【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
扉が左右に開かれ、一郎はエリカとともに、準備された「ヴァージン・ロード」の前端に進み出た。もっとも、この世界には「ヴァージン・ロード」という単語は存在しない。この会場の下見に来たとき、一郎が思わず「ヴァージン・ロード」と呼んだとき、どういう意味かと女たちに首を傾げられたほどだ。
考えてみれば、処女どころか、アナルまで調教してやった女たちを相手に、「
だから、一郎は、新郎と新婦がこの世界に誕生し、それぞれに出会ってきた軌跡をなぞらえた表現だと説明したら、なんとなく納得した顔になった。
「行くぞ。そんなへっぴり腰になるな。しゃんとしろ」
一郎は、一郎の左肘に手を添えて横に立つエリカに声をかけた。
「わ、わかってます……」
エリカが視線を真っ直ぐに伸ばす。
だが、その顔は真っ赤だし、懸命に我慢しているが、すでに息も荒い。
なにしろ、この衣装を着こなすには、かなりの忍耐力が必要だ。心の忍耐ではなく、性感の刺激に対する忍耐だ。
エリカのみならず、一郎が開発しまくってすっかりと感じやすくなったエリカたちには、つらい「ヴァージン・ロード」になることだろう。
一郎は横でほくそ笑んだ。
真っ白で宝石と凝った細工の刺繍やショールに飾られたノースリープのドレスは、美しいエリカを一層惹きたて、彼女の魅力をいつも以上に溢れさせている。
出会い以来、一郎の言いつけを忠実に守るエリカは、常に膝上のスカート丈の服しか着なかったが、さすがに今日は足首まで隠れる一般的なドレス丈にさせた。
それがエリカに一番に似合っているからだ。
だが、ドレスのデザインや光沢の際立ちなどについては、この世界の技術ではまだないものであり、一郎が前の世界の記憶をもとに現出させた無二のものだ。
金銭を積もうが、どんなに熟練の技術者を集めようが、おそらく、同じものは作れない。
一郎の元の世界の進んだ工業技術と縫製技術を取り入れた逸品だなのた。ここに召喚される前に、一郎はありとあらゆる職業の派遣をやった。それがここで生きた。
ともかく、仮想空間で想像によって作り出したものを、そのまま現実世界に持ってくるという一郎の「創始の術」という能力によるものであり、これがなければ、王都に戻った一か月ほどでみんなの花嫁衣装を準備することは不可能だったのは間違いない。
ただし、一郎の「創始の術」にはひとつだけ、発動条件がある。
淫具、もしくは、淫靡な目的に使うものに限るということだ。
一郎の能力は、一郎の固有ジョブである「淫魔師」によるものだ。
淫魔師の力の源は、「淫気」であり、淫情への欲だ。
だから、ウエディング・ドレスも、淫具として現出する必要があった。
それが、エリカを苦しめているのである。
パイプ・オルガンの音調に似た荘厳な趣の音楽が会場を包む。
すると、婚姻式の会場に集まった数千の来客たちが一斉に拍手を開始した。
一郎とエリカは、その数千の人間の視線を浴びながら、ゆっくりと歩き進む。
向かう先にあるのは婚姻の誓いを交わす祭壇だ。その祭壇に続く中央の通路には、赤い絨毯が敷き詰められていて、さらに神秘的な効果の演出のために、膝から下の部分には、真っ白な霧のようなものをたちこめさせている。
通路の長さは、八十ベス──、即ち、八十メートルくらいだ。この世界にやってきて二年以上になる。いまや、数を数えるときの単位は、こちらの世界の単位の方がすぐに頭に浮かぶようになった。
「ふう……、くっ……うっ……」
万雷の拍手と音楽のために周りには聞こえないが、一郎だけには、横を進むエリカが必死に噛みしめている口から漏れ出る甘い吐息が聞こえている。
無理もないのだ。
一郎が現出したウエディング・ドレスには仕掛けがあり、外観は華やかで美しい豪華なドレスなのだが、内側は柔らかい羽毛がびっしりとついていて、それが特別な仕掛けで絶えず、柔肌の隅々をくすぐるようになっているのだ。
