【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ま、まさか──。もしかして、王妃様では? う、嘘でしょう──」
やってきたランが大きな声をあげて、その場にしゃがみ込んでしまった。余程に驚いたのだろう。
一方で、ミランダは周囲の風景に呆然として目を見張っている。
ここは、サキに頼んで準備してもらったミランダの故郷の風景なのだ。
ハロンドール王国の北側にあるエルニア魔道王国よりも、さらに北側に拡がる北方の草原地帯であり、ミランダはそこにあるドワフの集落で生まれ育った。
この温泉は本物の風景とは異なるが、それ以外はミランダがもう何十年も戻っていない思い出のままのはずだ。
ミランダを口説いて、剃毛に同意させるための一郎の仕掛けのひとつである。多少は落ち着いた気持ちになり、頑なな拒否反応を崩し、一郎の破廉恥な申し出を受け入れてもいいという感情になればいいと思った。
「あっ、ああっ、ロウ、ロウ、もういく、いぐううっ、い、いってもいいか、あっ、ああっ」
さて、緊縛したシャングリアを岩場の温泉の縁にもたれさせるようにして、下半身を背後から犯しているが、もう数回絶頂しているシャングリアは、早くも絶頂に追い詰められたみたいだ。
それに反応がいつもよりも激しい。
やはり、下腹部に施した「淫魔の刻印」は、刻まれた女たちをかなりの淫乱体質に変えてしまう気がする。
一方で、たったいま犯し終わったサキは、脚だけを湯につけた状態で、湯の縁の岩場にうつ伏せになって、荒い息をしている。
妖魔将軍ともまで称される雌妖魔だが、性行為については一郎にはかなわない。
体力のあるサキは、それに応じる限界までの快感を与えた。
しばらく動けないかもしれない。
「ロ、ロウ、か、堪忍だ。ああ、またっ」
そして、アネルザはその一郎の横で首輪に繋げられた手錠に拘束された手で盆を持ち、盆に乗っている飲み物を持って待機するということを横でしている。切なそうに身体を震わせて哀願の言葉を吐きだすのは、アネルザの股間に淫魔術で作っている小さな男根の根元を振動する金具でいたぶっているからだ。
気の強い王妃が泣きそうな顔になっているが、実際には、こんな一郎の苛めでかなりの欲情をしているのがわかっている。
国王でさえも尻に敷くほどの強い性格のアネルザだが、実は隠れている心の中には、かなりの被虐体質が眠っていた。それを引き出して、表に曝け出してやったのが一郎だ。
「飲み物をこぼすなよ。こぼせば、お仕置きだぞ、アネルザ」
一郎はシャングリアを犯しながら、ミランダとランを連れてきた屋敷妖精のシルキーに、アネルザが支えている盆に載っている杯に飲み物を継ぎ足せと合図をした。
そのちょっとした仕草でシルキーは一郎の意図を読み取ったようだ。
にっこりと微笑むと、ぱっと姿を消し、一瞬後にはアネルザのいる湯の中に出現して、手に持ってきた瓶から冷えた果実酒らしきものを注ぎ足す。
「もうしわけありません、アネルザ様。旦那様の言いつけですので……」
「ああ、そんなあ──。やっぱり、お主は鬼畜だ」
並々と盆の上の飲み物を足されたアネルザが泣き声をあげた。ただでさえ、脚が震えているのに、杯のすれすれまで飲み物を足されたので、それを保持するのは難しいだろう。
だが、こぼせば、お仕置きだ。
気の強いはずのアネルザの顔が絶望と恥辱の顔に染まるのがわかった。
いい顔だ。
一郎はほくそ笑んだ。
「シャングリアの後は、アネルザだからな。しっかりと待ってろよ。それとかなり溜まっただろう。射精を許してやろう」
アネルザの模擬男根の根元の金属の輪は、いまは振動でアネルザを追い詰めているが、射精管理の機能を持つ。それを解除して、射精ができるようにした。
もっとも、いくら射精しても、女であるアネルザは、それにより性的満足をすることはない。
それどころか、女側の性欲に怖ろしいほどの焦燥感が拡大する仕掛けになっている。
これで、一郎はアネルザを一郎に逆らえない「マゾ女」に堕としたのだ。
「あっ、ああっ、ああっ」
さっそくアネルザがぴゅっと小さな男根の先から白濁液を飛び出させた。
その動作でアネルザの身体が揺れ、さっき注ぎ足した杯から酒がこぼれたのがわかった。
これで「罰」確定だ。
一郎は、淫魔術を遣ってアネルザの膀胱をいっぱいにしてやる。
