【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
ロウのにやにやと馬鹿にしたような笑みを向けられながら、イザベラは屈辱の脱衣を続けた。
いつも自分で服を脱ぐこともなく、着替えも侍女に手伝わせるので、裸身を他人の目に晒すことは慣れているが、こんな風に脅迫されて服を脱がされるなど腹が煮える。
やがて、一糸まとわぬ裸身になったイザベラは、両手で乳房と股間を隠して膝をよじり合わせた。
「恥ずかしそうにするんじゃないぜ。ミランダからつまらない理由で服をはぎ取ったくせに。さっさと長椅子に乗れよ。そして、股を開いて、指で拡げろ。早くしないと、シャーラを殺すぞ」
イザベラはぐっと拳を握った。
だが、こうなったら仕方がない。
意を決して、長椅子に両足を乗せ、膝を曲げて、大きく脚を開く。
さらに、股間に手を伸ばして女陰をくつろげる。
「なるほど、確かに生娘には間違いないようだが、まったく使っていないというわけでもなさそうだな。自慰は好きだろう。だいたい何日置きにするんだ?」
「なっ」
イザベラはあまりに失礼な質問にかっとなった。
しかし、それを見透かしたように、ロウが左手に握った球体を離すような素振りをした。
イザベラは身体を硬直させた。
「そうだ。いい子だ。手はそのままだぞ。質問に答えな、姫様」
「な、なんで、そんなことを……」
イザベラは怒りで身体を震わせながら言った。
「質問に答えなければならない理由は、俺がシャーラの首と腹を爆裂させることのできるこの球体の魔道具を握っているからだ。さあ、答えな」
ロウが勝ち誇ったように言う。
口惜しさに身体が震える。
「じ、自慰などせん」
イザベラは言った。
実は嘘だが、別に本当のことを喋る必要はないだろう。
「嘘をつくな。自分の股間を見てみろ、そんなに濡れているじゃないか。そんなに感じる身体をしていて、自慰の経験がないなどということはないな。それにしても、どうやら、あんたは辱められると感じる露出狂の変態のようだ。これは思わぬ発見だ。ハロンドールの第三王女のイザベラ姫は、露出狂の変態だとはな」
ロウが大きな声で笑った。
「な、なにをいうか──。わ、わたしを愚弄するか──」
イザベラは怒鳴った。
しかし、一方で心臓が早鐘のように鳴るのがわかった。
実はロウに指摘されるまでもなく、自分の身体に引き起った変化は、イザベラに大きな戸惑いを感じさせていた。
この失礼すぎる冒険者の前で、股を開いて股間を露わにするなどという行為は耐えられない苦痛だ。しかし、耐えられないはずなのに、恥辱行為を強要されていると、身も世もない口惜しさと羞恥の一方で、身体の芯がかっと熱くなり、甘い疼きのようなものが生じてくることに気がついたのだ。
「もういいでしょう、ロウ。これで懲りたと思うわ。もう許してあげなさい」
そのとき、ミランダが横から声をあげた。
イザベラが全裸で監禁していたミランダは、すでにすっかりと服を身に着けていたが、いまだにイザベラの白い格子の中に閉じ込められていたのだ。
「そ、そうですよ、ロウ様。ここまでするというのは聞いていません。ただ、姫様を懲らしめるだけと……」
すると、シャーラも困惑したように口を挟んだ。
なんとなく様子が違う。
ロウにすっかりと屈服させられ、哀れにも爆裂の首輪を嵌められて脅迫されているという雰囲気がシャーラにはない。
さっきまでとはうって変わって、ロウとシャーラは打ち解けた感じだ。
「なに言ってんだ。ちょっと薬を与えてくれというから、陰毛を剃るのと引き換えに、悪人役を引き受けてやったんだ。これくらいのことをしなければ、懲りるものかい。それに、さっき口にしたのは本当だぞ。この姫様は俺に辱められて、しっかりと感じていたんだからな……。まあいい。だったら、これで終わりにするさ。姫様、もう手を離していいですよ」
ロウが口調をがらりと変化させた。
イザベラは呆気にとられた。
「も、もしかして、芝居か? シャーラ、お前、このロウと結託して、わたしを愚弄したのか?」
イザベラは手を股間から離して、脚を椅子からおろして身体を両手で隠すとともに、シャーラを睨んだ。
しかし、口を開いたのはロウだ。
