【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「ふ、ふざけないでよ──。待ちなさい、コゼ──。それを渡すのよ――」
まどろみから目覚めると、エリカの怒鳴り声が広間に鳴り響いていた。
一郎は顔をあげた。
どうやら、屋敷の広間のソファで居眠りをしていたようだ。身体に薄い掛布がかけられている。
下半身はしっかりとズボンをはいているが、上半身は裸だ。
「旦那様、冷たい飲み物などいかがですか?」
屋敷妖精のシルキーが目の前に出現して、にこにこと微笑みながら盆に載った水滴のついたグラスを差し出す。
グラスに満たされているのは果実水のようだ。
手を伸ばすと、杯全体が冷えていてひんやりとした。
口に入れる。
ほんのりと香りを感じるくらいの薄味の果実水だ。
さすがはシルキーだ。
一郎の好みそうなものを状況に応じてよく悟ってくれる。
「ほほほ、捕まえてごらんなさい」
一方で、広間の反対側で、コゼが笑いながら広間のあちこちを駆けまわっていく。それを真っ赤な顔をしたエリカが追いかけまわしているのだ。
しかし、すばしっこいコゼには、エリカも中々追いつけず、ふたりの距離はどんどんと離れていく。
それに、どことなくエリカの動きはぎこちない。
また、しっかりと、服を身に着けているコゼに対して、エリカは慌てて服を着たみたいに、服装が乱れている。
よくわからないが、なにをしているのだろう?
ふたりが追いかけっこをしているのは、大きな広間の反対側なので、ここからでは、状況もよくわからない。
コゼの手の中にはなにかが握られているのは辛うじてわかる。
おそらく、コゼがなにかの悪戯をエリカに施して、それをエリカが怒って追い回しているのだと思うが……。
「どうしたんだ、あいつら?」
一郎は一気に飲み干して空になったグラスをシルキーに手渡すと、シルキーに訊ねた。
「旦那様とエリカ様が午睡をされているあいだに、コゼ様が悪戯を……」
シルキーがくすくすと笑った。
そのときには、グラスも盆もシルキーの手元からは消滅している。
いつもの日常の屋敷だ。
まだ、昼間であり、広間にある大きな窓からは、庭からの明るい光が射し込んで、広間にも日差しが拡がっている。
そういえば、昼食の後で特にすることもなく、ここでエリカとコゼを相手に軽く遊び、そのままソファで居眠りをしてしまったのだということを思い出した。
シャングリアはいない。
王都をタリオ公国のアーサー大公が訪問しているということで、王都警備の増員が必要になり、一応はまだ王軍騎士の肩書きのままのシャングリアも呼び出されたのだ。
アーサーがいるあいだの十日ほどは詰め所から離れられないらしく、もう五日ほど屋敷には戻っていない。
まあ、なにかあったときの連絡手段も渡しているが、いまのところ、特に問題もないようだ。
しかし、なんだかんだと、十日もシャングリアも留守にすることはなかったので、ちょっと寂しい気もする。
それはともかく、タリオ大公のアーサーのことだ。
先日、アネルザがここにやって来て、そのアーサーとアンとの戦略結婚の話が、水面下で持ち上がっていると教えられた。
そして、そのアーサー一行がこの王都にやって来ているらしい。
もっとも、やきもきはしたが、問題はなさそうだ。
王妃のアネルザと、アンを匿っているスクルズの強力なガードにより、アーサーは肝心のアンには面会すらできていないみたいだ。
昨日も王宮と第三神殿をこっそりと訪問して、アンの再婚話がまったく進展をしていないことを確認した。
この婚姻話を進めようとしたのは、南家公爵家と称されるランカスター公爵のようだが、すでに手は打った。
まずルードルフについては、後宮に潜りこませたピカロとチャルタのふたりのサキュバスに指示して、情交のことしか考えられないようにして、後宮に缶詰めにさせた。だから、アーサーと面会をして、アンの再婚話を押し進めることはできないはずだ。
