考えついたことを書いてたら最愛ちゃんの学生編が出来てたんだ!何をいっているのか(略
あっ、ちなみにエロはないです。
純粋な学生編です。
雲1つない青い大空。少し風が吹けば綺麗なピンクの桜が舞う。
周囲を見れば私と同じように入学生の姿もチラホラと見える。
今日、私こと絹旗最愛は高校生になりました。
青春がきっと私を待っているーーーー
✴︎
「なんて考えていた時期も超ありましたよねー」
昼休憩の短い自由時間。周囲はガヤガヤとした空間で自嘲気味に笑いながらグデーッと机に顔を引っ付ける。
思わず大きなため息も出てしまう。
高校入学。誰だってワクワクするだろう。少し大人な世界に近付いたのだから。
けれど、実際は普段とあまり変わらない日常の連続だった。
別に青春を求めていた訳じゃない。輝かしい高校生活に期待をしていたわけでもない。
ただ同じことの繰り返しに少々飽きが来てしまっただけだ。
「私は異世界転生でもするんですか…。超C級映画じゃあるまいし。ねー、フレンダも超そう思いませんか?」
「……んんー?どうだろう。私は絶賛青春中な訳だし、そこまで飽きてはないかなー?」
正面に机を引っ付けて一緒に弁当をぱくついていたフレンダ。
彼女とは小さな頃からの知り合いで、気心知れた中である。長い金髪、細く綺麗な脚。顔も人形のような可愛さである。勿論クラス人気はかなり高い。
一瞬考え込み出された言葉は想定通りで、彼女もやっぱり私と同じように灰色の青春をーーーーーー
「って、え、超青春してるんですかフレンダッ!彼氏でも超できたんですか!?」
「あっ違う違う!彼氏ではなくてただ気になってるだけだから!まだ彼氏ではないって訳よ!」
フレンダから『彼氏』という単語が出た瞬間、周囲の男共が騒つくが、『まだ』と聞いて少しほっとしたような雰囲気が広がる。
そういうところですよ野郎共。
「………ふーーん、『まだ』ですか。ちなみにどこの馬の骨ですか?私超気になります」
「……恥ずかしいんだけど。んーと、ほら、よく麦野といる男子!よくパシリにされてるじゃん?」
麦野。レベル5の第4位。彼女も昔からの知り合いだ。性格と能力の強さでこの学校の女帝だと噂されている。
ちなみに彼女は高校3年生。そして噂の彼は高校2年生。一歳年上だ。
それにしてもあの男子ですかぁ。失礼ですけどあまり冴えない顔をしていた記憶がある。
「あ、あーーあの人ですか。あれ、でもあの人は麦野の彼氏とかじゃないんですか?一緒にいる所を超見ますけど」
「それがね。麦野に聞いたんだけど、どうもまだ付き合ってないらしくてさ。ここが攻め所って訳よ!」
「本人に直接聞くとか超恐ろしいことしてますね。というか、麦野も『まだ』って事は……もしかして?」
「…………まぁ、そういうことよね」
「ちょ、本気ですかフレンダ!貴女超危険なことしてますね!」
その瞬間、ビビビッと映像が頭を過ぎる。それは怯えて震えるフレンダを麦野が真っ二つにしてしまうというもの。
友達思いであると同時に嫉妬深い麦野のことだ。これは今の段階では想像に過ぎないが、このままいくと起きてしまう未来なのは確実でしょう。
「悪い事は言わないです。超辞めといたほうが身のためですよ……?」
「……まぁ、私も結構考えたんだけど、やっぱり好きになったからには全力でいたいって訳よ。それに、麦野は怒るところでは超怒るけどさ。多分私たちの考えすぎって訳よ。優しい時は優しいし」
意外と真剣なフレンダ。めちゃめちゃ青春してるじゃないですか。
珍しいですね。美容以外にはチャランポランなフレンダがこんなにも真面目に恋をするなんて。
「まぁ、確かに、麦野のデレが超可愛いのは否定しないですけど」
「こればっかりは好きな人ができないと分からないのよねぇ〜」
「超上から目線ありがとうございます。ちなみになんですけど、彼を好きになったきっかけって何ですか?」
