【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「んふううっ」
本格的に背後からの律動を始めると、さっそくエリカはむせび泣くような声とともに、ぐっと身体を弓なりにするような仕草をした。
だが、エリカの両腕には大きな丸太が魔道で食い込んでいて、左右に腕を開いて頭を下にし、腰を高く掲げた体勢から大して動けない。
動けない女を思う存分犯すというのは、一郎の一番好きなシチュエーションだ。
一郎はますます激しくエリカを責めた。
「あ、ああっ……。も、もういいです……。こ、こんなところで……は、恥ずかしいし……。んあああっ」
エリカが大きく悶えた。
周りには一郎だけでなく、スクルズもいるし、コゼやシャングリアもいる。わけのわからない二人の女襲撃者もだ。
それなのに、ひとりだけあられもない声を出すのは恥ずかしいようだ。
いつまでも、そういう羞恥心を持ち続けていられるのは、エリカの魅力の一つだ。
もちろん一郎はもっとエリカを泣かせるように股間を突きまくる。
エリカは、ほとんど悲鳴混じりの嬌声をあげた。
なにしろ、エリカの股間にはクリピアスがあり、一郎が怒張を突けば、自然にクリピアスも揺れて、クリトリスが刺激されることになる。
また、胸を揉みながら、乳首ピアスに指を入れて刺激もしている。
エリカは堪らないはずだ。
「も、もうやめてっ、エリカが嫌がっているじゃない」
そのとき、絶叫がした。
コゼに変身しているシズという女だ。
“シズ
ハーフエルフ(人間・エルフ族)、女
年齢:19歳
ジョブ
戦士(レベル7)
生命力:100
攻撃力:5↓(拘束中)
魔道力:なし
経験人数
女3
淫乱レベル:A
快感値:100
状態
変身中(魔道)”
ハーフエルフとあるが、魔道はまったく使えないようだ。
コゼに変身しているのは、もうひとりのゼノビアという女の魔道を遣っているのだろう。
いずれにしても、隠れて聞いていた限りにおいては、このシズが依頼人になり、エリカを辱しめたうえに殺してくれと、もうひとりのゼノビアという女に頼んだようだ。
“ゼノビア
人間族、女
傭兵業(休職中)
恨み屋
年齢:23歳
ジョブ
戦士(レベル20)
傭兵(レベル15)
魔道遣い(レベル10)
毒遣い(レベル10)
アサシン(レベル5)
生命力:50
攻撃力:5↓(拘束中)
毒針(拘束中)
暗器(拘束中)
魔道力:100(凍結中)
経験人数:女15
淫乱レベル:B
快感値:400”
一方で、ゼノビアのステータスには、アサシンのジョブがしっかりとある。
それにしても、性経験はふたりとも女だけのようだ。
シズなど、三人しか経験がないのに、随分と感じやすい敏感な身体をしているのがわかる。
エリカとはどういう関係だろう……?
