※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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 第26話  レイプ・レイプ・レイプ
152 女騎士~露出遊戯


「……戻りました、ロウ様……」

 

 エリカは扉の外から小さな声でささやいた。

 冒険者ギルドの本部内はひっそりしていた。

 だが、ここには泊まり込んでいる本部要員が結構いるはずだ。

 彼らのいる部屋から、このミランダの私室は離れてはいるものの、他の者に見咎められると面倒だ。

 なにしろ、一応は冒険者はもう出ていかなければならない刻限を遥かにすぎている。

 エリカは気配を殺すことに気をつけながら、慎重にロウに声をかけた。

 

 ただ、ミランダの私室からは、男女の営みのような物音はしない。

 部屋の中は静かだ。

 すぐに、室内からロウの声が戻ってきた。

 エリカは、一緒にいるシャングリアとコゼに振り向いて頷く。

 三人で中に入った。

 

「まあ……」

「うわあ……」

「あらあら」

 

 エリカの思わずあげた声に続いて、シャングリアとコゼのそれぞれの声がした。

 部屋の中は、いわば「惨状」だった。

 

 まず、びっくりしたのはミランダだ。

 ミランダは素裸のまま、だらしなく長椅子に股を開いて横たわっていた。

 いまは静かに寝息を立てているが、眠っているというよりは、根こそぎ体力を使い果たして、気絶しているという表現が正しいような感じだ。

 素裸の身体はまだまだ真っ赤に火照っていて、股間からは夥しい愛液がいまも流れ続けている。

 また、ここを立ち去るときに、ミランダを縛りつけていたテーブルの上には、当然ミランダはいないが、やはり卓上にはミランダのものと思われる体液が散らばっている。

 しかも、その床下には、体液というよりは、水でもこぼしたかのような染みが床にある。

 雑巾が数枚、その上に無造作に置いてあるが……。

 

「これ、おしっこか、ロウ?」

 

 シャングリアがそこにしゃがみ込んで、鼻を近づけてから顔をあげた。

 

「ミランダが失禁してな。俺もかけられてしまった。エリカ、魔道で乾かせるか?」

 

 ロウが笑いながら言った。

 そのロウについては、すでに服を整え終わって、壁際に置いている椅子に座っていた。

 ただし、確かに上衣の裾が少し濡れている。

 

「は、はい……。そのくらいの魔道であれば、いつでも……」

 

 エリカは懐から魔道の杖を取り出して、まずはロウに向ける。

 あっという間に湿っている上衣の裾の部分がきれいになる。

 次いで、雑巾を乗せている床に杖を向けた。

 床は板張りの上に薄い絨毯を敷き詰めているのだが、すでに大部分は染みてしまっているみたいだ。

 しかし、これもエリカの魔道で跡形もなくなる。

 そのあいだに、コゼとシャングリアは、テーブルの下に落ちている革紐、ミランダに被せた袋などを片付けていた。

 そのとき、コゼが声をあげた。

 

「ご主人様、これ無理矢理に切断した感じですけど、まさか、ミランダって、これを引き千切りました?」

 

 コゼはミランダの両手首を縛っていた革紐を手に持っている。

 確かに引き千切ったような感じだ。

 

「おう、そうだ。おかげで抱き潰されて死ぬかと思った。俺は二度とミランダを正常位では抱かないよ。あるいは、ちゃんと金属の枷をするかだ……」

 

 ロウが苦笑した。

 エリカは、だらしなく股を開いて長椅子に寝ているミランダに視線を向けた。

 本当に抱き潰したのだと思った。

 いったい、どれだけロウに昇天させられたのか……。

 普段、きっちりしているだけに、あんなにだらしなく横になっているミランダの姿に接して、さぞや暴力的な抱き方をしたのだろうと思った。

 

 それに、ミランダはもともとシーラ・ランクの冒険者だ。

 つまり、それは、長年に渡って厳しいクエストを請け負いながら、それでも、死なずに生き残ったという証でもある。

 それだけ、危険に敏感だということだ。

 それなのに、エリカかたちが三人やってきて、結構やかましく部屋の片づけをしているのに、眼を開く気配もない。

 

 可哀想に……。

 エリカは、とりあえず、裸身を毛布かなにかで覆ってあげることにした。

 奥の棚から掛け布を取り出してくる。

 

「あっ、待て、待て、エリカ。まだ、趣向があるんだ……。コゼ、頼んだものを持って来たか?」

 

 ロウがコゼに声をかけた。

 

「はい」

 

 コゼが肩にかけていた布の袋をロウに渡した。

 なにを頼まれたかは、エリカは知らない。

 ただ、ろくでもないという予感だけはある。

 ロウが袋の中を確かめて、満足そうに頷いてから、コゼに戻す。

 