それだけでなく、これを身につけるにあたっては、夕べひと晩かけて、たっぷりと焦らし責めにかけてやった。
沸騰するほどの絶頂への渇望を積みあげさせ、さらにその羽毛ドレスを直接素肌に着けさせているということだ。
ただでさえ、一郎の調教で敏感な身体になっている女たちにとっては、さぞやつらいことだろう。
だが、一応は助け船を出してもみた。
あのナンとかいう得体の知れない間者を捕らえられたら、素肌に羽毛ドレスは勘弁してやるとは条件を出したのだ。
一郎は、エリカたちなら捕らえると思っていた。もうひとつの仕掛けもあるし、下着くらいは許してやろうと考えたのだ。
しかし、逃亡を許してしまった。
ならば、仕方ない。
婚姻式のあいだ、羽毛のくすぐり責めに耐えてもらうしかない。
そして、八十ベスのうちの最初の十ベスの距離が終わった。
あらかじめ決めていた約束事により、エリカの立ち位置が一郎の左側から右側に変わる。
そのため、エリカが一度右手を一郎の肘から離して、一郎の右側に移動していく。
その動作は、よく見ればぎこちなくあるが、不自然ではない範囲を逸脱していない。
「頑張っているな、エリカ。でも、そんなに簡単じゃ面白くないだろう?」
一郎は小さくささやき、膨らんでいるスカート部分を軽く手で揺らしてやった。
「ひんっ」
エリカが馬鹿みたいに大きな声を出して、その場に膝を折りかけた。
ちょっとした悪戯のつもりだったので、あまりもの派手な反応に、慌てて一郎はエリカの腕をとって、身体を支える。
「ほら、しっかりしろ」
「い、悪戯は……」
エリカがうっすらと涙を浮かべて訴えるような表情を見せた。
だが、そんな顔は逆効果だと、いつになったら覚えるのだろう。返事の代わりに、もう一度ドレスを揺らす。
「くっ」
今度は姿勢を崩さなかった。
まあ、ちょっとばかり身体を硬直させる仕草にはなったが、なんとか一郎の右側に来る。
一郎の右肘に手をかけ、再び進む。
このドレスのもうひとつの淫靡な仕掛けは、「啼き環」と名づけたクリトリスの根元を締めつける金属の輪の存在だ。
それをくびりだしたクリトリスに嵌め、啼き環に繋がる極細の鎖を腰まわりの腰の奥に喰い込ませている。そして、さらに前に二本、後ろに二本の極細の鎖が伸びて、膨らんでいるスカートの型枠に繋がっているのだ。
だから、一郎がスカートを揺らすことで、鎖を通してクリトリスが刺激されたということである。
この啼き環には、羽毛ドレス以上に、女たちは拒絶反応を示した。
だが、愉快なことに、現出させたドレスを、この啼き環なしに身につけさせると、なぜかドレスそのものが消滅してしまったのである。
しかし、啼き環を嵌めて身につけると、ちゃんと残るのだ。
おそらく、一郎がドレスを想像するときに、啼き環とセットで想像してしまったために、そうなったのだろうと思うが、啼き環なしに着るとドレスが消滅するという実際を目の当たりにして、全員が受け入れた。
おかげで、この婚姻式は、ずっと愉しみで仕方がなかった。
「エリカ、これからも頼むな。なにも知らなかった俺がまだこの世界で生きていられるのはお前のおかげだ。改めて感謝するな」
祭壇はまだ先だが、エリカとふたりだけで歩くのはもうすぐ終わる。
だから、一郎は改めて、思いの丈をエリカに告げた。
「……い、いえ……。わ、わたしがロウ様を勝手に連れてきて……」
「いや、それも含めて感謝だ。いずれにしても、ほかの誰でもない。俺はエリカを正妻にしたかった。受け入れてくれてありがとう」
「と、とんでもありません……」
エリカはちょっと戸惑ったような、そして、ちょっとだけ嬉しそうに顔を綻ばせた。
本当に、エリカは心が単純で、思っていることや感じていることがすぐに顔に出て愉しい。
印のついている地点につく。
一度立ち止まると、移動術でコゼが出現した。
コゼのドレスは、前の世界で「Aライン」と呼ばれていたかたちのデザインにした。スカートは膝下程度の短めで、小柄なコゼの可愛さを引き立ててよく似合っていた。
