【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
平服を着ているアンとノヴァが、一郎の命令でキシダインの視界に入る側にやって来た。
このふたりは、一郎たちがキシダインの目の前で、嬲るように痴態を演じているのを困惑の表情で見守っていたのだ。
実際のところ、一郎の感じるふたりの感情も「複雑」そのものの状態だ。
いまも、守るように横にいたシャングリアに促されて、キシダインの前に、おどおどした感じでやって来た。
そのとき、アンの姿を見たキシダインの形相が一変した。
顔を真っ赤にして、激しい怒りを露わにしたのだ。
「アン、お前は自分のしていることがわかっているのであろうな──。やっとわかった。この冒険者の連中は、お前が雇ったのだな。さかりのついた雌の分際で、一人前に俺への復讐のつもりか──。この売女が──。すぐに俺をこいつらから解放させろ。さもなければ、殺すぞ──。そこのノヴァをだ。およそ、考えられる限りの凌辱をした挙句に寸刻みに切り刻んで殺す。さっさと出せ──。雌豚──」
キシダインが喚き散らし始めた。
一郎はかっとなった。
いずれにしても、アンが登場したことで、この男は、どうやらキシダインを捕まえて、拷問まがいのことをして殺そうとしている首謀者がアンだと思い込んだらしい。
だから、いきなり、感情的に怒り出したのだろう。
考えてみれば、貴族意識の高いこのキシダインにとっては、一郎たちは、人として存在していない「虫けら」のようなものだ。
だが、アンは違う。
キシダインの価値観の中では、虫けらである一郎たちが主導的にキシダインに手をかけるをいうのはあり得ることではなく、アンが復讐のために、一郎たちを雇ったのだという図式ができあがったに違いない。
とにかく、少し黙らせてやろう……。
一郎は、一歩前に進み出た。
そのときだった……。
誰かの大きな恐怖の感情が一郎の中に流れ込んできたのだ。
それはアンだった。
キシダインに罵られたアンが、顔を真っ蒼にして、ぶるぶると震えだしたのだ。
しかも、あんなに顔を白くしているのに、地面に汗が落ちるくらいに、顔から汗をかき始めた。
「いかん」
一郎は、とっさにアンを引き寄せて抱き締めた。
キシダインから、二年にわたり染み込まされた恐怖心は、思った以上にアンの心を蝕んでいたようだ。
こんなに無力化しているキシダインなのに、怒鳴られたことで、アンはパニック状態になりかけている。
一郎は、アンの感情の中に侵入して、膨れあがった恐怖を抑え、その代わりに、一郎に対する愛情の気持ちを増幅する。
すると、すっとアンの心に「安心」と「安堵」の感情が拡がったのがわかった。
一郎はほっとした。
アンの心の動揺が小さくなり、落ち着きを取り戻したからだ。
その証拠に、一郎の腕の中にいるアンの身体も、すっと柔らかい感じになった。
「あっ」
一郎に力強く抱きすくめられたアンが少し当惑したように反応した。
そういえば、一郎は下半身はなにも身に着けていない状態だった。コゼを抱くために亜空間に一時的に収納して、そのままだったのだ。
それで剥き出しの一郎の一物がアンに押しつけられたようなかたちになったため、アンが戸惑いの声をあげたのだ。
一郎は面白いから、わざと一物を大きく勃起させた。
「あ、ああ……そ、そんな……」
アンがたったいまとは一転して、別の意味で、もじもじと落ち着きなく動き始める。
一郎は、大きくなった股間をさらにアンの腹に押しつけるようにしてやった。
アンがますます恥ずかしそうに身を捩る。
「な、なにをしておる──? お、お前、まさか、その平民と? はっ、呆れた雌だな。まあ、確かに、お前のような雌は、そのような下賤の男が相応しいのかもしれんな。所詮は、なんの能力もない片輪女だしな」
