※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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1049 列州同盟の執政官(4)─雌”馬”執政官

「うっ、くうっ、うっ」

 

 リィナは、わずかに足を滑らせるように前に出した。

 それだけで、肩と腰と膝にのしかかる重圧が数倍になって襲いかかる。

 

「そうよ。しっかり歩きなさいね。さもないと、お尻をびりびりよ。わたしも何度も味わったけど、あれを味わわされると、さすがに逆らう気は消滅するわよね。そうじゃないという者は一度やられればいいのよ」

 

 ソファに大きな態度で座っているユイナが手の上で操作盤をもてあそびながら笑う。

 さすがにふらふらと揺れるのだが、一応はは肩の上に乗っているルカリナが落ちないようにバランスはとってくれる。

 ただ、そのたびに強く髪の毛を引っ張られて、強い痛みが走る。

 

「ふう、ふう、ふう……」

 

 まだ数歩だ。

 しかし、リィナの身体にはおびただしい汗が噴き出しいるし、荒くなった息が棒状の口枷の隙間から吐き出すようになっている。

 なぜ、こんなことを……。

 こんな不条理な扱いを受けるなど、信じられないことだ。

 だが、リィナは気がつくといつの間にか、社会的地位も人格も、矜恃も誇りもすべてを捨てさせられて、惨めに裸で歩かされている。

 

「もっと、早く歩きなさい。気合いを入れてあげるわね。軽く股に電撃を流すから、ひっくり返るんじゃないわよ」

 

 視界の隙間に、ユイナがすっと操作盤に指を動かすのがうつった。

 

「ううっ、ううっ」

 リィナは必死に哀願するが、棒革のさるぐつわに阻まれて言葉にはならないし、大柄のルカリナが肩に乗っているので、首を横に振ることさえできない。

 

「うおおおっ」

 

 リィナは口を大きく開いて絶叫していた。

 ユイナの予告のとおりに、びりりとした電撃が股間を貫いた。

 だが、その激痛に身体を反応させる余裕は、いまのリィナにはない。大きく身体を崩してしまえば、その瞬間にルカリナを落としてしまうのは間違いないからだ。

 やがて、やっとのこと、壁まで辿り着く。

 すでに、疲労困憊だ。

 リィナは息を整えようと、束の間足をとめた。

 

「んぐうっ」

 

 その瞬間、思いきりルカリナに足乗せに力を入れられて、乳首が千切れるのかと思うような痛みが走る。

 両乳首を挟んで小さな金属板がぶら下げられていて、それに鎖で繋がっている足乗せにルカリナが足を乗せているのである。

 それを踏み引っ張られたのだ。

 

「ふふふ、とまったらだめです、閣下。すぐに回れ右」

 

 ルカリナが頭の上で言う。

 口調は優しいが内容は辛辣だ。

 

「そういうことよ、おばさん。これは、自尊心の高いあんたがただの雌犬になるための訓練だと思いなさい。いまのは大目に見るけど、今度勝手にとまったら、お尻に強烈な電撃をお見舞いするわよ。それこそ、うんちが垂れるくらいのね」

 

 ユイナが笑う。

 リィナは足を小刻みに動かして、なんとか身体の向きを反転させる。

 すぐによちよちと歩き出すが、反対側の壁までの距離の遠さに悄然となってしまう。

 しかし、逆らうことは許されない。

 リィナは、電撃の恐怖に追い立てられるように、これが最後だと思いながら、次の一歩を進ませ続ける。

 口枷の隙間から絶えず垂れ続ける涎が乳房を濡らし、さらにそこから床に向かって垂れ落ちる。

 呼吸も苦しい。

 太腿は引きつるような筋肉の痛みに耐えかねて、ぶるぶるとした痙攣が起きている。

 

 やっぱり無理だ……。

 こんなの絶対に……。

 そう思いながら、リィナはとにかく歩き続けた。

 

 


 

 

「へえ、思ったよりもやるわね、おばさん……。さすがね。回れ右よ」

 

 ユイナに背中からかけられた言葉で、いつのまにか反対側の壁に辿り着いていたことを知った。

 汗のために、目もかすんでよくわからなかったのだ。

 リィナは再び、身体を反転させていく。

 だが、身体を回すということは腰を捩るということであり、それがぎしぎしと腰骨と背骨を押し潰す。

 いまだに、ルカリナを落とさないでいられるのが信じられない。

 

