【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
203 二匹のサキュバス
サキは潤んだ眼を一郎に向けている。
一郎はサキの唇に口を重ねた。
王宮の後宮に忍んできた一郎とサキの逢瀬である。
こんなところに、男が入り込めば、子爵位をもらった一郎といえども間違いなく死罪だが、すぐにサキの仮想空間に隠れたので問題ない。
いまは一時的に、この仮想空間を操る権限を譲渡させてもいる。
四肢のないサキは、一郎を抱き締められないことがもどかしいように、胴体だけの身体を艶めかしく揺すって、ねっとりと舌を絡めてくる。
口をすすりながら、一郎はサキの頭の角の付け根に指を絡めた。
頭にある小さな角の縁は、雌妖魔であるサキの最大の弱点だ。もしも、ほかの者が触れれば、激怒だけでは終わらないだろう。文字通り粉々に砕かれる。ここに触れられるのは一郎だけの特権だ。
サキは派手な呻き声をあげだした。
「あの変態王の相手をするときには、“女王様”をやっているらしいが、なぶるよりもなぶられる方がいいだろう、サキ?」
一郎は唇を離して、手をサキの股間に這わせながら言った。
そこは、まるで尿でも洩らしたかのように濡れている。
「あの男の話はするな、
サキが拗ねたように言った。
一郎は「すまなかったな」と笑って、真っ赤になっているサキの顔に怒張を突きつける。
サキが我を忘れてむしゃぶりつこうとするのを、さっと一郎は肉棒を避けた。
「いただかせてくださいと、言いな」
一郎はからかった。
サキが苦笑した。
「この妖魔の世界では“妖魔将軍”とも二つ名のあるこのわしに、そんな口をきくとはなあ。これでもわしは、一声で百でも二百でも妖魔を集められる上級妖魔なのじゃぞ……。だが、主殿に意地悪されるのは心地よい……。つくづく、主殿は不思議な人間族の男じゃのう。そして、鬼畜の変態男じゃ」
サキが満更でもなさそうな恍惚の表情を浮かべながら言った。
一郎とサキがいるのは仮想空間の世界でも、最初にサキと出逢ったときと同じで、なにもない真っ白い空間だ。
地面は寝台のように柔らかく、それが延々と続いている。
そういう場所にしている。
「でも、こんな風に手足を消されて胴体だけで愛されたいと言ったのはサキだ。俺に言わせれば、十分、サキも変態だぜ。まだ、手足を戻さなくていいのか?」
妖魔の妖魔力も、妖魔族では超一流の水準のサキだが、いまは一郎が許可しない限り、一郎にはいかなる能力も遣うことはできないし、一郎に一時的に渡した仮想空間の力から脱することもできない。
つまり、一郎がこのまま手足を戻さなければ、サキは永遠にそのままなのだ。
本来であれば、この仮想空間はサキの能力なのだが、そんなことさえ、一郎に委ねるほどに、サキは一郎にすべてを許している。
「まだじゃ。こうやって、無防備な状態で主殿に抱かれるのがいいのじゃ。わしに、こういう淫交の世界を教えたのは主殿だからな。責任もって相手をしてもらうぞ……。とにかく、それをいただかせてくれ。頼む」
「はいはい」
一郎はサキに一物を差し向けた。
サキがぱくりと口にそれを入れる。
一郎は、わざと意地悪をして、一気に咥え込ませた怒張を喉の奥まで差し込ませた。
サキがむせて白目を剥き、涙を拭きこぼす。
それでいて、サキは満足したように一郎の性器をもむさぼっている。
この国のルードルフ王の後宮に潜り込ませたサキであるが、予定通りに王はサキに夢中になり、いまや、片時もサキを離したくないほどにのめり込んでいる様子だ。
サキを後宮に送り込んだのは、王妃アネルザの手配であり、いまは妖魔本来の姿をしているが、人間界にいるときは、人間族の絶世の美女の姿をさせている。