アネルザの模擬男根は、あくまでも模擬なので放尿の機能はない。それは女の身体側でしかできない。アネルザは、失禁寸前の状態になったはずだ。
「ああっ、ま、また、そんなひどいことを──」
アネルザがさらに泣き声をあげた。
「まさか、王妃ともあろうものが湯の中で小便はしないよな。もしも、洩らせば、罰の付け足しだぞ」
一郎は笑って、シャングリアを犯すことに専念することに戻る。
緊縛しているシャングリアを湯の中で後背位に変え、温泉の縁でうつ伏せの上半身を岩場に突っ伏して失神しているサキの横に上半身を倒させ、お尻に股間を叩きつけるようにして、激しく律動をする。
「ロ、ロウ、いくううっ、いぐうう」
シャングリアの身体ががくがくと震え、その身体がぴんと伸びる。
「まだだ、俺はさっきサキに注いだばかりだからな。もうちょっと、我慢しろ。我慢できなくなれば言え。さっきみたいにクリトリスを握り潰してやる。それで我慢するんだ」
一郎は、シャングリアをさらに激しく犯しながら言った。
もっとも、まだ射精ができないというのも嘘だ。
淫魔師としては最高レベルにある一郎は、自由自在に射精を繰り返すこともできる。そう言うのは、ただ、シャングリアをいたぶりたいだけだ。
一郎は押し込んだ男根の先で、シャングリアの子宮近くをぐりぐると押し揺らした。
「だ、だけど、あああっ、だ、だめえ、我慢できない。
シャングリアが悲鳴のような声をあげる。
すっかりと調教済みのシャングリアは、一郎が命じれば、健気にその命令をやり遂げようと頑張ろうとする。
クリトリスを握り潰してくれという残酷な言葉も、一郎が言えばそれをする。
まあ、痛いのが気持ちいいのもシャングリアの体質なので、満更嫌でもないとは思うが……。
それに、さっきもやったのだが、一郎はすでにシャングリアが肉芽を握り潰される激痛を受けながら、絶頂をするという行為が病みつきになり変えているのを知っている。
いつの間にか、被虐癖が開花の大した「マゾ女騎士様」だ。
「んぎいいっ」
一郎は容赦なくシャングリアの股間に手を伸ばして、膨らんでいた肉芽をぐいと抓った。
もちろん、背後から犯しながらだ。
8
「んぐうううっ、ああああっ」
派手な嬌声をあげながら、シャングリアは大きく身体を反らせて絶頂する。
シャングリアの身体が力を失うのがわかった。
一郎はシャングリアに精を注ぐと、怒張を抜いた。
「シルキー、こっちに来て、サキとシャングリアを頼む。しばらく、寝椅子に横にさせておいてくれ」
一郎はシャングリアの上半身をサキと並べて温泉の縁の岩に預けさせながら言った。
「はい、旦那様」
屋敷妖精のシルキーが出現して、童女姿でありながら、軽そうにサキを横抱きにすると、一瞬姿を消し、すぐに寝椅子のひとつにシャングリアを横たえた。そして、すぐにサキを同じように運んでいく。
辺りは夕暮れの草原のど真ん中だが、裸で眠っても風邪などひくことがないように、サキに外気の環境を調整してもらってある。
「それと、ランも頼む」
一郎はシルキーに声をかけてから、アネルザに向かい合った。
どうやら、ランは一郎がアネルザとシャングリアと同時にいたぶっている光景を目の当たりにして、気絶をしてしまったようだ。
ほかの一郎の女とは異なり、もともとはただの市井の娘だ。
だから、これまでは「手加減」をして抱いていたし、一対一でしか愛を交わしていない。
しかし、そろそろいいだろうと思って、今日は全員の紹介の意味を込めて乱交の宴に案内した。
だが、やはり刺激が強かったのだろうか……。
一方で、アネルザは、顔を真っ赤にして半泣きの表情で、内腿を締めつけて激しい尿意に耐えつつ、小さな男根の形状に変えられている陰核の根元で振動をしている淫具の刺激を我慢している。
アネルザの尿意は、もちろん一郎の悪戯だ。
「さて、どんな罰にしようかな。とりあえず、口で奉仕をしてもらおうかな……。あっ、もちろん、湯の中でおしっこをしないでよ、アネルザ。ほかのみんなも入るんだからね」
一郎はアネルザに持たせていた盆から飲み物の入った盃を取りあげて、一気に飲み干す。
アネルザの顔が悲痛そうに歪む。
もっとも、実際にはこんな恥辱的な扱いを受けて、被虐の血が沸騰するほどに興奮しているのだ。
「ロ、ロウ、あんた、大概にしなさい──。そもそも、この風景はなによ。な、なんで、こんなところを……」
