※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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100 性奴隷たちの鍛錬

「魔道を無効にする方法は、思ったよりも少なくないわ。まず、魔道というのは、魔道遣いが魔力の噴き出し口である魔道紋を構築して、そこに集めた魔力を注ぎ込むということよ。入り口側の魔道紋は、魔術遣い自身にもあるし、制御するために、さらに身体の正面に入り口の魔道紋も構成する。そして、魔道効果を及ぼしたい場所の魔力の吐き出し口の魔道紋もね……。魔道の発動というのは、その自分自身の魔道紋から、作成した魔道紋に向かって魔力を瞬間移動させるということによって引き起こるわ。優れた魔道遣いは、これを瞬時に行うので、無から現象を発生させているように思えるけど、実はかなりの複雑なことをしているの……。これを基本認識して、魔道遣いとの戦いを考えるのよ」

 

 自分自身が魔道遣いであるエリカは、わかりやすいように、目に見える形で目の前の宙の魔道紋を投影し、少し離れた場所の空中に、やはり魔道紋を出現させた。

 本来、魔力も魔道紋も目に見えるものじゃない。それなりの熟達者が、わずかな空間などの揺らぎで感じることができるくらいだ。

 だが、それを眼に見えるようにしたのだ。

 

 エリカは、体内の魔力に光を帯びさせて、まずは、目の前の魔道紋に弾き飛ばした。

 すると、一瞬後、離れているもうひとつの魔道紋からその魔力が弾き跳び、魔道砲の衝撃波となって、さらに先の樹木の幹に当たって発散した。

 

「なるほど、理屈はわかっていたが、いまみたいに可視化してくれると理解が早いな」

 

「エリカにしては、わかりやすいわ」

 

 シャングリアとコゼが横で見守りながら、からかうような物言いで言った。

 ちょっとむっとしたが、まあ、褒めているのだと思い直すことにした。

 

「じゃあ、次は通常の速度でいくわよ。魔道砲も魔力を凝縮させて、力を密集させるわね。つまりは、効果の範囲を小さくする代わりに、注ぐ魔力を全部そこに集めるのよ。そうすると、効果範囲は小さくなるけど、当たった箇所に与える魔道が集めた分だけすさまじいものになるの。魔道効果を密集させるのは、実はかなり技術が必要だけど、高位魔道遣いほど、自由自在に魔力を操作するわ」

 

 エリカは今度は目の前の魔道紋をそのままにして、樹木側の魔道紋を可能な限りに小さくする。

 さっきと同じ魔力を注ぐ。

 すると、吐き出し口側の魔道紋が小さい分、魔道砲が同じ魔力のまま小さくなり、力が凝縮して、さっきと同じ幹に当たる。

 今度はしゅんという風を切るような音がして、小指の先ほどの小さな穴が幹に生まれた。

 幹からは樹が焦げたような匂いがしてくる。

 

「ほう、今度はすごいな。あれが頭に当たれば、まず即死だな」

 

 シャングリアが感嘆の声をあげる。

 実のところ、驚いているのはエリカ自身も同様だ。

 いまやったような魔力操作は、ロウと出逢う前のエリカには絶対にできなかった。アスカの愛人になっているあいだは、能力向上の効果のある魔道の杖を渡されていて、それで大きな魔道は遣えるようになっていたが、そのときだって、たったいまみたいな魔力制御なんてできなかったのだ。

 もともとのエリカの魔道技術が低かったからだ。

 しかしながら、ロウと一緒になってから、気がつくとできるようになっていた。

 おそらく、ロウが淫魔師であることに影響があると思う。

 

 ここは、クエストに向かう途中で野宿をすることにした山越えの街道から、少し奥まった林の中であり、今夜の露営場所だ。

 まだ、完全に陽が落ちるには少しあるが、事前調査によれば、この先には手頃な露営の場所もないので、早めの露営準備ということになった。露営準備とはいっても、馬車があって、夜はみんなで固まって寝るだけなので、盗賊や野獣避けの結界を張って、夕食の支度をするくらいであり、両方とも急遽同行をすることになったスクルズがやってくれることになった。

