【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ひっ、ひいいっ、た、助けて」
マアは悲鳴をあげたものの、もはや絶望的な状況であることを自覚せずにはいられなかった。
扉の向こうには、王妃と筆頭巫女がいる。
だが、このふたりは、ロウがマアを強姦するのを阻止するどころか、積極的に協力している状況だ。無論、ロウが脱いだ服を甲斐甲斐しく畳んだりしていた、あのロウの女であるらしきエルフ女も、ロウがマアをレイプするのを承知らしい。
また、部屋一帯には防音の魔道が刻まれていて、どんなにマアが大声をあげようとも、部屋と事務室の物音が外に届く余地はない。
さらに、部屋の外の家人や部下が、心配して乗り込んできてくれる可能性は皆無だ。室内には王妃がおり、人払いをしたことを全員がわかっている。
余程の長い時間でなければ、様子を覗くことなどないだろうし、1ノスもあれば、この男がマアを犯し終わるのに十分な時間だ。
「や、やめておくれ、こ、こんな
マアは両手を後手に縛られて、スカートを剥ぎ取られていたが、必死にロウから逃げようとした。
すると、軽くマアの内腿を悪戯をしていたロウが、まだ身に着けていたズボンを下着を脱ぐために、一度マアから手を離した。
その隙を逃さず、マアはとにかく寝台から降りようとした
「冷静ですよ。そうは見えませんか?」
しかし、マアは老いのために膝が丈夫ではなく、若いときのように俊敏には動くことはできない。
結局、寝台から降りることなどできずに、素裸になったロウに、再び仰向けに押さえられた。
「これもいらないですね」
ロウが顔に笑みを浮かべながら、下着を抜き取った。
なんの抵抗もできずに、その下着も足首から抜かれて、マアの股間が露わになる。
これで身を守るものはない。
そして、上衣を左右に寛げられて、乳房も剥き出しにされた。
「許して……許しておくれ……。怖い、怖いいっ」
マアは泣き声のような悲鳴をあげてしまった。
犯されるということよりも、とにかく暴力を振るわれるのが怖いのだ。
タリオ公国では、希代の女豪商として名を馳せ、大公でさえ、マアの作る富には一目を置かざるを得ない女傑を自負している。
武辺はないが、いまでもマアは多くの敵と戦っている。
命のやり取りさえ日常茶飯事だ。
現に、今日だって毒をこの身に近づけられた。似たようなことはいつものことだ。
しかし、怖い。
こうやって、剥き出しの暴力に、たったひとりで向かい合うとなっては、マアもただのひとりの老いた女に過ぎない。
しかも、歳を取ったせいで身体も自由にはならず、手足をばたつかせて抗うことさえもできない。
ロウがマアを犯すというなら、ただ犯されるしかない。
しかも、すでに腕を縛られ、ほとんど自由を奪われている状態だ。
怖くて堪らない。
「怖くありませんよ。心配いりません。すぐに終わります」
ロウが優しい口調で耳元でささやく。
マアは身体が竦みあがるのを感じた。
この歳だし、犯されることくらい、どうということもないはずじゃないかと思うのだが、理不尽な暴力の末に犯されるなど屈辱以外の何物でもない。
「ひっ、ひいっ」
ロウがマアの上に乗ってくる。
片側の乳房が鷲掴みにされて、もう片側の乳房に顔を伏せられる。
「い、いやだっ、怖い、怖いいっ」
マアは声をあげた。
「うわっ、ああっ、んあああっ」
だが、次の瞬間、電撃でも浴びたような快感が乳首から脳天に向かって走った。
マアは全身を弓なりにして喘いでしまっていた。
びっくりするような気持ちよさだった。
この歳でそんな快感を覚えるということが信じられなかったし、ほんのちょっと舌で舐められただけで、これほどのまでの衝撃が走るなど、マアのこれまでの人生になかったものだ。
マアは瞬時に脱力してしまった。
「ああ、あっ、ああっ、ああっ、はあっ」
マアは悶え続けた。
これはすごい……。
ひと舐め、ひと舐めで凄まじい快感が全身を貫く。
全身がかっと熱くなり、あっという間にマアの肌は汗でびっしょりになった。
なんという性の技巧……。
この老いた身体をほんの数障りだけで、ここまで追い詰めるとは……。
暴力に対するものではない、別の恐怖がマアを襲う。
「ほら、口づけをしましょう。もっと、楽にして……。襲われているなんて思わないことです。ただの運動ですよ。そう思えばいい」