突然にキシダインの高笑いが足元から響いた。
そういえば、こいつがいたんだ……。
一瞬、存在を忘れていた一郎は思い出した。
「誰が片輪女だ──。人の心を持ち合わせていない、お前こそ、片輪だ──」
そのとき、突如、ノヴァが絶叫すると、力の限りキシダインの顔を踏んづけた。
「ふぎいっ」
キシダインがまるで豚の鳴き声のような音を出して鼻血を噴き出させる。
さらに、ノヴァがキシダインを蹴る。
そして、また蹴る──。
ノヴァから常軌を逸したような怒りの感情が流れてきた。
これは、制御を失ったさっきのアンの感情と同じだ。
アンの反応は、キシダインに対して「恐怖」のパニックだったが、ノヴァはどうにもならない「怒り」のパニックだ。
「こいつめ、こいつ──。あ、あたしの友達を──。仲間を──。しかも、姫様を侮辱して──。お前なんか、お前なんか──」
ノヴァが狂ったようにキシダインの顔を蹴り続ける。
キシダインの鼻は潰れ、鼻と口から血が出た。
それでも、ノヴァはキシダインを蹴るのをやめない。
「ノ、ノヴァ」
アンが一郎の腕の中から飛び出すと、心配そうにノヴァの肩を掴んだ。
キシダインへの暴力の発作を収めたノヴァが、アンに抱きついて号泣し始める。
一郎は抱き合っているふたりごと抱くと、今度はノヴァの感情を制御してやる。
ノヴァの興奮も、すっと収まっていくのを感じた。
「もう、我慢できないわ」
「あたしもよ。やってやってよ、エリカ」
そのとき、横で待っている感じだったエリカとコゼが同時に声をあげた。
コゼは後手に手錠をかけたままだったので、ふたりを代表するようにエリカが前に進み出る。
そして、ノヴァに蹴りまくられて、ぐったりとしているキシダインの前にやって来た。
エリカが剣を抜く。
「ぎゃあああ」
キシダインが絶叫して、顔の横から血が噴き出た。
エリカがキシダインの片耳を切り落としたのだ。
「今度、口を開いたら、口の中に剣を突っ込むわよ」
エリカが怒鳴った。
一郎は苦笑した。
一方で、アンとノヴァは、一郎の腕の中で目を丸くしている。
一郎は、ふたりから手を離すとともに、忘れていたコゼの拘束を淫魔術で解いた。
また、亜空間からコゼの本来の服を出してやった。コゼが身支度を始める。
一郎はアンとノヴァのところに戻った。
「……さて、じゃあ、ふたりに命令です。この馬鹿に小便をかけるんです。とりあえず、下を全部脱ぎましょうか。俺と同じように、下半身すっぽんぽんになってください」
ふたりが「ええっ」と同時に声をあげた。
だが、一郎が微笑みつつ、ふたりを促す声をさらにかけると、ふたりは顔を真っ赤にしながらも、それぞれのスカートに手をかけた。
「待ってください。ふたりへの言いつけを忘れたんですか? おふたりには、なにからなにまで、お互いにやり合いっこをするように命じたはずですよ。服を脱ぐのはもちろん……、顔を拭く、歯を磨く、身体を洗う、大便の後でお尻を拭くことさえも、自分ではなく、相手にやってもらうように命令しましたよね。まさか、俺がいないときには、命令に従っていないんじゃないでしょうねえ──」
一郎はわざと強い口調で言った。
アンとノヴァが第三神殿に移ったのは、まだ十日余りだが、一郎は、キシダイン派の処置をアネルザとともにやる傍ら、毎日ふたりのいる第三神殿に行っては、徹底的に犯して快楽漬けにしていた。キシダインの宮廷裁判準備で時間も限られていたものの、その分は亜空間も駆使して、実質的にはさらに長い調教を施している。
そして、それ以外でも余計なことを考えられないように、お互いの世話を徹底的にやり合うように強要していた。
ふたりが健気に、一郎の意地悪な命令に諾々と従っていたのは十分にわかっている。
「そ、そんな。ちゃんとやっておりました。本当です」