「さて、じゃあ、ミランダが寝ているうちに、悪戯を仕掛けておいてやるか。きっと目を覚ましたら、七転八倒することは間違いないな」

 

 ロウが鬼畜な笑みを浮かべながら、ミランダに近づいた。

 手に何か持っている……。

 視線を向けると、ここにやって来る前にロウが準備していた、ドワフ女専用の媚薬の飴のようだ。

 それを手に持って捏ねていた。

 

 そして、ロウがミランダの裸身の横にしゃがんだときには、いつの間にかそれはロウの手の中で、大きな一個の球体から、ふたつの小さな赤い球に変わっていた。

 魔道のようだが、淫魔術だろう。得体はしれないが、ろくでもないものであるのは確かだろう。

 

「なにをするんですか……?」

 

 エリカはちょっと不安になり訊ねた。

 自分のことではないといえ、他人が責められると、エリカも息が苦しくなるような気持ちになる。

 いまがそうだ。

 

「なあに、ちょっとした悪戯だよ。傷心のミランダだからな。とことん責めて、もう強姦の記憶のことなんか考えられないようにしてやらないと……」

 

 ロウがそううそぶきながら、二個にした球体の一個をミランダの股間にぐっと押し込んだ。

 ミランダの股間に、赤い球体が吸い込まれる。

 だが、ミランダは目を覚まさない。

 

 うわあっ……。

 なにをロウが考えているかわかってきた……。

 あれは媚薬だろう。

 エリカは、ますますミランダが気の毒になってきた。

 

「ね、ねえ、ロウ様、もういい加減にミランダをからかうのはやめた方がいいんじゃないですか。それに、ミランダは、もう傷心なんかしてないと思いますけど……」

 

 一応は控えめに注意した。

 まあ、エリカの言うことなど聞くとは思えないが……。

 

「……いいんだよ。そもそも、ミランダは働き過ぎなんだよ。これで明日の朝に目が覚めたら、俺のところの屋敷にやって来るしかないということさ。明日はミランダは休み──。別にミランダが一日、二日いなくても、ギルドはちゃんと動くさ。ミランダには、明日の朝から夜のパーティまで、俺たちの屋敷で愉しく過ごしてもらう」

 

「愉しく……ですか」

 

 エリカはそれだけを呟くように口にした。

 誰にとって愉しいかは、推して知るべしだ。

 

 ロウは悪戯をやめる気配さえ示さず、一個目に続いて、残った球を口に一度含んで唾液で濡らすと、今度はミランダのお尻の穴にぐっと下から押し込んだようだ。

 それにしても、こんなことをされても、まだ目が覚めないというのは、一体全体、ロウは、どんなにむごくミランダを抱いたのだろう……。

 

「コゼ、袋の中のものを出してくれ」

 

 ロウが言った。

 袋の中からコゼが取り出したのは、やっぱり貞操帯だった。

 おそらく、媚薬を股間と菊座に埋めてから、ミランダの股間を封印してしまうだろうと思っていたが、案の定そうだった。

 

「ご主人様のご指示のとおり、外からの刺激は一切受け付けないものを選んできました。ミランダは悶え泣くと思いますよ」

 

 コゼがくすくすと笑った。

 まったく、この女は……。

 

「うわっ、さっきミランダに挿入したのは、媚薬の塊だろう? それを貞操帯で塞いでしまうのか、ロウ?」

 

 やっと、シャングリアもロウたちがやっていることに気がついたようだ。

 驚いて、目を丸くしている。

 

「なにか問題があるのか、シャングリア?」

 

 すると、ロウが鬼畜に笑った。

 

 

 *

 

 

「えっ、第三神殿には入れそうにない?」

 

 ギルド本部から四人で抜け出して外に出たところで、エリカは命じられていたことについて説明した。

 

 辺りはすっかりと夜になっていて、ギルド本部前の周辺には人通りはなかった。

 ただ、王都はあちこちに街灯かりもあるし、今夜は月が三個も出ているので、十分な明るさはある。 

 

 ロウがエリカたちに指示したのは、スクルズのいる第三神殿に潜入する算段を作れということだった。

 昨日くらいから、ロウはレイプごっこにはまっていて、こっそりと第三神殿に潜り込んで、スクルズを急に襲ってレイプしようとしていたのだ。

 いつもの移動ポッドで向かえばいいのだが、それだと向こうでも備えるから面白味に欠けるのだそうだ。

 そのあたりのこだわりはよくわからないが、まあ、エリカたちはロウの遊びに付き合うだけである。

 しかし、ただの遊びであっても、潜入そのものは遊びではなく、本当にやらなくてはならない。

 

