第1話
「はぁっ…はぁっ…嘘、でしょ…?」
万に一つ、いや、億に一つの事が起こっていた。
廃墟を拠点にする犯罪者集団を壊滅しに侵入した狭霧友子。
相手はプロの犯罪者集団とはいえ、いわば武装した素人。
暗殺組織"ブラックラベル"最強と名高い友子の前では彼らの身体など紙切れに等しい。
現に今さっきまで紙切れの如く、男達を刻んでいった友子。
しかし、どういうわけか背後から不意をつかれてしがみつかれてしまい、得意の得物である刀を落としてしまう。
いつもの友子ならあり得ない事だった。
「クッ…離しなさい…!」
「グヘヘヘヘヘッ!!やなこった。離したら俺らが刻まれちまうからなァ」
「うひょ~っ!暴れる度にデカパイがぶるんぶるん揺れてるぜぇ~!」
如何にも柄の悪く、頭の悪そうな男達が友子を囲っている。
鮮血と臓物で彩られたグロテスクな空間。
死の香りが漂う空間、そこにエロスが入り込もうとしている。
友子は大柄なDQNに背後から抑え付けられ、身動きがとれない。
「あれぇ?さっきまでの華麗な動きはどこに行っちゃったのかなァ~?」
「ホラホラ、またさっきみたいにカッコ良い事言ってよぉ。"術式開始"とかってさぁ」
友子が動けないのを良い事におちょくり出すDQN共。
こんな下品で下劣な存在に不覚をとるなど、友子自身でも信じられなかった。
刀がなくてもこの程度の連中であれば徒手空拳で倒せるはずが、身動きがとれない。
「へへへっ、おねーさんおっぱいが暴れ回って大変な事になってますよぉ?俺が手伝ってあげますねっ」
見るからに軽薄そうな男が正面から友子に近付き、おもむろにその爆乳を揉みにかかる。
「ッ!」
「…うぼァッ!!??」
至福の時間は一瞬だった。
友子の全てを飲み込むような乳房に男の指が食い込んだかと思いきや、すぐに崩れ落ちる男。
自由になっている友子の脚が男の硬くなりかけていた股間を蹴り上げたのだ。
「オイ!脚抑えろ!」
「へいへい…」
率先して出てきた二人の男はいかにもいやらしい笑みを浮かべながら友子の脚へとへばり付いてくる。
「長くてキレイな脚だなぁ…」
「たまんねーよぉ…こんなエロい脚見た事も触った事もねえ!」
興奮しながら友子の脚に頬摺りしたり撫で回したりしてくる男達。
「や、やめなさい!貴方達!気持ち悪い…」
嫌悪感を露わにする友子に、男達がゴクリと生唾を呑む音が聞こえた。
スーパーモデルのようなスタイルの良さ、美貌。
はち切れんばかりの爆乳に男達の視線は吸い込まれる。
そして、その美しい身体の持ち主が賢くて強くて、自分達に刃を向ける暗殺組織の女だとしたら…
既に男達の股間は限界まで大きくなってしまっていた。
「オイ…ヤっちまおーぜ!!」
「まわそーぜえ!!」
「うひゃひゃっ!」
下品な雄叫びを上げながら友子へ迫ってくる男達。
何人も斬り伏せたので数は少なくなっているが、それでも10人近くはいる。
「ちょっ、ちょっと!離しなさい!!このっ…」
「おぅおぅ、この女力強ええぜ!」
「ハハハッ!よっぽど俺らに犯されるのが嫌なんだなぁ…そんなに必死に抵抗されちゃうと逆に燃えちまうぜ」
(お、犯される…?私が、こんな奴等に…?)
ゾッとした様子を隠せず、顔を青くする友子。
名の通った古武術である"狭霧流"の家に生まれ、自身も幼少より訓練を積んでいた。
そして、最強の"アンプルゼロ"として活動する日々。
狭霧流を会得した彼女にほぼ敵はいなかった。
それがどうだ。
今は無惨にも四肢を抑え付けられ、見るも下劣で下品な男達にその身体に好きにされている。
友子が幼い頃から流してきた汗の一滴も知らないような、DQN共に欲望のままにされようとしている。
「ハァハァ…ねえ、おねーさぁん。お名前なんて言うのぉ?」
友子の胸を揉みしだきながら男が問いかける。
「…貴方達に教える名前なんて無いわ。いいから離しなさい。殺すわよ?」
怜悧に答えた友子に、きょとんとした表情で顔を突き合わせる男達。
次の瞬間、辺りは下品な爆笑で包まれた。
「おほぉ~!怖えええっ!!」
「『殺す』だってよ。ゲハハハハハッ!!今のその状態でどうやって殺すんだよぉ!?」
依然として友子をおちょくるDQN共。
普段なら造作もなく殺せる相手におちょくられるのがこうまで悔しいものだとは。
友子は痛いほど実感していた。
負けた事がないので挑発される不快感を分かっていなかったのだ。
「おっぱいロケットってか!?そのデカパイ飛ばして俺達を殺すってかぁ!?」
「バーカ。それを言うならロケットおっぱいだろ!」
「母乳ミサイルとか出すんじゃね!?」
「「「ダハハハハハハハッ!!!」」」
『IQが20違うと会話が成立しない』などという俗説があるが、今の友子にはそれを信じざるをえなかった。
日頃は医師として働く友子からして、男達の喋る事は自分が喋っているのと同じ言語だとはとても思えなかった。
目の前にいる連中は、猿か何か、いや猿以下の何かにしか見えない。
「馬鹿じゃないの?今時、小学生でもそんな事言わないわよ?」
「あ?」
ハァ…と、わざとらしくため息をつきながら、言い放つ友子。
その言葉に眉間に皺を寄せて友子を睨みつけるも、自分達が圧倒的優位にある事を再確認してか、「なんかほざいてるぜ?」などと言いながら嘲笑にかき消される。
そして、そんな下等な連中に身体を好きにされる屈辱。
「おっぱいモミモミ…たまんねえぜ」
「オイ!そろそろ代われよ!お前だけおっぱい揉みまくっててずりいだろうがよ!」
友子の爆乳を前にして醜い争いを始める男達。
男達の頭が悪い面が見えてくればくるほど、友子の精神にはダメージが掛かる。
(こんな馬鹿共相手に何もできないなんて…!)
必死に抵抗するが、馬鹿な男達が言う通り乳が揺れるだけ。
逆に相手を悦ばせてしまう。
「ハァハァ…イイ女だぜぇ、本当にイイ女だぜぇ!!」
ヨダレをボタボタ垂らしながら胸を揉みしだく男。
どうやら彼は下等な争いには勝利できたらしい。
「…ねえ?痛いだけだからやめてくれない?そんなヘタクソな手つきで胸触られても指の跡が付くだけだから…」
「おぉ~!言われてんぞぉ、このヘタクソぉ!」
パンパン!と手を叩いて、仲間を茶化す男達。
「うるせえ!俺が気持ち良きゃそれで良いんだよ!分かったかこのクソビッチ!!」
「…ッ」
実際、遮二無二揉んでくる男達の揉み手は気持ち良くなどなく、痛いだけだった。
だが、友子が懸念しているのはその痛さで思わず変な声が出てしまわないか、という事。
武術の達人とはいえ、身体の中でも神経の集中している乳房をこねくり回されれば痛みは感じる。
奥歯を噛み締めて、声が漏れぬよう耐える友子。
「ハァハァ…エロい脚しやがって…ハァハァ…」
「!?」
耳元で熱っぽく息を吐きかけてくる男。
何やら妙な動きをしているなと見てみれば、友子の脚を抑えながら、その脚に自身の股間を擦り付けている。
(な、何…?何をしているの?)