 

 よくわからないが、強引に今度のクエストに同行してきたあの筆頭巫女は、今回の旅で張り切りまくっていて、夕食の支度についても、警戒のための結界についても、一手に引き受けるといって、買って出てくれたのだ。

 いまは筆頭巫女という高位の立場の女神官だが、かつては新米巫女の修行の一環として家事一般についてなんでも叩き込まれたそうだ。

 滅多にない機会なので、是非ロウに食事を披露したいと言っていた。

 筆頭巫女ほどの高位な立場のスクルズに懇願されては拒否もできないし、その気持ちもわかるので、全てをスクルズに任せることにした。

 スクルズは、ロウと一緒に馬車のところである。

 馬車はここから離れた小川のそばだ。

 

 ミランダの緊急の強制クエストによって、ガラヴィという小さな里に向かうことになったエリカたちだが、今朝王都郊外の屋敷を馬車で出発して、最初の一日の行程が終わったところだ。

 ガラヴィの里へは、同じようなゆっくりとした速度で向かっても、順調であれば明日の夕方前には届くはずである。

 ロウの率いる冒険者パーティが王都から出向くというのは、ミランダを通じて、ガルヴィに近い都市にある地方冒険者ギルドに魔道通信で伝達されているはずであり、どんなに遅くとも明日の早いうちには、ガルヴィの里長には知らされるはずだ。

 到着次第に、詳しいクエストの内容を確認して、いよいよ調査クエストに着手することになると思う。

 

 それはともかく、早めに今日の行程を終えて、さらに夕食の支度もスクルズがやってくれることになったので、エリカたちはちょっと離れた場所にやってきて、最近になって開始した「特訓」をやろうとしているところだ。

 つまりは、魔道遣い対策だ。

 

 先日の「三巫女事件」のときには、魔瘴石により一時的に魔道力が向上したウルズに、不意を突かれたとはいえ、なすすべなく破れ、ノルズに捕えられて、ロウを罠に嵌めるための人質にされてしまった。

 幸いにも、ロウの事前の機転で、逆にノルズを罠に嵌めて、事件を無事に解決することができたものの、本来はエリカたちの役目はロウの護衛であり、ロウの身を守ることだ。

 それにもかかわらず、逆にロウに救出されるというのは、エリカとして自分が不甲斐ないことこの上ない。

 だから、コゼとシャングリアを誘って、魔道遣い対策のための特訓をすることにした。

 それに、ロウは大丈夫とは言っているが、ノルズの逃亡を許した以上、アスカが追っ手を差し向けてくる可能性もあるし、アスカ自身がやって来ることも考えられるのだ。

 立ち向かうための手段を整えることも必要だ。

 

「魔道の技術には、いろいろとあるけど、突き詰めれば、いまのがすべてよ。魔力を集める。魔道紋を刻む。魔道紋に魔力を流す。すると、魔道紋に刻んだ紋様に添って魔力が様々な効果を生むというわけよ。高位魔道遣いになれば、瞬時に複雑な魔道紋も刻むし、距離が離れた場所に魔力の吐き出し口側の魔道紋を刻むことができる。さらに魔力の流し方を制御することができる。高位魔道遣いと、下級魔道遣いの違いはこれだけであり、原理は一緒なのよ」

 

 エリカは説明してから、もう一度可視化した魔道紋を宙に刻んだ。

 だが、今度は吐き出し口を同時に十個出す。火炎玉の魔道にした。

 魔力を連続で五回飛ばして、その間に魔道紋を複雑に前後左右に移動させる。

 すると、魔道紋を移動させた範囲の空間に火炎玉が四方八方に飛び出して、お互いに影響し合って、爆炎を発して火炎で周囲を大きく包み込む感じになった。

 

