【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ちっ」
マーズが片膝をついて、口惜しそうに舌打ちした。
一郎は、そのマーズと距離をとって、向き合っている。
マーズは上体を右に倒すような恰好で一郎に向かい合っているが、立っていれば膝まであるローションの池は、マーズがしゃがみ込んだ状態になることで、マーズの腰まで浸かっている。
一郎は心の底から安堵していた。
これで、ほとんどマーズの動きを封じることができた。
あとは、料理するだけだ。
本物の闘奴であるマーズと真剣勝負をするにあたり、一郎がミランダに出した条件は、このぬるぬるローションの池での戦いということにすることだ。
ローションの目的は、滑りやすく、足を取られやすい状況にして、マーズの攻撃力を封じることだけではない。
一郎の能力のひとつである身体から粘性物を出して操る技を欺騙するためだ。
実際のところ、最初に試合場に入った瞬間に、一郎は一気にこの試合場のローション池の底面に粘性物の膜を張り巡らせた。
一郎がローションに足を取られず、自由に動き回れるのは、そのためである。一郎が足をついている場所は、粘性物がぴったりと足の裏に貼りついているのだ。
逆にマーズが歩くところについては、粘性物を完全にローションに同化させて、さらにつるつるの足場にして、池の底をまともに歩くことができないようにした。
まず、これで一郎が負けない条件がひとつ……。
しかも、マーズは自分が足を取られてひっくり返ったと思っていると思うが、実際にはローションに混ざっている粘性物が、一郎の操作でタイミングよく足首を逆に引っ張っていたのだ。
それで、マーズが転んでしまったというわけだ。
さらに一郎は、いまや、倒れたマーズの全身に粘性物を完全にまとわりつかせてもいた。
マーズは、自分がぬるぬるのローションにまみれたと思っているかもしれないが、実際にはほとんどが一郎の身体から出した粘性物だ。
それは一郎の意思で好きなように動かすことができる。
これだけの条件なら、さすがに一郎が負けるわけがない。
ただ、一発喰らってしまえば終わりだ。
おそらく、ただの一発の殴打や蹴りで、自分が気を失って倒れてしまう自信が一郎にはある。
そのとき、観客席から女たちの応援の声が聞こえた。
一郎は、振り返ることのないまま手を振った。
「どうした、マーズ、試合開始前の攻撃は卑怯か? これからは、油断しないことだな。これが本当の殺し合いなら、すでに決着はついている。実際の闘いじゃあ、油断したとしても、死ねば終わりだ。死んだ者は相手の非を鳴らす権利はない」
一郎は挑発した。
「ぬかせ──。まだだ」
怒りを顔に浮かばせて、マーズが身体を滑らせるように倒して、飛び込んできた。
まだ自由を保っている脚で、一郎を横蹴りするつもりだろう。
しかし、一郎はその動きを読んでいた。
マーズは、手首と足首が繋げられている側の右膝を支点にして、自由な左足を後ろに曲げて蹴り飛ばす体勢をとっていたが、一郎は、その支点になっている右膝を粘性物の力で逆に引っ張った。
「あっ」
マーズが前のめりに倒れて、顔をローションに突っ込んだ。
完全にうつ伏せになったマーズの左手首と左足首に、一郎は池から出した手枷を簡単に繋げてしまう。
繋げるにあたっては、マーズの手足にまとわりつかせている粘性物をお互いに引き合わせて密着させているので、マーズの怪力でも振りほどかれる心配はない。
「ああっ、し、しまった」
マーズが身体を捻らせて叫んだ。
しかし、もう左の手首と足首もマーズは繋げられたのだ。
マーズには、どうしようもない。
