【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「こ、ここは……?」
びっくりした。
一瞬にして景色が一変した。
たったいまいたはずのザーラの店ではなくなっている。
なにもない真っ白い空間だ。
どこだ、ここは……?
「
そのとき、背後で嬉しそうな女の声がした。
振り返った。
驚くことに、素裸の女がいた。
驚くほどに美しい女だが、頭に角がある。女妖魔、つまり、雌妖だ。
しかも、ロウもいて、そのロウも素裸だった。
ロウに雌妖が擦り寄るように抱きつく。
「サキ、協力に感謝するよ。事前に頼んでいたとおり、こいつを調教する。ちょっと懲らしめたいんだ。手伝ってくれるな」
ロウが言った。
「それはいいが、わしの能力を主殿に貸した途端に、わしも素裸にされて、ちょっと恥ずかしいぞ。主殿は、えっちだな」
雌妖が少し嬉しそうにに笑っている。
随分と親しそうだ。
こいつ、やっぱり何者?
「不満か?」
「いや、不満などない。一生懸命にやるぞ。ところで、なにをすればいいのだ?」
「こいつを徹底的なマゾに仕上げる。ただ、いまの段階で、こいつにはそんな性癖はないし、時間もかかるだろう。かといってずっと関わるほど、こいつに俺の時間を割きたくない。だから、頼む。なあに、サキ自身がする必要はないさ。そんなのが好きな眷属がいれば、やらせればいい」
「なるほど。まあ、いくらでも心当たりがあるな。つまりは、こいつを妖魔の性処理の厠にすればいいのだな。だが、主殿にしては珍しいな。毀してよいのか?」
「問題ない。それだけのことをしたやつだ。だが、最初は俺がする。その補助をしてくれ。とりあえず、三角木馬にでも乗せるか。それと、電撃責めだ」
「わかった」
雌妖が頷いて、パーシバルに寄ってくる。
パーシバルはぞっとした。
「や、やめて、やめてくれ……」
「抵抗は無駄だ。ここはわしの仮想空間だ。いまは主殿のだがな……。いずれにしても、一切の抵抗はできんぞ、人間族の女」
雌妖が言った。
女──?
パーシバルは訝しんだ。
そして、悲鳴をあげた。
自分の身体も裸だった。
しかも、胸に乳房がある。
身体も細く、股間にもなにもない。
あるべきものがないのだ。
女になっている──?
あまりのことに、思考ができなくなった。
「うぐううっ」
次の瞬間、凄まじい激痛が股間に走った。
パーシバルは先の尖った三角木馬に乗せられていた。
しかも、両手がいつの間にか頭上にあげられて、上から伸びた鎖付きの手枷を嵌められている。
一瞬のことであり、わけがわからなかった。
「男をいたぶる趣味は皆無だが、外見が女だったら、少しはやる気も出る」
ロウが笑って、木馬に跨っているパーシバルの股間の下にぐいと手を差し込んできた。
そして、股間の下に手のひらを差し込み、ロウが股間をいじり始めた。
「ふううっ」
一瞬にして込みあがった得体の知れない快感に、パーシバルは呼吸を乱して戦慄した。
それは快感というには恐ろしいほどの衝撃だった。
「ああ、やめろっ」
パーシバルは声をあげた。
そのとき、パーシバルは、口から出る自分の声が随分と甲高くて力の入っていないものであることに気がついた。
女のような声……。
身体だけでなく、声までも……?