おかげで、一郎に興味を抱きかけた両刀使いの変態王は、いまのところ、すっかりとその気もなくなったようであり、一郎も心の平穏を取り戻すこともできた。
ただ、あまりにも、王が後宮にいるサキに入り浸るようになったので、サキの負担が大きくなっている。
それで、さらに王にあてがう女を増やす予定である。
本物の雌淫魔ふたり、つまり、サキュバスだ。
男と性交して、虜にすることを生業とする正真正銘の魔族である。
もちろん、王をとり殺させるつもりはないが、本物のサキュバスにかかれば、あの淫乱王が彼女たちにのめり込まないはずはない。
それで、サキの負担はかなりなくなるはずだ。
人間族が敵としている魔族をこっそりと王の後宮に潜ませるというのは、発覚すれば、王国に対する反逆ととられないこともないかもしれないが、一郎は、あの王にはなにをしても許されるという気分になっている。
とにかく、あの王なら、サキュバスと知っても、それを悦ぶというのは間違いない。
いずれにしても、後宮に入らせるサキュバスを、魔妖精のクグルスに手配をさせていて、手頃な者を見つけたので、今夜、一郎のところに連れてくると言われていた。
それで、ここで待っているところだ。
ついでに、負担をかけているサキのご機嫌もとらなければならない。
だから、後宮に夜這って、仮想空間にサキを連れ出し、どんな風に抱かれたいかと訊ねたら、いまのように四肢を消滅させて、胴体だけで一郎に抱かれたいとねだられたのだ。
それでこうしているところである。
「ほら、奥まで使って奉仕しろよ」
一郎は乱暴にごしごしとサキの口で荒々しく性器をしごいた。
本来であれば、サキの性癖については嗜虐癖であり、相手をする男を「性奴隷」にして、自分に仕えさせるのがサキの性癖だ。
事実、ルードルフ王については、すでに、きっちりとサキの「マゾ男」にしているらしい。
ただ、一郎は、そのサキにすっかりと、被虐の快感を刻み込んだ。
いまでは、サキは、一郎に淫魔術と真名で支配されているというだけでなく、鬼畜で乱暴に抱かれる一郎との性交の虜だ。
「……んん……む……んんっ……」
サキの顔が苦しそうに歪んだ。
涙どころか、鼻水まで垂れている。
しかし、それでもしっかりと唇を締めて、一郎の肉棒に舌を絡ませてくる。
だが、さすがの一郎といえども、サキの滑らかな舌遣いと巧みな吸引に、急に精が込みあがってきた。
一郎は、急いで性器を口から出した。
「俺のチンポはおいしかったか、サキ? そろそろ、本番といこうよ」
一郎は、サキの髪を掴んで、荒々しく白い地面に転がした。
乱暴に扱うのは、サキと愛し合うときのお約束だ。
サキもそれが好きなのだ。
手足のないサキが、支える手段もなく、二、三回転がって仰向けになる。
「お、お願いじゃ……。滅茶苦茶にしてくれ……」
サキがだらしなく口を開けたまま、えずいてこぼれ出た涙を滲ませて言った。
「任せろ」
一郎は胴体と頭だけのサキの横に座り込んだ。
妖魔も人間族も、性器の形状も質も同じだ。
サキの女陰は、物欲しそうにうごめいていて、前から垂れた蜜が菊門までびしょびしょに濡らしている。
一郎は、肉棒の先をサキのアヌスにあてがう。
サキがひっと息を呑んだ。
「い、いきなり、そこは……」
「どこをどう使おうが、俺の勝手だろう。俺の性奴隷の分際で文句を言うんじゃないよ」
一郎はいったん肉棒を退けて、サキを抱きかかえると、両膝の上にうつ伏せにして、ぴしゃりと尻を叩いた。
「はうっ」
肉を叩く小気味のいい音が鳴り響き、それとともに、サキも引きつった悲鳴をあげた。
「す、すまん、主殿……。ゆ、許してくれ」
サキが言った。
「いや、罰だな……。いつもの痒み責めをしてやろう。しばらく、我慢してもらうよ」
一郎は指先にたっぷりと強烈な掻痒剤の油剤を浮かびあがらせる。
