【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
16 三人遊び
口づけをしていた唇を離した。
すると、両膝を寝床の床につけているイライジャがぐったりと脱力した。
「や、やっぱり……あ、あれは、薬が作らせた大袈裟な感覚じゃなかったのね……。すごいわ……。あなたのご主人様は大変なものね。苦労するわよ、エリカ」
そして、イライジャは少し息を荒げたまま、縄掛けをされているエリカに笑いかけた。
「も、もちろん、ロウ様は素晴らしい人よ、イライジャ姉さん」
エリカが少しはにかんだようになる。
しかし、これには一郎も困ってしまった。
この世界に召喚されるまで、なんのとりえもなく生きてきただけの三十過ぎの男だ。裸の美女ふたりに挟まれて、称賛されてもどうしていいかわからない。
すると、イライジャがすっと姿勢を正した。
「改めてお礼を申し上げます、ロウさん──。そして、最大の功労者なのに、ここに放っておくようにしててすみません。本来なら里をあげて感謝しなければならないのに……。この里は、エルフ族のほかの里と比べて、極端に人間族を蔑視する感情が強くて……。今回のことも人間族のあなたに助けられたということが、これからの里の運営に支障があるからとか言って……」
イライジャがそのまま頭をさげて床に額を擦りつけた。
いわゆる全裸土下座だ。
一郎はびっくりした。
同時に、イライジャがなにを謝っているのか合点がいった。
「頭をあげてください、イライジャさん。トーラスさんは、俺の存在を里の者には公表しないことに決めたんですね?」
そういうことかと思った。
ユイナの態度だけでもわかるが、この里は相当に人間族を軽視する傾向が強い。
もしかしたら、その人間族の一郎に、命を救われたというのは、それだけでもトーラスにとってはばつの悪いことなのかもしれない。
そういえば、あの館でトーラスとイライジャを救出してから、一度もトーラスには会話をしていない。
プルトたちともだ。
まるで一郎を避けるようにしている気さえしている。
たまに顔を見ることもあったものの、そういえばお礼のひとつもされてはいない。
それを気にしているのだろうか。
もしかして、それもあって、こうやって、身体を提供している?
「も、もちろん、そんなことは許されないわ。あなたの功績よ──。あなたがいなければ、義父もわたしも助からなかった。プルトも、いま説得しているところよ……。ちゃんと公表して、あなたには里としてのお礼を……」
「いや、それについては、気にしないでください。理由があって目立ちたくないんです。エリカも言ったかもしれませんが……」
一郎はエリカをちらりと見た。
エリカが慌てたように首を縦に振る。
「い、言いました、ロウ様──。イライジャ、それについては説明したとおりよ。ロウ様もわたしも、大々的な発表は困るの。とにかく目立ちたくないというか……」
エリカが慌てたようにイライジャに言った。
あの魔女に追われている身の一郎とエリカにとっては、この里でいきなり名前が出されるなど冗談じゃない。
アスカは、一郎とエリカの情報が入った途端に、自ら乗り込むか、手の者を送り込んで、一郎たちを殺そうとするに決まっているのだ。
「だけど、そういうわけには……」
「これはこっちの都合です。お礼はこっそりと口だけで言ってもらえれば十分です……。いや、それも必要ないかな。こうやって、イライジャさんが来てくれたことだし。これをもって、手打ちにしましょう。ほかになにも要りません。その代わり、しっかりと相手をしてもらいますよ」
一郎はわざと白い歯を見せた。
こうなったら、イライジャを抱かないという選択肢はないだろう。
エリカも公認のようだし……。
それに、さっきから裸のふたりを目の前にして、一物がいきり勃っている。
やっぱり、淫魔師に覚醒したこの身体は、相当に好色のようだ。
以前の一郎だったら、たったいまイライジャに喋ったような卑猥な軽口など考えられない。
イライジャがぷっと噴き出した。
「もちろん、わたしのことは好きにして構わないわ。こんな女でよければ」
イライジャがお道化た口調で両手をさっと広げた。
一郎も破顔した。
「じゃあ、早速愉しく遊びますか。エリカ、来いよ」
一郎は向かい合って座っている一郎とイライジャに対して、少し離れた感じだったエリカを呼んだ。
エリカの裸体には、イライジャが施したらしい、縄が菱形を描いてくいこんでいる。股間には股縄だ。