 ギルド本部については、前から仕掛けをいくつもしてあったので、警備具を出し抜くのは、そんなに難しくなかったが、神殿については、この前のクライドのことがあってから、怖ろしく警戒が厳重になっている。

 しかも、第三神殿では、実際にクライドに潜入されて、神殿長と副神殿長をはじめとして、多数の死者を出してしまった。

 そして、なすすべなく、逃げられた。

 第三神殿の外敵に対する警戒は、それを境に、二重、三重にも強化されたようだ。

 

「残念ながら、直接入り込むのは無理なのだ。わかってくれ、ロウ……。その代わりに考えてきたのは、ベルズ殿だ」

 

「ベルズ殿?」

 

 シャングリアの言葉にロウが首を傾げた。

 エリカは、シャングリアから説明役を継いだ。

 

「つまり、ベルズ殿に話をつけているので、わたしたちが第二神殿に行けば、ベルズ殿が神殿に迎えてくれます。それは算段できました。だから、そこからベルズ殿に、転送術で送ってもらうんです。スクルズは、シャーラやベルズ様との転送術については、魔道の警戒もさせていないんです。お互いに行き来する必要もありますし……。ベルズ殿には、スクルズになにも知らせないように頼んだので、心置きなく……」

 

 だが、エリカの説明の途中で、ロウは明らかに失望したような表情になり、ついには、説明の途中で言葉を遮られてしまった。

 

「なに言ってんだ。ベルズ殿にだって、明日にはレイプを仕掛けるつもりだったんだ。スクルズにそんなことをやろうとしているのが知られたら、ベルズ殿には仕掛けられないじゃないか」

 

 ロウが怒鳴った。

 エリカはびっくりしてしまった。

 

「えっ、こんなくだらないこと、明日もやるつもりだったんですか? ミランダとスクルズだけじゃなく?」

 

 思わず声をあげた。

 

「くだらない……?」

 

 ロウがわざと怒ったようにした口調で睨んだ。

 エリカはしまったと思った。

 

「もちろん、くだらないなんて思ってませんよ。ご主人様らしい親しみの表現だと思います」

 

 コゼがすかさず、媚びを売るような物言いをする。

 この辺りの調子のよさが、ちょっと癇に障る

 

「なに言ってんだ、コゼ。エリカの言うとおりに、とてもくだらないだろう。レイプごっこだぞ」

 

 そのとき、空気を読むのが苦手なシャングリアが声をあげて笑った。

 すると、ロウは今度は怒ったふりじゃなく、明らかにむっとした表情になった。

 はっとして、シャングリアを肘で突ついたがもう遅かった。

 次いで、ロウが意味ありげににやりと笑った。

 エリカは背に冷たいものを感じた。

 

「よし、わかった。とりあえず、お前たちの手筈に従って、第二神殿にまずは行こう。だが、ベルズ殿に考えていた趣向は無駄になったということだからな。エリカとシャングリアには、その代わりを務めてもらうか。ただ、準備している魔道具が一個しかないから、(くじ)にしよう。右手と左手の好きな方をふたりで選べ。俺が拳の中で粘性の汁を出している方が当たりだ」

 

 ロウが左右の拳を出した。

 

「ええっ」

「そんなあ」

 

 エリカとシャングリアはふたりで同時に声をあげてしまった。

 横でコゼが嬉しそうに手を叩いている。

 なにか、悔しい……。

 

「もしも、当たりを選んだら、なにをすることになるのだ?」

 

 シャングリアが不安そうに言った。

 

「クグルスとサキに開発させた新しい魔道の首輪をしてもらうだけだ。雌犬そのものになる首輪をな。とにかく、早くしろ」

 

 ロウが言った。

 仕方がない……。

 エリカはシャングリアと目と目を合わせて、ふたりで嘆息すると、それぞれに右と左を選んだ。

 

 ロウが手を開く。

 左が当たりだ。

 シャングリアだ──。

 とりあえず、ほっとした。

 

「シャングリアが当たりだな。じゃあ、これを首にしろ。第二神殿までの経路には、ちょうど酔客が集まるようなにぎやかな場所があったな。そこを通っていくぞ」

 

 ロウがそう言って、自分で担いでいた袋から、首輪を出してシャングリアの首に近づける。

 確かに、魔道の首輪のようだ。

 そこに大きな魔力も感じる。

 だが、魔力以外の力も刻まれている……。

 おそらく、それはロウの施した淫気の力だと思う。

 そうであれば、ろくでもない淫具に決まっている。

 エリカたちの首には、少し前にロウがくれたチョークが嵌まっていたが、ロウがシャングリアに近づけた首輪は、その上にがちゃんと嵌まった。

 

「うわっ」

 