そして、やはり、顔が赤く、動作がぎこちない。
羽毛のくすぐりと、クリトリスの啼き環が辛いようだ。
「ご、ご主人様、よろしくお願いします……」
コゼがさっきまでエリカがいた一郎の左側に位置する。
一郎たちは右にエリカ、左にコゼというかたちで、再び歩き進む。
最初に会ったときには、この世の全てに絶望していたようなコゼだったが、気がつくと陽気で、ちょっとばかり毒舌の明るい女性になっていた。
見た目の可愛さからは信じられないような冷徹なアサシンでもあるが、それは一郎の敵限定だ。
無邪気で可愛く、そして、アナルに弱い一郎の二人目の花嫁だ。
「これからも俺を守ってくれ……」
一郎は歩き進みながら、コゼにささやく。
「もちろんです」
コゼが一郎の方を向いて破顔する。
一郎は微笑んだ。
「そして、これからも性奴隷として愉しませてくれ……。死ぬまでな」
粘性体で小さな球体を作り、コゼの尻穴に出現させる。
ひとつ……ふたつ……みっつ……。
しかも、磁力のようなものを帯びさせて、球体同士が接すると反撥して跳ねるように細工をする。
当然ながら、三つの球体がコゼのアナルの中で何度も反撥して弾き動くことになる。
「んんっ」
コゼが眼を大きく見開いて、全身を突っ張らせた。
しかし、一郎は立ち止まることを許さずに、そのままの歩みを続ける。
「一番奴隷はエリカだが、コゼには俺の筆頭性奴隷にしてやろう。だから、いつ、どんなことを、どこでされても文句はないよな?」
必死で悶え声が漏れ出るのを我慢し始めたコゼに再びささやく。
コゼは小さな声で「もちろんです」と応じた。
そして、次の十ベスが終わる。
シャングリアが出現する。
凛とした女騎士のシャングリアに準備したのは、宝塚の男役風のドレスである。ウエディングドレスというのは困惑するような白いタキシード風で下はズボンだ。
これもまた、シャングリアにはよく似合っている。
会場からもどよめきが起きている。
ただし、内側が羽毛のくすぐりの仕掛けがあることと、クリトリスを苛む啼き環がズボンの内側に繋がっているのは同じだ。
いや、むしろ、スカートよりも、ズボンの方が啼き環の揺れが大きくなるだろう。
ちょっとばかり内腿をもじつかせつつも、女騎士らしい姿勢を崩さないシャングリアもきれいだ。
コゼが後ろに移動し、コゼのいた場所にシャングリアが位置する。
「丸い染みができているぞ」
白い布地だけに、ちょっとした染みも目立ちやすい。
一郎はシャングリアの股間が早くも丸いかたちに濡れているのを見つけて揶揄った。
「し、仕方がないだろう……。お、お前が、わ、わたしにだけ……」
シャングリアが一郎を恨めしそうに睨んできた。
同じ被虐癖でも、ハード志願の傾向のあるシャングリアについては、羽毛と啼き環の仕掛けだけでなく、クリトリスと乳首に掻痒剤を塗ってやった、
支度のときに、シャングリアにだけそれをしたときには、シャングリアは顔を引きつらせていたが、シャングリアは追い詰めれば追い詰めるほどに感じるのだ。
そういえば、シャングリアへの最初の責めは、掻痒剤を塗ってからの市内歩きだった。
もしかして、そのときにシャングリアも、いまの性癖に目覚めたのかもしれない。
さすがにつらいのだろう。
三人のうちの誰よりも汗をかいている。
次の地点──。
移動術で現れたのはミランダだ。
ハロンドール王都の冒険者ギルド長として、ある意味王族よりも有名人かもしれない。
ドワフ族特有の小さな身体は、彼女の童顔もあり、人間族の童女にしか見えないところもあるが、胸だけはそれに不似合いに大きい。
「う、うう……」
そのミランダが後ろにさがるシャングリアに代わって、一郎の左側に入ろうとして、明らかに辿々しく歩いてくる。
クリトリスを苛む啼き環で、一番影響を受けたのがミランダだった。
羽根くすぐりも堪えるらしく、着替えた後の控え室では身動きもできずに、ずっと蹲っていた。