「すごいわね。まあ、でも襲ってくるかもしれない魔道遣いは、エリカ以上なんだろうから、エリカの魔道で驚いたりしたら駄目なんでしょうけどね。とにかく、最初はエリカの魔道に抵抗するのが目標ね」

 

 コゼが苦笑している。

 

「じゃあ、本題ね。もう一度言うけど、魔道遣いの魔道発動までの流れは、魔力を集める、魔道紋を刻む、魔力を流すよ──。集める、刻む、流す──。このどこかを遮断すれば、どんな魔道遣いも魔道を発揮できないわ。いわゆる、魔道封じの枷や首輪は、最初の段階の魔力を集めることを阻止するか、魔道紋を刻もうとすると瞬時に魔道紋を消去してしまうというものね。そうやって、元を断つのが理想だけど、戦いの中でとなると、有効なのは術者を攻撃して意識を魔道発動に向かうのを邪魔するか、吐き出し口の魔道紋を破断するかよ。魔道紋を離れた魔力は簡単に発散するから、攻撃魔道では必ず身体の近くの空中に魔道紋を刻まれると考えていいと思うわ」

 

「とりあえず、やってみるか。魔道紋を発動前に破断する訓練は騎士団ではよくやるものだ。わたしからいくぞ」

 

 シャングリアが剣を抜いて、さっき魔道を発動させた位置に移動して構えた。

 つまりは、これからやろうというのは、エリカが魔道を発動して、それを武器で魔道紋を破断することで、魔道を阻止しようという鍛錬だ。

 結局のところ、戦いの中で魔術遣いに対抗するには、これが一般的な方法なのだ。

 また、ある程度の武術の鍛錬をした者が、武器で魔道紋のある宙を切りつければ、魔道紋が四散して無効化することがわかっている。

 

「大丈夫なの? まだ、何回か可視化して魔道紋を見た方がいいんじゃないの」

 

「問題ない。やってくれ。魔道紋の揺らぎを感じる訓練は、騎士団になって最初にやらされるものだ。新人いびりの一環としてな」

 

 シャングリアが剣を構えたまま言った。

 エリカは、電撃魔道を選んで魔道紋を構成することにした。電撃魔道なら、シャングリアが失敗して当たっても、激痛と痺れでしばらく動けなくなるだけだ。

 電撃魔道を発動する。

 手元側とシャングリア側に魔道紋を構成すると同時に魔力を発射する。

 

「さいっ」

 

 シャングリアの剣が見事にエリカの構成した魔道紋を切断して、魔力の流れが発動前に四散した。

 さすがはシャングリアだ。

 

「やるわね」

 

 エリカはさらに魔道紋を出す。

 ただし、吐き出し口側に同時に二個だ。

 

「ふんっ」

 

 シャングリアが一瞬消えたかと思うような素早い動きで、身体を回転させて二個とも切断する。

 だが、そのときには、エリカは三個目の吐き出し側の魔道紋を構成し終わっている。

 今度は地面だ。

 ずっと空中に刻んでいたので、シャングリアの反応が遅れた。

 しかし、それで十分だ。

 

「あぎゃあああ」

 

 シャングリアの身体に下側から電撃が発動し、全身を電撃に浴びさせてしまったシャングリアが絶叫してその場に倒れた。

 魔道砲を飛ばして、シャングリアが握っていた剣を弾いて遠くに飛ばしてしまう。

 

「同じ要領で来るとは限らないわ。油断してはだめよ」

 

 エリカは全ての魔道紋を四散させた。

 

「くっ、いたたたた……。油断したわけじゃないがな……。地面か……」

 

 出力を弱くしていたので、威力はそれほどじゃない。シャングリアはすぐに起きあがった。

 ちょっと口惜しそうだ。

 だが、本当は一度でも剣で魔道紋を切断できるというのは、シャングリアの剣技が尋常じゃないということでもあるのだ。

 空中に刻まれる魔道紋は意識を集中していれば、ある程度の武芸を極めた者なら空間の揺らぎで見抜くことは可能だ。

 問題は、そこに魔力が注がれる前に刃物で破断することであり、それにはかなりの早業を必要とする。

 その点、シャングリアの剣技は素晴らしいものだった。

 二個同時に魔道紋を切断したときなど、シャングリアの動きをエリカが見逃したくらいだ。

 それくらい、素早い動きだったと思う。

 

