドの花言葉は知ってる?
「いや、知らないって訳よ。どういう花言葉があるの?」
ん、んーー。まぁ、帰ってから調べて欲しい。
直接言うのってかなり恥ずかしいから。
ずずいっと押し付けるようにフレンダに花を渡す。
「あ、ありがとう?帰ってからが楽しみになったって訳よ」
いえいえ、どうも。
信号も丁度青になったし、帰ろうか。
「了解って訳よ!」
そんなありきたりな日常会話の中。
猛スピードで歩道に乗用車が突っ込んでくるなんて、まず日常には有り得ないものだろう。
抱いて飛べば良いものを、かっこつけた気分でフレンダを出来るだけ遠くに押し飛ばしながら思う。
「あぁ、最愛の誕生日、間に合いそうに無いなぁ」
その刹那、とてつもない轟音と、少女の悲鳴が学園都市に響き渡った。
マリーゴールドの花言葉。
『友情』
『別れの悲しみ』『絶望』
Q、なぜ主人公は轢かれたの?
最近流行りの異世界転生をさせようかと思った。後悔も反省もしていない。
感想評価、待ってます。