 シャングリアが声をあげた。

 次の瞬間、シャングリアが突然に崩れるように身体を前に倒した。

 

「な、なに?」

「うわあっ」

 

 驚愕した。

 四つん這いになったシャングリアは、真っ白い房毛の大きな白犬に変わっていた。

 ただし、いままでシャングリアの身に着けていた服を着ている。

 これがシャングリアであることは間違いないと思うが、なぜか、シャングリアの姿が突如として、犬に変わったのだ。

 

「動くな──。口を開くな、シロ──」

 

 ロウが叫んだ。

 なにかを叫びかけたその白犬の口が、その瞬間につぐんでしまった。

 

「……お前たち、その白犬から、人間の服を剥がせ。切り刻んで構わん。服を着ている犬なんて、おかしいしな」

 

 ロウがくすくすと笑いながら言った。

 白犬が慌てたように激しく首を左右に振っている。

 だが、さっきの命令で口は開かないようだ。

 

「……すぐに口はきけるようにしてやるさ、シロ……。さあ、お前たち、言われたことをすぐにやるんだ。それとも、交代するか?」

 

 ロウが言った。

 よくわからないが、この犬がシャングリアであることは間違いないだろう。

 なんで、犬に変わってしまったのかわからないが、そういう魔道具なのだと思う。

 とにかく、エリカは、コゼとともに、その犬から服を剥ぐために小刀を左右から衣類に伸ばす。

 動くなという命令で、シャングリアの変身した犬の手脚は、まるで彫刻にでもなったかのように動かなかったのだ。

 着ている服を取り去るには、切り剥ぐしかなかった。

 服が剥がれて、犬の白い体毛だけになった。

 

「……さあ、さっきの命令を解除してやる、シロ。ただし、人間の言葉を喋ると、周りに犬の姿にしか見えなくなっている魔道が解けて、周りの者にも、お前の姿が人間に見えてしまうからな。不用意に口をきくんじゃないぞ。言っておくけど、呻き声ひとつでも呪いは解ける。それがいやなら、絶対に喋るな」

 

 ロウが鬼畜に笑いながら言った。

 すると、白犬の硬直が解けた感じになった。

 だが、ひどく怯えているようだ。

 

「ね、ねえ、ご主人様、シャングリアはどうしたんですか? これは人間を犬に変える魔道具なんですか?」

 

 コゼが訊いた。

 

「ほとんど当たりだが、ちょっとだけ違う」

 

 ロウがシャングリアが変身した白犬の首輪に紐を繋げながら言った。

 

「どう、違うんですか?」

 

 エリカも訊ねた。

 

「それは人を犬にする魔道具じゃない。周りの者がその首輪をされた者が犬に見えてしまう魔道具だ。ついでに、この首輪をしている限り、四つん這いを崩せないし、犬として与えられた命令にも逆らえない。まあ、俺とクグルスとサキの合作の“呪いの雌犬の首輪”とでも呼べるものかな。その犬の胸のところに触ってみな……。シロ、さっきも言ったが、声を出すなよ。その姿で人間に戻りたければ別だがな……。エリカ、コゼ、とにかくシャングリアに触ってみろ」

 

 ロウが言った。

 言われたとおりに、コゼとともに白犬の両側に手を伸ばす。

 

「わっ」

「えっ?」

 

 

 ほどんど同時にコゼとともに声をあげた。

 犬の胸の部分に触る前に、明らかに人の女の乳房が手に当たったのだ。

 そして、その瞬間に、白犬の姿は消滅して、素裸で四つん這いになっているシャングリアになった。

 

「シャ、シャングリア──?」

「こ、これは……?」

 

 またもや声をあげてしまった。

 

「もう、犬の姿には見えなくなっただろう? これが本当の光景なんだ。ただ、魔道の力で犬にしか周りからは見えないだけなんだ。じゃあ、シャングリア、行こうか……。声を出さなければ、裸の女が四つん這いで歩いているようには見えず、ただ、大きな犬が歩いているようにしか見えない──。さあ、行くぞ。前だ──」

 

 ロウがシャングリアの首につけた紐をぐいと引っ張った。

 口を必死につぐんでいるシャングリアが、真っ蒼な顔をしたまま手足を前に進め始めた。

 そして、すぐに賑やかな場所になった。

 

 ここは王都でも夜に人が多くなる庶民の盛り場のような場所であり、両脇に酒場や屋台などが連なり、かなりの人手がある。

 また、夜道ではあるものの、店から洩れる灯かりもあるし、通り自体にも、ところどころに屋外用の街路灯も置いてあるので、かなり明るい。

 エリカは落ち着かない気持ちを抑えられなかった。

 

