【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ひいっ、ひっ、ひいっ」
食材を調達するために、王都に来ていた一郎は、突然にシャングリアが道端で悲鳴をあげたのでびっくりした。
「なに?」
「どうしたの?」
エリカとコゼも驚いている。
「わ、わからん……。きゅ、急に身体が誰かに触られたような……」
そして、シャングリアがじっと一郎に探るような視線を向けた。
「俺じゃないぞ」
一郎は慌てて言った。
遠隔操作で性奴隷たちに悪戯するのは、いつものことだが、いまのは一郎ではない。
「ロ、ロウではない……?」
しかし、シャングリアは怪しむように表情をした。
「神かけて違う。それよりも本当か?」
一郎は言った。
本当にシャングリアが身体を触られたような感じになったのなら、それは魔道だろう。
つまり、シャングリアの身体が操られている?
だが、誰が……?
「おい、シャングリア、本当か?」
ロウはびっくりしてしまった。
「ひっ、ひいいっ、はははは、ひゃはははは」
すると、シャングリアは、今度は自分の身体を抱くようにして、けたたましく笑い始めた。
「シャングリア?」
「大丈夫?」
エリカとコゼも声をあげた。
「か、身体が……くすぐられて……。うふううっ、ひいっ、ひっ……う、うわっ……や、やめ……やめてくれ……ふふふふ……くふふふふ……んふふふふふ……や、やめて……な、なんだこれ……ははははは……ひゃははははは……」
シャングリアがその場にしゃがみ込み、激しく悶え笑い続けだした。
周囲の人々も唖然として、シャングリアを取り囲み始める。
「どうしたんだ?」
一郎もシャングリアの異変に目を丸くしてしまった。
「んひいいっ、お、お尻が――」
今度はお尻を押さえて、前のめりにうつ伏せになる。
一郎は、シャングリアのステータスを読んだ。
“シャングリア(モーリア=シャンデリカ)
人間族、女
王軍騎士
冒険者Aアルファ
年齢22歳
ジョブ
戦士(レベル25)↑
生命力:60
攻撃力
50(呪術)↓↓
経験人数
男1
淫乱レベル:A
快感値:400↓
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵
ザーラの呪い人形”
「ザーラ?」
一郎は思わず呟いた。
*
そろそろ、一ノス半が過ぎただろうか。
パーシバルは繰り返していた人形の股への刺激をやめて、刷毛を横に置いた。
ただし、いまや激しい煙のようになっている香については、延々と人形の頭に浴びせ続けている。
「なあ、ザーラ、人形を使って、刻んでいる女をおびき寄せることはできるか? つまり、ひとりでそいつをここにやって来させたいのだ。そいつは、いつも仲間と一緒にいるんでな」
パーシバルは言った。
考えてみれば、シャングリアの心と身体をこの「呪いの人形」で支配したところで、ロウやあのエルフ女とかがそばにいるとやりにくい。
シャングリアをさらってしまえば、この人形があるのでどうにでもなるのだが、さらうことに失敗すれば、あいつらがパーシバルになにをするかわからない。
なにしろ、相手は野蛮で礼儀知らずの「冒険者」だ。
人殺しもなんとも思っていないような連中だ。
パーシバルの言葉にザーラはにやりと笑った。
「できますぞ。操りの呪いであれば、なんでもザーラにお任せあれ。わしが術を仕掛けますので、その人形に命じたいことを話しかけてください。すると、それが自分自身が思ったこととして、その言葉が相手に入り込みます。その女がどこにいようとも……」
ザーラが人形の頭にちょんと触れる。
すると、すぐに白い人形が桃色を帯びた。
「いまです。どうぞ」
「……お前は仲間と別れたくなる。突然に連中が嫌いになり、王城外の裏通りにひとりだけでやって来たくなる……」
パーシバルはこの場所を口にした。
同じ言葉を十回ほど繰り返す。
「もういいでしょう。待っていれば、そのうち来ますぞ」
ザーラが指を離した。
人形は元の白い色に戻る。
「ここに来させるとなれば、くすぐるのはやめるとするか。ひとりでは歩けまいからな。その代わりに媚薬でも塗ろう……。ザーラ、女が発情するようなたぐいの薬はあるか?」