「そうです。恥ずかしかったですが、本当にご命令を守っておりました」
ふたりが揃って慌てたように声をあげた。
一郎は内心でほくそ笑んだ。
夢中で言い訳を始めたことで、ふたりの心からキシダインのことが消滅したのがわかったからだ。
意地悪な物言いをしたのは演技だ。
悪いが、ふたりの痛めつけられて極端に不安定だった心を平静に保つために、ふたりには一郎に対する一途な恋心を作らせてもらった。
それをふたりの心の治療に変えたのだ。
一郎がふたりを保護したとき、ふたりは長く虐げられた生活のために、前の世界でいう、いわゆる「心的外傷後ストレス障害」、つまり、「PTSD」の状態になっていた。別段、一郎は医者ではないが、保持している魔眼の能力と、前の世界で覚えていた多少の知識でそれがわかったのだ。
その治療は、一郎のやり方で行った。
ふたりの心の傷ついた部分を、一郎を慕う気持ちと、なによりもお互いに向かっている強い恋愛心に置き換えてやったのだ。快楽という一郎の施す特効薬とともに……。
そもそも、アンとノヴァは、キシダインから救ってくれた一郎に対する特別の感情が存在していた。
そのふたりに、一郎のことをなくてはならない存在にするのは、難しいことではなかった。
すでにふたりとも、もう一郎の命令に逆らえない状態になっている。
また、そのアンとノヴァのふたりのお互いの百合の関係をさらに助長するために、生活に関する一切の行為をお互いにやり合えと指示していた。
すべてにわたってだ。
もっとも、これについては、アンはともかく、ノヴァが強い戸惑いを示した。
侍女としてアンの世話をしているノヴァには、アンの世話をするのは慣れているが、逆にアンに世話をされることはないからだ。
しかし、一郎は絶対にそうしろと厳命した。
アンとノヴァについては、お互いに魅かれ合っているふたりごと、一郎は愛するつもりだ。
それが一番、ふたりの心を安定させることがわかってきている。
「ただ、いまは、皆さんの前だったので……」
アンがさらに、当惑したように言った。
「言い訳無用です。罰として、しばらく、おふたりの服は下だけでなく、上も没収します。この場で素っ裸になってください」
一郎に叱られるかたちになったアンとノヴァは、少し項垂れたような感じで、今度はお互いの服を脱がせっこをし始める。
アンとノヴァが相手の衣服を脱がせるたびに、手を伸ばして取りあげ、亜空間に隠していく。
あっという間に、ふたりは生まれたままの姿になった。
いずれにしても、いま、この瞬間は、アンとノヴァの心には、キシダインの存在はほとんど占めていない。
あるのは、一郎のことと、お互いのこと、そして、一郎の性奴隷仲間であるエリカたちのことだけだ。
キシダインについては、まるで路傍の石のように気にならない存在になっている。
一郎がふたりの心に触れて、そう促しているのだ。
一方で、ノヴァの蹴りとエリカの耳削ぎで憔悴しているキシダインは、アンが唯々諾々と一郎に従っている光景に当惑しているようだ。
それほどの威圧も与えていないように思える一郎に対し、アンが積極的に服従しようとしている態度が、どうにもキシダインには理解できないのだろう。
この男は、これまで、ほとんど他人というものに向き合うことなく生きていた。
アンが本当はどんな性質なのかなどというのは考えたこともなかっだろうし、ましてや、侍女のノヴァは、キシダインにとっては存在していないのも同じのはずだ。
腹心のはずの執事のモルドに対してでさえそうだ。
コゼの演技がうまいとはいえ、入れ替わっていることに、まるで気がつかなかった。
心を理解するという能力が、この男には欠如している。
だから、王族であるアンが、同じ王族のキシダインよりも、名もない一郎に惹かれているように見えるのが、この男にとって理解の外なのだ。
