【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
揺れで頭を思い切り馬車の壁に打った。
「揺れる──。もっと、ゆっくり進め」
キシダインは怒鳴ったが、馭者台で馬車を操る兵からの返事はなかった。
ただ、その代わりに、馭者台の兵が前を進む護送隊の隊長になにかを喋ったのだけは聞こえた。
もっとも、外は結構激しく雨が降っているので、なにを喋ったのかはよく聞こえない。遠くだが雷の音までする。
そして、いつまで経っても、馬車の揺れもそんなに変わりはなかった。
キシダインは舌打ちした。
「お転婆女め──。女のくせに、公爵に対する気の使い方も知らぬ面白みのない女だ。王都にいるあいだに犯してやればよかったな。そうしたら、少しは躾も身についたかもしれん」
護送隊長はシャングリアという女だ。
王都では、お転婆姫と綽名されており、美貌だが男勝りの気の強さで有名な女騎士だ。
騎士のくせに、冒険者ギルドにも属するという変わり者でもあるが、今回は騎士としてキシダインの護送に任じたようだ。
おそらく、これはキシダインに対するイザベラ王女の嫌がらせだと思う。
シャングリアがイザベラと親しい関係というのは、少しは耳にしていた。
ほかの者なら、護送のキシダインに、護送のあいだも手心を与える可能性もある。
だが、男嫌いのシャングリアなら、相手が公爵でも、そんなことはしない。
だから、シャングリアを指名させたのだと思う。
実際、朝から始まっているこの道中は、まるで市井の罪人扱いの手酷いものだ。
この馬車だって、椅子に布一枚敷いていない木のままの硬い座席であり、窓や馭者台との間には、しっかりと鉄格子が嵌まっている。
キシダインには、それが面白くなかった。
「旦那様、落ち着きなさいませ。ここは、辛抱しましょう。命が残っただけでも見つけものです。流刑地で再起を図りましょう。私もいろいろと探っておりますので」
馬車の中でキシダインと向かい合うように座っている執事のモルドが言った。
この男は、監禁されていた塔の中で、すでに死んだと聞かされていたが、どうやら、それは誤りだったようだ。
キシダインが、アルバナの流刑地送りになるにあたって、唯一のキシダインの随行者として、同じ馬車に乗せられてきた。
ただし、キシダインとは違って、両手首に手枷を付けられている。
しかも、後手にだ。
どうやら、キシダインは、公爵という身分のために拘束こそされなかったが、執事にすぎないモルドには容赦などないようだ。
今日はまだ行程の初日ではあるが、モルドの拘束はアルバナに到着する予定の五日後まで、そのままなのだそうだ。
汁と黒パンと干し肉を与えられた食事にしても、キシダインは一応は木製のフォークを渡されたが、モルドは、それを地面に置かれて犬のように、口だけで食べさせられていた。
「再起か……。ところで、冥王の連中とは連絡がつかんのか……?」
キシダインは声をひそめて言った。
冥王の連中というのは、パリスとかいうローム人の仲間のことであり、キシダインにも深くは知らされてはいないのだが、魔族に関わる拠点をハロルド王都に作りたいということで、人手を介してキシダインに近づいてきた。
もちろん、魔族は認めるわけにはいかないが、多額の賂を渡してきたし、ロームに関わる商いの利権も準備してきた。
それで、利用できる分は利用してやろうと思って、目こぼしをして泳がせていたのだ。
そのうちに、目に余るものになれば、一網打尽で潰してしまえばいい。
そう思っていた。
だが、こうなったら、その連中に頼るしかないのかもしれない。
魔族でもなんでも、パリスのところには、力の強い不思議な連中が揃っていることは確かなのだ。
先日、王都を襲ったクライドとかいう男も、冒険者ギルドに排除されたとはいえ、なかなかに使えそうな男だった。
なぜか不意に行方不明になってしまったボニーという女も不思議な術を使ったし、そういう者を数名再び送ってくれれば、こんな少人数の護送隊など、簡単に制圧できるのだ。
あるいは、そいつらを流刑地に送ってもらえれば……。
「いくつか手は打ってみましたがね。どうにも、連絡がつきませんので……。例えば……」