一郎が知っている者の中で、もっとも無能で怠情な男だが、こういうときには操りやすい。
また、サキュバスたちは、宮廷の主立つ大貴族を支配してしまっているので、ふたりに洗脳を強めさせれば、王宮内は一郎の思惑から外れることはない。今回の再婚話は各方面で徹底的に業務を遅延させろと言い渡したので、アーサーがいくら焦っても、遅々として調整は進まず、この話が具体的に進むことはないはずだ。
アーサーとやらは腹を立てるだろうが、このまま予定の滞在期間がすぎれば終わりである。
一国の君主が母国を離れるのは、これが限度だろうし、アーサーが帰国すれば、この話は立ち消えだ。
話が違うと、アーサーは怒るかもしれないが、まあ、タリオ公国との関係が多少悪化しても、知ったことじゃない。
一郎は、キシダインから離れてから幸せそうにしていたアンとノヴァを王都から離すつもりは全くないのだ。
「あっ、ご主人様、起きられたんですね。さっきは遊んで頂いてありがとうございます」
コゼがソファの背もたれを飛び越して、一郎の膝の上に飛び乗ってきた。
まるで猫のような身軽さだ。
一郎の首に両手を回して、ぺろぺろと一郎の唇を舐めてくる。
やっぱり、猫だな。
一郎はほくそ笑みながら、コゼの舌を舐め返す。
「あっ、んふうっ」
コゼがびくんと身体を震わせて、脱力して一郎の身体にもたれかかった。
「ロウ様、そのまま捕まえて──。その操作具を取りあげてください──」
エリカの大声が背中からした。
操作具?
一郎はコゼから口を離して、エリカにソファ越しに振り返った。
「んふうっ──。あああっ、ま、また、あんた──。ああっ」
だが、もう少しでソファに辿り着くと思った瞬間、いきなりエリカが脚をもつれさせてうずくまった。
しかも、スカートの上から股間を両手で押さえて、お尻を高くあげた格好で悶えだす。
「あんたのクリピアスに、しっかりと振動具を二個も密着させたからね。ぶるぶると振動されると効くでしょう。ほらほら、貞操帯の鍵が欲しくないの、エリカ? あたしを捕まえないと、玩具は外せないわよ」
一郎の膝の上のコゼがエリカに向かって、小さな板のようなものと小さな鍵を見せるようにして、それをひらひらと動かした。
どうやら、一郎の調教道具を勝手に持ってきたみたいだ。
さしづめ、一郎とエリカが性愛の疲労で居眠りをしているあいだに、ひと足先に目が覚めたコゼが、エリカの股間に玩具を装着して、さらに貞操帯で封印をしてしまったということだろう。
確か、先に抱いたのがコゼで、そのあとエリカを相手にして、そのまま抱き合って眠った気がするので、多分、コゼが先に目覚めたのだと思う。
一郎の与える快感に意識を飛ばしたのはふたり共通だが、エリカだけが一郎をくっついて寝ていたのが気に入らなかったのかもしれない。
コゼは時折、こんな悪戯をする。
「んふうっ、ロ、ロウ様──。そ、それを取りあげて──。あ、ああああっ」
エリカが必死の口調で一郎に向かって哀願する。
あげた顔は真っ赤ですでに薄っすらと脂汗をかいている。両手はぶるぶると震える股間を押さえたままだ。
よく見れば、裸体に薄い前留めのシャツを直接に着ているだけだ。しかも、上ふたつはぼたんが外れていて、白い乳房がこぼれそうになっている。
予想だが、目が覚めた途端にコゼの悪戯に気がついて、慌てて服を身に着けて追い駆けだしたということだと思う。
どうでもいいが、ものすごく煽情的だ。
「どれ、これのことか?」
一郎はコゼが握っていた操作具と貞操帯の鍵を取りあげた。
とりあえず、貞操帯の内側に仕掛けているらしい淫具の振動をとめてやる。
エリカがほっとした表情になり、がっくりと脱力した。
「大丈夫か? 災難だったな」