 ロウとコゼに挟まれるようにして、首輪をつけられて四つん這いで歩くシャングリアは、どう見てもエリカにすれば、素っ裸の人間の女だ。

 しかも、シャングリアは、その美貌と負けん気の強さで、王都でもかなりの有名人だ。

 そのシャングリアが犬のように裸体に首輪をつけられて、四つん這いで歩いているのだ。

 本来であれば、大騒ぎになるはずなのだが、少しも騒ぎにならない。

 

 やっぱり、他人の眼からは、あれは大きな白犬に見えるらしい。

 道行く人からは、「大きな犬」と驚く声はちらほらあるが、そんなに注目する者はいない。

 とりあえず、エリカはほっとはしている。

 

 だが、あのロウのことだ。

 これで終わるとも思えなかった。

 とにかく、一言でも発すれば、この状態のまま、自分の姿が露わになると言われているシャングリアは真っ蒼だ。

 明らかに恐怖に包まれている顔で、ぎこちなく四つん這いで進んでいく。

 

「コゼ、あそこの樹から、指し棒になるような適当な枝を拾ってきてくれ」

 

 ロウが立ち止まった。

 紐を握っているロウが止まれば、シャングリアも動けなくなるというのが、あの首輪の効果でもあるようだ。

 いまは、ロウが歩みをやめたことで、通りの真ん中付近で止まったかたちになっている。

 

 コゼが愉しそうに駆けていく。

 嫌な予感がした。

 なにかの悪戯を始めそうな気配だ。

 ふと見ると、シャングリアは、ロウになにかを訴えるように、必死の視線を向けている。

 

「そんなに嫌そうな顔をするなよ、シロ。顔はいやがっても、股は満更でもなさそうだぞ」

 

 ロウが意地の悪い口調でシャングリアに言った。

 どきりとした。

 エリカはシャングリアの背後に立っていたのだが、ロウが言うとおりに、シャングリアの股間からは、かなりの量の愛液が内腿を滴り落ちている。

 

 シャングリアは、シャングリアでこの露出遊戯を興奮してもいるのだ。

 それがわかった。

 そう思うと、はっとした。

 

 そういえば、エリカ自身も股間が熱い。

 下着に包まれている部分がぬるぬるとする気もする。

 もしかして、エリカ自身もまた、恥ずかしいことをして責められるシャングリアを見て、欲情している?

 

 まさか……。

 でも……。

 

 そのとき、ロウがにやにやしてエリカを見ていることに気がづいた。

 慌てて、視線を逸らせる。

 あのロウは、エリカのすべてを見透かしているような表情をいつもする。

 そして、すぐに鬼畜でいやらしい悪戯を仕掛けるのだ。

 

 あの視線は……。 

 どぎまぎする……。

 

「持ってきました、ご主人様」

 

 そのとき、コゼが戻って来た。

 ロウが意識をエリカからシャングリアにもどしたのがわかった。

 エリカはほっとした。

 

 腕の長さよりも少し短いくらいであり、よくしなりそうな細い枝だ。

 

「ふふふ、なにするんです。シャング……、じゃなかったシロのお尻でも打つんですか。鞭になりそうなものを選んできましたよ。シロは悲鳴をあげれませんからね。鞭の打ちがいがありますよ」

 

 このコゼめ……。

 エリカはここで聞いていて鼻白んだ。

 シャングリアは、一生懸命に首を横に振っている。

 だが、コゼは素知らぬ顔で、媚びを売るような笑みをロウに向けていた。

 あの顔はすっかりと調子に乗っている顔だ。

 エリカは嘆息した。

 

 初めて会ったときには、なにかに追い詰められたような暗い顔ばかりしていたのに、最近では、まるで人が違ったように明るくなり、悪戯っ子の陽気そうな表情しかしない。

 そして、いつもロウにうまく取り入って、エリカやシャングリアに意地の悪い責めをしてくる。

 とにかく、けらけらとよく笑う。

 まあ、それはいいことなのではあるのだろうが……。

 だが、コゼが笑うたびに、エリカかシャングリアがひどい目に遭っている気もする……。

 

「そんなことはせんよ。仮にも立派な女騎士の称号を持つ貴族様だぞ。鞭打つなんて失礼だろう」

 

 ロウが亜空間術で取り出したのは、柔らかそうな鳥の羽根だった。それをロウの手から出した粘性物で棒の先につけてコゼに渡した。

 同じものをもうひとつ作る。

 

「……シャングリアの首にかかっている首輪は、シャングリアを犬の姿に見せているだけじゃなく、その身体に淫靡な悪戯をしても、周りからはわからんのだ。もちろん、シャングリアが声を出すまでのことだがな。だから、遠慮なくやれ、コゼ……」

 

 ロウがささやいている。

 

