【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「金貨一枚に銀貨二十枚」
「金貨一枚と銀貨を三十枚だ」
「じゃあ、それに銀貨五十枚追加──」
威勢のいい競りの声が場内に響き渡る。
そうやって自分に値段がつけられていくのを十歳のコゼはぼんやりと耳にしていた。
国境に近い城郭で開かれている三箇月に一度の奴隷市だ。
今日、売りに出されたのは、コゼを含めて十人の奴隷であり、コゼはその五番目の商品だった。
コゼは競り台の上から、集まっている大勢の観客を漠然と眺めている。
だが、その大半は、女奴隷の裸を見物にきた興味本位の野次馬だということをコゼは知っていた。その証拠にコゼを買おうと値をつける声をあげているのは数名だけだ。
いまも、素裸に剥かれているコゼの幼い身体にいやらしく視線を向けているのがわかる。
特に、その中の何人かが、ぎらぎらとした欲望の視線を向けている。それは、少しばかり薄気味悪いほどだ。
好色な男たちの表情──。
淫欲を丸出しにした大人の男たち──。
しかし、コゼはもう、それに醜さは感じてはいない。
まだ、子供のコゼにも、あんな男たちの視線を誘うものがあるのだと思っただけだ。十歳でしかないコゼの裸身が、幾らかでも男の欲情を誘うのであれば、それは商品であるコゼには喜ぶべきことなのだ。
奴隷のコゼ……。
今日は、奴隷商における三箇月の準備期間を終え、いよいよコゼの持ち主が決まる奴隷市の日だった。
まだ、十歳のコゼだったが、大人の男たちの卑猥な視線が突き刺さるように自分の裸に向けられているのは意識している。
十歳といえども、女であれば性奴隷として扱うために童女奴隷を贖う愛好家もいるらしい。
そのために、コゼは事前に奴隷商に肌を磨きあげられ、顔には薄化粧までさせられている。
そして、奴隷市が始まり、コゼの順番が来ると、奴隷商はコゼを台上にのぼらせて、身体を覆っていた布をはぎ取った。
布の下は完全に裸だった。
両手は後手首に手枷をかけられ自由を奪われている。
コゼは裸身を隠すこともできずに、観客の男たちの好色な視線に裸を晒すしかなかった。
もっとも、手枷がなくても、コゼの自由は奪われている。
首に装着された『奴隷の首輪』は、すでに、コゼ自身の意思にかかわらず、「主人」の「命令」に絶対服従するように魔道をかけられている。
いまの主人は、横にいる奴隷商だ。
それが、この競りが終われば、コゼを購入した者に「主人」が刻まれなおされる。
そうやって、コゼの奴隷としての人生が始まるのだ。
どんな人がコゼを買うのだろう?