「さあ、小便です。そこにある首は、岩ころとでも思ってください。その岩ころに小便を引っ掛けるんです」
一郎は、両手で乳房と局部を隠しているアンのお尻をぽんと叩いた。
同時に、アンの膀胱を水分で破裂しそうにしてやる。
アンについても、ノヴァについても、ほかの女たちと同様に、もう、すっかりと身体を操れるくらいに、淫魔術を深く刻み終わっている。
「あ、ああっ」
アンが両手で股間を押さえた。
そして、一郎に押されて、その場にしゃがみ込む。
だが、座り込んだのは、キシダインの顔のあるすぐ目の前だ。
「あっ」
アンがそれに気がついて、はっとしたように立ちあがりかけた。
だが、一郎は淫魔術を総動員して、アンの身体を金縛り状態にしてやる。
同時に、後ろから両膝に手を当てて真横に開いてやった。
これで、アンはキシダインの顔に向かい、脚を拡げてしゃがんだ状態で身動きできなくなった。
「う、うう……」
キシダインが目の前に拡げられたアンの股間に接して、なぜか呻き声のような声をあげた。
「さあ、準備はいいですよ。するんです、アン様」
一郎は少し強めに声をあげた。
アンの身体がぶるりと震えた気がした。
「は、恥ずかしいですわ、ロウ様……」
次の瞬間、しゅっと音がしてアンの股間から放水があった。
一郎はにやりと笑ってしまった。
アンが一郎の命令に諾々と従い、離縁したばかりとはいえ、夫だったキシダインの顔めがけて、大きな抵抗なく小便をしたということについて、キシダインがショックを受けたような顔をしたのだ。
一郎は横にいるノヴァを引き寄せた。
ノヴァの身体とアンの身体は、快感を共鳴させている。
一郎はノヴァの股間に手を伸ばして、股間を弄り始めた。
「あっ、や、やっ、ああっ……」
ノヴァが一郎の腕の中で大きく身悶えを始める。
だが、ノヴァが感じると、同じ快感がアンにも伝わるのだ。
一郎の手管により、発作のような快感を爆発させたノヴァの性感を小水をしている最中に伝えられたアンは、大きく狼狽して混乱状態に陥った。
「ああ、そんなあ、ああ、いやあっ」
アンがキシダインの顔をめがけてする尿の迸りが、アンが身悶えすることにより右に左にと動く。
「うわっ」
顔に勢いのある奔流をかけられるキシダインが哀れそうな声をあげた。
一郎はその光景が面白くて、笑い声をあげてしまった。
「……ご主人様って……」
「ロウ様……」
「ロウ……」
横にいるエリカとコゼと、キシダインの後ろのシャングリアが、それぞれに呆れたような声を出す。しかし、一郎は無視した。
やがて、アンの放尿が終わった。
当然、次はノヴァだ。
一郎は、ノヴァも膀胱をいっぱいにさせて、キシダインの顔の前にしゃがませる。
そして、ノヴァが尿をするのに合わせて、今度はアンの股間を弄くった。
ノヴァもまた、アンの受ける快感を送られ、放尿をしながら、アンとともによがり声をあげた。
「さあ、次は横になってください。ふたりともです」
一郎は、亜空間から一枚の毛布を出して拡げると、尿をしたばかりのノヴァを、アンとともにその上に横倒しにした。
場所はキシダインの顔の前だ。
アンとノヴァが完全に一郎になびいてしまったのをキシダインに見せつけてやるつもりだ。
それに、このふたりはまとめて抱くと、とても可愛らしく、そして、淫靡で美しくなる。
自分のものであったつもりだったのに、実は自分が手に入れていなかったことに気がついて嘆くがいい。
まずはノヴァの股間にずぶずぶと怒張を沈める。
「んふううっ、ロ、ロウ様──」
「あん、ああっ」
ノヴァがあられもない声をあげて、顔を仰向かせる。
愉快なのは、横に寝かせているアンの反応だ。
まるで、アンもまた一郎に犯されているように、横で大きく反応している。