また、ミランダの身につけているウエディングドレスは、膝の半分までの丈しかなく、それは人間族の童女の外観のミランダに合っているが、可哀想に股間から垂れる愛液がストッキングを濡らして、くるぶしまで繋がっている。
「もっと自然に歩かないか、ミランダ……。ついでに、エリカもな」
ミランダと腕を組む直前に、またミランダのスカートを揺らしてやる。
さらに、無言で懸命に歩みを進めるエリカのドレスも動かした。
「ひんっ」
「ふくうっ」
ふたりが両側で膝を同時に崩しかける。
ドレスが激しく動けば連動して、クリトリスに嵌まっている啼き環に刺激を与える仕掛けであり、露骨な反応を示すふたりに、一郎は嗜虐心が刺激されて、大いに満足した。
「や、やめないか」
「ロウ様──」
ふたりが左右からそれぞれに一郎の腕を掴んだ。
その力があまりにも強くて、一郎も顔をしかめてしまった。
次の場所に着く。
現れたのは、ハロンドール女王のイザベラである。ミランダはコゼとともに後方に移動する。
ロードを歩く順番は、一郎が出会った順にした。
貴賤も、種族も、王族も元奴隷も関係ない。イザベラもガドニエルも、また、アネルザやラザニエルなども、これには文句は言わなかった。
ハロンドール王家伝来の婚姻衣装のイザベラは、白ではなく薄桃色のドレスだ。この世界ではクラシックなデザインになるらしい。
従って、羽毛のくすぐりはないが、啼き環だけは強引に装着させた。
かなり嫌がっていたが……。
「転ぶなよ。大事な身体だからな」
イザベラもお腹は、すでにそれなりに大きくなり、敏い者が見れば、妊婦であることがわかるくらいには目立つようになった。
一郎の軽口に、左横のイザベラが睨みつけてくる。
「だ、だったら、自重すればよいであろう……。こんな悪戯はなしで……」
「でも、ほかの女たちには仕掛けがあるのに、なにもなしじゃ寂しいだろう。まあ、愉しんでくれ」
「愉しめるか──」
大きな声ではないが、はっきりと一郎だけに聞こえる声で文句をイザベラが文句を伝えてくる。
その次に出現したのはアンである。
ほかの花嫁にはいないが、アンだけで後ろから付き添う介添えがいる。
介添えはもちろん、ノヴァである。
「ご主人様、よろしくお願いいたします。これからも可愛がってください」
イザベラが横にずれて、あいだにアンが入る。
そのアンの顔も汗が浮かんでいて、顔が上気しているのは、やはり、啼き環の影響だ。
でも、アンは嬉しそうだ。
隠す素振りもなく、一郎に愛おしそうな表情を向けてくる。
「もちろんだ。これからは夫婦だ。そして、次はノヴァだな。お前たちの子を孕んでもらおう」
一郎の言葉にアンとノヴァが揃って、はにかむように頷いた。
次に現れたのはマーズ──。
すでに奴隷解放は終わっているが、彼女が闘奴隷とはいえ、奴隷身分であることは、ここに集まっている者の全員が知っている。コゼも奴隷あがりだが、それは隠れているからだ。
そういう意味では、奴隷身分出身者が王族と同等の立場で共通の男と婚姻を結ぶのは前代未聞なのだ。
マーズもイットもそれを気にして、正式に婚姻をすることに気乗りしない感じだったが、それは一郎が強引に強行した。
イザベラとアンが横にずれて、マーズが一郎の左に入る。
「似合うな、マーズ」
大柄で筋肉質のマーズだが、顔は小さく可愛らしので、こうやって華やかな格好をすれば、かなりの美しさになる。
これまでの女たちが、羽毛くすぐりと啼き環にたじたじになっているのに対して、マーズは一番平然としている。
「ありがとうございます、先生」
マーズが微笑んだ。
「平気そうだな」
「先生の教えのとおり、気を練ってます」
マーズは応じた。
だが、淫魔術で観察すれば、マーズの股間はびっしょりと濡れて内腿を濡らしている。
別に感じていないわけではないのだ。
一時的に感覚を制御しているのであり、一郎の出鱈目を真に受けて、本当にそれができるようになったマーズも、凄いと思う。
そして、イット──。
獣人族の登場に、再び会場が少しどよめく。
