【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
狂う程の掻痒感と焦燥感──。
エリカは暗闇の中で必死に戦っていた。
痒みを伴なう媚薬を塗られて放置される責めは、ロウの好きな責めなので、エリカは、数限りなく、幾たびもその苦しみを味わう機会があるが、何度受けても慣れるということはない。
しかも、革ベルトで両脚は開脚に拘束されており、いくら捻っても太腿さえこすりつけることはできず、寝台の頭方向にも鎖で繋がれている両腕は指縛りで端末を喉に巻き付けられているので、身じろぎすると首が締まり、もがくことさえままならないのである。
エリカは、ボールギャグを嵌められている口の中から、ただただ呻き声をあげることだけしかできなかった。
すると、突然に暗闇だったイライジャ用の仮眠室に明かりが灯った。
やっと、イライジャが戻ってきたのだ。
「んんんっ、んぐううっ」
エリカは懸命に首をあげ、部屋に入ってきたはずのイライジャに向かって、抗議の声をあげる。
「あら、本当にエリカがいるじゃないのよ。へええ、ちゃんと裸にされているのね」
「まあ、エリカ。久しぶり……ってほどじゃないか。先日はマイムで意地悪してくれたよねえ。よーく、覚えているよ」
驚いたことに、ゼノビアとシズの声がした。
まさか、イライジャがここに連れてきた?
エリカは眼を見張った。
「あたしとエリカとシズの仲なんだから、シズが百合遊びに加わるのはいいわよねえ? さっき教えてもらったけど、あんたも、マイムでシズに散々なことをやったらしいじゃないのよ。そして、ゼノビアは特別招待よ。シズのいまの恋人だもの。追い返すわけにはいかないじゃない」
イライジャだ。
そして、三人がエリカが仰向けに拘束されている寝台の周りに集まる。
エリカは不安におののいて、大きく胸を喘がせた。
イライジャがもちろん、エリカの性感を知り尽くしていて、さらに女責めの性癖を持っているのはよく知っている。
少女時代に、エリカやシズに、百合の性癖を教え込んで調教したのは、ほかならぬイライジャなのだ。
そこに、さらにゼノビアだ。
ゼノビアがイライジャ以上に危険な百合好きなのは完全にわかっている。
その二人に加えて、シズがいるのだ。
先日のマイムの城郭では、ロウにそそのかされて、散々にシズを羞恥責めに逢わせて愉しんだ。
ゼノビアもそうだが、シズも相当に腹をたてていたように記憶している。
そのふたりが、イライジャとともに来たのだ。
エリカは、自分が大変な危機に陥っているような気がした。
「んんっ、んんんっ」
とにかく、解放してもらおうと思って、エリカはイライジャに向かって、必死に訴える。
塗られた媚薬は、ロウの精を注いでもらわないと、疼きも痒みも消滅することはないという特別なものなのだ。
だから、ここにいるあいだは、エリカの苦悶がなくなることはない。
とにかく、ロウのところに連れて行ってもらわなければ……。
それを哀願する。
「なに言ってのかな? もしかして、触って欲しいのかい、エリカ?」
ゼノビアがすっとエリカに手を伸ばす。
そして、エリカの髪をすいて、エルフ族特有の長い耳を指で優しく撫でまわすと、さらに首筋や肩に指を這わせてきた。
「んんんんっ」
なんでもない愛撫だ。
だが、いまのエリカにはとんでもない衝撃として、全身に大きな疼きを迸らせた。
エリカは拘束された裸身を弓なりにしていた。
「エリカは、脇の下も感じるのよねえ。昔はそうだったけど、いまはどう?」
反対側からシズも手を伸ばしてくる。
両方の脇の下を手で触ってくる。
「んふうっ──。ふううっ」
泣くような快感が全身を走る。
痒みの苦しみだけでなく、快感を底上げする強烈な媚薬にすっかりと溶け込んでしまったエリカは、なにをされても蕩けるような甘美感に包まれてしまう。
シズの手が脇の下から乳房の裾野に近づく。
エリカは痒みに苛まれている乳首に触れて欲しくて、ほとんど無意識にそっちに胸を傾けた。
だが、シズはそれを裏切るように、裾野から先には進んでくれない。
一方で、そのあいだも続いていたゼノビアの指は、いまは腰の括れに移動していて、それが突然にすっと内腿の付け根に触れてくる。
そして、クリトリスをクリピアスごと、下腹部に向かって強くぎゅっと圧迫してきた。
「んぐうっ──」
身体の芯まで貫く凄まじい気持ちよさに、エリカは吠えるような声をあげて、ゼノビアの手に向かって腰を突き出す。
だが、触ってくれたのは一瞬だけだ。
すぐにゼノビアは手を離してしまった。
「んんんんっ」
残るのは、火のように熱くて痒い股間と、狂うような焦燥感である。
エリカはぼろぼろと涙を流した。
「ふふふ、大丈夫よ、エリカ……。ちゃんと三人で可愛がるから……。それで、とにかく、これでいいわね。約束通りにエリカを責めさせてあげるわ。その代わりに、明日の朝、一番で特異点クエストに向かうのよ。いいわね」
イライジャだ。
エリカの頭側に位置をとったイライジャがエリカを慰めるかのように、すっと眼の下の涙を指ですくう。そして、ゼノビアとシズに向かって、なにかの念を押すような物言いをした。
もしかして、なにかの交渉の材料にされた?
