【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
宮廷内への侵入に成功した。
一郎とエリカを移動術で連れてきてくれたスクルズが、すかさず、なにかの魔道をかけた。
すると、かすかだが、透明の膜のようなものが三人の周りを取り囲んだのがわかった。
「……これで、周りの者には、わたしたちの姿は見えません。大声を出さない限り、わたしたちがここにいるのは誰にもわからないはずです」
横に立っているスクルズがにっこりと微笑んだ。
「本当に?」
エリカは半信半疑だ。
いま、一郎たちが立っているのは、宮廷内にある小離宮というイザベラ王女の邸のすぐ近くであり、目の前には庭園があって、その庭園では、まだ薄暗いくらいの早朝というのに十人ほどの庭師が忙しく働いている。しかし、彼らに一郎たちへの反応がないので、そうなのだろう。
また、エリカがここにいるのは、一郎の護衛のためだ。
スクルズがいるのだから、護衛など不要と思うのだが、一郎の護衛責任を自負しているエリカは強引についてきたというわけだ。
「へえ……。便利な魔道もあるんだな。本当に、これで俺たちの姿は隠れているのか、スクルズ?」
一郎は小声で言った。
「はい、まったく見えません。こういう高等の魔道を駆使できるようになったのも、ロウ様のおかげですね」
スクルズが頭をさげた。
一郎の淫魔術に支配されると、何らか著しいの能力向上が引き起こるというのは、すでに女たちは知っている。
すなわち「淫魔師の恩恵」だ。
だが、スクルズの魔道遣いとしてのレベル向上は、その中でも別格に飛躍的だ。
おそらく、もともと魔道遣いとして魔力が高いことと、三人娘以外では、一郎と一番関係する数が多いというのが関係していると思うが、どうして淫魔師と魔術遣いの相性がいいのかは知らない。
スクルズがこっそりと教えてくれたことによれば、神殿界においては、好色であるほど魔道力が高くなるというのは、理由はともかく、事実として知られていて、神殿における上位魔道遣いの修行にはかなり淫らなものもあるとのことだ。
そして、スクルズは間違いなく好色だ。
もしかしたら、それが大いに関係しているのかもしれない。
「もしかして、声も遮断している?」
「この程度でしたら……。でも、大声だと不審がられますわ」
スクルズがくすくすと笑った。
「ますます、面白い」
とにかく、自分たちの姿を透明にする魔道膜には驚いた。
少し離れたところで、庭師たちが働いているが、やっぱり誰ひとりとして、こっちに注意を払う者はない。本当に向こうからは、こっちは見えないのだろう。
だが、こっちからは、まったくなにかの光景が変化しているという感じはない。
これは愉快だ……。
いずれにしても、こんなに朝早くから、スクルズを連れて宮廷内に侵入したのは、小離宮にいるイザベラ王女とシャーラをレイプするためだ。
単にイザベラのところに行くなら、すでに設置してある「ほっとらいん」とも呼んでいる移動ポッドを使えばいいので、こんなルートは使わない。
だが、今朝はレイプごっこなので、わざわざ別の手段でスクルズに連れてきてもらったというわけだ。
また、今日、一郎の幽霊屋敷で仲間内の宴をすることを伝えるためでもある。
このふたりも強制参加だ。
ただし、目の前のスクルズは、この襲撃が終われば、今日は終わりであり、今日の宴には参加しない。
近く催される第三神殿主催の慰霊祭を仕切っているスクルズは、とても忙しいのだ。
だから、無理はさせないことにした。
しかし、スクルズは人がいいので、こうやって一郎が頼めば、小離宮潜入という馬鹿馬鹿しいような遊びにも付き合ってくれる。
だが、一郎はある疑念が沸いた。
「……でもそういえば、この宮廷内では、王族以外と認められた者以外の魔道は無効になる結界が張り巡らされているのではなかったか?」
一郎の質問に、スクルズがにっこりと笑った。
「わたしは、その認められた者の中に含まれております。絶対に王族に危害を加えないものと信頼をされているのです。そもそも、この王宮の結界についても、わたしの魔道がかなり関わっております」
「じゃあ、こんなことをしては問題あるんじゃないの、スクルズ?」
「まあ、エリカさん、お堅いことを言わないでください。もちろん、ばれれば大問題ですわ。宮廷の信頼を裏切る行為にもなりますし……。でも、ばれなければ、なんの問題もありません」
スクルズの言葉にエリカは唖然としている。
一方で一郎は思わず吹き出しそうになった。
とにかく、宮廷の結界に、王宮魔道士のほかにスクルズも関わっているのであれば、それを無効できるのは当然だろう。
逆にいえば、それだけ神殿側はもとより、スクルズ自身が宮廷に信頼をされているということに違いない。
だが、こうやって、一郎の命令で、一郎という侵入者の襲撃に加担してくれている。
おかげで、一郎も宮廷内に簡単に潜入して、イザベラたちに悪戯をすることが可能だというわけだ。
