【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ほら、起きるんです。犯された後は、口で掃除をする。それが俺の女たちの決まりです」
ロウの声がした。
ヴァージニアは目を開いた。
もしかして、失神していた?
犯されて、気持ちよさで意識を失う……。
そんなことがあるなどと信じられないが、確かに束の間だが気絶していたようだ。
ヴァージニアはとりあえず、急いで身体を起こそうとした。
だが、両手を緊縛されているうえに、全身が気だるくて力が入らない。
すると、ロウが笑いながら、腕を掴んで身体を起こしてくれた。
「さあ、どうぞ……。とりあえず、好きなやり方で口で舐めてください。そして、口で奉仕するんです」
ロウがまだまだ逞しく勃起している怒張を顔の前に突きつけてきた。
ヴァージニアはたじろいでしまった。
「そ、そんなことまで、するのですか……?」
ちょっと怯えた気持ちになり、ヴァージニアは訴えた。
しかし、ロウに逆らうということに、異常なほどの罪悪感を覚えてしまう。
なんだこれ……?
どうして……。
ヴァージニアは自分の感情に戸惑いを覚えた。
「これも調教ですよ。俺はあなたを調教して、あなたをそれを受け入れる。そういう約束でしょう……」
「うっ」
思わず呻いた。
そういえば、そんな話だったのだ。
「いくら俺でも、あなたが屈服するまで、永遠にここに閉じ込めるとか卑怯なことはしません。一連のセックスが終わり、あなたが屈服しなければ、あなたの勝ちです。その代わりに俺が勝てば、俺の奴隷になってもらいます。それとも、勝負を放棄しますか?」
「ほ、放棄などしません……」
慌ててヴァージニアは言った。
正直に言えば、もう勝負などどうでもいい気分になっている。
それよりも、このまま快感の余韻に染まったまま横になりたい気持ちだったが、ここで勝負放棄するのは、ヴァージニア自身を放棄するような気がした。
ロウがヴァージニアに挑み、それがどんなにこちらに不利な状況であっても、勝手に勝負を捨てることはいけないことだと思った。
なによりも、このまま簡単に屈してしまっては、ヴァージニアの自尊心が許さない。
「わかりました。やります……。でも、やり方を教えてください……」
「じゃあ、とりあえず、口に入れて舌で汚れを舐め取ってください。歯は立てないで。それだけ気をつければいいですよ」
歯を立てるなということなので、できるだけ口を開いて口に含む。
「んっ?」
しかし、そっと唇を触れさせただけにも拘わらず、鼻から下腹部に抜けるような身体のざわめきが沸き起こったと思った。
当惑した……。だが、やめるわけにはいかない。
とにかく、息を大きく吸い込んでから、目の前の肉傘に唇を押しつけた。
「んふうっ」
その瞬間、思わず突き抜けた下腹部の疼きに、ヴァージニアは鼻息を大きく鳴らしてしまった。口の中だけでなく、不可思議なぞわぞわ感が全身に拡がっている。
目を閉じて舌を動かす。
だが、喉から恥ずかしいほどの淫情への渇望が噴出して、ヴァージニアはさらに困惑した。
「どうしました? もっと犯して欲しくなりましたか? 出し入れするようにしゃぶってください。口を性器に見立てて、前後に動かすんです。自分が犯して欲しいやり方でね」
正座の体勢で座っているヴァージニアの前に、脚を開いて立つロウが小さく笑いながら言った。
「そ、そんなこと……」
思わず口を離して、ヴァージニアは控えめな抗議をした。
口を前後させるということよりも、自分がやられたいやり方でしろという言い方に反応してしまったのだ。
そんなことを言われると、これからヴァージニアがやる通りに、ロウから犯して欲しいみたいではないか。
「これも調教です……。調教に手を抜くなんて卑怯なことはしませんよね。それも勝負のうちなんですから」
「し、しません……」
仕方なくそう言うしかなかった。
とりあえず、ヴァージニアは再びぐっと奥までロウの肉棒を呑み込んだ。途端に込みあがった昂ぶりに、ヴァージニアは頬が引きつるかと思うくらいに、さらにぐっと奥まで押し込む。