一郎は、枷が嵌まったら、すぐに粘性物を再びローションに同化させてわからなくした。さもないと、おかしな技を一郎が遣っているのがばれてしまうからだ。
「身体のバランスが悪いな。これまで力任せの闘いの稽古しかしなかったろう? あんたの闘技場での戦いを見て、一発であんたの弱点はわかった。だから、この試合場を準備してもらったんだ」
もちろん、出鱈目だ。
三人の男闘奴を一瞬で倒してしまうような女闘奴に、弱点などあるわけがない。
だが、今回のクエストは、マーズに敗戦を味わわせることなのだ。
そのためには、完膚なきまでの実力差で勝利する必要がある。
だから、一郎は、この試合では、圧倒的に実力差のある男を演じるつもりだ。
「ち、畜生──」
マーズが叫んだ。
だが、さすがに両手両足をそれぞれに左右で束ねて拘束されては、マーズも身動きできない。
一郎は、後ろに回り込むと、カエルが手足を開いたような恰好のマーズを前のめりに倒すと、髪の毛を掴んで、顔だけを上にあげてやった。
「んぐうっ、は、離せ──」
マーズがもがいた。
「離していいのか? じゃあ、俺の指を振りほどいてみろ。俺はお前のような力任せの技はないが、身体のツボを押さえて指一本で身動きできないようにすることもできるぞ」
一郎は髪の毛を離した。
前に体重がかかっているマーズは、そのまま首から下をどぼんと池の中に沈めてしまった。
すかさず、粘性物を身体が浸かっている首から上の部分のあちこちに、ベルトのように巻きつけて顔をあげられなくした。
そのうえで、首を上から指で強く押す。
指は、なんの効果も及ぼしていないが、マーズは、まさかぬるぬるのローションだと思っている油剤に、一郎の操る粘性物の紐が混ざっているとは夢にも思わないだろう。
本当に指一本で身体を押さえられていると思い込むはずだ。
「んんっ、んぐうっ」
粘性物の顔を突っ込まされて息ができないマーズが、懸命に身体を暴れさせる。
一郎は、反対の手をマーズの無防備な股間に伸ばすと、革布をずらして中に指を入れた。
「んがっ、んんっ」
マーズがローションの中でもがいた。
しかし、顔をローションに沈められ、粘性物の紐でがんじがらめになっているマーズには、なんの抵抗もできない。
マーズは、随分とクリトリスが性感帯として発達しているようだった。
膣は処女だが、自慰の経験は豊富なようだ。
闘奴としての闘いの後で興奮で火照っている身体を、クリ遊びで慰めていたに違いない。
一郎はローションの潤滑を利用して、マーズの陰核をくるくると押し回した。
「んがあっ、んん」
ローションの中のマーズの口から大きな声が出た
同時に、いままでよりもまして、身体を暴れさせる。
一郎は、ローションに紛らせていた粘性物を紐状にして、さらに胴体にも幾重にも巻きつける。
さすがに、マーズも激しくは動けなくなる。
「んっ、んんっ、んんっ」
しばらく続けると、マーズの反応が変わってきた。
快感に悶えているのだ。
当然だ。
一郎は魔眼の力で、マーズの特に感じる性感帯を見ながら刺激をしている。
その一郎の指をもってすれば、マーズが快感から逃げられるわけがない。
やがて、マーズが、今度は苦しそうに震えてきた。
ずっと息を封じられているので、呼吸が苦しいのだ。
一郎は、首に指を置いていた指を離すと、髪の毛を掴んで顔を引きあげてやる。
「ぷはあっ──。はあ、はあ、はあ……」
マーズが盛大に息をする。
しかし、すぐに力任せに顔を沈める。
すかさず、粘性の紐を二重三重に首から上に巻きつけて固定する。
ステータスを観察することにより、かなりマーズが弱っていることを悟った。