モルドは数名の名を挙げた。
しかし、その名は、あのクライド事件のあとで、すでに捕縛されたり、突然に姿が消えたことを知っている連中ばかりだった。
クライド事件の被害を受けた冒険者ギルドと神殿が結託して、犯人狩りをした結果だと承知しているが、キシダイン本人に影響を及ぼさなければ、冥王の連中の力がハロルドから弱まるのは、むしろ望ましいので、対処はしなかった。
だが、モルドは、それを知っているはずだ。
なぜ、そんな使いものにならなくなっている連中の名を挙げるのだろう。
「うるさい。そいつらはもう使えんだろう。なにを喋っておる」
キシダインは声をあげた。
しかし、大きな声になりかけたことに気がついて、慌てて口をつぐんだ。
だが、雨足も雷の音もさらに激しくなっている。
馬車の中の会話など、馭者に聞こえることもないだろう。
「……ですから、私の知らない連中の手の者が他にもいるのではないかと思ってですね……。閣下、なにか思い出すことはないですか?」
モルドは探るようなことを言った。
キシダインは、お前が知らん者を俺が知っているわけなどないだろうと跳ねつけた。
しかし、モルドは、それからも、のらりくらりと、キシダインが知っている冥王の手の者が他にもいるはずだから、なんとか思い出してくれと、繰り返し迫ってきた。
キシダインは、頭を振り絞って数名の名を挙げたが、それだけだ。
最後には、このモルドに対して苛つきを覚えてしまい、口を開くのをやめた。
すると、モルドがすっと背筋を伸ばした気がした。
「……どうやら、本当に聞きだせることは、他にはないようね。冥王の関係者については、少なくともハロルドからは処置が終わっているようだということがわかったわ。そうでないとしても、もうあんたは知らないわね。これで、ご主人様も喜ぶかな……。きっとご褒美をくれるわね」
モルドの口から小さな針のようなものが噴き出したと思った。
首がちくりと傷んだ。
それが最後の知覚だった。その直後、猛烈な睡魔に襲われて、キシダインは意識を失ってしまった。
*
波の音がした。
キシダインは眼を開いた。
視界に映ったのは、砂地の地面だ。少し先に岩場があり、そこに小舟が縄で繋げてあった。岩場については、大きな水面になっていて、ずっと先まで水が続いている。
周りは燭台で明るかったが、どうやら、ここは洞窟の中の水辺のようだ。
つまり、ここは湖面に面する洞窟の中なのだ。
だが、なんで……?
どうして、こんなところにいるのだろう……?
それにしても、異常に視界が低い。
まるで、地面すれすれにいるような……。
「な、なんだ、これは──?」
そして、キシダインは絶叫した。
自分がどういう状況なのか、やっとわかったからだ。
キシダインは、砂地の洞窟の中に顔だけを出して埋められていたのだ。
身体は縦になっていて、手も足も完全に地面の中だ。
身動きひとつできない。
キシダインは悲鳴をあげ続けた。
「おう、やっと、意識を戻したな。気分はどうだ? あんたを雷に当てて殺すという面倒なクエストでな。スクルズまで動員して、結構手間がかかったんだぞ。雷の演出までやってな。だが、シャングリアもスクルズもうまくやった。あらかじめ、黒焦げになった屍骸とあんたの身体を兵に気がつかれないようにやった入れ替えも完璧だった。あんたの入っていた馬車が雨の中で雷に当たって崖から落ちたというのは、誰にも疑いようもない」
目の前に黒髪の男が現われた。
地面に埋められているキシダインを見下ろすように微笑んでいる。
その横には、後ろ手錠を嵌めている黒髪の小柄な可愛らしい顔をした女もいる。なぜか、モルドの服装をしていて、衣服はぶかぶかで裾を折り曲げて着ていた
男の反対側の横には、金髪のエルフ女の美女もいる。
その三人はキシダインの顔の反対側から回り込んできたのだ。
よくわからないが、後ろには、さらに人がいる気配もする。
しかし、首を回すことのできないキシダインには、それを確認することができなかった。
いずれにしても、この状況だ──。
これはなんなのだ──?
この男は、なにを喋ったのだ?
スクルズの名も出した気がしたが、まったく意味がわからない。
さらに、キシダインのことを、雷に当たって死んだとか口にした?