ロウが乳首から口離して、マアの唇に口を重ねてくる。
これは危険だ。
マアは本能的な恐怖を感じて、顔を捩る。
しかし、ロウが笑いながら、空いている手でマアの顔を自分の顔に向ける。
「んんんっ、んぐうっ」
懸命に唇を閉じて、舌の侵入を拒む。
だが、唇の上からくすぐるように舌先で舐められ、さらに乳房を揉んでいた手をすっと下腹部におろされて、陰毛をくすぐられる。
それで、またもや全身の力が抜ける。
「はあっ」
我慢できなくて、声をあげてしまった。
ロウの舌が口の中に入ってくる。
口の中がめちゃくちゃに蹂躙される。
「んああっ、ああっ」
なんという口づけ……。
この甘美な刺激をどう喩えればいいのかわからない。
もうわけがわからない。
いつの間にか、マアは自分からロウの顔に唇を押しつけていた。
深く差し込まれる舌に自分の舌を絡ませて、どんどんと送り込まれる唾液を刻々と呑みくだす。
すると、さらに身体が熱くなり、まるで身体が浮いているような心地になっていく。
わからない……。
なにか、不思議で力強いものに、心がぐっと押さえつけられたような心地に襲われる。
自分の意思が吸い込まれる……。
それでいて、そのことを拒否する気持ちにはまったくならない。
全身を包んでいた恐怖心は、もう取り除かれた。
すると、マアは自分がとてつもない快感の海の中にすでにどっぷりと浸かっているということがわかった。
「はあ、ああああっ、あああああ」
マアは迸った甘美感に堪えられず、ロウの口から顔を離して嬌声をあげていた。
「ほら、心配しないでください。赤ん坊にでもなった気持ちで、俺に全部委ねて……。そら、脚を開くんです……」
ロウは手でずっと陰毛をすくような動作を続けていたが、ロウの言葉を受けたマアの脚は、勝手にすっとロウが触れていた股を開いた。
指が亀裂をやわらげ、クリトリスをまさぐられる。
完全に忘失の彼方だった快感が爆発する。
全身に快感の矢が突き刺さる。
「ああああっ」
マアは身体を弓なりにして、吠えるように声をあげていた。
そして、ロウの指がすっと股間の中に挿し込まれる。
「はぐううっ」
痛みもあったが、それよりも快感が圧倒的だった。
閃光のような甘美感が次々に沸き起こる。
「ちょっと狭いですね……。長くこういう状況がなかったからかな……。大丈夫です。痛くなんかしません。もう一度、口づけをしましょう。それでかなり楽になるはずです」
ロウが股間に指を挿し込んだ状態のまま、もう一度マアに口づけをしてきた。
今度は抵抗しない。
むしろ、積極的にロウの唇をむさぼった。
再び舌を入れられ、さっきよりも大量の唾液が送り込まれる。マアはほとんど意識することなく、その唾液をどんどんと飲み干した。
すると、信じられないくらいに身体が熱くなり、噴き出るような愛液が股間から放出したのがわかった。
「さあ、脚を曲げて……」
「ま、まだ、なにかするのか……?」
マアは荒い息をしながらロウを見た。
だが、身体はロウに言われるままに、両膝を曲げてそれぞれの脚のふくらはぎと太腿を密着するようにしていた。
ふと気がついたが、マアはずっと膝が悪くて、あまり膝を曲げると痛みが走ったものだったが、いまは少しも痛くないことに気がついた。
一方で、ロウは身体を起こして、宙から縄を取りだしたみたいにして、マアの左右の脚を縛ってしまい、曲げた膝が伸ばせないようにしてしまった。
「これでどうしようもないですね。完全にレイプする前に一度いきましょう。達したら犯します。そしたら、俺の奴隷ですよ」
すると、ロウがくすくすと笑いながら、マアの下半身側に移動してきて、顔を股間に埋めてくる。
マアは狼狽した。
「ああっ、そんなっ」
思わず腰を振って逃げようとした。
だが、がっしりを腰を掴まれて、股間の綴じ目の部分に舌を這わされる。
「んふうううっ」
我を忘れてしまうような気持ちよさが迸る。
ロウの舌が股間を動き回る。
腰が勝手に動き、どんどんとせりあがる情感に、マアはいつしか泣き声のような甘い声を漏らし続けた。
この年齢でそんな少女のような声を出すということが、我ながら信じられないでもいた。
「ああ、あああっ、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいいいっ」
マアはわけのわからない声を出し続けた