友子にはその盛った犬のような腰の動きが理解できなかった。
28歳、表では医師、裏では"アンプルゼロ"。
その美貌を持て余している、と言うのが適当か、友子にはあまり性経験がなかった。
当然処女ではないが、日々激務に追われる中で、色恋などにうつつを抜かす時間は無かったのだ。
故にこういったマニアックな男の嗜好については理解が無い。
「ハァハァ…たまんねえよお、この脚…このピチピチの素材もイイぜ…最高に股間にクる…ぅ」
脚を両手で自分の股へ押し付けながら、腰を上下させる男。
175cm、頭身は9頭身近くあるかもしれない。
そんなスーパーモデル並のスタイルを誇る友子の脚に今、とてつもなく下劣で下品でマニアックで気色悪い事をしている。
その自覚が余計、男の興奮を煽る。
まるで、世界的に有名で雅で美しい陶芸品に糞尿をぶつけるような…そんな陰湿でグロテスクな破壊衝動。
「デカくてたまんねえ乳だぁ…吸いてぇ~!」
「ねえ、だから名前なんて言うの?教えてよぉ…名前が嫌だったら3サイズで良いからさ」
「ハァハァ…引き締まったこの脚、たまんねえ~」
まとわりついてくる自身への欲望の呪詛。
頭の悪さが滲み出ており、友子は耳を塞ぎたいが塞げない。
彼女の精神はもう傷付いていた。
いくら"アンプルゼロ"の暗殺者とはいえ、その強さが無ければ一人の女性。
剥き出しの劣情をこうもぶつけられていては心が折れていてもおかしくない。
しかし、諦める訳にはいかない。
「くぅぅ…っ!」
なんとか男達の拘束から逃れようと、身体を軋ませる友子。
「うおおっ…!まだ抵抗してるぜぇ、この女…」
「ハァハァ…マジたまんねえな…俺らに触られるのが嫌で嫌でしょうがねえって顔してやがる」
「気に入っちまったぜ…おい、"アレ"やってみねえか?」
"アレ"というワードに一同が一瞬動きを止める。
「"アレ"って…でも今は敵が攻めて来…」
「別にいいだろぉ?敵がどうとか俺らにはカンケーねえ!」
言い放つ一人の男に、周囲の男共は賛同の意を示すようにいやらしい笑みを浮かべる。
「…へへへ、そうと決まったら車出さなきゃなぁ…オイ!」
「へいっ」
指示を受けた男が一番大きな車のもとへ走る。
「でも"アレ"ってよお…良いけど、ちっと勿体なくねーか?」
DQNの一人がズボンの上から勃起した股間を抑えながら言う。
「別にヤんのは"アレ"の後で良いだろ?なぁ、俺は見てえよ…"アレ"をされちまうこの女の姿を…!」
その光景を頭に思い浮かべて、舌なめずりをしながら友子の方を見る別の男。
凜々しくも険を帯びたその表情の裏では、無数の疑問符が発生していた。
("アレ"…?何をする気なの?車を出すって事はどこかに私を連れ出す気かしら)
「…それに、金にもなるしなぁ」
不信感に眉根を顰める友子。
いくら考えても推察さえ思い浮かばない。
なぜなら友子と男達とではIQが20以上も違うから。
考える次元が低い者は当然高い者の考えを理解できないものだが、高い者もまた低い者の考えを解せないのであった。
ウオォォォン…
エンジン音を地下駐車場に響かせて、黒いハイエースが姿を現わす。
気になったのはその後ろからもう一台軽トラが付いてきている事だった。
「その前によお、こいつ抵抗できないようにさせちまおーぜ?」
「そだな。コイツで…オラッ」
「!?」
首筋にチクリと刺激を感じて、一瞬体を緊張させる友子。
注射器で何か薬物を投与されたのだろう。
「…何?何を打ったの?」
「へへへっ!流石のお医者サマも気になっちまったか!」
中身の無くなった注射器を地面に投げ捨てる男。
もし打たれたのが麻薬などその類いの物であれば早急に対応しないと不味い。
「なーに、別にヤバい薬とかじゃねーよ。ちょっとばかし動けなくなるぜえ?」
内心、ほっと息をつく友子。
おそらく弛緩剤の類いだろう。
徐々に体に力が入らなくなっているのが分かる。
だが、自分を抵抗できなくさせて、一体何をするつもりだろうか?
得体の知れない仕打ちを前に、ただただ友子はキッと鋭い表情を保ちつつ身構えるしかなかった。
「乗れ」
「ぅぐ…っ」
どんっと後ろから尻を蹴られてハイエースに詰め込まれる友子。
まるで物のような乱雑な扱いに、友子は首だけで後ろを振り返り、蹴った男を睨みつける。
『こちら光姫。友子、聞こえる?』
「んあ゛っ?」
「!?」
突如、イヤーカフから漏れ出た音声。
不意をつかれる男達と友子。
それは同じミッションに臨む剣光姫から自分への通信であった。
「…なんだそれ?オイ、捨てとけ」
「あぁ」
友子の耳からイヤーカフをふんだくって、車窓から捨てる男。
(不味い…)
少し表情の険しくなる友子。
不味い理由は二つ。
一つは仲間に自分の位置をしらしめる手段が無くなってしまった事。
イヤーカフにはGPSが付いていて、仲間であればそれを身に着けている者の位置が分かる。
だから、男達がそれに気付かず、イヤーカフを外さなければ仲間が助けに来ていたはずなのだ。
そして、もう一つは…
「うへへへへっ…!」
先程、しつこく名前を聞いてきた男が馴れ馴れしく友子の肩に腕を掛ける。
「聞いたぜぇ…"ゆうこ"ちゃんっ」
「へっへっへっへっへっへ…」
他の男達も友子の名前が分かり、満足そうな笑みを漏らす。
名前が知られたからどうという事はない。
どうという事はないが、この下劣な連中に個人情報が漏れたという事が気持ち悪くてしょうがないのだ。
しかも、自分の名前。
どこに行くのか分からないこの車の中で、ずっと自分の名前で呼ばれ続けるのかと思うと気が遠くなる。
「これからもよろしくなぁ~?ゆうこちゃ~んっ」
「ゆうこちゃん今度は歳教えてよ?何歳?」
何とも無さそうに振る舞う友子。
だが、言葉と行為で傷つけられた上、どこに行くのか分からない不安感で、彼女の自尊心は今にもはち切れそうになってしまっていた。
深夜1時。
静寂と暗闇が辺りを支配する真夜中に、車が止まる音が低く響く。
ここは都心でも有名な公園。
終電が過ぎたこの時間にもなれば、闇の中で蠢くのは若いカップル…ではなく、ぼろきれに身を包んだ浮浪者達。
だだっぴろい空間にぽつぽつと自動販売機や街灯の光が灯されている。
「降りろ」
「んんっ!」
乱暴に車から体を蹴られて地べたに転がされる友子。
手足を縛られているせいで受け身さえ取れない。
体を地面に打ち付けて、鈍い痛みが脇腹に走る。
しかし、暗闇の中でも蹴った男をキッと鋭く睨み上げる。
「おほっ!いいねえ、まだ全然心折れてねえぜ」
「当たり前だろ?あんなに強かったんだぜ。そうそう心も折れねえよ」
「ゲヘヘッ!でもこれからその強気な態度がどう捻じ曲がっていくのか、楽しみでしょうがねえ…」
友子が抵抗できないのを良い事に、好き放題言い出す男達。
こんな連中、普段であれば造作もなく殺せるのに…
なぜこんな雑魚共相手に不覚をとってしまったのか自分でも分からない。
分からないが、ただただ屈辱だ。
気持ちに収拾がつかないまま、友子は男達に起こされ、どこかへ連れていかれる。
男達は自分を連れて、ある一つの光に向かっているのが分かった。
闇夜に浮かぶ一点の光。
それは自動販売機でも街灯でもない。
近づいてくるとそれが何であるかはっきりと分かる。
公衆便所だった。
不確定多数の人間が日常的に使い、そのくせ手入れは行き届いていない、いわば汚さの象徴。
薄汚れたタイル張りの壁面は、所々タイルが剥がれて黒ずんでいる。
便所の中に足を踏み入れると、ゴキブリやムカデといった蟲がさぁーっと逃げていくのが見えた。
汚臭とも言うべきアンモニア臭が立ち込めるその空間に連れて来られた友子は、まず縛り上げられた手首を鎖のような物でつながれる。
(何…何をする気なの…?)
久しく感じていなかった感情。
その感情の名前さえも忘れてしまったくらい縁遠かった感情。
恐怖。
不安。
ぞわりと背筋を駆け上がる恐怖や不安に、友子は身を硬くしてしまう。
一体、目の前の男達は私をこんな場所に連れてきて、一体何をするつもりなのか。
全く掴めない。
10人近い男達が便所の中でがさがさと作業をし始めるその光景は明らかに異様だ。
何人かはビデオカメラを狭い個室の四方に仕掛けている。
それもどこか、手慣れたような要領の良さで。
…一体、何をするつもりなの?