一郎はさっきから気になっていたのだ。
真っ赤な顔になったエリカを一郎とイライジャのあいだに招き入れる。
「これはイライジャの仕業?」
一郎はすっとエリカの股縄に手を伸ばす。
すでに、食い込んでいる縄がしっとりと湿っている。
早くも股間を濡らしているのだ。
「あんっ」
一郎に触られただけで膝を砕きそうになったエリカを支えて、そのまま立たせる。
身体を回転させて、縄道を見ていく。
前の世界ではSM雑誌を見るのが好きだったので、頭だけだが縄掛けの知識はある。
この世界にも、こんな緊縛があるのかと感心した。
「あ、あんまり、見ないでください……」
じろじろと縛られている身体を見られて、エリカが恥ずかしそうにする。
そういえば、いつも抱くのは月の光と焚き火の光の中なので、こんな燭台の明るい部屋の中で抱くのは、初日以来だ。
「幼いころから、こんなことをして遊ぶのがわたしたちの秘密の行為……。わたしたちの育った“自由エルフの里”の神官さんがこんな縄掛けの遊びの
イライジャが笑った。
艶本か……。
だが、この亀甲縛りは間違いなく、一郎の知っている元の世界のものだ。
あるいは、一郎の前に召喚されたSM好きの者が、わざわざこの世界の緊縛法を伝えたのかな、と思った。
そう思うと面白い。
「じゃあ、エリカがしっかりとマゾに育ったのは、イライジャさんのせいだったんですね。ちょっと結び直していいですか?」
一郎は股間に喰い込んでいる股縄に手を伸ばした。結び目は腰の後ろ側にある。
縄瘤が三個作ってあり、それがエリカの快感を覚える局部に当たっているが、ほんの少しだが角度と場所がずれている。
これでは効果は半減だ。
「わ、わたしはマゾなんかじゃあ──」
エリカが声を荒げた。
だが、縄がかかっているだけで両手は自由だが、なんの抵抗もしない。
それどころか、ステータスにある「快感値」の数値がどんどんとさがって、いまは“40”を切ったくらいだ。挿入可能の目安の“30”まではもうすぐだ。
縛られただけで、愛撫なしでこれなんだから、ちゃんとしたマゾだ。
一郎は、わざわざそれを否定するエリカがおかしかった。
イライジャも笑った。
「自覚がないの? あんたは、ずっと昔からマゾっ子よ……。それよりも、なんとなく詳しそうですね、ロウさん。どうぞ、教えて。見よう見まねでやったから、縄責めの師匠はわたしにはいないんです。それと、わたしのことは、どうか、イライジャと呼び捨てで……。先日はため口で失礼しました。エリカから聞いたら三十五歳にもなるんですね。もっと若い方だと思っていました」
イライジャがまた笑った。
これには、一郎もなんと返していいかわからず、苦笑するしかない。
前の世界にでは若そうなどといわれたこともないが、この世界では日本人の一郎は童顔の部類になるのだろうか。
そういえば、あのアスカは、一郎のことを“小僧”と呼んでいたっけ……。
「師匠と呼ばれるほどのものじゃないですけどね……。でも、エリカの身体は知ってます。どんな風にすれば悦ぶかということも……」
喋りながら一郎は、股縄を一度抜いて、結び目の大きさと間隔を調整する。
生まれて初めての縄掛けだというのに、一郎の手はまるでこの道の玄人のように、素早く正確に動く。
これも淫魔術の能力のおかげだろう。
一方で一郎の目の前に立たされて、股間を覗き込まれるような感じのエリカは、もうどうしていいかわからないように、切なげに身体や顔をくねらせている。
一郎はそのエリカに、調整した瘤付きの縄を改めて喰い込ませた。
「うっ」
エリカが小さく呻いて、びくりと身体を震わせた。
しかし、一瞬後には、縄尻は元の通りに腰の後ろで結び留めを終えている。
我ながら、すごい手管だ。
「へえ……」
イライジャも感心している。
「じゃあ、まずは腰を振って自家発電をしてもらおうか」
一郎はぽんと軽くエリカのお尻を叩いた。
「あんっ……。じ、じかはつでんって……?」
エリカは意味がわからなかったようだ。
「いいから、こっちに立って腰を振ってみろ」
一郎は一郎とイライジャが見物しやすい側にエリカを押しやった。
ちょっと前につんのめったエリカが、次の瞬間、うっと声を出して、身体を前に曲げる。
一郎にかけられた結び玉がその本領を発揮したのだ。
「ああっ」
そのまま膝をつきそうになった。
だが、その動きでさらに縄瘤が局部に喰い込んで刺激を大きくする。
そうなるように、縄掛けしているのだ。
「くふっ、はああっ」