やはり、獣人族は賤民族という感覚が強く、差別意識を向ける者が少なくない。
だが、こうやって、人間族の王族、エルフ族の女王、ドワフ族も、獣人族も対等なかたちで婚姻を結ぶ映像は、エルフ女王国の王族魔道で大陸中に流れている。
これを機に、少しでも、この大陸で固まった価値観の意識改革がなされればいいと思う。
「よ、よろしくお願いします」
マーズがさがり、イットが横に着く。
イットは啼き環などに苛まれているのもあるが、緊張しているようだ。
顔が引きつっていて、声も掠れている。
「ああ……」
一郎は腕を組んだあと、イットの性感を操り、乳房の周りだけ十倍の感度にする。
魔道の影響を全く受けない特殊体質だが、なぜか一郎の淫魔術だけは効果があるイットなのだ。
「ひゃん」
胸に羽毛が擦れて、可愛らしい声をあげた。
ただ、これで緊張も取れただろう。
イットを迎えて、十ベスを歩く。
最後はガドニエルだ。
数百年ぶりに世に登場したエルフ族女王の神々しいほどの美しさに、改めて、会場がどよめきに包まれるのが聞こえた。
残念ながら、ガドニエルだけでは控え室が別だったこともあり、意地悪な仕掛けるする機会を逸した。
ガドニエルが満面の笑みを浮かべ、幸せを全身で表すように一郎の横に並ぶ。
「ガド、ちゃんと女王をやって来たか? ラザに迷惑をかけなかったか?」
数日ぶりの再会だが、さすがに一郎も忙しくて、十分な時間がなく、また、エルフ女王の正式の訪問ということで、それに関する公式行事もあり、まともに話すのはこれが最初だ。
「迷惑など……。そもそも、迷惑をかけていたのは、お姉さまですわ。だから、わたしは、迷惑をかけてもいいのです。これからはずっと、ご主人様のそばにいますわ」
「声が大きい」
ガドニエルも隠すことなく、普通の声で喋るので、近くにいる者にはガドニエルの言葉も聞こえるだろう。
通路側の客が唖然とした顔になったのがわかった。
やっと祭壇につく。
婚姻式を仕切る大神官はいない。
「ロウ=ボルグ・サヴァエルヴ・サタルス・ナタル・ハロンドールは……、エリカ=サタルス、コゼ=サタルス、シャングリア・モーリア・サタルス、ミランダ……」
九人の名前をあげていく。
その順番もあえて、一郎が出逢った順番だ。
貴賤も、種族も関係ない。
一郎の女ということでは、全員が同じだという意思表示である。
「……そして、ガドニエル=ナタル・サタルスを妻として、敬い、慈しみ、生涯にわたって愛を注ぐことを誓う」
まずは、一郎が誓う。
次いで、エリカ──。
「エ、エリカ=サタルスは、ロウ様……あっ、いえ、ロウ=ボルグ・サヴァエルヴ・サタルス・ナタル・ハロンドールを夫として愛することを誓います」
「コゼ=サタルスは……」
さらに、ひとりひとりと愛の言葉を宣言だ。
これもまた、さっきの順番だ。
ガドニエルの誓いまで終わり、祭壇側から振り返って客席を向く。
拍手喝采が沸き起こり、祝福の音楽が会場に流れる。
すぐには音楽と拍手は鳴り止まない。
前もって頼んでおり、魔道で会場に鳴り響かせている祝賀の音楽がだんだんと音を大きくしていき、それに合わせるように拍手も大きくなって、この宮殿が揺れるかのような祝いの響きが続く。
一郎は、全員の股間に粘性体を跳ばす。
男根のかたちにして、一郎の一物と全く同じ大きさ、触感、熱さにして膣に挿入して激しく蠕動運動を起こしてやる。
もちろん、クリトリスを包む啼き環も激しく振動させた。
「んふうっ」
最初に絶頂したのはエリカだ。
辛うじて立ったままだったが、膝を折って、その場で腰を落とした。
次いで、コゼ──。
コゼは前と後ろとクリトリスの三点責めだ。
感じやすいエリカとほとんど同時に達した。
動作が不自然だと思う観客はほとんどだとは思うが、さすがに淫靡な悪戯を受けていると思う者もないだろう。
感動で感極まったと思うくらいか?
音楽と喝采が大きいだけあり、彼女たちの嬌声までは聞こえていない。
次は意外にもイットが絶頂した。
胸の感度を上げっぱなしだったことが要因か?