パーシバルの戸惑いは頂点に達した。
「やめていいのか?」
ロウがにやつきながら、股間の下にあった手をさっとどけた。
「うくうっ」
パーシバルは大きな声で呻いた。
ロウが手を外したことにより、持ちあげられていた股間が不意にさがって、三角木馬の突起部分に食い込んだのだ。
「女になっていたぶられる気分はどうだ、パーシバル? なかなか気分が出てきたみたいじゃないか」
ロウが三角木馬の側面を力強く蹴り飛ばした。
「うわあっ、あうううっ」
股間から迸った激痛にパーシバルは絶叫した。
いま気がついたが、三角木馬は床に接しているのではなく、前後左右に自在に動く一本の太い柱に乗っているようだ。それでロウが木馬を蹴ったことで、木馬が大きく揺れて、パーシバルの股間に、まるで股が裂けるかのような痛みが走ったのだ。
「女になるって……。もしかして、この女は、本当は男なのか、主殿?」
雌妖が不思議そうな顔をしてロウを見た。
「ああ、そうだ。実際には、ちょっと見ないくらいの色男だよ、サキ。シャングリアに手を出そうとした貴族様でね。殺してやってもいいんだが、それよりも、心に回復不能の精神的な傷をつけてやろうと思ってな。それで女にしてやったんだ」
「なるほど、それでこれだけの美形であるのか……。いずれにしても、主殿は相変わらず鬼畜だのう。本当は男である者を女にして、マゾでもなんでもないのに無理矢理にマゾにするのか。いや、面白い」
サキと呼ばれた雌妖が笑った。
しかし、そうやって、ロウと雌妖が話すあいだも、死ぬような激痛が股間から脳天に向かって迸り続ける。
だが、痛みにのたうつこともできない。
少しでも動けば、容赦のない痛みだ。
バーシバルは、既に泣きそうだ。
「じゃあ、早速、頼む、サキ」
「ほう、どうしたらいいのだ?」
「尻を犯してやってくれ。自尊心の高そうな男だったから、雌妖に尻をほじられるなんて、二度と立ち直れないようなショックだろうさ。俺は前から犯す。ふたりで田楽突きにしてやろう」
「しょっく? でんがくつき? 主殿は時折、わからない言葉を使うな。とにかく、こいつの尻を犯せばよいのだな? だが、主殿の前で男根を生やすのは恥ずかしいのう」
雌妖が苦笑ながら、片手で股間に触れた。
次の瞬間、雌妖のサキの股間に黒々とした怒張がそそり勃った。
「な、なにをするつもりだ──? や、やめんか」
パーシバルは声をあげた。
「勝手にしゃべんじゃないよ」
ロウがまたもや、木馬を蹴りあげた。
木馬が大きく左右に揺れる。
突き刺されたような股間の痛みに、パーシバルは声を迸らせていた。
「心配しなくても、お願いだから尻を犯してくれと、お前が頼むまで犯しはしないよ」
ロウがそう言い終わると同時に、両手首にぐんと体重がかかって身体が下に落ちた。
また不思議なことが起こっていた。
パーシバルが乗っていた木馬が消滅して、両手首にかけられていた鉄枷でパーシバルの身体が宙吊りになったのだ。
さらに両足首には木の棒の両端に縛られていて、脚を閉じられないようになっている。
サキとロウのふたりは、宙吊りになっているパーシバルの前に立つような態勢だ。
そのとき、パーシバルは気がついたが、本来は背の高いパーシバルは、ロウやサキよりも、ずっと小柄な身体になっていた。その証拠に、吊りあげられた足先はぎりぎり床に届いていないのに、腰の位置はロウたちよりもやや下にある。
本当に女の身体そのものにされたようだ。
パーシバルは、自分の身に起きていることが、信じられないでいた。
「サキ、そいつの尻にこれを塗ってやれ。柔らかくほぐれるだけでなく、じんじんと疼いて誰かに犯されたくて堪らなくなるはずだ」
ロウが先に壺のようなものを渡すのが見えた。
「これは、この前、わしも塗られた薬剤じゃな。この女……いや、男も泣き叫ぶだろうな」
サキが笑いながら、パーシバルの背後に回るのがわかった。
「あっ、や、やめよ。よせっ」
パーシバルは喚いた。
しかし、後ろにやってきたロウの手により、尻たぶをふたつに割られて固定される。すぐに雌妖の指が尻穴の奥に入ってきた。
「はああっ」
パーシバルはまたもや、女のような声をあげてしまった。
雌妖によって、尻に指を深く挿入されて、内部を弄り回される。
それは身体が引き裂かれるような屈辱なのだが、一方で不可思議な快美感が襲ってくるのだ。
パーシバルは驚いて、その感覚を振り切ろうと、激しく身体をもがかせた。
「もう感じてきたのか、さすがは主殿の薬じゃな。すぐに柔らかくなってきたぞ」
