【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「面白いのう。この年増の慌てぶり。どれ、そろそろ、わしも参加してよいか、
「もちろんだ、サキ。泣き叫ばさせてくれ」
ロウとサキが笑い合う。
そして、なにやらひそひそと話しだした。
アネルザは、その内容に耳をそばだてようとした。
「うぎゃああ」
そのとき、またもや強い電撃が股間に迸った。
アネルザを囲んでいる三人のロウの女の誰かが尻たぶに電撃を加えてきたのだ。
「ほら、おばさん、余計なことを考えている暇はないわよ。ご主人様に服を脱げと言われたんでしょう」
コゼの声がした。
「お、おばさんだとっ」
その物言いにかっとなる。
「殿下、すまん。こうなったら、ロウの命令に従ってくれ。わたしらにもどうしようもないからな。わかるとは思うが、もう、わたしたちは、ロウには逆らえないように調教されているのだ」
今度はシャングリアがアネルザの首筋にぴたりと棒先を当てる。
「ま、まて、脱ぐ──。脱ぐから──」
アネルザはびっくりして腕をまだ残っている腰の下着に伸ばした。
すでに上衣とスカートは取り去った。
残っているのは腰の小さな股布だけだ。
しかし、すでに限界に達している腕は、なかなか上にあげることができない。
「口から出したものを食べろと言われたときには大嫌いになったけど、そろそろ可哀想になってきたわね」
エリカが棒の先で乳首を突いた。
「も、もうやめてくれ──。後生じゃ」
アネルザは悲鳴をあげた。
しかし、容赦なく首と乳首に同時に電撃が飛ぶ。
一瞬頭が真っ白になり、気がつくと腕はだらりとさがって床についてしまっていた。
「なにやってんのよ。自分で脱げないなら、せめてあたしたちの誰かに頼んだらどうなの、おばさん」
コゼが脇の下に電撃棒を当てて電撃を発した。
「ふぐううっ」
電撃を受けた腕が完全に弛緩して動かなくなった。
それでも、これ以上の苦痛を受けるのが嫌で、残っている片腕をあげる。
だが、重くてあがらない。
しかも、その腕にも、エリカが容赦なく電撃を加えた。
「あがああっ、もう、やめてくれ。脱ぐ。脱ごうとしておるだろう」
アネルザは悲鳴をあげた。
そして、自分が涙を流しているということに気がついた。
そのことにアネルザは驚愕した。
「脱ごうとしていてもだめなんですよ、おばさん。ご主人様の命令は、“脱ぐ”ということですしね。命令を実行しないあいだは、痛めつけられるのよ。それに、あたしたちも手を抜くと、罰が与えられるんです。哀訴するならご主人様にしてくださいね」
コゼが下着の横から棒を差し入れて、さっきのロウのように陰核に棒先を当てる。しかも、今度は布越しではなく直接にだ。
アネルザは恐怖した。
「んふうっ、はあああっ」
だが、襲ってきたのは電撃ではなく、いやらしい振動だ。
アネルザは、信じられないくらいあっという間に快感を昂ぶらせられてしまう。
どうして、こんなに……。
見知らぬ卑しい冒険者に無抵抗の身体を寄ってたかっていたぶられる。
身の毛もよだつほどの屈辱に違いないのに、アネルザはそれに強い欲情をしている……。
そのことに気がついてしまう。
アネルザは自分の身体に起こっている淫情の疼きに愕然とするしかなかった。
「とにかく、わたしらは、あらゆる手段で殿下が服を脱ごうとするのを邪魔するように言われているのだ。申し訳ない」
シャングリアがさらにアネルザの抵抗力を削ぐように、乳首を棒で擦ってくる。
「ロウ様がアネルザ様になにを望んでいるかわかりませんか? わたしたちも、それをアネルザ様がしてくれるまで、拷問を続けるしかないんです」
エリカがなにかを諭すような口調で言った。
しかし、エリカの持つ電撃棒はまたもや脇に押し当てられる。
口調はいささかの同情的なものがあるのに、行為には容赦ない。
「ふぐうううっ」
アネルザは逆さ吊りの全身をのけぞらせた。
股間と乳首に淫らな刺激──。
そして、電撃の激痛──。
アネルザはもう思考することもできない。
屈辱も恥辱もすっかりと麻痺してしまっている。
「た、頼む。脱がしてくれ。頼むから……」
アネルザは口にしていた。