「トラックに轢かれそうな所を助けてもらった事と、全然知らない男子が告白してきて無理やり迫られそうになった時に助けてくれたんだぁ。超かっこよかった!」
「漫画みたいな恋してるじゃないですか!超羨ましいです。あとその無理やり迫った男子は殺します」
「いやぁ、その男子もういないし、大丈夫って訳よ。本当にかっこよかったなぁ。絶対付き合ってみせるって訳よ!」
「えっいないってどういうことですか?フレンダ?おーーい」
ゴゴォ!と青春に燃えているフレンダを視界に収めながら、高校生活を全力で生きられる人は本当に眩しいと、そんな事を思った。
私も、恋をしたら超変わるんですかね。
そうなら、超楽しそうです。
あっ、ちなみに無理やり迫った男子はどうも本当にこの学校から消えたそうです。
雑な勘ですけど、麦野もその男子のこと知っちゃったんでしょうね…。麦野ならきっと……いや、どうでもいいので超深く考えないでおきましょう。
✴︎
放課後。
部活動で忙しそうにする生徒たちを横目に、少し暑いからとクーラーの効いた図書室に避難する。
勉強をする訳ではない。かといって読みたい本がある訳ではない。
ただ、なんとなく。暇潰しができればと思って足を運んだだけ。
ガラリとドアを開けて入った図書室は予想通りクーラーが効いていて、涼しい風と本の匂いが満ちていた。
息を吸って冷たい空気が体に入ってくるのが気持ち良い。
どこか座れそうな席はないかなーっと全体を見渡せば、見知った顔、ではないが、数時間前に話題に上がった男がいた。
長机の端っこで教科書を片手に今にも吐きそうな顔で苦しそうに唸っているではないか。
「どうも先輩、超こんにちは。超元気してますかぁ?」
「………えっ、あ、いや、元気ではないかなぁ」
「ですよね。超そんな顔してました」
まぁ、初対面ですが話しかけますよね!
貴重な友人2人を惚れさせた男が気にならない訳ないですよね。私超気になります。
「ところで何を勉強しているんですか?」
「ん?とりあえず全部したいんだけど、今は数学、かなぁ。もうさっぱり分からない」
「へぇー。どれどれ、超見せてくださいよっと」
彼の隣の椅子を引き、座る。よし、超自然な動きで座ることができました。
そこで目にした教科書の内容は、あまりにも
「超簡単じゃないですか」
「え゛っ、まじ?」
「超まじです」
「あっ、ふーーーーーーん」
まるで頭と心臓に弾丸を撃たれた後に死体蹴りをされた後のような顔をする彼。
放っておくと勝手に死んでしまいそうな様子。
「えっと、じゃあテストの点数とかって超危険だったりするんですか?」
「多分後輩?に言うようなことでもないけど、かなり、危ない。期末テストの点数が赤点だと夏休みにも補修……泣きそうだよ」
「へー、じゃあ麦野は超頑張れ的なことは言ってましたか?」
「出来ないと四肢もいじゃうぞ的なことを言われたよ。彼女なら本当にやりかねないからなぁ」
あはは、と乾いた笑みを浮かべる先輩。
確かに、彼女ならやりそうです。実際、フレンダに対しても同じようなことを思いましたし。
そこで先輩はふと思い出したようにこちらを見遣る。
「そういえば凄い自然に僕と話してたけど、初対面、だよね?それに麦野さんとは親しいの?」
「あぁ、すみません。超申し遅れましたけど、私は絹旗最愛。麦野の幼馴染兼親友です。超よろしくです」
「僕が忘れてた訳じゃなくて本当に初対面なのね。良かった。僕は■■。一歳年上なだけで頭の悪い先輩だ。よろしく」
「どうもどうも。あ、突然ですけど、もし時間とプライドが許せるなら勉強教えますけど、どうです?」
「こっちからお願いしたいくらいだ。知り合って数分だけど、どうしようもない先輩を助けると思って是非に」
「超了解です。目指せ学年順位超上位!」
「あれ?超ストイック。もしかして僕頼む相手間違えた?」
何言ってるんですか間違えていないですよー。彼の肩に拳を当てながら茶化す。
彼の夏休みが潰れれば麦野もフレンダも困りますからね。彼女たちのために超頑張りましょうか!