倒錯した快感であることはわかっているが、ヴァージニアはその先にある快感の輝きを途方もなく愛おしいもののように思ってしまった。
意思や理性を、本能がもの凄い力で席巻して覆い潰していくのを感じる。
ヴァージニアは、いまこそわかった。
口の中にあるロウの怒張を、乾いた大地が水を欲するような凄まじい欲求として、ヴァージニアの身体が求めている。
まさに、動物のような本能だ。
もっと蹂躙されたい。
さっきのように……。
いや、もっと激しく乱暴で、理不尽なロウの責めをヴァージニアの心は飢えのように求めている。
「好きなように舐めるんです。本能のままに……。なにも考えず……。ただ求めてください……」
ヴァージニアの心の葛藤を見透かしたように、ロウが声をかけてきた。
その言葉に操られるように、ヴァージニアは一層熱心に、ロウに怒張に喰いついた、
いまや、肉棒の先端は喉の手前にまで達している。
とめられないのだ。
鼻先から漏れる息が不自然にまでに震えている。
頬をすぼめて、一心不乱に顔全体を動かして引きあげては押し込み、押し込んでは引きあげるということを続ける。
いつの間にか、ヴァージニアは夢中になってしまっていた。
また、心の中に新しい自分がいるのをはっきりと知覚する。
なにかが目覚める……。
一瞬一瞬ごとに、自分の身体が変化して、ほかのものに置き換わる……。
なんだろう、これ……?
なに……?
全身が震える。
顔も……。肩も……。胸も……。
とにかく、興奮が収まらない。
「もういいですよ……。とても初めてとは思えませんでした。性奴隷の素質がありますね」
ロウが笑って肩を叩いた。
それで我に返った。
だが、安堵の感情以上に、ヴァージニアは奉仕を中断させられたことに、残念さを覚えてしまった。
「また、犯したくなりました。俺の上に乗ってください」
ロウが胡坐に座る。
はっとした。
また、犯してもらえる……。
自分の身体が悦びの期待で震えるのがわかった。
そう感じてしまうことに、戸惑いを覚えないわけじゃないが、ロウに支配されたいというのは、はっきりとしたヴァージニアの欲求になっていた。
ヴァージニアはロウの上に座らさせられながら、ちらりとロウの股間に眼をやった。
たったいままでヴァージニアがしゃぶりついていた怒張は空を向いている。緊張でごくりと唾を飲んでしまった。
ロウがヴァージニアを立たせる。
次に、ヴァージニアの腰に両手を添えるようにして、ロウの下腹部の上に対面で座らせようとしてきた。
「えっ、は、はい」
縛られているので、支えられないと跨げないのだが、ヴァージニアはロウの導きのままに、ロウを開脚で跨り、怒張の上に女陰を乗せるようにして座っていった、
「あっ、ああっ」
気がつかなかったが、ヴァージニアの股間はべっとりと濡れていた。それはさっきの交合の名残りかもしれないし、異常なほどに興奮してしまった口奉仕により新しく分泌したものかわからなかったが、とにかく、ほとんど抵抗もなく、ヴァージニアはロウの怒張を完全に受け入れてしまった。
「ああっ、あああっ」
ヴァージニアは股間が繋がった瞬間、迸った歓喜に思わず声をあげて身体を震わせてしまった。
気持ちいい……。
二度目の結合は、一度目とは比べものにならないくらいに気持ちよかった。
わからないが、どんどんと変化しているヴァージニアの身体が、ロウとの交合を果てしない快感としてヴァージニアを溺れさせるのだろうと思った。
それにしても、なんだろう、この快感は……。
「さっきと同じです。あなたが気持ちがいいと思うやり方で腰を上下してください。できるはずです。そのように身体を作り変えています」
ロウがヴァージニアを抱くように支えながら、耳元でささやく。
「は、はい……」
確かにこれが人生でまだ三回目のセックスだというのに、ヴァージニアの身体には苦痛の欠片もなかった。あるのは酔うような快感への期待と、いまでも迸る肉の疼きの心地よさだ。
ヴァージニアは大きく脚を左右に開いたあられもない恰好のまま、ロウの手に抱かれながら、緊縛されている身体を上下に動かしていった。
「あっ、ああっ」
ヴァージニアは途方もない快感を覚えて、腰を動かしながら甘い声をあげた。
恥ずかしい……。