しかも、泣きながらだ。
わずかに残る抵抗心がアネルザの声を引きつらせていた。
「引き破ってやれ」
ロウが言った。
その瞬間に、三人が同時に電撃棒をアネルザから離した。
刃物のようなものを使ったのか、下着がすぐさま切断されて身体から奪われる。
股間に触れる外気が恥辱を誘う。
「服を脱げば脚をおろすという約束ですから、そうしてあげますよ」
ロウが言った。
アネルザは一瞬、心の中の緊張感が一気に緩んでいくのを感じた。
おそらく、これからこのロウに犯されるのだと思う。
だが、もうそれはどうでもいい。
とにかく、この逆さ吊りの苦痛さえ解放してくれれば……。
「な、なにっ?」
しかし、アネルザは驚愕して声をあげるしかなかった。
いきなり両手首に鎖のついた革枷が出現したのだ。
それが引きあげられる。
そして、かなり上まで身体全体が引きあがったところで、やっと足枷が消滅した。
「や、約束が違うぞ」
アネルザは正面に立つロウに叫んだ。
逆さ吊りしていた枷は外れたものの、まだ床からほんの少し身体が浮いたままだ。
つまりは、宙吊りの上下が入れ変わっただけで、吊りあげの苦痛からは解放されていないのだ。
「さて、わしからの贈り物じゃ。主殿によれば、お前は奴隷を飼っていて、それを性的にいたぶるのが好きなようじゃな。だったら、そんなお前にぴったりかもしれん」
サキという雌妖が指輪のような金属の環を股間に近づけてきた。
「や、やめよ──。な、なにをするっ。うわあっ、ああっ」
アネルザは肉芽に押し当てられたひんやりとした金属の冷たさに悲鳴をあげた。
次の瞬間、ぎゅんという衝撃が股間に走った。
なにが起きたかわからなかったが、凄まじい疼きが股間から沸き起こってアネルザは絶叫した。
そして、視線を股間に落とすと、根元を金属の環に締めつけられた肉芽が巨大化して、まるで子供のペニスのようになっている。しかも亀頭のような膨らみまであり、さらに先端には亀裂まである。
「男勝りの気の強さと有名な王妃様にはぴったりの一物ですよ。しかも、そんなに勃起してしまって……。そろそろ、こうやって苛められる調教が満更でもなくなってきたでしょう?」
ロウがアネルザの股間にできあがった小さなペニスに指をそっと這わせた。
「はああっ、な、なんじゃ、これ──。いやああっ、だ、だめっ、ああああっ」
恐ろしいほどの快感が沸き起こった。
アネルザが訳もわからずに身体を激しく揺すった。
あっという間に限界を超えた快感がせりあがる。
「うううっ、はああっ、はううううっ」
アネルザはぶるぶると全身を震わせて身体を反り返らせた。
ロウが擦っている小さなペニスの先端から白濁液がぴゅっと飛び出る。
たちまちに気だるさと開放感──。
そして、圧倒的な快感と、なぜかそれを上回る焦燥感が襲う──。
アネルザは、昇天しても、なにか足りないような、欲情しきれない不思議な感覚に呻いてしまった。
「もどかしいじゃろう。これはふたなりの環と称する淫具じゃ。女に男の快感を与えることのできる淫具なのじゃが、男として達しても、一瞬の気持ちよさはあるが、女としては達していないから快感と同時に焦燥感を与えてしまうようじゃ。しばらくこれで遊ぶといい。どうしても我慢できなくなったら、主殿に女として犯して欲しいとねだるんじゃな」
サキが嘲笑の声をかけてきた。
「どうか犯して欲しいと頼めば、犯してあげるかもしれませんよ、王妃様。さあ、あと二、三発ほど抜きますか?」
ロウが笑いながら、またもや「ペニス」を擦りあげてくる。
アネルザは泣き声をあげた。
結局、ロウはそうやって四発もアネルザに射精をさせた。
しかし、達すれば達するほど、もどかしさと気だるさが大きくなる。
アネルザは、もう感情の制御ができなくなって、ただただ泣き悶え続けた。
「こんなのも、いいでしょう?」
ロウは今度は細い金属の棒のようなものをアネルザの股にできあがった小さな怒張の亀裂に縦にあてがった。
そして、それをすっと挿し入れる。
「うわああああっ、んぎいいいいっ」
激痛にアネルザは喚き声をあげた。
しかし、その痛みが瞬時に得体の知れない気持ちよさに置き換わる。
なんだ、これ──?