一郎は、クリいじりをする指を中指に変えて、人差し指をこの闘奴の少女の秘肉の入口に挿し入れた。
ローションの潤滑の力で、大した抵抗もなく処女の膣に一郎の指がするすると入っていく。
一郎は指を膣の中の赤い部分を押し揉みつつ、ゆっくりと指を挿入していった。
「んんっ、んんっ、んっ」
こうなれば巨漢の筋肉少女といえども、ただの十六歳の処女娘だ。
処女膜を破られる恐怖で、引きつったような悲鳴をあげている。それでいて、自分の意思に反して、容赦のない快感を与えられることに当惑しているようだ。
マーズがローションの中で悲痛な喘ぎ声を出しているのがわかる。
一郎はもう一度、髪の毛を掴んで顔をあげてやる。
またしても、マーズは激しく息をする。
今度は、一郎は、その状態を保ったまま、クリトリスを刺激してやる。
「あふうっ、はああっ、ああ……」
マーズが腰を小さく震わせ始めた。
一郎の手管により、急激に快感が上昇しているのだ。
このまま刺激し続ければ、マーズはすぐに昇天するだろう。
「……呆気ないな、マーズ。これが敗戦の味だ。負ければ犯される。それが女戦士の敗北の末路だ。しかし、これは、殺し合いじゃない。だから運がよかったな。殺されないで済むぞ」
一郎はわざと挑発的な物言いで、マーズの反感を煽った。
マーズは口惜しそうに吠えたが、いまや全身には一郎の粘性の紐でがんじがらめになっていて動けない。
しかも、絶息責めで体力を奪われたうえに、一郎の指が膣と肉芽を責めている。
マーズは、抵抗不可能だ。
一郎は指をちょっと沈め、そして、それ以上深く挿し込むのを止めた。
「あぐっ」
マーズが秘肉の奥で沸き起こった痛みに声をあげた。
「マーズ、俺の指はあんたの処女の証の前でとまっている。このまま、指を一物に交代させて犯すのは簡単だが、あんまり、呆気なさすぎるんでな。あんたを犯すのは次にする。最初はこのまま、絶頂するだけだ」
一郎は指を抜き、攻撃の矛先をマーズの肉芽に集中させた。
クリトリスの皮を剥きあげると、指先で表面を静かに這わせる。
ローションがあるので、皮を剥いても痛みはそれほどないはずだ。
髪を離して、どぼんと顔をまた沈める。
「んんっ、んんっ、んん」
指のクリトリス責めを加速した。
ローションに沈んでいるマーズの声は明らかな喘ぎ声になった。
やがて、マーズの身体がぶるぶると激しく震え始める。
そして、拘束されている身体を反らせるだけ反らし、マーズは激しく太腿を痙攣させて、がっくりと脱力した。
一郎は指を革の股布から抜くとともに、片手で左右の手枷を外した。
枷は簡単な操作で外れるようになっているのだ。
身体の自由を与えてから、一郎はさっとマーズから離れた。
「くはっ──。はあ、はあ、はあ……」
マーズが勢いよく顔をあげる。
しかし、達したばかりで力が入らないようだ。
四肢で身体を支えるように四つん這いになり、荒い息をしながら一郎を呆気にとられた表情で見た。
一郎の圧倒的な試合展開に、しばらく固唾を呑んでいた感じだった女たちから、安堵混じりの歓声がした。
女たちに軽く手を振ってやる。
「な、なん……で……? あ、あたしは、ま、参った……して……ない……」
マーズは一郎が枷を外したことに、驚いたのだろう。
それでも、まだ敗北を認めたくないという自尊心は残っているようだ。
もっとも、この状況でマーズが負けを認めないのは織り込み済みだ。
「さっきの状態でも、勝負はついてないというなら、それでもいいさ。もう一度、勝負してやる。今度は犯すぞ。手加減はしてやらない」
一郎がそう言うと、マーズが顔を真っ赤にした。
「て、手加減だと──」
案の定、すぐに頭に血が昇った状態になった。