でも、とてもやめられない。
身体に拡がっていく快感は、あっという間にヴァージニアを夢心地にさせ、どくどくと拡がる感覚をロウからむさぼるのをやめられない。
果たして自分はどうしてしまったのか……。いや、もういい……。なにがあっても、もういい……。
抽送は二度目よりも、三度目……。三度目よりも四度目と、だんだんと快美感が深くて大きいものになっていく。
「ああ、ど、どうすればいいの──。とまらない、とまらない──」
ヴァージニアは腰を激しく動かしながら吠えるように叫んだ。
これ以上やったら、危険……。
おそらく、自分は取り返しがつかない状態に心を作り変えてしまう。
そう予感する。
だが、身体の気持ちよさが、ヴァージニアに腰をとめることを許さない。
自制しようも、自制などできない。
ロウの怒張がヴァージニアの快感の場所を次々に刺激して、ヴァージニアの理性を溶かす。
「どうすればいいか、答えは出てるじゃないですか。気持ちがいいんでしょう? 認めるんです……。認めた先に最高の快感があるんです。ヴァジーにはもうそれがわかっているはずだ」
「ああ、嘘っ、こんなの嘘──。こんなに気持ちがいいだなんて──。わ、わたしの身体──ああっ、どうしたっていうの──。あああっ」
叫ぶように言って、腰を動かした。
まるで身体を裂かれるような圧倒的な快感だ。
「愉しむんです。あなたの美しい身体を解放して、愉しむんです」
「嘘よ──。わたしは美しくなんてない──。誰もそんなことを言わないわ──。言うはずがない──。そんなことはありえない──。ただの堅物女で、ちっとも面白味のない女なのよ──」
「だったら、現実世界に戻ったらみんなに訊いてみるといい。あなたが美しいか、美しくないかをね」
ロウが笑った。
そして、唇を近づけてくる。
ヴァージニアはロウの口に吸いついた。
「あっ、んふうっ、ほうっ」
いやらしく舌を絡めながら、苦しい息を続ける。
そのあいだも、腰はロウの怒張を上下している。
「セックスは気持ちいいんです。それを認めてください。認めないんですか?」
ロウが口を離して、ヴァージニアの腰を持ち直し、今度はロウがヴァージニアを動かして抽送をはじめた。
「ああ、やめってえっ、き、気持ちいいのおお──」
自分でやるのも気持ちよかったが、ロウが導くと、快感の度合いが桁違いになった。
あっという間に絶頂に向かって愉悦を引きあげられる。
「気持ちいいんですね?」
「き、気持ちいいです──」
ヴァージニアは感極まってきた。
大きな快感がすぐ近くにある。
それははっきりとわかる。
「あああっ、いくうう、いかせてください──」
だが、ロウが腰を上下させながら、顔を左右に振った。
「ここから先の快感は、あなたが屈服しなければ到達しません。いままで味わってきたものは、ほんの序章のようなものです。最高の快感が欲しくないですか? それは屈服の向こう側にあります」
ロウが耳元で言った。
しかし、言葉が頭に入ってこない。
ヴァージニアは絶頂に向かって大きく飛翔しようとした。
腰と腰がぶつかり、全身をがくがくと震わせながら、ヴァージニアは身体を弓なりに反らせて、最高の快感をむさぼろうとした。
「あああ、ああああっ、なにっ、なんなの? なにかおかしいです──。なにかおかしいです──」
ヴァージニアは首を激しく振って叫んだ。
おかしいのだ。
いつまで経っても絶頂感がやって来ない。
昇天するだけの快感ははっきりとあるのに、絶頂感だけが来ない。
女の極みはすぐ目の前にある。
それなのに、絶頂だけがゆっくりと離れ、離れては接近し、ぎりぎりのところでまた離れる。
それを繰り返す。
絶頂ができない。
「あああ、いくううっ、いかせてください──」
ヴァージニアは狂乱した。
「言ったでしょう──。ここから先の最高の快感は屈服の向こうにしかありません。あなたから絶頂感をとりあげてます。屈服しない限り、もう絶頂はできません。さあ、達しようとするのに達することができず、どこまでもせりあがる限界を超えた最高の快感を味わってください」
ロウが腰を動かしながら言った。
ヴァージニアは驚愕した
絶頂をとめる──?