アネルザは混乱した。
痛みが、気持ちいい──。
いや、痛いのだが、気持ちいいのか……?
とにかく、もうどうなっているのかわからない。
「俺はやられたことはないですが、尿道責めも効くようですね、殿下。挿し込んだ金属棒に微弱な電流を流しっぱなしにしてあげますね。病みつきになりますよ」
ロウがくすくすと笑った。
「ふううううっ」
そして、襲ってきた。
もうなにもわからない。
弱い電撃の衝撃が股間に襲う。
だが、同時に恐ろしいほどの快感が襲う。
「ペニス」が激しく膨れあがる──。
射精をしようとしているのだ。
しかし、穴が金属棒で塞がれてもいる。
出せない──。
アネルザはあまりの仕打ちについに号泣してしまった。
「さて、じゃあ、そろそろ屈してもらいますか──」
ロウが言った。
「……も、もう許してくれ……。犯すなら犯していい……。いや、犯してくれ……。もう堪忍してくれ……」
アネルザは叫んだ。
もう、屈服した。
これ以上、なにも耐えられない。
ロウに屈することは、すでに屈辱とは感じない。
アネルザはすでに追い詰められていた。
「まだまだですよ、王妃様。王妃様には被虐の限界を超えた最高の快楽を味わってもらいますからね。そのためには、もっともっと苦しんでもらう必要があるんです」
ロウのその言葉が終わるとともに、突如として、ロウの手に油剤の容器ようなものが出現した。
蓋が開き、アネルザはそこから発する香りにぞっとした。
その薬剤についてアネルザは知っていたのだ。
よく奴隷調教のときに使う拷問用の薬液だ。
人を屈服させるには、これがなによりもいい。
陳腐だという者もいるが、効果があるからこそ多用されて陳腐になる。
「わしが与えた亜空間術を便利に活用しているようだな。だが、そうやって、調教の道具を持ち歩いておるのか、主殿?」
「肌身離さずね」
ロウが容器の中身をアネルザに見せるようにした。
やっぱりだ。
「や、やめよ。それだけはやめてくれ」
アネルザは悲鳴をあげた。
「おっ、その顔はこれがなにか知っているようですね、殿下。そのとおり、これは掻痒剤です。これを肌に塗れば、怖ろしいほどの痒みが襲いかかります。ただし、身体に害はないから安心してください」
「や、やめてえっ」
アネルザは金切り声をあげた。
しかし、ロウは自分の横に立っている三人の女に視線を向ける。
「……お前たち、これを一滴残らず、王妃様に塗るんだ。ふたなりの環で作ったペニスにも尻穴にも忘れずに塗り込め。もちろん、膣の中には何度でも重ね塗りしろ。ちょっとでも残れば、お前たちの身体に塗らせるからな」
ロウの言葉に、アネルザの視線の中にいたエリカとコゼとシャングリアがはっとしたように目を合わせた。
そして、慌てたように油剤の入った容器に一斉に指を突っ込む。
「いやああっ、ああああっ」
三人の女が油剤をすくって、アネルザの身体に塗りたくりだす。
まずは乳房──。
そして、無防備な股間は前後から──。
膣に塗り込まれ、尻穴にも執拗に指で詰め込まれる──。
微弱な電撃が送られ続けているペニスにも、挿さっている棒の隙間から中に送られ、幹や付け根に油剤を塗られる──。
それを何度も何度も繰り返された。
三人の女たちは、油剤が余るのが嫌なのだろう──。
最後にはアネルザの全身に油剤を塗りたくった。
「さて、どのくらい我慢できるかな……。じゃあ、お前ら、手に着いた油剤は、誰の股間でもいいから擦りつけ合え……。その代わりに順番に抱いてやる。三人とも素っ裸になれ。王妃様が痒みに狂ってしまうまで暇つぶしに犯させろ」
ロウが笑いながら言った。
