※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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108 女丈夫と淫魔師

「……どうして、タリオに屋敷妖精を連れ帰ると思ったの……?」

 

 エレインが一郎を睨みながら言った。

 一郎はうっかりと魔眼で知った情報を口にしてしまったことを悔んだ。

 なんという失態……。

 さて、どうやって誤魔化そうか……。

 

「ええっと、違うのか? なにしろ、あんたの言葉にはかすかにタリオの訛りがあるし……」

 

 咄嗟に言った。

 そもそも、タリオの訛りなどがあるかどうか知らないが、ほかに適当な言い訳は思いつかない。

 

「タリオの? まさか……。そんなこと一度も言われたことないのに……」

 

 エレインは目に見えて動揺している。

 よかった。

 なんとか、誤魔化せそうだ。

 

「ご主人様は耳がいいのよ。誤魔化せないわよ。でも、あんた、タリオの人? そっから来たの? 屋敷妖精をそこまで連れていくの? 正気?」

 

 コゼがうまく話を合わせてくれた。もっとも、一郎がいきなり、タリオなどという公国名を出したことには、不自然さは感じているだろう。しかし、こういうことには、コゼはなにも気づかなかった素振りをしてくれる。

 一方で、エレインが苦笑した。

 

「正気よ……。あたしだって、こんな面倒なことしたくないけど、依頼主の坊やがどうしても、屋敷妖精を屋敷に住ませたいんだって。それが自分に相応しいとか言ってね。そんな見栄のために、面倒なことこの上ないんだけど……。まあ、これも仕事なのよ……。こんなくだらない仕事なんて、ほかの者にはさせられないしねえ……」

 

 エレインが脱力したように溜息をついた。

 依頼主の坊や……?

 

 だが、エレインは本当は冒険者じゃない。

 そもそも、エレインの実力で冒険者レベルが(チャーリー)というのは低すぎるような気がする。

 なんとなくだが、エレインは今回の仕事でハロンドールに入るために、冒険者の身分を手に入れたのではないだろうか。

 冒険者としてのクエストであれば、国境を超えることは珍しくないし、比較的に自由に他国に侵入できる。

 エレインは、諜報員の長とステータスにあるが、もしかして、屋敷妖精が目的で冒険者に偽装して入国した?

 

 一郎も屋敷妖精を眷属にしているので、屋敷妖精が非常に珍しい存在だということは知っている。また、確かに、屋敷妖精が家にいるというのは、非常に高いステータスとなるので、王侯貴族こぞって欲しがるものだそうだ。

 一度ならず、二度三度と、ミランダには言われた。

 

 ところが、屋敷妖精は主人を選ぶのだ。

 人族の世界でどんなに偉い身分であろうと、それは関係がない。

 屋敷妖精が仕えるのは、魔道力の強い者だけだ。

 例外は一郎だろう。

 シルキーについては、強引に性支配をしたが、本来は屋敷妖精は主人の魔道に引かれる存在のようだ。

 つまり、魔道力の高い者が主人である屋敷でないと、屋敷妖精は住みつかない。

 それは、家人に魔道力が高い者がいるというのもだめであり、あくまでも屋敷の主人が魔道力の強い存在でなければならないのだ。

 主人が王侯貴族であり、魔道遣いを住まわせているという環境であっても、主人自身の魔道力が低ければ、屋敷妖精は認めない。

 そういうものなのだが、エレインはそれを知っているのだろうか。

 

 いずれにしても、エレインには魔道力はない。

 だから、ブラニーは従わない。

 もしかして、屋敷妖精は非常に珍しい存在なので、ハロンドールほど、タリオでは屋敷妖精の性質などが知られていないのかもしれない。

 まあ、それはいいが……。

 とにかく、ブラニーは、かなり古くからこの神殿に巣食っていたようなので、なにかの情報でタリオの高官、あるいは、大公そのものが、その情報に接して、屋敷妖精に興味を覚えたというのも考えられる。

 それで、このエレインに命じたとか……。

 まあ、それはそれで、ハロンドール国内では、ここに屋敷妖精がいることは知られていなかった気配なので、逆に、タリオ公国の諜報力そのものはすごいということにもなるが……。

 

 とにかく、このエレインをどうするかだ。

 このままでは、あちこちで、べらべらと一郎のことを喋られるかもしれず、非常に都合が悪い。

 しかも、タリオ公国といえば、あのアスカの城にかなり距離的に近い。

 エリカも、もともと、タリオをはじめとして、三公国をうろうろしていたときに、アスカに目をつけられたはずだ。

 あそこには、アスカの眼がある。

 つまり、このエレインは、口封じをする必要がある。

 

 仕方ないな……。

 一郎は嘆息した。

 