コゼは諦めのような感情とともに、競りの行方を見守っていた。
いまのところ、コゼに値をつけ続けているのは三人のようだ。
そのうちのふたりは娼家の男であることを知っていた。彼らは、コゼに女娼婦としての価値があると思って、値をつけているのだろう。
もうひとりは、確かマニエルという裕福な商人だ。
その男は、ほかの男とは異なり、まだ幼い身体のコゼには、まだ女としての興味は持っていないような表情だ。
三人とも、この奴隷市に先だって、コゼのいる奴隷商に何度か足を運んで、得たいの知れない魔道具の計測器を持ち込み、コゼの手先の器用さや反応速度などについての商品価値を測りにきていた。あれになんの意味があるのか、コゼにはわからない。
いずれにしても、この三人のうちの誰かが、コゼの新しい主人ということになりそうだ。
「金貨二枚──」
商人のマニエルが叫んだ。
すると、ほかのふたりがコゼのことを諦めたように、すっと手をおろした。
どうやら、コゼの飼い主は、あのマニエルということになったようだ。
「金貨三枚──」
そのとき、別の場所から声が起きた。
多くの者が驚いたように、声の主を探すのがわかった。
コゼも同じように視線を向ける。
声の主は、黒髪の男の人だった。
旅の男という感じであり、コゼには面識はない。
奴隷商にも来ていないと思う。
ただ、なぜか、不思議な懐かしさをコゼはその男に感じた。
それはとても不思議な感情だった。
「き、金貨二枚と銀貨五十枚」
マニエルの不機嫌そうな声がした。
「金貨五枚──」
さっきの男がそう叫んだ。
これには、コゼも驚いた。
大の男の奴隷の相場は金貨二枚だ。
女奴隷は、性奴隷としても取引きされるので、容姿によっては金貨五枚どころか、その十倍くらいの値くらいつくこともあるかとは聞いていた。
だが、コゼはまだ十歳だ。
性奴隷としての付加価値はまだ未知のものであり、童女奴隷に金貨五枚など破格だ。
その男が金貨五枚の値を付けたことで、マニエルが肩をすくめる仕草をした。
競り合うつもりはないという意思表示だ。
「では、金貨五枚で、その方がこの童女奴隷を落札いたしました」
司会役の男が大きな声で宣言した。
拍手が起きる。
横で奴隷商が嬉しそうな声をあげた。
まだ子供のコゼが金貨二枚で売れれば、御の字だと口にしていたから、金貨五枚というのは予想外の高額ということになる。
奴隷商が喜んでいるようで、コゼも少し嬉しかった。
短い時間だったが、この奴隷商には世話になった。
税を支払うことができなくなって途方に暮れかけていた両親から、コゼを買い取って両親が捕らわれなくて済むだけの金子を与えてくれ、コゼには三箇月間、奴隷としての心構えや躾をきちんと与えてくれたし、きちんと食事もさせてくれ、乱暴な扱いも受けることはなかった。
もっと非道な仕打ちを受けると思っていただけに、奴隷商のコゼに対する態度には満足している。
コゼは奴隷商とともに、奴隷市の裏に設置されている商談室として準備された小屋に向かうことになった。
そこで、コゼを競り落とした男がコゼの主人になる手続きをするのだ。
競り台を降りたときにふと振り向くと、すでに、次の奴隷商と売り物の奴隷が交代で競り台にあがっていた。
今度は屈強な男奴隷であり、商品点検はおざなりらしく、すぐに競りが始まった。
商談部屋にはすでにさっきの男が待っていた。
部屋には椅子とテーブルもあったのだが、男は立ったままだ。
コゼは自分の心臓が早鐘のように鳴るのを感じた。
わからない……。
初対面の男のはずなのに、ちっともそんな感じがしない。
それだけでなく、この男の間近に来ると妙に落ち着かない気持ちになる。
たったいままで、誰がコゼの「主人」になろうともどうでもいいと思っていたし、これからのコゼの人生を左右するであろう今日のことも白けたような気持ちでしかなかった。
だが、いまは、この黒髪の男がコゼの主人になってくれてとても嬉しい。
なぜか、嬉しい……。
「金貨五枚です」
男はすぐにテーブルに金貨を置いた。
何者かわからないが、随分と礼儀正しい性質のようだと思った。言葉遣いが随分と丁寧だ。
「確かに」
奴隷商は金貨を一枚一枚確認して、にっこりと微笑んだ。
「では、あなた様をコゼの主人として首輪に刻みます。失礼ですが、お名前は?」
奴隷商は言った。
この奴隷商は能力は高くないが魔道遣いでもある。奴隷の首輪に主人を刻みなおす作業は奴隷商自身ができる。
「俺はロウと言います。でも、コゼへの奴隷の刻みは不要です。あなたの主人としての刻みを解いてくれれば、それでいいんです」
「えっ? 解放奴隷にするのですか」
奴隷商が驚いている。
「そうは言ってません。コゼは俺の性奴隷ですからね。でも、奴隷の首輪は不要だと言っているだけです。この場で外してください」
ロウと名乗った男はにこにこと微笑んだまま言った。
奴隷商はロウの言ったことの意味がよくわからないらしく、ぽかんとしている。
それはコゼも同じだ。
どうやらロウは、コゼを性奴隷として扱うようであるが、首輪は外していいと言っている。
どういう意味だろう……?