それを口に出してしまえば終わりだ。
怯えているという事を相手に見せてしまえばますます調子に乗らせてしまう。
キュッと引き結んだ表情のまま、無言で男達が作業する様を見据える友子。
しかしそんな態度さえも男達の策中にあるという事に友子は気付いていなかった。
「…よし、終わったな」
仕掛けられたビデオカメラは10個。
様々なアングルから個室の中央、つまり薄汚れた便器を映すように、カメラのレンズは睨みをきかせている。
その喜色ばんだ笑顔を見れば、男達が限りなくよからぬ事が考えているのは分かる。
だが、普段医師として多くの人達の命を救っている友子には、犯罪に手を染める彼らの考える事など理解できる訳がない。
予測できないどす黒いその欲望がすぐ眼前まで迫っている事に、内心身震いする。
「オラ、入れや」
「…っ!」
どかっと後ろから蹴られ、個室の中に入れられる友子。
バランスを崩し、便器に叩き付けられるような恰好でもたれかかると、男達がその四肢を掴んでくる。
細い両腕を洗浄用のレバーハンドルの付いたオーバーフロー管やバルブの後ろに回し、手錠で拘束。
閉じた便器の上で友子の身体を抑えつけると、狭い個室の中でははみ出てしまいそうな長い脚を潰れたカエルのようなポーズで広げさせる。
「やっ…!」
恥ずかしさに友子の頬が少し赤くなる。
服を着ているとはいえ、脚をおっぴろげて股間を露わにするような体勢。
そしてそのまま男達は両足首に手錠をかけ、横に付いている手すりにガチャリとかける。
四肢を拘束された友子は、便器の上で股を広げたまま動けない。
「じゃあね友子ちゃ~ん。いっぱい楽しんでいってね」
友子の方へいやらしい笑みを向けながらそそくさと立ち去る男達。
去り際に名残惜しそうに友子に近づいては、動けない彼女の股間に自らの下半身を押し当て擬似的なセックスをするように腰を小刻みに振った者もいたが、結局去っていった。
(私には直接何もしないの…?)
「あ、そうだ。これ忘れ物」
一人の男が戻ってきて名札のような物を個室の前に置く。
『ゆうこちゃんで~すっ♡』
キャバ嬢の名刺のような名札。
まるで誰か他人に見せるための物のようだ。
…何となく、男達が自分にしようとしている事が分かってしまったような気がする。
単純な考えであれば、もう自分を拘束した時点で全員で楽しめば良いのだ。
それをしないという事は、言い換えればそれ以上の旨味が彼らにあるという事は…輪姦される以上の苦しみがこの先にあるという事だ。
男達が去った。
そのまま公衆便所に放置される友子。
内心恐怖で張り詰めた心ははち切れそうだった。
簡素な作りの便所をごうごうと鳴らす夜の風。
友子の心身を冷やし、気まぐれな一吹きが悪いしらせを乗せてくる。
ジャッ、ジャッ…
砂を蹴る音、こちらへ向かってくる音。
「…!」
誰かが来たのだ。
公衆便所のここは男子便所。
という事は来るのは男だ。
しかもこの夜中、公園の公衆便所に来る者などどういう人種だろう。
ここは普通の公園と違い、イベントなんかもやるような大きな公園だ。
たまたま夜まで遊んでて便所を借りに来た若者…?夜回りしている警察官、警備員…?
そういえばここは浮浪者が沢山住んでいる事で有名な公園であった。
なんでも日本一浮浪者の多い公園とか雑誌か何かで見たような気が…?
「…おっ」
友子の前に現れた男。
歳は60代前半くらい。
土色の肌、黄ばんだランニングシャツに短パン、ボロボロのサンダルに禿げ上がった頭頂部、無駄に伸びた横と後ろの髪。
無精ひげが生え、如何にも不健康そうに見えるのに何故か腹だけはだらしなく出ている。
一目で浮浪者だと分かるほどの汚らしい見た目だ。
「…おおっ?」
男の方も目の前の状況に理解が及ばないのか、友子の前で立ち止まったまま目をぱちくりとさせる。
用を足しに来たら、目の前に拘束された若い女が。
助けて、なんて言えない。
かといって、黙って男が通報してくれるような良識的な人間には見えない。
どうしたら良いものか。
友子がこれと言って良い打開策を見出せないまま、男が事態を把握するのに必要な時間が流れる。
「へへっ…どうしたんだよお姉ちゃん…」
拘束された友子の肢体を一度ぞろりと舐め上げるように見回す浮浪者。
その表情は悪だくみを思いついた子供のように見えた。
ニタァっと歯の欠け落ちた口元を見せると、上下の唇にねばついた唾液がアーチを紡ぐ。
「こんな所でそんなカッコしてたら風邪引くぞぉ?」
「…拘束されて動けないの…。お願いだから解いてくれない?」
ガチャガチャと拘束具を鳴らしながら友子が訴える。
媚びるような態度ではなく、あくまで凛とした雰囲気を保ちながら。
「解いてくれたらお礼は出すわ…幾らが良い?貴方の要望を聞くわ」
「…」
お金で問題を解決するのは、勿論友子は好きではない。
だがこの際しょうがない。
それが彼女の編み出した最善策。
その言葉に男もしばらく考えるような素振りを見せた。
ジャリジャリとサンダルにへばり付いた砂が便所の床に擦れる音だけがしばらく響く。
「『幾らが良い?』ねえ…」
友子の言葉に不気味な笑みを浮かべたまま、明確な答えを返さない男。
「お姉ちゃん金持ちなんだなあ?」
「ッ…!」
その言葉がどういう意図を含んでいるものなのかは分からない。
だが、下手に出たのが裏目に出たかもしれない、そんな気はしていた。
「良いよなあ…お姉ちゃんみたいな金持ちは…」
遠い目をして語り始める男。
「俺はよお、高校出てすぐに就職したんだけどよお…仕事の要領が悪かったせいかすぐにクビになってな?」
「…やっ!?」
あまりの気持ち悪い感触に思わず声を上げてしまう友子。
男の脂ぎった手が友子の胸を揉んできたのだ。
「地元の工場だったんだけど1年足らずでクビになってよ…その後も食いつなぐために色んな職に就いたさ…」
両手でぶるぶると揺らすように友子の乳を弄ぶ。
規格外のその乳に、男の手は震え、鼻息も一段と荒くなっていく。
「でも定職にはありつけなかった…そんなこんなで64まで生きてきてよお」
独り言のようにブツブツと言いながら友子の身体を、主に乳を弄ぶ男。
ただでさえ汚らしい外見の男に身体を好き放題されて不快だというのに、その男の中身までダメなエピソードを聞かされながら身体を弄ばれるという。
結局この男は自らの努力不足で、今の状況を生み出しているのではないか。
生まれつきハンディキャップがあって、どうしても不自由な生活を強いられてしまう人達がいる事は知っている。
それは仕方のない事である。
だが、目の前にいる男は五体満足でありながら、自堕落な生活を送る。
そんな男に身体を好きに弄ばれる事。
屈辱で屈辱でしょうがない。
友子の心には怒りと不安が相反し合う。
「結婚もしたかったんだ…こんな俺でも好きな女の一人や二人できる…職場の上司に炊き出しで来てくれる女、いつも同じ電車に乗る娘…」
寂しげな口調で結婚願望を垂れ流し始める男。
職場の上司はともかく、炊き出しに来る女性、通勤でたまたま一緒になった女性、それらは果たして"結婚を考慮した恋愛対象"にあたるだろうか?