すると、股間全体を余すことなく舐め続けていたロウの舌が、ついには尻たぶに潜むお尻の穴にまで責めかかってきた。
「そ、そこはだめえっ、いやあああっ」
信じられないような快感に、マアは堰を切ったように大きく悶えた。
しかし、容赦のない刺激がお尻に襲いかかる。
「あはあっ」
マアは、あっという間に絶頂してしまった。
「さあ……、じゃあ、犯すよ。これで、おマアも俺の女です」
ロウが再び体勢を変えて、いよいよ自分の股間をマアの股に挿入するような位置に移動をさせてきた。
それにしても、この男の性器はマアを裸にしたときから、ずっと勃起しっ放しだ。
よくも、こんな老いた女を相手に、一物が勃つものだとは思うが、この年齢でも女として認められたと思えば、悪い気はしない。
だが、「おマア」?
世間広しといえども、女豪商として名を売り、そこらの上級貴族が揉み手をして愛想笑いをするようなこのマアを相手に、「おマア」とは随分と可愛らしい呼び方をするものだ。
なんだか、全身がこそばゆい。
まあ、ちょっと嬉しくはあるが……。
それにしても、最初にあんなに怖かったのが嘘のようだ。
なんだか愉しい。
六十を超えた老女をここまで女にしてくれる男など、まさかこの世に存在するとも思わなかった。
「力を抜いて……」
ロウがささやきながら、怒張の尖端をマアの股間に当てる。
「うううっ」
その瞬間、また電撃に打たれたような衝撃が襲って、マアは総身を激しく痙攣させた。
「あああっ」
怒張が侵入してくる。
快感が次々に沸き起こる。
気が狂うほどに気持ちいい。
「あああ、そこっ、す、すごいいいっ」
マアは言葉にならない声をあげて、頭を左右に振りたてた。
ロウの怒張が最奥まで届く。
そして、律動が始まる。
マアは我を忘れた。
この世のものとも思えないほどの快感だ。マアはそれを与えてくれるロウの肉棒をこれでもかと締めつけた。
すぐに火柱のような愉悦がせりあがってくる。
「あああっ、いくううっ」
絶頂する……。
マアは激しく痙攣した。
そして、ついに二度目の快感の頂点をマアは極めた。
「おマアを支配するよ……。だけど、それに見合うものは渡す。奇跡をあなたに送りますね」
ロウが愉しそうに笑いながら、マアの股間の奥で精を迸らせた。
その瞬間、頭のてっぺんから足先までのすべてをこの男に支配される快感が沸き起こったと思った。
それは、言葉にしようのない最高の幸福感でもあった……。
*
「大丈夫ですか……? 身体に負担は? まあ、気がついた範囲で、身体の悪い部分は治療をさせてもらいましたけどね。これまで随分と無理をしてきたんでしょう? かなり、身体にがたがきてましたよ。まあ、とりあえず、三十年分くらいは若い身体にさせてもらいました」
愉しそうな声がした。
マアは目を開いた。
状況がすぐにはわからなかった。
どうやら、マアは寝台に横たわっているようだ。そして、その寝台の端に男が腰かけ、マアの顔を微笑みとともに見おろしている。
ロウか……。
そうか……。
自分はロウに犯されて……。
激しく絶頂をして軽い失神をしたのか……。
しかも、いつの間にか括られていた縄は解かれ、手足は自由になっている。
ただし、まだ裸だ。
一方で、ロウはすでに服を整えている。
「あ、あたしは気を失ったのかい……」
マアは身体を起こした。
だが、違和感があった。
身体が軽い。
そういえば、膝が痛くない。
そして、疲労感はあるものの、ひどく身体は楽だ。
とても不思議な感覚である。
「気を失ったのは少しのあいだですよ。ところで、エリカたちを呼びますね。身体が怠いでしょう? 服を身に着けるのを手伝わせます。遠慮しないでください」
待てと言おうとしたが、そのときには、すでにロウは扉の向こうの女たち声をかけていた。
慌てて、手で裸身を隠す。
しかし、今度こそ、本当に身体がおかしいことに気がついた。
乳房に張りがある……。
これは自分の胸ではない。
いや、胸だけじゃない。
腕も脚の肌艶も全然違う。
指先や間接から皺のようなものが消滅していて、なによりも身体全体がみずみずしくて、肌が艶々している。
マアは驚いてしまった。
「ロウ様、ご苦労様でした……。ええっ?」
エルフ女が入ってきた。しかし、マアの顔を見るや、目を大きく見開いて絶句した。
「終わったかい……? うわっ」
「まあ──」
続いて入ってきたアネルザとスクルズも、同じように驚愕している。
どうしたのだろう?