コゼも疑問を抱いた。
奴隷商はロウにもう一度言ってくれと告げた。
ロウは、奴隷の刻みは不要であり、コゼの奴隷の首輪は外してくれと、同じことを口にした。
口調もはっきりしているし、戸惑いの響きもない。
このロウは、コゼの首にある首輪をとにかく外したいという感じだ。
「……首輪を外せと言われるなら外しますけど、その瞬間、コゼは逃げるかもしれないし、あなたに危害を加えるかもしれない。それでもいいのですか?」
「結構です。コゼはもう俺の持ち物ですから、コゼが逃げたとしても、それはあなたに関係のないことです。それに、コゼは逃げませんよ……。それよりも、コゼの手錠を外して欲しいですね。身体も隠してください。俺の女の裸をいつまでも他人の視線に晒しておくのは不愉快です。俺は独占欲が強くてね」
ロウがきっぱりと言った。
奴隷商は首を傾げている。
しかし、すぐに首を竦める仕草をした。
勝手にしろということだろう。
とにかく、コゼの手錠が外され、コゼに身体を覆う一枚のマントが与えられた。
コゼはマントで裸身を隠した。
続いて呪文が唱えられ、コゼの首から奴隷の首輪が二つに割れて外れる。
奴隷の首輪には魔道が刻まれていて、この首輪そのものが、それが装着されている者が「奴隷」身分であることの正式の公文書のようなものだ。あるいは、身体に直接に隷属の魔道紋を刻むかだ。
ふたつの違いは、奴隷紋は一度刻めば変更はできず、持ち主を変更できないだけじゃなく、奴隷から解放することは不可能になる。持ち主が死ねば、自動的に紋章奴隷も死ぬ。商品価値は消え、その代わり盗まれる可能性も消滅する。
コゼはいま売買されたばかりであり、もちろん魔道紋を刻んでいない。
だから、奴隷の首輪が外されたということは、これで、この国の法ではコゼは奴隷から解放されたということになる。
コゼはあまりの予想外の事態に呆然とする思いだ。
「ついておいで、コゼ」
ロウはすぐに小屋を出た。
コゼは慌てて、後を追った。
奴隷商に挨拶をする余裕もなかった。
すでに奴隷の首輪はないのだから、命令には従わないこともできる。
だが、コゼにはその意思はない。
逃亡しても、十歳のコゼには、世間で生きていくのに、どうしようもないということもあるのだが、とにかく、このロウには逆らうという気持ちにはまったくなれない。
不思議な感情だ。
「あ、あのう……。どこにいくのでしょうか、ご主人様……?」
しばらく進んだところで、コゼは訊ねた。
「宿だよ。お前を抱くんだ。お前は俺の性奴隷だからね。文句はないよね?」
振り返ったロウがにやりと笑った。
「は、はい」
コゼは考えるよりも先に返事をしていた。
もちろん、まだ十歳のコゼには性行為の経験はない。
ただ、それがどのようなものかということは知っている。
十歳といえども、女奴隷は性行為の可能性はある。
そのくらいの年代の童女を犯したいという好事家も多いと奴隷主人に教えられ、最小限度の知識については身につけさせられている。
怖くないというと嘘になる。
ただ、なぜか、コゼはロウに抱かれると言われたとき、それがとても好ましいものに感じたのだ。
それはいまのコゼには理解できないことだった。
やがて、ロウの案内する宿屋に到着した。
そのまま、部屋に入る。
ロウはコゼに寝台にあがるように命じ、天井の梁に縄を通して縄を垂らした。