まあ、ノヴァとアンの快感はまったく共鳴していて、一郎がノヴァのもっとも感じる場所を亀頭で擦るまくっているのだから、アンが激しくよがるのは当たり前なのだが……。
いずれにしても、本来は他人のものである快感を無理矢理に押しつけられるアンは、むしろノヴァ本人よりも狂乱している。
一郎はノヴァの股間でできるだけ淫らな音が響くように、ノヴァの亀裂に怒張を出入りさせた。
ノヴァとアンは、一郎によってキシダインの存在をほとんど知覚しないようにしているので気がついていないが、キシダインは憎々しげにこっちを見ている。
しかし、さすがに、さっきエリカに片耳を落とされたのが堪えたのか、口は開かない。
一郎は、思う存分、ノヴァの股間を蹂躙した。
赤いもやの感じる場所を刺激しまくる。
やがて、ノヴァの身体の震えがとまらなくなり、そして、大きな声をあげて、ノヴァは横に寝ているアンと一緒に、激しい愉悦の頂点に達した。
「さあ、次はアン様ですよ」
すぐさま一郎は、怒張をアンの股間に移動させ、抽送を始めた。
アンがむせび泣きのような声を出してよがりまくる。
達したばかりのアンの身体が、もう一度絶頂に陥るのはあっという間だった。
アンは、今度は激しすぎる自分の快楽をノヴァに強制しながら、一郎の身体にしがみついて、がくがくと腰を震わせた。
その横でノヴァも全身を弓なりにして、激しく二度目の絶頂に達している。
一郎はアンの股間の中に精の迸りを注ぎ込んだ。
「……アン様、気持ちよかったですよ。ノヴァもね……。これから仲良くしましょう。今日からは、さらにおふたりに本格的な調教を開始しますね。ふたりには、もう性交のことしか考えられないような、淫らな身体になってもらいます。とりあえず、今日からノルマとして一日に十回の自慰です。ふたりでやるから、実質に二十回ですけどね」
一郎がそう言うと、アンとノヴァは気だるそうに身体を起こしながら、「そんな」ともじもじと身体を捩らせた。
「頑張ってくださいね……。ご主人様の調教は本当に大変ですよ」
「それにしても、やっぱり、アン様にも容赦ないんですね」
コゼとエリカだ。
「二十回か? それだと、一日中続けないとならないかもだぞ?」
また、シャングリアは大真面目な顔で、驚いたような声を出した。
「そんなにはかからんさ。そうだ。ふたりには十回ずつ終わらないと、相手の股間に恐ろしいほどの痒みが発生する呪いをかけておきますね。相手に迷惑をかけたくなければ、毎日自慰に励むんですよ」
一郎はアンとノヴァに笑いかけた。
ふたりが真っ赤になる。
三人娘はちょっとたじろぎ気味の表情だ。
「ちっ」
そのとき、足元から舌打ちがした。
キシダインだ。
一郎の鬼畜な命令に、満更でもないような表情で顔を赤くしているアンに対して、キシダインが憤怒の表情を浮かべている。
「声を出すなというエリカの言葉を理解しなかったの?」
すでに着替え終わっているコゼがたまたま水辺にあった細い小枝をひょいと拾う。
さっと屈んで、キシダインの髪を掴んで上を向かせた。
「な、なにを、んぐうううっ」
コゼが拾った小枝を鼻血が出ていたキシダインの鼻の穴に無造作に突っ込んだのだ。
ぼとぼとぼとと、大量の血がそこから吹き出た。
「ふんっ」
コゼが小枝を引き抜き、湖に投げ捨てた。
怖いなあ……。
そこには、さっき、一郎に抱かれて可愛くよがった女の面影はない。
一郎は、血を流して呻いているキシダインの前にしゃがんだ。
「キシダイン、このアン様とノヴァは、お前には勿体ない女だよ。だから、俺が寝取って、もらい受ける。俺がしっかりと添い遂げて、可愛がってやるから、心配するな」
一郎は立ちあげると、亜空間から下着とズボンを出した。
「あっ、あたしが……」
「わたしもします」
「ご主人様」
「ロウ様……」