「こ、こいつはマアかい……? いや、マアだね。で、でも、こりゃあ……」
アネルザは唖然とした様子だ。
しかし、マアもわけがわからない。
確かに、身体の調子がよくなっていて、肌艶が異常にいいのは確かだが……。
「つまりは、淫魔術による治療だよ。このおマアの身体のありとあらゆる部分を治療した。老いによる肌のたるみ、内臓を支える筋肉の低下の矯正、顔のしわだって、肌の劣化を治療すれば、完全に消失させることもできる。顔の筋肉を正常な状態に戻してみたんだけど、そしたら老いの外面は消失するということさ。多分、うまくいくと思ったけど、本当にこれはすごいよね」
ロウが笑った。
「うまくって……。こ、これ淫魔術なんですか?」
エルフ女が声をあげた。
だが、いま、淫魔術って言ったか?
淫魔術?
「なんだか状況がわかってないみたいだね、マア……。とにかく、お前、鏡を見てみな……。しかし、これは……。ロウ、お前、なんてことするんだい。知らないよ、どうなっても……。大騒ぎになるんじゃないかい?」
「ロウ様、これは魔道による治療術ではありえません。治療術なんかじゃないです」
アネルザとスクルズがロウに言った。
だが、マアだけは、周りの騒ぎから取り残されている。
それほどまでに、アネルザたちが騒ぐのはなぜだ?
マアは怪訝に思った。
「一体全体、どうしたって言うんだい?」
マアは叫んだ。
すると、アネルザがマアの腕を掴んだ。
「いいから、鏡を見ろって言っただろう、マア」
腕を引っ張られて、マアの化粧台の前に連れていかれた。
そこにある大きな鏡を見る。
「うわっ」
マアも仰天した。
鏡にあったのは、マアであり、マアではなかった。
六十歳の老女などそこにはいない。
どう見ても、三十歳くらいだろうという若々しいときのマアがそこにいたのだ。
マアはあまりのことに、思考停止状態になってしまった。
「化粧が趣味だと耳にしていたからね……。自分の老いはすごく気にしていたんでしょう? だから、贈り物です。最初に言った通りです。俺という悪魔に魂を売った代償に若さをあげましょう。言っておくけど、見た目だけじゃないですからね。身体全体を治療をしておきました。その代わり、見返りはもらいます。キシダインを見限って、イザベラ王女についてもらいます。おマアの影響力の限りを尽くして、ほかの自由流通連合の商家たちも、引き連れてください」
ロウが言った。
だが、ロウの言葉の半分も頭に入らない。
なんだ、これ……?
これが自分?
信じられない。
この若さがマアに……。
本当に?
