【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ふわああっ、ああっ、ああっ、あっ、あっ」
一郎はかなり速い速度で怒張をスクルズの中で律動させた。
それだけではなく、しっかりと感じる場所を亀頭の尖端で抉っている。スクルズがどんなやり方で、どんな風に刺激すれば快感を覚えるかなど、すっかりとこの十数日で一郎は覚え込んでしまっている。
「ああっ、ああっ、うわあっ、そ、そんな、い、一気に、ロ、ロウ様、ああああっ」
スクルズが耐えきれなくなったかのように、必死の様子で一郎の背中にしがみついた。
なにしろ一郎は、いままでになかった速度で、スクルズの快感を急上昇させている。
スクルズが錯乱したように暴れだす。
大量に溢れ出している愛液がくちゅくちゅと湿って淫らな音をたてて、お互いの股間を濡らしていく。
「ああっ、いぐううっ」
スクルズは、あっという間に我を忘れたように声をあげて、がくんがくんと全身を波打たせた。
そして、背筋をのけ反らせて絶頂に達してしまった。
「ああっ、すげえ、すげえ、淫気だ──。ちょっと、待て。お前ら。そのままだ。そのままだぞ。勿体ない。ここからでも、すげえ濃い淫気だということがわかる。なんだこれ? なんだこれ? ブラニー、そいつらを逃がすな。拘束しろ。そんな濃い淫気を出せる家畜なんて、滅多にないぞ。捕まえて、檻に監禁するんだ」
淫神の興奮した声が響き渡る。
だが、一郎は無視した。
スクルズの顔に口を近づけて、小さな声で話しかける。
「締めつけて、俺の精を子宮に保て──。おそらく、大抵の魔道封じは跳ね返せる。それでだめなら、俺には打つ手はない」
一郎は声をかけてから、一気に精を放った。
淫魔術を総動員して、通常の五倍ほどの精を連続で注ぎ込む。
まるで、小便でもしているかのような、我ながら非常識の精液の量だ。
スクルズが白目を剥きかけたのがわかる。
「んふううううっ」
スクルズの膣がぎゅっと収縮して、一郎にしがみつくスクルズの手に力が入る。
締めつけられる気持ちよさに、射精したばかりだというのに、さらなる快感でまた出したくなった。
我慢して、肉棒を抜く。
「んくうっ、はあああっ」
スクルズがまた身体を弓なりにして身体を震わせた。
抜いたときの刺激で快感がぶり返し、二度連続でいってしまったようだ。
相変わらず、ロウの与える快感に貪欲な淫らな巫女様だ。
怒張を抜いても、スクルズはすぐには一郎を離さない。痙攣したように身体を震わせているスクルズの手の爪が一郎の背中に喰い込む。
だが、その手がすっと緩んで床に落ちた。
次の瞬間、眩い光がスクルズの身体から放たれ、それが大きな風のような衝撃波となり、広間中に発散した。
光は一度で終わらない。
二射、三射と続けざまに放たれて、その度に膨大な白い光が発散して、建物全体が揺れたようになる。
これが、最強度の光魔道?