〜2時間後〜
夕陽が図書室を照らし始め、図書室が閉まる時間が近付いてくる。
2時間、彼には出来る限り教え込みました。
まるで新品のスポンジが水を吸うように……とは勿論無理でした。
分かりやすく例えるなら、数年間使い古した傘が雨に濡れるとなかなか乾かないような。いや、超わかりにくいですね。
使い古したスポンジの方がいいかもしれない。
まぁ、そんなことは置いといて。
ともかく彼にはみっちりじっくりと教え込んだ。
全ての教科を短時間で効率的に。
結果的に今にも泡を吹きそうな勢いで白目を向いているが必要な犠牲ですよね。
「ほら起きてください先輩。図書委員さんが迷惑そうにこちらを見てますから」
「……あ、あぁ…ありが、とう」
「超どういたしまして。役に立てたなら良かったです」
「後で飲み物でも奢るよ」
「ありがとうございます。そこらへんで買いましょうか」
ゾンビのようなゆっくりとした動きで荷物を片付け、席を立つ。
放課後に教室で異性と勉強、青春ポイントなるものがあれば3ポイントほどゲットしているでしょうね。
そして図書室を後にし、廊下にある自動販売機。
「何が良いかな?エナジードリンクみたいな高いやつ以外でお願いしたいんだけど」
「そう、ですね。じゃあ、私はアイスココア。先輩は……先輩は、ホットいちごミルクおでんにしましょう」
「あれ?僕の分が決定してる…?」
「まぁ細かいことは気にせずに、超お願いします」
「よりによっていちごミルクおでん。しかも暑いのにホット…」
先輩は悲しそうな表情でボタンを押しアイスココアといちごミルクおでんを購入。
アイスココアを私に渡し、先輩はいちごミルクおでんのプルタブを開け口を付けて、試すようにちょびっとだけ飲んだ。
「……………」
瞬間、近くの机の上に缶を置き、彼は全力で洗面所に向けて走り出す。顔を真っ青に染めて。
「そんなにゲロマズなんですかね。あんなリアクションをされると超気になるんですけど…」
飲んでみたいなぁ、だなんて気になってしまった。新しく買っても良いが、あまりにも不味かった時に捨てるのが勿体ない。
ただし、口を付けると間接キスになてしまう。
「ほんのちょっぴり、口を付けずに飲めば問題ないですよね…誰も見ていないですし」
そして慎重に、口を付けないように気をつけつつゆっくりと缶を傾ける。
果たしてその味はーーーーー
「へーえ、絹旗。面白いことしてるじゃん」
「ぶふぅぅぅぅう!」
思わずいろんな意味で吹き出してしまった。一滴だけ口に入った味は想像を絶する味だった。いちごの味におでんの出汁。
それにわさびのような謎の辛さ。まさに食への冒涜。食への反逆。
って言ってる場合じゃないでしょう!?
「むむむむむ麦野!?超珍しいですねこんな時間に学校に残ってるなんて!」
「まぁ、ね。あいつに勉強教えてやろうと思ったら珍しい奴と一緒にいたからさ。何やってるんだろ、とちょっと見てたの」
「へ、へぇそうなんですね。ちなみにどこから…?」
どこから、見てましたか?そんな意味を込めての質問。
麦野は笑いもせず、怒りもせず、何を考えているか分からない表情をしていた。だからこそ分からない。
後生だから私が飲んだところだけ、そこだけを見ていて欲しい。
「………絹旗もあいつのことーーーー」
「あ、ごめんお待たせーーえぇぇ麦野さん!?どうしてここに!?」
何かを言おうとした矢先、帰ってきた先輩の声に遮られる。
雰囲気的に私の問いに対しての答えではなかった。
一体、何を?