「慣れるしかないわね。これからも、数をこなして、いろいろなパターンでやりましょう。ロウ様を守るために」

 

 エリカは言った。

 

「次はあたしがやるわ」

 

 コゼが前に出た。

 だが、コゼのいつもの得物は両腰にぶらさげている細い短剣なのだが、それは抜こうとしない。

 手ぶらだ。

 それどころか、構えることさえしない。

 

「なに、武器を持たないの?」

 

 エリカは首を傾げた。

 だが、コゼは肩を竦めた。

 

「ちょっと試したいことがあってね。いつでもいいわよ」

 

 よくはわからないが、まあいい。

 エリカはシャングリアのときと同じように、まずは一個から魔道紋を構成する。

 しかし、魔力を注ぐまでもなく、それが一瞬にして崩壊した。

 

「えっ?」

 

 なにが起きたかわからない。

 コゼは特に動いた感じはなく、にこにこしている。

 驚いたが、すぐに三個の吐き出し口の魔道紋を構成しようとした。

 だが、今度は入り口側の魔道紋が四散して壊れた。

 

「なにっ? いたっ、あっ」

 

 どうして魔道紋が破壊されたかわからなかったが、入り口側の魔道紋まで壊れれば、すぐには発動できない。

 それだけじゃなく、なにか固くて小さいものが胸に当たり、エリカに衝撃を与えた。しかも、乳首にしているロウの乳首ピアスに、布越しだが得体の知れない極小のなにかが当たったのだ。

 これを刺激されると、エリカは脱力するほどの痺れのようなものが身体に走ることになっている。

 痛みはすぐになくなったが、意識の集中が遮断されて、完全に術式が途切れてしまった。

 驚きながらも、エリカは集中して魔道紋の攻勢をし直そうとした。

 しかし、びっくりすることに、コゼが目の前だ。

 

「きゃあああ」

 

 そのまま体当たりで引き倒された。

 しかも、倒れるあいだに、コゼはエリカの利き腕の肘を抱えて肘をきめている。

 動けない。

 

「油断しないことね。敵は同じように動くとは限らないわ。反撃して向かってくるかも……」

 

 コゼが笑いながら、エリカを抱えたまま、肘を固めている側のコゼの拳を拡げた。

 十個ほどの小さな金属の小粒がぱらぱらと落ちる。

 エリカは目を見開いた。

 なんのことはない。

 コゼは、手に握っていたこの金属の小粒を魔道紋にぶつけて、剣で切断したのと同じようにしたのだとわかった。

 

「本当はアサシンというのは、仲間内であろうとも手の内は見せないんだけど、あんたらだけは特別よ。投げ刃、投げ飛礫(つぶて)はアサシンの技のひとつであり、あたしはむしろ短剣よりも得意なくらいよ……。それはともかく、魔道遣いを相手にするときには、魔道の刻むために意識を集中することを阻止することだったわね」

 

 コゼが笑いながら、きめている肘を抱えたまま身体を回転させ、エリカをうつ伏せにした。さらにコゼの身体全体でエリカの胴体に寝そべるようにして、エリカの身体を押さえた。

 そして、空いている片手をすっとエリカのスカートの中に差し込んできた。

 

「わっ、ま、待ちなさい、コゼ──」

 

 エリカはびっくりして悲鳴をあげた。

 阻止しようとしたが、身体をきめられて上手く動けないのだ。

 

「待たないわ。意識を集中させなければいいんでしょう? 魔道封じの枷を掴むまでもなく、エリカなんてこれで十分よ」

 

 下着の中に手を入れられる。

 

「ふ、ふざけないで──」

 