「それよりも、エレインさん、とりあえず、寝るか。込み入った話は(ねや)でしよう。俺の主義でね」

 

 一郎は緊張を破るように、できるだけ軽い口調で言った。

 まあ、結局のところ、それが一番手っ取り早い。

 精を放ってしまえば、エレインこと、レイク家のダームというタリオ公国の間者殿は、一郎に不利な行動をとることはできない。

 それに、どういう性生活を送っているか知らないが、エレインの性経験の人数は、一郎でも常軌を逸していると感じるくらいの豊富な性体験だ。

 コゼのように、性奴隷になっていたという感じでもないし、普通に性行為が大好きなんかじゃないんだろうか。

 なんとなくだが、そんな気がする。

 一郎の申し出に、嫌とは言わなさそうだ。

 本当は、他国の諜報員などに関わりになるのは面倒なのだが、ここは仕方がない。

 すると、一郎の周りの女たちの緊張がちょっと解けた。

 

「ああ、そういうことか」

 

「ならいいわ。別に無駄に人を殺したいわけじゃないしね」

 

「だけど、危険です……。ねえ、エレイン、ロウ様と寝るんなら、拘束されてもらいますよ。それが条件です。それと見張りを立てます」

 

 最後に言ったのはエリカだ。

 一郎は苦笑した。

 だが、エレインは目を丸くして驚き、次に爆笑した。

 

「なに? なに? なに? あたし、この人と寝ていいの? どうやったら、そんな話になるのかと思ってたんだけど、それは話が早いわね……。拘束するの? もちろん、いいわよ。そんなのも大好き。だけど、知らないわよ。これでも男扱いについては百戦錬磨のエレイン様よ。大抵の男は、あたしと寝ると、忘れられなくなるわ。あんたらのいい人奪ってもいいの?」

 

 エレインが笑いながら言った。

 すると、まずコゼがにやりと笑う。

 

「あたしたちのご主人様と性の技で優位になれるとでも? あんたこそ、覚悟するのね。ご主人様が忘れられなくなっても、終わったらさっさと帰るのよ。後腐れなくね」

 

 そして、コゼが言った。

 エレインはそれを受けて、さらに笑った。

 

「うわああ、すごおおい……。まあ、だけど、真面目な話、大丈夫よ。奪ったりしないから……。まあ、あたしの性の技をあんたらのご主人様とやらにも披露するだけよ。その代わり、性愛のあとで、この人があたしの申し出を受けてもいいと口にしたら、それは従ってよね。あたしとしても、クエストを受けている手前、どうしても、屋敷妖精を連れて帰りたいのよ」

 

「あのねえ、あんた、屋敷妖精というのは……」

 

 エリカが口を出そうとした。

 だが、一郎はそれを制した。

 

「そういう込み入ったことは、寝た後でいい、エリカ。それで問題はなくなる」

 

 一郎は言った。

 

「それもそうですね……。確かに、後であれば、問題はなくなりますね」

 

 エリカも頷く。

 すると、エレインが愉快そうに、一郎の女たちの顔を見た。

 

「なになに? どういうこと? 性行為をすれば、問題がなくなるって?」

 

「あんたが、ご主人様に屈服して、聞き分けがよくなるということよ。いいから、さっさと、ご主人様と寝ておいでよ」

 

 コゼが言った。

 エレインが噴き出した。

 

「ご、ごめん……。だって、あんまり……。あのね……、あんたたちにとっては、性行為の上手な素敵な殿方なのかもしれないけど、これでも、あたしって、結構、男と寝た回数は多くってね……。だから、最初に言っとくけど、拘束しようが、なにしようが、最後にはあたしが主導権握っちゃうわよ。そういうセックスが好きなのよ」

 

「問題ありませんよ。だったら、賭けをしますか?」

 

 ロウは言った。

 

「賭け?」

 

 エレインはきょとんとした。

 

「ええ、賭けです。縄は解くわけにはいきませんが、その代わり、もうセックスができなくなった側が負けということです。俺が先にセックスが続けられなくなったら、あなたが屋敷妖精を連れ帰ることに全力で協力しましょう。その代わり、あなたが先に屈服したら、屋敷妖精は諦めるとともに、俺のことは他言しないと誓ってもらいます。ただし、何回達してもいいですよ。負けはもう続けられないと音をあげたときだけです」

 

 一郎はそう言うと、エレインが大笑いした。

 

「なに? そんな簡単なことでいいの? あんたが精を放つことができなくなったら勝ち? 連続で搾り取って勃起できなくなったら負けになるのよねえ? 本当に本当ね? それでいいのね?」

 

 エレインは嬉しそうだ。

 余程に自信があるのだろう。

 