でも、よく考えれば、イザベラだけでなく、アネルザのところにも繋いでいる「移動ポッド」にしても、勝手に設置するのはご法度だから、ばれないようにしてくれと言っていたっけ……。
なんだかんだで、一郎が頼めばなんでもしてくれるスクルズは愉しい。
「……でも、悪い巫女殿ですね。なにしろ、そういう王宮や神殿の信頼を裏切って、自ら襲撃者になるのだから」
一郎はからかった。
「はい。だから、ちょっとわくわくします。まるで、子供の頃に戻って、いけない悪戯をしているような気分です」
スクルズが笑った。
一郎もこれには苦笑するしかない。
なんだか、この筆頭巫女にはかなわないなという気分になる。
いつも大らかで、微笑みを絶やさずに、一郎のどんな命令にも余裕のある仕草で応じてくれる。
一郎は、このスクルズの焦ったところを見たい気がした。
「……だが、その巫女服では万が一でも姿を見られたとき、身元がばれやすくて支障があるな。いっそのこと、脱いでしまおう。だったら、間違って透明膜の外に出て姿を見られても、素性は簡単にはわからない」
一郎はスクルズの巫女服に手を伸ばして、腰帯を解き始めた。
やっとスクルズが焦ったような仕草になる。
「ちょ、ちょっと、ロウ様……」
エリカもびっくりして声をかけてきた。
「でかい声を出すなよ、エリカ。声がもれるだろう。万が一見られたときの用心だ。仕方ないのさ」
「でも、ロ、ロウ様……。そんな配慮は不要です。この膜はわたしたちが離れても、ずっとそれぞれの周りをついて回って、わたしたちの姿を隠してしまいますから。姿を見られることはないのです」
スクルズだ。
「だったら、なおも好都合だ。裸になっても、誰にも見えないということだ」
一郎は強引に帯を解き、スクルズの巫女服を脱がせる。
さすがに、この場所で巫女服を脱がされるのは、スクルズも抵抗があるようだ。なにしろ、こっちからの視界にははっきりと庭で働く庭師の姿が見えている。
向こうからは姿が見えないとわかっていても、当然羞恥が働くだろう。
だが、この巫女の面白いのは、一郎がなにをしても結局は逆らわないことだ。
脱がされたことで露わになった部分に手を置いて隠そうとはするが、一郎が脱がせること自体は抵抗しない。
その横で一郎の悪戯を目の当たりにしているエリカは、困ったようにしている。
「あ、あら……あら……。そ、そんな……」
あっという間に下着だけの姿になった。
一郎は脱がせた巫女服を亜空間に隠してしまった。
「こ、こんなの恥ずかしいです……」
スクルズが両手で下着姿の身体を隠すようにしながら、顔を真っ赤にした。
スクルズに許したのは、上は腰の括れから上に羽織っている薄い肌着と腰の下着だけだ。さすがは筆頭巫女であり肌着も上等だ。
この世界では、肌着は薄ければ薄いほど高級品とされるらしいが、スクルズの下着は半透明の薄い生地であり、スクルズの桃色の乳首と薄い股間の陰毛が透けている。
スクルズは顔を真っ赤にして、それを手で隠している。
「でも、可愛いぞ。じゃあ、次はエリカだ。わかってるだろう。ほら、剣だけ持ってろ」
もちろん、スクルズを下着姿にして、エリカを許さないわけがない。
腰に吊っている細剣を鞘ごと外して手に持たせると、エリカの服も脱がせにかかった。
「そ、そんな、ロウ様……。わ、わたしは護衛で……」
「裸でも護衛はできるさ。俺の一番奴隷なんだ」
一郎は嫌がるエリカから強引に服を剥ぎとっていく。もっとも、エリカも本気の抵抗じゃない。さもないと、一郎など瞬殺される。
結局、エリカもあっという間に、小さな腰の下着と乳房を包む布だけの姿になる。
身につけていた服はスクルズ同様に一郎の亜空間の中だ。
「こ、これは流石に恥ずかしいですね、エリカさん。でも、今日のロウ様はとてもお鬼畜ですから、仕方ないですね」
スクルズは手で下着を隠すようにして、真っ赤になっている。
「う、うう……。今日は奴隷ごっこの日みたいだから……。でも、本当に大丈夫よね、スクルズ」
エリカも露出している肌を隠しながら言った。
「ほら、行こう」
一郎はスクルズとエリカの手を握って、小離宮の壁に向かって歩き始めた。
そのまま、庭師たちが働いている場所を通り抜ける。
本当にこっちは見えないのだろう。
一郎たちが、すぐ横を通っても、まったく気がついた様子はない。
ただ、スクルズもエリカも握っている一郎の手にぎゅっと力を入れている。
さすがに、この恰好で他人の横を通り過ぎるのは緊張しているようだ。
そして、小離宮の垣根になっている
幾つかある入り口には、ミランダの手配した警護の冒険者がいるが、とりあえず、こっちの壁近くには誰もいない。
「ふう……」
「はあ……」
スクルズとエリカが揃って安堵の溜息をついた。
一郎はちらりとふたりの股間を見た。
ふたりとも緊張のせいか、すでに内腿に汗をかいているが、下着を濡らしているのは汗だけではないようだ。