エリカたち三人は、ちょっとびっくりしたような表情になったが、すぐに争ったように脱衣を始める。
それと並行して、きゃあきゃあと悲鳴をあげながら指についた油剤をお互いの股間に擦り付け合いだす。
「……まずは、サキだ。四つん這いになれ」
一方でロウは雌妖のサキに声をかけた。
「わしから抱いてくれるのか、主殿……。嬉しいな」
サキが微笑みながら、四つん這いになってロウに尻を向ける。
まるで、アネルザに見せつけるような目の前にだ。
しかし、そのときには、早くも粘膜に染み込んだ成分が、不快な痒みをアネルザに引き起こしていた。
「ああ、か、痒い──。か、痒いいっ──痒いっ」
アネルザは両腕の疲労も忘れて、乳房と髪を振り乱した。
一度意識すると、収まることなく、どんどんと痒みが膨れあがる。
「もう、もう抱いて──。抱いてくれ──。屈服する。屈服するから──」
汗が全身から噴き出す。
いくら歯を食い縛っても、抵抗のしようがない猛烈なむず痒さだ。
「王妃様の順番は最後ですよ。しばらく、そうやって尻踊りをしてください」
ロウがそう言って、サキに向き直った。
そして、後背位で雌妖を犯しだした。
「ああっ、主殿──、主殿──。やっぱり気持ちいい……。な、なんで、主殿はこんなに上手なんじゃ」
すぐにサキは感極まった声をあげて悶えだした。
*
ロウがアネルザの目の前で、見せつけるように女たちを抱く行為が続いている。
一方で、そのあいだ、あまりの痒みにアネルザは何度も失神するような感じで意識を失いかけた。
だが、それも痒みの苦しさで覚醒してしまう。
それを繰り返している。
いま、アネルザは両手首だけでなく、両足首にも枷を装着され、手首と足首の四点で、逆海老的なうつ伏せの体勢で宙に吊られていた。
手首にかかる痛みは小さくなったが、その代わりに太腿を擦って痒みを少しでも和らげることはできなくなった。
いずれにしても、そんなもので癒されるような痒みではなかったが……。
そのアネルザの真下で、ロウが自分の女たちを抱くということが続いている。
「あん、ああん、ああん、いく……いきます……。いかしてください、ロウ様……。ああ、わかんない……もう、わからなくなる……」
身体の下でエリカが悲鳴のような叫び声をあげた。
「いってもいいが、もう三度目だろう……。次にいったら終わりだぞ。順番に抱いているんだからな」
ロウが苦笑気味の口調でエリカの股を正常位で犯しながら言った。
「だ、だって……我慢できないいっ、あはああっ」
首に両手首を密着させて頭を抱え込むようにしているエリカが大きく背を反り返られた。
サキという妖魔に次いでロウが抱いたコゼもそうだったが、ロウが最初に連れてきた三人の女たちには、首と四肢の手首に布の装飾品を巻いていて、どうやら、それはロウの好きに組み合わせて密着させることができるようだ。
それでコゼは左右の手首と足首を密着させられて、大股開きの体勢で抱かれていたし、エリカは両腕を首にあげて脇晒しでロウに責められている。
女を拘束したり、拘束して抱くというのは、この男の性癖のようだ。
「そろそろ、俺も一度出すか……。エ、エリカ、いくぞ」
ロウの腰の動きが一気に速くなった。
「う、うんっ……ロ、ロウ様……ああっ、で、でも、そんなにされたら……いったのに、いっちゃう……いっちゃいます……い、いっひゃううっ」
たったいま達したばかりの仕草をしていたエルフ女のエリカが、さらに身体を弓なりにして、がくがくと身体を揺すらせた。
そのエリカの腰にロウは激しく何度も腰を突きだし、やがて、ぶるりと身体を震わせた。