どんな魔道でも、若さを取り戻すなど不可能だ。
変身具のようなものもあるが、これはそれとは違う。
本物の若さだ。
自分でもわかる。
なにかの誤魔化しや操り術のようなもので、幻想を作っているんじゃない。
紛れもなく本当に若返ったのだ。
「し、信じられない……」
マアは自分の顔に手を触れさせたまま、呆然と鏡の中を覗き込んだ。
「お前、こんなことして、大騒ぎになるんじゃないかい。まさか、お前にこんなことができるなんて知らなかったよ」
アネルザが声をあげた。
「そんなことはないだろう。アネルザだって、すでに肌は十歳は若返っているよ。顔だって少しずつ若返らせている。ゆっくりだから、気がつかなかっただけさ……。おマアだって、王家に伝わる若返りの妙薬でも贈ったということにしたらいいさ。その代償は、キシダイン派から、王女支持に乗り換えることだ。まあ、そんな感じで誤魔化してよ」
ロウが笑った。
「冗談じゃない。そんな妙薬があるものかい」
「一個だけあったということにすれば? それで、ほかの夫人方には、強請られないで済む。もうないって言えばいい」
「通用するかい。お前は、女というものをわかってないよ。もしも、若さが取り戻せるっていうんなら、全財産どころか魂だって売り渡す女はいくらでもいるよ」
「なら、どうしても誤魔化しが不可能な相手なら、俺が淫魔術をかけてもいいよ。それでイザベラ王女派は拡大して、キシダインに、さらに強固に対抗できるようになる」
ロウは言った。
「お前は……」
アネルザは呆れ顔だ。
一方で、マアはまだ、いまの状況が完全には理解できないでいる。
淫魔術というのが、なにを示すのか判然としないが、見た目の姿が三十年も若返ったというのが、本当に信じられない。
いや、見た目だけじゃないのだろう。
身体から元気が漲っている。
若返ったのだ。
まさに奇跡……。
鏡に映っているのは、仕事に明け暮れて、まともな恋もできないまま失ってしまったかつての自分だ。
二度と手に入らないはずのそれが、いまここに……。
「でも、ロウ様はやっぱり、お凄いですね……。こんなこともできるなんて……。とにかく、とりあえず、マア様には化粧をしていただきましょう。あまりにも劇的すぎて衝撃ですので、お化粧で見た目の歳をとっていただきましょう。それに、マア様は、あまり人にお会いにならない方ですし、それで騒ぎは最小限で収まるんじゃないかと……。数日待っていただければ、元の老女の姿に見える“欺騙リング”を調整して持ってまいります。それで問題ありませんよ」
すると、スクルズが呑気そうに笑った。
「問題ありありだよ……。まあ、だけど、それしかないか……。とにかく、マア、どうして若くなったかだなんて、口が裂けても誰にも言うんじゃないよ。さもないと、王都中の老女が、こいつに犯されるために、殺到するようになるからね」
「そりゃあ、困るなあ……」
アネルザの言葉に、初めてロウは困った表情になった。
マアはロウの前に跪いた。
「おお、ロウ、いや、ロウ殿……。う、嬉しい……。本当に嬉しい……。本当に奇跡だ。信じられないよ。なんてことだろう。なんでもするよ。ロウ殿の言った通りにする。魂でもなんでもあげる。だから、どうか、この奇跡を解かないでおくれ」
マアはロウの前に跪いたまま言った。
そると、ロウが頭を掻く。
「いや、逆に戻せと言われても困るんだけどね……。なにしろ、支配した女を治療することはできても、その逆はできないんだ。元に戻るには、もう三十年ほど待ってもらうしかないんです」
「とにかく、なんでも言うとおりにするよ……。ああ、イザベラ王女だね。もちろん、忠誠を誓う。誓うとも──。このマアはイザベラ王女を全力で支えさせてもらう。約束する」
「お願いします。とりあえず、王女に自由流通のことを教えてあげてください。世界のこととかも。とにかく、あの王女にあなたの持っている知識という知識を叩き込んでください。そういうことを彼女に教えてくれる教師が、これからは必要じゃないかとも思うんです」
「まあ、それは素晴らしいですね。さすがはロウ様です」
スクルズがロウに媚を売るように誉め称える。
「週に一度ほど、王女の家庭教師をするということでどうかな?……。たとえば、これはと思うような女史も集めて、経済や民政の勉強会をするとか……。そうすれば、同世代の味方も増える。将来の姫様を支えてくれる者も見つかるかも」
「なるほどねえ……。お前もよく考えてんだね……。まあ、集まるだろうさ。商業ギルドは目の敵にしてるけど、三公国で成功している自由流通を知りたい者は多い。それの勉強会が王女のサロンで開かれるなら、多分殺到するね。人選が大変だろうさ」
アネルザが肩を竦めた。
「もちろん、あたしでよければ、喜んで協力するよ……」
マアは言った。
心の底からの幸福感とともに……。
(第23話『熟女レイプの奇跡』終わり)