ただ、ふたりとも空いている手を股の前に置いているのでよく見えない。
「手を後ろに回してくれ、巫女殿、そして、エリカ。ちょっと、ふたりの股を見たいんだ」
一郎は小声で言った。
「そ、そんな……」
「な、なんで」
すると、スクルズもエリカも顔を真っ赤にして絶句した。
しかし、ふたりとも、最終的には一郎には逆らわない。
だが、さらに一郎が強要すると、諦めたように、揃って両手を背中で握る。
やっぱりだ……。
スクルズもエリカも、股間を蜜でびっしょりと濡れている。
恥ずかしさがふたりの淫情を刺激してしまったようだ。
垣間見れるステータスでも、ふたりが大きな性的興奮をしていることを示している。
「これはなんだ? エリカ、股の亀裂もピアスも浮き出てるぞ。それに、スクルズ、大勢の信者を持つ王都の神殿界でも有名な第三神殿のスクルズ様ともあろうものが、ちょっとはしたないことをしたくらいで、股間をこんなに濡らしてはいけないな」
一郎は下着に包まれた股の付け根の小さな膨らみをちょんちょんと手で押した。
「んっ」
「はあっ」
スクルズとエリカが背中で手を握ったまま、膝をがくりと折った。だが、慌てて口をつぐむ。
大声を出してはならないことを思い出したのだろう。
結構近いところに、警護役の冒険者たちがいる。
「お仕置きだね……。ただ、まずは姫様とシャーラから手をつけるか」
一郎は亜空間から、毬ほどの大きさの草を丸めた球体を取り出した。
それを手を離していいと許可したスクルズに渡した。
「ロウ様、なんですか、これは?」
スクルズがきょとんとしている。
「いいから、姫様の部屋にこれを転送してくれ。気づかれないようにね」
一郎は言った。
いま一郎とスクルズがいるのは、ちょうどイザベラの寝室の裏側に当たる場所だ。
王女と侍女長という関係だが、警護のためにふたりが同じ部屋で休むようになったということを一郎は聞いていた。
このところ、キシダインの罠のようなものが頻繁にイザベラを襲うので、ひと時も警護の手を緩めることができなくなったからだ。
逆に、ふたり以外には一緒には寝ない。シャーラには結界を部屋に刻んで、侍女といえども、油断するなと警告していた。先日のイエンという殺された侍女ではないが、キシダインはイザベラの侍女に手を回して、罠を仕掛けることができるのだ。
念のために、壁越しにステータスを確認する。
部屋はイザベラとシャーラだけだ。まだ、確かに寝ている。
スクルズが両手に持っている草の球に魔力を込め始める。
一郎はすかさず、淫魔力を注いで草を活性化させた。
しゅうしゅうと球体全体が煙を発し始める。
すぐに球体は消えた。
スクルズが部屋に送ったのだ。
一郎は魔眼で確かめたが、シャーラもイザベラも目を覚ました様子はない。
部屋はシャーラによる結界術が刻まれてて、外部からの不審な人や物も侵入を防止する処置がなされているようだが、スクルズにかかっては、結界などないに等しい。
しかし、結界があるので、それで安心しているところもあるに違いない。
ただ、そのシャーラの結界も、王都一の魔道遣いのスクルズの前には、まったく通用しなかったわけだが……。
「……ロ、ロウ様、さ、さっきのはなんですか……?」
エリカが身体を真っ赤にして訊ねた。エリカには手を離していいと許可してないので、まだ剣を握ったまま両手を背中で組んでいる。
「強烈な媚香だよ。あの煙をほんの少しでも吸えば、女であれば全身にただれるような疼きが走り、動けなくなる。スクルズにも効いたんじゃないか?」
一郎はスクルズを見た。
「は、はい……。ほ、ほんの少しですが……。あれは強烈ですね……」
スクルズが少し身体を悶えさせるような仕草をしながら言った。確かに、スクルズが煙を吸ったのは、ほんの少しの時間のはずだ。
それでも、すでに全身から脂汗をかき、股間を擦り合わせるようにしている。
余程の効き目だ。
これなら、部屋で寝ているふたりに効果を及ぶのは、すぐだろう。
「び、媚香……。つまり、媚薬の煙ですか?」
エリカも呆気にとられている。
「そういうことだ。ところで、部屋の中のふたりが完全に媚薬に苛まれるまで、時間潰しだ。ふたりとも壁に手を着いてくれ。スクルズ、防音を強化しろ」
一郎は言って、スクルズとエリカに壁に手を着かせて、腰をこっちに突き出させる。
「あっ、で、でも、こんなところで……」
「ロ、ロウ様――」
スクルズもエリカは狼狽している。
建物の周りにいる警護の冒険者たちは離れているが、別に視界を阻むものはなにもないのだ。
しかし、そこはふたりの感情を操作して、逆らいたくない気分にさせる。
ふたりの下着をおろして、片方の足から抜いて足首にかけさせ、揃って股を開かせる。
「しっかりと集中力を保つんだぞ、スクルズ。魔道が途切れて透明膜が消えたり、防音が外れたら、見張り人たちが騒ぎだすからね。それと、念のために口を押さえてろ」