男の離すエピソードの詳細は分からないがその辺り、そして聞いてもいないのに自分の半生を語りだす辺り、常人とは違うズレを感じる。
そもそもこんな汚らしく醜い男と結婚したいと言う女性など存在しないだろう。
「結婚なんてできる訳ないでしょ?貴方、自分の姿を鏡で見た事があるのかしら?」
「あ゛ぁ?」
挑発的な言動に、浮浪者は黄ばんだ瞳をひん剥き友子を一瞬睨みつける。
その言葉に拳をわなわなと震わせる浮浪者。
自分の娘…いや、孫に近いような年齢の女性から侮蔑的な発言をされればすり減った自尊心も刺激されよう。
ハァハァ…と荒くなった吐息が乳房を撫ぜる。
そのドブに湧いたガスを想わせる生温かさ臭さに身震いしてしまう友子。
「だから姉ちゃんみたいな金持ちが羨ましんだよぉ…金もあって、キレイで、よぉ…」
しかし憤った様子を見せたのも一瞬。
何も無かったかのように、自分語りを続ける浮浪者。
ヨダレが大量に口元を伝って、床へべちょべちょと滴る。
男の言う通り、自分とこの男とでは決定的な差がある。
若く、賢く、強く、羨望の的になる医師という職業、かたや汚い見た目のホームレス。
普通に生きていれば相容れなかったはずの二人が、今交わり合おうとしていた。
「でもそんな金持ちでキレイな姉ちゃんがなんで俺の元にいきなりやってきたんだろうな?…いや、やっぱりおてんとさんは見てるんだなぁ」
天を仰いで、意味不明な事を口走り出す男。
ふと足元を見ると、男のズボンの一部分が異常なほど盛り上がっているのが見えてしまった。
「人生64年、ずっと悪い事ばっかりで終わる訳がないんだよなぁ…俺はそう祈り続けてきたぜ?空から俺のお嫁さんが降ってこねえかなって」
「まさか…」
空から、俺のお嫁さん。
そんなものは絶対に降ってくる訳がない。
いや、たとえ降ったとしてもこんな汚らしい歳の離れた浮浪者の嫁になる訳にはいかないのだ。
「ウゲヒヒイ!!たまんねー乳してんべ!!」
いきなり下品極まりない蛮声を上げる男。
拘束された友子の身体にのし掛かるようにしてその爆乳を堪能する。
手に余るほどの乳房を揉みしだき、友子の頬をペロペロと舐め上げる。
「…や、やめなさい!その汚らしい手で触らないで!」
「んん~?聞こえねーなぁ~」
わざとらしく耳に手を当て、聞こえないアピールをする浮浪者。
普段の彼女であれば、もうこの男の首と胴はつながっていないだろう。
そう思うほど、友子は苛立っていた。
臭い息が吐き掛かるほど顔を近付けられているのに、声が聞こえない訳がないのだ。
背の高い友子に対して、つま先立ちになりながらも覆い被さる男。
正面に向かって開脚した友子の乳を揉もうとすれば、おのずと股間同士が当たってしまう。
ムクムクと膨らむ股間が服越しに彼女の膣に当たった。
「調子に乗らないで…後で殺すわよ?」
「うっほ、怖えぇ~!」
男は当然、彼女が暗殺組織最強の剣士などとは知らない。
知っていたらそんな軽口は到底叩けないであろう。
キッと睨み付ける友子を煽りまくる。
「ぐへへっ、お願いだの殺すだのよく分かんねー姉ちゃんだなぁ!」
左右の乳を寄せ上げるようにグニグニと揉みまくる。
便器の上に乗っかった友子の肢体に覆い被さる浮浪者。
短い脚は既に宙に浮き、彼女の体の上でぴくぴくと蠢く。
「そんなナマイキな口は塞いじゃうぞお~?」
「や、やめなさいっ!」
ギシギシとよりいっそう鉄の手錠がうるさくなる。
二人の体重もあり、古びた便器がぎしぎしと軋む。
臭い唇を近付けてきた男に対して、首を捩って離れようとする友子。
その苦悶の表情にはいつもの余裕は欠片も無かった。
「んん~…ブチューしようやあ、ゆうこちゃぁん」
「嫌に決まってるでしょ…っ、貴方みたいな臭い男と…」
執拗にキスを迫る男。
友子の瑞々しい唇に生臭い吐息を吐きかけながら迫る。
男はもはや夢の中にいるような気分だった。
夢でも見ないような美女が目の前で縛られて、『好きにして下さい』と言っているような体勢で現れて。
どんなエロ本よりも、どんなAVよりも、どんな風俗よりも、そしてどんな妄想よりも、刺激的で理想的だった。
だから『臭い』だの『汚い』だのそういった月並みな罵詈雑言は彼の耳には入ってきていなかった。
「誓いのキスを…ぶちゅううううううぅ」
友子が抵抗して体を揺らす度に、爆乳が男の掌の中でぶるんぶるんと揺れて暴れる。
まるで、ぶら下げられた水風船のように。
「ハァハァ…ゆうこちゃん、おぢさんと結婚しよ…?」
意味不明な事を囁きかけてくる男。
既に理性のタガは外れていた。
もはや言いたい事やりたい事ありとあらゆる欲求を吐き出すだけのただの性欲モンスター。
彼のプロポーズは即刻棄却される。
「だから、誰が貴方なんかと…気持ち悪いから早くその口を閉じてくれる?」
凜然とした口調で言い放つ友子。
その気丈な態度が男の欲望に火をつけているとは知らずに。
「ぶふっ!フラれちゃったぁ~、おぢさんフラれちゃったぁ~!!」
どこか嬉しそうに、子供のように囃し立てる男。
いよいよ友子の小さな顔を掴み上げると、顔を一気に接近させる。
「おぢさんも口閉じるけどゆうこちゃんもその口閉じてね?んちゅうううう…」
「ひっ…!やっ…」
あまりの気持ち悪さに、思わず弱々しい声を出してしまう友子。
友子も剣を離し、身動きのとれない状況に追い詰められれば、ただの一人の女。
向けられた肉欲に対しては雌でいる事を強いられる。
ブチュッ…チュムウウウッ!!
「…!!?」
友子の瑞々しい唇と浮浪者のぶよぶよの唇とが重なり合った瞬間、友子のそれが一気に吸い上げられてしまう。
汚濁のようなムワッとした臭い唾液が友子の口の中に拡がって、やがてそれは彼女に吐き気を呼び起こす。
(嫌っ、嫌ぁあああっ!)
心の中で悲鳴を上げる友子。
頭を抱えられて、がっちりと固定されたまま唇を貪り尽くされる。
ブチュチュッ…チュバッ…レロブチュッ…!
わざと汚らしい音を立てて接吻する男。
唇だけでなく、友子の聴覚をも犯す。
ブチュッ…ン゛ブチュッ…!ブチュ、ブチュチュッ!!!
「んぶ…ッ、んん゛―――――――――――ッ!!!」
目を見開き、苦しげなうめき声を発する友子。
(臭っさ!!!)
ガチャガチャと手錠が鳴らす金属音が、その悲哀な雰囲気を際立たせる。
浮浪者はそんな友子の嫌々ともがく様子さえも愉しみながら、キスを堪能する。
「はぁっ…はぁっ…」
お互いの唇が離れて、唾液のアーチが糸を紡ぐ。
興奮の余り息苦しそうにする男。
鼻で息するのに慣れていなかったせいか、一旦唇を離して大きく口で呼吸をする。
「ゲホゴホッ、ガホッ…!」
勿論、息苦しいのは友子も同じであったが。
「う゛ッ!?!う゛え゛ェ゛――――――――――――ッッッ!!!!!!オ゛エ゛―――――――――――ッッッ!!!!!!」
急に咳き込んだかと思えば、全身を緊張させて嘔吐してしまう友子。
便器の上で身体をくの字に折り曲げ、横向きに大量の吐瀉物を吐き出す。
男のキスがあまりにも気持ち悪すぎたのだ。
「あれぇ~?ゆうこちゃん吐いちゃったのお?」
友子の生々しい反応に悲しそうな顔をする男。
口であれこれ言われるより遥かに衝撃的なリアクションだ。
生理的な拒絶反応だからだ。
「ウヒッ!だいじょぶぅ?」
しかし、男は落胆した様子を見せない。
むしろ、友子に嘔吐させるだけの不快感を感じさせた事に悦びさえ感じているようであった。
「ウッ…ゲホッ、うぅ」
自分という卑小過ぎる存在が目の前の美女にそれだけの衝撃を与えた。
普通に生活していれば交わるはずのないような格の違う人間に己の欲望をぶつけて、嘔吐させるだけの感情を抱かせた。
それだけでもう男は嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。
まるで自分という存在が、狭霧友子といういわば高嶺の花でしかない人間の心に一生残る傷を残した。
それは降り積もる新雪に足跡を残して喜ぶ子供のように無邪気で、そして稚拙で、残酷であった。
「かわいそうにぃ、吐いちゃってぇ…俺のチューそんなに気持ち悪かった?」
「…当たり前でしょ」
ボソッと呟くように、刺さるような言葉を吐く友子。
唇から吐瀉物が垂れるのが本人は嫌らしく、何度も横を向いては「ぺっ!」と唾液と一緒に吐瀉物を吐き捨てる。
「でもね、でもね、ゆうこちゃんが悪いんだよ?…ゆうこちゃんが美人過ぎるから…」
興奮を抑えられないように、肩で息をしながら友子の衣服を掴む。
戦闘する事を考慮して、動きやすいように全身にピッチリとフィットしたコスチューム。
はだけた胸元を掴むと、目一杯引き千切る。
ビリビリビリーッ!