そんなことができるのかどうかわからないが、この男ならそれくらいはやるのかもしれない。
「ひ、ひどい──。そんなのひどいです──。こ、こんなの我慢できません──」
ヴァージニアは腰を動かしながら叫んだ。
一瞬ごとに快感が爆発しそうになる。
それなのに、絶頂できない。
これはまさに性の地獄だった。
「これが調教ですよ……。さて、屈服の向こう側は最高の快感ですよ……。さあ、こちら側に来るんです……。一緒に高みに行きましょう──。屈服の向こう側にこそ、幸せがあります」
「我慢できない──、あああああっ」
ヴァージニアは全身を激しく痙攣させた。
とまらない……。
痙攣がとまらない──。
身体は絶頂をしようとしている……。
いや、とっくにしている。
でも、それがとりあげられているのだ。
「認めるんです──。負けを認めてください──」
ロウが腰を動かしながら乳首を口に含む。
快感が迸る。
だが、いくことができない。
「み、認めます──。く、屈服します──。だ、だから──」
ヴァージニアはついに叫んだ。
なにかが頭で鳴った気がした。
次の瞬間、衝撃が全身を貫いた。
快感というにはあまりにも凄まじい巨大な絶頂の津波だ。
「ああああああっ、ああああっ」
ヴァージニアは咆哮した。
全身がばらばらになったかと思うような絶頂が席巻した。
またもや、頭が白くなり、ヴァージニアは絶頂しながら意識を遠くさせていった。
「歓迎するよ、ヴァージニア……。これであなたも俺たちの仲間です……。これから、もっとセックスをしましょう……。ようこそ、こちら側に……」
ロウが言ったが聞こえた。
ヴァージニアがまたもや薄れゆく意識で感じたのは、屈服を認めたことによる最高の快感だった。
*
ヴァージニアは、ロウに渡されたものを手で持ち、呆然としてしまった。
亜空間の中だ。
ロウと愛し合った時間は、かなりの時間になっていたと思う。
だが、ロウの説明によれば、ヴァージニアがロウにこの場所に導かれてから、一瞬後くらいに戻るのだという。
どういう理屈なのかさっぱりと理解できないが、現実世界と亜空間とは時間の流れは合致せず、そのために、現実世界のどの時間軸に戻るのかは、かなり自在なのだそうだ。
さすがに過去に繋げることはできないが、戻るときには、一瞬後に繋げることもできるし、同じ時間が経過した時間軸に接続することもできる。
まあ、そんな感じなのだそうだ。
とにかく、ここでロウとふたりきりで肉の悦びを極め尽くした時間は、体感時間では二日というところだとロウは説明してくれた。
ヴァージニアよりも先に、同じように亜空間で調教を受けた侍女たちも、同様の時間をここで過ごして、現実世界に戻ったという。
確かに、広間で待っているとき、ヴァージニアは、侍女たちが一瞬しかロウと消えてはいないようにしか感じなかったにも関わらず、それでいて、戻った侍女たちは、完全にセックスに慣れた女となって戻ってきた。
つまりは、こういうことだったのだ。
もっとも、ヴァージニアには、ロウと同じような時間を過ごしたという感覚はない。
ここで果てしなくセックスをして、何度も何度も気絶して意識を失っている。
だから、ロウが二日間といっても、その半分は寝ていたのではないだろうか。
それはともかく、目の前の首輪だ。
戻るにあたって、ロウがいま渡したものだ。
ヴァージニアは素裸だが、ロウはここにやって来たときと同じように、腰に布を巻いている。
それはいいのだが、なぜ首輪なのだろう?