だが、自分は生きている。
もっとも、顔だけ外に出して、土に埋められているという異常な状況でだが……。
「なにを言っているか、わからん──。とにかく、俺をここから出せ。話はそれからだ」
キシダインが喚いた。
すると、男が声をあげて笑い出した。
「あんた、面白いな。心の底から貴族意識が強いんだな。普通、そんな状況なら、泣いて命乞いをするだろう。それなのに、俺に命令するのか」
男は笑い続けた。
その両横にいるふたりの女も苦笑している。
キシダインはますます苛ついてきた。
「いいから、ここから出さんか。俺のことを知っておるのか? 俺は公爵だぞ。貴族だ。早く、ここから出せ」
もう一度、言った。
今度は男は返事をしなかった。
その代わりに、モルドの服を着ている女が男に顔を向けた。
「それよりも、ご主人様、どうして、これを外してもらえないんですか? もう、モルドの役目は終わったんですから、いい加減に外してください。もうすぐ朝になりますよ」
女が後手の腕を揺するようにして、顔を男に向けた。その顔は不満そうに頬が膨らんでいる。
「まあ、そう言うなよ。俺が女を拘束した方が興奮することは知っているだろう。だから、ずっと可愛がってやったじゃないか。それに、そんな風にぶかぶかの服を着られると、まるで子供を襲っているようで興奮するんだ」
驚いたことに、その男はいきなり、そのモルドの服を着ている小柄な美人を抱き寄せると、ズボンの中に上から手を突っ込んで股間で動かし始めた。
「あ、あんっ、ご、ご主人様……。いやんっ、ああっ」
男が目の前でその女の股を愛撫し始めたのは明らかだ。だが、横の美女もそれに対して、奇異の表情をすることもない。まるで、珍しくもないことのように苦笑のような顔をしただけだ。
また、その当の女にしても、後手に拘束をされていて、手で抵抗できないとしても、そんなに逃げる素振りもない。
男の突然の仕打ちに、むしろ喜んでいるみたいな気配だ。
「とにかく、今回の最大功績はお前だ、コゼ。お前の演技力のおかげで、このキシダインを暴発させることができた。護送馬車の中でもご苦労さんだったな。屋敷に帰ったら、いや、それまでも、また抱くけど、これはおまけだ」
男が女のズボンに入れている手の動きが素早くなる。
もう女はまともに立っていられない感じであり、男の胸に身体と顔を預けるようにしてもたれかかっている。
男はその女の肩を抱いて支えながら、さらに手を早く動かした。
キシダインはその淫らな光景を唖然として、見上げている。
しかし、股間にちょっと痛みが走る。
首から下はしっかりと土で埋もれているので、勃起しようとしている性器が土で圧迫されて痛いのだ。
キシダインは顔をしかめてしまった。
だが、目の前の男女はまったく頓着する様子がない。
キシダインなどいないかのように、淫らな行為を続けている。
「んふうううっ、あああっ」
そして、小柄な女が身体をがくがくと震わせて、背筋をぴんと伸ばす仕草をした。
達したようだ。
キシダインは唖然として、見守ってしまった。
「まあ、コゼの演技力が随一だというのは認めるな。だが、演技といえば、ロウの演技も見事だったそうじゃないか。わたしも見たかったな。ロウの国王姿」
背後で別の女の声がした。
やはり、後ろにも、目の前の男女三人のほかに人がいるのだと悟った。
しかし、声に聞き覚えがある。
そして、すぐに、シャングリアではないかと思った。
護送中に声を聴いていたので、声に記憶があった。
「まて、お前、シャングリアか──? そうなのだな。お前がここに俺を連れてきたのか──」
怒鳴った。
キシダインの護送を担任していたのはシャングリアだ。
それにもかかわらず、キシダインの護送を中断して、こんなところにいるのは、シャングリアの仕業に決まっている。
「そうなのよ、シャングリア──。すっごい、かっこよかったの──。本当に、本当に、かっこよかったわ。わたしもびっくりしたの──。そしてね……」