しかし、エリカはすでに脱力したようになっていて、ロウの射精のときには半分気を失っているような感じだ。
「やれやれ」
ロウが笑いながらエリカから腰を引いた。
だが、ロウの怒張は精を放った直後だというのに、まだまだしっかりと勃起していて、精液と淫液にまみれててらてらと光っている。
「つ、次はわたしだな……。ほ、ほらっ、エリカ、呆けてないで早くどいてくれ」
素っ裸のシャングリアがエリカを押しのけるように、ロウに寄ってきた。
「よしよし……。じゃあ、シャングリアは、背中側に四肢をまとめた逆海老の体位だ」
「うわっ」
ロウの言葉とともに、シャングリアの手足は身体の後ろに強引に引っ張られた感じになり、四肢を背中に集めてごろりと転がった。
「悶え泣いてくれよ、女騎士殿」
ロウがお道化た口調で手足を背中に回して仰向けになっているシャングリアの裸身を両足で抱え込むようにして固定する。そして、宙から取り出したように手に出現させた「筆」でシャングリアの身体をゆっくりとくすぐりだした。
シャングリアはたちまちに悲鳴をあげた。
「や、やああっ、ロ、ロウ、わ、わたしもさっきの痒み剤の残りをコゼとエリカに塗られたのだ。そ、そんなことをされたら耐えられない」
「それを耐えさせるのが調教だ。苦しんでくれ」
ロウが笑いながらシャングリアの身体に筆を這わせる。
しかし、アネルザの気力も限界だ。
順番に犯すと言っていたので、この痒みにただれた身体をロウに犯してもらえるのは、シャングリアの次のはずなのだ。
だが、ロウの様子では、シャングリアを抱くのに、ゆっくりと時間をかける気配だ。
アネルザは泣き叫んでしまった。
「た、頼む……。もう、許して……。ロウ、ロウ殿……。も、もう限界じゃ……。ねえ、ロウ殿……」
アネルザはロウとシャングリアの上で吊られている全身を激しく揺すった。
「……順番だと言ったでしょう、殿下……。仕方がありませんねえ。じゃあ、コゼに頼んでください。コゼ、相手をしてやれ」
ロウが言った。
そして、悲鳴をあげ続けるシャングリアをいたぶる態勢に戻る。
しかも、ロウはシャングリアをころりとうつ伏せにすると、手首とまとまっている足の裏や指のあいだに筆を差し入れている。
まだまだ時間をかける様子だ。
「ロ、ロウ殿……。ご、後生だ。か、痒いいいっ」
アネルザは絶叫した。
だが、今度はロウはアネルザを無視したように、シャングリアに向き合ったままだ。
そのアネルザの胸に背後からすっと両手が伸びてきた。
「ご主人様の命令ですからね。あたしが相手をしてあげますよ、おばさん。ここを揉んで欲しいですか?」
コゼがくすくすと笑いながら、手をアネルザの乳房の直前で静止させた。
だが、はっとした。
コゼの両手には、たっぷりと新しい粘性の油液が塗られているのだ。
まさか……。
「そ、それは新しい掻痒剤か──? や、やめてくれっ。わ、わたしは、もう耐えられん」
思わず言った。
「そうですか……。じゃあ、シャングリアにおすそ分け……。エリカにも……」
コゼがすっと手を引いて、ロウに筆責めをされているシャングリアの股間にねっとりした手を擦り付けるようにした。
「ひいいっ、コ、コゼ──。な、なんてことを──」
シャングリアが抗議の声を出した。
「いいじゃないの、シャングリア。このおばさんがせっかくの油剤をいらないって言うんだもの。どうせ、すぐにご主人様が癒してくださるわよ……。さあ、エリカもね」
コゼが悪戯っぽく笑って、ロウとシャングリアの横でまだ死んだようにぐったりとしているエリカの股間に手についた液剤をつけた。