「どういうことですか、ロウ殿? これを嵌める理由はわかりません」
ロウは、ヴァージニアに首輪をしろというのだ。
だが、さすがに動揺は隠せない。
確かに屈服は認めたし、屈服すればロウの性奴隷だという条件も覚えている。
だからといって、首輪など……。
「理由は嵌めてみればわかる。それに、あなたが屈服したことを全員に示す必要がある。それこそ、あなたが首輪に鎖を繋げられて戻れば一目瞭然だ。それとも、今更、賭けに負けたことを覆すんですか?」
「そ、そんなことはありませんけど」
ヴァージニアは溜息をついた。
仕方がない……。
これも、このロウの戯れの範疇なのだろう。
首輪をして裸で戻るなど羞恥以上の何物でもないが、そのロウの鬼畜をヴァージニアは受け入れてしまったのだ。
もう諦めるしかない。
それに、首輪をして全員の前で犬のように扱われる……。
このことにすでに愉悦を感じているヴァージニアがいることも事実だった。
亜空間における二日の時間とやらは、まさに、ヴァージニアを全く別の女に作り変えてしまったらしい。
それでいて、これでいいのだとしか感じない。
まあいいか……。
こんな男もいたのだな。
そう思った。
まったく……。
結局なんという男なのだ……。
だが、完全に征服されてしまったのだという事実が、少しも口惜しさに繋がらない。
それよりも、なんともいえない心の充実感さえ覚える。
これが屈服するということなのだろう……。
「します……」
首輪は大きく割れていて、容易に首に嵌めることはできる。それを首に合わせて閉じればぴったりと喉に貼りつき、今度はロウにしかない不思議な力を込めない限り外れないのだそうだ。
そして、首輪を嵌めた。
苦しくはない。
だが、ぴったりと嵌められた犬の首輪の感触に、なぜかヴァージニアは呼吸を乱してしまっていた。
「素晴らしいね、女官長殿。犬の首輪はこんなに似合う女官はいないかもね。さあ、行きましょう」
ロウが首輪の横にある金具に細い鎖を繋いだ。
「さあ、じゃあ、次は四つん這いです。犬ですからね。二歩足で立つ犬はいない。わかりますね?」
ロウが笑った
ヴァージニアは緊張により口に中に溜まった唾を呑み込んだ。
首輪を嵌めればわかるというロウの言葉が、本当になんとなくわかってきた。
こんなことは屈辱であるはずなのに、その中に存在する未知の領域にわくわくと期待する自分が現われたのだ。
いまは寝台の下にいたが、ヴァージニアは「犬」になって床に四つん這いになった。
素っ裸で……。
これだけのことで、ヴァージニアは愉悦に恍惚となりかけてしまった。
数十年も王宮で働いてきた認められた女官吏──。
そんな肩書が消滅して、一介の犬になるということが、こんなにも興奮することだとは思わなかった。
「犬は膝をつかないよ、ヴァジー」
「くっ、は、はい……」
ヴァージニアは折り曲げていた膝を浮かせる。
恥ずかしい。
膝を立てたことで、濡れてきた秘部がはっきりと後ろから見えるはずだ。
次の瞬間、真っ白かった目の前の景色が急に変化した。
「きゃああ」
「わっ」
「きゃあ──」
その途端に一斉にヴァージニアの周辺で奇声が迸る。
侍女たちの悲鳴だ。
一瞬、身体を起こして身体を隠しそうになったが、必死で我慢した。
ロウに命令されたのだ……。
二日ものあいだ、何度も気を失うほどに犯されれば、さすがにロウに身も心も支配される。
ヴァージニアには、もはやロウに逆らうという選択肢は心に湧いてこない。
「ははは、喧嘩腰のまま消えたけど、結局は、お前もロウに征服されたかい、ヴァージニア?」
そのとき、アネルザの笑い声が部屋に響いた。
顔をあげると、アネルザは床に座ったままだった。アネルザだけでなく、全員が床に腰をつけている。
そういえば、そんな状況から亜空間に移動したのだ。
ふと見ると、イザベラなど、まだスカートさえ直しておらず、スカートをめくりあげたまま、いまだに朦朧として荒い息をしている。
本当に、あのときの一瞬後に戻ったのだと思った。
「あれっ、ちょっと待ちな──? お前、髪型が変わっただけじゃないね──。あれえっ、ロウ殿、またやったのかい──? マアのときといい、こいつといい、見境なく若返らすんじゃないよ──。秘密がばれたらどうするんだい」
アネルザが呆れた口調で言った。
ヴァージニアはそういえば、亜空間の中で一度鏡を見せられたとき、若返るだけでなく、かなりの美人に顔が変わっていたことを思い出した。
もしかしたら、そのままなのか?