「手加減じゃなければ、なんなんだ? あのまま、枷を付けたまま、顔をローションにつけっぱなしにしていれば、参ったという言葉を使わせることなく、あんたを気を失わせることができたんだぜ」
「くっ」
マーズが一郎を睨んだまま歯噛みした。
余程に口惜しいのだろう。
「ま、まだだ──。もう一度だ──」
マーズが叫んだ。
「いいさ。その代わり、身に着けている物を脱げ──。負けは負けだ。だったら敗者らしい姿になってもらう。脱ぎな」
一郎は言った。
マーズは一瞬、怒りで身体を震わせたようになったが、すぐに身体を起こすと、両手を背中にやって、乳房を包んでいる革の胸当てを外し始める。
全裸闘技は、観衆のいる闘技場でやっているくらいだから、大きな抵抗はないのだろう。
マーズが胸当てを池の外に投げ捨てた。マーズの大きな乳房が露わになる。
鍛えているだけあり、巨乳なのにほんの少しも垂れていない。
見事な乳房だ。
さらに、マーズが立ちあがる。
革の腰布に手を当ててすっと下げた。
恥毛は薄めだ。
マーズが片脚をあげて腰布を抜こうとしたところを一郎は、さっと粘性物で足首を引っ張って倒した。
「きゃああ」
マーズが尻もちをついてひっくり返る。
一郎はわざと大笑いしてやる。
「最初にも言ったが、あんたは身体の安定性がない。だから、こんなローションくらいで足を取られるんだ。もっと稽古をした方がいいぜ」
一郎は、粘性物で足首を引っ張ったのを隠して、嘲笑うような声を出してやった。
マーズの顔がますます赤くなる。
いい具合に挑発されてくれて、いい調子だ。
こんな無双の闘奴少女に、冷静に試合を運ばれては堪らない。煽るだけ煽らないと、一発で沈められて終わりだ。
一方でマーズは、腰を落としたまま、腰から下着のような革布を取り去り、すっかりと全裸になった。
「こ、今度は負けん」
マーズが立ちあがっては脚を開く。姿勢は前屈みの恰好だ。
今度は慎重だ。
しかし、実際には、いまでもマーズの全身には、一郎の粘性物がしっかりとまとわりついている。
すでに、勝負はついている。
一郎はローションの中から、足を使って枷をひとつ取り出した。
「じゃあ、次は右指一本で相手をしてやろう。左指は勘弁してやるさ。左指は強いからな」
「ふ、ふざけるな──。さ、さっきはいきなりだったからだ。本当なら、お前など一発で倒せる」
一郎が煽ると、マーズが怒りで顔を赤黒くして怒鳴った。
もっと血がのぼれ。
一郎は内心でほくそ笑んだ。
「俺が一発食えば負けるのは認めるが、その一発が出ないだろう。これが玄人と素人の実力差だ」
一郎の挑発に、ますますマーズが怒りを顔に出す。
だが、今度は最初とは異なり、不用意には近づいて来ない。
おそらく、動くと体勢を崩すので、一郎を待ち受ける策にしたのだと思う。
一郎はすっと距離を詰めた。
マーズが飛びかかる態勢になる。
「ほらっ」
一郎はローションを蹴りあげて、マーズの顔にかけてやった。
「あっ」
意表を突かれたのか、マーズがぐらりと身体を揺らす。
一郎は、マーズの両脚にかかっている粘性物を同時に、後ろに引っ張って倒した。
「うわっ」
またもや、マーズがうつ伏せに倒れる。
一郎の目の前に滑り倒れる感じだ。
すかさず、粘性物の紐でマーズの胴体を固定して、馬乗りになる。
さらに、粘性物を利用して、マーズの両手を背中に持っていくと、今度は両手を背中側でがちゃりと手枷で拘束してやった。
「ほら、約束の右指だ」
一郎はローションを利用して、マーズの尻の穴に右手の人差し指を一気に根元まで滑り挿した。
「うはああっ」
身体を弓なりにして、ローションの液面の上に顔をあげたマーズが、甲高い声で悲鳴をあげた。
「ほら」