急に興奮したように話しだしたのは、目の前の女のうちのもうひとりのエルフ女だ。大変な美女だが、それに似つかわしくない無邪気そうな笑顔で元気に語りだした。
いずれにしても、こいつらがキシダインをまるで無視して話をするのが気に入らない。
そんなことは、キシダインの人生でなかったことだ。
キシダインを無視できる者など、この世界のどこにもいないのだ。
「返事をせんか──。後ろにいるのはシャングリアだな? なぜ、俺をここに連れてきた? ちゃんと説明しろ──」
キシダインは喚いた。
ところが、女もそうだし、男もまったくキシダインを見ない。まるで、存在しないかのように振る舞っている。
一方で、男は苦笑のような表情を浮かべた。
向けているのは、まだ、男の演技力とか、王の振舞いとかを延々と語り続けているエルフ女にだ。
なんの話かもわからない。
「エリカ、アネルザに言いふらすなと釘を刺されたんだろう? 王に化ければ、それだけで理由の如何を問わずに、問答無用の死刑だそうだぞ。秘密だと言っただろう。どうやら、みんなが知っていたのは、お前のせいだな?」
男が笑った
すると、エルフ女が顔を赤くした。
「だ、だって……。すごく、素敵で……。仲間内なら、いいかなあと思って……。でも、そうですね。もう言いません」
エルフ女がちょっとしょげたようになった。
「はあ、はあ……。もう遅いわね……。じゃあ、罰として、エリカは屋敷に戻っても、ご主人様のお情けはなしね。それに、ひとりだけ、近衛兵に扮して、ご主人様の雄姿を見れただなんて狡いし……」
まだ男のもたれかかったままの小柄な女がくすくすと笑った。
すると、エルフ女の顔が真っ赤になり、小柄な女を睨んだ。
「い、いいじゃないのよ──。アネルザ様が謁見の間に入らせてくれたんだから──。それに、あんただって、ちょっと話したら、根掘り葉掘り聞いたじゃないのよ──。なんで、わたしだけお情け無しなのよ──」
「ご主人様、エリカは秘密だっていいながら、あたしとシャングリアに無理矢理に秘密を喋ったんですよ。これは罰として、三日間はあたしたちがご主人様に愛されるのを見物するだけの罰ですね」
小柄な女が
「変なことをロウ様に言わないで──」
エルフ女が絶叫した。
ロウ……?
この男はロウというのか……。
なんとなく、聞き覚えがあるような、ないような……。
いずれにしても、この男には面識はない。
とにかく、こいつは誰なんだ──。
キシダインは腹が煮え返ってきた。
「いいから、答えんか──。お前は誰だ──。そして、俺をどうして、こんな目に遭わせている──。さっさと説明せんと容赦はせんぞ──」
ありったけの力で叫んだ。
やっと、目の前の男女がキシダインに視線を向けた。
だが、ちょっと驚いたような顔をしている。
「驚きました、ご主人様。なんか、こいつ生意気で嫌いです。もう行きましょうよ。いつまでも、ここにいる理由はないし」
むっとしたような顔で言ったのは、小柄な女だ。確か、ほかの者はコゼと呼んでいたか?
「まあ、そう言うなよ、コゼ……。こんな男でも、死ぬとなれば、慈悲でもかけたくなるだろうさ。死ぬ前に目の保養くらいはさせてやろうぜ……」
男……つまり、ロウがコゼと呼んだ女の身体を回して、後ろから抱くような格好にした。そして、身体を押しながらキシダイン側に向けさせ、コゼの背後から腰に手を回した。
「ちょ、ちょっと、ご主人様──。な、なにをするんですか──」
コゼが顔を真っ赤にして、腰を左右に動かして男の両手を振りほどこうとしている。
驚いたことに、男は後ろ手錠で抵抗できないコゼのズボンに手を伸ばして、それを脱がそうとしているのだ。
もっとも、やはり、コゼの抵抗も小さい。
今度も、コゼが本気で嫌がっているわけじゃないことは明白だ。
あっという間に、コゼはキシダインの目の前で、ズボンを脱がされて、下半身がすっぽんぽんになった。下着は最初から身に着けていなかった。
さっき達したばかりの蜜の糸を引いている女の股間がキシダインの真上に曝け出される。