四番目はミランダ。
ミランダは耐えられずに、絶頂とともに蹲ってしまった。
そのまま立ち上がれずに、しばらく腰を抜かした状態でいた。
そして、イザベラ……アン……ガドニエルと次々に達していく。
さらにマーズ……。
最後はシャングリアが耐えに耐えて、ついに絶頂をせずに音楽が終えるまで我慢し続けた。
「可愛かったぞ、みんな」
一郎は祭壇で声をあげて笑った。
これで、一郎たちは、夫婦になった──。
「うう、酷いよ──。絶対に許さないからね──」
ミランダが激怒している。
すでに、ドレスは脱ぎ捨てている。啼き環も外したようだ。
一郎は、全裸のミランダに押し倒されるかたちになった。婚姻式の悪戯により、ミランダは汗や体液でびっしょりであり、茹であがったかのように、上気した肌から湯気のようなものが出ている。
婚姻式の誓いのセレモニーに続き、解放した宮殿の一部に集まった王国市民へのバルコニーからのお披露目、そして、凱旋式でも使ったパレード用の馬車でのパレードなどの一連の婚姻行事が終わり、やっと一郎たちになったところだ。
夜はすっかり更けている。
みんなで集まったのは、王宮でも、いつもの屋敷でもなく、イムドリスの隠し宮である。
ガドニエルが一郎に譲渡したものであり、本来はエルフ族王家の伝来の異空間宮殿である。
そこに繋がる複数の「門」をナタル森林の水晶宮とハロンドール王宮だけでなく、一郎の元々の屋敷、エルザの南方総督府、リィナ=ワイズの列州同盟の行政府にも繋いで、一郎と一郎が淫魔力を刻んで性支配をした女に限り自由に出入りできるようにした。
これで、各地に拡がった一郎の女たちがひとつになったということだ。
それはともかく、婚姻式そのものだけでなく、バルコニーからのお披露目でも、パレードでも、散々に一郎にいたぶられた女たちは、疲労困憊して、イムドリスにやってくるなり、全員が崩れ落ちた。
例外はミランダであり、悪戯のあいだは一番悶絶していたくせに、いまは腹を立てて、一郎に組み付いてきた。
一郎はほかの花嫁たちも淫魔術で淫具やドレスを消滅させて全裸にするとともに、自分の身につけているものも消滅させ、全裸になる。
「わかった。じゃあ、好きなようにしていい。抵抗しないから」
一郎は笑って、仰向けのまま力を抜く。
「本当だね──。マーズ、脚を押さえておくれ。シャングリアでも、コゼもでいい──。手を押さえるんだ。あっ、いや、ルカリナがいいね」
ミランダは目が血走って、常軌を逸している感じだ。
「ええ?」
「本当に……?」
名指しされたマーズとルカリナだけでなく、ほかの女たちも集まってくる。
今夜のイムドリスには、一郎は全員集合をかけていた。
だから、婚姻式をした九人だけでなく、集まれる者は集まってくることになっている。
すでに、侍女たち、新教団の令嬢たちも来ているし、ほかの女たちもやってくる。
到着したら、全員が全裸になるようにも指示している。
いまは着いたばかりなので、それぞれに笑いながら服を脱いでいる真っ最中だ。
「あたしは、ご主人様のおちんぽをお元気にします」
コゼがいち早く一郎の股間に吸いついてきた。
柔らかくもねちっこい舌遣いに、一郎の一物が大きくなる。
「邪魔だよ──。どいておくれ──」
だが、ミランダがコゼを押しのけるようにして、一郎の肌に、自分の乳房や腰をすりつけ、さらに自ら一郎の怒張に股間を乗せるようにしてきた。
ずぶずぶと、騎乗位で自分の股に一郎の怒張を包み込んだ。
「ああっ、ああっ、あっ、こうしてやるよ──。こうしてやる──。あっ、ああっ、ああっ」
ミランダが自ら激しく腰を振る。
余程に追い詰められ、頭に来てしまったのか、いつものミランダらしくない、淫乱ぶりであり、そして、激しい。
一郎は面白くて、されるがままにされたが、ミランダはあっという間に達してしまい、一郎の腰の上で果ててしまった。
ミランダががくりと脱力する。
「不甲斐ないわねえ、ギルド長様。交替ですよ──」
コゼがミランダを突き飛ばすようにして、同じように騎乗位で乗ってくる。
そのあいだも、女たちがどんどんとイムドリスに集まってくる。
「やっているね」
「ロウ殿、ご無沙汰だね」
アネルザとマアだ。
「し、失礼します」
「ロウ様」
「お邪魔します」
ランスカリーナ、ナール、ベアトリーチェの王軍組も来た。警護任務は残っているが、今夜だけは強制命令で任務を交替して集合させた。