エリカはそのまま両手で股間を押さえるようにして、しゃがみ込んでしまった。
一気にステータスの快感値がさがり、一瞬“0”になって、すぐに“10”くらいまで戻った。
いわゆる、軽く達したという状況だ。
「しゃきっとしろ、エリカ。これも調教だ。まずは腰を振ってもう一度いけ。遊びはそれからだ」
一郎は笑いながらエリカの腕を取って強引に立たせる。
「こんな可愛いエリカは久しぶり……。ねえ、ロウさん、エリカが一度達したら、そしたら、わたしに責めさせてくれない? だって、こんなに可愛いなんて」
イライジャが完全に欲情したような上気した顔で言った。
一郎は頷く。
「もちろん、だけど、こんなに若いエルフ女性ふたりの百合遊びを見物できるなんて、もう十分なお礼ですよ」
一郎は笑った。
*
「うっ、ううっ、は、はああっ───」
一郎が抽送を開始すると、それだけでエリカは泡を吹かんばかりに身悶え始めた。
すでに、エリカは二度達している。
もともと、刺激に弱いエリカだが、一度達すると、さらに身体の感覚が敏感になってエリカは感じやすくなる。
だから、もうエリカは息も絶え絶えの状況だ。
第一、一郎には抱いている女体がどこをどう触れば感じてしまうのかが、文字通り目でわかるのだ。
一郎の眼だけに見える赤いもやは、相手の女がどこを刺激されたがっているかの目印だ。
それを追って愛撫を加えてやるだけだ。
「ふわあああっ、い、いきます、いきそうですううっ、ああああっ」
一郎が寝台に仰向けになっているエリカの腿を抱えて、貫かせている怒張で膣の中の赤い部分を強く擦るようにしてやると、エリカは感極まったような声をあげて、一郎の背中にしがみついてきた。
菱形の縄化粧をされたエリカの裸身が一郎に密着する。
「いってもいいけどな。だけど、とりあえず、俺が満足しないと終れないぞ」
一郎は笑いながら、エリカの股間を貫いている怒張を律動させる。
エリカがすごい力で一郎の背中に指を喰い込ませてきた。
「んふうううっ、ふうううううっ」
身体をがくがくと震わせて絶息するような息を吐く。
何度目の絶頂になるんだろう……。
一郎はエリカを犯しながら、苦笑した。
一郎の部屋に夜這いにやってきたイライジャたちとの交合が続いている。
もうかなりの時間がすぎたと思うが、まだまだ前戯程度だ。
お愉しみはこれからだ──。
少なくとも一郎はそのつもりだ。
最初に、エリカに股縄を施して腰を振らせて自慰をさせるという遊びから始まり、それからとりあえず、エリカいじめがずっと続いている。
股縄ですっかりとエリカができあがってしまうと、イライジャがエリカを抱きたがったので、まずは、イライジャとエリカということになった。
そして、イライジャが百合の手管で、エリカを続けて昇天させた。
次はイライジャと一郎のふたりがかりのエリカ責めだ。
これでエリカは完全に動けなくなってしまった。
それを強引に引き起こして、一郎がエリカを抱いている。
いまはその段階だ。
すでに、エリカは口もきけないくらいに疲労困憊である。
一方でイライジャは、そんなエリカと一郎の性行為を裸のまま食い入るように見ていた。
なかなかに好奇心の強いエリカの「姉」だ。
「あらあら……また、あっという間にいっちゃったのね……。口惜しいけど認めるわ……。エリカは、もうわたしよりもあなたに抱かれた方が感じるみたいね……。でも、あの男嫌いのエリカがねえ……。あなたの性奴隷だと告白されたときには、びっくりしたけど、本当にそのようなのね……」
横で見ているイライジャが軽口を言って笑った。
「性奴隷って、エリカが?」
一郎はエリカの腰を突きながら言った。
性奴隷というのは言葉のあやであり、淫魔術で支配しているのでそうなのだろうが、一郎としては、エリカを奴隷扱いしているつもりはない。
ただ、抱くときは激しく鬼畜に抱く。
それだけだ。
わざわざ自分のことを「性奴隷」だと自己紹介するとは考えてもいなかった。
「言ったわ……。そして、そのことが満更でもなさそうだから、もっと驚いたわ。あなたは強くないけど、頼もしくて優しいそうよ。本当に嬉しそうにあなたのことを語っていたわ。でも、この子、気は本当に強いのよ」
「し、知って、いる」
一郎は律動しながら応じる。
一方で、エリカはもうイライジャの声など聞こえていないと思う。
派手な嬌声をあげつづけているので、これではなにも聞こえないだろう。
また、イライジャは一郎にぞんざいな物言いをしているが、これは一郎が強要したことだ。