「じゃあ、そういうことで……。ただし、女たちの手前縛られてもらいますよ。見ての通り、俺は弱くってね。あんたにかかれば、簡単に首を折られてしまう。女たちが心配するんで」

 

 とにかく、本人が男扱いに自信があると言っていることは本当だろう。

 一郎は、普通の人間族で、性行為の経験数が百人を超えている女なんか初めてだ。しかも、同じ相手と何回セックスをしても、ひとりとしかカウントされない。エレインのステータスは、あくまでも百人以上の別々の相手と性行為をしたことがあるということだ。そして、女も三十数人……。一体全体、どんな性生活を送ればそうなるのだ。

 

「そんな感じね。まあ、洞察力とか観察眼とかはすごいけど、冒険者やるなら、もう少し鍛錬とかやった方がいいわよ。あっ、これは余計なことか……。じゃあ、早速始めましょう。さっきの約束は守ってよ」

 

 エレインがくすくすと笑った。

 

「じゃあ、縛るまでは、わたしとコゼが同席します。その後は、わたしが見張りをしたいと思いますが……」

 

 エリカが言った。

 しかし、一郎は首を振った。

 

「そこまではしなくていいだろう。ブラニーに頼むよ。屋敷妖精の能力は知っているだろう、エリカ? エレインが俺に危害を加えさせるようなことはしないさ」

 

「まあ、そうですね……。じゃあ、わたしとコゼは、そのあいだに、神殿の最終的な探索を済ませておきます」

 

「頼むよ……。ブラニー──」

 

 一郎はブラニーを呼んだ。

 すぐに、ブラニーが出現する。

 

「旦那様……」

 

 ブラニーが恭しく頭をさげる。

 

「このエレインと愛し合う場所を二階にでも準備してくれ。それと、縄一式だ。ほかに水も頼む。それと、俺とエレインが愛し合っているあいだは、姿を消して横にいてくれ。絶対に目を離さずに、エレインと俺のいかなる危険も防止すること。それを頼む」

 

「かしこまりました、旦那様」

 

 ブラニーが嬉しそうに消えていく。

 屋敷妖精にとって、管理している建物や住人の管理に携わることを命じられるのは悦びだ。

 長く誰にも指示を受けることなどなかったブラニーは、一郎の指示を受けて幸せそうな顔をなっていた。

 魔妖精の支配を受け入れるくらいだから、ブラニーも余程に誰かに仕えることに飢えていたのだろう。だが、残念ながら魔妖精は、ブラニーの求めるような主人にはならなかったようだが……。

 

「随分と、屋敷妖精の扱いに慣れているのね」

 

 エレインが感心したように言った。

 一郎は「そうか?」というだけで、誤魔化した。

 そして、ちょっと待っていた感じのスクルズに顔を向ける。

 

「では、お願いします、スクルズ様。こっちのことは問題ありませんので……。シャングリアも頼む」

 

「わかった、ロウ」

 

 シャングリアが頷いて、スクルズに方に向かった。

 すると、スクルズがくすりと笑った。

 

「かしこまりました、旦那様」

 

 そして、スクルズがお道化た口調で言った。

 一郎は面食らってしまった。

 

「きゃっ──。ちょっと言ってみたくなったんです。失礼しました。では、行ってきます、ロウ様」

 

 スクルズが満面の笑みを浮かべて、待っている冒険者たちの方に向かう。

 

「愛されてるわね」

 

 エレインが軽口をささやいた。

 一郎は苦笑した。

 

 

 *

 

 

「ふわあっ」

 

 ビビアンは息を求めて、大きく口を開いた。

 だが、ロウと名乗ったこの冒険者の男は、ビビアンの呼吸を邪魔するように、ビビアンの口に唇を重ねて口を塞ぎ、舌を絡ませてくる。

 

「んあっ、あああっ」

 

 顔を振り切って呼吸を確保したいが、もう数限りなく繰り返している絶頂が、指一本も動かないくらいにビビアンを追い詰めている。両腕は後手に縄で縛られているが、拘束などされていなくても、ほとんどビビアンは抵抗などできないだろう。

 

「ゆ、許して、ゆ、許して……」

 

 やっと、ロウが口から顔をどかしたとき、ビビアンは必死の思いで言った。

 男女の営みのことで、この自分が相手の男に許しを乞うなど考えられることじゃないが、このロウは別だ。

 あれほどの女傑たちが、ロウに完全に屈服しているのはよくわかった。

 性行為でこんなにも翻弄され、追い詰められるなど初めてだ。

 なんという女扱いの上手な男だ。

 

「なにを許すんです? ほら、今度はまた対面座位になりましょうか。俺はこれが好きなんですよ。そして、もう一度口づけです。今度こそ、俺を達しさせてくださいね、エレイン」