一郎はくねくねと指を動かして、尻をなぶってやった。
生娘のくせには、尻の性感が発達している娘なのだ。
マーズが奇声をあげて、尻を自然と上にあげた。
*
「うわあっ」
お尻の穴に指を入れられてしまい、マーズは悲鳴をあげた。
必死で腰を振って抜こうとするのだが、ロウは指を中で鉤状に曲げていて、容易に抜けないようにしている。
しかも、挿入されている部分に信じられないような痺れと疼きが走って、腰の力が抜けてしまうのだ。
最初に戦ったときもそうだったが、ロウの手はまるで魔道でも帯びているかのように、マーズの身体から信じられないような快感を呼び起こす。
「ち、畜生」
だが、ロウの身体を引き剥がそうとしても、両手首に背中側で手枷を嵌められてしまって、自由が利かない。
マーズは、力を振り絞って、両脚を後ろに曲げてロウの胴体を掴もうとした。
「ほい、いらっしゃい」
しかし、マーズがそうするのを読んでいたように、ロウはお尻の穴から指を抜くと、簡単に両脚を両手で抱え込んで掴んだ。
再びがしゃりと音がした。
「あっ、そ、そんな」
驚いて声をあげたが、もう遅い。
抱えられて、思い切り背中に反り返された両足の足首に金属の枷が嵌まっている。
しかも、思い切り背中側に脚を曲げた状態から戻せない。
どうやら、枷と枷のあいだの鎖が、両手を拘束している枷の鎖と交差させられているようだ。
マーズは、背中側に四肢を集められて、動けなくなってしまった。
最悪の状態だ。
「さて、約束だ。犯してやろう。一応、選ばしてやるぞ。尻の穴と前の穴とどっちがいい?」
ロウが笑いながら、潤滑油の池の中で胡坐をかき、その膝の上にマーズの身体を抱えて、両手で乳房を揉み始める。
「あ、ああっ」
マーズは必死に身体を悶えさせて、その手を振りほどこうをした。
ロウの指が触っている場所に、身体が溶けるような愉悦が走り抜いたのだ。
マーズはむず痒いような感覚に拘束された身体を必死でよじらせた。
だが、親指と中指で軽く乳首を摘まみあげられ、そこに起こった電撃のような甘い衝撃に、マーズは叫び声をあげてしまった。
「質問に答えるんだ。尻の穴か、前の穴か、訊ねてるんだぜ」
ロウが愉しそうに、マーズの乳房を弄びながら言った。
だが、そんなこと答えられるわけがない。
それよりも、マーズはなんとかして四肢に嵌められた手枷の鎖を引き千切れないかともがいた。
黙って犯されるなど闘奴としてのマーズの境地が許さない。
「だったら、最初はアナルからいくか。前は次にとっておくよ」
ロウが笑いながら、腰の上にマーズを前向きに跨らせるように、マーズの身体を縦向きに動かす。
お尻の穴に、ロウの怒張の先端が当たるのを感じたマーズは、大きく狼狽した。
「ひやあっ、いやあっ──。わ、わかった。前に、前にしてください──」
潤滑油の力を利用してか、ロウの勃起した性器がじわりと入ってきた。
肛門の粘膜が無理矢理に押し広げられて、ゆっくりと奥に進んでくる。
「いやあ、やめて──。やめてください」
マーズは歯を食い縛って、顔をのけぞらせた。
それでも、耐えられずに口をぱくぱくと閉じたり開いたりする。
尻の穴が押し広げられる苦痛と、一方で、そこから沸き起こる不可思議にも燃えるような感覚……。
マーズは狂乱に追い込まれた。
曲がりなりにも闘技を勝負にして、これほどの屈辱を味わったのは初めてだ。
対等の勝負で完膚なきまでに負け、しかも、尻の穴を犯される……。
マーズは、この世にこれほどの恥辱があったのかと思い知らされる気持ちになった。
「う、ううっ、も、もう……。は、は、入らない……」
マーズは呻いた。
「力を緩めないと、つらいのはお前だぞ、マーズ」