「まあいいじゃないか。もともと、ヴァジーは美人だったんだ。ちょっとばかり、
ロウが笑った。
「まったく、お前は……」
アネルザが大きく嘆息した。
自分ではよくわからないが、そんなに見た目が変わったのだろうか……。
「よし、いいよ、ヴァジー。人間に戻るのを許す。だけど、次はこの続きだ。犬になって歩いてもらうからね。これも調教だ」
「わかっています、ロウ殿。負けた以上、言い訳もしませんし、逃げもしません。存分に調教してください」
ヴァージニアはそう言って、一度身体を起こしてぺたりとお尻をつけて胸を隠した。まあ、さっきのように考えてしまうのが、屈服したということなのだろう。
まあいいか……。
犬の首輪を嵌めて、四つん這いになって、全員の前に出る……。
やったのはそれだけだ。
だが、なぜか、ヴァージニアはすっかりと息があがったようになっていた。
「犬の気分になれましたか? まだ序の口ですけどね」
ロウが訊ねた。
そのとき、首輪に繋がっていた鎖が消滅した。
鎖は亜空間に戻したのだろうと思う。
「た、多分……」
ヴァージニアは息を大きく吸ってから言った。
「どんな気分でしか?」
「わ、わかりません……。言葉では言い表せません。と、とても興奮したかもしれません」
「やっぱり、ヴァジーは真面目ですね。とても正直だ」
ロウが笑った。
「これでヴァージニアさんも、わたしたちの仲間ですね……。ところで、ロウ様、わたしは、まだ、お犬になる調教は受けていないですわ。いつかの運動会のときにはみんなでやりましたけど、わたしも、今度お願いしたいです」
すると、スクルズが声をかけてきた。
どうでもいいが、なんという卑猥なことを口にするのだろうと思った。
敬虔で優しいという評判のスクルズに、こんな一面があることも今日初めて知った。
「必ず時間を作るよ。その代わり、きついよ。俺の考えている首輪の散歩がある。さすがのスクルズも泣くと思うけどね」
「愉しみです」
スクルズが満面に笑みを浮かべた。
ヴァージニアもびっくりしたが、周囲の侍女たちもざわめている。
だが、その侍女たちが、だんだんと怪訝な表情でヴァージニアの顔をまじまじと凝視してきた。
次第に、険しい表情になっていく。
「ヴァージニア様……ですよね?」
「間違いないんですね?」
最初に声をかけてきたのはトリアだ。次はセクトという男爵家の娘だ。
ほかの侍女たちも、不思議そうな顔をしている。
「そ、そうよ……。大きなことを言ったけど、わたしもロウ殿には敵わなかったわ。わたしはロウ殿に従うと決めました。あなた方はあなた方で……」
「そんなことはどうでもいいんです──。ロウ様、いまの王妃様の話からすると、ヴァージニア女官長は、ロウ様の能力でこんなにお綺麗になったんですか?」
今度はクアッタという侍女だ。
二十歳になる子爵家の娘で、侍女たちの中では一番のお喋りだ。
「能力は能力だが、俺に抱かれなければ、そうはならない。逆に言えば、俺に抱かれれば抱かれるほど、美しく変わるらしい。あっ、これは秘密厳守な。頼むぞ」
ロウが笑いながら言った。
すると、侍女たちの目が輝いたように見えた。
「そういえば、トリア様やノルエル、オタビア様とダリアも、とても肌がきれいになっている。さっきもちょっと不思議に思ったのよね」
クアッタがトリアが身体に巻いている布をめくるようにしながら言った。
「なにすんのよ──。剥がさないでよ」
トリアが赤い顔をしてクアッタの手を払った。
「あっ、ごめん、つい……」
「なにがついよ。それよりも、あんたも早くロウ様の調教されてきなさいよ」
トリアが大きな声をあげた。
そのときだった。
「ロウ様──」
突如として若い女の声が部屋に響いた。
視線を向けると、美しいエルフ娘がそこにいた。
いや、美しいなんてものじゃない。可愛らしくもあり、どことなく醸し出す淫靡さもある。とにかく絶世の美女だ。
そして、彼女はエリカというロウの冒険者仲間だと思い出した。ロウの愛人でもあるはずだ。
面識はないが、ロウたちは王都では有名な冒険者のパーティであり、すぐにわかった。
だが、改めて近くで見れば、噂通りの美女である。