イライジャを呼び捨てにする交換条件だ。
かつてエリカとイライジャは、孤児同士で同じ里で育ち、いつしか娘同士で愛し合う仲になった間柄だったらしい。
この「褐色エルフの里」はナタル森林の中でもハロンドール王国側に近いが、エリカたちが育った「自由エルフの里」はもっと西側で、三公国と呼ばれる「旧ローム帝国領」という地域に近かったそうだ。いまここにいる里がエルフ族の中でも。褐色エルフ、つまりは黒エルフしかいないのに対して、自由エルフの里はさまざまな人種がおり、人間族とエルフ族のあいだに生まれた「ハーフエルフ」もいたそうだ。
エリカとイライジャと仲が良かった少女が、そのハーフエルフであり、よく三人で「百合遊び」をしたといっていた。
まあそれは、性に興味を抱くようになったエルフ少女たちが誰でもする「遊び」のようなものであり、その関係が発展して、そのうちにイライジャが「ご主人様」で、エリカが「性奴隷」のような本格的な百合の関係になっていったそうだ。
だが、そんなふたりの「遊び」も、イライジャがこのエルフの里のトードという男に見初められることで終わった。
イライジャは、所要でやってきたこの里のトードと恋に落ちて、そのままここにやってきた。エリカが生まれ育った里を出て、三公国に向かったのもイライジャが里を去ってすぐのようだ。
エリカを一郎とイライジャがふたりがかりで責めているあいだに、イライジャが一郎にそんなことを語った。
イライジャとエリカが、孤児同士で同じ里で育った昔馴染みだということについては、エリカから知らされていたが、まさかそんな関係まであったということまでは想像もしなかった。
つまりは、もともと感じやすい身体も、そして、マゾ気の強い性質も、このイライジャに仕込まれたということになるのだろうか……。
「だ、だめええええっ、……いくうううっ、いきますううう、ああああっ、い、いぐうううっ───」
またまた、エリカが声をあげて絶頂をした。
どうでもいいことだが、このエリカは絶頂のときの声がとても派手だ。
いまもイライジャがこの部屋から声が漏れないように結界で包んでくれていなければ、ほかの部屋で休んでいるはずのユイナが飛んできそうなくらいの声だ。
エリカの「快感値」が“0”になる。
同時に、エリカのステータスに「気絶状態」という表示が発生した。
エリカが一郎の身体の下でがっくりと脱力している。
完全に気を失っているようだ。
一郎はエリカを離して、股間から一物を抜いた。
「あらあら、完全にいっちゃったわね……。それにしても、“ご主人様”を一度も満足させることなく、自分だけ満足して終わるなんて、悪い娘ね。お仕置きしないと」
イライジャが笑いながら、杖をエリカに向けた。
すると、エリカの胴体を包んでいた縄がぱらりと外れた。
一郎のいままでに感じたところでは、魔道を遣うのに杖を使うのは、それほど魔道の能力の高くない魔道遣いのようだ。概ね、レベルが“10”以下だと、魔道に杖を使う傾向にあると思う。
イライジャの魔道レベルは“4”だ。
エリカは一郎が淫魔術で完全支配する前は“2”だったが、一郎による「淫魔師の恩恵」で“10”までレベル向上している。
だから、このところ、エリカは魔道に杖を使わなくなってもきている。
「……でも、エリカはこの状態ですし……。だったら、それはお姉さん代わりのイライジャさんが責任を取ってくれないと……」
一郎は、まだ逞しさを保ったままの怒張をイライジャに向けた。
性愛であれば、なぜか一郎はどこまでも強気でいられる。いまは、この気の強い美貌のエルフの未亡人を抱くのになんの躊躇の感情も湧いてこない。
「そ、そうね……。せ、責任をとらないとね……」
一郎を前にしたイライジャが、急に怖気づくような顔になったのがわかった。
さっきから、イライジャが、エリカの性の先輩のようなふりをして、この場を仕切っているのは半分以上は演技であることはすでに気がついていた。
一郎には、イライジャのステータスの「経験数」に、“男2、女2”とあるのが見える。
男というのは、亡くなったトードという元夫と一郎だろう。
つまりは、イライジャは、いま演じているような、行きずりの男である一郎に自ら抱かれにくるような性に開放的な女ではない。
だが、このあいだ、媚薬でおかしくなっていたとはいえ、自分をいたぶった者たちに泣いて屈服したという事実……。
まだ心に残っているであろう、その屈辱と羞恥……。