一郎も、素早くズボンと下着をおろして、まずはスクルズの臀部の下から怒張を貫かせた。
すっかりと濡れそぼっているスクルズの股間は、一郎の一物をあっさりと受け入れる。
「んんっ、んああっ」
スクルズが慌てたように、胸の肌着をまくり上げて口で噛む。
声が出るのをそれで阻止しようというのだろう。
一郎は剥き出しになった乳房を両手で揉みながら、腰を前後に動かし始める。
「んん、んん、んっ、んっ」
スクルズが腰を淫らに動かしだす。
あまりゆっくりとやるわけにはいかない。
一郎は、できるだけスクルズが感じる場所を探して、そこを集中的に責めた。
スクルズはすぐに乱れた。
そのスクルズの子宮口を強く押しあげるように連続で打ちつける。
スクルズが肌着を噛んでいる口から甘い呻き声が出るとともに、身体が弓なりにのけぞった。
「ほら、声を出してはだめだよ。それと集中して──。スクルズならできる……。魔道を保持したまま、一方で身体の悦びを受け入れることもできるはずだ。頑張れ」
一郎は無責任にささやいた。
「んんっ、んんっ」
スクルズが口で肌着を噛んだまま頷く。
一郎は律動を続けた。
本当に魔道が消滅しそうになれば、やめないとならないとわかっているが、ステータスを確認している限り、しっかりとスクルズは魔道を維持させている。
それでいて、快感がどんどんを体内で増幅させてて、いまにも絶頂するところまでやってきている。
さすがは王都一の女魔道遣いだ。
透明の魔道はともかく、防音だけならエリカにも刻めるのだが、エリカの魔道だと魔道の警告波が探知して、衛兵と宮廷魔道師隊が殺到することになる。
その点、スクルズだと、宮廷内で自由に移動術を駆使できるように問題ないのだ。
「んふうううっ、ふううっ、んんんっ」
しばらくしたら、スクルズの身体ががくがくと震えた。
達したようだ。
一郎はそれに合わせて、スクルズの膣に精を注ぎ込んだ。
さらに、スクルズの身体が淫らに悶え震える。
「はあ、はあ、はあ……」
スクルズは荒い息をしている。
しばらくそのままの体勢でスクルズを支えていたが、やがて、スクルズの身体が落ち着いたものになったところで、一郎は男根を抜いてスクルズから離れた。
「次はエリカだ」
すぐに、一郎はエリカの股間に怒張を挿し変える。
こっちはスクルズ以上の濡れ方だ。
「あ、ああ、ああっ」
律動を開始すると、すぐにエリカが声を出し始める。
スクルズとは違って、たくしあげて口で噛めるような肌着がない。だから、手だけで押さえているが、どうしても声が漏れるようだ。
まあ、今度はスクルズがちゃんと結界を保てるはずだから問題ないだろう。
一郎はエリカを達しさせるように激しく背後から股間を突きまくった。
「んふうううつっ」
そして、かなり呆気なくエリカも絶頂した。
素早く、そのエリカに精を注ぎ、エリカも解放する。
一郎が手を離すと、エリカはその場にぺたんと正座をしてしまった。
「ほら、ふたりともしっかりしろよ。服を着ていいぞ」
一郎は素早く服装を整えた後で、まだ呆けているスクルズとエリカに、亜空間から衣類を戻して渡した。
だが、すぐには動けないようだ。
ふたりとも、服を抱えてしばらくぼんやりとしていた。
しかし、やがてやっとのろのろと服を着はじめる。
「そろそろ、部屋の中もできあがったみたいだ。服を着たら向かおう。だけど、この透明術いいなあ……。今度は素っ裸で城郭を歩こうよ、スクルズ。そして、王都の広場で愛し合うんだ……」
「王都の広場で?」
スクルズは目を丸くしている。
「ロウ様、そんな冗談は……」
エリカも服を整えながら、口を挟む。
「冗談かな? とにかく、エリカは俺の護衛だからな。絶対についてこいよ。命令だ。スクルズもね」
「は、はあ……」
スクルズは諦めたような息を吐いた。
そして、巫女服を身につける動作を再開した。
しかし、その途中で、ふと顔をあげた。
「……でも、ちょっとだけわくわくするかもしれません。ロウ様と一緒なら……」
そして、はにかむように、悪戯っぽい笑みを一郎に向けた。
「本当?」
エリカも呆れた顔をスクルズに向ける。
なんだか、この巫女様にはかなわないな……。
一郎も苦笑した。
「さて、じゃあ、行くか」
イザベラとシャーラの寝室に潜入する前に、スクルズには、一郎が放り込んだ煙の影響を受けない処置をスクルズ自身とエリカに施させた。
あの煙は、なんの香りもしないが、女が吸えば全身がただれるように疼いて、身体が弛緩して動けなくなる。スクルズとエリカまで動けなくなったら、かなり面倒だ。
「終わりましたわ、ロウ様」
スクルズが自分たちの身体を包む結界魔道をかけ終わったようだ。
一郎は頷いた。
「ところで、中に侵入したら、すぐに俺たちの会話が姫様たちには聞こえないようにしてもらえるか? ふたりを脅かしたいんだ」
「レイプするのですね。わかりました。ふたりの聴覚に細工します。でも、なんだか、わくわくしますね。悪いことをしているみたいで、ぞくぞくします」