「両手を前に出すんだ、コゼちゃん」
ロウが言った。
コゼが命じられたとおりにすると、両手首に天井から吊った縄が結ばれて、軽く脇があがるくらいに両腕が引きあげられる。
「二十歳に戻してもいいが……。まあ、この年齢の無垢のコゼを犯すというのも新鮮で悪くないか……。このままでいいな……」
コゼの両手が引きあがると、ロウがくすくすと笑いながら言った。
「えっ?」
コゼは思わず問い返した。
ロウが口にしたことの意味がわからなかったのだ。
「なんでもない。ひとり言だ……。それよりも、破瓜が楽になる潤滑油を塗ってあげよう(やろう)」
「は、はい、ご主人様」
コゼは返事をした。
すると、ロウがコゼが裸身に覆っていたマントを取り去る。
そして、荷から小さな壺を取り出して、指にたっぷりとすくった。
少し刺激臭のある油剤のようだった。
コゼは寝台の上で、正座を崩したような体勢で座った状態だったが、ロウが股のあいだにさっきの油剤を載せた指をすっと差し入れた。
「んんっ」
コゼの股間にさっきの油剤が塗りこめられる。
全身に走った痺れるような疼きに、コゼは思わず声を洩らした。
「感じているのかい? はしたない十歳の童女だね。まあいい。すぐに楽になるさ」
ロウはコゼがくすぐったさに悶える姿を愉しむかのように、股間全体に薬剤を塗り足していく。
そして、お尻の穴にまでたっぷりと薬剤が指で押し込まれる。
「んふうっ、はあっ、はっ」
得体の知れない衝撃が走り、コゼは思わず腰をあげた。
すると、ロウが大きな声で笑った。
「十歳で、処女で、しかも、そんな風にお尻が感じる穴として調教済みだったら、本当なら驚くところだろうな。気持ちがいいのかい、コゼちゃん? お尻をいじられると、気持ちがいいんだろう?」
ロウがからかうような口調で言った。
だが、コゼはそれどころではなかった。
コゼの肛門の中には、おそらく、ロウの指関節ひとつ分くらいは軽く挿入されているだろう。
それがコゼのお尻の中で動き回る。
その執拗な動きで、コゼの口からは、これまでに出したこともないような甲高い声が洩れ始める。
「さて、じゃあ、準備はできた。あとは待つだけだ。あっという間に効き目がでるはずだよ、コゼちゃん」
ロウが言った。
そして、コゼからいったん離れて、寝台の横にあった椅子に腰かけた。
すぐに、効き目が表れるとロウが言った意味がわかった。
薬剤が塗られた部分が異常なほどに熱くなってきたのだ。
無数の虫に這いまわられるようなくすぐったい感覚……。
そして、それが、あっという間に信じられないほどの強いむず痒さに変わる。
「ああっ、な、なんですか、これ……? く、くくっ……」
コゼはほとんど無意識に股間に両手を持っていこうとした。
しかし、両手は天井から繋がる縄で阻まれている。
「あ、あつい。あついです、ご主人様──。ああっ」
コゼは苦しくなって、ロウに呼びかけた。
「犯して欲しくなったか、十歳のコゼちゃん?」
ロウが茶化すように、意地の悪い笑い声をあげた。
しかし、怪訝な気持ちになったのは、一瞬だけだ。
すぐに、頭がぼっとして、なにもわからなくなった。
わかったのは身体の熱さだ。
股間に……。
胸に……。
お尻に。
虫でも這っているように薬を塗られた場所がむず痒い。
いや、痒いというか……、ものすごくくすぐったい感じか……?