また、あのとき、イライジャを助けるために、一郎が初めて殺人を犯したという事実を一郎以上にイライジャは重く受け止めてくれていた。それは、あれから、機会があるたびに、謝るような言葉を発することから知れる。それに対する呵責の気持ち……。
さらに、エリカはイライジャのむかしの秘密の「遊び」の間柄だ。しかも、かなり深い……。そのエリカが「ご主人様」だと告白した一郎に対する興味……。
これに加えて、どうやらトーラスが一郎に正式に「お礼」をしないという事実がわかったこと……。それについて一郎に対して申し訳ないという気持ち……。
そんな複雑な感情がイライジャをこんな思い切った行動に駆り立てたのだろう。
もっとも、イライジャが、これを一郎に対する「お礼」だと言っているのは、彼女の正直な気持ちであるのは間違いないと思う。一郎がとても「好色」であり、こういうことを拒まないことも、エリカから聞き出しているのかもしれない。
それらのことが複雑にイライジャの気持ちの中で絡み合い、イライジャに「柄」にもない行為に走らせたに違いない。
イライジャが、本当は演じているほどは、多淫ではないということくらいは、一郎にはわかるのだ。
まあ、そんなことはどうでもいい……。
ここにいるのが、エルフ族であろうと、人間族であろうと、あるいは、異世界人であろうともう関係ない……。
ただの素裸の男と女……。
そうなれば、やることはひとつ……。
遠慮する理由も皆無だし……。
「妹分の愛液でたっぷりと汚れているからね、しっかりと綺麗にしてもらうよ……」
一郎はイライジャの口の中に怒張を強引に押し当てた。
「はっ、あっ……んんっ」
イライジャは抵抗はしなかった。
むしろ自ら求めるように、大きく口を開いて一郎の一物を咥え込んだ。
しかし、一郎は舌を動かそうとしたイライジャを怒張で制して、肉棒を動かし始めた。
膣を犯すように、イライジャの口を犯したのだ。
イライジャが目を丸くして、当惑の声をあげた。
「はあっ、あっ、ああっ、あっ」
一郎には、イライジャの口の中が局部と同じくらいに感じる場所でいっぱいなのがわかっている。
こういう女性もいるのだと思ったが、とりあえず、一郎だけに感じることができる赤いもやを目印にして、亀頭の先端でその場所を擦ってやる。
すると、イライジャの顔が蕩けたようになった。
また、イライジャの「快感値」の数値が驚くくらいの速度で下がっていく。
しばらく、続けた。
イライジャは鼻息を荒くして、本当にかなりの興奮状態になっていった。
「あん、んんっ、おんっ、ああっ……」
イライジャが耐えきれなくなったように声を出し始める。
やがて、その全身が震えだす。
快感値は一気に一桁だ。
イライジャが一郎に対する口吻だけで、絶頂のうねりに飲まれそうになっているのがわかった。
一郎はさっとイライジャの口から一物を抜いた。
イライジャが完全に濡れきった眼で一郎を見あげた。
「まだまだだ。そう簡単には許さないよ……」
一郎はうそぶくと、エリカの身体の下から縄を引き抜いた。
訝しむ表情のイライジャの腕をとって、両手を背中に回させる。
「な、なあに……?」
まだ、呆けたような眼をしているイライジャの両腕を背中に保持したまま、イライジャの後ろに回った一郎は、さっとその両腕を縄で縛ってしまった。
イライジャが我に返ったようにはっとなったのは、一郎に完全に両腕を拘束されてしまってからだ。
「あっ、縄が───?」
イライジャが初めてそれに気がついたような声を出した。
「やっぱり、罰という限りにおいては、それらしい格好にならないとね……。今夜は、縛られてもらう。あとで、エリカが起きたら、今度はエリカにもイライジャさんを責めさせる……。イライジャにも、エリカと同じように気を失うまで達してもらうからね」
一郎は、まだ余っている縄でイライジャの右脚と左脚をそれぞれに折り曲げた状態で縛った。
イライジャは抵抗はしなかった。
むしろ、こういう遊びを愉しんでいる気配まである。
イライジャの左右の脚を折り曲げた状態で縛った一郎は、仰向けにごろりと床に転がした。
いわゆる、「M字縛り」だ。
イライジャは想像以上の羞恥の格好になったことに、やっと狼狽えたような声をあげた。
「じゃあ、始めるよ……。俺の罰はけっこうつらいからね……」
一郎はわざと酷薄そうな笑い声を出すと、拘束されたイライジャの身体に愛撫を加えながら、すっかりと開いているイライジャの股間に怒張を埋めていった。
イライジャが身体を大きく悶えさせる。
