※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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1009 緊縛と凌辱のお誘い

「ルカリナさん、見ている限り、随分とコゼにやられていたようだけど、戦士としてひと晩で強くなれる簡単な方法があるとしたら、興味はあるか?」

 

 不意にロウが半分揶揄(からか)うような口調でルカリナに声を掛けた。

 しかし、ロクサーヌは、その横顔を見て、ロウの眼があまり笑っていないことがわかった。少なくとも冗談という感じではない。

 

「えっ?」

 

 一方で、ルカリナは、怪訝な表情でロウに視線を向ける。

 しかし、完全に興味を持ったのがわかった。

 戦士としての強さは、ルカリナの誇りであり、矜恃であり、プライドだった。それがここまで砕かれたのだ。

 まだ平静を装ってはいるが、ルカリナが内心では口惜しさを爆発させているのがロクサーヌにはわかる。

 そして、そのルカリナに強さを増大する方法があると告げたのだ。

 興味を抱くのは当然だ。

 そのルカリナは、さっきまで腕試しをしていた場所にいたが、とりあえず、ロウやロクサーヌたちが座るテーブルまでやってきた。

 テーブルを挟んだロウの前にルカリナが立つ。

 

「俺の女のひとりになる。それだけだ。それで、ルカリナさんは、これまでとは次元の違う強さを得ることができる」

 

「からかって、る?」

 

 珍しくルカリナがむっとした顔になった。

 

「揶揄ってなどいない。だが、信じられないのは仕方がないと思う。でも、本当だ。俺には身体を重ねた女の能力を飛躍的に向上させる能力があるようだ。それで、これだけの女が周りに集まっている。そうでなければ、こんな冴えない男に、これほどの美女たちが集まるわけはないだろう」

 

 ロウが笑い声をあげる。

 

「それで集まっているわけじゃないぞ。そもそも、わたしがロウの女になるのを決めたときには、ロウのそんな能力は知らなかった」

 

「あたしにとっては、ご主人様はあたしの命そのものです。でも、それは、ご主人様のそういう力とは関係ありません。ご主人様は、惨めな奴隷だったあたしに命をくれました。あたしはご主人様のものです」

 

 シャングリアとコゼだ。

 ほかの女たちも、同じようなことを口にする。

 ロウが笑いながらそれを制する。

 

「嬉しいけど、そんな大したものじゃない。俺は興味を持った女を抱いているだけだ。もちろん、好き勝手させてもらう分はできる限り大切にするけどね。だけど、結果として、彼女たちの能力があがるのも真実だ。だから、打算でも構わないから、俺に抱かれてみないか?」

 

「ええっと……。あたし、を?」

 

 そのとき、ルカリナがちらりとロクサーヌを見た。

 庇護を得るためにロウに抱かれるという話は、旅のあいだにずっとしていて、ロクサーヌもそれをロウが望むなら、そうしてもいいとルカリナに言ったりしていた。

 元カロリック公国の大公というだけで、なにひとつ持ってもおらず、渡せるもののないロクサーヌだ。

 いまはローム帝国となったタリオなどからの追っ手から守ってくれ、ルカリナとの安寧の生活を与えてくれるのであれば、大抵のことはする覚悟だとルカリナにも言っていた。

 しかし、そのロウが求めた相手はロクサーヌではなく、ルカリナみたいだ。

 それもあり、ちょっとルカリナも戸惑っているのだろう。

 

「人の言葉を喋るときには、舌がうまく動かないか? それも癒やせると思うぞ。俺に抱かれれば、君が望む自分になれる。別に、そこにいるロクサーヌ殿と別れろとか言っているわけじゃない。ただ、一度抱かれる。それだけだ。それで強くならなければ、俺がほら吹きなだけだ。君は貞操を失うが、損するのはそれくらいだろう。でも、真実であれば、君が得るものは大きいんじゃないか」

 

 ロウだ。

 

「確、かに」

 

 ルカリナが頷いた。

 

「決まりだ。両腕を背中に回して、背を俺に向けるんだ、ルカリナさん」

 

 ロウが立ちあがった。

 驚いたことに、どこから出したのかわからなかったが縄束を持っている。

 テーブルを回ってルカリナの方に向かう。

 

「えっ、縄? こ、ここで?」

 

 ルカリナが当惑している。

 ロクサーヌも驚いた。

 ロウが好色であり、女と抱くときの特殊な趣味のことはすでに知っていた。まあ、ロクサーヌも、自分自身がマゾでもあることは、さすがに自覚しているので、そういう性癖にも理解している。

 彼に抱かれるのであれば、必ず縛られるのだろうなあとは漠然と思っていたが、ここで?