倒れてしまったランを抱えているミランダが声をあげたのがわかった。
「ミランダへのせめてもの贈り物だよ。今日は剃毛大会だから、剃毛と引き換えにしか犯さない。剃毛を嫌がっているミランダは見物になるだろうから、景色くらいは愉しんでもらおうと思ってね」
一郎はわざとらしく笑い声をあげた。
「なっ」
するとミランダが絶句して顔を赤くするのがわかった。
今日集まる女たちの中で、実のところ、剃毛を嫌がっているのはミランダだけだ。女たちには事前に剃毛を宣言をしたが、拒否の言葉を吐いたのはミランダだけだったのだ。
また、なんだかんだと意地を張っているみたいになっているミランダだが、他の女があっさりと受け入れよたことで、かなり動揺を示していることにも、一郎は気がついている。
なんだかんだで、押しに弱いのがミランダだ。
故郷の風景──。
剃毛を受け入れていく女たち──。
自分だけ抱かれない焦燥感──。
いろいろと取り揃えてやれば、最後には受け入るだろう……。
ついでだ──。
淫魔術を使って身体を操り、気がつかないくらいにだんだんと身体が欲情するように身体に細工をしてやろう。
その身体を癒してもらうには、剃毛を受け入れるしかないから、おそらく時間の問題だと思う。
「そ、そんなこと言って……。そんなので、あたしが剃毛を受け入れると思ってんの──?」
「どうかな?」
一郎は明らかに動揺しているミランダから意識を離したふりをして、アネルザから盆を取りあげ、その髪を乱暴に持つ。
「な、なんじゃ?」
アネルザが動顛して目を大きくあける。
構わず、一郎は体重をかけてアネルザを引き倒すようにして、一郎の身体ごと顔を湯に突っ込んだ。
「あがっ」
湯の中からアネルザの悲鳴が聞こえたが構わずに、一郎の股間を口で咥えさせる。
そんなに大きな抵抗はしない。
一瞬、身体を暴れさせかけたが、すぐにアネルザはお湯の中に身体を漬けて、湯の中の一郎の怒張を奉仕する態勢になる。
「旦那様、スクルズ様、ベルズ様、ウルズ様、アン様、ノヴァ様、そして、マア様のご到着です。いま、屋敷側に入られました」
シルキーがミランダの横のランを受け取り、一郎に声をかけてきた。
「わかった。全員に、屋敷で服を脱いでこっちに来させてくれ。いよいよ宴だ──。いいかシルキー、誰であろうと、向こうで服を脱いでから、全裸でこっちに来るように指示してくれ。それと裸になれば、全員一緒だ。一切のいつもの上下関係を禁止する」
一郎は息が苦しくなって、湯の中で身体を暴れさせかけてきたアネルザの頭を押さえつけながら、シルキーに命令した。
*
ランは寝椅子に横たわりながら、目の前で繰り広げられる性宴をぼんやりと眺めている。
王妃アネルザが容赦なく鬼畜に責められる光景を見た最初の衝撃からは解放されたが、いまは、それ以上の圧倒的な動揺を心に受けている。
とにかく、凄い……。
凄いのひと言だ。
ランは知らなかったが、ロウの恋人、それとも、愛人と呼ぶべきなのかわからないが、とんでもない人たちと、そして、想像以上の多くの女性たちがいるということがわかった。
ランとミランダがやって来たときには、シャングリアとアネルザ、そして、後でわかったのだが、サキという国王様の寵姫の女性だけだったのだが、いまは、続々と増えている。
ロウは、そのひとりひとりを相手して順番に抱き、剃毛をし、呪術的な魔道を施し、それが終わってからもう一度抱く、ということを延々と繰り返している。
それにしても、ロウの女性たちというのは、なんという人数と、そして質なのだろう。
この中にランが混じっているなど、冗談にもならないし、早く知ってよかったと思う。
絶対に、自分はこの中に含まれるような女じゃない。
だんだんとそれも自覚してきた。
だから、最初にここにやって来てから、一度湯に入っただけで、あとはずっとこの寝椅子に横たわり、準備されている豪華な飲み物と食べ物を愉しんでいる。
それだけでも、庶民のランには十分な贅沢であるし、不思議なことに、こうやって、裸で座椅子で過ごしても、いつまで経っても、身体も冷えないのだ。
なんとなくだが、この空間が現実の世界ではないということがわかってきた。
すでに、かなりの時間がすぎているというのに、いつまでたっても、さわやかで美しい夕暮れの風景のままだ。
これひとつとっても、ここが通常の空間でないということはわかる。