一郎はゆっくりと怒張を抽送しはじめた。
イライジャの身体の赤いもやがどんどんと濃くなる。
「ああ、はあっ、か、感じる───。な、なんで───ああっ───」
イライジャは拘束された身体で大きく暴れ出した。
経験のしたことのないほどの急激な官能の炎の昂ぶりに、イライジャは耐えられなくなったのだ。
当たり前だ。
一郎には、どんな相手が性交の相手だろうと、それをあっという間に欲情させることのできる赤いもやの地図がある。
イライジャの膣のどこを擦れば、この美貌のエルフ女性が狂ったように感じさせることができるかもわかる。
絶頂のときに“0”になる、あの数値もよく見える。
イライジャを昇天させるも、逆に焦らして乱れさせるのも思いのままだ。
あられもない反応を示しだしたイライジャをじっくりと眺めながら、一郎はまずは、一回目の絶頂をさせるべく、膣の真っ赤な一点を強く擦りあげるようにして、腰を上下に律動させていった。
*
「ふ、不潔よ───。く、屑よ、あいつ───」
悶々とした気持ちを振り払い、ユイナはひとりで悪態をついた。
眼の前の小さな水晶玉には、あの人間族の男が寝泊まりしている部屋で行われていることがぼんやりと映っている。
部屋には、イライジャの魔道と思われる結界が結ばれていて、音も部屋の外には漏れ出ないように処置してあった。魔道による結界で部屋の外からは中を覗くこともできないように、しっかりと部屋が封鎖もされている。
本来なら、こうやって一郎の部屋で起こっていることを外から垣間見ることなど不可能なのだ。
しかし、ユイナは、目の前にある子供のこぶし大ほどの水晶玉をあの人間族の部屋にこっそりと事前に仕掛けている。
いま、目の前にある水晶玉に映っている景色は、一郎の部屋にある水晶玉に映っている景色であり、それがユイナの魔道でここに転送されて、ユイナはそれをじっと見ているのだ。
あらかじめ仕掛けてあったものだから、イライジャの結界では防げなかったようだ。
それに、魔道遣いとしての純粋な能力なら、ユイナはイライジャに勝てると思っている。ユイナの魔道力は、祖父のトーラスでも一目置くほどの確かなものなのだ。
ユイナがそんな魔道具を一郎という人間族の部屋に仕掛けたわけはなんでもない。
あの人間族に、ひと言謝ろうと思ったのだ。
ちゃんとお礼を言おうと思った……。
公平に考えると、あの一郎は、人間族のわりにはよくやったと思う。
犯されて殺されかけていたユイナの命を救い、放っておけば殺されるかもしれなかったトーラスを救い、イライジャも救った。
里の危機を機転で助け、里に巣食っていたダルカンという悪い里長を追い出すきっかけも作ってくれた。
全部、一郎のおかげだ。
それはわかっている。
だから、ちゃんとこれまでの態度を詫びて、お礼を告げようと、ずっと思っていた。
だが、いざとなれば、あんなに失礼な態度をしていたことを思い出して、なにも言えない。
自分の浅はかさを思い出してしまって、ユイナの口は凍りついたように強張ってしまう。
それで思い余って、あの水晶玉をこっそりと一郎の部屋に仕掛けた。
これがあれば、あの男が部屋にいる様子がここからでもわかる。
あの人間族の男が寛ぎ始めた夜を待って、部屋にこっそりとひとりで行こうと思っていた。
ユイナも若い娘だ。
もちろん、若い娘が夜中に男の部屋にいくということがなにを意味するのかくらいはわかる。
わかっている……。
でも、ユイナはそれでもいいと思っていた。
あの男が時折、エリカに対して、とても淫靡な視線を送ることは、とっくの昔に気がついていた。
エリカの従者だというが、根はかなりの好色に違いないと確信していた。
その視線がとてもいやらしいのだ。
だが、さすがに、あのエリカは一郎を相手にはしないだろう。
なにしろ、エリカは、美形で知られるエルフ族の中でも、美貌の持ち主に入ると思う。
それに強い───。
それに比べれば、一郎は頭はいいようだが、とても弱いし、外見もぱっとしない。年齢もエルフ族からすれば、若い範疇だが、人間族としては若くもない。
十八歳のエリカが間違っても相手にしないくらいの年の差もある。
いつもそばにいて従者として尽くしているのに、男として相手にもされないというのは、ちょっと可哀想かもしれない。
また、少し小耳に挟んのだが、祖父のトーラスは人間族に助けられたということが外聞をはばかるので、ちゃんとしたお礼をあいつにしないようなのだ。
だったら、ユイナが相手をしてやってもいいかな……?