なんという迫力――。
すると、からからと音がした。
一郎たちの武器だ。
収納術でしまっていたのをスクルズが外に出したのだ。
「エリカ、コゼ──」
一郎はふたりの身体から媚薬の影響を抜いた。
もっとも、いまのスクルズの光魔道で、この広間に蔓延っていた洗脳術の呪術も、媚薬の影響もすべて消失し、その影響を受けていたものがすべて正常になったようだ。
離れた場所で狂ったように乱交としていた男女が、呆けたように腰を抜かしているので、それでわかった。
エリカとコゼがさっと自分たちの武器を握る。
そのときだった。
「旦那様のご命令により、皆さまを拘束します。お許しください」
一郎たちと、乱交をしていた男女の中間付近に、突如として童女が出現した。
「シルキー?」
エリカが驚いた声を出した。
現われたのは、一郎の屋敷にいるシルキーを思わせる十歳ちょっとの少女だ。
確かにシルキーに似ているが、ちょっと面影が違う。
「シルキーじゃない──。ところで、エリカ、あいつが魔道を放つわよ」
コゼが叫びながら跳躍して空中を短剣で二閃する。
小さな光がぱっぱっと輝き、一郎たちの目の前で透明の波のようなものが発生して拡散する。
「魔道紋をお斬りになれるのですか? 驚きました」
童女が目を丸くしている。
しかし、それと同時にふわりと童女の身体が床から浮きあがる。
「その童女は屋敷妖精よ。屋敷内であれば、ほぼ無限の魔道を遣うわ──。あんたたち、逃げられるなら、逃げなさい──」
大きな女の声がした。
たったいままで、乱交をしていた女のひとりだ。
首輪についている鎖で繋がれている三人の女の中では一番年齢が高く、だが、もっとも美人だと一郎が感じた女だ。
確か、ひとりだけ騎上位で乱交をしていた女だと思う。
ふと見ると、挿入はやめたようだが、まだ男の身体に馬乗りになった状態だ。
「きゃあああ」
「うあっ」
エリカとコゼが悲鳴をあげた。
ふたりの身体がふわりと浮きあがったのだ。
「エリカ──、コゼ──」
一郎は咄嗟にふたりの身体に手を伸ばして足首を掴む。
床に引き戻そうと思ったら、その一郎の身体もまるで巨大な透明の手に持ちあげられたかのように、腰からふわりと浮かんだ。
「みなさん──」
スクルズの声──。
一郎たちの前の空間が大きく揺れて、三人の身体が床に落ちる。一郎は懸命に身体を伸ばして、ふたりの下に一郎の身体が入るようにした。
「んげっ、ぼっ」
うつ伏せに床に落ちた一郎の身体にエリカとコゼの裸身がどすどすと落ちる。
「不思議ですね。わたくしめの魔道封じが効きません。なにか特殊なことをされているみたいですね」
屋敷妖精が首を傾げている。
一郎たちを浮きあがらせた屋敷妖精の魔道を遮断したのはスクルズだろう。
スクルズが床にぺったりとお尻をつけた状態で、両手でしっかりと股間を押さえている。
おそらく、一郎の精が外に零れるのを防いでいるのだと思う。
淫魔師レベル“75”の一郎が最大限の力を注いだ魔道返しを込めた精液だ。主人を持った屋敷妖精がその屋敷で強力なのは知っているが、これに打ち勝ってスクルズの魔道を再び凍結することなどできるわけがないと思っている。
“ブラニー
妖精族、女
廃神殿の屋敷妖精
年齢:**
屋敷妖精(レベル50)
支配者
ビビデバブー(魔妖精)”
さっきの女に指摘されるまでもなく、現われた童女が屋敷妖精であることは、すぐに悟っていた。
顔立ちも背格好もシルキーにも似ているが、レベルを比べれば、シルキーよりも遥かに強力なようだ。
しかし、その個体としてのレベルだけでいえば、スクルズの魔道遣いレベル数が上なのだが、そのスクルズの魔道が歯が立たないのは、ここがブラニーの支配する建物内であるからだろう。
固有能力に関わらず、屋敷妖精というものは、主人と契約することで、屋敷の管理に関することである限り、無限に近い能力を発揮する。
そういうものだというのは、シルキーに聞いた。
だから、屋敷にかかる結界に、スクルズは抵抗できなかったし、扉の施錠もスクルズには破れなかった。
それらは屋敷の管理に属することであるからだ。
単純な戦いということであれば、屋敷妖精としての力には関係なく、固有能力そのものだけの戦いということになるが……。