さすがに、ちょっとむっとなる。
しかし、いまのエリカには文句を言うこともできない。
そもそも、よく覚えてないが、確か、そもそもロウはふたりに訊ねたいことがあると言っていた気が……。
「わかっているよ。まあ、ミランダを含めて、冒険者ギルドの扱いには、言いたいことが山程あったけど、あんたに免じて、気を直してやるさ」
ゼノビアだ。
妙に上機嫌だ。
「こういいのもいいよね。エリカ、この前のマイムでは、あんたが意地悪したけど、今夜は、あたしたちが意地悪する番よ。まさか、だめとは言わないわよね」
シズもエリカへのくすぐるような愛撫を一度中断して、エリカの顔を覗き込んできた。
シズもまた、愉しそうだ。
「んがご──」
エリカはそのシズに向かって怒鳴った。
“いやよ”──。
そう言ったつもりだったが、ボールギャグに阻まれて言葉にならず、ただ口の中にあった大量の唾液が小さな穴から飛び出た結果に終わる。
その唾液が顎から首に伝って落ちるのがわかる。
それも情けない。
「エリカは悦んで承知だそうよ」
イライジャが笑って言った。
エリカは違うという意思を示すために、必死に首を横に振る。
「今夜のあんたには拒否権なんてないんだよ──。先日は、ロウとともに、このあたしを玩具にしてくれやがって。このイライジャとは、あんたに仕返しをさせてくれる約束で、ギルドに引き続き奉仕することに決めたんだ。そもそも、こんなに股を濡らしてくるくせに、駄々を捏ねんじゃないよ──」
ゼノビアが再びエリカの股間に手を伸ばして、今度はクリピアスを握って乱暴に左右に動かしてきた。
「んごおおお──」
激痛であるが、発狂するほどの痒みに苛まれているエリカにとっては、ありがたい刺激だった。
大きく吠えるように叫んで、拘束されている身体を揺する。
「だめよ、ゼノビア。今夜は、乱暴はご法度よ。優しく扱うのが決まりね。今夜から、あたしたちは百合の関係になるのよ。ロウの愛人には、十歳のミウが中心となっている“新参者の会”というのがあるそうよ。知っているかしら?」
「新参者の会? なんだいそれ?」
ゼノビアが呆れた口調で言った。
新参者の会というのは、ミウが言い出したロウの愛人の中で作るミウの仲良しグループであり、ミウとマーズとイット、さらにユイナのことだが、よく集まってロウへの奉仕の練習や情報交換と、かなり好色な集まりをしているみたいだ。
「そういう集まりよ。だから、同じロウの愛人同士、あたしたちは“百合の会”というのを作るのはどう? メンバーはとりあえず、この四人よ。生贄はそのときどきで見つけてくるわ。まあ、メンバー同士で責め合うこともあるでしょうけど」
「百合の会? なんだ、その馬鹿みたいな名前は?」
「気に入らない? 目をつけている娘はいっぱいいるわ。順番にゲストとして、呼んでこうやって遊ぶのよ。呼びたい娘はいる? 唾つけとくわ」
イライジャがくすくすと笑う。
なにそれ──?