とにかく、とてもじっとしていられない。
そこに手をやって、めちゃくちゃに擦りたい。
でも、両手は頭の上で縛られて、おろすことができない。
「ああ、へんです。とてもへん──。あ、あついです、ご主人様。とても、へんです」
コゼは混乱に陥って、泣き声をあげた。
「そうだろうね。強烈な泣き油だからね。身体が火照って苦しいだろう。ほら、もっと苦しくなるようにしてあげるよ」
ロウが意地悪く笑いながら、両手を頭上にあげさせられているために剥き出しになっている脇の下の窪みに舌を這わせ始めた。
「ひゃあ、く、くくっ」
くすぐったさにコゼは身をよじった。
「くすぐったいか、コゼちゃん。じゃあ、もっとくすぐったくしてあげるね」
相変わらずのからかうような言葉遣いで、ロウが脇に舌を這わせ続ける。
「やあっ、やっ、やっ」
コゼは狼狽えて身体を捻って、なんとか舌を避けようとする。
だが、ロウはがっしりとコゼの身体を抑えて、それを阻んだ。
小さなコゼの力では、大の大人のロウに身体を掴まれると、もうどうにも動くことなどできなくなる。
あとは、されるままのことを受けとめるしかない。
片手でコゼの腰を掴んで動きを止めているロウが、もう一方の手でコゼの脚の付け根に指を這わせてくる。
「んんんっ」
コゼは拘束された身体を弓なりに反らせた。
股間に塗られた部分がまるで火のついたように熱く疼いていたのだが、ロウの指がその部分に指を動かしたとき、まるで電撃を浴びたような衝撃が走ったのだ。
猛烈にくすぐったかった感覚が、どろどろと身体が溶けていくような気持ちよさに変わった。
それが一気に襲ってきた。
そして、その得たいの知れない感覚が繰り返す。
もうどうしていいかわからない。
耐えられなくなり、コゼは必死で腰を浮かそうとした。
しかし、ロウがそれをさせない。
それどころか、さらに執拗に股の亀裂をほぐすように動かし、ぴったりとくっついている部分を割り開くようにする。
一方で、しばらくのあいだ脇の下を舐めていたロウの舌が次に胸を舐め始めてきた。
得体の知れない感覚に、またもやコゼは飛びあがりかける。
だが、身体をしっかりと押さえつけられる。
右の胸から左……。
小さな乳首をしつこいくらいに……。
そして、脇腹……。
そのあいだも、指は股間を動き続けている。
コゼはロウの腕の中で何度も身をのけぞらし、身悶えし、そして、悲鳴をあげた。
「随分と濡れてきたよ、コゼ。初めてとは思えないね……。まあ、実際には初めてじゃないんだけどね……」
ロウがくすくすと笑いながら、今度は、背中の筋に添って舌をすっと這わせおろしてきた。
「やああっ、ああっ、そ、そこはくぐったいです」
コゼは叫んだ。
「十歳の童女をこうやって、しつけて調教していくのも結構面白いな。なにもわからない無垢な童女に、生れてはじめて快感を与えているのかと考えると愉快だ。俺も気に入ったかもしれん。また、やろうな、コゼ」
相変わらず、ロウはよくわからないことを喋りながら、今度はコゼの腰の横を両手で持って腰を浮きあがらせた。
コゼは拘束された両手首に身体を預けて、お尻をあげるような体勢になる。
そのお尻の亀裂にロウが舌を差し入れ、驚いたことにお尻の穴そのものをぺろぺろと舐め始める。
「ひゃああ、ひゃあっ、ひゃあああ」
コゼは叫んだ。
「一度、先にいっておくか」
しばらくお尻を舐めてコゼを翻弄してから、次にロウは口を離して指をすっと挿入してきた。
「んひいいっ」
だが、さっき油剤を中にたっぷりと入れられているうえに、ロウの舌でほぐされたコゼのお尻は、なんの苦もなく随分と深くまで指先を咥え込んでしまった。
