【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「だ、だって、それは罰の方でしょう」
そして、一郎は呆れて言った。
フェラをさせているときに、罰のことを口にしたら急に熱心になった様子を示したので、てっきり罰が嫌なのかと思ってしまったのだ。
「でも、ぞくぞくしてしまいました。ロウ様にはご恩もありますし、それはもう喜んでお勤めさせていただきます。ねえ、ノヴァ?」
アンはあっけらかんと言って、百合のパートナーでもある侍女を見る。
ノヴァは目を白黒させている。
一郎は笑ってしまった。
なんだか、スクルズの度胸のよさが、アンにも移ってしまったかのようだ。
「じゃあ、そうしましょう。三日間、首輪ひとつの裸で家事をしてもらいますからね。ああ、それともうひとつ条件をつけます。屋敷にやってくるときには、素っ裸のまま馬車で来てください。スクルズには言っておきますので、きっと手配してくれると思いますよ」
アンとノヴァは、これには顔が強張った。
だが、逆らわないだろう。
そんな気がする。
ふと、横を見ると、コゼとシャングリアが呆れた顔になっている。
「わ、わかりました」
やがて、アンが頷いた。
いつの間にか、さらに顔が赤くなり、しっかりとマゾの顔になっている。
アンが承知すれば、ノヴァは逆らわない。
ノヴァも「わかりました」と頷いた。
とにかく、これでまた愉しみができた。
そうと決まった以上、しっかりと躾けてやろうと思った。
「だけど、これはもともと罰ゲームの予定だったですからね。ほかに、お願い事はないですか?」
一郎が訊ねると、アンがはにかんだような表情になった。
どうやら、あるようだ。
しかし、少し言いあぐねている気配である。
「言ってください。いや、命令にしよう。心に思っていることを口にするんです。命令ですよ」
一郎は、さらに訊ねた。
「……だったら、ロウ様のことをご主人様とお呼びしては駄目でしょうか……? そして、ロウ様には丁寧な言葉ではなく、乱暴に語りかけて欲しいというか……」
アンが小さな声で恥ずかしそうに言った。
一郎は耳を疑ってしまった。
だが、淫魔術の力で覗いたアンの心は、一郎自身がたじろぐほどの一郎への純粋な愛情で満ちている。
どうやら、本気で一郎のことを“ご主人様”と呼んで、奴隷扱いされたいらしい。
これには当惑した。
「……コゼ殿がなんだか羨ましくて……」
さらに消え入るような声でアンが言った。
「えっ、そ、そうなんですか?」
いきなり名前を出されたコゼが当惑した顔になった。
「まあ、そうしたいのであれば……」
一郎は言った。
すると、アンが本当に嬉しそうに微笑んだ。
まあいだろう……。
アンに「ご主人様」などと呼ばせたら、アネルザはともかく、イザベラやミランダあたりが文句を言いそうな気がしたが……。
そのとき、ノックの音がした。
一郎も含めて、全員が全裸だ。
しかも、部屋は男女のまぐ合いの匂いが充満している。
いまだに失神をしているエリカ以外の女全員がびくりとなった。
「どうぞ」
一郎はすぐに応じた。
誰が入って来ようとしているのか、わかっていたからだ。
「わっ、わっ」
「ちょっと、ご主人様」
「えっ」
「そ、そんな」
女たちが一斉に狼狽えの声を放った。
しかし、入ってきたのはミランダだ。
もちろん、一郎は魔眼の力で、扉の前にミランダがやって来た時点でわかっている。
ミランダは、入るなり、すぐに後ろ手に扉を閉め、呆れたという表情を一郎に向けた。
「まあまあ……。スクルズに、アン様を侍女代わりに派遣したと聞いたから、ちょっかいくらいは出しているだろうとは思ったけど、やっぱり手を出してたわね」
ミランダが苦笑している。
「もちろん、手を出したさ。それよりも、頼んでいたものを持って来てくれたか?」
一郎は応じた。
そして、立ちあがって自ら服を着始める。
コゼが一郎の着替えを手伝おうとしたが、それを制して早く身支度をするように伝えた。
普段の冒険者姿ではなく、ちゃんとした正装なので女たちも身支度に時間が必要なのだ。
化粧だってやり直す必要がある。
全員がばたばたと服を身に着け始めた。
もっとも、エリカひとりだけは、取り残された感じになっているが……。
「まあね。ただし、ちゃんと貸し賃は取るわよ。あんたとあたしの関係とはいっても、仕事は別だからね」
ミランダが一個の指輪を差し出した。
いつぞや、借りたことのある『変身の指輪』だ。