 

 「エレイン」というのは、幾つか使っている偽名のひとつであり、仕事仲間の間では、「ビビアン」で通っている。

 いずれにしても、「ダーム」というのが親から貰った名前だが、親も兄弟も処刑され、親族も離散し、いまはその名で呼ぶ者はほとんどいない。

 

「ほら、舌を出して……。命令だよ、エレイン」

 

 ロウに声をかけられると、もう無条件にビビアンはロウの言葉に従っていた。

 いつの間にか、またもや、繋がったまま身体を持ちあげられて、ロウの腿の上に乗せられていたようだ。ビビアンが出した舌をロウが吸いついて舌で愛撫をされ始める。

 また、ロウがビビアンの腰に手をやり、ビビアンの緊縛された身体をゆるやかに反復運動を開始した。

 もう十数回、あるいは、軽いのも含めると二十回以上も繰り返した絶頂のために、ビビアンの身体は頭の先から足の先まで痺れ切り、もはや自分の意思ではまったく身体を動かせない人形のようになっている。

 しかも、ロウは何度も口づけを強要して、ビビアンの呼吸を制限させるようにして、ビビアンが思考をするのを許してくれないのだ。

 

 おそらく、わかっていてやっているのだと思う。

 そうやって、ぎりぎりとのところに追い詰めておき、ビビアンの抵抗力を削ぎ、絶頂に誘うということだ。

 後にも先にも、ビビアンは、これほどに短い時間で、こんなにも繰り返し絶頂をしたことなどない。

 

 相手が男であれ、女であれ、性行為の主動権をとるのはビビアン──。

 拘束されようと、されるまいと、ビビアンは膣の動きひとつで、相手の男から射精を促すことができ、寸止めもするし、徹底的な快感を与えることにより、我を忘れさせて、男をビビアンの性の奴隷のように変えることができた。

 

 だが、この男と性行為を開始し、あっという間に連続絶頂をさせられて、もうビビアンはなにも考えることなどできなくなった。

 ロウの手管に引きづり込まれ、弄ばれ、いいようにあしらわれ、与えられる大きな官能に深く抉られて、ひたすらに絶頂に導かれた。

 数が多いだけじゃない。

 一回、一回が深いのだ。

 それを繰り返させられて、ビビアンは完全にロウの下婢にでもなった気分だ。

 

 また、これだけの絶頂をビビアンがやったというのに、ロウは二回か、三回精を放ったくらいだろう。

 自分の性技がこんなにも通用しないというのも初めてだ。

 

 ビビアンは精も魂も尽き果て、失神してしまいたくてたまらなかったが、ロウはそれさえも許さない。

 気が遠くなりかけると、ロウはわざと乳首を甘噛みして軽い痛みを与えたり、ときには肉芽をつねったりして、強引に覚醒させるのだ。

 それでいて、呼吸は口づけの繰り返しで制限し、朦朧としている状態を維持し、身体も頭も無抵抗にしておいて、絶頂をさせる。

 この繰り返しだ。

 

 とにかく、最初こそ、このロウに一矢報いたいと思って、ロウの肩に噛みついたり、自分の歯を噛みしめたりして、挑みかかろうとも思っていたが、もうその気力もない。

 いまは、ただ許して欲しい。

 

「ああ、また、また、いく、もういやああ、いくのはいやああ、許してええ」

 

 ビビアンはロウの腿の上でロウの腰と自分の股間をぶつけ合い、泣きじゃくって許しを乞いていた。

 恥も外聞もない。

 これ以上、続けると頭がおかしくなってしまう。

 もう、ビビアンの願いは、疲労の極致に達しているビビアンをロウが解き放ってくれることだ。

 

「だったら、俺を満足させてください。そうですね。あと、一回俺が精を放ったら、とりあえず、終わりましょうか。あなたはもう満足したようですしね」

 

「ほ、本当ね? ああっ、はっ、ああっ」

 

 あと一回……。

 それを希望に、ビビアンは一郎の怒張が埋まっている膣を締めつける。

 しかし、ぎゅっと絞った膣の気持ちのいい場所を、ロウの亀頭の尖端が圧迫するように押し擦る。

 

「ああっ、やあっ」

 

 快感が大きすぎる。

 とりあえず、ひと呼吸しようと思って膣の締めつけを緩めて、いったん逃げようと思ったが、ロウはビビアンの緊縛された裸身に両手を絡ませて、自分の方に引き込み、逃げることを許さない。

 片手を背中の中ほどで縛られているビビアンの両手首のあたりにかけ、もう一方の手でお尻の下を支え、しかもお尻の穴に指を入れて、内側から刺激しつつ、腰全体を押すとみせて引き、引くとみせて押すということをしてくる。