また、殺人を依頼するくらいだから、なにかの理由で、エリカを憎んでいるのだろうかと思っていたが、さっきから一郎がエリカを犯すのを大声で罵っている。
よくわからない。
ゼノビアもまた、性癖としては、男は未経験の百合嗜好らしい。
いずれにしても、そんな男嫌いの女たちを泣き叫ばせながら犯すのは、愉しいだろう。
一郎の鬼畜の血が騒ぐ。
「ロ、ロウ様、許してえっ──」
そのとき、エリカが絶叫した。
一郎は、エリカのGスポットを繰り返し擦るようにしていたのだが、だんだんとポルチオがおりてきたのがわかったので、そこを突いたのだ。
「うふうううっ、ロ、ロウ様……き、気持ちいいれしゅ……」
エリカは、舌足らずの口調で、激しく身体を痙攣させて、がっくりと脱力した。
続いて、多い量ではないが、じょろじょろと失禁も始まる。
そして、軽く気を失った。
一郎はエリカから一物を抜いた。
「スクルズ、もういいよ。エリカを解放してあげてくれ。媚薬に犯された身体の治療もね……」
振り返った。
スクルズは顔を赤らめて、ぼうっとしていたようだったが、もう一度一郎が声をかけると、慌てたようにエリカと丸太を離した。
「さて、どっちのお仕置きからやるかな?」
一郎は服を整えながら、床に張りついて動けないシズとゼノビアを見た。
ふたりが恐怖に包まれたような表情になった。
「あ、あたしを殺しなさい……。エリカに危害を加えたのはあたしよ。その女は関係ないわ」
すると、ゼノビアが蒼い顔で言った。
「いえ……、エリカへの恨みを晴らすように依頼したのはあたしです……。お姉さまは巻き込まれただけです。許してあげてください」
シズが言った。
「お姉さま……?」
訝しんだが、百合の関係にある女同士の特有の呼び掛けだと悟った。
ステータスで表れている表示から考えると、ゼノビアは経験を重ねているレズの「女王様」というところだろう。
対して、シズはゼノビアにしつけられている「ネコ」なのだろう。
これは面白いことになってきたと思った。
だが、とりあえず、この女たち……、とりわけ、シズがエリカとどういう関係かを探るのが先だ。
「スクルズ、ゼノビアの魔力を完全に発散してくれ。それでゼノビアは、魔道を遣えなくなるだけじゃなく、シズの変身も解ける」
一郎は言った。
いまは凍結状態だが、完全に消滅させれば、シズの変身は解けると思う。
「な、なんで、あたしだけじゃなくて……、シズの名も知っているの?」
ゼノビアが眼を丸くしている。
そのとき、風のようなものが飛んだと思った。
スクルズの魔道だろう。
「んぐうっ」
ゼノビアがまるで鞭で打たれたかのように、身体を震わせて呻き声をあげた。
彼女の魔力が一気に“0”になる。
「あれっ? 顔が変わったぞ。お前、エルフ族か?」
シズを見張っていたシャングリアが驚いた声を発した。
確かに、コゼに化けていた変身が解けて、エルフ族特有の美貌と尖った耳が出現した。
ただ、これまで接したことのあるエルフ族の中では一番童顔だ。
「ハーフエルフだ。エルフ族とは異なり、魔道は遣えないようだな」
何気なく言った。
すると、シズが激昂して目を剥いた。
「お、お前にそれが関係あるかあ──。魔道は遣えなくても、剣の腕で十分にやっていける」
そして、怒鳴りつけてきた。
どうやら、エルフ族の顔をしながら、魔道を遣えないことは、このシズの逆鱗だったようだ。だが、いきなり人が変わったようになって怒ってきたことに、一郎はちょっとたじろいでしまった。
「シ、シズ……?」
そのとき、気を失っていたエリカが身動きして、声をあげた。
どうやら、意識を戻したようだ。
「あっ、ロウ様……」
しかし、すぐにさっきの激しい自分の絶頂ぶりを思い出したのか、顔を真っ赤にして、さっと乳房と股間を手で隠す。
そして、次に、ゼノビアとシズに、鋭い視線を向ける。
このふたりに、ひどい目に遭わされたことを思い出したのだろう。
だが、シズを認めて、さっと相好を崩した。
「シ、シズ? シズじゃないの。わおっ、わたしのこと訪ねてきたの? それとも偶然? とにかく、懐かしいわあ」
そして、甲高い声で歓びを示した。
エリカはとても嬉しそうだ。
「えっ? やっぱり知り合い?」
コゼが声をあげた。
そのとき、コゼが見張っていたゼノビアがかすかに手を動かしたと思った。