いずれにしても、これだけでおおよその全容は把握できた。
このブラニーがこの廃神殿に長く巣食う屋敷妖精であることは間違いないと思う。屋敷妖精としてのレベルの高さは、屋敷妖精としての経験の長さだろう。
おそらく、すでに廃神殿になってしまったが、それ以前はずっとここで屋敷妖精として、神殿の管理をしていたに違いない。
だが、この神殿に誰も住まなくなり、それによって、屋敷妖精としてのブラニーも長い眠りについた。
そんなところではないだろうか。
しかし、多分、ごく最近になって、ブラニーの主人だとステータスにある魔妖精が、ここに来たのだろう。
屋敷妖精は魔道の高い者を主人とし、屋敷の管理を引き受けるという性質がある。
それで、ブラニーは屋敷妖精として、その魔妖精の魔道を認め、この廃神殿の新しい主人として受け入れたのではないだろうか。
だが、魔妖精の好物は、人族が愛し合ったときに発する淫気というエネルギーだ。
魔妖精は、この廃神殿をその淫気を集める牧場のような場所にしようとしたのだろう。
この屋敷妖精の力を利用して……。
「ブラニー、俺たちは敵じゃない。この屋敷には危害を加えない。出ていけといわれれば出ていく。攻撃をやめろ」
一郎は、エリカたちに助け起こされながら叫んだ。
ブラニーがちょっと困惑した表情になる。
しかも、一郎たちに危害を加えようとする素振りが消えた。
屋敷妖精というのは、本来は攻撃的な存在ではない。一郎はシルキーを眷属にしているから知っている。
本当は屋敷を管理するだけの平和的な存在なのだ。
ただ、屋敷に対する侵入者ということになれば、それを排除するのは、屋敷管理の管轄だ。そのときには、スクルズでも敵わないくらいの存在になるというだけのことだ。
だから、そうではないと発言した。
それで、ブラニーの攻撃がとまったのだ。
「ブラニー、なにをしている。そいつらを捕まえるのだ。命令だぞ」
淫神、いや、魔妖精の声がする。
ブラニーは困惑顔のままだ。
「でも、旦那様、この方たちは屋敷を害する者ではないと申しております。ならば、行かせてあげればどうでしょう」
ブラニーが空中に向かって言った。
「ならんわ──。そいつらは家畜だ。淫気をひたすらに放出する家畜にするんだ。家畜は屋敷の一部だろうが──。家畜管理は屋敷妖精の仕事だ。捕まえろ」
「でも、このお方々はまだ家畜ではありません。こっちの者たちとは異なります」
ブラニーが一瞥したのは、先に捕えられていた冒険者たちだ。
よくわからないが、さっきの洗脳術のようなものに侵されて、家畜になることを承諾するようなことを口にしたのだろう。
屋敷妖精は、屋敷を襲われないかぎり、攻撃的にはならない。
それが、人間族をこうやって監禁のようなことをしているのは、どうやら、彼らは家畜という扱いになっているのだ。
「あたしは家畜じゃないわ。あの小人野郎に魔道で操られたのよ。冗談じゃない」
叫んだのは鎖に繋がれた女だ。
“ビビアン(レイク=ダーム)
人間族、女
タリオ公国諜報長
冒険者
年齢35歳
ジョブ
諜報(レベル30)
戦士(レベル15)
アサシン(レベル10)
毒遣い(レベル3)
生命力:50
魔道力:10
攻撃力:10(拘束、薬物の残影響)↓
経験人数
男120、女31
淫乱レベル:A
快感度:30↑(回復中)”
改めてステータスを読むと、なかなかに突っ込みどころの多いステータスだ。
この女は何者?
すると、ばちんといきなり金属音がして、その女が嵌められていた首輪が弾けて消滅した。
「旦那様の家畜ではないとすれば、拘束することはできません。危害を加えたことをお許しください」
ブラニーがビビアンに向かって頭をさげた。
ビビアンは呆然としている。
「勝手なことをするな、ブラニー──。どうして、首輪を外した。あれは余の家畜だぞ。そう言っただろう──」
ビビデバブーの激怒した声が降ってきた。
しかし、ブラニーは静かに頭をさげた。