そんなことをちょっと思ったりもした。
そもそも、あの一郎は絶対に好色だ。
間違いない───。
それは女を見る眼を見ればわかる。
そんな男の部屋に夜遅く、ほかの者が寝静まるのを待ってから行く。
また、人間族の男はあらゆる人種の中でもっとも色魔的だとも耳にする。
一郎は、ユイナを求めるだろうか……?
まあ、求めるだろう……。
そのときは、これまでの無礼の詫びと里として正式にお礼をしない代わりに、抱かれてやるのもいい……。
本当にそう思っていたのだ。
あの男は、三人の強姦者に犯されたユイナの心の傷のことを本当に心の底から心配してくれた。
それは言葉の端々や態度からわかった。
本当はありがたかった。
だが、犯されたくらいで、心が痛むようなユイナではない。
ユイナはもう立ち直っている。
いや、最初から、あんなものどうということはない。
避妊のためのサビナ草は服用しているし、もともと、長命のエルフ族は貞操感はほかの種族に比して低いと言われる。
まったくユイナは大丈夫だ。
そのことを一郎に抱かれてやることで教えてあげたかったのだ。
だが、先に休んだイライジャとエリカに頼まれた片づけを終えて、さらに水浴びをしてから覗いた水晶には、驚くべき光景が映っていた。
素裸のイライジャとエリカをあの男が獣のように抱いていたのだ。
びっくりして、血が凍るかと思った。
しかも、イライジャは破廉恥な恰好で縄で縛られていて、自由を封じられた状態で一郎に犯されていたのだ。
最初は、一郎がイライジャを無理矢理に襲っているのだと思った。
しかし、そう思ったのは一瞬だけだ。
強姦されているにしては、ちょっと様子が不自然だと思ったのだ。
イライジャは欲情していて、いやがっている素振りはない。
そして、拘束されていないエリカも水晶に映った。
そのエリカも責めに加わった。
イライジャはふたりがかりで責められて激しく身悶えている。
そんな光景がずっと続いたのだ。
やがて、ユイナにも、これは強姦ではなく、三人の「遊び」なのだとわかった。
そう思うと、ユイナ自身にも理解できない感情が沸き起こった。
腹が立った。
なぜだか、頭にきた。
エリカだって、イライジャだって、美貌で知られるエルフ族の中でも、抜きんでる美しさだ。
それがあんな人間が破廉恥に接していいものではない。
エルフ族は、あらゆる人種の中で最も優秀で、美しい種族……。
あんな野蛮な人間族の男などに……。
もっとも、ちょっと前までは、ユイナも一郎に抱かれてもいいと思っていたのだが、いまは、それをあまり思い出さなかった。
それよりも、こんなのは間違いだ───。
間違いなのだ───。
ユイナは強く思った。
だったら、間違いは正されなければならない……。
それを強く思った。
間違いだ───。
これは間違いであり、あの一郎はやっぱり悪い男だったのだ───。
そう思った。
これは罪だ───。
人間族風情がエルフ族の女を抱くなど……。
許されぬ罪に違いない……。
そして、ふと、あの男を思い切り懲らしめてやる絶好の方法を思いついた。あの色魔にはなによりの苦痛になるに違いない。
ユイナは、喉から出てくる笑いを堪えながら、さっそくその準備にとりかかった。