「いやっ、やっ、やあっ」
コゼは尻たぶをすぼめて身体をよじろうとした。
だが、かえって指から振動の刺激を受け取ってしまい、なんともいえないじんという感覚が込みあがり、びっくりして腰を静止させる。
しかし、ロウの指先がお尻の中で曲がって掻くように動かしてくる。
コゼはひいひいと泣いてしまった。
「いやじゃないだろう。ご主人様のお情けをもらっているんだ。ありがたいと思えよ」
「は、はい、あ、ありがたいです」
コゼはなんとかそう言った。
「えらいぞ、ご褒美だ」
すると、ロウの指がお尻の中である一点をぐいとさすった。
その瞬間、全身が気だるい陶酔に包まれる。
さらにロウの指がお尻から出ていくようにすっと引かれる。
途端に鋭い刃に刺されたかのような快感が貫いた。
「んあああっ、ご、ご主人様ああっ」
コゼはなにがなんだかわからなくて、ただ大声をあげた。
「これが性の快感だ。これから毎日、コゼはこの快感を俺から受けながら生きることになる。コゼは、このロウ……田中一郎に性奴隷として買われ、調教を受けて、成長し、その傍ら戦闘戦技の能力も身に着け大人になる。いやらしいことも、淫らなこともいっぱいする。だが、それをやったのはこのロウだ。この鬼畜なロウという主人が奴隷のお前を調教してやらせた。いいな。これからずっとそうなる。ほかの記憶は嘘だ。俺に買われて、育てられる……。それがお前の人生だ……。そんな風に錯覚できるもうひとつの人生を俺がやる」
ロウが耳元でささやきながら、お尻の愛撫を続ける。
意味はほとんどわからないが、頭の中でその言葉が繰り返される。
そして、ますます頭が朦朧とし、すべての感覚や感情が曖昧なものになっていく。
このとき、一度出ていきかけた指は、再び深く挿入していく方向に動いていた。
いまや、さざ波のような快感は大きなうねりに変化している。
なにかが込みあがり、それが全身を貫く。
「ごしゅじんしゃま、ごしゅりんしゃま、ごしゅりん──」
コゼは叫んだ。でも、舌が回ってない。
そして、背筋をぐっと反らせた。
身体が痙攣をしたかのようにがくがくと震えた。
「あああっ」
コゼは声をあげた。
「いくと言うんだ」
ロウが言った。
「いぐううっ」
コゼはわけもわからず叫んだ。
すると、大きなものがコゼを包み込み、そして弾かれた。
目の前が白くなり、コゼは自分の意識がすっと消えていくのを感じた。
「……幼いコゼもすごいんだな」
ロウがそんなことを言って笑うのが聞こえた。
*
気がついた。
コゼは自分がちょっとだけ気を失っていたことを知った。
大きな脱力感が続いている。
そして、相変わらず縛られた両手首は束ねて天井に縄で繋がっていた。
はっとした。
驚いたことに、コゼの身体はロウの膝の上にだっこされている。
そして、ロウは素裸だ。
優しげなロウの微笑みがコゼに向けられていた。
「ご主人様」
びっくりして叫んで飛びのこうとした。
なにかとても失礼なことをやっているように思ったのだ。
だが、ロウがぐいとコゼを抱きしめた。
「今度はコゼが自分から処女を俺に捧げるんだ。これは、コゼが本当に俺のものになる儀式だよ」
「ぎ、ぎしき?」
「そうだ。俺の性奴隷になりたいだろう?」
ロウがコゼの目を覗き込むようにした。
もうそれで、なぜかコゼから一切の怯えや戸惑いの感情は消えた。
ロウの本当の性奴隷になりたい──。
コゼは、その感情だけでいっぱいになった。
「な、なりたいです。ロウご主人様のせいどれいに……」
コゼははっきりと言った。
ロウが満足そうにうなずいた。