しかも、ロウがコゼの足を開かせて、立ったまま前屈みの体勢にさせた。
開かせた脚は、キシダインの顔のすぐ前だ。
「ほら、エリカ、コゼの身体を支えてやれ」
ロウが笑いながら言った。
そのあいだも、男の手は後ろからコゼの股間をまさぐり、服の上から乳房をくすぐるように動いている。
「あっ、ああっ、も、もう……。さ、さっきもやりましたし……」
コゼが激しく悶えだす。
「さっきもやったし、いまもするんだ。今日は寝られると思うなよ。帰りの馬車の中でもずっと相手をしてもらうからな。のびのびになっていたコゼの日の始まりだ。睡眠も食事も風呂も、なにもかも、俺に抱かれながらやってもらうぞ、もちろん糞尿もね。だから、手なんかいらん。例えば、顔でも痒くなったら、俺に言え。俺が代わりに掻いてやる」
「あっ、ああっ、う、嬉しいですけど……。あ、あああっ、あああああっ」
コゼの身悶えがどんどん大きくなる。
キシダインは呆然と、コゼの股間を見あげていたが、その股間が男の指で弄られて、あっという間に滴るほどの蜜を帯びてきた。
コゼが異常なほどに濡れやすい性質なのか、男が希代の色事師なのかは知らないが、とにかく、キシダインは驚くしかなかった。
いずれにしても、コゼの股間はキシダインの顔のほぼ真上にある。
「ロウ様も悪趣味ですね……」
さっきエリカと呼ばれたエルフ女が、男に命じられたとおりに、コゼの身体を前から支える場所に来た。
すると、位置的にエリカというエルフ女は、キシダインの顔を跨がなければならず、エリカは実際にキシダインの顔の真上に立って、前屈みのコゼの肩をしっかりと抱く体勢になる。
そのエリカのスカートは短いので、顔を向ければ、エリカの下着が下から見える感じだ。
その白い下着の股間の部分に、少しずつ丸い染みが拡がっているのまではっきりと見える。
なにしろ、ちょうどキシダインがよく見えるように、キシダインの両脇に燭台が置かれてもいるのだ。
「い、いい加減にせよ。と、とにかく、土から出せ──。お前はロウというんだな──。もう覚えたぞ──。こんなことをして大変なことになるぞ。俺は公爵なのだ。お前だけじゃない。お前の家族、親類縁者──。交友関係に至るまですべてを破滅させる──。それだけの力を俺は持っておるのだ──」
キシダインは必死に叫んだ。
すると、ロウはコゼを後ろから弄びながら、ひょいと顔を出す。
「わかっているよ、公爵閣下。だから、死ぬ前に、せめて最後の絶景を拝ませてやろうとしているんじゃないか。もうわかったと思うけど、俺はクエストであんたを殺す依頼を受けた。だから、俺はあんたを雷に当たって、護送中に死んだように見せかける細工をしたんだ。あんたは死人だ。少なくとも、もう死んだことになっている」
ロウが言った。
キシダインは耳を疑った。
もう死んでいる?
死んだように見せかけた?
クエスト──?
「お、お前は冒険者か? 冒険者ふぜいが俺に手を掛けられると思っておるのか──」
キシダインは声をあげた。
よりにもよって、たかが冒険者がキシダインを殺すなどというのは不敬もいいところだ。
まったくおこがましい──。
ロウがにっこりと微笑む。
「……あんたは本当に愉快な男だな……。いずれにしても、あんたみたいな男は、わけもわからず死んだんじゃあ、許せない。それで本物のあんたをこんな場所まで連れてきて、生れたのを後悔させながら、じわじわと殺すことにしたんだ。ここは、舟じゃないと来れない湖面に面する洞窟だ。悲鳴はあげ放題だ。万が一にも、悲鳴が陸地に届くことはない。とにかく、ゆっくりと死ね──。その代わり、俺の女たちがよがる光景をたっぷりと見せつけてやるからな」
ロウという男からズボンと下着が消滅した。突然に消えたのだ。魔道か? そんな魔道は見たことないが……。
コゼの股間に後ろから怒張を押し当てて、一気に沈める仕草をした。
「ふううっ」
コゼが身体を弓なりにして、小さくない悲鳴を洩らす。
ロウの抽送が始まる。