 ロクサーヌは、急に喉が渇いた感覚なり、とても落ち着かない気持ちになった。

 

「縛られるのはここでだ。どうせ、俺のことは調べただろう? 俺の性癖は知っているはずだ。もっとも、心配しなくても、ここでは抱かない。ちゃんと寝室に連れていってやろう。最初くらいはね」

 

「さ、最初って……」

 

「それとも、ここがいいか? 俺はそれでもいいぞ。そういう抱き方もする。ここにいる女たちの全員がそういうことも経験済みだ。どこだ? ここか? 寝室か? それとも、俺に任せるのか、ルカリナ?」

 

「い、いや、寝室で」

 

 ルカリナが慌てて言った。

 ロクサーヌは、すでに、ルカリナがロウに呑まれてしまってたじたじになりかけていることがわかった。

 どんなことがあっても、平然をしている感のあるルカリナのそんな態度は珍しいと思った。

 

「わかった。じゃあ、後ろを向くんだ、ルカリナ」

 

 ロウがルカリナを呼び捨てにした。

 なぜだかわからないが、その言葉には、女を逆らえなくするなにかの不思議な力がある気がした。

 ふと気になって、ほかの女性たちを見る。

 全員が笑みなどを浮かべて、ロウのすることを見守っている感じだ。あるいは、こんなことはまったくいつものことだと言わんばかりに、隣の者と談笑したりだ。

 そんな状況の中でただひとり、ロクサーヌだけが緊張している気がする。

 心臓が痛いくらいに鼓動を繰り返していた。

 じゅんとした湿りと篤い股間の疼きも感じている。

 

 そして、ロウがルカリナの肩に軽く触れて、背中を向けさせる。ルカリナはもう抵抗しない。

 覚悟したのか、それとも、ロクサーヌと同じように、ロウの持つ不可思議な力に圧倒されたのか、大人しく背中に両腕を回した。

 その腕にロウの持つ縄がかかる。

 

「心配するな、ルカリナ。縛るのは支配されることを知ってもらうためだよ。それで気持ちよくなることも約束する。俺は女を支配して、欲望のままに、緊縛されたルカリナの美しさを味わう。可愛く気高いルカリナも俺の女になってもらうよ。その代償に、君は君が望む女になれる。そして、支配される快感を知ってもらう……」

 

「か、可愛い? あ、あたしが? んぐっ──」

 

 美しいとか、可愛いとか言われて、ルカリナが顔を真っ赤にして戸惑ったのがわかった。しかし、次いで、腕を縛った縄がルカリナの胸の上下にかかって締めあげられたことで、ルカリナが絶息したような息を吐いたのだ。

 

「縛るのは美しくしたいからだよ。少なくとも、俺にとっては縛った女は美しくて可愛い」

 

 さらにルカリナの二の腕に縄がかかって、首の後ろにも通り、さらに腕や胸の上下に縄が足される。腰の括れたところにも縄がかかって、後手側に縄止めが作られた。

 あっという間だ。

 ロクサーヌは、急に息が苦しくなってしまった。

 

「さて、足にも縄を掛けてやろうか」

 

 ロウが新しい縄束を出した。

 ロクサーヌには、宙から取り出したようにしか見えなかったが、どうやら収納術のようだ。

 しかし、なにから取り出したのかはわからない。

 あのエルヴェラは、魔道を帯びた小さな腰袋に収納をしていたが、ロウはそれに対応する物は持ってないように見える。

 ルカリナの膝に縄がかって、拳ひとつ分の間隔だけを作って、ルカリナの膝と膝が縄で繋がれた。

 

「さて、これで一応は終わりだ。寝室に行くか。ところで、俺の女になることを決めたルカリナに言っておくが、俺の女には全員がスカートをはくように命令している。しかも、できるだけ短いものをね。俺がズボンを許しているのはコゼだけでね」

 

 ロウが緊縛されて困惑した様子で立っているルカリナの腰を抱いた。

 

「わっ」

 

 ルカリナがいつになく、悲鳴のような声を出す。

 やはり、緊張しているみたいだ。

 それはともかく、ロクサーヌは、ふと周りを見回してみた。確かに全員が短いスカートを身につけていることに気がついた。

 例外はコゼだ。ひとりだけ半ズボンである。

 そして、比較的、みんなのスカート丈は短い。

 さっき、ロウたちと一緒に入ってきた童女メイドなど、下から簡単に下着が見えてしまうくらいの丈しかない。

 

 それにしても、冒険者ギルド長のミランダの横に立っている童女メイドの様子がやっぱり不自然なことに気がついた。

 顔が真っ赤だし、時折、びくんと身体を竦ませたりする。

 ロクサーヌも、同じようなことをされたことがあるので、もしかしたらと思うけど、こんな年端もいかない童女を……?