淫魔師として、身体から媚薬を出すのは、お手のものだ。
また、痒み責めは、一郎が大好きな責めだ。女傑揃いの一郎の女たちが、痒み責めには、尊厳を失って泣き叫ぶ。
それがいいのだ。
「ああ、いやだ」
腰を捩るサキを簡単に捕まえると、一郎は指先から油剤を放出しながら、股間と肛門の奥にたっぷりと塗っていく。
作業が終わると、一郎は一個の椅子を出現させて、見物の体勢になった。
サキは椅子の足元だ。
四肢のない芋虫のようなサキの顔に足の裏を乗せた。
「足の裏を舐めろ。それで俺を達しさせてみせな。名高い妖魔族の妖魔将軍だろう? それで、俺を達させることができたら、痒みを癒してやる」
「そ、そんなことができるわけない……。しゅ、主殿は鬼畜じゃぞ」
サキは不満げに言ったが、それでも、すぐに一郎の足の指を舐め始める。
ねっとりとした舌遣いは、本当に達してもいいかなというほどに気持ちよかった。
だが、そのサキは、すぐに全身を真っ赤にして、肩で息をし始める。
しかし、一郎は放っておいた。
仮想空間での時間は存在していながら、逆に存在していないようなものだ。
ふたりの時間でたっぷりと三十分くらい、サキに足舐めをやらせていたと思う。
もちろん、足舐めだけで一郎が射精するなどあり得ず、いまは勃起も収めている。
逆に、サキの全身は脂汗でびしょびしょになっていて、全身が激しく悶え続けるようになっていた。
「どうした、サキ? 随分と腰を振っているじゃないか。小便か?」
一郎はサキの口から足を抜くと、仰向けに足でひっくり返す。
そして、脚の指ですっかりと尖りきっている乳首を揉み踏んだ。
「んふうっ、おおおっ」
サキが身悶えた。
そして、眼がつりあがり、白い歯が剥き出しになった。
苦しそうに頭が振り立てられる。
「ああ、か、痒い……。しゅ、主殿、もう、たまらん。お、お願いじゃ。お尻でも、女陰でもよい。その肉棒を突き立ててくれ。なんでもする。なんでもするから」
サキが泣き叫んだ。
「じゃあ、なにをしてもらうかな。考えておくよ」
「なんでもする。わしは、主殿の性奴隷だからな」
「いい覚悟だ」
一郎はにっこりと笑うと、サキを抱いて、再び肛門に亀頭を当てた。
ゆっくりと貫いていく。
アナルを責めるときには、怒張を貫くにつれ、肉棒の周りから潤滑剤も放出するようにできる。本当に淫魔師の能力というのは本当に便利なものだ。
「うはっ」
サキが電撃にでも撃たれたように、激しく身体を痙攣させた。
「き、気持ちいい──。き、気が狂う……。しゅ、主殿との性交は……さ、最高じゃ……」
「大袈裟だなあ。まだ、始まったばかりだぞ」
一郎はからかいながら、じわじわと肉棒をサキのアナルに抉り込ませた。
やがて、肉棒が突き入れられる最深部に到達する。
今度は、抜きにかかる。
サキは言葉にならない声を叫んで、顔を振り立てた。
一郎は、亀頭が抜けかける直前に、再び突き入れを開始して、また奥に入れていく。
これを繰り返す。
「んぐううっ」
三回目くらいで、サキは胴体だけの身体を弓なりにして、気をやった。
一郎はアナルから怒張を抜き、サキの女陰に矛先を変化させる。
ぐいとサキのヴァギナに一物を一気に突き立てた。
サキの股間は無毛だ。先日、全員の女の陰毛を剃ってやった。そのときに刻んだ一郎の刻印が真っ赤に浮かびあがっている。普段は肌に同化して隠れているが、女が性的に興奮するとこんな風に浮かびあがる。
さっそく、こっちでも律動を開始する。
さらにサキが、狂乱を示し始める。
「しゅ、主殿の前では……わ、わしも……た、ただの……少女じゃ……。く、狂う……。も、もっと、いじめてくれ……。もっと、もっとじゃ……」
サキが泣くような声をあげながら叫んだ。
ぐいぐいと股間が一郎の股間を締めつける。