「どこかにあったかもしれませんな。そんな注文もあるのでのう……」
ザーラは立ちあがって壁の棚を探り出した。
やがて、一個の小壺を持ってきた。
「これなら三つ子の幼女でも発情しますぞ。効果てきめんのはずじゃ」
ザーラはパーシバルの向かい側の長椅子に座り直す。
「お前でもか?」
パーシバルは軽口を飛ばした。
「老婆には効きませんな。人形に刻んだ髪の持ち主は、わしほどの老婆ではないのでしょう?」
「若い美女だ」
「そうだと思いました。ならば、問題はないでしょう」
ザーラが笑い声をあげた。
パーシバルは壺の蓋を開けると、人形の股にたっぷりとそれを塗りつけた。
次に尻の穴……。
さらに胸……。
結局は首から下の全部にたっぷりと塗った。
股間については、十回は重ね塗りした。
重ね塗りした方が効果があると教えられたからだ。
あとは待つだけだ。
人形に操られたシャングリアがここに到着したときには、すっかりと媚薬で発情し、しかも、ザーラの惚れ薬でパーシバルに完全にのぼせ上がっているという仕掛けだ。
まずは、ここで犯し尽し、そのまま領地に連れていく。
抱き飽きたら、奴隷男たちの慰み者にして、そのうち孕んだところで、あのロウに送り返してやる。
いい気味だ。
そのとき、突然に外の通りに面する扉が勢いよく開いた。
びっくりして顔をあげた。
シャングリアだ。
顔を真っ赤にして、目に涙を浮かべている。
だが、激しい視線でこっちを睨んでもいる。
パーシバルは驚いてしまった。
「随分と早いな」
とりあえず、口から出たのはその言葉だ。
人形を通じて、ここにひとりでやって来るようにシャングリアに暗示をかけたのは、たったいまのことだ。
それなのに、もう来た。
「き、貴様は……」
険しい表情のシャングリアがそう口にした。
どうやら、怒っているようだ。
しかし、まだ完了していないとはいえ、そろそろ二ノスのあいだ、ザーラの惚れ薬を人形に浴びせ続けている。
パーシバルに悪感情を抱くということはないはずだ。
予想していた様子と異なることに当惑したパーシバルは、ザーラに視線を向けた。
「この女が坊ちゃまが持ってきた髪の女ですか?」
ザーラも困惑顔だ。
「こ、殺してやる──」
シャングリアが飛びかかってきた。
「うわっ」
パーシバルはとっさに人形の身体を擦った。
「ひううっ、ま、また」
すると、シャングリアが自分の身体を抱いて、その場に崩れた。
どうやら、人形による身体の操りについては、効果があるようだ。
「どうした、シャングリア? これが効くのか? これはどうだ? ここも気持ちいいか?」
パーシバルは人形を擦りながら、床にうずくまっているシャングリアに近づいた。
少し離れた正面でしゃがむ。
そして、股の部分をねっとりと舐めてやった。
「んふうううっ」
シャングリアはかなり短いスカートはいていたが、そのスカート越しに股の部分に両手をあてて、身体を弓なりにした。
「この人形にはたっぷりと媚薬を塗っているからな。つまりは、お前の身体に媚薬を塗っていると同じことなんだ。その身体をこんな風にいじられると、堪らないだろう?」
パーシバルは笑いながら、さらに人形の身体を舌で刺激する。
「や、やめろおっ」
シャングリアがのたうちながらも、パーシバルの持っている人形を奪い取ろうとした。
「おっと」
すかさず、パーシバルは人形の両手を背中側に動かす。
「きゃあ、な、なにっ?」
シャングリアの両手が背中に動く。
体勢を崩したシャングリアが床にもう一度倒れ込んだ。
その哀れな姿に、パーシバルは思わず笑い声をあげた。
そのとき、突然にザーラが声をあげたと思った。
パーシバルも、なにかの気配を感じて顔をあげる。
「なるほど、そういう仕掛けか……。面白い人形だな。俺にも貸せよ、色男」
顔の前に短銃の先があった。
「うわっ」
パーシバルは声をあげた。
目の前にロウがいる。
「二度は言わんぞ、パーシバル。その人形を寄越せ。それとも、眉間に穴が開くかだ」
ロウが引き金に力を入れるのがはっきりとわかった。
「や、やめろっ」
パーシバルは慌てて人形を差し出した。
ロウがそれを取りあげる。
さらに入り口から、ロウの仲間のエルフ娘と黒髪の小柄な女が入ってきた。
「こいつの護衛の男たちは、ちょっと脅かしたら逃げていきました、ロウ様」