それでも、ロウはゆっくりと奥に奥にと肉棒を貫いていく。
それに伴い、マーズのお尻はいっそう拡張されて、引き裂かれるような苦痛が襲いかかった。
「う、うう……」
次第に、声さえも出せなくなった。
マーズはひたすらに呻き声をあげ続けた。
「よし──。頑張った。やっと、最後まで入ったぞ」
尻たぶがぴったりとロウの腰に押しつけられる感触が襲った。
マーズは、終わったとほっとした。
「なにを安心しているんだ? これからだぞ」
ロウが笑って、今度は肉棒をゆっくりと抽送していく。
「ああっ、ゆ、許してください──」
マーズは金切り声をあげた。
だが、大きな声を出したつもりだったのに、その声は信じられないくらいにか細かった。
「尻の力を抜けと言っているだろう。痛いのがいいなら、それでもいいけどな」
ロウがマーズの肛門を犯しながら言った。
だが、なんの抵抗もできない。
ただ、背中でがちゃがちゃと絡み合っている枷の鎖が鳴るだけだ。
「ゆ、許して……。もう許してください……。ああっ」
やがて、マーズは泣き声をあげた。
しかし、ロウは許してくれない。
お尻に挿入している肉棒を上下にゆっくりと動かし続ける。
マーズは激痛を必死に堪えた。
だが、しばらくすると、マーズは自分の身体に変化が訪れてきたのがわかった。
だんだんと身体全体が炎に炙られているかのように熱くなり、痺れるような疼きが巨大なものになってきたのだ。
そして、ぴったりとロウの一物を咥え込んでいるマーズのお尻が、収縮と弛緩を繰り返すうちに、ロウの怒張になじんでいき、痛みよりも気持ちよさがまさっていく気がする。
それがマーズをさらに混乱させた。
「アナルセックスの素質は、かなりありそうだな。だが、一切の調教なしに、いきなり尻で達するのは無理か……」
ロウが片手で乳房を掴んで身体を支え、さらに反対の手で、またクリトリスを刺激し始める。
「ああ、あっ、やめて、あん、ああん」
自分でも信じられないような女らしい声が出た。
マーズは、肉芽と乳首を弄られることで駆け抜ける電撃に身体をくねらせてしまう。
しかし、お尻の穴にはしっかりとロウの怒張が貫いている。
身じろぎすると、どうしてもその圧倒的な存在を意識せざるを得ない。
「んふうっ」
マーズはまたもや、身体を弓なりにして絶頂した。
その瞬間、ロウがマーズのお尻の中になにかを出したのがわかった。
犯された……。
しかも、お尻を……。
マーズは頭が真っ白になる感覚に襲われながら、その事実に愕然とした。
ロウがマーズのお尻から男根を抜いて身体を起こし、どんとマーズの身体を投げ出した。
うつ伏せの体勢で身体を油剤の池に沈ませたマーズから、ロウはまたもや、手足を拘束している枷を外していく。
「はあ、はあ、はあ……」
マーズは油剤に四つん這いになった。
二度も続けて絶頂させられて、マーズはすっかりと身体の力が抜けたようになってしまった。
そして、なによりも、これほどまでに自分が無抵抗に負けてしまうという事実が信じられないでいる。
だが、それが紛れもない事実であることを、まだ異物が入っているように落ち着かないお尻がしっかりと主張する。
「どうするんだ? まだ、勝負はついていないぞ……。お前は、気も失っていないし、参ったとも言っていない……。それとも、もうやめるか?」
またもや、少し距離をとって立っているロウが腕組みをしながら言った。
その股間には、たったいままでマーズのアナルを犯していた性器が油剤の滴を垂らしながら、逞しく勃起している。
「も、もう一度……。お、お願いします……」
マーズは立ちあがりながら言った。
口惜しいが、ロウは確かに強い。