「旦那様、でも、旦那様がしているのは、誘拐でございます。ブラニーは承諾できません。先日は、この者たちが自ら家畜だと口にしたので、そのように扱いました。しかし、そうではないといま主張した以上、家畜としては扱えません。ご理解ください。屋敷妖精とはそういうものなのです」
ブラニーの物言いには些かの動揺もない。
一郎は、ブラニーが空中から声がする淫神と言い合いを始めたところで、スクルズに顔を向けた。
「俺をブラニーの真ん前に魔道で飛ばせ。いつでもいい」
ささやいた。
「待って」
それを耳にしたエリカがぎゅっと一郎の手を掴んだ。
「いきます」
スクルズの声がした。
いきなり強い力が背中に加わり、ほとんど瞬間移動のような勢いで一郎はエリカとともに、ブラニーの身体の前に一気に移動する。
「うわっ、お客様、なにを?」
驚いているブラニーの顔めがけて、自分の男根に手をかけて顔射する。
下品だが、これが一番効果があるのだ。
ものの見事に、ブラニーの顔に白濁液がかかり、ブラニーの口の上にもかかる。
「な、なにを?」
ブラニーが目を白黒している。
「うわあああっ、なんという濃い淫気──。そうか、さっきから、お前かあ──。お前と交わる女が濃い淫気を放つのだな。いま、ブラニーからでさえも、淫気が発生したぞ。ブラニー、その男だ──。ほかの女を逃がしても、そいつだけは離すな。そいつひとりいれば、人間百人集めるよりも、効率のいい淫気牧場ができあがる」
ビビデバブーの悲鳴のような声がした。
だが、いまはどうでもいい。
一郎は、呆然としているブラニーの前に足を拡げて仁王立ちになる。
「ブラニー、顔の汁を舐めろ。跪け。俺の性器を口にしろ。命令だ」
“ブラニー
妖精族、女
廃神殿の屋敷妖精
年齢:**
屋敷妖精(レベル50)
支配者
ビビデバブー(魔妖精)
ロウ(弱)”
淫魔術が効いている。
屋敷妖精に効果があるかどうかは半信半疑だったが、シルキーにだって効いたのだ。ブラニーにも可能性はあると思った。
そして、顔についただけだが、それでもブラニーに一郎の淫魔術が届いた。
いまブラニーの心に一郎の淫魔術が引っ掛かっている状況だ。
さらに精を飲ませれば、一郎の支配が完全になる。
「は、はい……。あ、新しい旦那様……」
ブラニーが困惑顔のまま、一郎の前に跪く。
一郎の淫魔術は、屋敷妖精と主人という屋敷管理の契約ではない。
淫魔術による性支配だ。
一郎の淫魔術レベルが屋敷妖精としてのレベルよりも高いので、ブラニーは従ってしまうということだ。
すると、天井から金切り声のような悲鳴がした。
「新しい支配だと──。きいいいいいっ、許さん、許さんぞ──」
ビビデバブーの大声がした。
まだ、ビビデバブーの支配は残っているが、ブラニーが新しい旦那様とか口にしたので、屋敷妖精を奪われたのだとでも思っているのだろう。
まあ、もうすぐ奪うが……。
「エリカ、コゼ、スクルズ──。援護してくれ。この屋敷妖精を支配してしまう。この建物の不思議な力はこのブラニーだ。ブラニーを引き入れれば、自称淫神は多分、どうということはない」
一郎は叫んだ。
そして、口を開いたブラニーの口に男根を突っ込む。
「んふっ」
勢いよく挿入されて、ブラニーが少しえずく。
「悪いな。ちょっと我慢してくれ」
一郎はブラニーの後頭部を掴んで顔を前後して一郎の怒張を口で刺激させる。
一方で、エリカとともに、追いかけてきたコゼが加わり、一郎を守るような態勢で武器を持って構えた。
スクルズはさっきの位置のままだが、魔道援護の態勢になっていることは違いない。
「出すぞ。全部、飲め──」
一郎はブラニーの口の中に精を放った。
すぐに男根を抜く。
ブラニーが動揺した様子のまま、一郎の精を飲み下すのがわかった。
一気にブラニーの心が一郎に入り込み、ブラニーの感情が入ってきたのだ。
そして、ブラニーの悔悟の心が一郎に伝わってくる。
魔妖精と契約してしまったことで、この屋敷に人間を呼び寄せ、操らされ、監禁のようなことをさせられていたことをブラニーはずっと嫌がっていたようだ。
その気持ちが一郎に入ってくる。
“ブラニー
妖精族、女
廃神殿の屋敷妖精
年齢:**
屋敷妖精(レベル50)
支配者
ロウ
ビビデバブー(魔妖精)(弱)”
よし──。
まだ、魔妖精の支配は残っているが、強弱が逆転している。