「なッ、何を!?」
いきなり衣服を破かれて驚きを隠せない友子。
白くすべすべの肌が露わになってゆく。
「だからぁ、ゆうこちゃんが悪いんだべ?エロ過ぎんからよぉ」
涎まみれの唇を舌でベロリと舐め回すと、男も服を脱ぎ出す。
露わになったのは毛むくじゃらでぶよぶよの肥えた腹。
脂汗ででらりとした様子は、友子の玉のような肌とは正反対だ。
「今夜は冷えるからね…あっためてあげるからよお」
男は友子の下半身に手をかけた。
「ひっ…!?嫌ぁっ!!!」
大きな声を上げ、なんとか逃れようと暴れる友子。
だが、彼女の自由を奪う手錠はぎしぎしと哀しく軋むだけで、とても壊れるような様子を見せない。
下着ごと下半身を包む服を引き裂くと、彼女のあまり使われていない綺麗な女性器が露わになる。
「うほッッ!!」
宝物を見つけた冒険家のように目を丸くしながら、むしゃぶりつくように友子の体にしがみつく。
「やめなさい…!本当に、殺すわよ…!?」
「そげな可愛い顔で凄まれてもちっとも怖くないべ!ゆうこぉ…ひとつになろうやぁ…」
浮浪者が下半身を剥き出しにする。
包皮がめくれ上がった裏には緑色の変色したチ〇カスがびっしりこびりついており、形もふしくれだった異様な形状に見えた。
「おなごとオメコすんのは久しぶりだべぇ~っ」
その言葉の意味を俄かに信じられない友子。
目の前にいる、こんな…家も持たない臭くて汚くてゴキブリ以下の浮浪者と自分がセックスをさせられるなど。
ありえない。
昨日まで当然ながら全くそんな事は考えていなかった。
これは悪夢なんじゃないか?未だにそう思う。
だが、乾いた膣に"何か"が侵入ってくる感触は確かで…?
ヌププププッ…
「オ゛ッ!?」
「嫌ぁああああああああああっっっ!!!」
公衆便所内に響き渡る儚くも美しい悲鳴が、浮浪者の欲望をより煽ってしまう。
温かい膣の感覚に気持ちよさそうな呻き声を上げながら、腰を埋めていく浮浪者。
ズプププッ…グチュウウウウウウウウッッッ❤
「あっ―――――――――――」
かっと目を見開いた友子。
その瞳には絶望と恐怖と、浮浪者の満面の笑顔が見えていた。
「んほぉぉぉぉ――――――――――――――っっっ!!!!」
奥まで突き入れたまま、微動だにしない浮浪者。
背筋を反り返らせ、極上の美女と"ひとつ"になれた快楽に打ちひしがれているようだった。
「気持ちいいべ!!!ま、まるで天国にいるみたいじゃあッ!!!!」
唾液を撒き散らしながら叫ぶ浮浪者。
それが友子の顔に飛び散る。
友子には快楽など全くなく、異物を身体に入れられているという不快感しかない。
しかもその異物が、臭くて汚くて醜い浮浪者の男性器だと思うと―――
「離しなさい…ッ、このぉ…っ!」
「おほっ。まだ抵抗するか。このじゃじゃ馬がっ」
犯されてもなおも抗おうとする友子の気丈さに、つい舌を巻く浮浪者。
だがそんな事構わずに遮二無二腰を振りたくる。
不慣れなぎくしゃくした動きで。
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「あ゛ぁ゛ッ!!うあ゛あっ!!!」
肉と肉とがぶつかり合う弾けるような音と、艶っぽい女性の声とが公園中にこだまする。
「姉ちゃんのキツキツオメコ最高やぁ!たまらんわいっ」
鍛え上げられた肢体が図らずも浮浪者の性器を締め付け、無上の快楽を与えてしまう。
浮浪者の性器の張ったエラが友子の膣肉を引っこ抜くようにして、何度も何度も往復する。
その気持ち悪さに、より膣を締め付けてしまう友子。
「お゛ほぉォッ!!!もうガマンできんッ!出すぞっ!!!たんまりと、姉ちゃんの中に…っ!!!」
「は…?何、を…っ!?」
ぞくりと、全身に悪寒が走る。
挿入してから1分足らず。
年甲斐もなく浮浪者は友子の中で果てようとしていた。
腰の動きがだんだんと遅くなっていき、最奥まで友子の中を穿つような動きに、この上なく嫌な予感を感じた。
「な、中…って、貴方何を言っているの…!?」
意味が理解できない訳ではなかった。
だが、理解したくはなかった。
浮浪者が今にも自らの中に種を放とうとしている事を。
「ふおぉ…っ」
ぶるぶると全身を震わせ、額には脂汗が滲む。
(まずい―――)
医師である友子にはそのまずさがよく解っていた。
中に出されれば、妊娠する危険性が生まれる事。
それは一般常識として、その後の事も。
相手が高齢男性ともなれば、もし妊娠した場合―――奇形率が非常に高くなる事。
「う゛ッ!!」
そこまで考えて、友子は再び吐き気に襲われた。
この男の子供を産む事などあってはならない事なのに。
そもそも妊娠するという事が気持ち悪くてしょうがない。
好きでもない、倍以上も歳の離れた男の子を妊娠するなど。
あってはならない、事なのに…
「ふおおおおおおっっっ!!!!イぐ―――――――――――――ッ!!!!」
小さな体で友子の肢体にしがみつき、最奥にぴっちりと男性器を密着させる。
「あっ――――」
ドクン…ドクン…
挿入されたそれが脈動し始めた瞬間、自分の身に何が起こるのかを悟り、そして。
「嫌ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビュルビュルビュルビュル―――――――――――ッッッ!!!!ビュビュ―――――――――――――ッ!!!!!
温かい"何か"が友子の下腹へ注がれていく。
その"何か"が何であるか、それを悟った瞬間に友子の瞳からは涙が零れる。
60代の老人とは思えないほど、大量の精液を友子の子宮へ注入する。
それは彼女を孕ませたいという欲望の表れであった。
この極上の美女を絶対に自分の種で孕ませてやるんだ、という欲望の。
「おほっ…!お゛…ッ、お゛…ッ」
友子に密着したままブルブルと身体を震わせ、最後の一滴まで注がんと性器を蠕動させ続ける浮浪者。
ずっと女日照りだったのであろう、男性器は女を孕ませられる悦びに跳ね回り、大量の白濁を注ぎまくる。
「ぁ…、あ…」
涙の溢れた瞳からはこれまでの気丈さは損なわれていた。
といっても、心がぽっきり折れてしまった訳ではない。
ただ汚濁を注がれたショックに一瞬放心状態になっていた。
個室の外に気配を感じる友子。
それも一人じゃない、沢山の足音が聞こえる。
「おぅ、おめえ、何やっとるべ」
浮浪者の背後からぬっと顔を出したのは、また別の浮浪者であった。
友子の悲鳴や二人が交わり合う音を聞きつけてやってきたのだ。
個室の中で何が行われていたのかを察すると、新たに現れた浮浪者達の皆顔を歪める。
「おめえだけずるいべ!なんでオラ達に知らせてくれながったが!?」
「一人だけイイ想いしようなんて、裏切りモンが!」
若い女と隠れてセックスをしていた事を咎めだす浮浪者達。
下等な争いが始まった。
友子は股間から白濁を垂らしながらも逃げようとするが、手錠はやはりびくともしない。
(まずい…、このままだと…!)