ノヴァ、アン、コゼ、エリカの四人が先を争うように服に手を伸ばして、一郎がはこうとした服を横取りした。
「あっ」
一方でキシダインの向こう側にいて出遅れた感じのシャングリアがしまったという顔になる。しかし、意を決したように、猛然と参加してきた。
争って世話をしてくれるなど嬉しいことだ。
王族のアンまで……。
結局、エリカが一郎の下着、シャングリアがズボンの係りになり、コゼは先輩性奴隷として「お掃除フェラ」をアンとノヴァに教えることになったようだ。
コゼが教授し、次に三人がかりで一郎の性器に舌を這わせ始めた。
一郎はキシダインが呆然と視線をこっちに向けているのが面白かった。
そして、最後にエリカとシャングリアが一郎に下着とズボンをはかせてくれた。
すっかりと身支度が終わった一郎は、岩に繋げてある舟の方向を見た。
湖面がかなり迫っている。
潮が満ちているのだ。
そろそろ引きあげときだろう。
もうすぐ夜が明ける。
実は完全に朝になる前に、この洞窟はすっかりと水に埋もれてしまうことがわかっている。
ここは、満ちているときには、完全に湖の中になってしまう洞窟なのだ。その証拠に意識のないキシダインを埋めるためにやって来たときには、完全に洞窟の地面に引き揚げたのに、岩に繋いでいる小舟が水に浮かんで、少し距離がある。
キシダインをこのまま置き去りにすれば、万が一にもキシダインが助かることはない。
「……じゃあ、そろそろ、戻ろうか」
一郎は声をかけた。
ただ、アンとノヴァのふたりは全裸のままだ。
ふたりとも恥ずかしそうに、懸命に両手で裸身を一郎の視線から隠そうとしているのがいじらしい。
「待ってください、ご主人様──。みんなでこいつにおしっこを引っ掛けたのに、なにもしていない者がふたりいますよ」
そのとき、コゼが声をかけてきた。
コゼの横でエリカとシャングリアがぎょっとした顔になった。
「ちょ、ちょっと、コゼ、余計なことを……」
「なにを言っている」
「そうだな。じゃあ、エリカとシャングリアも小便だ。みんなでエリカからスカートと下着をひん剥け──。シャングリアは俺が脱がせる。逃げるなよ」
一郎は声をかけた。
「わっ」
「な、なんだ?」
エリカとシャングリアがたじろぐような仕草をしたが、そのときには一郎が淫魔術でふたりから抵抗する心を失わせている。
「それ、行くわよ。ご主人様に逆らったら折檻を受けますよ。わたしたちは、このエルフ娘から服を脱がせるんです」
「はい」
「すみません、エリカ殿……」
まずは三人の女がエリカに群がった。
コゼだけでなく、アンとノヴァが「きゃあきゃあ」とエリカに群がるのが面白い。
もっとも、そうなるように、淫魔術でふたりの感情をコントロールしているのだが、アンとノヴァが一郎の女たちに心を開くのは、まあ、いい傾向だ。
一郎によって身体の自由を失っているエリカが、コゼたちから腰から下を脱がされていく。
「さあ、シャングリアも観念しろよ──」
また、一郎は亜空間術で、騎士姿のシャングリアの身体からすべての服を奪った。
「ひあっ」
一瞬にしてすっぽんぽんになったシャングリアが慌てて裸体を隠そうとする。
一郎はそのシャングリアを捕まえた。シャングリアの後ろから膝を持って抱え込み、まるで幼女に尿をさせるような恰好にした。
我ながら、どうしてそんな力があるのかと不思議に感じるが、好色に関することだと、いくらでも力が漲るのが不思議だ。
シャングリアを抱えたまま、キシダインの顔の前に連れていく。
「ロ、ロウ、こんなの格好恥ずかしいぞ」
シャングリアが狼狽える。
「当たり前だ。恥ずかしいのが調教だ。いいからしろ」
シャングリアの膀胱を一刻の猶予もないくらいに尿でいっぱいにする。
我慢できる限界は、すでに越えているはずだ。
「んはっ」
シャングリアが変な声を出して、股間からしゅっと放尿をした。