「頑張るのよ、犬──。ルカリナ、顔をあげさせない」

 

 ユイナが声を掛けてくる。

 髪の毛がまたもや引っ張られて、視線をあげさせられた。

 視界に一往復してきた床がうつる。

 転々と涎が線になって残っていた。

 前盟主のクロイツ=マルエダから盟主の座を奪って、いまや辺境域六家を完全に牛耳る女伯爵の自分が自らの涎ひとつ処理できない事実は、リィナを汚辱感に追い込む。

 余りもの苦痛と疲労のために頭がぼんやりとしてきた。

 だが、犬だという言葉だけが頭の中で明晰に繰り返す。

 

 そうか、犬なのか……。

 

 リィナは進みながら思った。

 だが、それで屈辱から解放されるわけではない。

 犬としての恥ずかしさも、犬としての苦しさも、犬としての矜恃とともに、しっかりと身体の芯に刻まれているような気がした。

 

 


 

 

 幾度目かの、二往復目が終わる。

 あと、一往復……。

 絶対に終わらないと思っていた、三往復の終わりが見えてきた。

 それは絶望の中にやっと垣間見えた希望だった。

 そして、それはリィナから奪いさられようとしていた女執政官としての誇りと矜恃、なによりも、人としての自信を蘇らせる。

 すでに、歩き方はわかってきた。

 

 いける……。

 

 多分、大丈夫……。

 

「んおおっ、おおっ」

 

 ところが、最後の一往復のための身体を回転させようとしていた刹那を狙って、突然に股間とアナルのディルドが激しく動き出した。

 一気に腰の力が抜ける。

 腰が揺れて、ルカリナを支えられなくなった。

 リィナは途方に暮れてしまった。

 そのあいだも、股間を襲う快感の衝撃が脳天を貫いて揺さぶる。

 

「とまるんじゃないわよ──。電撃よ。それとも、最初からやり直しさせられたい?」

 

 ユイナが怒鳴る。

 

「んんっ、んんっ」

 

 リィナは全身を震わせながら、必死に身体を捻ろうとした。

 だが、股間に激しい刺激を受けながら、この疲労困憊の状態で身体を支えるのは無理だった。

 

「んんんっ」

 

 リィナは天を仰ぐような体勢で胸と腰を揺らして、がくがくと身体を痙攣させていた。

 凄まじい歓喜が身体を抉り、駆けあがり、脳天を突き抜けた。

 気がつくと、リィナは両膝を床につけ、ルカリナを落としてしまっていた。

 

「おごおおおおっ」

 

 次の瞬間、電撃がアナルに襲いかかった。

 絶頂したばかりの無防備な身体に、電撃の激痛が貫く。

 

「あがががががが──」

 

 しばらくのあいだ、リィナは電撃の苦しみにのたうち回っていた。

 そして、やっと電撃が終わる。

 すると、そばにいたルカリナが棒の口枷をリィナから外す。

 

「残念だったわね。やり直しよ。罰として、五往復にしてあげるわ。それとも、やめる? その代わり、ロウには会えないわよ。あいつには、あんたが完全な犬なったときに会わせてあげるわ」

 

 ユイナが意地の悪いことを言った。

 冗談じゃない。

 そんなの嫌だ──。

 

「いえ、やるわ──。もっとしつけて──。ちゃんと雌犬の調教をしてください──」

 

 リィナは叫んでいた。

 

 


 

 

「あっ、ああっ、あっ」

 

 体力も気力もすでに尽きていた。

 だが、いまだにリィナは歩き続けている。

 それはもはや、意地だった。

 絶対に成功してみせる。

 その意思の一点だけで頑張っていた。

 

「頑張って……。でも、遅くなっている。それじゃあ、雌犬は失格……」

 

「ひぎっ」

 

 肩に乗っているルカリナが容赦なく足を踏ん張って、乳首に激痛を加えた。

 

「そういうことね。性奴隷の雌犬だというなら、だんだんと歩くのが速くなるくらいでなきゃ。歩けと言われれば死んでも歩く。休むなと命令されれば、休まない。それが雌犬奴隷というものよ。あんたはだんだんと遅くなっているじゃないの」