ただし、そのとき借りたものは、スクルズたちと知り合うきっかけになったノルズという女に奪われたまま戻ってきていない。
これは同じ機能の魔道具だ。
つまり、これを身体に嵌めて念じれば、それなりの魔道遣いであれば、念じた相手に変身できるという魔道具なのである。
今回は、いろいろと活動することがあるので、それで、万が一にも失敗して騒動になったときのために、一郎が関与していないということを証明するためのアリバイ作りのために借りることにしたのだ。
「ありがとう。感謝するよ」
一郎は指輪を受け取った。
そして、気絶しているエリカの身体を膝の上に抱き寄せる。
「ほらっ、いい加減に起きろ」
一郎は粘性体の球体を手から発生させ、その中に指輪を埋め込むと、エリカの膣の中にぐいと押し込んだ。
「えっ、なに──。なんなの?」
気絶から意識を戻したエリカが、がばりと身体を起こして、驚いた声をあげた。
「な、なに、なに、なに?」
エリカが狼狽えたように股間を押さえた。
しかし、すでに一郎の悪戯で股間には、指輪が粘性の球体に包まれて入っている。簡単に取り出せるようなものではない。
一郎は必死になって、股間に指を突っ込んでいるエリカの姿に大笑いしてしまった。
「ロウ、ギルドの大切な財産なのよ。なにをしてくれるのよ」
ミランダが横で真っ赤な顔をして怒鳴った。
「まあいいじゃないか、ミランダ。別に指に嵌めなくなって、身体に触れさせておけば変身に問題はないんだろう? 粘性体に包んでいるので、変な傷がつくこともないさ」
「そういう問題じゃないでしょう」
さらに、怒鳴ってきた。
とりあえず、怒っているミランダをなだめて、一郎はまだ朦朧としている雰囲気のエリカの横に座り、ぐいと身体を引き寄せて口づけをする。
「ん、んんっ」
最初こそエリカは戸惑った様子を示したが、一郎が舌を口の中に差し入れると、すぐに熱っぽく舌を絡めてきた。
しばらく、口の中の性感帯を舌先で擦りまくる。
すると、エリカはうっとりとした表情になり、くたくたと裸身を一郎に預けてきて、細腕を一郎に巻き付けてきた。
「エリカ、お願いしたことを覚えているか? 今日はいろいろと動きたいんだが、俺がアネルザやイザベラ姫様やスクルズに親しいことは、もう知られている。だから、目立ちたくないんだ。俺に変身して、招待者席に座っていてくれるか? シャングリアやコゼと一緒にな」
一郎は唇を離すと、エリカの耳元で息を吐きかけるようにして話しかけた。
「あっ、ああ、は、はい……。お、覚えています……。ロウ様に変身すればいいんですよね……」
エリカはまだぼうっとしているようだったが、すぐに念を込める表情になった。
一郎の前でエリカの身体が白い煙のようなものに覆われ始める。
立ちあがってエリカから一郎が離れたときには、ソファに素っ裸で腰かけている一郎の姿が出現していた。
「裸の自分と対面するのは複雑な気分だな。あれっ?」
一郎はエリカが変身した自分の姿を見て、声をあげてしまった。
「まあ、ピアスが残っているのね」
コゼも声をかけてきた。
一郎に変身したはいいが、エリカの乳首と陰核に装着させている「ピアス」がそのまま残ってしまっているのだ。
エリカが変身した目の前の一郎の裸に、男の乳首にピアスが食い込み、股間に至っては、男性器の根元の上部分にピアスを嵌めた女の陰核がそのまま残ってしまっている。
「わっ、わっ」
エリカは我に返ったように、さっと腿と膝をぴったりと閉じ合わせて、手で股間を覆った。
さすがに男の裸になるのは恥ずかしいようだ。
「えっ、なに? どうして? 見せなさい──」
しかし、びっくりした口調でミランダが、エリカに近づいて手を払いのけた。
「ちょ、ちょっとミランダ……」
エリカが真っ赤な顔で抗議したが、ミランダの怪力に手を阻まれては、さすがになにもできない。
それにしても、口調はエリカっぽいが、声そのものは男の声なのだ。一郎としては複雑な心境だ。
「こんな筈はないわよ。姿形も声も、変身しようと思って念じた相手にそっくりになるはずなのよ。身体に喰い込んでいる装着品だって一時的に身体から消滅した形になるはずだわ。現に、股間に入っていた指輪は、身体の中に入っちゃったんでしょう」
ミランダは一郎のピアスが残ってしまったことが意外そうだ。
股間のピアスをぐいと引っ張った。
「んひいっ、ひ、引っ張らないで」
エリカが悲鳴をあげた。
「あっ、ごめん」
我に返ったようなミランダが、慌てて、一郎の姿になっているエリカから離れた。