 エリカは必死に身体を捻って、コゼを除けようとするが、コゼも巧みに体勢を変化させて、エリカの反対の腕も押さえられてしまう。しかも、下着の中に入れている指でクリピアスを弾かれた。

 

「んふううっ、ああっ、な、なにすんの、ああっ」

 

 エリカは身体を弓なりにして悲鳴をあげた。

 コゼが大笑いしながら、エリカを放す。

 

「くっ」

 

 エリカは肘を撫でながら身体を起こした。次いで、乱れた服を整える。

 

「それもすごいな。お前たちは本当にすごい。いまのコゼの技は体術だな」

 

 シャングリアが感心したように言った。

 口惜しいが、まともにやって手玉に取られたのは確かなので、エリカも文句は言えない。

 しかし、一度疼きが走ると、ロウに開発されたこのエリカの身体は火照りが収まるまでにしばらくかかる。

 それを知っているくせに、わざと悪戯するコゼをエリカは恨めしく睨みつけた。

 

「魔道遣いとしては、まだまだね、エリカ……。だけど、あたしたちも連携すれば、相当の敵にだって立ち向かえると思うわ。シャングリアは感心してくれたけど、まともな剣技なら、あたしはシャングリアの相手じゃない。エリカだって、接近戦にならなければ、魔道と弓を同時に駆使できるあんたには、あたしは近づけない。お互いの能力を生かして連携する方法を考えましょうよ」

 

 コゼがさっきばらまいた金属の粒をひとつひとつ拾いながら言った。

 確かにそうだとエリカは思った。

 

「それにしても、前から思っていたんだが、以前のわたしとは比べものにならないくらいに身体が動くし、剣も遣える。実は先日の騎士団の演習でも驚かれたのだ。どうやら、わたしはずっと以前よりも、遥かに強くなったらしいぞ」

 

 そのとき、シャングリアが言った。

 エリカは自分でもそう思っていただけに、大きく頷く。

 

「やっぱり、シャングリアもそうなのね。わたしもよ……。そもそも、わたしは、こんなに連発で魔道を放てるような魔道遣いじゃないのよ。エルフ族の魔道遣いとしては三流で、それで武芸を鍛えたんだけど……」

 

「やっぱり、これはご主人様の能力なんだろうね」

 

 コゼが言った。

 エリカとコゼは、その可能性について考えていて、シャングリアが合流する前だが、ロウに訊ねたことがあるのだ。

 ロウには、性奴隷にした女の能力を引きあげる力があるのではないかと……。

 

 そのときロウは、肯定するでもなく、かといって、否定するわけでもなく、ただ笑っただけだった。

 しかし、こうなったら間違いない。

 間違いなく、ロウには、エリカたち女の能力を向上させる能力がある。

 つまりは、ロウに支配されると、おそらく、その女の能力の得意分野を中心に跳ねあがるに違いない。

 

 エリカは魔道と弓──。

 コゼはアサシンとしての素早い動きと、特殊武器の扱い──。

 シャングリアは純粋に剣技が向上した。

 

 しかも、最初にロウに支配されたときに比べても、少しずつだが能力の向上がある。

 なんとなくだが、ロウが支配する女が増えるたびに、エリカの能力も上がる気がするのだ……。

 だから、ロウがスクルズたちを支配することになったことで、エリカたちも自分たちの能力があがっていることを自覚できたということではないだろうか……。

 信じられないが、状況を積み重ねると、そういうことになる。

 これは、以前にコゼとも話し合ったことでもある。

 まったく、淫魔師というのは、つくづく謎の多い能力だ。

 

「ロウの能力? そうなのか?」

 

 一方でシャングリアは少しびっくりしたみたいだ。

 ロウが女の能力をあげることができることは、なんとなく、あれから口にはしなかった。

 だから、シャングリアについては、初めてその話題に触れるのだ。

 

「あんたにもわかるでしょう。それが、ご主人様の力なのよ……」

 