「別に愚弄というわけでもないですよ、姫様。シャーラが俺にひどい目に遭って、犯されたのは本当ですしね。ただ、あなたには手を出さないでくれと言うんで、それは約束しました。ただ、俺としても、くだらない気まぐれで、ミランダを酷い目に遭わせたことについては腹が立った。それで、その妥協の産物が、いまの辱めというわけです。シャーラもあなたに手を出さない範囲であれば、俺の仕返しに協力してもいいというんでね」
ロウが悪びれる様子もなくにやりと笑った。
「わ、わたしを騙したのか、お前たち」
イザベラは声をあげた。
とはいっても、どんな騙され方なのか、しっくりこない。
シャーラがロウを「王家の道」を使って案内してきたのは事実だし、恥毛を剃られて、全裸にマント一枚という恥ずかしい恰好でここまで連れてこられたのも本当のことだ。
「でも、姫様、わたしがこのロウ様にまったく歯が立たなかったのは事実です。ロウ様の屋敷に行ったとき、わたしはまったくなすすべなく、ロウ様に負けました。幸運だったのは、ロウ様が本当にわたしを脅して、姫様を脅迫するような悪人ではなかったことです。わたしは、こうなっても仕方がなかったということを申しあげたかったのです」
シャーラは言った。
イザベラは呆気にとられた。
「もういいでしょう、ロウ。それよりも、そろそろここから出してよ」
ミランダだ。
「そうだったな。じゃあ、ふたりに杖を返すよ。姫様もミランダを解放してくれますか? クエストについては失敗ということでいいですよ。俺はあなたを夜這いすることに失敗したわけですしね」
ロウがシャーラとイザベラから取りあげた杖を返してきた。
イザベラは釈然としなかったが、とにかく、ミランダを監禁していた光の檻を消滅させた。
一方でシャーラは、自分の手であっさりと首輪を外した。
これにも、イザベラは唖然とした。
そして、そういえば、ミランダもシャーラが首に嵌めてきたのは「爆裂の首輪」だとロウが言ったとき、怪訝そうな表情をしていたのを思い出した。
「もしかして、ミランダもこれが狂言であることを見抜いていたのか?」
イザベラはミランダに視線を向けた。
「ドワフ族は山の民です。あたしも炸裂砂はよく知っています。首輪からは炸裂砂の香りはまったくしませんでした。だから、その首輪はそれほど危険でないものとわかっていましたよ」
ミランダが無表情で言った。
「だったら、なぜ、それをわたしに教えん──?」
イザベラは言った。
だが、ミランダが不満そうに鼻を鳴らした。
「教える? あなたにここに監禁され、裸にされる辱めをされたお礼にですか?」
ミランダが言った。
そして、無表情で卓の上の宝石箱からミランダ自身の魔道の指輪を掴んで嵌めた。
その言葉と態度で、やっとイザベラはミランダが相当に腹を立てているということに気がついた。
「そ、それについては、あ、謝る……。だ、だが、わたしはロウという男を試したくて……」
「いくら試すといっても、自分を夜這いに来いなどというのは人を愚弄しています。あなたはハロンドールの姫君なのですよ。なにを考えているのです」
ミランダが声をあげた。
「そうです、姫様、もう、こんなことはおやめください。このロウ様は、わたしや姫様が試していいような男の人ではありませんでした。正直にいうと、わたしはあんなに怖い目に遭ったのは初めてでした。これほどまでに歯が立たない相手というのはロウ様が最初です」
シャーラが言った。
イザベラは、なによりもシャーラがこんなにもロウのことを褒めるのが信じられなかった。
しかも、そのロウに説得されて、一時的とはいえ、イザベラを裏切るようなことをしたというのがいまだに納得いかない。
「もういいじゃないか、シャーラ。じゃあ、来るんだ。この姫様への最後のお仕置きだ。姫様には、ここで本物の性行為というのを見物してもらおう」
ロウが手を伸ばして、シャーラの手首を掴んだ。
「ちょ、ちょっと、ロウ様」
シャーラが困惑したように言った。
しかし、ロウが強引にシャーラの手を引っ張ると、素裸のシャーラは大きな抵抗をすることなく、ロウの膝の上に導かれる。
「お、お前、なにをするつもりだ」
さすがにイザベラは怒鳴った。
ロウは、ここでシャーラを抱こうというのか──?