キシダインの顔にばしゃばしゃとかかる。
しかし、キシダインはすっかりと消沈したようになり、呻き声をあげるだけだ。
「そら、次だ。シャングリアは服を着ていいぞ」
シャングリアのおしっこが終わったところで、シャングリアを解放して、取りあげた衣類と装具を亜空間から出して渡し、今度はエリカを見る。
すでに三人から服を剥ぎ取られて裸になっていた。
そのエリカに、限界突破した尿意を送り込む。
「あっ、くうっ」
手で裸体を隠すようにしていたエリカが腰を引いて、両手で股間を強く押さえる格好になった。
「はーい、準備万端ですよ。ほらっ、行っといで」
コゼがへっぴり腰のエリカの背中をどんと押した。
「いやっ、押さないでよ」
エリカが悲鳴をあげながら、振り返ってコゼを睨んだ。
一郎はさっきのシャングリア同様に、エリカを両腿の後ろから抱えると、やはり、幼児を放尿させる体勢にする。
「あっ、いやです――」
エリカが抵抗しようとするが、こうなったら無駄なことだ。
羞恥に悲鳴をあげるエリカの股間をキシダインに向けると、三人の女にエリカをくすぐらせた。
たちまちにエリカが奇声をあげながら、放尿を開始した。
「エルフ美女の小便だ。今度こそ、これが最後の絶景だ。人でなしのお前には勿体ないご褒美だが、死ぬまでの短いあいだ女たちの痴態を頭に焼き付けておくといい」
一郎はうそぶいた。
エリカの失禁が終わったところで、エリカも解放する。
「も、もう、みんな悪趣味よ──」
エリカが脱がされたスカートと下着をひったくって、シャングリアと一緒に、みんなから少し離れて服を着始める。
「さっきの仕返しよ」
コゼが笑った。
「さあ、今度こそ、出発だ。みんな舟に乗れ──」
一郎は、シャングリアとエリカの身支度が終わったところで小舟に向かった。エリカが砂浜から離れた感じになっていた舟を魔道で引き寄せ、まずは自分が乗り、次いで一郎を引っ張り載せる。
キシダインがはっとしたように悲鳴をあげた。
「ま、待て、ほ、本当にこのまま置き去りにするつもりではないだろうな──。ま、待つんだ。お前たち──」
キシダインが喚いた。
だが、一郎は無視した。
次に、アンとノヴァを先に舟に乗り込ませる。もっとも、このふたりだけは、まだ裸だ。だが、抗議はしてこない。もじもじと恥ずかしそうにするだけだ。
また、そのあいだに、シャングリアとコゼが協力して岩から縄を外している。
エリカは
シャングリアとコゼが舟を湖に押し出した。
舟が湖面に滑り出る。
最後のふたりが舟に飛び乗った。
「待って、待つんだ──。わ、わかった。金だ。金をやる。いくらでもやる──。このままにしておくな──。待て、待つんだ──。ア、アン──。助けよ──。俺を助けるのだ。命令だ──」
舟が完全に洞窟から出たところで、キシダインの声が追ってきた。
だが、エリカが舟の
キシダインの声など、すぐに湖の波の音に消されて聞こえなくなった。
「……さて、じゃあ、早速、一回目の自慰を始めますか、ふたりとも……。今日は特別にひとり二十回ずつにしましょう。かなりきついですよ。頑張ってくださいね」
一郎は舟の上で裸身のまま座っていたアンとノヴァに笑いかけた。
ふたりとも、一郎の言葉に目を丸くした。
「こ、これから、ふたりで四十回ですか? そ、そんな……。冗談ですよね?」
アンは絶句したようになり、ノヴァは思わず声をあげたという感じでそう言った。
そのとき、コゼが横から微笑みながら声をかけた。
「……残念ながら、このご主人様は、この手のことで冗談はおっしゃらないわ。ぼやぼやせずに始めた方がいいですよ、ふたりとも……。まあ、これもご主人様のお優しい慈悲だと思うことです。とにかく、ほかのことなど考えられなくくらいに、自慰に没頭するんですね……」