おそらく、なんらかの魔道的な世界なのだろう。
いずれにしても、とにかく、ロウの女たちというのは、すごい。
最初からいたのが、まずは、王妃アネルザ──。
いまの国王のルードルフが国政にほとんど興味を示さず、大臣や王妃に政務を丸投げして、一日のほとんどを後宮に入り浸っているというのは、王都であれば、庶民でも知っている有名な話であり、いまの事実上の国政の中心は、この王妃のアネルザといっていい。
しかし、大変な激情家で、気儘であり、非常に怖い人だという噂だったので、ロウにいたぶられて、泣き声をあげてよがりまくる姿は、果たして、本当にあの王妃様なのだろうかと、どうしても信じられなかった。
しかし、王妃様なのだ。
王妃様は、ロウに苛められて悦ぶ嗜虐癖の女性……。
ランは、そんなこと初めて知った。
そして、もうひとりの最初からいたのが、国王の寵姫だというサキ──。
とても美しい人だ。
だけど、とても気さくそうで、ランにも何度か声をかけてくれた。
国王の寵姫だという人が、どうして、ここにいて、しかも、その女性をロウが抱くのか、ランはその事情が理解できないが、ロウ以外の人物には、とても偉そうで、それなのに、ロウに対してだけは、とても可愛らしくなるのが面白い。
さらに、シャングリア──。
もちろん、シャングリアは知っている。
お転婆騎士として有名な方であり、騎士の爵位を持つ女貴族様だ。
しかし、あるクエストで一緒になったことで、ロウに心酔してしまい、おしかけ恋人のように迫って、いまはエリカとコゼたちとともに、ロウと一緒に暮らしている。
そういえば、エリカとコゼは、今日はまだいない。
どうしたのだろう?
そして、この後で、ミランダとランはやって来たのだ。
ランはあれから、ほとんどの時間をここで休んでいるのだが、ミランダは、なぜか、赤い顔をしながら、なんだかんだと、ロウについて回っている。
ここに来る前まで、ミランダは、剃毛されるなど冗談じゃないと息巻いていたが、ここにやって来てからのミランダを観察する限り、果たして、剃られたいのか、剃られたくないのか、ランにもわからなくなってきた。
嫌なら、近づかなければいいし、そしたら、ロウは放ってくれるだろう。なにしろ、ほかの女性がたくさんいる。実際、ランもこうやって座っていて、まだ、ロウとは話もしてない。
だが、ミランダとしては、剃毛は嫌だけど、まったく相手にしてもらえないのも不満そうだ。
だから、ああやって、ちょっと距離をとって、ロウに近づいているのだろう。
それにしても、ミランダはちょっと怖い女性のように、日頃は思っていたので、ああやって、可愛らしい態度を眺めていると、申し訳ないが、ミランダのことを少し微笑ましく感じてしまう。
それから後は、剃毛と刻印を受けた順番で説明すると、まずは、スクルズだ。
第三神殿の神殿長代理の方であり、可愛らしい外見と雰囲気、そして、王都でも随一の高位魔道遣いとして、とても有名なお方だ。
スクルズがロウの恋人のひとりということは知っていたので驚かなかったが、ロウの前に出ると、あんなに可愛くなるとは意外だった。
とにかく、言葉でも態度でも、徹底的にロウに甘えるばかりであり、心からロウのことが大好きだということが丸わかりだ。
また、そのスクルズが剃毛を受けた後、呪術的な刻印をロウが施すのを初めて目の当たりにしたのだが、あれには驚いた。
刻印らしき呪術をした直後に、スクルズはおかしくなってしまい、ロウの足元にうずくまり、四つん這いになって、「にゃーにゃー」と言いながら、ロウの足に身体を一生懸命に擦りつけるということを始めたのだ。
しかも、ロウの足の指を舐めて離さず、嬉し涙を流しながら、しばらくのあいだ感極まったかのように、ロウにくっついたまま身体を震わせていた。
甘えているのだが、甘え方がなんか鬼気迫るような感じであり、ちょっと怖かった。
スクルズの次にロウが剃毛と刻印をしたのが、第二神殿の筆頭巫女のベルズだ。
筆頭巫女というだけでなく、魔道研究家としても有名な人であり、ベルズのいる第二神殿は、魔道研究者たちのサロンのようになっている。
三巫女事件の記録については、ギルドの秘文書を扱ったとき読んだので、スクルズとともに、ベルズもロウの愛人なのではないかと予想したが、やはりそうだった。
ベルズもまた、刻印を受けた直後に、突然におかしな反応になった。
