【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
【ルルドの森林域・アスカ城】
「お食事です、アスカ様」
エマは、夕食を持って、アスカの寝室に入った。このところ、アスカは酒を好むので、果実酒の瓶とグラスに加えて、肴になりそうなものも準備してきた。
そして、エマの入室と同時に、魔道によって部屋が閉所される。
ここには、限られた者しか出入りすることはできないのだ。
入室については、アスカの認めた者だけ……。
退出については、アスカの従者ということになっているパリスの認めた者だけ。
誰でも、自由に出入りできるわけではなく、むしろ、ほとんどの者が入ることはできない。
アスカさえも、ここから出られるのは限定したときだけだ。
ただし、アスカはこの城塞とその周辺であれば、自分の「影」を分身で作って出現させることができる。
しかし、本体については、この寝室と幾つかの部屋くらいしか出入りはできないことになっている。
いまは、エマは入室も退出も認められているので、自由に出入りできる。
ところが、人嫌いのアスカは、いまはこの部屋に入るのをエマしか認めてはおらず、従って、すべての侍女としての仕事をエマがしなければならない。
もちろん、性の相手も……。
「そこにお置き、エマ。ところで、服を脱ぐんだよ、お前」
入ると、苛立った表情で、両手を腰にあてがって立っているアスカが、鋭い眼で命じてきた。
どうやら、今日は、ちょっと暴力的な性愛の趣向のようだ。
嫌なことがあって、不機嫌なのだろう。
その原因をエマは教えられていたので、おそらく、アスカはエマに八つ当たり気味に鬱憤をぶつけて、苛立ちを発散したいに違いないと思った。
こんなときについても、エマはわきまえている。
ちゃんと、適度に抵抗をしなければならない。
最初から従順では、アスカを満足させることはできない。
その加減が難しいのだ。
エマは食事を載せた盆を脇のテーブルに置き、一瞬、躊躇した態度をした。
すると、つかつかとアスカが寄って来て、いきなり両頬に刺すような痛みが走った。
往復で平手打ちをされたのだ。
「なにをぼさっと、突っ立ってんだい、のろま──」
「うっ」
わかっていたとはいえ、愕然となるくらいに強烈な平手だった。
これは、余程にアスカの苛立ちが強いのだとわかる。
どうやら、激しい責めになりそうだと予感した。
「聞こえないようだね」
アスカの美貌が意地悪く歪んだと思うと、先ほどに増して容赦のない平手が頬に飛んできた。
「ぬ、脱ぎます」
「遅いよ。脱ぐと言っておいて、お前は、まだ服を着ている。お前のことはわかっている。そうやって、わたしを馬鹿にしているんだろう。お前まで、わたしを愚弄するのかい──」
またしても、目から火花が出るような頬の激痛。
しかし、アスカの言葉に、エマはどきりとした。
慌てて、侍女服のボタンを外し始める。
エマのことを優しく扱ってくれるアスカなので、今のことも演技なのだと知っているが、もしかしたら、本気なのかとも思った。
それくらい、今日のアスカには迫力がある。
急いで服を脱ぐ。
最後の下着まで脱ぐと、エマは一糸まとわぬ素っ裸になった。
「手を除けな。ちゃんと裸を見せるんだ」
エマは両手で乳房を隠すようにしていたが、両手を体側に垂らして、裸体の全てを晒す。
アスカの美貌は最高だ。
そのアスカの前で裸になるなど、いつになっても慣れることはない。
しかも、ちゃんと服を身に着けているアスカの前で、自分だけが素っ裸であるということが、惨めで苛立ちのようなものを覚える。
以前はこんな感情を抱くことはなかったが、いまは正直にいえば、アスカの相手をするのは嫌だ。
でも、そんなことを口にしようものなら、アスカは間違いなく、エマを殺すだろう。
だから、この魔女にエマの感情の変化を見透かされるわけにはいかない。
この女に気に入られなければ、終わりだということくらいの分別は、エマにもある。
「濡れてないねえ。どうして、お前は濡れてないんだい──」
ぎくりとした。
少し前なら、エマはこういう状況になれば、すぐに興奮して股間で涎を垂らしていただろう。
だが、濡れていない。
エマは焦った。
「も、申し訳ありません、アスカ様、すぐに濡らします」