一郎は、サキの望むままに、乱暴に子宮口を突きあげた。
サキが乳房をゆすって、よがり狂う。
すぐに、サキの絶頂の兆しはやってきた。
だが、一郎は巧みに、それを無理矢理に回避させ、昇天させないまま、次の高みにまでサキを導く。
サキがさらに狂乱する。
抽送を続けていると、サキがまた絶頂しそうになる。
だが、それもやらない。
ぎりぎりのところで、ぴたりと律動を静止し、サキが焦れて泣き始めるのを待ってから、また律動をするのだ。
五回同じことをすると、本当にサキが泣き始めた。
こんなに感情を爆発させることは、一郎とふたりきりのときしか見せない、サキの隠れた一面だ。
「じゃあ、そろそろいかせてやる。ぎりぎりでやめた分もあわせて、五回分絶頂させてやろう」
一郎の言葉に、サキの目が驚きで丸くなる。
だが、構わずに、一郎は淫魔術で、次の絶頂でその感覚が五回繰り返すようにした。
そして、サキの股間を一気にしごく。
「い、いぐうっ、しゅ、主殿……す、好きじゃあ──」
サキが叫んだ。
そして、びくりびくりと総身を収縮させ、あっと叫んで絶息するような息を放って、がくりと脱力する。
「俺も愛してる」
だが、無論、それで終わらない。
すぐに、同じ絶頂がまたやってきて、サキががくがくと震えだす。
今度も絶叫とともに脱力し、それも束の間、またもや身体が震えだす。
「ひいっ、ひいっ、も、もう勘弁、勘弁じゃ、主殿──」
絶頂を繰り返させられるサキが喚いた。
やがて、やっと五回の連続絶頂が終わった。
サキはがっくりと首を折り、完全な失神状態になった。
一郎は、サキの股間に精を放ってから、おもむろに肉棒を抜く。
そして、サキを抱えるように抱きなおすと、四肢を復活させて、温かい温泉を出現させた。
サキと一郎は、その温泉に腰から下を浸かって、岩壁にもたれかかったようになっている。
すぐに、サキが身じろぎをしはじめた。
「……わ、わしは気を失ったのじゃな……?」
サキが眼を開いた。
元に戻った手足を確かめるように少し動かし、ぎゅっと一郎に抱きついてきた。
一郎は、サキに優しくキスをしてやる。
「き、気持ちよかった……。主殿は最高じゃ……。淫魔師とはいえ、たかが人間族にこうまで支配されるとは思わなかった……」
しばらく舌を絡ませて余韻を愉しむようにしていたサキが、恥じらうような顔を一郎に向ける。
まるで少女のようなその表情に、一郎はぞくりとするような可愛らしさと、美しさを感じた。
「不本意か? だが、もう逃げられんぞ。股間を見てみろ。その刻印がある限り、俺以外の男と愛し合うのは不可能だ。俺の性奴隷だ」
一郎は言った。
サキが一郎から身体を少しだけ離して、自分の股間に視線をやる。
五連続絶頂の狂乱で、まだ快感の余韻の中にあるサキの下腹部には、先日淫魔術で刻んだ紋章がくっきりと浮かんでいる。
逆さ塔と二匹の蛇をあしらったボルグ子爵家の紋章だ。
一郎が貰った貴族位であり、正式の叙爵式も一昨日終わった。あの馬鹿王の前で忠誠の言葉を述べ、国王が子爵にすると宣言するだけの簡単なものだ。
貴族といえども、領地もなく年金もなく、ただの名誉だけだ。それでも一介の流浪の冒険者が王都にやってきて一年余りで子爵になるなど、数百年ぶりの快挙らしい。
まあ、表立って言えないが、キシダイン事件を解決した功績で
あり、キシダインとともに譜代の大貴族たちの力が削がれ、王家に権力が集中したどさくさの所業だろう。
アネルザからも、大した反発もなかったと聞いている。
「主殿の性奴隷か……。悪くないな……。いや、まったく悪くない」
サキが白い歯を見せた。
「サキが気をやると、それが浮かびあがる。ルードルフ王に抱かれるときに絶頂するなよ。挿入が不可能とはいえ、寵姫のそんなところにボルグ家の紋章が浮かびあがっては、大騒ぎになるからな」