言われもしないのに、両手を背中に回して、ロウに顔を叩いたり、身体を蹴ったりして欲しいと哀願を始めたのだ。
ランだけでなく、ほかの女性たちも驚愕していたが、このときにやっと、刻印をした直後には、その女性の本質部分にある隠れた性癖のようなものが極端に表に出てくるということがわかった。
ロウやほかの女たちがそう語ったのだ。
また、それで知ったが、いつも凛としてつつましいが、第二神殿のベルズは、実は苛められて悦ぶ被虐の性癖の持ち主ということだった。
次は、ウルズだ。
ウルズについても、ランは前から知っている。
彼女の幼女返りの理由と事情についても、関連するギルドの秘文書に触れたことがあるので認識していたし、そもそも、何度か小屋敷で会っている。
ランも、ロウに抱いてもらうときに小屋敷に行って、ウルズと接したとき、やっと、最近になって、あの背の高い美女のことが、だんだんとまだ幼い童女のように思えるようになってきた。
彼女は刻印を受けると、ロウに抱きついてきて、まるでロウを強姦するかのように、舌足らずながら、「まんまん、まんまん」と性交を迫り、ロウが相手をすると、けらけらと幸せそうに笑いながら昇天して、あっという間に寝てしまった。
そして、アン様──。
やっぱり、ここに来る前のスクルズが小屋敷で口にしたアンという女性は、第一王女のアンだった。
アンが受けた可哀想な経験のことは知っているし、とても気の毒な方だと思っていたが、彼女はとても幸せそうに笑っていたので、ランも安心した。
このアンと、彼女の侍女だというノヴァは、なにか変だった。
ロウがアンを愛撫すると、横のノヴァも悶え、ノヴァにロウが刺激を与えると、アンもまた快感に声をあげたりしていた。
この主従のふたりについては、ロウはずっと一緒に相手をした。
剃毛もひと掻きごとに、剃刀を相互の股間に移動させたし、刻印だって、ふたり同時だった。
刻印直後は、このふたりは、ロウを尻目にふたりでくっつき合い、百合の性愛のような愛撫をし合った。
一連の刻印の後の女の反応では、ロウではなく、別の相手にくっつくという一番不思議な光景だった。
そこまで終わったとき、新しく女たちがやって来た。
なんと、王太女のイザベラ以下の侍女軍団たちだ。
イザベラ王太女を筆頭に、有名な護衛長のエルフ族の魔道騎士のシャーラ──。
あとは、初顔合わせだったので、名前も知らなかったが、彼女たちが王太女に仕える女官や侍女たちだということは、すぐにわかった。
半分くらいは、貴族のご令嬢の方々で、そうでなくても、王宮に仕えるのだから、それなりの格式の家の女性のはずだ。
しかも、とても綺麗だった。
そして、もう、この辺りになると、ランの感覚も麻痺してくる。
王妃がいて、第一王女様がいて、国王の寵姫様がいて、さらに、王太女様、その直属の女官と侍女の方々、それに加えて、第三神殿の神官長代理、第二神殿の筆頭巫女、冒険者ギルドを牛耳っているミランダ、ロウと同じパーティの三人の女性たちも一騎当千の女傑だ──。
心の底から、それらの全部を恋人にしているロウとは、何者かと考えた。
そして、なぜ、自分はここにいるのかと、それからずっと自問自答している。
王太女たちがやってくると、一気に賑やかになり、女たちの色香と女の匂いと、男女の営みの淫靡な香りや、その他いろいろなもので、辺りは凄いことになった。
ロウは本当に絶倫であり、信じられないくらいの女性を次々に抱き、剃毛をして、また抱き、愛し合い、絶頂をさせて、精を放ち……ということを繰り返した。
本当にすごい……。
そして、いまでもそれは続いている。
ランは圧倒されていた。
そういえば、なんだかんだと、結局のところ、ミランダも剃毛を受け入れて、刻印を受け入れた。
王太女の侍女たちが順番に剃毛を受けている途中でだ。
その間、ずっとミランダは、ロウにつかず離れずに、距離を取りながら、ついていってたのだから、ミランダがロウに抱かれたがっていたのは、わかりやすすぎるくらいだ。
侍女たちが三人くらい終ったところで、ミランダはロウに呼ばれ、剃毛を受け入れた。
口で抵抗したのはほんの少しであり、ロウがちょっと強引に迫ると、ミランダは呆気ないくらいに簡単に折れた。
そして、ミランダの股間は、まるで童女のようにつるつるになり、見た目も幼いので、もはや、ミランダの裸は、どう見ても、子供にしか見えなくなってしまった。