エマは慌てて、手を股間に持っていった。
女の股に沿って指を動かす。
以前は、この股間に男の性器を魔道で生やされていたが、いまは女の性器だけだ。
ただし、陰毛は一本もない。
全部、アスカに剃られて、二度と生えない処理もされた。
エマがアスカの性奴隷だからだ。
「余計なことをするんじゃない。それよりも、偉そうに立ってないで、四つん這いになりな」
また、叩かれた。
頬をぶたれたエマは、急いでアスカの足元に跪いて、両手を床に着けた。
その背にどすんと、アスカが腰をおろす。
「歩け」
「はい」
よろけそうになりながらも、エマは必死に部屋の奥に向かう。
軽いとはいえ、一人前の女性であるアスカを楽に載せて動けるほどの力はない。凄まじい重圧が両腕や両脚、そして、腰にのしかかる。
あっという間に、全身から汗が噴き出してくる。
「部屋を回るんだ。五周だ」
「は、はい……」
必死にアスカを乗せて部屋を這い続ける。
そして、やっと五周が終わって、部屋の奥側に着く。
アスカが、そこにあった椅子に座り直した。
エマは疲労困憊になっていた。
椅子に座るアスカの足元に正座をさせられる。
すると、首輪を嵌められて、前手で両手首に革枷を装着された。
「自慰を許してやるよ」
「えっ?」
エマは思わず問い返した。
またもや平手を頬に打たれる。
「わたしは同じことを言わされるのが好きじゃないね」
エマは手錠のついた手を股間に持っていくと、下腹部の亀裂に沿って動かし始めた。
すぐに身体の芯を甘い感覚が込みあげてくる。
指でクリトリスを弾くような、軽い刺激にした。
すると、じーんとするような快美感が全身に流れわかる。
「はあ……」
切ないような吐息がでた。さらに愉悦が込みあがるように、エマは指先を強く動かす。
「やっと感じてきたようだね、エマ。おかしいねえ。お前は、ちょっと前までは、わたしに責められるだけで、どろどろに股間を濡らしたものだけど、いまはそれなりのことをしないと濡れもしないのかい……。じゃあ、床に横になりな。続けるんだ」
背に冷たいものが流れる。
なんで、そんなことを……。
とにかく、エマは仰向けになり、やや股間を開いて、自慰の手を速めた。
「あっ、ああっ」
だんだんと大きな快楽の波が襲いかかる。
自分の身体が小刻みに痙攣を始めたのがわかった。
「あううっ」
エマは指で股間を擦りながら、峻烈な感覚に襲われて、思わず腰全体を上に動かした。
「もっと、脚を開いて、お前のいやらしいところを見せないかい」
アスカが笑った。
そして、エマの脚のあいだに、自分の足を置いて、エマの股を大きく開かせる。
恥ずかしさの中で、さらに苛烈で妖しい衝撃に見舞われた。
「はあっ、ああっ、あああっ」
股間を刺激する手に力を入れる。
指を動かす手をさらに速くする。
すっかりと膨らんでいるクリトリスをころころと転がす。
「指を入れな、エマ」
アスカの声が聞こえた。
エマは操られるように、指を二本添えて股間に挿入する。
「あはあっ、あああっ、あああっ」
エマは挿入した指を出入りさせつつ、開脚したままの腰を淫らに揺する。
一気に絶頂が襲いかかってきた。
次の瞬間、がくがくと全身を硬直させて、エマは快感の頂点に自分を追い立てた。
「もういい、終わっていいよ」
しかし、その瞬間、急に手首が引っ張られて、股間から離された。
気がつかなかったが、いつの間にか手錠の鎖に、別の太い鎖が繋がっていて、それをアスカが引っ張ったのだ。
だが、まさに絶頂寸前で、自慰を強制的に中断させられたエマは呆気にとられてしまった。
「あ、あのう」
エマはアスカに恨めしく顔を向けた。
「なんだい?」
手錠の鎖を引っ張られて、エマはアスカの前に立膝する体勢になる。
「ま、まだ、いってません」
次の瞬間、頬を張られた。
「まだ、お預けだよ、馬鹿」
アスカが笑いながら、立ちあがった。
魔道だと思うが、天井から鎖が垂れ下がっている。
アスカは、エマの手錠の鎖をその天井からの鎖に繋げた。
「そら、立つんだ」
鎖が短くなる。
エマは両足が浮くまで吊りあげられた。
「まったく、好き者そうな身体だよ。さすがは、わたしが見込んだ可愛い娘さ」
アスカがエマの無防備な横腹から腰の横をすっと撫でさげた。
「はああっ」
自慰により快感を極めかけながら、絶頂寸前でそれを取りあげられたエマの身体は、信じられないくらいに敏感になっているようだ。