サキが笑いながら言った。
そのあいだも、サキは壺の中に指を入れてはかなりの量の油剤をすくいとっている気配だ。それをどんどんとパーシバルの尻穴に詰め込んでいる。
「いや、これは薬のせいじゃないな。どうやら、この貴族男様は、尻をほじられて満更でもないようだ。乳首も立ってきたしな」
ロウが嘲笑うような口調でからかいの言葉をかけて、すっとパーシバルの胸の乳首に指を這わせた。
「うはっ」
口から迸った自分の甘い声にびっくりして、パーシバルは慌てて口をつぐんだ。
だが、ロウの指が乳首の表面を動き、その縁をなぞりあげるたびに、ぞわぞわとする刺激が駆け抜ける。
前から男、後ろから雌妖に身体をいたぶられるという恥辱に魂も凍りそうなはずなのに、身体は信じられなくらいに熱くなり、パーシバルの意思とは無関係に快感がどんどんと駆けあがってくる。
頭が狂いそうだ。
バーシバルは悲鳴をあげた。
「もういいようじゃ。前はどうする?」
「塗るさ」
ロウが先から小壺を受け取った。
そして、パーシバルの目の前で油剤を手に乗せて、閉じることのできない股間に指を這わせてきた。
「あううっ」
股間のある一点で指がくりくりと動かされた。
もしかしたら、そこは女の肉芽だったのだろうか。
それにより沸き起こった大きな衝撃に、パーシバルの脚はがくがくと震えて、とても自分の声とは思えないような嬌声が口から飛び出した。
「女のような声を出しやがって。本当は男なんだぞ、お前は。恥ずかしくないのか」
ロウが笑いながら、もう一度小壺に指を入れて油剤をすくう。
再び股間にロウの指が近づくのがわかった。
「や、やめてくれ……。も、もう……」
頭がおかしくなりそうだった。
男と雌妖に身体をいたぶられ、死んでしまいたいほどの屈辱なのに、どうしようもなく身体が感じるのだ。
当惑した。
自分が信じられない。
しかし、抗することのできない快感が際限なく込みあがる。
パーシバルは我を忘れた。
「はああっ」
また、女の悲鳴のような声を叫んでいた。
ロウの指が股間の亀裂に入り込み、ぐいと指が身体の内側に入り込んできたのだ。
途端に、まるで痙攣を起こしたかのように、がくがくと膝が震えた。
「感謝しろよ、色男。本当は破瓜なんて股が裂けるような痛みらしいぞ。だが、特別にしっかりと感じる身体にしてやったんだ。いまのお前さんの身体は、普通の女でもありえないような超敏感な肉体になっている。その身体に与えられる刺激は堪らないだろう」
ロウが指を中で動かし続ける。
確かに、それは快感というには、あまりもの衝撃だった。
指はするっするっと浅い抽送を行っているだけなのに、身体の芯まで溶けるような愉悦が全身を突き抜けていく。
これが女の快感というものか……。
パーシバルは頭が白くなるような夢心地に、すべての理性が吹き飛ぶ心地を味わった。
「ああ、な、なんだ、これ……。ああっ、あああっ」
とても自分の声をは思えないような恥ずかしい声がどんどんと口から出ていく。
我慢することは不可能だった。
何気なく動いているロウの指は、これ以上の醜態をさらしたくなくて、少しでも与えられる快感から逃れようと、腰を振って一番感じる場所から指の場所を逸らそうとするのに、的確にそこを追いかけてくる。
息もできない……。
パーシバルは早くも追い詰めれていた。
「おっと、終わりだ。そんなに簡単にいい気持ちになれると思うなよ、色男。この続きは、お前がその口でおねだりをしてからだ……。お願いだから、尻とまんこを犯してくれと頼みな。そうしたら、続きをしてやる」
ロウが指を抜いてそう言った。
「ふ、ふざけるな……。な、なんで、そんなことを……」
パーシバルは辛うじてそう言った。
しかし、そのことでパーシバルは恐怖を感じてしまった。
実のところ、たったいま与えられ続けられていた快感が中断されたことに、パーシバルの心のどこかに、それに対する失望感のようなものが生まれたのだ。
それだけじゃない。
さらに高まるであろう未知の欲望に対する期待感……。
それがある。
パーシバルは自分の心が変わってしまいつつあるのをはっきりと感じて怖くなっていた。
「まあ、ゆっくりと色責めで堕としてもいいんだけどな……。だが、手っ取り早く進ませてもらうぞ」
ロウがそう言い終わったときには、ロウは右手に白い杖を持っていた。
そう言えば、どこかに置いた気配もないのに、さっきの媚薬入りの小壺もなくなっている。
これはなんなのだろう?