エリカがびくりと身体を反応させた。
「う、うわあっ──。ま、待ってよ……。わたしの番は終わったばかりなのよ。いま、それを塗ったら……」
エリカが身体を回転させて、コゼの手から身体を離した。エリカの両手は、いまだに首と密着させられていて、まだ拘束状態にある。
「あら、そうだったね。ごめんね、エリカ。だけど、塗っちゃったわ」
コゼがけらけらと笑った。
エリカが口惜しそうにコゼを睨んだ。
しかし、もうアネルザのことを忘れたように振る舞うコゼに、アネルザは追い詰められた気持ちになる。
それがコゼの嫌がらせとわかっていても、アネルザはそのコゼに哀願するしかないのはわかる。
「わ、わかった。胸を揉んでくれ。揉んでおくれ」
アネルザはコゼに叫んだ。
もうなんでもいい──。
新しい掻痒剤を塗られることでさらに苦しくなっても、いまは少しでもこの痒みが癒されるなら……。
「あらっ、やっぱり揉んで欲しいですか、王妃殿下?」
コゼがこっちを向く。
そして、寄ってきた。
いつの間にか宙吊りのアネルザの横に出現している台に乗った容器にどぼんと手をつける。
その中にたっぷりと掻痒剤の油液が入っているのだ。
台の横には雌妖のサキがいるので、新しい油剤を準備したのはサキなのかもしれない。
油剤に濡れたコゼの手が再びアネルザの乳房に背後から伸びる。
「……ところで、どっちを揉めばいいんですか?」
「右も……左も……両方よ……」
「そうですか。早く言ったらいいじゃないですか」
やっとコゼは両方の手でアネルザの乳房を握りしめた。
「お、おおおっ」
一瞬にして沸き起こった激情に、アネルザは吠えるような声をあげた。
だが、全身に響き渡った愉悦は短い時間だけだった。それからは新しい焦燥感を引き起こす刺激だけに変わる。
なにしろ、コゼがアネルザの乳房を揉む手は、馬鹿みたいにゆっくりで丁寧だったからだ。
「ああっ、も、もっと強くっ」
アネルザは吊られた身体を懸命にコゼの手に押し付けるようにした。
だが、それに応じてコゼの手はすっと距離を取る。
そして、いつまでもわずかに指が食い込むような力でアネルザの乳房を揉むだけだ。
「強く? どこをですか、王妃様?」
コゼがわざとらしく恍けた声を出す。
かっと血が頭に昇るが、どんなに恥辱であっても、それに応じなければならない屈辱の現実がある。
「む、胸よ。そ、それに乳首──。もっともっと強く擦って」
「こうですか?」
初めてコゼの指に力が加わり、しかも痒みの頂点のようになっている乳首を捻るようにしてきた。
「んふうううっ」
恐ろしいほどの快感がアネルザに襲い掛かった。
二度、三度、四度、激しく乳房が揉まれる。
鮮やかな閃光がアネルザの身体に飛び散る。
まるで全身の毛穴という毛穴が、一斉に快感に弾けるようだった。
それでも十回を超えると、さらに強い刺激を求めて、アネルザの身体は狂い始める。
「も、もっと強くっ」
「こう?」
コゼが乳房を潰さんばかりにぎゅっと揉んだ。
「あああっ」
脳天を直撃する愉悦の衝撃が襲う。
だが、コゼはぱっと手を離してしまった。
「な、なにやってんのよ。も、もっと揉みなさい」
叫んだ。
「それが人に物を頼む態度ですか? あたし、嫌になっちゃった」
コゼが言った。
アネルザは歯噛みした。
そうやって、わざとアネルザを侮辱しているのはわかっている。
こんな小娘に憐れみを乞うのは恥辱だ。
しかし……。
そのとき、身体の下の喧騒が耳に入ってきた。
「ね、ねえ、ロウ様──。コ、コゼに悪戯されたんです……。ま、また、痒み剤を塗られてしまって……。手を……手を取ってください──」