 

「あああっ、あああっ」

 

 またもや鋭い快感の芯を抉られるような感覚に襲われた。

 ビビアンは引きつった悲鳴をあげた。

 

「んぐううっ」

 

 ビビアンはがくがくと身体を震わせて絶頂していた。

 すると、ロウが唇を塞ぎ、悲鳴とビビアンの息をとめてしまう。

 絶頂に陥りながら、ビビアンはすっと頭が朦朧となるのがわかった。

 それにしても、なんという男だ。

 ビビアンがこんなになるだなんて……。

 

 そのときだった。

 やっと、ロウがビビアンの子宮に精を放つ感覚が襲ったのだ。

 間違いない。

 ほっとした。

 これで許される。

 ビビアンは全身が脱力するのがわかった。

 

「じゃあ、とりあえず、終わりましょうか……。前はね……」

 

 目の前のロウがにやりと笑った。

 前……?

 ビビアンは耳を疑った。

 

「じゃあ、次は後ろですよ。そっちの経験もあるみたいですしね」

 

 ビビアンは心の底から恐怖の声をあげていた。

 狼狽と抗いを示そうとしたが、もはやその気力も体力もなく、ビビアンは身体をロウの腿の上で反転させられて倒され、いわゆる背向位の体位にさせられた。そして、菊門に怒張を当てられる。

 

「ひいっ、ひっ」

 

 ビビアンは引きつった声をあげた。

 だが、ロウの怒張はいつの間に潤滑油を塗ったのか、滑らかな油剤に包まれていて、特に抵抗なくビビアンのお尻の奥に入ってくる。

 ビビアンは泣き声をあげてしまった。

 

 ゆっくりとした律動が始まる。

 最初は鈍痛のような痛みに似たものがないでもなかったが、すぐにすさまじい快感が迸った。

 とにかく、ロウの性交はかなりの技巧だ。

 女に与える快感は怖ろしいほどに巨大だ

 ビビアンはたちまちにこの世のものとも思えない快美感にのたうち回ることになってしまった。

 

 ロウがビビアンのお尻の穴に精を放ったのは、ビビアンが肛姦により三回目の絶頂をしたときだった。

 やっと臀部からロウの男根が抜けていく。

 今度こそ、ビビアンは意識を失いかけた。

 だが、信じられないものを次の瞬間に見てしまった。

 ロウの怒張は、いまだ衰えておらず、隆々と勃起を保持していたのだ。

 たったいま出したばかりのはずなのに……。

 

「じゃあ、とりあえず、後ろは終わりますか。次はもう一度前を使いますね」

 

 ぞっとした。

 まだ続ける気なのだ。

 ロウがビビアンを正常位にして上に乗ってくる。

 ビビアンは心の底からの悲鳴をあげた。

 

「な、なにが、とりあえずよ──。やめてえっ、もう、やめてええっ──。参った、参ったから」

 

 ビビアンは必死で拒否した。

 もう限界だ。

 すると、ロウが笑った。

 無邪気そうで、愉しそうな笑顔だった。

 

「じゃあ、降参でいいね?」

 

「さっきから、そう言っているわよ──」

 

 ビビアンは最後の気力を振り絞って悪態をついた。

 そして、すっと気が遠のくのがわかり、ビビアンはそのまま意識を手放した。

 

 

 *

 

 

 エレインが気を失ったのを確認し、一郎は部屋の扉を開いた。

 すると、部屋の外に、エリカ、コゼ、シャングリア、スクルズの四人がいた。

 彼女たちが、途中から廊下で待っていたのは、ずっとわかっていた。

 四人が部屋に入ってくる。

 

「あらら、大きなこと言っていたけど、完全に気を失っているじゃない」

 

 コゼが寝息をたてているエレインを見て、くすりと笑った。

 そして、まだ服を着ていなかった一郎の足のあいだに跪き、怒張を口に含む。

 

「あっ」

「素早い……」

「あれ、また……」

 

 掃除フェラというやつだが、あっという間にコゼが口に咥えてしまったので、エリカ、スクルズ、シャングリアがちょっと出遅れてしまったという顔をしている。

 だけど、コゼはいつも、一郎を見ていてくれて、こういうときには、必ずといっていいほどに、一郎の世話をしてくれる。

 そういうところは、コゼが可愛くもなる。

 

「コゼ、悪いが、そのまま一度抜いてもらっていいか? どうにも中途半端でね」

 