そういえば、刻印を受けたときに、ミランダがどうなるのかと思っていたら、ランも引くくらいに、ミランダがロウにべたべたに甘えてきた。
まるで、童女返りしているウルズみたいであり、あんな風にロウに甘えたいというのが、ミランダの本音なのかと、なんとなく納得した。
そのミランダは、その後、ロウに抱き潰されて、いまも離れた寝椅子で横になっている。
「ランだな。初めましてだ。もっとも、お前のことはよく知っているがな」
ふと気がつくと、ひとりの女性が近づいてきていた。
確か、マアという女性だ。
ちらりと見ると、まだ股間の陰毛が残っている。
最初の方からいたが、ランと同様に、どうやら、まだロウの儀式は受けていないみたいだ。
「マア様ですよね……。初めまして……。あのう、ロウ様とは、どういうご関係で……。あっ、あたしは、冒険者ギルドで職員をしているランです。ロウ様には奴隷として売られているのを助けられて……」
ランはマアの素性を質問しようとし、途中で慌てて、自分の自己紹介をした。
自分のことを言わないのに、相手に質問をするなど、失礼と思ったのだ。だが、言い終わって、やっぱり、ランのことを説明するなど失礼じゃないかと考えてしまった。
誰だかわからないが、とても風格がある人だと思ったので、多分、それなりに名のある人に違いないのだ。
ランなどが関わっていい女性じゃない気がする。
すると、マアが笑った。
「なんだか、緊張をしているようで初々しいのう。どうやら、そなたも、まだ剃毛と刻印の儀式とやらを受けておらんのだな。だったら。早々に割り込むとよい。あの感じだと、もうすぐ、二廻り目が始まるぞ。それに、遅れているようだが、エリカとコゼが戻れば、もっと賑やかになる。あのふたりは、独占欲が強いからな。特にコゼが……」
よくロウたちのことを知っている人だと思った。
やっぱり何者なのだろう?
「あ、あたしはいいんです。ただのギルドの職員なんです……。その前は下町の料理屋の給仕女をしていて……。だけど、馬鹿で男に騙されて……。もう、なんでここにいるのか……」
「なんで、ここにいるのかと言っても、ロウに呼ばれたのであろう? もしかして、ほかの女に比べれば、自分は劣ると思って、気にしておるのか? だったら、関係はないぞ。それよりも、これだけの数だ。その全員がロウに抱かれたがっている。そうでなくても、ちょっとでもくっついたり、話をしたがっている。あれに割り込まねば、ロウの視界には入らんぞ」
「あ、あたしは……。それに、そういうマア様だって、まだなんでしょう……?」
ランはマアの股間をちらりと見た。
もうここで股間の毛が残っているのは、マアとランくらいのものだろう。
つまりは、まだ一度も、ここでロウの相手をしてもらっていないということだ。
今日のロウは、抱いた女は、ことごとく、剃毛と刻印を施している。
「あたしは、あの中には割り込む気概はないのう。実のところ、この見た目の若さは、ロウに贈られたものだが、実際にはかなりの年増だ。歳は六十を過ぎておる」
マアがからからと笑った。
六十歳を過ぎている?
なんの冗談かと思った。
どう見ても、三十歳を過ぎているとは思えない。
「もしかして、エルフ族とかの混血の方ですか……?」
見た目はエルフ族じゃなく人間族だが、長命種で知られるエルフ族なら、六十歳でこの見た目というのは不自然ではないので、その血が半分くらい入っているのか考えた。
すると、マアは笑った。
「正真正銘の人間族じゃ。ロウの不思議な力だな。そなたが、ロウの精を受けて、大変な知恵者になったというのは、ミランダからも、ロウからも耳にしている。あたしは、ロウから若さをもらった。それからは、ずっとロウの
そして、マアは、自分はタリオ公国から商家団を率いて、この王都にやって来ている自由流通商会のマアだと自己紹介をした。
ランは驚愕した。
もちろん、自由流通商会のマアは知っている。
数箇月前から、王都どころか、この国の流通支配をひっくり返すような勢いで勢力を強めている自由流通の中心人物であり、しかも、ランが奴隷解放をするときに、大変な世話になった人である。
だが、そのマアと目の前のマアでは、見た目が違い過ぎて、まったく連想できなかった。
だけど、ロウに若さをもらって、若返った?
あり得ることじゃないが、あのロウのことだから、そんなこともあるのだろうか?