エリカが必死の口調でロウに寄っている。
ロウがなにかを小さく呟いた。
「なっ、なに? えっ、ロウ様?」
すると、エリカの身体もシャングリアと同じように「逆海老の姿勢」になる。
ロウがシャングリアとエリカを並べて、筆を動かしだした。
「ひやっ、ひいいっ、ひやあああっ」
「んくううっ、うはあっ」
ふたりの悲鳴が部屋に響き渡る。
いずれにしても、まだまだ時間はかかりそうだ。
もう屈するしかない。
アネルザは覚悟を決めた。
もう、恥辱など気にしてはいられない。
切羽詰まっているのだ。
「ああっ、コ、コゼ殿……。お、お願いじゃ。胸を、胸を強く強く揉んでくれ……。い、いや……揉んでください……」
その瞬間、アネルザの中でなにかが砕けて散った。
だが、そこから熱いものが込みあがり、別の大きなものがアネルザを包み込んだ気もする。
「じゃあ、遠慮なくいきますよ。でも、あたしは胸しか揉みませんからね。ほかの場所はサキに頼んでくださいね」
コゼが新たに油剤を手につけて、乳房全体を包むようにぎゅっ、ぎゅっとアネルザの乳房に食い込ませ始める。
「ああっ、んんんっ、おおおおっ」
吠えるような声を出さずにはいられないほどの気持ちよさだ。
全身が溶けるような快感にしばらくのあいだアネルザはうっとりと身体を酔わせた。
とめどのない快感がアネルザの身体に流れる。
ただれるような痒みが癒されるのは、なんという甘美感だろう。
コゼが力強く乳房を揉むたびに、アネルザの口からは大きな嬌声が迸った。
しかし、胸を揉まれて痒みを忘れられたのは、ほんの少しの時間だけだった。
いまとなっては、放置されたために、その苦悩はさらに深刻なものになっている。
だが、さっきのコゼの言葉を思い出すしかない。
おそらく、コゼはどんなにアネルザが哀願しても、胸以外の刺激をしてくれることはないだろう。
アネルザは腕組みをして、にやにやとこっちを眺めている雌妖に視線を向けた。
「あ、あんた……。サ、サキ殿……」
アネルザはサキに視線を向けた。
こんな雌妖に身体を触られるのは恥辱以上に恐怖でもあったが、いまはほかに方法はない。
「呼んだかい?」
サキがにやにやとアネルザに笑みを向ける。
「か、痒いのよ……。ま、股を……股を擦って……」
「股? 人間族の言葉は難しくてねえ。股のどこだか、はっきり言いな」
かっとなる。
しかし、懸命にそれを耐える。
「ワ、ワギナだよ」
「脇? 脇の下をくすぐるのかい?」
サキがわざとらしく、前側から脇を指で刺激する。
「んふううっ、ち、違う。ま、まんこ……。まんこようっ……」
「もっと、でかい声で言いな──」
「まんこ、まんこに指を入れて──。もう、限界……。なんでもいい……。誰でもいい……。犯して……犯して……」
アネルザは絶叫した。
「誰でもいいというのは気に入らないけど、まあ、いいか」
サキがアネルザの股間に指を入れて緩やかな抽送を開始した。
「ああっ、うううっ、ああああっ」
アネルザは吊られた身体を激しく揺すって、甘いすすり泣きをした。
この快感は、これまでのアネルザの人生に存在しなかったものだ。
どの性行為や、奴隷相手のどの狂態よりも、激しくて……、深くて……、大きい。
そして、全身に染み渡る。
だが、快感が大きければ大きいほど、残っている二点の苦しさがアネルザを襲う。
「ううううっ、お尻も……。お尻もして……。ち、ちんぽも…。お願い──。お願いようっ」
アネルザは叫んだ。
すると、胸を揉み続けていたコゼが、意味ありげにくすりと笑った気がした。