「可哀想にな。もうすぐ解放してやるぞ、ブラニー」
「だ、旦那様は、何者ですか?」
ブラニーは呆気に取られている。
一郎の支配が、ブラニーの中に入ってきたことを理解したのだろう。
そのときだった。
祭壇側の壁際に上階に繋がる階段があったのだが、そこからぺたぺたと人が降りてくる気配がした。
やっと来たか……。
これを待っていた。
しかし……。
“シャングリア(モーリア=シャングリア)
人間族、女
王軍騎士
冒険者
年齢22歳
ジョブ
戦士(レベル25)
生命力:60
攻撃力
700(剣)
経験人数
男1
淫乱レベル:A
快感値:40↑(回復中)
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵
魔妖精(ビビデバブー)の憑依支配”
「シャングリア?」
「大丈夫なの?」
階段から降りてきたのは、全裸のシャングリアだ。
右手に鞘を抜いた剣を持っている。
エリカとコゼが声をかけた。
一郎は舌打ちした。
呪術返しをしていたので心や感情は操られてないと思うが、体内に入り込まれて憑依されては、さすがに身体は操られてしまうようだ。
「魔妖精に身体を操られている──。気をつけろ――」
一郎は叫んだ。
エリカとコゼが驚いてる。
だが、すぐに慌てたように、ふたりが一郎を守るように武器を構える。
「邪魔するなあ──」
しかし、一郎の前を守るエリカとコゼに向かって、シャングリアが躊躇することなく剣を振るってきた。
「きゃあ」
「うわっ」
一閃でコゼの短剣が弾かれ、二閃目でエリカもまともに剣を受けて体勢を崩してしまった。
やはり、正面からまともにやり合うと、シャングリアが強い。
「手足が欠けても、家畜に価値に変わりない。抵抗すると、この女の剣技で斬る。それと、どうやら、男、お前だな──。お前が全ての元凶のようだ。惜しいが殺す。男畜は余っている。足りないのは雌畜だ」
シャングリアの声でビビデバブーが嘲笑のような声を出して、今度こそ、真っ直ぐに一郎に剣を向ける。
「さ、させないわよ」
エリカが強引に身体を割り込ませた。
「じゃまだ、エルフ女──」
シャングリアが剣を振りかぶった。
「いかん、エリカ、逃げろ」
態勢を立て直さないまま身体を入れたので、エリカはまだ姿勢を崩している。
そのエリカにシャングリアの剣が落ちる。
「んっ?」
だが、そのシャングリアの剣が途中でとまる。
頭上に向かって、シャングリアの剣が空中を一閃した。
小さな光が弾けて宙が揺れた感じになる。
一郎はシャングリアが魔道紋を切断したのだとわかった。
シャングリアに向かって魔道を放ったのは、スクルズに違いない。
いま、シャングリアの視線は頭上だ。
一郎はシャングリアの足元に粘性体をとっさに飛ばした。
「エリカ、さがれ。大丈夫だ」
一郎は立ちあがって、シャングリアの正面に立つようにした。
シャングリアが剣を持ったまま、一郎に向かって踏み出す。
「おっ?」
そのシャングリアが粘性体に足を取られて、体勢を崩す。
跪いたところを、さらに粘性体を飛ばして、膝を手も床に密着させた。
「な、なんだあ?」
一郎の粘性体に手足を密着させられたシャングリアの中の魔妖精が困惑している。
しかし、こうなったら物理的な手段では、シャングリアは粘性体から逃げられない。
「もらうわよ──」
すかさず、コゼがシャングリアがまだ握っていた剣を抜き取る。
一郎は四つん這いになっているシャングリアの後ろにまわった。
「早くシャングリアから出ていけ。それとも、無理矢理に出されたいか?」
一郎はシャングリアの股間に尻側から手を伸ばし、クリトリスに触れると、つるりと皮を抜き、するすると剥きあげる。
「うわああっ、な、なんだああっ、んひいいいっ」
シャングリアの悲鳴のような声が響き渡った。
同時にシャングリアの背中がぴんと突っ張る。
よくわからないが、すでにシャングリアの股間が濡れている状態だった。
まだ快感の余韻から回復していないくらいの状況であり、そのシャングリアの身体を再び淫情状態にするのは造作もない。
すぐにねちゃねちゃと淫音がシャングリアの股間で響きだす。