 一郎は笑って言った。

 なんとなくだが、コゼの口に出したくなった。それに、エレインが死にそうな顔をしているからやめたが、本当はもう数発したかったのだ。

 だが、やめてあげた。

 かなりの性の強者っぽかったので、ちょっと自重気味に進めたのがよくなかったかもしれない。

 いつもの女たちじゃないから、気心がわからなかっただけに、責めのバランスを間違ったみたいだ。

 

 一方で、コゼが一郎の男根を咥えたまま、嬉しそうに頷く。

 そして、いつの間にか上手になったフェラで、一郎を愉しませてくれた。

 しばらく堪能してから、一郎は遠慮なく精を放った。

 コゼが愉しそうに、一郎の精をすする。

 

「ふふふ、ありがとうございます」

 

 コゼが口を離す。

 

「ううん、出遅れましたね」

 

 スクルズが呟いた。

 一郎は筆頭巫女の淫らな呟きに、ちょっと笑ってしまった。

 

「ところで、どうなりました、ロウ様?」

 

 エリカが一郎に囁いた。

 言わんとしていることはわかっている。

 一郎は小さく頷いた。

 

「エレインが俺の不利になることを誰かに喋ることはない。その程度の支配はした。ただし、淫魔師の恩恵が及ぼすほどの支配もしていない」

 

 一郎は言った。

 精を注いで性支配はした。

 だが、緩やかな支配という感じである。しかし、一郎について余計なことは語らないと約束したことは、「命令」に置き変わっているはずだ。絶対に口外することはない。

 そういう感じだ。

 

 一郎は、エレインについて、それが仮名であることとか、タリオ公国の間者であることを説明するかどうか迷ったが、とりあえず、黙っていることにした。

 まあ、今後、彼女が一郎たちに関わるようであれば、みんなに相談もするが、ここで出会ったのは、単なる偶然のようだし、今後、関わるとも、あまり考えにくい。

 エレインについては、ただの冒険者ということでもいいと思った。必要になれば、また、そのときに相談すればいい……。

 

「ところで、場所を変えよう」

 

 一郎はエレインの縄を解いて毛布をかけると、服を着て、もう一度最初の広間に戻った。

 みんなで祭壇を椅子代わりにして腰かける。

 

 まずは、スクルズとエリカに、それぞれに状況を訊ね、冒険者たちを無事に送り届けたことと、神殿の中には特にめぼしいものはなかったことを確認した。

 だが、魔妖精が残した大量の財貨は、言葉の通りに地下にあったそうだ。いまも、一郎の指示待ちでそのままにしてあるとのことである。

 一郎は、ブラニーを呼んだ。

 

「旦那様、お呼びでしょうか」

 

 ブラニーが出現して、頭をさげた。

 一郎はまずは、ブラニーに座るように言った。

 ブラニーはちょっと困惑した表情になったが、大人しく腰をおろす。

 

「とりあえず、お前のこれからを相談したいんだ。実際のところ、もうこの建物は完全な廃神殿だ。屋敷妖精としてここに長く仕えて未練もあるんだろうけど、残念ながら、ここには、もう新しい主人が来る見込みもない。どうだろう。次の主人と新しい屋敷を探すつもりはないか?」

 

 単刀直入に言った。

 屋敷妖精のことはわからない。

 どういう条件で建物を移るのかということも知らないし、訊ねた方が早いと思った。

 すると、ブラニーが首を傾げた。

 

「わたくしめの新しい屋敷でございますか? でも、いまのわたくしめの旦那様は、あなたでございます。よくわかりませんが、そのように刻まれてしまったようでございます。あなた様さえよければ、わたくしめを一緒に連れていってはくれませんでしょうか?」

 

 ブラニーが言った。

 一郎は驚いてしまった。

 

「いいのか?」

 

 逆に訊いてしまった。

 だが、ブラニーは首を傾げたままだ。

 

「なぜ、このような気持ちになったのか、わたくしめにもわかりません。でも、確かに、もうこの建物で、新しい旦那様たちのお世話をする機会はないのでしょうね。それはわかりました。あのお方を新しい旦那様と認めてしまったのは、わたくしめの未練でございました。ですが、どうやら、あなた様が、わたくしめをこの建物から引き離していただいたようでございます」

 

 ブラニーが言った。

 

「ロウ様、屋敷妖精が同じ屋敷にふたりというのは耳にしたことがありません。ねえ、ブラニー、ロウ様のお屋敷には、すでにシルキーという屋敷妖精がいるわ」

 

 そのとき、スクルズが口を挟んだ。

 すると、ブラニーが目に見えて失望する顔になった。

 

「そうでございますか……。では、やはり、わたくしめは、ここで建物とともに残ることになるのでしょう。ここで新しい旦那様がわたしくめを連れていってくださるのを待つか、それとも、建物とともに寿命を全うしたいと思います。このたびは、お世話になりました」

 