とにかく、ランは慌てて、奴隷解放のときのことについてお礼を言った。
「やめよ。ロウの女なら、あたしらは仲間だ。気にするでない。ところで、冒険者ギルドでは活躍のようだな。ミランダも喜んでいるぞ。なんだかんだで、ミランダは、書類仕事が得手ではないのだ。そなたのような優秀な部下は、ミランダは以前から喉から手が出るほどに欲しかったのだ。だから、こき使われているのだろう?」
「あたしなんか……。だけど、役に立っているなら嬉しいです」
ランはそれだけを言った。
ただ、使われている実感はある。
だけど、あんなに大切な仕事をランなんかに任せっきりで大丈夫かという不安もある。
そもそも、闇奴隷として娼婦をしていたところを助けられてから、すぐにやっていたのはギルド内の掃除とか、荷運びとかの簡単な小間使いだったのだ。
それが、一度、憧れのロウに抱いてもらってから、がらりと状況が変わった。
後でわかったことだが、どうやら、ロウがミランダに推薦したらしいのだが、ロウに抱かれた後すぐに、ランの仕事はマリーと一緒の受付になった。
さらに、ランは、自分がいつの間にかすらすらと文字が読めて、理解できないはずの書類が簡単にわかるようになっていることに気がつき、驚いてミランダに相談すると、ミランダは、すぐにランを執務室に呼び込んで、いきなり、自分の前にあった書類の束を半分、ランに寄越したのだ。
そして、いまに至っている。
最近では、ミランダが直接に手掛けている書類よりは、ランがやっているものの方が多いだろう。
でも、ミランダは、ギルドの最高機密の文書の処理なども、平気でランにやらせたりするので、逆に怖くなる。
「役に立っているさ。だから、ああやって、ロウに興じておられるのだろう。しかし、あいつも、時々子供のようになるな。剃毛は嫌だ嫌だと喚きながら、ロウにくっついていくのだから、あれでは、実は構って欲しいというのが丸わかりではないか」
マアは、少し離れた寝椅子で寝ているミランダの裸体にちらりと目をやって笑った。
股間の陰りを失い、本当に人間族の童女にしか見えなくなったミランダが、そこでは寝息をかいている。
ランも不謹慎ながら、可愛いなあと思って、くすりと笑ってしまった。
「そういえば、マア様には、ギルドの流通の正面についても、お世話になっています。冒険者ギルドで扱う採集物について、いろいろと便宜を図ってもらっていて、とても、感謝しています」
ランは思い出して言った。
冒険者ギルドの業務には、冒険者を管理し、彼らにこなさせるクエストを集め、それを処理するという仕事のほかにも、冒険者たちが採集してきた様々な採集物を流通に乗せて売り捌くというものもある。
ほかに、クエストとして、異国の品物を手に入れられないかとか、ときには、奴隷などの流通を手配されるときもある。
そういう正面で、マアの自由流通商会には随分と助けられている。かなりの特別扱いをしてくれているのだ。
いや、助けられているということそのものについて、ミランダも気がついていないかもしれない。なにしろ、ランがそれがわかったのは、その正面の書類を手掛けた結果のことであり、複数の書類を照らし合わせて、マアが裏から手を回し、冒険者ギルドが有利になるような取引きにしてくれていることに気がついただけなのだ。
「ほう、よくわかったな。ロウ殿の女たちの仕事だし、気を配って関与させているだけだが、支援しているのはわからんはずだった。そなたは、あたしが思う以上に、物を見る目があるようだ」
マアは嬉しそうに目を細めた。
ランは顔が赤くなる気がした。
「あ、あたしは、ただ書類を眺めていただけで……」
「書類を眺めているだけでは、その裏にある流通の流れなど読み解けん。もしかしたら、お前には、書類仕事以上に、なにかの業務をこなす才能があるのかもしれんな。あたしもそうだったが、ロウの女になると、驚くほどの能力に開花することがある」
あまりにマアがランを褒めてくれるので恐縮してしまう。
それから、しばらく、流通の話を聞かせてもらった。
以前なら、そんな話に全く興味をを覚えることなどできなかったと思うが、ギルドで書類に触れていると、さまざまなことが頭に浮かび、とても面白いと感じるのだ。
自由流通商会の商会長のマアと話ができるなど、滅多にないことであるし、ランは思い切って、話してみることにした。
そして、色々と語ったが、マアは、ランが指摘したローム三公国の流通の状況の変化について、大きな興味を抱いた。
「待て、それは本当か? タリオにそんな流れが?」
マアが真剣な表情になる。
ランが言ったのは、各国の冒険者ギルドで扱うクエストの共通検索リストでわかることなのだが、この半年、タリオ公国の冒険者ギルドにおいて、食料調達や武器調達のクエストの割合が極端に増加しているという事実だ。
そのこと自体は事実なのだが、それを指摘したところ、それはマアにとっては、意外なことだったみたいだ。
「うーん、このところ、ハロンドールのことばかりかまけていたからのう……。ローム地方のことも調べ直させるか。いずれにしても、それが本当なら、重要な情報だぞ。つまりは、タリオ公国でそういうことが必要ななにかを企てている者がいるということだ。しかも、表の流通ではなく、裏ともいえる冒険者ギルドを使っているということがかなり怪しい感じだ」
マアは唸った。
ランとしては、何気ない話題のつもりだったので、ここまでマアを悩ませてしまうということにたじろいでしまった。
「それから、読み取れるのは、戦争の準備か……?」
そして、マアが呟いた。
戦争──?