「なんだ、お前、そんな恰好で……」
ロウが笑った。
そのとおり、エリカはとてもじゃないが、まともではなかった。
まるで、たったいままで性交でもしていたように顔が上気している。
しかも、とても急いで服を身に着けたような感じであり、服装も髪も、かなり乱れている。
よく見れば手首に縄目の痕もあるような……。
「恰好なんてどうでもいいです──。どこに行くにも、ひとりで行かないでとお願いしたじゃないですか──。必ず護衛を連れてください。どうして、起こしてくれなかったんですか──」
エリカがロウのところに寄って来て怒鳴った。
ロウは苦笑して頭をかいている。
「だって、正体なく抱き潰れてたしな……。ところで、シルキーにここだと教えられたのか?」
「そうです。シルキーも叱っておきました。これからは、変な気を使わずに、わたしでも、コゼでもシャングリアでも起こしてください。いいですね──」
エリカがすごい剣幕で怒鳴っている。
ロウは笑いながら、約束すると謝った。
それはともかく、ヴァージニアには、さっきまでヴァージニアはもちろん、王女イザベラも、王妃アネルザも圧倒的に支配してきたロウが、突然にやってきた若いエルフ女にやり込められているのが新鮮だった。
「あのう、このお方は……?」
トリアがおずおずと訊ねた。
ロウがトリアを含めて侍女たちに視線を向ける。
「おう、そうだ──。エリカ、それよりも、理由があって、ここにいる全員を性奴隷にすることに決めた。イザベラ姫様の侍女たちと女官長のヴァージニアだ……。そして、みんな、こっちはエリカだ。俺の一番奴隷だ。さっきも訊ねられたが、俺の精をもらえば貰うほどに女として美しくなる。エリカは俺の一番奴隷で、最も俺の精を与えている。だから、こんなに綺麗だぞ」
「おかしなことを言って、誤魔化さないでください──。わたしは怒っているんですからね。この前も、もう護衛なしで、屋敷を出ないって約束したのに……」
エリカはぷっと頬を膨らませている。
まだ、かなり憤っているみたいだ。
それにしても、確かに美しいエルフ女性だ。
種族として美男美女の多いエルフ族だが、彼女はその中でも図抜けた美貌だろう。
本当に美しい。
「わ、わたし、ロウ様の調教を受けて性奴隷になります」
「わたしも──」
「わたしもなります」
すると、まだロウに抱かれていない侍女たちが一斉にロウに向かって声をあげた。
そのまま、ロウに向かって群がってくる。
「そういうわけだ、エリカ──。お説教は後で受けるよ。いまは、まだ途中だから──。よし、今度は残りの五人全員来い──。たっぷりと精をやる」
ロウがまだ亜空間に連れて行っていない侍女を集めた。
「もう──」
エリカがまだ不満そうに怒った表情で腰に手を当てた。
(第30話『侍女ハレム誕生』終わり)
*
【イザベラ女官団】
前身は「イザベラ侍女団」。
ハロンドール王政期の末期からサタルス帝政期の初頭にかけて、女王としてハロンドール地区を治めたイザベラ王女の女官集団。
鉄の団結と、類いまれな美貌、図抜けた献身で知られる女官の有能集団としてイザベラの治世を支えた。当時の多くの絵画、音楽、演劇などの題材にもなっている。
彼女たちは、イザベラが王太女となる前の不遇時代に集められた下級貴族や階級のない庶民を出身とする侍女集団が前身であり、イザベラが、王太女、次いで、女王、さらに副王となるに従って、多くの優秀な若い女官たちを次々に吸収しながら、後に名高い「後宮官吏」(『サタルス後宮官吏』の項も参照)と称された大女官集団に発展した。
彼女たちは……。
……。
ボルティモア著『万世大辞典』より(ここに再録した引用文はすべてスクルズ記念国際図書館から許可を受けて初版本から抜粋して採録したものである。)
*
“ヴァージニア
人間族、女
イザベラ王女付女官長
年齢40歳
ジョブ
官吏(レベル12⇒40)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男2
淫乱レベル:D⇒A
快感値:300⇒150