魔道……?
……とも違う感じだ。
そのとき、ロウの持っていた白い杖の先がぐいと宙吊りのパーシバルの鳩尾に食い込んだ。
「うごおおっ」
絶叫した。
信じられない激痛が身体に走った。
それが杖の先から迸った電撃のためだとわかったのは、やっと杖の先がパーシバルの身体から離れてからだ。
「これが電撃責めだ、パーシバル。やめて欲しければ、さっき俺が言ったことを大声で叫ぶんだ。俺が満足するくらいの大声だったら、電撃責めをやめて前後から犯してやる」
ロウが太腿に杖を近づけながら言った。
パーシバルの抗議の言葉が口から出ることはなかった。
その代わりに、口からは電撃の苦痛による絶叫が迸った。
今度はかなり長く続いた。
「相変わらず、主殿は鬼畜じゃのう」
後ろから雌妖の呆れたような声が聞こえた。
しかし、それもパーシバルの叫ぶ悲鳴にかき消された。
そして、電撃が一度とまったが、間髪入れずに、今度は下腹部に直接杖の先を当てられて、電撃を流された。
パーシバルは宙吊りにされた身体を激しく揺り動かし、果てには小便まで垂らした。
そして、また電撃──。
それが繰り返される。
実際にはそれほど長い時間かもしれなかったが、パーシバルには延々とした時間に感じた。
ついに、パーシバルは泣き出してしまった。
「……お、お願いだから、前と後を犯してください……」
パーシバルははっきりと泣きながら、それを口に出した。
それでも、ロウは許さず、さらに五回ほど電撃を浴びせ、パーシバルに張り裂けるような大声でそれを言うことを要求した。
「そんなに頼むなら仕方ないな。じゃあ、サキ、お前からいってくれ」
やっと、満足したのか、ロウが笑ってそう言った。
「本当に主殿は……」
背後のサキが呆れたような口調で呟くのが聞こえた。
「うううっ、ううっ、ううっ」
次の瞬間、パーシバルは大きく背中をのけぞらせた。
サキの指がパーシバルの尻たぶを拡げて、強引に菊門の内部に肉の棒を埋め込もうとしたのだ。
「や、や……ああっ……」
やめてくれという言葉は出てこなかった。
恐ろしい電撃責めのことが頭に走ったのだ。
やがて深々と最後まで入り込んだのがわかった。
油剤のせいか、痛みはそれほどでもなかった。
それよりも、苦痛を感じるはずの行為が、名状のできない鋭い肉欲の痺れを与えたのがわかって、パーシバルは大きな屈辱を覚えた。
「それっ、これを喰らえ」
ロウが前から怒張を股間に貫かせてきた。
逃げることはできない。
尻穴には雌妖の股間に怒張が貫いている。
「サキ、尻が裂けても構わん。思い切り突いてやれ。あとで部下たちにやらせるときには、尻を裂かれることすら、悦ぶど変態に仕上げてくれ。頼むぞ」
「ほんに、鬼畜じゃのう」
サキが笑った。
そして、前後からの律動が始まった。
それにより沸き起こったのは、パーシバルがこれまでに想像することもできなかったような歓喜と興奮のうねりだ。
そのあまりの激しさのために、パーシバルは言葉を発することもできなかった。
やがて、津波のような衝動が襲った。
パーシバルは突き抜けるような愉悦に、全身をがくがくと震えさせた。
「呆気ないな。もう達したか? 男のお前も、そんなに早漏か? しょうがないなあ……」
目の前のロウがそう言って笑った。
そのとき、股間を貫いているロウの怒張から熱い精が迸るのをはっきりと感じた。
「あああっ」
パーシバルは悲鳴をあげていた。
それは快感によるものではなかった。
確かに信じられないような愉悦はパーシバルを襲っていたが、それよりも、なにか巨大な力がパーシバルの魂のようなものを鷲掴みしたような感触が襲っていた。
同時に、この男には絶対に逆らえない……。
そんな恐怖感にも似た感情がパーシバルを包んでいた。
*
「んふううっ、ふううっ──。お、お前たち──、い、いい加減に……」
一郎が仮想空間から戻って、最初に耳に入ってきたのは、シャングリアのけたたましい悲鳴と抗議の声だ。