本当?
ランは内心で驚いた。
「それにしても、本当に聡明な娘だな。よければ、あたしの勉強会に来るか? ロウに頼まれていてな。定期的に何人かに、他国の情勢や流通、その他の学問についてなど、いろいろと教えておるのだ」
マアが言った。
「勉強会ですか?」
もちろん、勉強はしたいと思っている。
文字が簡単に読めるようになり、自分でも頭が働くようになったというのは自覚している。ギルドの書類をこなしているだけで、新しい知識がどんどんと吸収されていくのも感じる。
もしも、ほかのことを学ぶ機会があるというなら、それは願ってもない話だ。
ミランダとも相談して、ギルドの業務に支障がないなら、参加してみたい。
だから、詳しく訊ねてみた。
そして、びっくりした。
「お、王太女殿下の勉強会? あたしなんかが、とんでもありません」
慌てて断った。
よく話を聞けば、マアがやっているのは、王太女のイザベラに対する勉強会なのだそうだ。
ほかにも、貴族の子女やイザベラの侍女たちも参加しているとのことだ。
だが、そんなところに、ランが加わるなど、とんでもない。
そもそも、どうやって、王宮に通うというのだ。
「おマアの勉強会か? いいんじゃないか。参加しなよ、ラン。姫様には俺から言っておく。是非、勉強するといい」
「ロウ様──」
ランは声をあげてしまった。
いつの間にか、ロウがそばにいたのだ。
まったく気がつかなかった。
しかも、股間が隆々と勃起している。
それだけでなく、全体が粘液のようなもので光っていて、たったいままで、誰かの女性の中に入っていたというのがわかる。
ランはあまりの羞恥にたじろいでしまった。
「ロ、ロウ殿、心臓に悪いぞ。そんな風にそれを見せないでくれ」
マアが真っ赤になって言った。
すると、ロウが笑った。
「百戦錬磨で、泣く子も黙る鬼豪商のおマアがそんなに戸惑わなくてもいいじゃないか。いつも見てるだろう」
「見ておらん──。そもそも、なにが百戦錬磨だ。お前のそれで勝てる女がおるものか。あたしも、お前に対しては少女も同然だ」
「おマアにそんな風に言ってもらうのは嬉しいね。ところで、もう剃毛が終わってないのは、おマアとランのふたりだけだ。やらせてもらうよ……。シルキー」
ロウが屋敷妖精の名を呼んだ。
すると、次の瞬間、シルキーが剃毛の道具を載せた車輪付きの台とともに、目の前に現れた。
「お待ちどうさまです、旦那様……。あれっ?」
出現したシルキーだったが、不意に宙に視線を泳がせるような顔になり、ロウに視線を向け直してきた。
「旦那様、お待ちください。屋敷側にコゼ様とエリカ様がお戻りになったようでございます。こちらに来ることを希望されております」
「通してくれ」
ロウは言った。
すると、ロウのそばの空間が揺れて、そこにコゼとエリカが出現した。
だが、その姿に、ランは驚いた。
なにしろ、ふたりとも全裸なのはいいのだが、エリカはその場に四つん這いになり、首輪をつけていて、そこから伸びている細い鎖を立っているコゼが持っていたのだ。
そして?エリカは、頭と腕に鳥の羽根のような飾りをつけていて、おまけにお尻の穴にまで、尻尾を挿し込んである。
なんだ、これ?
いや、違う……。
すぐそばだから気がついたが、エリカの首輪に繋がっている鎖は、首輪には繋がっていない。首輪の前側にある丸い金具の中を通っているだけだ。
そこから鎖は細い糸のようなものに繋がり、さらにエリカの股間に伸びている。
「ちゃんらーん、お待ちかねです。これから、エリカ鳥の調教をご覧にいれます。さあさあ、皆さん、とくとご覧あれ──。ご主人様、見てくださいね……」
コゼが大きな声で口上のようなことを叫んだ。
一方で、エリカがとても悔しそうな表情になった。
「ほら、挨拶──」
コゼが軽く鎖を引っ張った。
「ひぎいっ、こ、こけっこおううっ」
すると、エリカが慌てたように叫んだ。