スクルズが手に魔道の杖を準備して笑った。
これには、一郎も苦笑した。
「“みたい”じゃなくて、立派に悪いことよ。そもそも、宮殿に魔道で潜入するのはご法度だわ」
エリカが横から突っ込む。
一郎も笑って口を開く。
「王女の部屋に媚薬の煙を放り込むのもね……。もちろん、王女を朝っぱらからレイプするのも大変な罪だ」
「そうでしたね。でも、ロウ様と一緒だと、ちっとも悪いことという気持ちが起きないのですよ。不思議ですね」
スクルズがくすくすと笑った。
無邪気なスクルズの態度に、一郎も思わずもらい笑いをしてしまった。
このおっとりした雰囲気の女神官には、なかなかのお転婆気質もあるようだ。
一方でエリカはもう絶句して、スクルズを見ている。
「それでは、いきます」
スクルズが手を振った。
目の前の空間に歪みが生じ、一郎はスクルズに続いて、その歪みの中に入った。エリカが続く。
イザベラとシャーラのいる寝室に着いた。
室内はちょっとした惨状だった。
天蓋付きの寝台に横になっているイザベラは、汗びっしょりで荒い息をし、その手が股間と胸に動いてもそもそと動いている。
まだ、眠っている気配だが、身体は媚薬の煙に反応してしまい、無意識に自慰をするように手が動いてしまっているのだろう。薄い掛け物は身体を悶えさせたためか、寝台から床に落ちている。
一方でシャーラは、部屋の入口付近に寝椅子を置いて横になっていたようだが、いまは身体が床に落ちている。
シャーラについては意識はあるようだ。
そして、危険を察して、這ってイザベラの寝台に向かっている。
だが、身体はほとんど弛緩して、部屋の半分ほどまでしか進んでいない。
ただ、剣は持っている。
そして、必死の声で「姫様、姫様……」と口にしている。
共通するのは、ふたりの股間から香っていると思われる女の匂いだ。
ふたりがすっかりと欲情し、股間から夥しいほどの愛液が垂れ流れている状態であるのは、ステータスの数値からも明らかだ。
スクルズがすぐに魔道をかけた。
「ふたりの聴覚から、わたしたちの会話の声を遮断するように魔道をかけました。それから、この部屋も封印しました。これで室内の状況は外には伝わりませんし、誰かが入って来ることもできません」
「ご苦労さま」
「でも、これ……」
エリカは嘆息している。
一郎はシャーラに寄っていった。
「だ、誰だ──?」
気配を悟ったのか、シャーラが剣を握り直して、鞘を抜こうとした。
しかし、まったく手には力が入っていない。
エリカが駆け寄り、シャーラから剣を鞘ごと取りあげる。
「うわっ、な、なんだ?」
シャーラが悲鳴をあげた。
一郎たちの身体の周りには、スクルズの魔道の膜が覆っていて、姿が見えないようになっている。
見えない「敵」に武器を奪われたシャーラは、正体不明の存在の出現に恐れおののいている。
一郎は仮想空間から手錠を二個出すと、シャーラの四肢を背中側に集めて、右手首と左足首、左手首と右手首にそれぞれ嵌めていく。
「ほら、手伝え、エリカ」
「は、はい」
声をかけると、エリカが慌てて手伝いだす。
簡単にシャーラは、背中側で四肢が中央に束ねられて、逆海老の状態になった。
「う、うわっ……。な、なにっ? なにが、なにが起こってるの? だ、誰? 誰よ──」
シャーラはパニック状態になっている。
一郎たちの姿もわからないし、声も聞こえない。
手錠だって、シャーラからすれば、突如として出現して、それに拘束されてしまった感じだろう。
一郎は動けなくなったシャーラの寝着のスカートをまくり上げて、下着をぺろりとめくった。
「うわっ──。も、もしかして……。ロウ殿……? ロウ殿ですか……?」
シャーラが暴れようとするのをやめて、怪訝そうな声を出した。
なかなか勘がいいようだ。
危害を加えるのではなく、シャーラの身体をなぶることを始めたので、キシダインの手の者ではなく、一郎の悪戯と推測したのだと思う。
ただ、もう少し怯えていて欲しいので、まだ正体は晒さないことにした。
疑心暗鬼になっていればいい。
一郎は指に潤滑油を浮き出させると、反対の手で腰を押さえて、シャーラの菊座にゆっくりと指を埋めていった。
「んふうっ、あっ、ロ、ロウ殿なんですね……。お、おやめ、おやめください。お、お尻は──」
シャーラが再び暴れ始める。
どうも、エルフ族というのは、人間族の女よりも、尻をいたぶられることに対して大きな嫌悪感があるのか、どのエルフ族も一郎が尻をいじくると本気で嫌がる。
エリカのときもそうだった。
だから、尻穴で遊ぶのは、コゼの専売にようになっているが、元はといえば、エリカが死ぬ気で嫌がるので、まだ性交ができるほど調教が進んでないからだ。
しかし、考えてみれば、エリカと出会って、そろそろ一年だし、一年記念のアナル調教というのもいいかもしれない。
そして、ふと、思い出した。
そういえば、あのエルフ娘はどうしているのだろうか……?