ふと見ると、シャングリアは背もたれのついた長椅子に腰かけていて、両手は椅子の後ろに回っていた。
一郎が仮想空間から戻ったのは、おそらく、気をやった瞬間だったような感じだ。
長椅子にひとりで座っているシャングリアは、身体を大きく弓なりにして、がくがくと身体を震わせていた。
一方で、シャングリアと向かい合う側の長椅子に並んで座っているのは、コゼとエリカとスクルズだ。
どうやら、コゼが持っているのは、シャングリアを刻んである「呪いの人形」であり、コゼはそれを使って、シャングリアの身体を拘束するとともに、人形を通じて快感を送っている最中だったようだ。
コゼの手の中の人形も、座ってるシャングリアと同じ姿勢をしている。
仮想空間から戻ってきた一郎は、並んでいる三人の背後の位置に出現したので、三人は気がついていない。
「文句を言うんじゃないわよ、シャングリア。人形はただ、よがっていればいいのよ。とにかく、いまのはあたしの方が早かったと思うわ、エリカ」
「そんなことないわよ。砂時計が二回半でしょう。ほとんど同じよ……。そもそも、最初にやったわたしよりも、二度目のコゼが達しさせやすいはずよ。それで時間がほとんど変化がないというのは、わたしの勝ちとみなしてもいいと思うけどね……。まあ、同点ということでいいんじゃない……。それよりも、次はスクルズですよ」
「わたしは……」
その三人が賑やかになにかを話している。
「あっ、ロウ」
向かい合うシャングリアがまずロウに気がついた。
すぐに三人の女が一斉に振り返った。
「ロウ様」
「ご主人様」
「ロウ様」
エリカとコゼとスクルズがぱっと微笑んだ。
「なにをしているんだ?」
一郎は訊ねた。
「言われたとおりに、シャングリアで遊んでいたんです、ご主人様。いまやっていたのは、この人形を使って、誰が一番短い時間でシャングリアをいかせることができるかという遊びです」
コゼがにこにこしながら言った。
「た、助けてくれ、ロウ──。こいつら、人形でわたしの身体を動けなくして、こんなことばかりやっているのだ」
シャングリアが向こう側から泣くような声を出した。
ふと見ると、シャングリアのスカート地には、大きな丸い染みがしっかりとできるくらいに愛液で濡れている。
下着をはいている股間から、さらにあんなにスカートを濡らすのだから、相当に愛液を垂れ流しているのだろう。
つまりは、それだけ苛酷な責めを受け続けているということに違いない。
淫らな遊びをしている自分の性奴隷たちに、一郎はとても愉快な気持ちになり、ほくそ笑んでしまった。
「……面白そうだな。俺もやるか。勝った者は、ほかの者に対して、なんでも命令できるということでどうだ?」
一郎は言った。
「そ、そんなのご主人様が勝つに決まっているじゃないですか……。まあ、でも、やりましょう」
コゼだ。
「じょ、冗談じゃない。いい加減に、その人形で遊ぶのをやめてくれ」
シャングリアが大きな声をあげた。
「ところで、いま、どのくらいの時刻だ? あれからどのくらいの時間が経った?」
一郎は並んで座っている三人の女を詰めさせて、長椅子の真ん中に座りながら訊ねた。
長椅子は三人掛けくらいの長さしかないので、一郎の両側になったエリカとスクルズはほとんど一郎の膝に乗るくらいの状態に密着したようになっている。
「あれから一ノスくらいです、ロウ様。そういえば、パーシバルはどうしたのです?」
一郎の横でエリカが言った。
一ノスということは、一時間も経っていないということだ。
仮想空間でパーシバルをいたぶり続けたのは、一郎自身の感覚では半日くらいのことだ。
やはり、仮想空間とこちら側では、時間の感覚がまったく違うようだ。
サキによれば、こちらの時間が経たないのに、向こうで数年を過ごすこともできると言っていたから、仮想空間では時間というのは、あってないようなものなのかもしれない。