エリカも呆れた。どうでもいいけど、巻き込まないで欲しい。
いまも、死にそうなくらいに痒い──。
こうやって放置されていることで気が狂いそうになる。しかも、長くほったらかしにされ、そこに刺激を受けて一瞬だけ快感に染まり、また会話のあいだ、なにもされない時間が続いている。
それが死にそうなくらいに辛い──。
いつの間にか、エリカは再び身体を必死にくねらせていた。
「呼びたい娘って……。あんたが呼んでくれるのかよ……。たとえば、くそ生意気なコゼとかも呼べんのか?」
ゼノビアが怪訝そうに言った。
コゼ──?
「コゼね。じゃあ、あんたらのクエストが成功して、
「操心術? ロウ殿って、そんなこともできるのかい──?」
ゼノビアは驚愕している。
「できるのよ。それで返事は? あっ、シズは拒否権なしね。拒否すれば、あんたを調教するところからやり直すわ」
イライジャがエリカを挟んでゼノビアとシズを見る。
シズは、イライジャには弱い。エリカもそうだが、少女時代のことがあるので、心が逆らえないのだ。
シズは面食らった顔ながらも、イライジャの強引さに押されるように、すぐに頷かせている。
それはともかく、コゼを幼児化して苛める──?
それなら、やりたい──。
滅茶苦茶やりたい──。
「んんんっ」
エリカはイライジャにそう言った。
すると、イライジャがエリカを見下ろして破顔する。
「シズとエリカも参加ね。ゼノビア、あんたは?」
「まあ、悪くないね。ロウ殿にちょっかいを出さないようにしてくれるならね」
「それは請け負えないわね。ロウはロウで自由だもの。多少のことは受け入れなきゃ。だけど、考えてもみなさい。ロウの中ではあんたらは、すでに自分の女のひとりよ。揶揄いもするし、嗜虐もするけど、愛しもするし、守ってもくれる。そりゃあ、特殊な抱き方をするけど、それは彼の性癖なのよ。受け入れなきゃ……。そして、それはあんたらの心とは関係ない。ロウの中ではすでに、ゼノビアもシズも、彼のファミリーの一員なんだから……」
「ファミリーって……」
ゼノビアは当惑している。
「すでにとり込まれているということよ。だけど、それで損をすることはあるの? よく考えなさい。ロウが女の能力を引きあげるという特別な力があることは、すでに知っているんでしょう? 本当にロウから離れることができるのかしら? 冷静になってどう? ロウに愛されて、その女のひとりに加わることは不服? なにか損が?」
「そ、そりゃあ……。まあ、悪いことだけじゃないことは認めるけど……」
「なら、受け入れることね。どうせ、ロウにかかれば、拒否権なんかないんだから。そのうえで、愉しめばいい。百合の会としてね……」
イライジャが蠱惑的に微笑む。
エリカはちょっと怖くなった気もした。
「まあ、悪くないか……。なら、わかった。別に損をする話じゃないしね。百合の会──。入るさ。ロウに媚びを売れというなら売るよ。その代わりに、次は幼児化したコゼだ。約束は守んな──」
「決まりね。大丈夫よ。ロウを引き込む自信はあるの。問題ないわ。説得は任せておいて。とにかく、言質はとったわよ。ロウのことも多少は受け入れんのよ」
「わ、わかったよ」
ゼノビアが渋々という感じで頷く。
「よし──。じゃあ、お愉しみの時間よ──」
イライジャがポンと自分の胸を叩く。
確かに、イライジャなぜか、ロウに対して、押しが効く。その傾向があることは以前から感じていた。
イライジャ自身が言うとおり、イライジャには不思議な説得力もある。おそらく、ロウはイライジャが口にした「百合の会」とやらを気に入り、便宜も図ってくれるかもしれない。
そんな気もする。
まあ、もしかしたら、イライジャが性癖的には、ロウに近い責め側にあるというのもあるのかもしれないが……。
だが、そもそも、イライジャそのものが一癖もふた癖もあり、なにを考えてるのか……。……。
「いずれにしても、さっきからエリカがお待ちかねよ。可哀想にこんなにお股で涎を流して……」
イライジャがすっとエリカの股間を指で軽く抉る。
「んっふぐうううう──」
痺れるような甘美感にエリカは、それだけで悶絶しそうになってしまった。