エルザとともに、ランの姿も見つけた。
また、ミウが隅の方で、イットとルカリナなどの前で、身振り手振りで一生懸命になにかを訴えている。
もしかしたら、また、「新参者倶楽部」とやらの勧誘でもしているのかもしれない。ルカリナもにこにこしている。
「ああっ、あっ、気持ちいいです。気持ちいいです──」
コゼも一郎の腰の上で騎乗位で感極まった声をあげている。
一郎はそれを見ながら、腕を押さえていたルカリナの手を抜いて、そのルカリナの腰に手を伸ばして、さわさわと尻尾を擦る。
獣人族共通の性感帯だ。
また、足も抜き、マーズの股間を足でさする。
「うわっ、あ、相変わらず、じょ、上手……。おおっ」
ルカリナが嬉しそうな声とともに、びくんと身体をくねらせた。
「ひゃん」
マーズも可愛い声をあげた。
「うわっ、もう盛ってんの?」
「ぱーぱあ──」
その声はユイナとウルズのようだ。
童女返りのウルズとユイナとは面白い組み合わせだ。
最近は、王国魔道研究所絡みで、ユイナとベルズが関係深くなっているようなので、それで、ウルズのこともユイナが看るようになったのだろうか。
そのウルズが服を脱ぎ出す。しかし、うまくできないみたいだ。それをユイナがかいがいしく手伝っている。なんだか微笑ましい。もっとも、ウルズの方が背が高いのだが……。
それはさておき、ウルズも脱いだら一郎に向かって飛び込んでくるのだろ。
一郎は起きあがって、怒張を繋げたまま対面座位に体位を変えると、コゼの腰を両手で抱えた。そして、すでにないがずっと淫具が入っていたアナルに指を挿入する。
「んくうううっ」
コゼがあっという間に絶頂する。
そのコゼをおろす。
「次はシャングリアだな。婚姻式のときに一番に頑張ったしな。だが、両手は後ろだ。拘束して抱く。その方がいいだろう?」
シャングリアを呼んだ。
まだ掻痒剤の余韻の影響が残っているのか。シャングリアは両手で自分の胸と股間を強く押さえた感じで、もじもじしていたが、ほっとしたようにやってくる。
一郎は粘性帯を紐状にして、瞬時にシャングリアを後手縛りに拘束すると、コゼと同じように対面座位に抱え込む。
「ううっ、ああ、気持ちいい……。ああ……」
シャングリアが一郎の腰の上で喘ぎ声をあげる。
改めて、イムドリスの大広間を見回す。
さらに集まってきている。
フラントワーズたち新教団の夫人軍団がいま現れた。
ロクサーヌも隅にいるのを見つけた。エルザやイザベラやリィナ=ワイズとなにかを話している。仲がよさそうだ。だが、イザベラとリィナは全裸なのに、エルザとロクサーヌはまだ下着姿だ。
こっちから下着を消滅させた全裸にする。
イザベラとリィナを含めた四人が驚いている。
ガドニエル、ラザニエル、亨ちゃんなどのエルフ王国組は、まだ姿は見えない。
まあすぐに来るだろう。
そのときには、またガドニエルがいつものように、甘えに甘えてくるに違いない。
一郎はシャングリアを犯しながら、手首を擦って魔妖精のクグルスを呼んだ。
「じゃじゃじゃじゃあーん。呼ばれて飛び出て、クグルスだああ──。わおっ、雌奴隷どもが集まっているな。お前らどんどんとご主人様に犯してもらうんだぞ。そっちは、まだ服を着てんのか。さっさと裸になれ──」
状況もわかってないはずだが、クグルスは裸になっている女たちや、シャングリアと抱き合っている一郎の姿に接して、すぐに乱交状態だと悟ったようだ。
「見ての通り、みんなで乱交大パーティーだ。クグルスも愉しんでくれ」
「ありがとう、ご主人様──。あいあいさあー」
クグルスが部屋中を飛び回りだして、女たちをあおり出す。
「きゃああ、魔妖精様よ」
「魔妖精様、こっちに──」
「こっちにもおいでください」
また、新教団の令嬢組は、なぜか魔妖精の大ファンが多く、クグルスの登場に大騒ぎだ。
「あうう、いいいっ、いいっ」
一方で一郎の腰の上のシャングリアががくがくと身体を震わせて果てた。
一郎は精を注いで、影響が残っている掻痒剤の効果を消してやる。それもあり、シャングリアがほっとしたように脱力する。
「ぱあーぱあ──」
ウルズがすっぽんぽんで抱きついてきた。
とりあえず、シャングリアにどいてもらい、ウルズを横抱きにする。そして、身体を優しく愛撫していく。
「あん、あっ、あん、き、気持ちいいよう、ぱーぱあ、ああっ」
ウルズが一郎にしがみついてくる。
「ご主人様──」