エルフ女が言った。
あの男たちというのは、パーシバルが連れてきた護衛のことだろう。
外で待機するように言い渡していたのだ。
「ご苦労さん、ふたりとも。それにしても、シャングリア、少し待てと言っただろう。ひとりで飛び込むやつがあるか」
ロウが叱咤するようにシャングリアに横眼を向けた。
しかし、ロウの持つ銃口はいまだにパーシバルに向いている。
「だ、だって……」
シャングリアはまだ床に座ったままだったが、ロウの言葉にしゅんとなっている。
そのシャングリアの息はまだ荒く、顔も真っ赤で、しかも大量の汗をかいていた。
人形に塗った媚薬の効果であるのは明らかだ。
それにも関わらず、どうしてザーラの惚れ薬の効果がなかったのだろう。
「おい、婆あ、さっきから俺の心にちょっかい出すのはやめろ。不愉快だ」
ロウがさっと銃をザーラに向け直した。
「ひっ──。お、お前は何者じゃ?」
ザーラが青い顔になった。
どうやら、ザーラはロウを操り術で支配しようとしていたらしい。
だが、失敗したのだ。
ザーラの実力を知っているだけに、パーシバルはそのことに愕然となった。
そして、もしかしたら、絶対に手を出してはならない相手に、手を出してしまったのではないだろうかとぞっとした。
「動くんじゃない」
逃げようとしたパーシバルに、すかさずエルフ娘が細剣を向ける。
そして、またもや扉から人間が入ってきた。
「な、なんだ?」
今度は巫女服を身に着けたふたりの女だ。
「あっ」
パーシバルは叫んだ。
現われたのは、第二神殿の筆頭巫女のベルズと第三神殿の筆頭巫女のスクルズだ。
どうして、ここに?
「ザーラ、観念するのだ。今度は、お前の得意の操り術は通用しない。ここにいるのは誰も彼も、お前の術は効果はない。さあ、大人しく魔道封じの枷を受けよ」
ベルズがザーラに魔道の杖を向けて言った。
そのベルズの手には金属の枷がある。また、少し大きめの布の袋も持っていた。いずれも、魔道の品のような感じだ。
「この老婆は有名人なのですか、べルズ殿?」
ロウが、ザーラに銃を向けながらベルズに訊ねた。
「このザーラは、王軍からも神殿からも、ずっと手配されていた闇魔道士です。禁忌の術でたくさんの人間を殺しています。ただ、捕らえようとすると、すぐに捕縛者を操って逃亡してしまうので、捕縛隊を編成することもできずに、これまで逃げおおせていたのです。やっぱり流石です、ロウ様」
ベルズの代わりにスクルズが答えた。
ベルズについては、すでにザーラの両手に手錠をかけるとともに、顔に袋を被せて首のところを紐で絞っている。
ザーラは抵抗もできなかったようだ。
それにしても、“ロウ様”?
いま、第三神殿の筆頭巫女にして、王国一の魔道遣いが、ロウに媚びを売るような物言いを?
「な、なんでじゃ? なんで、わしの術が効果がないんじゃ?」
顔に袋を被せられたザーラが袋の中で叫んでいる。
「さあね。きっと神のご加護だな。じゃあ、スクルズ、わたしはこの女を連れていく」
「ええ、お願い」
スクルズが言った。
「じゃあ、ロウ殿……。また、あとでご挨拶に伺う」
ベルズがにっこりと微笑んだ。
「ああ」
ロウが手を振る。
筆頭巫女のベルズやスクルズといえば、王家とも個人的に親しくしているほどの者たちであり、貴族のパーシバルでさえ、なかなかに接することのできない高貴な立場の女たちだ。
それにもかかわらず、一介の冒険者風情が随分と親しそうだ。
どういう関係だ?
そして、ザーラの腕を掴んでいたベルズの身体がザーラごと消滅した。
移動術──つまりは、瞬間移動術だ。
滅多に見ることのできない高級魔道であり、パーシバルも目の前で接するのは初めてだ。
「さてと、こいつをどうするかな?」
ロウが短銃を上着の中にしまった。
「わ、わたしに殺させてくれ、ロウ──。た、頼む」
シャングリアが荒い息をしながら言った。
まだ、人形の影響が続いているようだ。
「まあ、待てよ、シャングリア。ちょうどいいから、こいつには実験台になってもらうさ……。コゼ、扉を閉めろ」
「はい」
外に出る扉は次々に入ってきた侵入者のために解放されていた。
それを黒髪の小柄な女が閉める。
「スクルズ……」
すると、ロウがスクルズを手招きして、なにかを耳打ちした。
呼び捨て?