そして、ロウは寝台に仰向けに寝そべり、下半身の上にコゼを跨らせた。
「自分でやるんだ。どこを挿せばいいかわかるな?」
ロウは言った。
コゼは黙って首を縦に振った。
コゼの小さな女陰はロウの怒張のすぐ上にある。
そのまま腰を沈めて、勃起しているロウの性器にコゼを突き挿させる……。
ロウに求められているのはそれだ。
おそるおそるコゼは腰を沈めていく。
両腕の縄にはまだまだ余裕があり、十分にロウに跨ることはできる。
そして、ロウの怒張の先端がコゼの股間の亀裂に触れた。
「あっ」
コゼは思わず腰を浮かせた。
我に返って、ロウを見た。
ロウは怒ってはいなかった。
ただ、コゼをじっと見ているだけだ。
やらなければ……。
沈黙に追い立てられるように、コゼはもう一度肉柱に自分の股間の亀裂を導く。
意を決して、ぐいと腰を沈める。
太くて硬いものが、コゼの股に入り込んだ。
「うううっ、も、もう無理です、ご主人様」
少しだけ入ったところで、コゼは悲鳴をあげた。
こんなに太いものがこれ以上入るとは思えなかった。
「それで終わりか? ちゃんと全部入れるんだ、コゼ」
「で、でも」
コゼは泣き声をあげた。
「腰をゆっくりと振ってみろ。気持ちがよくなるように股を擦りつけるんだ。そうすれば少しずつ楽になる。手伝ってやる。動かすんだ」
「ひんっ」
コゼは声をあげた。
ロウの指がコゼの股間の亀裂にある小さな突起の部分にあてがわれたのだ。
確かそこは、奴隷商の主人の教育で「クリトリス」という場所だと教えられたところだ。
そこを擦ると、とても気持ちがよくなるのは知っていた。
奴隷教育のときには、自分で擦って気持ちよくなる練習もさせられた。
ロウの指にクリトリスが当たるように腰を動かす。
「あっ、あっ、あっ」
自然に声が出た。
気持ちよさが全身に拡がる。
それとともに、貫いている股間が少しだけ楽になったのがわかった。
「そろそろいいだろう。さあ……」
ロウが言った。
コゼはロウに促されるように、さらに腰を沈める。
「いっ……く、くくっ……」
コゼは呻いた。
ロウのぷっくりと膨らんでいる怒張の先端がじわじわとコゼの股間に入り込んでいる。
でも、やっぱり無理だと思う。
まるで丸太棒でも無理矢理に撃ち込まれている感じだ。
それでも歯を食い縛って腰を沈めようとするのだが、やっぱり最後まで腰を沈めるなど不可能だと思った。
その直後、ロウの両手がコゼの肩にかかった。
強引に身体を沈められた。
「はぐうううっ」
コゼは背中をぴんと伸ばして首をのけぞらせた。
痛みもあるが、それ以上に不思議な充実感もある。
とにかく、凄まじい感覚がコゼを襲っている。
いまや、コゼの腰は完全にロウの腰の上に密着していた。
「力を抜け。腰を動かせ」
ロウが怒鳴った。
「で、できません」
コゼは悲鳴をあげた。
このままじっとしているだけでも、息もできないような痛みなのだ。
それで自分で動くなど……。
「できないのは百も承知だ。でも動け。これが調教だ。俺の性奴隷になるための試練だ」
コゼは唇をかみしめた。
仕方なく前後に揺する。
刃物で股を抉られたような激痛がコゼを貫いた。
それでもコゼは必死になって腰を動かす。
「いい子だ……」
ロウがそう言うと、コゼの腰に手をやり、今度は自分からコゼの股間に怒張を出し入れし始める。
「あううっ」
コゼは声をあげた。
しかし、痛みはあるが、自分でやるよりも痛くはない。
それよりも、気持ちよさが大きい。
いつしかコゼは自分でも赤面したくなるような甲高い声をあげていた。
「俺の精を飲め。一滴残らずな」