サキに能力開花させてもらった一郎の亜空間術も、同じことができるらしいので、一郎も練習しなければと思った。女たちを連れ込んでたっぷりと堪能し、実際にはほとんど時間が経ってないということになれば、性生活がかなり豊かになる。
「パーシバルは、サキに預けてきた。仮想空間の中で、最低でも三箇月は調教を続けると言っていたな。ただ、こちらの時間では、数分くらいにしかならないように調整するとか言っていたから、もうすぐ戻ると思うぞ」
一郎は言った。
仮想空間に連れていったパーシバルについては、サキに託して、雌妖や男妖たちによる徹底的な嗜虐調教を施し、バーシバルの時間感覚で最低数箇月間は、いたぶり続けることになっている。
いまも、サキが受け継いで、部下も使って、パーシバルに女体化調教を施しているはずだ。
サキの仮想空間の中とはいえ、パーシバルは三箇月も、女としての恥辱と快楽の調教を受け続けることになる。
まあ、男としては、これ以上はないくらいの仕打ちかもしれない。
一郎のものとわかっていながら、シャングリアにちょっかいを出したのだから、当然の罰とも思うが……。
そうこうしているうちに、目の前にうずくまった人間の塊が突然に出現した。
どうやら、パーシバルだ。
「きゃあああ」
パーシバルがこっちを見て、悲鳴をあげた。
そのパーシバルは一郎と一緒に仮想空間に連れていく前と、まったく同じ服装をしていた。
だが、なんとなく雰囲気が違う。
なによりも、一郎たちを認めて叫んだ声は、女の悲鳴のようにしか聞こえなかった。
「……ま、マゾで淫乱の名無し女でございます、ご主人様。どうか、マゾ調教をお願いいたします」
そのパーシバルががばりと両膝を揃えて一郎に向かって土下座をした。
いきなり、調教をお願いしますという言葉には驚いた。おそらく、サキは一郎の姿で仮想空間で三箇月間、それこそ徹底的に、パーシバルに性奴隷の調教をしたのだろう。
また、「名無し女」と名乗ったのが、なぜか知らないが、やたらに貴族風吹かす男だったので、調教で名無しにされたのだろう。
まあ、どうせ、そんなところだろう。
それはいいが、ちょっと違和感があったのは、どことなく、パーシバルの仕草が女性らしいことだ。
しかも、姿や動作だけでなく、声もそうだ。紛れもなく、女性の声だ。
いや……。
声どころじゃない。
身体もこれは女だ。しっかりとふたつの乳房もある。
それでいて、美男子だった面影はあり、それなりの美形だ。
これは、もしかして、一郎はサキに、現実世界に戻すときに、男に戻してくれと伝え損なったか?
ううん……、考えれば伝えてない。
だから、サキは、女のまま返してきたのだろう。
これは、失敗したな。
しかし、パーシバルをもう一度、仮想空間に戻すような面倒も御免だ。
まあいい。
このまま、放り投げるか。
「……こ、これがパーシバル……?」
反対側のシャングリアも唖然としている。
「……もういい、消えろ。二度と俺たちの前に現れるな」
一郎は言った。
きょとんとしているパーシバルに、一郎は今度は同じ言葉を強い口調で言った。
この建物から離れれば、パーシバルはすべての記憶を失うはずだ。サキにはそういう呪術をかけておくように言っておいた。
パーシバルが慌てたように、この建物の外に逃げていった。
もうそれで、一郎もパーシバルのことを記憶から抹消することにした。
あんな男がこれからどうなろうと知ったことじゃない。
記憶を失わせているから、実家には戻れないだろうし、いまのパーシバルを見ても、男だったパーシバルを連想する者は皆無だろう。
無一文の美形のマゾ女が、こんな治安の悪そうな場末の路地でどうなるか、想像して余りあるが、どうせ、いままでもろくでもないことをしているのだろう。
自業自得だ。
「……じゃあ、続きをしよう。次は、スクルズの順番からだな」
一郎は言った。
「や、やっぱり、わたしもやるんですか」
スクルズが当惑した表情をしている。
一方で、向かい側のシャングリアは、椅子に張りついた状態のまま、再び抗議の声をあげはじめた。
(第19話『女騎士のちょっとした災難』終わり)