「そ、そんなこと」
スクルズが真っ赤になって声をあげた。
「口答えは許さん。やるんだ」
驚愕することに、ロウがズボンの前の穴を開いて、いきなり自分の性器を取り出したのだ。
パーシバルは目を丸くした。
そして、さらに驚いたのは、顔を真っ赤にしたままのスクルズが、その場に跪いて、そのロウの性器を口に咥えたのだ。
「な、なんだ?」
パーシバルは声をあげた。
「精液を飲み込むんじゃないぞ、巫女様。口の中に溜めておいて、あの男の顔に擦りつけるんだ」
ロウが言った。
スクルズは懸命に性器を舐め続けている。
地方でも有名なあの王都の第三神殿の筆頭巫女のスクルズが──?
パーシバルはわけがわからなくなった。
「ど、どういう関係なのだ……? あ、あんたとスクルズ殿は……」
パーシバルは思わず口にした。
「見ての通りだよ。スクルズもまた、俺の女のひとりだ。ついでながら、さっき闇魔道士を連れていったベルズもね。シャングリアが誰かに魔道をかけられたのは、すぐに察しがついた。ザーラという名もな。だから、俺はすぐにスクルズに相談しに行ったんだ。魔道といえば、王都では彼女が一番の専門家だしね」
「えっ、ザーラを?」
びっくりした。
「スクルズは、ザーラという女魔女をよく知ってたよ。シャングリアにかけられているのは身体を遠隔支配する魔道だと教えてくれたよ。そして、魔道の道筋を逆に辿って、魔道をかけている者を探すことも可能だと言ったんだ。それで、ベルズとも合流して、ここまでやって来たということさ。途中から、そっちからも呼び寄せるような魔力の流れを出したようだな。それでここがわかった。あとは、魔道封じの魔道具を抱えて、この建物の前に瞬間移動でやって来たというだけのことだ」
スクルズに奉仕をさせているロウが勝ち誇ったように言った。
だが、パーシバルは目の前の光景がいまだに信じられないでいる。
そもそも、スクルズといえば、王都でも名高い美人巫女だ。有能で敬虔という評判だ。
それが一介の冒険者の破廉恥な命令に諾々と従って、他人の前で男の性器を舐めるとは……。
こんなことがあり得るのか?
そのとき、ある言葉が頭によぎった。
操り……。
もしかしたら、このロウは操り師か?
そう考えれば、辻褄は合う。
このロウは、ザーラを上回る操り術を遣う魔道士なのだ。
そうであれば、これだけの美女たちがロウの言いなりになっているのも納得がいくし、ザーラの操り術がシャングリアに効果を及ぼさなかったのも説明がつく。
シャングリアはすでにロウに操り術をかけられていて、しかも、その魔道が強いので、ザーラの操り術が無効になってしまったのだ。
「あ、あんたは魔道士か……?」
パーシバルは言った。
「どうかな……。さて、じゃあ、スクルズ殿、出しますよ」
ロウが少しだけ腰を突きあげる。
「ん……」
スクルズは鼻息をたてて、口の中のものを受け入れる仕草をした。
やがて、ロウの股間から口を離し、手で口を覆うようにして、こっちにやって来る。
「動かないのよ……」
ずっと剣を向け続けているエルフ娘が鋭く言う。
「失礼……」
スクルズが口を開いた。
その舌の上には、たったいまロウから放出された精が乗っている。
スクルズがそれを手のひらに出して、パーシバルの頬に擦りつけた。
「うわっ、な、なんだ?」
さすがにパーシバルは後ずさりしたが、そのときにはスクルズによって、ロウの精を顔に塗りたくられてしまった。
汚臭が自分の顔から漂う。
「おおっ、いいようだ。紋章とこいつが繋がったのを感じる……。じゃあ、ちょっと待っててくれ。すぐに戻る。それまで、コゼ、この人形でシャングリアと遊んでいいぞ」
ロウが黒髪の小柄な女にあの人形を手渡した。
「そ、それを渡さないでくれ」
シャングリアが声をあげた。
そのとき、パーシバルは、なにか強い力で自分の身体が引っ張られるような感覚に襲われた。