一郎はコゼを横にどかすと、立ちあがってエリカに歩み寄り、まだうずくまったままのエリカの両手の手首を握った。
「はあ、はあ、はあ……。あ、ありがとうございます、ロウ様……。ええっ──?」
エリカは目を丸くしてびっくりした声をあげた。
一郎がエリカの両方の手首に、亜空間から出した革枷をそれぞれに嵌めたからだ。
さらに、天井に粘性体を飛ばして紐状にし、エリカの両手首の枷にくっつける。長さを調整して、エリカが両足で立つほどの長さに固定して、両腕を吊りあげてしまう。
「ちょ、ちょっと、ロウ様──」
エリカが狼狽えた声を出した。
「そんないやらしい格好で俺の前にやって来て、手を出さずにはいられないじゃないか。とにかく、貞操帯を外したいだろう? だから外してやろうと思ってね」
一郎はエリカの前に立つと、少しのあいだ美しいエルフの肢体を堪能してから、背後に回って、エリカの腰に手を伸ばす。
そして、耳に息を吹きかけながら、スカート越しにお尻を撫ぜ、さらにシャツの上から乳房を揉みあげた。
まあ、これもお約束というやつだろう。
「あっ、はあっ」
エリカがびくりと痙攣した。
胸巻きをしていないエリカの乳首には、はっきりとピアスのかたちが浮き出ている。すでに乳首も勃起状態だ。
軽くピアスを弾く。
「んふうっ、ロ、ロウ様──。ああっ」
喉に詰まったような掠れ声をあげて、エリカはびくびくと身体を震わせた。
また、本当に身体がまだだるいのだろう。
いつもはしっかりとしている膝が軽く震えている。
「あら、いいなあ、エリカ。また、遊んでもらって……。ねえ、ご主人様、もう少ししたら、あたしも遊んでくださいね。でも、いまは、まだちょっと身体が怠いから、そのあいだ、エリカとたっぷりと遊んでください」
ソファの背もたれから顔を出したコゼがけらけらと笑った。
すると、エリカが項垂れていた顔をぱっとあげる。
「な、なに言ってんのよ──。わ、わたしだって、まだ身体が痺れたように疲れているのよ──。そ、それに、こんなの装着されて、ち、ちっとも休んでないし……」
エリカがわけのわからない悪態をコゼに叫び出した。
一郎は構わずに、エリカの胸を揉みほぐしながら、お尻を刺激した。
エリカが身体を捻って悶える。
「まあまあ、ご主人様にお仕えするのがあたしたちの役割なんだから、もう少し頑張りなさいよ。それに、ご主人様をゆずってあげるって言ってんだから」
「ああっ、あ、あんたが言うの──。だ、だったら、あんたが相手しなさい──。あっ、で、でも、ロウ様が嫌だっていうんじゃないですよ。そ、そんなこと思ってません。だ、だけど、ちょっと、まだ怠くて……。あっ、そ、そこは──」
両手を天井から吊られたままのエリカはコゼに文句を言っていたが、急にはっとしたように表情を変えて、一郎に振り向いた。
一郎のことを拒否したような物言いだったことに気がついたのだろう。
相変わらず、真面目で可愛い女だ。
「いや、気にするな。むしろ、もっと抵抗してくれた方がいい。その方が愉しい」
一郎はエリカの身体に刺激を与えながら、片手で短いスカートをたくしあげた。
「いやっ」
エリカが片脚を曲げて露出した股間を隠そうとする。
それにしても、こんなに毎日のように裸体を見ているのに、相変わらず、エリカは一郎に裸をじっくりと眺められるのを恥ずかしがる。
本当に責めがいのあるエルフ娘だ。
「ああ、は、恥ずかしいです……」
エリカが恥じらいの溜息をつく。
露わになったのは、股間に喰い込んでいる細めの革の貞操帯だ。
この貞操帯は一郎も知っている。もちろん、一郎が作ったものだ。貞操帯というよりは「Tバック」であり、革のふんどしのように股間に喰い込んでいる。
いくら寝ていたとはいえ、こんなものを装着されてるまで、起きなかったというのは余程に疲労困憊だったのかもしれない。