「そういうことですか。じゃあ」

 

 コゼが棒の先の羽根をシャングリアの尻たぶにさわさわとくすぐらせた。

 

「んっ」

 

 シャングリアの身体が飛び跳ねたように震えた。

 一瞬、声が出たかと思ったが、辛うじて鼻息だったようだ。

 

「よかったな、シロ。周りで騒ぎ始めてないから、まだ、犬のままのようだぞ。頑張って耐えるんだぞ。しっかりと、犬のままで第二神殿まで辿り着ければ、ご褒美をやろう」

 

 ロウがそう言って、今度は胸の下から乳首の上を羽根の先でくすぐる。

 シャングリアが悶える。

 しかし、両手を地面につけているシャングリアには、それをどうすることもできない。

 ロウの羽根を避けようと、身体を必死に捩るシャングリアに、コゼがまた背後から羽根を這わせる。

 

 後ろから股間をコゼ──。

 前から胸をロウ──。

 

 一言も発することのできない無防備な状態で、肌をくすぐられるシャングリアは堪らないだろう。

 シャングリアは必死で脚をすぼめ、地面についている腕で乳房を守るような仕草をしているが、ロウとコゼの責めの前ではあまり役には立っていない。

 

 それにしても、犬とはいえ、股間に羽根でくすぐるようなことをすれば、周りで奇異に思うはずだが、ロウの言葉のとおり、ロウとコゼの行為も、周りからは、ほかの事として見えるかなにかで、わからないようだ。

 どういう仕掛けなのかさっぱりとわからないが……。

 

「ほらほら、シロ、早く声を出して。みんなにシロの恥ずかしい姿を見せてあげましょうね」

 

 コゼが羽根をすっと脇の下に移動した。

 堪らず、シャングリアが身体を斜めに捻る。

 しかし、ロウが首輪に繋がる紐を持っている限り、シャングリアは地面から手足を動かせないようだ。シャングリアのできる抵抗は身体を斜めにするくらいだ。

 コゼは容赦なく、その抵抗する手段のないシャングリアの両脇を代わる代わるくすぐっている。

 

「ほら、もっと逃げないと、声が出るぞ」

 

 ロウも笑いながら、コゼとは反対の脇をくすぐりだした。

 両側から脇を狙われているシャングリアは、もう息も絶え絶えだ。

 それでも、必死に口だけはつぐんでいる。

 そして、ロウが今度は身体の下側から股間に羽根を伸ばす。

 

「んっ……んっ……んんっ」

 

 シャングリアは右に左にと身体を動かしながら、一生懸命に歯を食い縛っている。

 エリカはいつ騒動になるのかと、気が気でなかったが、相変わらず「大きな犬だ」とちらりと視線を向ける酔客はいても、それ以上のこともない。

 

 それをいいことに、ふたりはかなりの時間、シャングリアを道の真ん中でいたぶり続けた。

 いつの間にか、シャングリアの全身からは、おびただしい脂汗が流れ落ちていて、身体は真っ赤になっている。

 

「ロ、ロウ様……そ、そろそろ……」

 

 さすがにエリカは声をかけた。

 ここで邪魔をすると、すぐにとばっちりがエリカに来ることが多いが、これ以上は可哀想だ。

 

「そうだな。つい、シロが可愛らしく頑張るんで夢中になってしまったよ。これじゃあ、いつまで経っても、第三神殿どころか、第二神殿にもたどり着けない」

 

 意外にもあっさりと、ロウは羽根を引いた。

 ロウがやめると同時に、コゼもくすぐりをやめる。

 

「じゃあ、シロ、この場で小便をしろ。片脚をあげてな。それをすれば、前に進ませてやる。いつまでも、ここでくすぐり責めを受けたければ別だがな」

 ロウが小さな声で言った。

 

 びっくりした。

 ここで──?

 道の真ん中だ。

 しかも、これだけの通行人がいる中で?

 さすがにそれは酷い……。

 エリカはどうしていいかわからなかった。

 

「ご主人様、シロはもっとくすぐり責めを受けたそうですよ」

 

 震えたようになって動かないシャングリアに、コゼが意地悪く言った。

 

「そうだな。じゃあ、今度は感度十倍でくすぐりを受けてもらうか……。絶対に我慢できないと思うがな……」

 

 ロウがそう言うと、シャングリアは慌てたように、首を横に振る。

 そして、片脚をあげた。

 

「あっ」

 

 エリカは思わず声をあげてしまい、すぐに口をつぐんだ。

 シャングリアの股間から、しゅっと音が出るように噴流が起こったのだ。

 おしっこがシャングリアの股の下に水たまりを作っていく。

 

「もっと脚をあげなさいよ。ご主人様によく見えるようにね」

 