下腹に確かに残る温もり。
それが寒空の中の灯のように、安らぎを与えてくれるものでない事は友子自身よく分かっていた。
早く処理しないと、本当に―――
「いやー、しかしべっぴんさんだべ」
「おめえ、こげなめんこい嬢ちゃんと楽しんどっだんが?」
友子を犯していた男を彼女の身体から引っ剥がすと、嫉妬心からかリンチ紛いの事をし始める。
「やめ、やめろ…!おめえさん達にも後で言うつもりだったがよ!」
足蹴にされる男。
本当に、下等な男達だ。
先程のDQN達もそうだったが、欲望に突き動かされるだけの猿以下の男達。
虫の雄ですら雌と生殖するためにあれこれと工夫するというのに、この男達は体も碌に綺麗にせず、それでいて生殖本能だけは立派に持っている。
そんな下等な存在に自尊心を侵される屈辱。
「ぐへへ…オラがもっと気持ちよくしてやるよぉ…」
墨でも塗したかような黒ずんだ肌の浮浪者が友子の肢体に手を伸ばす。
「ペッ!」
「…んお!?」
べちょり、と浮浪者の頬に噴きかけられたのは、友子の唾液。
「その汚らしい手で私に触れないでくれるかしら?」
一度犯されたのにも関わらず気丈な口調で言ってのける友子。
「な、生意気だべ!」
やはり自分より遥か年下の女性に挑発的な言動をされ腹が立つのか、カンカンになった様子で友子の小さな顔を掴み上げる。
だが、掴まれてもなお友子は毅然とした表情を崩さない。
「汚らしいって…私は別に間違った事を言ったつもりはないけれど?だって貴方、ずっとお風呂に入ってないでしょ?」
「こんの…小娘が!」
ぐっ、と拳を振り上げる浮浪者。
だが、それでも友子は表情を一切変えない。
男の拳に怯える様子も見せず。
「どうせ貴方、風俗でしか女性と触れ合った事ないでしょ?それで私を気持ちよくさせる事なんてできるの?」
「…!」
相手は身動きのとれないただの若い女なのに。
殴り付けてしまえば黙らせる事はできるかもしれない、だが。
暴力に頼ってしまうのは負け、な感じがしたのだ。
ちっぽけなプライドが男の拳を堰き止めていた。
じゃあこの女を黙らせるにはどうしたら良い?
犯せば良いだろうか?
いや、ついさっき犯されたというのにこの態度だ。
そんな気丈な女の減らず口を塞ぐにはどうしたら良いか。
「あら?図星かしら。そんな汚い格好じゃ風俗ですら入れないでしょうけど」
良い事を、思いついた。
「ねぇ、それより早くここから出してくれない?このままだとあなたた…ブッ!!?!?」
友子の小さな口に、いきなり太い性器が捩じ込まれた。
友子の体ごと便器を跨ぐように立ちはだかった浮浪者が彼女の小さな頭を両手で掴んで、しゃぶらせる。
「んごッ!?ふぐっ、ぐっ…ぐぷぅううっ!!!」
友子の舌先に触れた瞬間、嬉しそうにピクンと跳ねる男性器。
先程まで減らず口を叩いていた口が、見るも無残な呻き声を上げている。
「ぶへへへへっ!!!」
高らかに嗤う浮浪者。
彼の作戦は成功した。
喋ってる最中にいきなり男性器を咥えさせるという。
友子は溺れているかのように驚きふためいた表情で、情けない呻き声を上げている。
(こ、のぉ…ッ!)
すかさず口に侵入ってきた異物を噛み切ろうと顎に力を込める。
だが、浮浪者の男性器が太く硬すぎて文字通り歯が立たない。
「ぐへへ!噛もうとしてるがか?無駄だべ。オラのちんぼは硬くて噛み切れんて」
友子の抵抗を嘲笑うように言い放つ男。
「さっぎ風呂に入ってないとか言ってたけんど、その通りだべ。オラ、もう一年は体洗ってねえべ」
「――――――!?!?」
その言葉を聞いて、口の中に拡がる汚臭をより鮮明に感じてしまう。
一年間も、風呂に入っていない…?
(嘘でしょ…?)
俄かには信じがたいその言葉。
だが、この臭さと汚さは…
「んぶぅッ!!ん゛う゛ッ!!!ぅ、ご…!かひゅっ…う゛げえ゛え゛え゛え゛え゛」
口と男性器の間から大量の泡が漏れる。
友子が吐きそうになっている証であった。
しかし吐こうとしても男性器が栓になって吐けない。
(く、臭すぎ…うえ゛ぇ゛――――――ッ!し、舌が腐る…ぅ!)
こみ上げる嘔吐感。
臭さと気持ち悪さと息苦しさで、友子は失神しかけていた。
「オラのちんぼをおめえさんのクチで綺麗にするえ!」
キノコのように張ったカリが友子の喉を抉り、ずぽずぽと音を立てながら粘膜をそぎ取る。
男性器が友子の口の中でさらに膨張し、喉奥に傘がずっぽりと嵌ってしまう。
「ふご…ッ、お゛ッ…!ほゴッ!!」
いきなり目を見開き、苦し気な悲鳴を上げる友子。
口の中に入っているものが大きくなったせいで顎が外れそうなのだ。
(あ、顎…外れちゃう…!)
ミチミチと音を立て、唇が今にも裂けそうな音を立てる。
「お゛ッ…がっ…!ん゛ん゛…っ!」
ずっぽりと喉を塞ぐせいで、息もできない。
男はそんな友子の心情を察する事なく、ただひたすらな快楽に打ちひしがれていた。
「うほォッ!姉ちゃんのクチの中でオラのチンボ綺麗にしてるだぁ~!」
(し、死ぬ…ほんとに…)
目の前が白い靄に包まれ、意識が朦朧としてくる。
男の叫び声も言葉にならないただの音となって聞こえてくる。
こんな所で、死にたくない―――
友子は舌で男性器の根本に絡みつくと、男の全身がびくんと震えるのを感じた。
「んほぉォ――――――――――――――っ!!!!!」
ドクッ!ドクンッ!!ビュルビュルビュルビュル―――――――――――――――ッッッ!!!!
「う゛ッ!?お゛ェ゛ッ!!!」
ポンプのように脈打ちながらどくどくと注がれる濃厚な精子。
黄味がかった白濁のアーチを紡ぎながら、濡れた唇から男性器が引き抜かれる。
喉奥に大量に白濁を発射され、むせ返りながらそれを吐き散らす友子。
最後に男の性器を舐めたのは決して自分の意志ではない。
このままだと窒息死してしまうと、本能的に危険を感じたからだ。
決して、自ら舐めた訳ではない…とひたすら自分に言い聞かせる。
幸いに、男も友子の口の中で射精できた無上の快楽に記憶を失いかけているようであった。
吐いてもなお、粘ついたヨーグルトのようにドロドロと喉にそれが残り、友子に延々と吐き気を覚えさせる。
「…して…ゃ、る」
「あ゛ー!?」
掠れた声で何かを言う友子の髪を掴み上げ、顔を近寄せる浮浪者。
「殺してやる…!」
キッと刺すような視線を向けながら、呪詛のような言葉を吐く友子。
その言葉には一瞬ぞくりと恐怖を覚えさせる凄みが確かに乗っていた。
心は折れていない。
だがその僅かな抵抗も、濁流のような欲望にかき消される。
「次はオラの番だっ!」
気付けば公衆便所には大量の浮浪者で溢れ返っていた。
公衆便所の外まで行列を作るほど。
「ぐへへへ…」
むせ返るような熱気と臭さが便所内にたちこめる。
数多の人の気配を感じ、友子は気が遠くなる思いがした。
次に友子の前に現れたのは、一際歳をとった老人であった。
「げ、源さんや…」
「お、おぉ…源さん」
"源さん"と呼ばれた老人は、杖をつきながら個室の中に入ってくる。
頭は禿げ上がり、腰の曲がった老人。
だが、その皺くちゃになって垂れた瞼の奥からは確かに肉欲の滾りが宿っていた。
周囲の浮浪者達の様子を見ていると、どうやら彼らからは一目置かれている存在のようだ。
気を緩める事なく、友子は源さんを睨み続ける。
「初めまして、猿股源左衛門と申すが…ご存じないですかな?」
「さぁ、知らないわね」
何故か丁寧な口調で喋りかけてくる源さん。
友子のつっけんどんな返答に「ふぉふぉ」と笑いながら、言葉を続ける。
「近頃の若者は本も読まないのかね。私の名前を知らないとは」
「一浮浪者の名前なんて知ってる訳ないでしょ?」
「…まぁよかろう。私はその昔、東〇大学に通っていてね。文学を専攻していたのだよ。これでも博士課程にまで進んでね。本も沢山書いたんだ。本当に知らんのかね?」
だから知る訳ないでしょ、と言いかけた友子。
猿股源左衛門…確かにどこかで聞いた事があるような。
しかしそれは文学作品の作者として、ではない。
―――思い出した。