 

 ユイナだ。

 そして、今度は股間側のディルドは激しく振動を再開した。

 

「あっ、おおあああっ」

 

 リィナは吠えるように、ルカリナを肩に乗せたまま全身を突っ張らせた。

 絶頂していた。

 だが、それでも肩の上のルカリナを振り落とさないだけの姿勢を保つことはできた。

 いまや、限界を越したリィナの身体は敏感になりすぎてて、ちょっとした刺激にも耐えられなくなっていた。

 またもや、リィナは立ったまま絶頂してしまった。

 

「休むなというのにねえ……。でも、ルカリナを落とさなかったのはよくやったわ。ご褒美に目標を減らしてあげる。目標は十往復よ。その代わり、最初から。はじめ──」

 

「ひごおっ」

 

 アナルに電撃──。

 倒れはしなかったが、容赦のない激痛にリィナは涙をぼろぼろとこぼしてしまった。

 だが、その苦悶の一方で、リィナは酔うような開放感と甘美感を味わっていた。絶頂したばかりの身体に新たな絶頂が襲いかかる。

 

「んごおおっ──」

 

 そして、昇天した。

 リィナはルカリナを乗せたまま、腰を震わせて身体を突っ張らせる。

 

「リィナ様、すごい……。立ったまま、絶頂……。すごい、雌犬に近づいている……」

 

 頭の上のリカリナがリィナの頭を撫でる。

 嬉しい……。

 もう頭は朦朧としてなにも考えられないのだが、褒められて嬉しいという感情だけが大きく沸き起こる。

 

「始めなさい──。十往復よ」

 

 ユイナが叫ぶ。

 リィナはよろよろと再び歩き始めた。

 

 もうどのくらいこの苦役を続けているのだろうか?

 すっかりと思考は麻痺して、わからなくなっている。

 とにかく、失敗するたびに、罰として目標の距離を伸ばされて、最初は三往復の目標がいまや、十往復が目標に変わっていた。

 そして、一度も成功していない。

 あと少しというところで、必ずディルドの振動で邪魔をされ、腰を抜かして膝を崩すか、立ち止まって、やり直しを命じられるということをひたすらに繰り返すだけだ。

 だが、もはややめるという感情はない。

 それは、雌犬としてのリィナの誇りであり、強い矜恃でもあった。

 

「速度をあげなさい。クリトリスを刺激しっぱなしてあげるわね。その代わりに、速度は倍──」

 

 ユイナだ。

 そのとおり、クリトリスに喰い込んでいるディルドの枝が前後左右に動き出す。

 大きな甘美感が貫く。

 なにがその代わりなのか、理解不能だ──。

 またもや、快感の矢が全身を貫く。

 

「んごおおっ」

 

 噛まされている棒状の口枷の下から吠えるような声をあげて絶頂する。

 

「言っているそばから止まるんじゃない──。やり直し──」

 

 どうやら、またとまってしまったらしい。

 すると、股間とアナルとクリトリスにも強い電撃が迸った。

 

「あがあああっ」

 

 リィナは悲鳴をあげた。

 

 


 

 

 股間がぶるぶると震える。

 最後の一往復は、前後二本のディルドを一度も止められることなく歩かされた。

 

 幾度も絶頂した。

 

 だけど、一度もとまらなかった。

 

 それは股間やアナルに電撃を浴びさせれても同じだ。

 

 漲る汗は、リィナの裸身をまるで飴細工にしたかのように光り濡らしている。

 

「ふふふ、よくやったわね、まさか成功するとは思わなかったわ。お疲れさん。十往復よ」

 

 ユイナの声がした。

 ついに、十往復やり遂げたのだ。

 ルカリナが待ちきれなかったように、リィナから跳び降りる。

 口枷も外してくれた。

 一方で、リィナは身体を支えることができずに、うつ伏せに倒すと、そのまま荒い息をしたまま身体を床に横たわらせた。

 

「頑張ったわね、執政官様。ご褒美だそうよ」

 

 ユイナがくすくすと笑ったのが聞こえた。

 すると、がちゃんと音がして、股間に嵌められていた革の下着が緩んだのがわかった。

 