それなのに、起き抜けにコゼに悪戯されて、またこうやって一郎に襲われるのだから、考えてみれば気の毒かもしれない。
そして、確かに股間の部分が淫具のかたちに多少膨らんでいる。
多分、ローターだと思う。
こんな淫具は地下の調教室に各種集めて、箱に入れて置いてあるし、この屋敷の前の主人が蒐集した調教具が集められている離れの部屋もある。
コゼは、そこから持ってきたのだろう。
貞操帯には内側にディルドがついているタイプもあるが、これはそうじゃない。ただ締めつけるだけのものだ。
「あたしに感謝してよね、エリカ。あんたがいやらしく悶えるから、ご主人様がお相手してくれるのよ」
コゼが淫具を動かす操作盤をエリカに見えるように示したのがわかった。
一郎は貞操帯の鍵は持ってきたが、操作盤はソファに置いたままだったのだ。
ソファの背もたれから顔を出しているコゼが操作盤に手をやった。
「あっ、やめっ──。ああああっ」
エリカがぐんと腰を突き出すようにして、全身を弓なりにした。
貞操帯の内側に挟まれている二個のローターが動いたのだ。股間に手を触れている一郎の指にも、淫具の振動が伝わってくる。
「んふうっ、あ、あああっ、だ、だめえっ、とめてっ、とめなさい、コゼ──。あああっ」
エリカが激しく腰を振りながら叫んだ。
一郎は亜空間収容の技でエリカが上半身にまとっているシャツを消滅させた。
先端の乳首にピアスの嵌まったエリカの双乳がふるふると揺れる。
一郎は軽く乳首のピアスを愛撫する。
「ひんっ」
今度はエリカが前のめりの身体をくねらせた。
天井から両手が吊られていなければ、その場にしゃがみ込んでしまったような勢いのある動きだ。
「コゼ、いかせるなよ。エリカを絶頂させるのは俺の愛撫だ」
一郎はスカートの腰の留め具を外すと、床に落ちたスカートを足首から抜いた。同時に足首に粘性体を飛ばして両足首に巻きつかせ、エリカの両脚を大きく開かせて床に密着する。
「わかりました、ご主人様。じゃあ、後はご主人様にやってもらってね、エリカ」
コゼが操作具を動かして、淫具の振動をとめたようだ。
大股開きになったエリカの身体ががっくりとなる。
一郎はエリカから手を離した。
すでに汗びっしょりのエリカの裸体を一郎はしみじみと眺める。
実に美しい身体だ。
最初に会ったときから綺麗だったが、最近になって艶やかさが加わり、絶世の美女と言っても過言ではないかのように美しくなっている。
一郎の女たちは、一郎の淫魔術の影響なのか、誰も彼も綺麗になっていると思うが、エリカがその中でも抜きんでている。
まあ、一郎が一番多く精を注いでいるのがエリカなのは間違いないので、そのせいかもしれないが……。
「じゃあ、貞操帯を外すか」
一郎はエリカの前に跪いた。
鍵はポケットの中だ。
かちゃりという音がして、貞操帯が床に落ちる。
一緒にやはり二個のローターがぼとぼとと床に転がる。
「やっ」
微かにエリカの身体が竦みあがった。
左右に割られている白い太腿が痙攣したように小刻みにおののく。
すでに股間は真っ赤になっていて、愛液でびっしょりだ。
無意識なのか、エリカは反射的に腰を揺すって、脚を閉じようとするかのように身体を動かす。
まるで誘っているかのような反応に、一郎も嬉しくなる。
一郎は跪いたまま、エリカの股間に顔を寄せ、ピアスの嵌まっている赤い豆に唇を押し当てた。
「はあああっ、ロ、ロウさまああっ」
エリカの甲高い嬌声が部屋に響き渡った。
ころころと口の中でクリピアスを舌で弾く。
「あはああああっ」
エリカの身体ががくがくと震えて、一郎の顔に股間を押しつけるように絶頂したのはあっという間のことだった。
「さっそく達したか。じゃあ、そろそろ、本格的に遊ばせてもらうか」
一郎は荒い息をして、吊られている革枷に体重をもたれさせるエリカに、亜空間から出した小瓶から油剤を出し、手のひらにたっぷりとのせると、エリカの正面から、その油剤を塗り込んでいった。