「ロウ──。おっ、これは……」
「お兄ちゃん」
そして、ガドニエル、ラザニエル、亨ちゃんのエルフ王家組がやっと来た。もちろん、ブル゙イネンや親衛隊組もぞろぞろと入ってきた。
クグルスに怒鳴られている。
慌てて、服を脱ぎだしている。
「シルキー ──」
一郎はどんどんと集まってきている女たちの姿を確認し、屋敷妖精のシルキーを呼ぶ──。
視界の前にシルキーが出現した。召し使い見習いの元サキことリリスもだ。
一郎の屋敷限定でしか活動できない屋敷妖精なのだが、レベル向上とともに、姿が童女姿から少女姿に変わり、あの幽霊屋敷のみならず、一郎が屋敷とみなした建物のすべてで行動可能になった。
イムドリスの譲渡に伴い、シルキーの活動範囲にイムドリスが含まれるようになるのか疑念であり、愉しみだったが、一郎がこのイムドリスも自分の「邸宅」だと認識したことで、シルキーが管理できるようになったのだ。
それは数日前に確認済みである。
ちなみに、シルキーは最初から全裸でやってきた。リリスは貞操帯だけは装着している。
「全員に飲み物と軽食を……。そして、大浴場の準備も頼む」
「かしこまりました。いきますよ、リリス様」
「ひんっ。いちいち、動かすでないわっ」
貞操帯の内側のディルドでも動かされたのか、少女姿のリリスが両手で股間を押さえて膝を折った。
また、一方で、瞬時に、なにもなかったこの大広間に、所狭しと食台に乗った軽食や果物、飲み物をが並んたを。
多分、別の場所に大浴場も準備してくれたと思う。
シルキーの屋敷管理に不可能はない。これでイムドリスも完璧な一郎の性宮殿になるだろう。
一郎は、イムドリスごと、女たちを仮想空間に包む。
これで、時間経過は消える。
一郎が空間を解除するまで、一切の外の時間は流れない。
「ひゃあああ。またいくのおお」
身体の上のウルズが悶絶してぐったりとなった。いつの間にかベルズとスクルドがそばにいて、ウルズを引き取った。ノルズもいる。もしかして、この四人が完全に揃うのは久しぶりか?
「明日はお前たち三人は、懲罰調教だぞ。忘れてないよな」
一郎は話しかけた。
「もちろんですわ。ふふ……」
「うう……。わかっています」
「は、はい、ロウ様──」
それぞれに返事をした。
一郎は三者三様の返しがなんとなく面白くて、思わず笑ってしまった。
「さあ、今夜は大乱交だ。全員かかって俺を参らせてみろ。だが、負ければ全員揃って、淫靡な罰があるからな。次は誰だ? 正妻様のエリカか?」
一郎は大声をあげた。
「あっ、はい」
名指しされたエリカが慌てて、寄ってくる。
なにも言わないのに、両手を背中に回している。
一郎は苦笑してしまった。
また、一郎のさっきの言葉に、女たちが一斉に声をあげた。戸惑いの叫びが多かった気がしたが、令嬢グループと親衛隊グループについては、なぜか嬉しそうな歓声のような黄色い声をあげている。
いずれにしても、お愉しみはこれからだ──。
(『異世界で淫魔師ハレム』終わり。『異世界で淫魔師ハレム2』に続く……かもしれない……)
*
【作者より】
本作はこれで最終回とさせていただきます。長いあいだありがとうございました。
作品が終わっても、一郎やエリカたちの活躍は続きますし、まだまだ波瀾万丈の出来事が待っております。
アーサーの逆襲が始まり、エルニア、ローム、さらに、旧ローム帝国残党の包囲網が一郎たちを危難に陥らせます。
しかしながら、それはまた別の物語……。それはいつか、別のときに語ることとさせていただきます。
ともかく、随分と長いあいだ、本作にお付き合いしていただいてありがとうございました。一度、バンされたときも、変わらずの激励やバックアップの提供など有り難かったです。もう一度感謝します。
続編はいつ作るか未定ですし、どういうかたちで発表するかはわかりません。発表する際にはまたお知らせます。
いずれにしても、直近としては、『嗜虐西遊記』の続き(ひとつのエピソードだけなので、長いものではありません)の投降を予定しています。
次いで、途中で止まっている『魔王のいる学園』を進めたいと思います。
……とはいっても、嗜虐西遊記はともかく、魔王のいる学園については、改めて読み直さないと続きを書けないので、ちょっと時間がかかるかもしれません。
繰り返しになりますが、いままでありがとうございました。
では、また会う日まで……。