 エリカは言った。

 すると、コゼが続いて口を開く。

 

「多分、あたしたちだけじゃないわ。あの淫乱巫女も内心で気がついているのよ……。ご主人様に愛されれば愛されるほどに、能力があがることをね……。ああっ、こうなったら、戻りましょうよ。こうやって、地道に鍛錬なんかするよりも、ご主人様に愛される方が、ずっと効率よく能力をあげらるわ」

 

 コゼが苛立った口調で言った。

 エリカはそれを宥めた。

 

 もっとも、食事の支度を任せるということで、スクルズだけを残して三人で鍛錬にやってきたが、いまこうしているあいだも、ロウはスクルズに手を出しているに決まっている。

 ロウは好色だ。

 無防備に食事の支度をする美貌のスクルズを放っておくはずもないし、そもそも、あのスクルズはそうやって、ロウが襲ってくれるのを待ち構えているのだ。

 それは見ていてわかる。

 

 また、エリカの予測が正しければ、ロウはスクルズたち三人を新たに支配することで、ロウの淫魔師としての能力があがったと思う。

 それが、この数日のエリカたちの更なる能力向上をも導いた。

 しかし、おそらくロウの淫魔師の能力向上は、ロウの好色度もまた、跳ねあがらせている。

 あの事件以来のロウの性愛の激しさの変化に接すればわかる。

 スクルズたちの事件以前は、曲りなりにも、ロウの相手は三人で順番にこなしていた。

 ところが、あれから十日、ロウは三人を同時に相手にしても不足するみたいだ。

 エリカたちも頑張っているものの、ロウを満足させるには至っていないという自覚はある。

 そういう意味では、コゼは不満そうだが、スクルズが入り浸ってくれるのは、ありがたいくらいだ。

 

 それはともかく、いまは鍛錬だ。

 ロウに支配されたことによる能力向上は、望外の贈り物のようなものだ。

 そんなものに頼ることなく、ロウを守れる力を身につけなければ……。

 

「そうかもしれなけど、まだ、陽が落ちるまで少しあるし、連携について、もう少しいろいろと考えてみようよ……。ロウ様はいつでも、わたしたちを愛してくださるわ。だけど、そればかりに頼るというのも……。さあ、今度はわたしも油断しないわ。もう一度やりましょうよ」

 

 エリカは立ちあがって言った。

 

「やっぱり、エリカは真面目ねえ」

「わかった」

 

 コゼとシャングリアは、今度は嫌だとは言わなかった。




【100話現在のステータス(設定値)】


 注意1 経験人数に支配されている性奴隷同士の交合はカウントされない。
 注意2 “↑”は淫魔師の恩恵による能力向上

■ロウ(田中一郎)
 人間族(外来人)、男
  冒険者A(アルファ)(パーティ長)
 年齢35歳
 ジョブ
  戦士(レベル2)
  淫魔師(レベル75)
 生命力:50
 攻撃力
  20(素手)
  21(剣)
  ***(短銃)
 支配女
  エリカ
  コゼ
  シャングリア
  ミランダ
  スクルズ
  ベルズ
  ウルズ
  ノルズ
 支配眷属
  クグルス
  シルキー(屋敷妖精)
 特殊能力
  淫魔力
  魔眼
  ユグドラの癒し

■アスカ(****)
 白エルフ族、女
  アスカ城城主
 年齢***歳
 ジョブ
  魔道遣い(レベル99)
  召喚師(レベル90)
  戦士(レベル5)
 生命力:30
 攻撃力
  50(素手)
 魔道力:8000
 支配する奴隷
  ***
 支配する眷属
  ***
 状態
  ***

■エリカ
 白エルフ族、女
  冒険者A(アルファ)
 年齢18歳
 ジョブ
  戦士(レベル20)↑↑
  魔道遣い(レベル10)↑
 生命力:100
 魔道力:100
 攻撃力
  200(素手)↑
  400(剣)↑
  700(弓)↑↑
 経験人数
  男1、女3
 淫乱レベル:S
 快感値:100(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵

■ユグドラ
 精霊、女
  ルルドの森の女精
 年齢****歳
 ジョブ
  精霊(レベル100)
 経験人数:男:**、女**
 淫乱レベル:A
 生命力:3000
 攻撃力:10
 魔道力:3000
 快感値:1000
 特殊能力
  精霊の癒し

■ユイナ
 褐色エルフ、女
 年齢16歳
 ジョブ
  ***(レベル**)
  魔道遣い(レベル10)
  戦士(レベル1)
 生命力:100
 攻撃力
  50(素手)
 魔道力:100
 淫乱レベル:?
 快感値:?(通常)
 
■イライジャ
 褐色エルフ、女
 年齢20歳
 ジョブ
  戦士(レベル10)
  魔道遣い(レベル4)
 生命力:100
 攻撃力
  80(素手)
  100(剣)
 魔道力:50
 淫乱レベル:B
 快感値:200(通常)

■クグルス
 妖魔族(魔妖精:淫魔族)、女
  ロウの正しもべ(レベル50↑↑)
 生命力:500
 魔道力:1000

■コゼ
 人間族、女
  冒険者A(アルファ)
 年齢20歳
 ジョブ
  アサシン(レベル22)↑↑
  戦士(レベル18)↑
 生命力:50
 攻撃力
  300(素手)↑↑
  300(短剣)↑
  700(暗器)↑↑
 経験人数
  男26
 淫乱レベル:A
 快感値:300(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵

■シャングリア(モーリア=シャンデリカ)
 人間族、女
  王軍騎士
  冒険者A(アルファ)
 年齢22歳
 ジョブ
  戦士(レベル25)↑
 生命力:60
 攻撃力
  200(素手)
  700(剣)↑↑
 経験人数
  男1
 淫乱レベル:A
 快感値:100(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵

■シルキー
 妖精族、女
  ロウ家の屋敷妖精
 経験人数
  男2、女1
 淫乱レベル:A
 快感値:500(通常)

■ミランダ
 ドワフ族、女
  副ギルド長(冒険者ギルド)
  冒険者S(シーラ)
 年齢60歳
 ジョブ
  戦士(レベル60)↑
  魔道遣い(レベル5)
 生命力:200
 魔道力:100
 攻撃力
  800(素手)↑
  1500(両斧)↑↑
 経験人数
  男11
 淫乱レベル:A
 快感値:300(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵

■スクルズ
 人間族、女
  筆頭巫女(王都第3神殿)
 年齢25歳
 ジョブ
  魔道遣い(レベル60)↑↑
 生命力:50
 魔道力:800↑↑
 攻撃力
  10(素手)
 経験人数
  男4、女3
 淫乱レベル:S
 快感値:100(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵

■ベルズ
 人間族、女
  筆頭巫女(王都第2神殿)
 年齢24歳
 ジョブ
  魔道遣い(レベル40)↑
 生命力:50
 魔道力:400↑
 攻撃力
  10(素手)
 経験人数
  男1、女3
 淫乱レベル:S
 快感値:100(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵

■ウルズ
 人間族、女
  巫女(王都第2神殿預かり)
 年齢24歳
 ジョブ
  魔道遣い(レベル15)
 生命力:50
 魔道力:150(凍結)
 攻撃力
  10(素手)
 経験人数
  男5、女3
 淫乱レベル:SS
 快感値:100(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  年齢退行

■ノルズ
 人間族、女
 年齢25歳
 ジョブ
  魔道遣い(レベル40)↑↑
  魔獣遣い(レベル60)↑↑
  戦士(レベル20)
  アサシン(レベル5)
 生命力:50
 魔道力:800↑↑
 攻撃力
  200(素手)↑
  300(剣)
  450(暗器)
 経験人数
  男1、女3
 淫乱レベル:B
 快感値:300(通常)
 状態
  ロウの性奴隷
  淫魔師の恩恵
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