「猿股源左衛門。特殊詐欺及び婦女暴行の常習犯として、20年前に無期懲役を言い渡された…はずじゃなかったかしら?」
「ほへ?」
猿股源左衛門はかねてからブラックラベルにターゲットとして認知されていた。
懲役刑を終え、以前ほどの勢力は持っていないはずだ。
しかし今後また犯罪を起こすかもしれないという火種として見ていた。
それだけ以前犯した罪が重く非道なものであるという事だった。
自身の経歴を偽り、いわゆる『ねずみ講』で不当な出資金を得ていた猿股源左衛門。
その稼いだ資金で女を買い、合意の無いセックスを強いられた女性からの告発も数多くあったという。
おそらく先程言った東〇大学卒業で書籍を出していたという話も嘘だろう。
確か猿股源左衛門は高校を退学し、暴〇団に一時期加入していたはずだ。
それも高校の女性教諭に性的暴行を加えたという理由で退学したという噂がある。
「な、な、なぜそれを…」
心底面食らった様子で狼狽える源さん。
とうに昔の話であるし、まさか友子のような若い女がその事を知ってるとは到底予想できなかった。
「オイ、なんてぇ?」
「詐欺がどうのとか言っとったべ」
その様子に、周囲の浮浪者達も不審がる。
長いお勤めを終え、無一文となった源さんは浮浪者生活をしている内に、周囲の浮浪者達を束ねるリーダー的な存在になっていた。
暴〇団の下っ端として働いていた過去や詐欺で大量の出資金を集めたノウハウなどを活かし、浮浪者達に仕事を斡旋したり食料を分け与えていた。
それだけ聞けばただの良い人である。
その行いの根底には自らを"神"として、"信者"達を募りさらなる行動に移る計画があった。
猿股源左衛門、78歳。
いわゆる後期高齢者と言われる域に達していながら、その肉欲は衰えていなかった。
煌々と燃える炎のように、その老体の奥底では本能が漲っていた。
良い女とセックスをしたい。
自らの種を後世に遺したい。
その想いを年齢を重ね、死を身近に感じるほど強くなっていった。
浮浪者達をまとめあげ、再び事を起こそうとしている最中であった。
金を集め、女を抱きまくるための野望。
勿論、その不穏な動きはブラックラベルにも悟られていて。
「…なぜそれを知っているのかね?」
「猫被らないでくれるかしら。ここにいる浮浪者達を集めて、また何かよからぬ事を企んでたんでしょ?」
友子の不遜な態度に、腕を組んで苦笑いする源さん。
「ふぉふぉ…お嬢さんは、警察関係者かな?」
「さぁ、どうかしらね」
犯罪者集団を取り締まるという意味では警察と同じだ。
yesともnoともつかない曖昧な返事をして、源さんの問いかけを受け流す。
「その風体は普通の警察官には見えんが。公安かな?小賢しい…」
しかし、友子が依然として身動きのとれない状況なのは変わらない。
「いずれにしろ私は頭の良い女性は好きでね。それにその美貌、若さ…妬ましいほどだよ」
くほほ、と笑いながら拘束された友子の脚を触る。
手錠がなければ顔面に蹴りを入れている所である。
「私はねぇ、優秀な種同士が結びついて、さらに優秀な存在を育む、そして次の世代でまた優秀な種と結びつき、またさらなる優秀な存在を育む…そうやって人類というものはこれまで発展してきたし、これからもそうやって繁栄していくものだと思っている」
いきなり講釈を始める源さん。
「君はダーウィンの『種の起源』を読んだ事があるかね?環境によりうまく適合する個体は生き残り、その形質を子孫に伝えていく…いわゆる自然淘汰というやつだよ。『最も強い者が生き残るのではなく最も賢い者が生き延びるのでもない。 唯⼀生き残ることが出来るのは変化できる者である』、その本にはそう記されている」
あぁ、まだ東〇大学卒業で本を書いていたという設定は生きているのか、と心の中で苦笑いする友子。
もはやその虚実は深い思い込みとなって、彼は本当の事なのだとすっかり思っているのかもしれない。
『嘘も100回言えば真実となる』という言葉を思い出す。
「つまり、私のような老いぼれた老人でも、環境に上手く適応できるのなら優秀な種を後世に遺す事ができるという訳だよ。分かるかね?友子君」
「…何を言っているのかさっぱり分からないわ」
はぁ…とあからさまに呆れたようなため息をついてみせる友子。
「演説はもう終わりかしら?」と揶揄うような事も言ってみせる。
「君のような賢い女性なら理解できると思ったんだがね、私の買い被りすぎだったか」
「私が言いたいのは貴方が自惚れてるって事なのだけれど。自分が優秀な存在?頭がおかしいのかしら」
「何度も逮捕されて、こんな浮浪者生活を強いられて。貴方は自然淘汰される以前に社会から淘汰されているのだけど。さっき"唯⼀生き残ることが出来るのは変化できる者である"と言っていたけど、全く貴方は変化できてないじゃない。ここの浮浪者連中を集めてまた詐欺でもやるつもりだったのかしら?もう私にそれを勘付かれている時点で計画倒れが目に見えてるわね」
くすり、と嘲笑いながら、どこか哀れむような様子さえ見せて言い放つ友子。
自分が言った事に対して完璧なアンサーを返され、押し黙る源さん。
やがて、その皺くちゃの肌は血のように赤く染まり、握った拳はぶるぶると震え出した。
「友子君…君には私からの"特別授業"が必要なようだね?」
怒りで歯をガチガチと鳴らしながら、全身を戦慄かせる源さん。
口では完全に言い負かされたが、友子は現に手足を動かす事さえままならない。
友子には完全に口で言い負かした上で自らの方が賢く、優秀な存在だと分からせた上で種を付けてやりたかったが、結局逆に友子の方が全てにおいて優秀なのだと分からされてしまった。
だが、それはそれで源さんの願望は叶うのかもしれない。
自らを遥かに超越する優秀な存在に今から種を付けられるのだから。
「友子君に、私が雄として優秀だという証を見せてあげよう」
バッと履いていたステテコを下着ごと脱ぎ捨てる。
途端、何かがぶるんっと反り上がる。
それはまるで…まるで、地球上の生物には喩えようもない、言葉で表現するならエイリアンかプレデターといった空想上のものにしか喩えようがないほど…グロテスクなもので。
「…えっ」
それまで気丈な態度を貫いてきた友子が目を丸くして、それを見つめる。
友子は医師である。
外科医として日常的に手術を行い、人間の身体には人一倍詳しいはずだ。
数多の人間を手術するにあたって多くの人間の裸体を見てきたし、医学部や医師になってからも人体についての勉強は続けている。
そのはずだった。
だが、目の前にある"それ"は、友子の知見を凌駕し、自らの目を疑うほど異様な姿であった。
股間から隆起した"それ"は源さんの顎先に付いてしまうほどに長く、その太さは片手では収まらないほど。
男性の股に付いているものは、ペニスである。
性的興奮を覚えると勃起し、平均的には15cmほどになる事が多い。
太さは親指より少し太いくらいであろうか。
しかし目の前にある"それ"は、紛れもなく源さんのペニスである、はずなのに…
男性の股に付いているものは、ペニスである。
性的興奮を覚えると勃起し、平均的には15cmほどになる事が多い。
太さは親指より少し太いくらいであろうか。
友子の頭の中で何度もそれが反芻される。
今さっき自分を犯していたものがペニスだ。
友子の知識とそれは特徴が合致する。
間違いなくペニスだ。
で、目の前にある"それ"は?
源さん…男性の股から生えているものは、ペニス。
性的興奮を覚えると勃起し、平均的には15cmほどになる事が多い。
太さは親指より少し…
「なに…それ…」
口を半開きにしながら茫然とした表情を見せる友子に、源さんは心底満足そうな笑いを零す。
「くほほ!いくら君が賢いといっても、超現実的なものに出くわせば可愛いものだなぁ」
ずしっ、と自らの勃起した"それ"を持ち上げる源さん。
「君はまだ若い。人生は何事も経験だからね」
そして友子に迫る。
混乱する友子の脳に打ち鳴らされる警鐘。
これから何が起こるのか、そして、どうなってしまうのか。
「あ…、い、や…」
まさか…?