「そういうことです。回数が日没までに終わらないと、相手の股間が猛烈に痒くなる呪いはもうかけ終わりました。相手のことを考えたら、徹底的に自慰に励んでください」
一郎の言葉に、アンとノヴァは顔を蒼くした。
しかし、これでいい。
これでふたりは、少なくとも日没までは、キシダインのことを考えられないだろう。
思い出すことがあっても、すでに死んでいる。
あんなやつのことなど、もう心から消してしまえばいいのだ。
アンとノヴァが顔を見合わせた。
そして、ひそひそ声でふたりで、順番のようなことを話し、まずはノヴァが自分の股間を指でまさぐり始めた。
一方で舟は月夜の湖の上を静かに走り続ける。
朝はまだだが、エリカは夜目が利く。
夜明け前の今の月は一個だが、それで十分なのだろう。
一郎には見えない岸に向けて、舟は真っ直ぐに進んでいるに違いない。
シャングリアが舟の上から燭台の灯りを左右に振った。
すると、遠くで同じように小さな光が動くのが見えた。
「エリカ、スクルズが馬車で待っているのは、あそこだ」
「了解よ」
エリカが
「あっ、ああっ」
「あんっ、ああん」
そのとき、ノヴァとアンがちょっと大きめの声を出して、裸身を震わせた。
さっそく達しそうだ。
「ほら、来いよ、さっきも言ったけど、今日はコゼの日だ」
一郎は胡座に座った脚の上にコゼを引き寄せて横抱きにすると、服の下から手を入れて、こりこりと指を乳首を擦った。また、コゼの半ズボンを引き下げながら股間に手も差し込む。
「ああっ、ご、ご主人様ああ――」
急激な快感の引き上げで、コゼの甘い声がアンとノヴァの嬌声に重なった。
一郎は素早く片手でズボンの前から怒張を出す。体勢を対面に変える。
一郎は女たちの淫らな声を聞きながら、さっそくコゼのズボンを亜空間に収容し、次いで紐パンをずらすと、すっかりと濡れている気持ちのいいコゼの股間の中に男根を埋め込ませた。
*
【キシダイン(の死)】
……以上が当時の王国の記録に残ってる梟雄キシダインの死であるが、実はキシダインの死にはかなりの異説がある。
即ち……。
…………。
ともかく、キシダインが流刑地への移送の途中で雷に打たれ、護送馬車ごと谷に転落して死んだという話は当時でさえ、できすぎている話とされ、王家が密かに暗殺したのではないかという噂がまことしやかに流布されたという伝承もある。しかも、それだけの大事故にも関わらず、犠牲者がキシダインひとりというのも、いかにも不自然である。
いずれにせよ、キシダインはもっとも当時の王家に都合のよい死に方をしたことは確かであり、キシダインの死に恐怖した貴族が王家を畏怖するようになった最初の出来事となる。
また、大貴族たちがこぞって無視していたイザベラが王太女になったことで、キシダイン派として結束していた有力貴族の悉くが国政への影響力を失うことになった。
このキシダインの死で終わった王太子闘争が、当時のルードルフ王にどのような心理的影響を与えることになったかは、当時の記録でも量りとることはできない。しかしながら、一年後に狂王と化したルードルフ王の蛮行を鑑みると、ルードルフが本事件によって、貴族に対する信頼を失うきっかけになったのではないかという推測も妥当性がなくはない。
これについて、帝政中期の歴史家モントの見解は……。
…………。
また、キシダイン事件は、当時は冒険者ギルドに、自らの死を偽装して存在を隠匿していたロウ(本項では、当時の名乗りで表記をまとめている。ロウの名乗りの変遷については《ロウ=サタルス》の項目を参照)が世に出る契機となった出来事でもある。
この事件の論功行賞において、ロウは……。
…………。
ボルティモア著『万世大辞典』より(ここに再録した引用文はすべてスクルズ記念国際図書館から許可を受けて初版本から抜粋して採録したものである。)