一郎は笑った。
「あの男に身体を見せるわけがないであろう。そうしているように、思わせているだけじゃ。わしは主殿だけのものだからな。ほかの男に身体を許すことなどない。安心せい」
サキが言った。
これには、一郎もびっくりした。
「王には、身体を許していないのか? 寵姫でありながら?」
「当り前であろう。わしをなんだと思っておるのだ?」
すると、サキが不満そうな顔になった。
そのときだった。
仮想空間に、何者かが侵入してくる気配を感じた。
サキにもわかったようだ。
すっと立ちあがって、一郎から離れる。
立ちあがったときには、さっきまで浮かんでいた甘えたような表情が消滅し、いつもの厳しい顔つきになっていた。
一郎も裸身を包むガウンのようなものを出して、身体にまとう。
温泉も消滅させて、白い空間だけの世界に戻す。
目の前の空間が揺れた。
現われたのは、二匹の雌淫魔だ。
見た目は人間族の美少女だが、紛れもなく、サキュバスだ。
一郎は魔眼により、それがすぐにわかった。
ふたりとも、身体にぴったりのレオタードのようなものを着ている。
だが、一郎が驚いたのは、ふたりのうちのひとりが持っている手のひら大のシャボン玉のような透明の球体だ。
その中に、クグルスが入っている。かなり弱っている気配だ。一郎が目の前にいるというのに、それに反応しない。
あるいは、内側からは、外は見えないのだろうか?
しかも、球体の中には、たっぷりと水のような液体が充満していて、クグルスはつま先立ちで立って、辛うじて顔の半分を水の外に出している状態だ。
しかも、
「あんたが、ぼくたちに用事があるという人間族の男かい?」
「この魔妖精が、おかしなことを言ってきてねえ。おれたちに、人間族であるお前のしもべになれというんだよ。もちろん、なにかの冗談だよね? だけど、久しぶりに笑ってしまったよ。お礼に、あんたをとり殺していいかい?」
ふたりがけらけらと笑った。
“ぼく”という一人称を使う方がピカロ──。
“おれ”がチャルタ──。
一郎は、魔眼でそれを知った。
だが、いまは、それよりもクグルスだ。
よく見れば、お腹がぷっくりと妊娠したように膨らんでいる。
おかしい……。
「そんなことよりも、クグルスを解放しろよ。なにをやっているんだ──」
一郎は声をあげた。
だが、ふたりは笑い続けたままだ。
「なにって、ぼくたちに人間族に仕えろなんて、こんな失礼な話はないからね。それで、懲らしめていたところさ……」
「そのとおりさ……。ほら、おかわりだよ、クグルス。たっぷりと飲みな。溺れ死にしたくなければ、顔が出るまで、また、頑張って飲むんだ」
球体を手にしている側のサキュバス──すなわち、チャルタが球体を股間に持っていった。
ふたりはレオタードのような身体にぴったりの服を身につけているのだが、チャルタは恥ずかしそうにする素振りもなく、股間の部分の布をずらして陰部を出し、股間の下に球体を置くように位置させる。
一郎は目を丸くした。
しかし、次の瞬間、もっと驚愕した。
チャルタが、そのまま球体に向かって、立ち小便をしたのだ。
しかも、そのおしっこがクグルスが閉じ込められている球体にどんどんと入っていく。
クグルスの顔が完全に、液体に沈んだ。
「ほらほら、頑張って飲むんだよ。それとも、あんたのご主人様の前で、おれのおしっこで溺死してみせるかい?」
チャルタとピカロが爆笑した。
一郎はかっとなった。
「いい加減にせぬか、お前ら」
そのとき、サキが吠えるような大喝をした。
チャルタとピカロが、初めてサキの存在に気がついて、視線を向ける。
「まさか、もしかして、サキ様?」
「なんで、ここに?」
そして、ぎょっとした顔になった。