「おっと、姫様、じっとしていてください。これはクエストでしてね。あなたに手を出さないで、今回のお転婆のお灸をすえる──。それがシャーラ殿が俺に新たに申し出たクエストです。その報酬は、俺が好きなときに、好きなだけ身体を許すということでしてね。期限は無制限。さっそく、一回目をいただくところです」
ロウが悪びれる様子もなく言った。
「で、でも、こ、ここでは……」
シャーラは困惑している感じだ。
「なに言ってんですか、シャーラ。いつでもどこでもという約束ですよ。つまりは、ここでもいいということです。さあ、俺の上に乗るんです」
ロウはズボンからすでに勃起している性器を取り出した。
「あらあら、そんな約束をしたの、シャーラ? このロウは好色なのよ。そんな約束をするなんて、とんでもないことになるわよ」
ミランダが冷やかすような言葉をかけた。
だが、ミランダもロウの暴挙を制止するつもりはないようだ。
「そ、そんな……」
しかし、シャーラはもう抵抗しようとはしない。
ロウが強要するまま、ロウに向かい合うように身体を跨らせる。
すぐに、シャーラの白い尻がくねるようにして、ロウの上に沈んでいった。
「おんっ」
シャーラが完全にロウの性器の上に乗ったとき、シャーラが感極まったように身体をのけぞらせて声をあげた。
「ふふふ……。すっかりとシャーラも濡れているじゃないですか。こんなに欲情しているくせに、我慢しようとするなんて、身体に毒ですよ」
「だ、だって……、あっ、ああっ、あっ、あっ」
ロウのからかいの言葉に、シャーラはなにか言葉を返そうとしたが、それはロウが腰を上下させはじめることでかき消えた。
「舌を出して」
ロウが激しくシャーラを上下させながら声をあげた。
腰を動かしながらシャーラが舌を出す。
ロウの舌がそれを舐めあげる。
舐めながら腰の上下の律動は続けている。
イザベラは生れて初めて目にする男女の激しい営みに息をするのも忘れたかのように見入った。
シャーラがあっという間に感じてしまっているのは見ればわかった。
いつも毅然として真面目なシャーラのあられもない姿に、イザベラは圧倒されてしまった。
しばらくして、ロウはシャーラの舌を舐めるのをやめて、シャーラに両手を頭にあげさせて脇の下を舐めだした。
「そ、そんなところを……」
驚いて、思わず口に出していた。
そして、もっとびっくりしたのは、それでシャーラの乱れ方がいよいよ激しくなったことだ。
「ああっ、だ、だめえっ」
シャーラが突然に大きな声をあげた。
そして、全身をぐんと大きく伸びあがらせた。
イザベラは息をのんだ。
「じゃあ、出しますよ。受け止めるんです」
ロウが声をあげた。
「は、はい、ロウ様──。あ、ありがとうございます」
シャーラが嬉しそうな声をあげて、がくがくと大きく身体を震わせた。
*
「じゃあ、本当にシャーラさんをイザベラ姫の前で抱いたんですか?」
エリカが目を丸くしている。
いつもの幽霊屋敷だ。
シャーラととともに、一郎だけで宮殿に乗り込むことに難色を示したエリカだったが、シャーラが安全を保障してくれたし、ミランダのこともある。
結局は一郎だけが向かうことをエリカも許した。
シャーラが王家の道を使わせることの条件は、一郎のみがその秘密に接するということであり、エリカたちもということなると、王家の道を使わせるわけにはいかないと言ったのだ。
それでエリカは折れた。
監禁されているミランダを解放するには、一郎がイザベラ姫のところに行く必要があった。
そうでなければ、気性が荒く、我儘なイザベラは、ミランダを解放しそうにないと考えた。
シャーラの説明によれば、とても他人の忠告や諌言に耳を貸す姫様ではないそうだ。
それでシャーラとともに宮殿に乗り込んだ。
シャーラが一郎に脅迫されているということにして、偽物の爆裂の首輪をさせたのは、洒落のようなものだ。
シャーラはイザベラに手を出さないのであれば、多少の懲らしめはやっていいということだったし、シャーラを人質にして服を脱がせるくらいのことはするつもりだった。
それで、ちょっとばかり、イザベラに怖い目に遭わせて、それでミランダを解放させて戻った。
ただ、最後にイザベラの前でシャーラを激しく抱いた。
当初はそんな予定はなかったが、裸にさせて自分の性器を指で開かせるというこような辱めをさせると、イザベラは屈辱で身体を震わせる一方で、ひそかに身体を欲情させて熱くしているのが一郎にはわかったからだ。
イザベラは見られて感じていたのだ。
そんなイザベラの隠れた性癖を知った一郎は、それでそのイザベラの前でシャーラを抱くことにした。