それは認めざるを得ないだろう。
おそらく、ちっとも強いという気配のない見かけさえも、ロウの武器だったに違いない。
あのミランダが、あんなに称賛した理由が、いまこそはっきりとわかった。
いまは、犯されたことに対する屈辱よりも、生れて初めて感じた絶対的な強さに接していられることに、おかしな身震いを覚えていた。
もっと、このロウと戦っていたい……。
かなわないまでも、一矢報いることはできないのか……。
そう思った。
「そう来なくっちゃな。さっきも言ったが、あんたは力に頼りすぎだ。だから、足を取られるのさ」
ロウがにやりと笑った。
次の瞬間、不意に両足首が後ろに引っ張られるような感覚が襲いかかる。
マーズは、無理に抗うのをやめ、足が滑る方向に大人しく身体の重心を預けた。すると、身体全体がすっと後ろに滑っていき、マーズは倒れることを防ぐことができた。
「あっ、な、なるほど──。な、なんとなく、コツがわかった気がします。もっと教えてください」
マーズは自分でも驚くとともに、思わず叫んでいた。
力に頼りすぎるから駄目なんだという、ロウの言葉の意味が少しだが理解できた気がする。
マーズは嬉しくなった。
「おっ、おう……」
ロウが当惑した声をあげた。
なぜか、目を丸くして驚愕した顔をしている。
いずれにしても、なにかを体得できそうな気がする──。
いまは、このロウと、もっと戦いたい……。
心からそう願った。
「で、では、お願いします、先生──」
「せ、先生?」
ロウがびっくりしている。
「あなたは、あたしの先生です。先生の言っていることが少しわかった気がするのです。確かに、力に頼りすぎているというのは、あたしの弱点なのようです。それを教えてくれたのですから、あなたは先生です」
マーズは興奮気味に声をあげていた。
なんで、さっきのようなことができたのかわからないが、いまは二度も気をやらされて、身体の力が抜けてしまっているような状態だった。
だから、余分な力が抜けて、さっきのような不思議な動きができたのではないか……。
そして、はっとした。
あるいは、それを教えるために、ロウはあえて、マーズに二度の絶頂をさせたのではないだろうか……?
いや、そうに違いない。
「ま、まあいいや……。じゃあ、再開といこうか……。ただ、一回目と同じだ。敗者には敗者の屈辱を味わってもらう。これを舐めろ。俺が精を放つまで、しゃぶるんだ」
仁王立ちになっているロウが勃起している自分の性器を指さした。
「え、ええっ?」
マーズは驚愕した。
フェラチオという行為がセックスのひとつであり、愛し合う男女というのは、そんなことをするというくらいの知識はマーズにはある。
男闘奴たちは、まだ、年若い女闘奴のマーズを面白がって、わざと目の前で卑猥な話をするのだ。だから、耳年増だと思っている。
だが、いまは闘技の試合の最中だ。
王太女や王妃をはじめ、見物人もいる。
そんなところで、男の性器を口に含むなど、マーズには考えられないことだった。
もちろん、経験もない。
どうしていいかわからずに、マーズは思わず、池の外で試合を仕切っているミランダを見た。
ミランダもまた、困惑した表情をしていたが、別段、ロウの言葉を批判するような雰囲気はない。観客の女たちも同じだ。
なぜか、赤い顔をして、腿を擦り合わせたような仕草をしている者が大半だったが、ロウの要求そのものは、驚いていてはいないようだ。
マーズは、興行主にも視線を向けた。
しかし、興行主は、なにかぼんやりとしているようだ。意識はあるのだが、目の前のことを知覚はしていない──。
そんな感じだ。
魔道……?
なにかの魔道をかけられて、ぼっとしている?