 ブラニーが静かに頭をさげた。

 一郎は顔をあげさせた。

 

「ブラニー、どのような条件のときに、お前は新しい主人を認めて、次の屋敷に移るんだ?」

 

「わたくしめが、どのような場合に、次の屋敷に移る気持ちになるのか、それは、わたくしめにもわからないことでございます。でも、あなた様と一緒であれば、行ってもよいと思いました。それだけでございます。しかし、すでに屋敷妖精のいる屋敷には、わたくしめは入れません。とても残念です」

 

「ならば、たとえば、さっきのエレインと一緒に行けるか?」

 

「無理でございます。あのお方は魔道遣いではございません」

 

 即答だ。

 やはり、無理なのだろう。

 

「じゃあ、俺がもう一軒家を買うのは? そうすれば、その屋敷に来れるか?」

 

「もう、一軒家を?」

 

 一郎の言葉に、エリカが驚いた言葉を発した。

 だが、それは少し前から考えていたことだった。

 つまり、一郎の王都内の第二拠点だ。

 いまの屋敷とは別に、王都内に隠れ蓑となる家を構え、表向きには、そこを一郎たちの家ということにするのだ。そして、王都に入るときには、スクルズに作ってもらう移動ポッド経由で行く。

 まず、郊外の屋敷が割れることはないだろう。

 アスカの追っ手がかかるとしても、そっちを隠れ蓑にしておけば、いまの屋敷を守りやすい。

 一郎は、エリカたちに説明した。

 三人娘は、いい案だと考えてくれたみたいだ。

 

「幸いにも、家を購入するには十分な臨時収入もできた。この案は、実際には住まないので、隠れ蓑にするためには、どうやって生活の気配を作るかが問題だったが、ブラニーがいるなら、その問題も解決する」

 

「臨時収入とは、魔妖精が残した財のことですか?」

 

 コゼが訊ねた。

 一郎はそうだと言った。

 しかし、ブラニーはまたもや、首を横に振った。

 

「申し訳ありません。魔道で繋ぐのであれば、それは場所が異なっても一軒の家でございます。そのシルキーという屋敷妖精の管轄になります」

 

 ブラニーがまたもや、残念そうに言った。

 ならば、一郎は、考えていた次の案を提案することにした。

 

「じゃあ、ここにいる彼女が主人では?」

 

 一郎が示したのはスクルズだ。

 魔道の高い魔道遣いに屋敷妖精が惹かれるのであれば、スクルズを越える候補者は、まずいないだろう。

 

「わ、わたしですか? でも、わたしは第三神殿に住んでおりますが、屋敷の当主ではありません」

 

 スクルズは、急に話を振られて驚いている。

 

「だから、さっきの家だ。スクルズには、移動ボッドがある。その家と神殿の私室を繋いでしまえば、実際的には神殿にもうひとつ部屋ができるのと変わりない。だから、家を買って、そこにブラニーに住んでもらい、ウルズの世話をしてもらえばどうだろう。ベルズの第二神殿の私室とも、同じように移動ポッドを繋いで、交代で看ればいい。もちろん、俺の屋敷とも繋いでもらう。スクルズたちにしても、ウルズの世話について、ブラニーがいる分、これまでよりも楽になるし、実際、神殿よりは俺も通いやすい」

 

「おう、それなら、わたくしめがお仕えできると思います。あなた様の魔道であれば、ブラニーは喜んでお仕えいたします。いまの旦那様にも…」

 

 ブラニーが喜色を顔に浮かべる。

 だが、今度はスクルズが困惑顔になった。

 

「でも、男神官とは異なり、巫女は必ず神殿内に住まなければならないという戒律が……。個人的な家の購入は名目のみでも、教会法に違反することで……」

 

「そんなもの、どうにでもなるだろう、スクルズ。それに、神殿には夜這いもしにくいが、移動ポッドで結んだ中間の家なら俺は毎晩のように、スクルズを夜這いに行ってもいいぞ」

 

「家を買いましょう」

 

 今度はスクルズは即答した。

 エリカたちが、ちょっと呆れた表情でスクルズを見たのがわかった。

 

「おお、では、わたくしめは、皆さまの新しい家にお仕えしたいと思います。それと、そのシルキーという屋敷妖精と会うのも楽しみですね。そのような環境であれば、話すこともできるでしょう。なにしろ、屋敷妖精は、ひとつの屋敷にひとりのみという制約があるので、同朋と出逢うことなど滅多にないのでございます……。さらに新しいご主人様である魔道遣い様のお名前を改めて教えていただいてよろしいでしょうか」

 

「スクルズよ」

 

「では、どうぞ、末永くよろしくお願いいたします、スクルズ様。あなた様の新しい家ができるのを愉しみにしております」

 