「まぁ、いいわ。じゃ、気をつけて帰りなさいね。■■は絹旗を送るように」
「あっ、は、はい!命に変えても!」
「はいはい。じゃあね」
手を振りながら帰る麦野。
結局、いったいどこから見ていたんでしょう?そこだけが不安です。次会う時に体育館裏に呼ばれないと良いんですけど。
「それにしても、これ酷い味だった。食への冒涜だよこれ」
「あはは、そうですね。私も同じこと思いましーーーーあっ」
「同じこと?もしかして……飲んーーー」
「超飲んでないです」
「えっ、でも今僕と同じこと考えたって」
「超飲んでないです」
「そ、そう?まぁ、別に飲んでても良いんだけどね。絹旗さんさえ良ければ」
「そうですね。超帰りましょう。暗くなる前に」
えぇ、いち早く。彼が余計な事に気付く前に。
✴︎
夕暮れの道を2人で並んで下校する。同性の友人ではなく、異性と。
なんとなく私の灰色の青春に色がついた気がします。
「今日は本当に助かったよ。とても捗った」
「それは良かったです。勉強は継続することが超大事ですからね。今回は周りに比べて遅れている状況から一歩踏み出しだだけです。ここから走るか歩くか止まるかは先輩次第です」
「そうだね。恩を仇で返さないように、夏休みに補修をしないためにも頑張るよ」
「後者の方が本音っぽいですが気にしないです。またいつでも手伝いますので、超気軽に声かけてください」
「前者も本当だけどね。あ、流石に申し訳ないから本当に困った時だけ声を掛けさせてもらうよ」
「えぇ、そうしてください」
まぁ、家に帰ってもわりと暇なのでいつでも声をかけてくれても良いんですけどね。
映画鑑賞するにも学校帰りだと妙に面倒くさくなりますし。
適当な雑談をしていると時間の経過が早く感じるもので、気付けば家の近くまで着いていた。
いつもは長く感じる道のりだけど、結構近いんだなぁ、と。
「じゃ、私の家もう近くなので、ここまでで大丈夫です」
「わかった。じゃ、また今度」
「あっ、忘れてました。これ、私のメルアドです」
「ありがとう。じゃあ夜にでもメールさせてもらうよ。今度こそ、またね」
「えぇ、また」
手を振りながら来た道を引き返していく背中を見送る。
『また今度』
そう言える異性の人ができた。
それがなんだかくすぐったく感じるが悪い気はしない。むしろ心地良い。
「■■先輩、ですか…」
彼の名前を呟けば、鮮明に顔が思い浮かぶ。
笑った顔も、悩む顔も、白目を剥いて魂を吐き出すような顔も。
「あ、あれ?」
面白い先輩ができたなぁと思った時、自分の顔が熱を持っている事に気付いた。
自分の心臓の鼓動が早くなっている事にも気付いた。
あ、あれ?おかしいな。い、いやいやいや、そんな、まさか。
「私って、こんなにチョロかったんですかね?」
自問自答。答えは帰ってこない。
もしかして。もしかしてだが。
「これが一目惚れってやつ、なんですか?」
拝啓、麦野さん。フレンダ。
私、一肌脱ごうかと思ってましたが、どうも競争相手になってしまったようです。
反省も後悔もしないですけどね。
続か、ない?(恐らく)
主人公のセリフが多くなり、誰だこの爽やか主人公?となりますが気にしないでください。
内心はドMに変態なので。
ちなみにフレンダ編の続きも少しずつ考えれていますので、この勢いで書こうかとおもいます。
改めまして、長い間お待たせして申し訳ないですが、引き続きよろしくお願いします。
感想評価も、もし良ければお願いします。