「その変身リングを作った術師よりも、俺の淫魔師としてのジョブレベルが高いからじゃないか」
一郎は何気なく頭に思いついたことを口走った。
だが、すぐにそれを後悔した。
一郎が淫魔師であるということはもうみんな知っているが、魔眼の力でステータスまで読めるとは告げていない。
だから、全員のジョブやそのレベルなどが一郎にわかるということや、それ以前に、ステータスのような数字が全員について回っているということを知らないのだ。
ジョブレベルなどと言っても、みんなわけがわからないだろう。
「じょぶれべる……って、どういう意味?」
案の定、ミランダが怪訝な口調で一郎を見た。
「ああ、だから、それは淫魔師としての俺の能力で作ったものだから、その変身リングを作った者よりも、俺の力が強かったら変身の魔道から無効になっちゃったんじゃないかということさ」
一郎は急いで、差しさわりのない物言いに直した。
だが、ミランダはますます表情を険しくする。
「まさか……。あんたが相当の性豪で、おかしな術の使い手であることは認めるけど、それを作ったのは、もう百年以上も前に存在した伝説の魔道技師なのよ。それよりも、あんたが上……?」
ミランダが一瞬、怖ろし気なものでも眺めるような視線を一郎に向けた。
そのときだった。
不意にエリカの悲鳴が轟いたのだ。
もちろん、声は一郎の男性の声だ。
「ちょ、ちょっと、コ、コゼ、悪戯はやめなさい。これを外すのよ」
見ると、エリカはソファに座ったまま、コゼによって後ろ手に手錠をかけられてしまっている。
しかも、片脚は鎖付きの手錠で、足首をソファの脚に繋げられてしまっている。いまは、コゼはエリカの反対の足首を開かせて、もうひとつのソファに足に手錠で繋げようとしている。
まだ気絶から醒めたばかりでぼうっとしていたとはいえ、エリカを相手をあっという間に、その状態にしてしまうとは、さすがのコゼの早わざだ。
「なにやってんだ、コゼ?」
一郎は面白そうなので、抵抗するエリカの身体を一瞬だけ弛緩させる。
コゼはすかさず、エリカを開脚した状態で固定してしまった。
「な、なによ、は、離しなさい、コゼ。ふざけないで」
エリカが真っ赤な顔で身体を揺すって喚いた。
「そんなこと言わないでよ。いつか、ご主人様を苛めさせてくれると言ったのに、結局、あたしたちが苛められたということもあったじゃない」
そういえば、そんなこともあったなあと一郎は苦笑した。
「だ、だから、なによ──?」
「だから、せっかく、ご主人様の身体になったんだもの。ちょっとくらい悪戯させてもらってもいいんじゃないかなあと思ってね。いつも、ご主人様に意地悪されるばかりで、こんな機会ないんだもの」
コゼは、あっけらかんと言って、エリカが変身している一郎の股間にあるピアスを弄り始める。
そこだけは、女の身体だ。
エリカが悲鳴をあげて、拘束された身体をよじりだす。
「わっ、大きくなったぞ」
シャングリアもエリカの前で興味深そうに、しゃがみ込んだ。
その言葉のとおり、大きく開いているエリカの股間では、一郎自身と同じ男性器が、むくむくと勃起をし始めている。
「み、見るな、シャングリア──。い、いいわ。こんなもの、わたしの魔道で外す……」
エリカが念を込める表情を示した。
「そうはさせないわ」
コゼが勃起した股間を手で擦る。
「なああっ、や、やめてえ」
エリカが奇声をあげた。
快感で集中を途切れさせられたエリカの魔道が収束するのが一郎にはわかった。
すると、突然にけたたましい笑い声が部屋に響き渡った。
アンだ。
一郎の姿で勃起しているエリカを見て、腹を抱えて大笑いしている。
いつも、控えめで大人しいアンが、こんなに感情を剥き出しにしているのは珍しく、一郎は一瞬呆然とした。
見ると、アンの横でノヴァも目を丸くしている。
「ご、ごめんなさい……。で、でも、あんまりおかしくって……」
アンが懸命に笑いを堪える様子を示したが、ちらりと大きくなったエリカの股間の男性器を眺めて、再び噴き出して笑い始めた。
そのあまりの激しい笑いに、一郎もつられて微笑んでしまう。
なにがアンの笑いの発作を生んだのかわからないが、アンは爆笑し続けている。
「アン様、こっちへ来てくださいよ。舐めっこしましょうよ。ご主人様に仕返しをしましょうよ。このご主人様なら、すぐにやられちゃいますから」
コゼが微笑みながら、アンを手招きした。