源さんがニヤニヤしながら友子の股の方へ近づいてくる。
そういえば、猿股源左衛門の事件簿には大量の死因不明の女性の死体が上がったと書いてあった。
当初は薬物による心停止を疑われたが、女性や源さんの尿や血液からは薬物反応は無かったという。
「嘘、でしょ…っ」
長さ約40cm、太さ約10cm。
丸太のようなそれには幾つもの脈が浮き出ており、ゴムを閉じ込めたような、今にも張り裂けそうな雰囲気を感じる。
ドクン…ドクン…と脈打つ音が聞こえてきそうなほど、鼓動しているのが見て取れる。
そんなものが、入る訳がない。
ズチ…
赤黒く染まった亀頭が、友子の膣に触れる。
「な、何を考えているの…!?そんなの、入る訳ないじゃない!」
「さっきとは打って変わって随分焦ってるじゃないか。声が震えているぞ?んん?」
先程中出しされたせいで、精子が潤滑油となって入りやすい環境はできてしまっている。
それでも…こんな巨大なモノが入るとは思えない。
だが、よく見るとそれは生まれたばかりの赤ん坊ほどの大きさに見える。
いや、赤ん坊より少し小さいくらいだ。
赤ん坊が通れるのだ。
つまり、それより小さなものであれば…
ズブブブ…
「ちょっ!待っ!待ちなさい!こ、こんな…」
慌てふためく友子。
そんな様子さえ楽しそうにしながら、腰を埋めていく源さん。
がっちりと皺くちゃの手で友子を腰を掴み、ゆっくりと侵入っていく。
「友子君。君には忍耐が足りないのだよ。そして年長者を敬う気持ちもな。今から私が"特別授業"をしてあげるから喜びなさい」
「バカな事を言わないで!こんなモノ…入る訳が…!」
ヌプププッ…グリッ…
がちゃがちゃと手錠をやかましく鳴らし、暴れる友子。
しかし、そんな彼女の想いも虚しく、源さんの巨大な男性器は徐々に友子の中に入っていく。
グリグリ…と友子の骨盤ごとこじ開けるようにそれが侵入していく。
「ぁ―――、か、はッ…!」
下腹に感じる鈍い感覚。
先程犯された時とは全く異なる感覚だ。
ヌプププッ…!
先端部分が入っていくと、あとはずぷずぷと入っていってしまう。
その度に友子の膣肉がミリミリ…と裂けるような感覚がして。
「あ゛ッ!!!ぎいィッ!!!!」
便器の上で全身を強張らせる友子。
歯を食いしばって耐える姿はまるで出産時の妊婦のようだ。
実際にそれは出産に近い感覚があるだろう。
「友子ぉ…っ、友子ぉ…っ❤」
博学ぶっていた源さんも愛しの友子に挿入できて、涎を垂らした間抜けな顔を晒しながらゆっくりと腰をせり出す。
だがその顔を見る事さえできないほど、友子には余裕がなく。
「ふぎイィィッ!!!!あ゛っ!!!がっ!!!!ふぅッ…!!!ふぅッ…!!!」
息をする事さえままならない。
よく出産時の痛みを『鼻の穴からスイカが出るような』などと表現されるが、それが今よく分かるような気がする。
しかしそれが新たな生命を生み出すためではなく、源さんのチ〇ポと欲望のためにもたらされているのかと思うと、屈辱でしょうがなかった。
「友子ぉ…っ!これでまだ半分くらいだぞっ!さっきまでの余裕はどうしたぁっ!?」
「ふッ!!!ぐぅっ!!!ぅ゛ッ!!!はぁーっ!!!はぁーっ!!!はぁーっ!!!」
勝ち誇ったように声を張り上げる源さん。
その挑発に何のリアクションもできないほど追い詰められていた。
ぐっしょりと全身に汗をかき、視界が若干ぼやけてくる。
「友子ぉっ…全部入れちゃうからな?全部入れちゃうぞおぉっ❤」
ズプププッ…グリグリッ!ゴリッ…ズポッ――――――――――
源さんが力強く腰を押し出した瞬間、友子の骨盤がひしゃげる音がして、そして―――――
「ぅ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
この世の終わりのような絶叫。
源さんの巨大な性器が友子の奥底までずっぽりと嵌り、勢い余って子宮をどすんと突き上げる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!ひぎイィィィ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぐりんと白目を剥いた両目からは大量の涙が零れ、まるで誰かに助けを求める幼児のように叫ぶ。
鼻梁の整った鼻の穴からは大量の鼻水が噴き出て、美貌の欠片もない。
「あ゛ぁ゛ッ!ダメッ!!!死んじゃっ、死んじゃうッ!!!ほんとにっ!死んじゃっうっ!!!!」
「友子ぉっ!!!まだだぞ!!!まだワシはこんなもんじゃないぞっ!!!」
ぼこぉっ、と友子のくびれたお腹から源さんの性器の形が浮き出て、彼女の細いお腹は源さんでいっぱいになってしまった。
凛々しく刀を振り、犯罪者集団を相手に戦う最強の女剣士。
その美しい姿の欠片もないほどに、友子は泣き叫んでいた。
源さんのありえないほど大きな性器を前に、生命の危険さえ感じていた。
「んほぉ――――――っ❤」
「し、死ぬっっっ!!!!しんじゃうっっっ!!!う゛あ゛あ゛ァァ―――――――――――っっっ!!!!!!!!やだぁぁぁ――――――――――――――――――――――っっっ!!!!!!!!!!!!!!」
その自らを満たす源さんを全身の筋肉を使って締め上げてしまう友子。
それが図らずも源さんを天国に導いてしまう。
「友子ぉっ!!!動くぞ!!!」
「壊れるっ!!!壊れちゃうからぁ!!!!!はッ…ぐうぅぅッ!!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」
源さんが腰をゆっくり動かし、緩やかなピストン運動を始める。
だがほんの僅か腰を動かしただけでも、大きく張り出した肉傘が友子の膣そのものを引きずり出すかのように、彼女の媚肉を引っ張り上げる。
「お腹っ!!!お腹おッ!!!!オッ!!!!!内臓出ちゃう!!!!やめて!ずぽずぽしないでえええええええええええええええええええええええ!!!!!!」
唾液を撒き散らしながら必死に懇願する友子。
鞠のような爆乳をぶるんぶるん揺らし、長く美しい髪を振り乱しながら必死に乞うその姿は、昼の医師としての姿からも、夜のアンプルゼロとしての姿からも、かけ離れていた。
どれだけ強く賢く優秀な雌でも、圧倒的な雄の前ではただの非力な存在でしかないのだ。
「おかしくなりゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
血走った白目がぴくぴく痙攣する。
もう心身ともに崩壊しかけていた。
僅かに皮一枚と言うべきか、自尊心の欠片が彼女の意思をつなぎとめていたが、もはやそれさえ源さんの前には風前の灯火であった。
「友子ぉっ!!!儂の種を出すぞ!!!儂の赤ちゃんを…ふおおぉぉ――――――――ッ❤」
やだ、妊娠したくない。
そんな事を考えている余裕さえ無かった。
死がすぐそばに見えているのである。
心肺が限界を迎え、もうすぐ強制的に機能停止させられる。
あぁ、自分に手術をされる患者さん達はこんな気分だったのかな。
そんな事をふと考えてしまう友子。
あぁ、これが走馬灯というやつか。
「んほっ❤」
ドププププププッッッッ!!!!!!!!!!!ドピュピュピュピュピュピュピュ――――――――――――――ッッッ!!!!!!!!!!ドピュピュピュピュピュピュピュ――――――――――――――ッッッ!!!!!!!!!!
限界まで押し広げられた子宮口に、大量のマグマのような精子が注がれる。
巨大な男性器を持つ源さんの事、射精量もそれだけ異常であった。
友子の子宮はすぐに満たされ、白濁が逆流してくる。
「ぁ゛――――――――――――――――――――――――――――――」
下腹が何か熱いもので満たされた瞬間、友子の意識はぷつん、と途切れてしまった。
がくがく、と二三回大きく痙攣したかと思うと、壊れたおもちゃのように、動かなくなってしまった。
後日、友子が犯され絶命する動画が大量に出回り、今では世界中でズリネタにされている。