注意しようとしたが、そのときには、コゼの蹴りが針を構えようとしていたゼノビアの手首に炸裂するとともに、スクルズの放った電撃がゼノビアに浴びせられた。
「ぐああああ」
ゼノビアが絶叫した。
毒針がコゼによって、遠くに蹴り追いやられる。
一郎は亜空間の力で、その毒針を消してしまう。
「無駄ですよ……。おふたりとも抵抗なさらないでくださいね。抵抗なさるなら、もっと苦しめなければならなくなります」
スクルズだ。
スクルズは、ゼノビアの自由を魔道で奪ったうえに、いまでも電撃を浴びせ続けている。
ゼノビアの激しい咆哮が続いている。
「まだ、ゼノビアは暗器を隠しているぞ、コゼ。構わないから、服をひん剥け。下着もなにもかも、取りあげるんだ」
「はい。じゃあ、裸になりましょうね……。ところで、ご主人様、この女、犯すんですか?」
コゼがゼノビアの服を脱がし始めた。
ゼノビアの絶叫がとまる。
スクルズが電撃をとめたのだと思う。
しかし、身体は弛緩したままのようだ。
「わっ、わっ、や、やめてぇ」
ゼノビアが悲鳴をあげる。
しかし、スクルズの魔道の拘束があるので、ゼノビアは抵抗できない。
「そうだな。最終的にはな」
「だったら、この油剤を使いますか?」
コゼがゼノビアの服を脱がしながら言った。
ゼノビアの足元には、エリカに対する歩行拷問のときに使った掻痒剤の小壷がある。
「それはいいなあ。頼むよ」
「ち、ちくしょう──」
悲鳴と悪態をつきながらも、どんどんとコゼによって衣類を剥ぎ取られていく。
また、コゼは同時にゼノビアの持つ隠し武器も外していっている。
「さて、とりあえず、こっちだな。エリカの知り合いだとしても、エリカに手を出したのは許せん。しっかりと、お仕置きしないとな」
亜空間から、こういうときのために準備しておいた三個の首輪を出した。
王宮からもらってきたものであり、魔道具であり、拷問具だ。
三個の首輪のひとつをシャングリアに渡して、シズの首に嵌めさせる。
もうひとつはゼノビアだ。
コゼに渡す。
ふたりの首に一郎の準備した首輪が嵌まる。
「さあ、ふたりとも見ろ」
一郎は手に残っている首輪を部屋の隅に投げた。
ゼノビアとシズだけじゃなく、全員の視線がそれに集まる。
一郎は指を鳴らした。
破裂音がして、部屋の隅にあった首輪が木っ端微塵になる。
周囲には焼け焦げたような痕もできた。
ゼノビアとシズの顔が恐怖に包まれる。
「わかるな? 俺が指を鳴らせば、お前たちに嵌めた首輪のどっちでも好きなように破裂させられる。その瞬間、首はもげて胴体から離れるというわけだ……。スクルズ、もう拘束はいいよ……。ふたりとも、抵抗したければ抵抗しな。そうすれば、自分じゃなく、もうひとりの方の首輪を破裂させる」
スクルズの魔道から解放されて、床に張り付いていたゼノビアとシズが身体を起こす。
すでにゼノビアは素裸だ。
さっと、両手で乳房を隠す。
「おっと、勝手に手を動かすな──。シズの首をもぐぞ、ゼノビア。手は背中で組んでろ」
一郎は怒鳴った。
「うう……」
ゼノビアが口惜しそうに歯を噛み締めながら、手を後ろに組む。
「そうよ、あんた。まだ、お薬が途中だからね」
そのゼノビアにコゼが掻痒剤の油剤をこれでもかと塗っていく。
「あ、ああっ、も、もうそれ以上は……」
ゼノビアが悶え出した。
こっちはしばらく、コゼに任せておいていいだろう。
改めて、シズに注目した。
「エリカ、このシズとは、どういう関係なんだ?」
一郎は訊ねた。
「幼なじみです……。わたしとイライジャ、そして、シズは同じエルフの里の孤児の施設で育ったんです」
そういえば、そんなことを聞いたことがある気がする。
イライジャというのは、エリカとの旅が始まって最初に訪問した褐色エルフの里で出逢った、気っぷのいいエリカのお姉さん的なエルフだ。
エリカとは百合の関係であり、一郎とふたりしてエリカを縛って責めた記憶がある。
そのときに、エリカとイライジャのほかに、もうひとり仲が良かった幼馴染がいたと教えられた気がする。
名前までは知らなかったが……。
つまり……。
「もしかして、エリカはこいつとも百合関係だったのか?」
訊いてみた。
「そ、そうです……」
エリカは顔を赤らめて言った。
やっぱりそうだったようだ。
だが、エリカとはそんな関係だったシズが、なんで、エリカに恨みを持っているのだろう?