 おそらく、年齢は五歳か、六歳かだろう……。

 もっとも、見た目だけのことで、喋り方や仕草は、随分と大人の女性を感じさせないこともないのだが……。

 

「んんっ、リリスが気になりますか、ロクサーヌ殿?」

 

「えっ、あっ、申しわけありません」

 

 どうやら、ロクサーヌはちょっとのあいだ、そのリリスという童女メイドをじっと見つめすぎていたみたいだ。

 ルカリナの腰を抱いているロウが声を掛けてきた。

 それはともかく、みんなの前で縄で縛られて動けなくなっているルカリナは、ロウに腰を抱かれて居心地が悪そうな感じだ。

 だが、どきどきする。

 ロクサーヌもまた、なんだかいたたまれない気持ちになってしまう。

 どうして……。

 

「いや、いい。リリス、こっちに来るんだ」

 

「な、なんじゃ」

 

 屋敷妖精のシルキーとともに立っていたリリスがロウのところに向かう。

 すると、ロウがリリスの身体をロクサーヌに対して真っ直ぐの方向に向けた。

 

「スカートをまくって、ロクサーヌ殿に股間の状況をお見せしろ」

 

 ロウがなんでもないようなことに言った。

 ロクサーヌは耳を疑った。

 

「な、なんでじゃあ──」

 

 リリスが真っ赤な顔で抗議の声をあげた。

 

「うぎゃああああ」

 

 しかし、次の瞬間、そのリリスが絶叫してひっくり返った。

 それで短いスカートがめくれて、その中が覗いたのだが、リリスは黒い革製の小さな下着を身につけていた。

 リリスは慌てたようにスカートの裾を戻すものの、なぜかお尻を両手で押さえて絶叫している。

 しかし、一瞬ではあったが、その革の黒い下着が動いていたのをはっきりと見えたのだ。

 それだけでなく、割れた股からはべっとりと体液が溢れていた。

 想像の通り、メイド服のスカートの中で淫らな責めを受けていたことがわかって、ロクサーヌは自分でも驚くくらいに動揺してしまった。

 でも、本当に?

 眼の錯覚──?

 

「リリス、召使いというものは、旦那様の言葉に一切、逆らってはなりません。何度言えばわかるのです。反省しますね? それとも、まだ納得できませんか? そうであれば、お尻に流す電撃の威力をあげますよ」

 

 一瞬にして、屋敷妖精のシルキーがのたうち回るリリスの横に移動して、リリスを叱るような言葉を放つ。

 だけど、お尻にに電撃──?

 ロクサーヌは驚愕した。

 

「あらあら、相変わらず、リリスには厳しいわねえ、シルキーも」

 

「だが、いくら説教をされても、へこたれないから、サキも……いや、リリスも根性はあるな」

 

 コゼとシャングリアだ。

 こんな幼い童女が苦悶しているというにあっけらかんとしている。このふたりだけじゃなくて、ほかの女もだ。

 ここまで動じていない態度に接すると、自分の方がおかしいのかと思ってしまう。

 

「わかった──。わかった──。やめいいい──。だ、だが、お尻のディルドに電撃など、卑怯だぞ。ひぎいいいい──」

 

 リリスが泣き喚く。

 

「なにが卑怯なのです。やっぱり、もっと罰を強くしましょうか」

 

 シルキーが無表情で言った。

 

「わかったと、言ってるうう。んぐああああ──」

 

 リリスの眼がこれ以上ないと言うほどに見開かれた。

 跪いている身体が限界まで弓なりになる。

 

「もうやめなさいよ、シルキー。ロウ様に躾を命令されているといっても、お客様の前よ」

 

 エリカだ。

 

「わかりました、エリカ様。やめます」

 

 シルキーがエリカに向かって頭をさげた。

 リリスががっくりと脱力した。電撃がやんだのだろう。

 

「くくく、可哀想という気持ちにならないわね。まあ、頑張りなさい。これはもういいわ。誰かよろしく」

 

 ミランダがスカートの懐から小さくて板のようなものを出して、テーブルに放り投げた。

 なにかの操作盤という感じだ。

 表面に記号と矢印のようなものが幾つかついている。

 操作盤?