ユイナというエルフの里の性悪娘であり、一郎を無実の罪で処罰しかけて、白ばっくれようとしたので、呼び出して捕まえ、たっぷりと尻をなぶって仕返しをしたっけ……。
いずれにしても、嫌がるのを無理矢理にするのが嗜虐の醍醐味だ。
一郎はシャーラを押さえつけたまま、指を尻の中で曲げて内側の粘膜を擦ってやった。
「……あっ、や、やっぱり、ロ、ロウ殿……ですね……。こ、こんなに……す、すぐに……き、気持ちよくなるのは……ロ、ロウ殿だけ……あっ、ああっ、や、やめて……と、とにかく、す、姿を出して……」
シャーラが必死に悶えている。
一郎は指を抜いて、アナル栓式のアナルバイブを指と入れ替えた。小さいものなので、シャーラたちでも問題ない。だが、アナル責めの快感を容赦なく抉り出す優れものだ。
しかも、例の一郎の発する粘着剤を使っているので、一郎が抜かない限り、絶対に外れない。
さっそくバイブが強い振動を開始する。
「んおおっ」
シャーラがおかしな奇声をあげて、一郎の手を振り切って仰向けになった。
だが、シャーラができる抵抗はそこまでだ。
今度はうつ伏せの身体をひっくり返すこともできないでいる。
「スクルズ、シャーラを見張っていてくれ。エリカは来い」
「あっ、はい」
「はい、ロウ様……」
スクルズがシャーラに近寄り、めくりあがってみっともなくなっているスカートの裾を戻してやっている。
だが、そのことでも、さらにシャーラは悲鳴をあげた。
「だ、誰? ほかにもいるの? エリカ殿? コゼ殿? シャングリア殿? とにかく、姿を出してください」
シャーラが叫んだ。
侵入者は一郎だと確信に至ったようなので、もうひとりの気配に対し、当然、うちの三人娘を予測したのだろう。
あとで、第三神殿の神官長代理になっている筆頭巫女のスクルズだと知れば、びっくりするに違いない。
一郎はイザベラの寝台の前に立った。
イザベラは、相変わらず、甘い呻きのような声を出して、股間と乳房を掴んで悶えている。
一郎は寝台にあがり、イザベラに跨った。
「エリカ、手を押さえろ」
「はあ……」
一緒に寝台にあがったエリカが、諦めたようにイザベラ王女の頭側から手を押さえた。
まだ、十六才の少女をこうやってレイプするのは犯罪みたいだな。
いや、完全に犯罪か……。
一方でイザベラには、まだ意識がないようだ。
一郎は、寝着を大きくまくりあげて股間を晒させ、下着を脱がせた。
むっとするほどの女の匂いだ。
まるで失禁をしたかのように、愛液が垂れ出ている。
一郎はズボンと下着をおろすと、イザベラの両腿を抱え込むようにして、いきなり怒張を貫かせた。
「んんんっ、な、なに? な、なんじゃ? わっ、わっ、な、なんじゃ? だ、誰だ? 誰なのじゃ? シャーラ、助けてくれ──。だ、誰かがわたしに……」
やっと目を覚ましたらしいイザベラが悲鳴をあげた。
だが、すでに深々と一郎の一物は股間を貫いている。
律動を開始する。
「んぐううっ……。あっ、ああっ、こ、これは……? こ、このかたちと、感触は……、あああっ」
イザベラが身体を弓なりにして、ぶるぶると身体を震わせて、鼻先から切羽詰まった息を洩らした。
さっそく、軽く達したようだ。
「ひ、姫様……? あ、ああっ……ロ、ロウ殿……ですか? そこにいるのはロウ殿なのですか? んふうっ、ああっ、うううっ」
アナルバイブに悶えているシャーラが必死で言った。
「た、多分……。だ、だが、お前が訊くのか……? ひ、ひうううっ。だ、だけど、もうひとりいて……あ、ああっ、あああっ」
ふたりが困惑を交換し合っているあいだにも、一郎は律動を続けている。
それで、さらにいったようだ。
こうなったら、おそらく絶頂は繰り返して襲ってくるはずだ。
「もういいですよ、スクルズ。すべてを戻してくれ。姿も声もわかるようにしてあげていい」
一郎は激しくイザベラを犯しながら言った。
スクルズが手を振った。
なにかが変わった感じはしないが、目の前のイザベラの眼が大きく見開いた。
一方で、シャーラについては、横にスクルズがいるので、びっくりしている。
「や、やっぱり、ロウ……。エリカもか──。あ、朝、起き抜けの……鬼畜は……、し、心臓に……わ、悪い……ぞ」
「申し訳ありません」
エリカがイザベラの手を離す。
すると、イザベラが手を伸ばして、嬉しそうに一郎の背中にぎゅっと抱きついた。
一郎は腰を動かし続けている。