「あっ、ロウ様、それって──」
呆けていたエリカが、油剤を塗られていることに気がつき、慌てて身体を避けさせようとした。
しかし、無駄なことだ。
どんなに抵抗をしようとも、拘束されているエリカが一郎の悪戯から逃げられるわけがない。
一郎は左右に乳房を柔らかく揉むようにしながら、油剤を丹念に擦り込んでいった。
続いて、恥裂からお尻の谷間まで油剤を塗る。
ピアスの食い込む肉芽にもすり込んだ。
一郎の指が動くたびに、エリカは嬌声をあげて悶えたが、刺激は弱めにしたので、二度いきするほどにはならなかった。
それでも、一回の絶頂後はかなり敏感になるのがエリカの身体なので、油剤を塗るために局部を指で擦るたびに、激しく反応するのが愉しい。
やがて、すっかりと油剤を塗り終わり、一郎は一度エリカから手を離す。
「な、なにを……ぬ、塗ったんですか……?」
エリカが諦念のこもった顔を一郎に向けた。
「ただの媚薬だよ。痒みはそれほどじゃない。ただいつもの十倍くらい感じやすくなる」
一郎は笑って、亜空間から三本の刷毛を出現させた。
エリカがぎょっとしたように、それを凝視する。
「コゼ、来い。一緒にエリカを苛めるぞ」
一郎は、そのうちの一本を取りだすと、エリカの首から肩にかけて、すっと刷毛を這わせる。
「んふうっ」
エリカが弾かれたように反対側に顔を避けた。
構わずに、一郎は横を向いたエリカの顔の頬から耳の周辺を刷毛でなぞり回した。
「くううっ、いやあっ、く、くすぐったいです──あああっ」
エリカはたちまちに顔を打ち振った。
「わおっ、面白そう──。あたしにもやらせてくれるんですか、ご主人様」
コゼがソファを飛び越してやって来た。
一郎は三本のうちの二本をコゼに手渡した。
「その代わり、あとで交代だ。エリカの次はコゼが苛められる番だ。次は逆にエリカにコゼを責めさせるからな」
「怖いなあ……。でも、いまはエリカを責めてもいいんですよね。こんな風に……」
コゼはエリカの顔の反対側に移動すると、一郎と同じように逆の耳を刷毛でくすぐりだす。
「ああっ、コ、コゼ、あ、あとで、ひ、酷いからね──。さ、さっきのも合わせて、た、たっぷりと仕返しするから──」
エリカが顔を必死で動かしながら、きっとコゼを睨んだ。
すると、コゼがころころと笑った。
「そんなこと、まだ言わない方がいいんじゃない。ほら、それよりも、もっと逃げなさいよ。さもないとくすぐっちゃうわよ」
コゼが耳から無防備な脇の下に刷毛を移動する。
一郎も合わせて、反対の脇を刷毛でくすぐる。
「んひゃああっ、いやああ、ひゃあ、ひゃああ、ひゃああ、あははははは、く、くすぐったい──。いやああ、んふふふふ、ぐふふふふ、あはははは、だ、だめええ、助けて、あはははは」
両方の脇の下を同時にくすぐられるエリカは狂ったように身体を動かして、苦しそうに笑い声をあげだした。
「ここもくすぐったいんじゃないか?」
一郎は後ろに回ると、刷毛ではなく、エリカの横腹を両手でくすぐる。
「ははははっ、んひいいいっ、いやああ――。や、やめてください、ロウ様──。いやああ、うぐううううっ、ぎゃはははは」
エリカが一郎の手から逃れようと全身を限界まで前に突き出す。
だが、前からはコゼの刷毛が前で待っている。
刷毛で両脇をコゼからくすぐられて、エリカの身体が後ろに戻る。
だが、すると一郎の指の餌食だ。
「も、もうだめえええ、はははははは、あはははは、た、助けてえええ──。ゆ、ゆるして、許してください──。あはははは、ふはははははは」
前にも後ろにも逃げられないエリカは、全身を真っ赤に染めて、苦悶の笑い声を絶叫し続けた。
そして、しばらくすると 感極まったように、笑いながらぼろぼろと涙をこぼしだした。