 コゼがシャングリアのお尻の亀裂に羽根を這わせた。

 

「んっ」

 

 シャングリアが大きな鼻息をして、身体を揺らした。

 流れ落ちている尿もそれに応じて動く。

 

「や、やめなさい、コゼ」

 

 エリカは怒鳴った。

 コゼが笑って羽根を引いた。

 尿が終わった。

 すると、ロウがシャングリアの首輪から紐を外した。

 

「じゃあ、ここから先は、自分の速度で歩かせてやる。これで手足が動くようになったろう? もっとも、動けるのは四つん這いのままだがな」

 

 ロウが言った。

 シャングリアは歩き始めた。

 しかし、止まっているときにはしっかりと閉じることのできた股間も、歩くとどうしても股が開いてしまう。

 そこにロウとコゼが同時に羽根を差し入れた。

 

「んふっ」

 

 シャングリアががくりと身体を倒しそうになった。

 おそらく、声が出そうになったのだろう。

 ここまで聞こえるような大きな鼻息だったが、どうやら鼻息は声が出たとはみなされないらしい。

 

「どうした。進まないのか?」

 

 羽根を入れられるのがいやで、脚を閉じているシャングリアに意地悪くロウが言った。

 シャングリアが歩き始める。

 だが、すぐにふたりが股間に羽根を伸ばす。

 そして、シャングリアが止まる。

 それが、二、三回続いた。

 

「ロ、ロウ様、これじゃあ、あんまりです。そんなんで歩けるわけがありません」

 

 エリカは訴えた。

 すると、ロウがにやりと笑った。

 どきりとした。

 もしかしたら、エリカも辱められるかと思った……。

 

「それもそうだな」

 

 だが、ロウはすぐにエリカからシャングリアに視線を戻した。

 どうやら、今回はシャングリアだけを責めることに決めているようだ。

 そして、再びなにかを亜空間術で取り出した。

 出したのは「ろーたー」という淫具だ。

 ロウがクグルスにいくつも作らせているものであり、ぶるぶると淫らな振動をするウズラの卵のようなかたちをする淫具だ。

 それを手に持ち、ロウが手から出した粘性物で包む。

 そのまま、シャングリアのお尻に突っ込んだ。

 

「んぐっ……んんんっ」

 

 シャングリアが背中をのけぞらせた。

 エリカは、シャングリアのお尻の穴が振動しはじめるのがわかった。

 シャングリアは汗びっしょりの顔を懸命に左右に振って、声を耐えている。

 

 それにしても、よくここまで我慢できるものだ……。

 エリカも、それだけは感心する。

 おそらく、エリカにはもたない。 

 

「止まれば振動するぞ。動かしたくなければ、進むことだ」

 

 ロウが言った。

 シャングリアが慌てたように歩き始めた。

 だが、歩き始めれば、ふたりが股間に申し合わせたように羽根を伸ばして動かす。

 しかし、今度は歩くのをやめることは許されない。

 その瞬間に、お尻の淫具が振動するのだ。

 シャングリアは懸命に歩き続けた。

 

 やがて、やっとのこと、人の多いところを抜ける。

 周りに人がいなくなったところで、ロウがシャングリアを路地に連れ込んで首輪を外した。

 

「頑張ったな、シャングリア。もう口を開いていいぞ。これで終わりにしてやる」

 

 ロウが上着を脱いで、シャングリアの裸身にかけた。

 

「ああ、ロ、ロウ……。こ、怖かった……。と、とっても怖かった……。で、でも、頑張った……。わたしは頑張ったぞ」

 

 シャングリアが膝を地面につけたまま、ロウにしがみついて泣き始めた。

 感極まったという雰囲気だ。

 

「頑張ったな、それでこそ、俺のマゾ女だ……」

 

 ロウが、まだ跪いたままのシャングリアと同じ高さにしゃがんで、優しく抱き締めて、頭を撫でている。

 

「う、うう……。ほ、本当に怖かったのだ。すごくだぞ」

 

「よしよし、本当に偉いぞ、シャングリア。だから、ご褒美をやる……。お前たち、ちょっとそこで人が来ないかどうか、見ていてくれ」

 

 ロウが言った。

 びっくりした。

 ここは人気がなくなったとはいえ、盛り場から続く大通りのすぐ脇の路地だ。

 

 ここで?