ねっとりした蜜が結合部から怒張が引き出されるとともに、溢れるように糸を引いている。
なにしろ、ここからは結合部まではっきりと見えるのだ。
「はああ、ご、ご主人様、な、なんでもいいです──。どんな風に抱かれても、ご主人様に抱かれれば、コゼは幸せです──」
コゼが突かれながら感極まったように叫んだ。
すぐに、ロウの挿入を受けている股間の蜜はとめどのないものになった。
早くもコゼは、腰と脚を小刻みに震わせ始め、絶頂の兆しを示し始めている。
「はう、ああ、はうっ、はっ、あっ、ああ……」
淫靡な水音とコゼの声が洞窟に響き渡る。
それが、しばらく続いた。
「んぐううっ、ご、ご主人様、いきます──」
「おう、いけ」
「あ、ありがとうございいます──。いぐうううっ」
やがて、コゼがエリカに支えられている背筋をぴんと伸ばして弓なりにした。
その全身が大きくがくがくと痙攣する。
「キシダイン、見てるか? いいものだな。心の通じ合っている女を抱くというのは──。気持ちいいぞ。もう、お前にはできないことだな。せめて、土の中で一物を勃起させて大きくしろ」
ロウが腰を前後に動かしながら笑った。
キシダインは顔をしかめた。
さっきからそうなのだが、実際に、地面の中のキシダインの股間は大きくなろうとして、膨らみを大きくしていて本当に痛い。
「さあ、終わりだ、コゼ。じゃあ、次だ」
ロウが一物をコゼの股間から出して、ぽんとその尻を軽く叩いたと思った。
その直後、急にコゼが金切り声をあげた。
「ひいいっ、いやあ、ご、ご主人様、悪戯はやめてください」
コゼが絶叫して、ロウが離れた脚を閉じようとする。
しかし、ロウが笑いながら、コゼをさらに前に押して、完全にコゼがキシダインの顔を跨ぐ位置に変えた。
コゼが足を閉じられなくなっている。
「どうしたんです、ロウ様?」
コゼとロウが前に移動するのに合わせて、後ろに下がったエリカが不思議そうな声を出した。
「コゼの膀胱をいっぱいにした。この男に小便でもかけてやろうと思ってな」
ロウが言った。
小便──?
キシダインは眉をひそめた。
「ああ、そういうことですか……。じゃあ、コゼ、頑張ってね」
エリカの手が移動して、コゼの脇に伸びたのがわかった。
すると、コゼがさらに悲鳴をあげた。
エリカはコゼの脇をくすぐり始めたようだ。
「わああ、わあっ、あ、あんた、自分じゃないからって、エリカ……。い、いつも、ご主人様の悪趣味にはいやな顔をするくせに……。ひいいっ、や、やめて、く、くすぐらないで──。や、やあああっ」
コゼが暴れている。
しかし、前後をロウとエリカに抱えられては、逃げることもできない。
やがて、しゅっという音とともに、コゼの股間から尿の迸りがキシダインの顔めがけて落ちてきた。
「うわっ、ぱっ、ぷわっ、や、やめっ……」
キシダインは声をあげて逃げようとしたが、顔だけ出されている状況ではそれも不可能だ。
容赦なくコゼの放尿は、キシダインの顔に当たり続ける。
しばらく続いて、やっと尿が終わる。
ロウから離されたコゼは逃げるように、キシダインの顔の前からいなくなった。
「そらっ、俺の小便もかけてやる──」
今度はロウがキシダインの顔めがけて小便をしてきた。
キシダインは悲鳴をあげた。
「うわっ」
「思い知れ、悪党め──」
キシダインに小便をかけながら、ロウが憎々し気な口調で言った。
「ぷわっ、くっ、や、やめっ、んんっ」
文句を言おうとしたら、その開いた口をめがけてロウが小便をかけてくる。図らずもちょっと口に入ってしまい、慌てて口をつぐむ。
そして、そのロウもやっと排尿を終え、下半身を露出したまま横に移動していく
「……さあ、次はアン様とノヴァの番ですよ。おふたりも、こいつの顔に小便をかけてやってください。それとも、土でも食わせてやりますか? 好きなことをしていいですよ」
ロウが顔をあげて、キシダインの後ろに向かって声をかけた。
アン──?
ノヴァ──?
キシダインは驚いてしまった。