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(判断力)”
“トリア(アンジュー=トリア)
人間族、女
イザベラ王女の侍女
アンジュー男爵家次女
年齢18歳
ジョブ
侍女(レベル5⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:B⇒A
快感値:300⇒150
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(観察分析力)
備考
好奇心大”
“ノルエル
人間族、女
イザベラ王女の侍女
年齢16歳
ジョブ
侍女(レベル3⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:A⇒S
快感値:150⇒90
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(発想力)
備考
トリアのねこ、気が弱い”
“オタビア(カロー=オタビア)
人間族、女
イザベラ王女の侍女
カロー子爵家次女
年齢19歳
ジョブ
侍女(レベル4⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:SS
快感値:80
状態
先天性全身性感帯
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(洞察力)
備考
従順1号”
“ダリア
人間族、女
イザベラ王女の侍女
カロー家侍従長の長女
年齢18歳
ジョブ
侍女(レベル7⇒15)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:B⇒A
快感値:450⇒260
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(記憶力)
備考
主人想い、従順2号”
“クアッタ(ゼノン=クアッタ)
人間族、女
イザベラ王女の侍女
ゼノン子爵家次女
年齢20歳
ジョブ
侍女(レベル9⇒15)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:B⇒A
快感値:250⇒190
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(説明力)
備考
お喋り”
“ユニク(ユルエル=ユニク)
人間族、女
イザベラ王女の侍女
ユルエル子爵家次女
年齢22歳
ジョブ
侍女(レベル5⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:A
快感値:170
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(調整力)
備考
甘え上手”
“セクト(セレブ=セクト)
人間族、女
イザベラ王女の侍女
セレブ男爵家次女
年齢22歳
ジョブ
料理(レベル5⇒30)
侍女(レベル4⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:C⇒A
快感値:350⇒200
状態
ロウの性奴隷
淫魔の恩恵
備考
趣味は料理”
“デセル
人間族、女
イザベラ王女の侍女
年齢17歳
ジョブ
侍女(レベル3⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
経験数:男1
淫乱レベル:B⇒A
快感値:300⇒150
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵(教養力)
備考
読書家”
“モロッコ
人間族、女
イザベラ王女の侍女
年齢15歳
ジョブ
戦士(レベル4⇒15)
侍女(レベル3⇒10)
官吏(0⇒レベル20)
生命力:50
攻撃力
10(素手)
100⇒250(剣)
経験数:男1
淫乱レベル:C⇒B
快感値:500⇒300
状態
ロウの性奴隷
淫魔師の恩恵
備考
集団の護衛役”