 

「ロクサーヌ殿、びっくりしたかもしれないけど、このリリスは見た目ほど幼くはない。むしろ、この中では一番の年上だと思う。ちょっとしたことがあって、この姿になったけど、本当は絶大な力を持つ高位妖魔だ。そして、いまは、仲間に迷惑を掛けた罰で、メイド修行中でね。だけど、慣れないから、いまのように粗相を繰り返すんだ」

 

 ロウが笑った。

 ようま?

 ようまって、妖魔?

 

「な、なにがメイド修行じゃ──。それとスカートをめくることと、なんの関係があるんじゃ──」

 

 リリスが膝立ちのまま身体を起こして怒鳴る。

 

「ミウ、お尻の振動を最大限」

 

 ロウが声を掛ける。

 

「これですか?」

 

 ミウがさっきミランダが投げた小さな板を拾って、指でその上をなぞった。

 

「やめええ──。ひいいいい」

 

 リリスがスカートの上からお尻を押さえて、身体を伸ばして硬直する。

 やっぱり、リリスが股間に装着させられてた革の下着は淫具に間違いない。ディルドと口にしていたので、多分それだろう。

 そして、なにかの仕掛けで、あの板で淫らな刺激が内側に伝わるようになっているのだ。

 ロクサーヌもまた、散々にやられたことがあるので確信した。

 ディル付きの革帯を股間に装着させられ、いつ振動で刺激されるのかという恐怖と焦燥──。

 あのときの不安と羞恥、望まない絶頂を無理矢理に与えられたときの高揚感──。

 それを思い出す。

 動揺して自分の顔が真っ赤になるのがわかる。

 

「まあ、リリスのことはいいか……。ところで、ルカリナ、話を戻すけど、俺の女になったら、普段はスカートをはくんだ。いいね」

 

 ロウがルカリナに視線を戻す。

 だが、まだ地面ではリリスが悲鳴をあげて、お尻を震わせている。そして、ほかの女たちもまた、平然としたままなのだ。

 まるで、こんなことはなんでもない日常だと言わんばかりだ。

 ルカリナも呆気にとられて見ていたが、ロウの言葉にはっとなった感じになる。

 

「えっ、い、いや、あ、あたしはスカートは、い、一度も……」

 

「口答えはなしだよ、ルカリナ」

 

 すると、ロウがルカリナのズボンにすっと片手を伸ばすと、いきなりズボンを緩めて、ルカリナが縄で縛られている膝の位置までズボンをおろしてしまった。

 

「うわっ、なに──」

 

 さすがにルカリナが動揺して、身体を捻って抵抗しようとしたが、縄で縛られているルカリナにはどうすることもできない。

 ルカリナは縄で縛られ、ズボンを膝までおろされて、下着を露出した格好になる。

 

「わっ、わっ、わっ」

 

 リカリナが必死で片脚をあげて、腿で必死に下着を隠すような仕草をするが、膝と膝を繋げられているので、ほとんど隠せないでいる。

 ルカリナの下着は、男がはくような大きな物だ。

 そんな可哀想な姿に、ロクサーヌも激しく動揺する。

 

「色気のない下着だな。後で俺が俺の女専用の紐パンを贈ってやる。それ以外は身につけるなよ」

 

「そ、そん、な……」

 

「返事──」

 

 ぱんとロウがルカリナのお尻を手で打つ。

 

「くっ、は、はいっ」

 

 ルカリナが顔をしかめた。

 だが、ロクサーヌもまた、自分がお尻を叩かれたかのように、歯を喰い縛ってしまう。

 

「さて、じゃあ、行こうか、ルカリナ。約束だからここで犯すのは勘弁してやろう。その代わり、寝室までこのまま歩いてもらうぞ。それと好色な俺のことだから、寝室につくまで、散々に悪戯するくらいは覚悟してくれ」

 

 ロウがルカリナの腰を抱いていた手をルカリナに乳房の上に移動させる。

 服の上からぎゅっとルカリナの胸を握る。

 

「あっ、ああっ」

 

 その瞬間、ルカリナががくんと膝を折った。

 ええ──?