「それで、エリカは、シズからなにを恨まれているんだ?」
一郎はそれを訊ねた。
「さあ……。わたしにはさっぱり……。あんた、本当にわたしに恨みがあるの?」
エリカはきょとんとしている。
「あんたは、裏切り者よ」
すると、シズが叫んだ。
「裏切り者?」
エリカは首を傾げた。
「あんたもイライジャも裏切り者よ──。将来、三人で結婚して一緒に暮らそうと約束したくせに、イライジャはさっさと男を作って里を出ていくし、エリカも同じように出ていって……。それに、なによ──。その破廉恥な身体の飾り──。恥を知りなさい。恥を──」
シズが大きな声をあげた。
「エリカ、この女と結婚するのか?」
シャングリアが驚いた顔で口を挟んだ。
「し、しないわよ──。な、なによ。結婚って……。女同士でしょう」
「だけど、約束したよ。あたしはずっとそれを信じてたのに……。それなのに、あたしを置いていったのよ──。あんたもイライジャも裏切り者よ──。だから、いつか恨みを返そうとずっと、その機会を狙ってたのよ」
「そもそも、結婚ってなによ──? そんな記憶ないわ」
エリカが困惑した顔で言った。
「十二歳のときよ。忘れたっていうの? ゆ、許せない」
シズは喚いた。
一郎は嘆息した。
よくわからないが、どうも、このシズはかなりの不思議ちゃんのようだ。
エリカが大きく溜め息をついた。
「あんたも、変わってないわねえ……。とにかく、ロウ様、お騒がせしました。このシズは昔から、こんな風に思い込みが激しい困ったちゃんでして……」
「こ、困ったちゃんですって──? あ、あんたもイライジャも、むかしからあたしを馬鹿にして……。子供扱いして……。き、嫌いっ」
シズがぷっと頬を膨らませた。
一郎は呆れた。
「だが、そんな理由でエリカを殺そうだなんて物騒だな。ほかに理由でもあるんじゃないか?」
一郎は言った。
すると、シズがびっくりした顔になった。
「あ、あたしがエリカを殺す? 冗談じゃない。なんで、あたしがエリカを殺すんですか。ちょっと、ひどい目に遇わせようとしただけです」
「えっ?」
一郎は首を捻った。
確かに、エリカを拷問しながら、そんなことを喋っていた気もするが……。
一郎はゼノビアに視線を向けた。
「お前はエリカを殺せと依頼されたんじゃないのか、ゼノビア?」
一郎は訊ねた。
そのゼノビアは、コゼによって、全身に油剤を塗られて身体を真っ赤にしている。
いまは、もうコゼは塗布をやめているものの、すでに痒みが襲ってきているのだろう。
全身を激しく悶えさせて、呻き声のようなものをあげ続けていた。
しかし、両手を背中から離さないだけ立派だ。
「し、死に匹敵する辱しめを遇わせろとは依頼されたけど……、こ、殺す依頼は……さ、されてないわ……。エルフ族なら、プライドを粉々にする羞恥を与えれば、死と同じよ……。あ、あたしは殺し屋じゃないわ……。恨みを晴らすのが仕事なのよ」
ゼノビアは荒い息をしながら言った。
とんだ茶番劇だったようだ。
一郎は笑ってしまった。
「……いずれにしても、騒動の罰は罰だな。エリカ、お前の幼馴染でも容赦はしないぞ」
「存分にやってください、ロウ様。このシズにはいい薬です」
エリカは言った。
一郎は再び、亜空間の能力を使って、溢れんばかりの水が入った樽と木桶を出した。
「じゃあまずは、砂時計が終わる前に、この木桶で七杯、水を飲み切れ、シズ。できなければ、指を鳴らしてゼノビアを殺す」