イザベラがまたもや、切羽詰まった感じになってきた。
この王女の少女の身体も、だんだんと開発が進み、いまや、かなり一郎好みにいやらしい身体だ。
媚香のせいもあり、かなり乱れまくっている。
「性分でしてね」
一郎は腰を振りながら言った。
「あ、ああ、だ、だめっ、ま、またいきそう……。ロ、ロウ……。いく、いきそう。ま、また、いっても……ああ、あふうっ」
「いくらでもいってください。マゾのお姫様」
一郎は腰を思い切り突き入れて、イザベラの股間の奥を亀頭でぐりぐりと激しく突き動かした。
「んぐううっ、そ、それはだめえっ──。いぐううっ」
イザベラは細腰をのたうたせる。
膣いっぱいに呑み込まされている一郎の怒張を締めつけながら、狂ったような激しさで絶頂した。
一郎の背に食い込むイザベラの爪の力が強くなる。
それだけ、快感が大きいのだろう。
それからしばらく性交を続け、一郎が精を放ったのは、イザベラの五度目の大きな昇天くらいのときだ。
小さな絶頂まで数えると、イザベラもどれだけ果てたかわからない。
絶頂間隔が短いのは、部屋に蔓延している媚薬の香によるものであることは間違いない。
とにかく、短い時間でそれだけ連続で達したのだ。
一物を抜いたときには、イザベラは完全に脱力してぐったりとしていた。
そのイザベラに一郎は、シャーラがしているものと同じアナル栓式のバイブを尻穴に挿入した。
すぐに振動が開始する。
「んはああっ、な、なにをしたんじゃ? あ、ああっ、は、外れん、だ、だめえっ、外して、外してくれ、ロウ──」
イザベラがお尻を両手で押さえてのたうちまわった。
このところ、気に入っているプレイは、激しく犯して疲労困憊させたあと、やっと解放されたと一度安心させておいて、こういう連続刺激の淫具を装着して放置するという責めだ。
我ながら、最近、鬼畜度が増した気もするが、自分の女たちが望まぬ快感にのたうつ姿は、ぞくぞくする。
「それは聞こえませんね。これも調教ですから……。ところで、今日は屋敷に来てください。仲間内でパーティをするんです。用事があれば、それが終わってからでいいですけど、屋敷に来るまでは、その振動はずっと続きます」
ロウはイザベラから離れた。
「ず、ずっと? ば、馬鹿な……。んっ、んんっ、こ、こんなのを装着しては、なにも……くっ、あああっ、で、できんではないか……」
イザベラが必死の口調で言った。
「だから、これは調教なんです。調教──」
「ちょ、調教……。ふうっ、うんん……」
すると、イザベラが途端に大人しくなった。
なぜか知らないが、この王女は、気位が高いものの、一郎の女になったのだから、調教を受けるということは納得していて、どんな仕打ちでも「調教だから当然だ」と言えば、それで受け入れてしまう。
つまりは、あまり性行為のことは知らないらしく、一郎がやることは、男女間の関係では、もしかしたら当たり前なのかもしれないとでも思っているのかもしれない。
もちろん、当たり前などではない。
第三王女を朝っぱらからレイプした挙句に、アナルバイブを置き土産にされて放置されることなど、非常識を通り越した侮辱もいいところだ。
だが、いまひとつ世間知らずのイザベラには、どこまでが許容範囲で、どこからは異常なのかの区別ができないようだ。
「さあ、お待たせしましたね、シャーラ。じゃあ、犯しますよ」
スクルズの足元で全身をよがらせて荒い鼻息をしているシャーラは、すでに朦朧としている感じだ。口からはだらしなく涎が垂れ流れ、顔は涙と鼻水でぐしょぐしょだ。
この魔道戦士のエルフ女は、媚香への相性が良すぎるようだ。一郎の女たちの中では、誰よりも激しく、媚薬の香に反応する。
一郎は、四肢を背中側に曲げてうつ伏せになっているシャーラをひっくり返すと、腰から下を刃物で切断して引き破った。
ついでに、上衣も左右に引き裂いて乳房をむき出しにする。
「この方がレイプっぽくていいでしょう? そうだ。今度、スクルズも巫女服をびりびりに破るレイプごっこをしますか? 昨夜は丁寧に脱がせたしね。エリカたちとはときどきやるよな。興奮するだろう、あれ?」
一郎たちを見守るように横にいるスクルズとエリカに声をかけた。
「な、なにを言ってるんです、ロウ様は――」
エリカは顔を赤くした。
「まあ、じゃあ、そのときは破られてもいい巫女服を着ないといけませんね」