ロウがコゼから怒張を引き抜いたかと思うと、コゼの口の前に一物を持ってきた。
コゼは小さな口を精一杯にあけて、目の前のロウの性器に食らいつく。
次の瞬間、口の中にロウの精が飛び散った。
コゼはむせびながらも、そのどろりとしたものを懸命に舌で喉の奥に押し込んだ。
*
微睡から目を覚めした。
そして、人肌を感じた。
コゼは目を開いた。
すると、目の前にロウの裸身があった。
コゼもまた裸だ。
掛布が身体に覆われている。
どうやら、コゼはロウに裸で抱かれながら寝たようだ。
幸せな気持ちが全身を包む。
昨日はこのロウに処女を捧げたのだ。
破瓜をしたのは、奴隷市が終わってすぐであり、昼間のことだったが、そのまま夜まで愛された。
全身を舐めあげられ、何度も昇天させられた。
二度目の性交は夜になってからだった。
二回目は一回目よりも楽だった。それどころか、コゼは快感を覚えさえした。
そのときロウからは、おそらく数日中には性交そのもので達することもできるだろうと言われた。
しっかりと調教してやるからとも言われた。
嬉しかった。
そして、さらに媚薬と淫具でいたぶられ、ついには意識を完全に手放した。
どうやら、いつの間にかそのまま寝てしまったようだ。
身体の拘束はなくなっている。
だが、急に罪悪感が襲った。
奴隷の分際で主人と寝台を一緒にするなど……。
急いで起きあがろうとする。
「あんっ」
しかし、次の瞬間、腰から衝撃が走ってコゼは悲鳴をあげた。
それで気がついた。
股間に細い鎖が食い込んでいる。
慌てて掛布から出て、自分の股間に視線をやった。
「あっ」
思わず叫んだ。
コゼの腰の括れに極細の鎖が巻かれ、その中心から同じ鎖が出て股間を抉り、それが尻たぶを通じて腰の後ろで腰の鎖に繋がっている。それだけではなく、どうやら鎖がコゼの股間に当たる部分には小さな輪があるみたいで、それがコゼのクリトリスの根元をしっかりと絞っているようなのだ。
それで、コゼが身じろぎするたびに、大きな刺激を与えるようになっている。
「目が覚めたのか、コゼ? 奴隷の朝はまずは、ご主人様への口づけだ」
ロウの声がした。
身体を起こして、こっちをにやにやと眺めている。
コゼは急いで、ロウににじり寄った。
だが、股間の核を絞られているコゼにずんという痺れが襲う。
コゼは一度身体を止まらせ、すぐにロウに身体を預けるようにもたれた。
「んんっ」
動くと股間の輪がコゼを容赦なく苛む。
とにかく、コゼはロウに口づけをした。
ロウが舌を差し入れて、コゼの舌や歯茎を擦ってくる。
びっくりするくらいに気持ちいい。
コゼはうっとりとした気分になった。
「さあ、服を着て、宿の主人から洗面の水をもらってきてくれ。それで俺の身体を拭くんだ。それから朝飯だ」
ロウが言った。
「はい」
コゼは寝台から降りた。
「ああっ」
しかし、股間の輪がコゼを強く刺激する。
またしても、コゼは寝台の横で腰を引いた状態で動けなくなった。
すると、ロウが声をあげて笑った。
「そんなに感じるのか、コゼ? しばらくはそれを一日中装着してすごすんだ。そのうち性愛のことしか考えられなくなるからな。これも調教だ」
ロウが言った。
仕方なくコゼは、こみあがる妖しげな刺激に耐えながら、服を身に着けるために、服が畳んである場所に向かって歩いていった。
しかし、どうしてもへっぴり腰のみっともない格好になってしまう。
「……それにしても、随分とその淫具も効果があるようだな。じゃあ、シャングリアにも試してみるか。さて、あいつのページはどんなシチュエーションで愉しむかな」
そのとき、そんな言葉をロウが呟くのが聞こえた。