すると、シズが真っ青になった。
「そ、そんなに飲めるわけないわよ──」
「だったら、ゼノビアが死ぬだけだ」
一郎はゼノビアが座っていた椅子に腰かけると、手すりにあった砂時計をひっくり返す。
「シズを許してあげて。責めなら、あたしが負うから」
ゼノビアが叫んだ。
「お前が責め苦を受けるのは当たり前だろう。お前は、エリカが担いでいた丸太を担ぐんだ。許可するまで回り続けろ。動けなくなったら、シズを殺す」
ゼノビアが恐怖に顔を歪ませた。
「こ、こんなの持てない。あ、あたしはエルフ族じゃないのよ。人間族の女よ」
「だったら、シズが死ぬだけだ……。エリカ、その靴を貸してやれ」
エリカは歩行拷問のときにはかされていた踵の高い靴をいまだにはいていたのだ。
「ああ、これですね。じゃあ、頑張ってね」
エリカが靴を脱いで、ひょいとゼノビアに放り投げた。
ゼノビアが痒みの苦痛に呻きながら、靴を履く。
だが、彼女が命令に従って、丸太を担いで歩けたのは一周もなかった。
仕方ないので、引きずらせたが、それでも大した距離は進めなかった。
だから、代わりの罰として、淫具でもてあそびながら、連続浣腸をして全員の前で排便させ、最後にはシズの顔に汚水を浴びせさせた。
その後、アナルを犯すとともに、最初に丸太を担げなかった罰として、樽二個を強引に飲ませた。
もちろん、飲むことができなかったので、
シズについても、最初に命じた樽水を飲んでいる途中で一度吐いた。
他人には容赦なくやらせるくせに、なかなか堪え性のない女たちだ。
やはり、口に漏斗を突っ込んで、強引にふた樽分飲まさせた。しかも、一郎は尿道を粘性体で塞ぎ、尿を漏らすことも許さなかった。
シズは、臨月の妊婦のように腹が膨れあがり、そのときには、完全に泣きじゃくっていたが、容赦なく犯した。
シズとゼノビアを犯して精を注いだのは、しっかり淫魔術を施して、あくまでも仕返しをさせないためだ。
だから、淫魔師の恩恵が発動するほどの深い刻みではない。
最後に、スクルズを呼ぶ。
「……はい」
寄ってきたスクルズに耳打ちする。
すると、スクルズがくすりと笑った。
「よろしいんですか?」
「いいんじゃないか。エリカも死ぬような目に遭わされたんだ。死ぬような恥ずかしい体験をしてもらおう」
「だけど、エリカさんの責め苦が長引いたのは、ロウ様が……」
スクルズがからかうような物言いをしたので、一郎は思い切り咳ばらいをした。
ひょいとスクルズが肩をすくめる。
「では、仰せの通りに……」
お道化たような物言いとともに、スクルズは魔道を発動させて、素っ裸のままのシズとゼノビアを転送術で跳躍させた。
転送の直前に、封印していた尿道口も解放してやった。
あとはどうなるかわからない。
「さて、災難だったわね、エリカ。大丈夫? だけど、あんたって、人質があたしと思って、あんなに頑張ってくれたんだよね。嬉しかったわ」
拷問のときの疲労で床に座り込んでいるエリカにコゼが声をかけた。
「ふん」
エリカが照れくさそうに、鼻を鳴らして横を向く。
一郎は思わず笑った。
「さて、戻るか。結局のところ、殺す、殺されるというような物騒な話ではなかったな。ところで、ふたりを、どこに転送したんだ?」
シャングリアだ。
「王都でもっとも賑やかな噴水広場だ」
一郎は言った。
「うわっ、あの状態でか? 気の毒だな」
「まあ、それくらいはな──。いいよな、エリカ?」
「いい薬です」
エリカがちょっと憤慨気味に応じた。