エリカは、真っ赤になって抗議したが、アンはコゼに引っ張られるようにして、大股を開いているエリカの……つまりは一郎の股の前に両膝をついた体勢になる。
「まあ、ご主人様、失礼します」
アンはまだくすくすと笑いながら、悪戯っぽく笑って、勃起している怒張の先端に軽くキスをした。
「んひいっ、ア、アン様、お、お戯れを──」
エリカが拘束された身体を揺すって声をあげた。
すると、なにがおかしいのか、またアンが爆笑した。
「ま、まあ、アン様……」
ノヴァはまだ口をあんぐりと開けたままだ。
余程に、アンがあんなにはしゃぐのは珍しいのだろう。
確かに、一郎も驚いた。
どちらかというと、華やかで気の強い一郎の周りの女たちの中で、アンは王女という家系にありながら、とても大人しく受け身だ。
だが、一郎に変身させたエリカの姿に、なにが愉しいのか、まるで子供のように笑いこけている。
まあ、これまで、この部屋で一郎とともに、五人の女たちが淫靡に絶頂し合った。そんなことが、アンの内心のたがのようなものを外すきっかけになったのかもしれない。
横を見ると、いつもとは違うアンの姿にミランダも、気押された感じになっている。
「なんか、愉しそうだな。わたしもいいかな」
シャングリアも遠慮気味だが、乳首のピアスをいじくり始める。
「な、なによ、シャングリアまで」
エリカが喚いた。
一郎は苦笑した。
なんだか、新しい玩具をもらった子供のように、女たちが一郎の姿のエリカに群がっていくのだ。
一郎は肩をすくめた。
もう、これは女たちの興奮が収まるまで放っておくしかない。
「じゃあ、ちょっと出てくるな。落ち着いたら、適当にうろうろして、俺の顔を適当に見せびらかしてくれ。そのあいだに、俺は動き回らせてもらう」
一郎は室内の女たちに声をかけた。
しかし、聞こえているのか、聞こえてないのか、みんな一郎の姿になったエリカに夢中で、その裸体をいじくり回して喜んでいる。
まあいい。
とりあえずは、アネルザのところだ。
そこで、サキとコンタクトをして、サキュバスのふたりを使って、王を淫魔術で支配するという陰謀をするつもりだ。
さすがに、それは、アネルザとサキ以外には内緒にしている。
また、本来であれば、王がやって来るのは、就任式開始の直前のはずなのだが、それについては、サキがうまく事を進めることにもなっている。
そして、それが終わった後に、スクルズのところに面会にいく。
忙しいだろうが、いろいろと今日のことで打ち合わせがあるのだ。
スクルズに頼まれているクエストに加えて、あの両刀使いの変態王が万が一、再び一郎に興味を持たないように、事前に手を打つというのが、今日やろうとしていることだ。
そのとき、再びノックの音がした。
一郎は魔眼の力で、扉の外にいるのはシャーラひとりだとわかった。
今度は、それをみんなに告げて、安心させてから扉を開いた。
「えっ、アン様?」
入って来るなり、シャーラは素裸の一郎の前に跪いて、けたけたと笑いこけているアンの姿に驚いた顔になった。
また、一郎がふたりいるのを確かめて、さらに目を丸くしている。
「あっちはエリカだよ、シャーラ。なにか用事か?」
一郎は声をかけた。
「た、愉しそうですね」
シャーラは、朗らかなアンの姿に、呆気に取られている感じだ。
しかし、さらに一郎がなんの用事なのかを訊ねると、イザベラが呼んでいると告げた。
「姫様が?」
ちょっと怪訝に思ったが、このところ、なにかと多忙で、イザベラが寝泊まりをしている正宮殿には遊びに行っていないことで、あまりイザベラのところに通わない日々が続いていた。
一郎としては、さまざまな侵入防止の仕掛けのある正宮殿そのものに夜這いに行くのはかなりの負担なので仕方がないと思っていたのだが、それで思うところがあったのか、急に向こうから積極的に接近するようになっていた。
先日も、侍女の半分を連れて屋敷にやってきたし、もっと来てくれと、はっきりと口にするようにもなっていた。
後宮側にいるサキたちや、正宮殿に隣接する王妃宮には頻繁に行くので、イザベラとしては不満なのかもしれないと思ったりした。
もっとも、そんな風に考えるのは、一郎の驕りかもしれないが……。
予定では、アネルザの控え室に向かうところなのだが、まあ、式典には時間があるので、王太女の控え室に寄り道しても問題はない。
「なら、姫様のところに顔を出すか……。ところで、エリカには、ほどほどにしてやれよ、みんな」
一郎は、まだ一郎の姿のエリカに姦しく集まっている女たちに、もう一度、声をかけてから部屋を出た。