 ロクサーヌは驚いた。

 

「驚くなというのは無理かもしれないが、ロウの手はまさに神の手だからな。本気になると、どんな女でもあんな風に気持ちよくなるんだ」

 

 シャングリアだ。

 ロクサーヌは唖然としてしまった。

 ロウがルカリナの胸から手は離したが、ルカリナはすでに息を荒くしている。

 そして、すでに怯えるような表情をしてロウを見ている。

 あんなルカリナの姿は初めてかもしれない。

 

「さあて、じゃあ、俺たちは寝室に行きますけど、ロクサーヌ殿はどうします?」

 

「えっ?」

 

 突然にロウがロクサーヌに話しかけてきた。

 なぜか、胸の動悸が激しくなる。

 

「あなたも縛られたいんじゃないんですか? このルカリナと一緒に辱められたいのでは? あなたが縛られたいと思うのであれば、そうしてあげますよ」

 

 ロウが柔和に微笑む。

 ルカリナと一緒に、ロウに縛られて辱められる?

 ちょっと想像しただけで、全身に震えが走りそうになる。

 

 どうしよう?

 どうしよう……。

 でも……。

 

「凌辱してあげましょうか? ルカリナと一緒に来ますか?」

 

 ロウが探るような視線をロクサーヌに向けてさらに言う。

 いつの間にかかなりの汗をかいている自分に気がついた。

 おそらく、ロウに抱かれれば、自分は変わる。

 理由はないが、ロクサーヌはそれを確信していた。

 同時に、取り返しのつかないことにもなる。

 

 多分、ロウはロクサーヌを変える運命の男なのだろう。予知夢でもそれを暗示していた。

 予知夢の中のロクサーヌは、このロウに心から支配され依存していた。

 だから、それは恐怖でもある。戸惑いもある。

 だけど、ロクサーヌの内心は、やはりそれを望んでいる。

 

 縛られて、辱められて、陵辱され、どうしようもなく恥辱に泣かされたい。

 どうして、ルカリナにロウは迫り、ロクサーヌにはあまり興味を示すような態度をとらないのか……。

 ちょっと、そう思っていた。ロクサーヌにも構って欲しいと……。

 でも、いま、ロウに求められた。

 ならば……。

 

「返事は? ロクサーヌ」

 

 ロウがにやりと微笑む。

 どきりとした。

 ああ、だめだ。

 多分、ロクサーヌは彼のとりこになる、

 そして、おそらく、ここまでことは、全ては彼の計算なのだろう。

 彼は知っているのだ。

 どうすれば、ルカリナが彼になびき、そして、どうすれば、ロクサーヌが堕ちるのかを……。

 だから、先にルカリナを誘い、仲のいいルカリナがロウにいたぶられるのを見せつけ……、ロクサーヌを焦れさせて……。

 

 本当は、そうではないかもしれないが、実際、ロクサーヌは出口がひとつしかない袋小路に追い詰められた気分だ。

 行き先は、ロウに嗜虐して欲しいと哀願するしかない方向だ。

 ほかには、行けない。

 ロクサーヌにはない。

 なによりも、ルカリナと一緒に……。

 

「わ、わたしは……」

 

 ロクサーヌは口を開いた。

 そのときだった。

 

「だ、旦那様──」

 

 さっきとは打って変わって焦ったようなシルキーが大きな声で怒鳴った。

 無表情に近かったシルキーは、いまは動顛している様子だ。

 

「どうした?」

 

 ルカリナの腰を抱き直していたロウがシルキーを見る。

 

「わかりませんが、何者かに外から屋敷を攻撃されています。結界が破れます──。凄まじい力です──」

 

 中庭からはなにも見えないが、何者かに攻撃されている?

 この屋敷妖精がこの屋敷に結界を敷いているのは、教えてもらっていたが、それが破れる?

 

「全員、ロウ様を囲んで──。ミウ、屋敷に残っている者にも、緊急事態だと知らせて──。防御体勢──」

 

 エリカが怒鳴った。

 

「みんな、武器だ──」

 

 ロウが叫んでたくさんの武器が弾け飛んだ。

 また、ルカリナの拘束が一瞬にして解けた。

 地面の上でお尻を押さえて暴れていたリリスも、淫具の責めから、解放されたみたいだ。

 

「来ます──」

 

 シルキーが叫ぶ。

 

「防護膜を張ります──。できるだけ集まって──」

 

 ミウが叫んだ。

 頭の上に見えない膜のようなものが張られたのがわかった。

 次の瞬間、空が破けて、そこから凄まじい程の衝撃波が中庭の真ん中をぶち抜いた。





 *

 ロクサーヌとルカリナの「主従合わせ責め」が寸止めになって申し訳ありません。次話は『怪獣大戦争』をお送りします(笑)。(作者)
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