 ブラニーが立ちあがって頭をさげた。

 

「では、準備ができたら、改めて迎えに来るとしよう」

 

 一郎は言った。

 だが、ブラニーが首を横に振った。

 

「いえ、その心配はご不要でございます。その家の主人に、魔道遣い様がご主人となった日に、わたくしめは、そこに移ってまいります。契約が成立いたしました以上、すでに、わたくしめの魂は自動的に新しい屋敷に繋ぎとめられるはずでございます」

 

「そういうものか」

 

 とりあえず、納得することにした

 そのときだった。

 二階から階段をおりてくる気配があった。

 エレインだ。

 とりあえず、服は身につけている。

 ただ、相当に気怠そうだ。

 

「あら、もういいの? きっと明日まで起きないと思ってたわ」

 

 コゼがからかい気味に声をかけた。

 

「持っていたポーションを無理矢理に飲んだんだよ。参ったね……。世の中には、このあたしをへこますような男もいるんだね。お見それしたよ」

 

 エレインがやって来て、みんなで座っている祭壇にどんと座り込んだ。

 ブラニーがスクルズを見た。

 

「スクルズ様、よろしければ、皆さまに食事の準備をしたいと思いますが?」

 

 ブラニーは言った。

 もはや、まだ家はないが、スクルズを新たな主人として認めたということだろう。

 

「お願いするわ」

 

 スクルズがにこにこと微笑んで応じる。

 

「かしこまりました。では、しばらくお待ちください」

 

 ブラニーが嬉しそうに微笑んで姿を消した。

 それと同時に、なにもなかった床に、長テーブルと椅子が出現した。テーブルには白い布がかけられていて、中心には花まで飾っている。

 

「なになに? 屋敷妖精は、結局、あんたが引き取ることになったの?」

 

 エレインが興味深そうに言った。

 コゼが口を開いた。

 

「そうだけど、もうご主人様との勝負に負けたんだから、ぐずぐず言わないでよ」

 

「言わないわよ。こちらも好都合よ。屋敷妖精がずっとここに残るんなら、なんとかしろって、あの坊やにうるさく言われるけど、いなくなるんなら、最初からいなかったと報告できるものね。それにしても、あんたら、すごいわ……。このロウに……、いや、ロウ殿の相手ができるのね。あんたたち、全員、このロウ殿の女なんでしょう?」

 

 エレインが自嘲気味に笑った。

 

「まあ、ひとりじゃないからな。このところ、ロウの絶倫も際限がなくなり、いつも三人がかりだ。だが、エレインとやら、ロウの性愛はあんなものじゃないぞ。あれは優しいくらいだ。いつもはもっと鬼畜だ。だが、その鬼畜の先に、やり遂げたという充実感があるのだ。まだまだだ」

 

 シャングリアが横から口を挟む。

 

「まだ、あれ以上があるの?」

 

 エレインが目を丸くした。

 すると、なぜかほかの女たちが一斉にくすくすと笑い声をあげる。

 ロウは、なんと言うべきが迷ったが、もはや言い訳めいた口を挟むのはやめた。それよりも話題を変えることにした。

 

「ところで、エレイン、俺たちはこのクエストの報告を済ませれば、十日ほど、ミラノの城郭で休暇を取るつもりだ。それから王都に戻る。よければ、一緒に行くか」

 

 一郎は声をかけた。

 

「いいの?」

 

 エレインは一郎を始め、ほかの女たちを見た。

 女たちが微笑んで頷く。

 すると、嬉しそうに破顔した。

 

「やった──。本当は、あんたたちと、これで別れるのは名残り惜しいなあと思ってたのよ。久しぶりに、あたしも心からの休暇をとるわ。なんか、この人には、いろいろと衝撃を受けたから、そういう時間が必要な感じなのよ」

 

「大袈裟ねえ」

 

 エリカが苦笑している。

 

「大袈裟じゃないわ。これでも、性技には自信があったのよ。でも、あたしなんて子供扱い……。こんな人初めて。まあ、よろしくね。改めて、エレインよ。タリオ国から来た冒険者ね。まあ、クエストが終わったから帰るけどね」

 

 すると、女たちが改めて順番に自己紹介をした。

 そして、それが終わったとき、待っていたかのようにブラニーが出現する。

 

「皆様、お席にお付きください」

 

 ブラニーとともに、長テーブルの上に温かいスープと柔らかそうなパン、さらに果物と数種類の飲み物が並んだ。

 

「わおっ、すごい」

 

 エレインが声をあげた。

 それを合図に、みんなで長テーブルに向かって移動した。

 

 

 

 

(第17話『淫神の巣食う神殿』終わり)

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