マーズは訝しんだ。
「なにをしてんだ──。早くしろ。敗者の屈辱を味わえ。そうでなければ、その先にある強さには辿り着けんぞ」
ロウの声がした。
頭に鍵をかけられたような不思議な感覚が襲った。
それは、嫌なものではないし、むしろ、なんともいえない気持ちよさが伴うものだった。
次の瞬間、マーズには、ロウの言葉に逆らいたくないという感情で支配されていた。
それに……。
“敗者の恥辱を味わうことが、強さを追及する道……”
ロウのその言葉は、マーズの思考に深く貫いた。
「わ、わかりました、先生……」
ロウに逆らう気持ちになれない。
強さを追求するためだ……。
ロウがそう言うのだから、意味のあることに違いない。
マーズは注意深くロウに近づき、足元に跪くと、口を開いてロウの性器の亀頭部に唇をあてがう。
精を放ったばかりの男の匂いと味が、口の中に充満した。
一瞬、気持ち悪いという感触が襲いかかった。
だが、我慢した。
「んっ、んふうっ、んふう……」
マーズは、精一杯に口を拡げて舌を這わせていった。
「ああ、気持ちいいぞ……。だが、舌もいいけど、もっと強くしゃぶってくれよ」
しばらくすると、ロウが言った。
マーズは言われたとおりに、舌の動きを止めて、口中全体を使って、ロウの一物を吸いあげる。
「おお、すげえ……。こりゃあ、俺じゃなくても一瞬だな」
ロウが嬉しそうに笑った。
次の瞬間、むせかえるような臭気とともに、口の中にぴゅっとロウの精が発射された。
「一滴残さずに、飲み干すんだ」
命じられるまま、マーズは口の中のものを喉に押し込んでいく。ロウは口から怒張を抜いてくれないので、ロウの性器を舐めながら、一方で精を舌で奥に送り込むような感じだ。
やがて、なんとか、ロウの精を残さず飲むことができた。
「じゃあ、試合再開しよう」
ロウがぽんとマーズの眉間を指で強く押した。
そして、怒張を口から抜く。
「あっ、あれ?」
マーズは声をあげた。
ロウに眉間を突かれた瞬間に、急に手足が脱力して、ほとんど力が入らなくなったのだ。
マーズは、跪いた状態のまま、両手をだらりと体側に這わせたまま、動けなくなってしまった。
「秘孔を突いた……。お前の身体は、いまは、俺の操り状態だ……」
ロウが言った。
秘孔……?
マーズは耳を疑った。
おそらく、それは経絡突きという技であり、武術の中でも、それを極めた者だけが駆使できるという伝承の技だと思う。
人の身体のあちこちにある経絡という場所を刺激し、思うままに相手の身体を操るのだ。
経絡の中には、死に通じる場所もあるらしく、そこに強い気を送り込まれると、そのまま死に至るというものだ。
ロウは経絡遣い……?
信じられないが、これまでの戦いにおける圧倒的な強さを考えると、それで、すべてが理解できた気がした。
「じゃあ、女になってもらうぞ。その代わり、身体の感度を上昇させてやる。処女膜が破れる痛さが少しは紛れるはずだ。淫乱の秘孔だ」
ロウがマーズの身体を池の中に仰向けに倒しながら、ぽんともう一度眉間を指で突く。
その瞬間、かっと身体が熱くなった。
マーズは知らず、喘ぎ声をあげていた。
「いくぞ。身体を支えていろ、それくらいの力は残っているはずだ」
倒れたマーズの両腿をロウが両手でがっしりと抱えて、マーズの腰に怒張を近づける。
逃げようにも、本当に力が入らない。
マーズは、身体が完全に倒れて、顔が池の中に沈まないように、肘をたてて状態が寝そべるのを防いだ。
ロウの怒張がマーズの股間に侵入を開始した。
「いやあっ、い、いたい、いたあい、ゆ、許して、いたいいい」
身体を引き裂くかと思うような激痛にマーズは顔を仰け反らせて叫んだ。
だが、強烈な甘美感が膣の内襞を擦られることで沸き起こりもする。
マーズはふたつの感覚に、すっかりと混乱して言葉にならない声をあげ続けた。