 ……と思ったが、ロウはシャングリアを建物に両手をつかせて、ズボンと下着を足首までおろすと、後ろから犯し始めた。

 エリカは慌てた。

 

「コゼは向こう側──。わたしはこっちで見てるから」

 

 エリカは素早く言った。

 コゼがさっと駆けて、反対側の路地の入口に向かう。

 

「んっ、ふうっ、んんっ」

 

 すぐに、シャングリアの悶え声が聞こえてきた。

 ふと見ると、ロウはシャングリアの口を片手で押さえて声が出ないようにしながら、片手で腰を支えて、シャングリアのお尻に腰をぶつけるようにして、律動を続けている。

 エルフ族のエリカの眼には、月明かりだけで、開いているシャングリアの股間から夥しい樹液が内腿に伝っているのが映った。

 しかも、シャングリアはかなりの興奮状態だ。

 もしかしたら、素っ裸で盛り場を犬のように歩かされたのが、シャングリアの欲情に火をつけたようになったのかもしれない。

 

 そのとき、大通りの先から黒いフード付きのマントで身を包んだ人物がこっちにやって来るのが見えた。

 

「ロ、ロウ様、人です。人が来ます……」

 

 エリカはささやいた。

 

「い、いま、やめられん。追っ払え」

 

 ロウが言った。

 そんなことを言われても……。

 

 ……と思ったが、シャングリアは聞こえないのか、まったく気にする気配もなく、ロウが押さえている口の下から悲鳴のような声をあげて、腰を揺らしている。

 

 どうやって追い払おうかと考えていると、だんだんとその人影が近づいてくる。

 同時に、エリカはほっとした。

 やって来るのは、ベルズだった。

 ひとりでこっちにやって来る。

 

「ベ、ベルズ殿です……。多分、迎えに来てくれたのかもしれません……」

 

 エリカは言った。

 ロウがわかったという仕草をした。

 すると、不意にシャングリアの裸身が硬直した。

 そして、なにかに撃ち抜かれたかのように、ぶるぶると小刻みな痙攣をした。

 

 達したようだ。

 一方で、ベルズはすぐ近くまでやって来ている。

 エリカは、ベルズに手を振った。

 

「……遅いからな。ちょっと出迎えに来た。なにしろ、いまは、神殿も夜の警備は厳しいので、わたしがいなければ入れないと思って……。うわっ、なにをしているのだ?」

 

 ベルズがエリカに話しかけたが、路地の光景を見て驚きの声をあげた。

 ロウに犯され終わったシャングリアがちょうど怒張を抜かれて、その場にぐったりと跪いたところだったのだ。ロウはまだ下半身が剥き出しの状態だ。

 

「ベルズ殿、迎えに来てくれたのですか? ちょうどよかった。杖を渡してください。後で返しますから……」

 

 ロウがまだ下半身を剥き出しのままベルズを手で招き呼んだ。

 ベルズは、ちょっとぎょっとした表情になったが、それでも、大人しくロウのところに行き、首を傾げながらマントの下から杖を出す。

 

「なんだ、ロウ殿? なにか企んでいるのか?」

 

 ベルズは怪しむよう口調だったが、安心しきっている気配でもある。

 その顔は笑っているようだ。

 エリカは、思わず忠告しようと思ったがやめた。

 どうせ、結果は同じだ。

 ロウが杖を受け取り、自分の荷にしまう。

 

「次は、立ったまま両手で足首を握ってください。理由は後で説明しますから」

 

 ロウが言った。

 ベルズは訝しむ雰囲気ながらも、素直に言われたとおりにしている。

 このところ、平服は短いスカートが多いベルズだったが、いまは巫女長服にマントを着ているので、スカートはくるぶしまである。

 そのベルズの身体が完全に前屈の状態になった。

 

「あっ、なに?」

 

 ベルズの悲鳴がした。

 

 やっぱり……。

 

 ベルズは、ロウの能力とそんなに接することがなかったのか、どんなことができるのかを全部は承知していなかったかもしれない。

 ベルズの手はロウの能力で浮き出させた「特殊な糊」によって、握った足首から取れなくなったはずだ。

 

「うわっ、なんだ?」

 

「用件はですね……。ここで、ベルズ殿をレイプしようと思いましてね……。あっ、魔道で逃げようとしても無駄ですよ。たったいま、一時的に魔道を封じました。俺が封印を解くまで魔道は遣えません。さて、エリカ、コゼ、じゃあ、悪いがもう少し、引き続き見張ってくれ」

 

 ロウがベルズからマントを外して地面に落とし、引き続いて腰紐をほどいて、巫女服のスカート部分を脱がせ始めている。

 

「ちょ、ちょっと、こんなところで……」

 

 ベルズは慌てている。

 だが、これはあまり同情の余地がない。

 まさか、ここで犯されるとは思っていなかった気配だが、たったいままで、シャングリアをロウがここで犯していた光景を見たはずだ。

 それでも、警戒しなかったベルズが悪いのだ。

 エリカは嘆息して、もう一度、路地の入口を警戒する態勢に戻った。

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