一方で、スクルズは呑気そうに笑った。
一郎は苦笑した。
そして、シャーラに意識を戻すと、シャーラの股間に一物を貫かせた。
犯し始めると、媚香に侵されているシャーラは、正体無くよがりまくり、壊れたように連続絶頂した。
ほとんど数突きだけであっという間にいってしまうのだ。
香だけでなく、尻穴で暴れ続けている淫具のせいでもあると思うが、とにかくとてつもなかった。
絶頂回数が十回に達したとき、このまま続ければ、本当に壊れる怖れを感じて、一郎は精を放ってシャーラを解放した。
しかし、肛門の淫具も拘束もそのままだ。
シャーラとイザベラの苦しそうな喘ぎ声が部屋に響きわたる。
「ロウ様、お掃除を……」
男根を抜くと、エリカが寄ってきて跪きかけた。だが、一郎はそれを制した。
「いや、スクルズにしてもらおう」
一郎はシャーラから抜いた一物をスクルズに向ける。
「あっ、お掃除ですね。は、はい、喜んで」
スクルズがはっとしたように、一郎の前に跪いて、イザベラとシャーラの蜜にまみれた一郎の性器を舌で掃除し始める。
ぺろぺろと舌で舐めながらも、微笑みを絶やさないところは、王都に数いる神官の中で、穏和な気質でもっとも人気のあるスクルズらしい。
だが、神殿の筆頭巫女で、しかも、代理とはいえ神殿長の役目を果たすほどの女神官をこうやって、娼婦のように舌で奉仕させる男もいないだろうと我ながら思った。
しかも、ほかの女を抱いて汚れた一物を舌で掃除させるのだ。
おそらく、そんなことを筆頭巫女、いや、神殿長代理にさせる男は、この世界の歴史では一郎が最初かもしれないと思った。
スクルズの掃除フェラが終わったところで、一郎は脱いだズボンなどを身に着けるために、脱いだものを放っている寝台に向かった。
「わたしが……」
今度はエリカが一郎の身支度を手伝いだす。
やがて、服装を整え終わったところで、ふとイザベラとシャーラを見た。
ふたりとも、正体をなくしたように、まだ横になって、もがくように悶え続けている。
そういえば、媚薬の香がそのままだったことを思い出して、一郎はそれを淫魔の力で消滅させた。次いで、激しすぎるようである尻穴の振動を弱くした。
やっとのこと、ふたりの目付が正常になる。
「さっきも言いましたが、そのアナルバイブを抜いて欲しければ、俺の屋敷に来てください。みんなでパーティをするんですからね。待っていますよ」
一郎はふたりに伝えると、移動術の準備をスクルズに指示した。
「えっ、このままですか?」
エリカが口を挟んだ。
「ま、待って……ください。これをしたままでは……。と、とにかく、枷を……」
一郎たちが立ち去る気配を示したことでシャーラが慌てたように口を開く。なにしろ、アナルの淫具もそうだが、シャーラは枷で逆海老状に拘束したままだ。
「そうですよ、ロウ様……。シャーラさんをこのまま置いていくのは、ちょっと鬼畜かも……」
スクルズは控えめに言った。
「移動ポッドの姿見まで、ほんの少しでしょう。問題ないさ。姫様が引きずっていけばいい」
一郎は言った。
「そうですか?」
スクルズはちょっと小首を傾げたが、それ以上はなにも言わなかった。
エリカもだ。もう、諦めている。
一郎はさらに、スクルズに命じて、侍女たちが部屋に入ってこない処置と、伝言の言玉をイザベラの声で偽装させて送らせる。
イザベラとシャーラが急用ができて、スクルズのところにお忍びで行くと告げさせたのだ。
まあ、急にいなくなって驚愕するだろうが、これで極端な騒ぎにはならないはずだ。
ここの侍女は、キシダインの攻撃が多いことを承知しているので、なにかがあっても不用意に騒いでほかに知らせない躾がいき届いている。
隙を見せると、それに乗じられて思わぬ危険に見舞われる可能性もあるからだ。
「じゃあ、おマアのところに頼むよ。今度はちゃんと建物の前でいい。約束もしてる」
「かしこまりました、ロウ様」
目の前に移動術の出入り口である空間の歪みが出現する。
「じゃあ、待ってますよ、お二人。俺たちはまだ用事があるので、先に行って、屋敷で待っていてください」
一郎たちが移動術の歪みに潜るとき、垣間見たのは悲痛な顔でこっちに哀願の表情を向けるふたりの姿だった。
「ま、待って――。話を……」
さらに、慌てたようなシャーラがなにか言いかけたが、移動術が発動して、周囲の景色が消滅とともに、シャーラの声もかき消えてしまった。