シャーラはすっかりと一郎に屈服していて、抵抗はしないというのがわかっていたし、目の前で行われる性行為にイザベラが興奮状態に陥るだろうというのも予想していた。
一郎はあの生意気そうな姫様が、圧倒されて大人しくなる様子を見たかったのだ。
案の定、一郎とシャーラが性交を終えて、身体を離すときには、イザベラの股間からはかなりの愛液が流れて、すっかりと熱く疼いた状態になっていた。
イザベラはなにも喋らず、他人の目の前で一郎との性行為を強要されたシャーラよりも、イザベラが恥ずかしそうにしているのが面白かった。
一郎は満足して、宮殿を後にして、こうやって戻った。
入るときとは異なり、ミランダとともに表から堂々と出た。
一郎をとがめだてする者もなく、あっさりと宮殿を出た一郎は、途中でミランダと別れて、こうやって屋敷に戻ったのだ。
そして、その顛末をエリカたちに話していたところだ。
まだ外は暗く、夜は明けてはいない。
ただ、もうすぐ朝になるだろう。
そんな時間だ。
「そんなことをして大丈夫なんですか?」
エリカがまた言った。
「まあ、問題ない。姫様のあの顔は、とてもじゃないが、無礼に怒っているという感じじゃなかった」
一郎ははっきりと言った。
「まあ、でも、わたしは、イザベラ姫様はもう一度ロウに接触をしてくると思うな。わたしは、姫様のご気性も少しはわかっている。あの姫様はそういうお人だ」
シャングリアだ。
「やっぱり腹を立てて、もう一度ちょっかいをかけてくるということか? まあ、そのときはそのときだ。少なくとも、シャーラには淫魔師の呪術を結んでいる。いまは、すでに解いてしまったが、その気になれば復活もできる。うまくやるさ」
「そうじゃない──。ロウはわかってないな。ロウは自分が思うよりも、ずっと魅力的だぞ。あのイザベラ姫は、自分がこれはと思ったら執着をする。ロウの話を聞く限り、イザベラ姫は、ロウに圧倒されたのだと思う。そして、力を認めたとも思う。だから、姫様はロウを手に入れたいはずだ。もともとは、ロウを家人にしたいという話から始まったことなのだろう? 姫様はロウを家人にしたいと考えると思うぞ」
シャングリアがきっぱりと言った。
「だったら、あたしたちは冒険者から、宮廷に出入りする家人に格上げですか?」
コゼがからかうように言った。
「それはすごいな」
一郎は笑った。
「笑い事ではないぞ、ロウ? 姫様はそうする。そうなったら逃げられないと思うぞ──。姫様はギルド長だ。姫様としてではなく、ギルド長として命令されれば、冒険者であるロウは逆らえない──。もしも、それがいやなら、わたしは、ロウの術で姫様を支配すべきだったと思う。そうすれば、姫様に意に染まぬことを強要される心配はない」
シャングリアははっきりと言った。
ここにいる三人は、全員が一郎が淫魔師であることを知っていて、精の力で女の心を支配する能力があることを承知している。
承知しているからこそのシャングリアの言葉だ。
「支配なあ……」
一郎は頭を掻いた。
実のところ、一郎は完全に女の心を淫魔の術で支配するというのが好きではない。
それは無論、最初にはきっかけにするのだが、時間が経ち関係が深くなるにつれ、だんだんと呪術の力を弱めて、心については淫魔の縛りを解いていくのを常にしている。
最近では、身体は支配しても、ほとんど心については最小限の呪術しかかけない。
ここにいるエリカ、コゼ、シャングリアなど、淫魔の術などまったく施していないに等しい。ミランダもそうだ。支配しているのであれば、もっと人形のように言いなりになっている。
そんなことをしなくても、彼女たちが一郎に好意を抱いてくれるというのを信じているからだ。
また、実際にそうだ。
心を操るというのは、実は制約も多いし、意に添わぬことを強要し続けるというのは、本当は心が不安定になり、とても危険なことなのだ。そういうことも、淫魔術の能力があがり、女たちの感情を制御できるようになるにつれてわかってきた。
それよりも、徹底的な快楽調教で屈服させてしまうということの方が安全だ。
シャーラもそうだったし、実際のところ、ほとんど精の力で心を縛る必要はなかった。
「まあいいさ、なるようになる……。それよりも眠い。そろそろ夜も明ける。なんだかんだで夜通し活動していたから疲れた。そろそろ寝ようか」
一郎は言った。
すると、三人がちょっとだけ緊張したような表情になった。
同時に、三人揃って頬を赤く染める。
「言葉通りの意味だ」
一郎は慌てて言った。
「そ、そうですよね。もちろんです」
エリカが照れたように言った。
コゼとシャングリアも赤い顔のまま、エリカに同調するように激しく首を頷かせた。
(第20話『夜這い命令』終わり、第21話『第三王女の破瓜』に続く)