「やめろ、やめろおっ、この女を殺すぞ、い、息をとめる。息をさせないで殺す。すぐにやめろっ」
シャングリアの中の魔妖精が騒ぎ出す。
外に出れば、よってかかって攻撃されるが、シャングリアの中にいる限り、攻撃ができないことがわかっているのだろう。
なかなか、出ていこうとしない。
「やってみろ」
一郎はシャングリアの尻の下に怒張を添わせて、一気に股間を貫いた。
「あああっ、んふうううっ」
シャングリア自身の声なのか、魔妖精の声なのかわからないが、シャングリアの口からは絶息するような呻きが迸る。
さらに、粘性体の密着している四肢がぴんと突っ張って、白い背中がぐいと反りあがった。
「うわっ、い、息を止めた。いま、息を止めた。すぐにやめないと、この女が死ぬ──」
魔妖精が悲鳴をあげた。
そのとおり、シャングリアの息が停止している。シャングリアの顔が苦痛で歪んだのがわかる。
「だったら、すぐに終わらすよ。もっとシャングリアには気持ちよくなってもらいたかったけどな」
一郎はすぐにシャングリアの中に精を放った。
いつもは弱くしているシャングリアへの呪術を強化する。
「うわあっ」
精を放つを同時に、一郎の膝ほどの高さの小人がシャングリアの背中から飛び出してきた。
「ぷはああっ、あ、あああっ」
シャングリアが派手に息をするとともに、まだ快感の途中であり、大きく嬌声をあげる。
忙しいことだ。
一郎は苦笑した。
そして、シャングリアから男根を抜き、シャングリアを拘束していたすべての粘性体を消す。
「あふっ」
シャングリアが横倒しに倒れる。
「任せたぞ」
エリカたちに声をかける。
「コゼ、頼むわ。わたしはロウ様を──」
エリカが一郎を守るように立つ。シャングリアにはコゼが寄っていく。
一方で一郎は、すぐに、飛び出した魔妖精を確認する。
クグルスのように小さくはなく、羽根のようなものもない。
魔妖精としては、種族違いなのかもしれない。
それとも、男の魔妖精は大きいのか?
まあ、それはとにかく、魔妖精が単体になったことで、やっとステータスを読み取ることができた。
これを待っていた……。
“ビビデバブー(ベルゼブブ・スカラムーシュ・フィガロ)
魔妖精(淫魔族)、男
生命力:1500
魔道力:2000”
「畜生──。なんだ? 弾き飛ばされたぞ──。だったら、直接、魔道をかけてやる。この人間族の身体では魔道を遣えなかったけど、このビビデバブー様を見くびるなよ──」
魔妖精が飛びあがって浮かぶ。
この大きさでも宙に浮かべるのだと感心した。
「そこまでだ。ベルゼブブ・スカラムーシュ・フィガロ──。お前を支配する。お前の主人として、真名に変わる新たな名を付与する。お前はスカラーだ──。スカラー、全ての抵抗をやめて、床に立て。一切の抵抗を許さん。命令だ──」
一郎は叫んだ。
「ひっ、なんで、真名を……? は、はい、余はこれより、スカラーです」
真っ蒼になった魔妖精が床に降りたち、直立不動の姿勢になった。
その顔に恐怖の色を浮かべている。
「き、貴様、ゆ、許さんぞ──」
すると、走り寄ってきたシャングリアがものすごい、勢いでビビデバブ、改め、スカラーを蹴り飛ばした。
「ふげえっ」
一切の抵抗をするなと命じていたスカラーが
「待て、逃げる気か──」
シャングリアが怒鳴って、追いかけていく。
「逃げるかじゃないでしょう、シャングリア……。あんたが蹴飛ばしたんでしょう。落ち着きなさいよ。ご主人様が訊問なさるわ」
コゼだ。
呆れたようにシャングリアに声をかけた。
「落ち着けるかあ──。こいつ、わたしの身体にいきなり憑依して、ずっと自慰をさせたんだ。ずっとだぞ──」
シャングリアが激怒したままスカラーに寄っていく。
それで、シャングリアの股間は最初から濡れていたのかと思った。スカラーは、そうやって、神殿の上の階でシャングリアから淫気を搾り取りながら、こっちの様子を確認していたのだろう。
床に立てという命令が効いているスカラーが、よろけながらなんとか立ちあがる。
「もういっちょだあ」
シャングリアの蹴りがスカラーの顔面に炸裂し、スカラーの身体は神殿の壁に吹っ飛んでいった。