「こういう仲間内の《プレイ》も俺たちの仲間になった証だ。どうなることかと思ったけど、リィナも満更でもなかったようだったから放っておいた。心配しなくても、後でしっかりと、このふたりを責めさせてやる。そのときに、しっかりと仕返してしてやれ」

 

 股間からディルドがずるずると引き抜かれる。

 抜かれるときに、かなりの愛液が一緒に放出されるのがわかった。

 それはともかく、驚いて身体を動かして顔をあげる。

 目の前にロウがいた。

 いつ来たのか、どうやって現れたのかわからない。

 だが、事実として、目の前にロウがいる。

 なにも考えられずに、リィナは残っていないはずの体力を使って身体をよじり起こし、後手に拘束されている身体をロウにぶつけるようにくっつける。

 

「ああっ、ロウ殿──。おおっ、ロウ殿──」

 

 なにも考えられない。

 ただただ、嬉しい──。

 会いたかった──。

 ロウが目の前に現れてくれた。

 もうそれで十分だ。

 なにもかも、それで報われた。

 リィナは感情を爆発させてしまって、とにかく号泣した。

 

「ちょっと待ってよ。いま、聞き捨てならないことを聞いたんだけど? 仕返し調教をさせるって言わなかった、ロウ?」

 

 そのとき、ユイナの呆れた声が聞こえた気がした。

 だが、すぐに忘れた。

 いまはロウだ。服を着ていない素裸だった。

 とにかく、ここにロウがいる。

 

「うわあああん」

 

 リィナは感極まってしまって、ひたすらに身体をロウに擦りつけ続けた。

 

「当然だろう。お前ら、雌犬プレイをやれとは言ったけど、かなりえげつなく責めていたじゃないか。可哀想に……」

 

 ロウが笑っている。

 

「だったら、とめればいいでしょう。そうしなかったのは、あんたがこのリィナ様が苦痛に悶えるのに興奮してたからでしょうに。この変態──」

 

「まあ、否定はしないよ。でも、仕返しは甘んじて受けろ。ルカリナもだ」

 

「ふふふ、もちろんです。リィナ様、よろしくお願いします」

 

 ルカリナは笑っているようだ。

 

「さて、じゃあ、雌犬になった執政官殿の淫乱度を点検してやろう」

 

 ロウがリィナを跪かせて、お尻側を自分に向けた。

 アナルの先端にロウの先をあてがったのがわかる。

 アナル──。

 はっとしたが、忌避感はない。

 ゆっくりと股間に入ってくる。

 

「あはああっ」

 

 あっという間だった。

 身体はどこもくたくたであり、腰も膝も太腿もなにもかも疲労困憊なのに、快感だけが凄まじい津波になって襲いかかってきた。

 いや、この極限状態だからこそ、快楽が平常の十倍、いや、二十倍にもなって増幅されたのだろう。

 

「いぐううっ、いぎまずうう──」

 

 次の瞬間、リィナは上体を突っ張らせて、脳天にまで響き渡る喜悦の衝撃に身を委ねていた。

 大きな快感がリィナの全身を貫いたのだ。

 

「そんなに敏感になってしまったら、身体がもつのかなあ。大事な話もあるんだけだけどねえ……。とりあえず、イムドリスのことだ。この辺境域にも、イムドリスの門を開設させた。これからは、毎晩会える。しっかりと、雌犬……、いや、雌馬調教をしてやるな。さっきのように……」

 

 ロウがリィナのアナルを犯しながら言った。

 話の意味はまったくわからない。

 とにかく、あまりにも敏感な極限状態のリィナの身体は、狂ったような連続絶頂をリィナから引き起こしていく。

 

 雌馬調教……。

 

 それがどういうものなのかは検討持つかない。

 だが、新たな情欲の深淵に引きずり込まれるのを予感した。

 とにかく、アナルを犯されながら、リィナは全身の肉の喜悦に身体も心も激しく踊らせた。

 究極の悦びから至上の悦び、さらなる歓喜がリィナの中で噴き出し、揺れ、弾み出していくのを感じた。

 

 

 

 

(第21話『クロノスの女たち』終わり、次回より最終話『クロノスの婚姻』)

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