さらに、アスカは、指で腰の括れを刺激しつつ、反対側の腰を舌で舐めあげてくる。
「ううっ、はああっ、ア、アスカ様──、あああっ」
エマの弱点を知り抜いたアスカの責めだ。
いやでも、エマの身体は燃えあがっていく。
「ああ、可愛いよ、エマ……。悪かったね。今日は虫の居所が悪かったのさ。お前に乱暴をするつもりはなかったんだけどね。でも、お前はちゃんと、わたしの心を読んで、それなりの相手をしてくれる。やっぱり、わたしのエマさ」
さっきまでの張りつめていたような怒りとは打って変わり、急にアスカがエマに優しい言葉をかけてきた。
ほっとした。
エマに弱い、いつものアスカだ。
そして、アスカは、エマの下腹部に唇を押し当てて、片手で腰を抱き、もう片手で股間に這わせ、さらに舌で刺激を加えてきた。
「ああっ、はああっ、あああっ」
驚くほどに、あっという間にエマは快感の頂点に押しあげられた。
しかし、アスカは、今度もまるで揶揄するかのように、エマが絶頂寸前になったところで、刺激の矛先を巧みにかわしてしまった。
「あっ、そんな」
エマはまたしても寸止めをされ、宙吊りの身体を切なく悶えさせた。
そして、アスカの本格的な責めが始まった。
アスカの愛撫は巧みだ。
どんなに我慢しようとしても、すぐに快感の頂点に押しあげられる。
でも、ぎりぎりでそれをとりあげ、そうかと思うと、エマの弱い性感帯を突かれて、一気に昇天しかけ、そして、すっと手を引くのだ。
エマは翻弄された。
とてつもない快感のうねりに、甘美なすすり泣きのような声を出し、上気した顔を激しく左右に振った。
それがしばらく続いた。
そして、アスカの指が股間に挿入してきたのは、おそらく、半ノス近くが経ってからだと思う。
指が二本、敏感な入口から入ってくる。
「はああっ、ああっ」
エマは吠えるような声をあげて、宙吊りの身体を跳ねさせた。
アスカの指が膣穴への出入りを開始する。
同時に肉芽を親指で刺激される。
それだけでなく、もう一方の手は、エマの後ろから伸びて、お尻の穴まで刺激するのだ。
「んぎいいいいっ」
これまで感じたことのない峻烈な快感が襲いかかる。
信じられないような充実感がエマの五体を駆け巡る。
「いきそうかい……?」
しかし、すっとアスカの指が離れていく。
エマは半狂乱になった。
「ああっ、やめないで、やめないでください、アスカお姉様──」
エマは懸命に哀願した。
だが、やっぱり、アスカの手は快感の極みを与えてくれることなく、エマから離れてしまった。
「ああっ、そんなあ」
エマは泣き叫んだ。
「心配しないでいいよ。いいものをあげるよ」
優しそうな口調に変わったアスカは、小さな瓶を出してくると、つんと刺激臭のする油剤を手に取り、エマの乳房に塗り込んできた。
「あっ、な、なにを……。ああ、それは……」
ひんやりとする感触に、朦朧となっていた目が醒めたみたいになった。エマははっとして、身体に塗られていく油剤に愕然とした。
もちろん、この油剤の効果は知っている。
全身がかっと燃えあがって、どうしようもなく疼くとともに、強い痒みが発生する強力な媚薬だ。
哀願もむなしく、エマは抵抗することもできずに、さらにお尻の狭間から股間の奥までたっぷりと油剤を塗られてしまった。
「さて、じゃあ、折角の食事だ。もう冷めてしまっただろうけど、食べさせてもらうよ。そのあいだ、じっとしておいで、エマ」
アスカはそのまま行ってしまった。
しかも、この寝室と繋がっている別室に、食事を載せた盆を自ら抱えて、いなくなってしまったのだ。
しばらくのあいだ、エマはそのまま放置された。
「か、痒いいっ、ああっ、助けてえ、アスカお姉さまあ」
すぐに、エマは泣き叫びだした。
しかし、いなくなったかのように、アスカは戻ってきてくれない。
半ノスほどすぎて、アスカが戻ったときには、あまりに痒みの苦しさに、必死でアスカに訴えた。
「お、おろしてください──。アスカお姉様、後生です──」
「どうしたんだい?」
アスカは惚けたような口調で言った。
食事は終わったようだが、酒と肴だけを持って来て、それを小さな卓に置く。
「ああ、痒いんです。お願いです」
信じられないような掻痒感だった。
これまでも、アスカには痒み責めを味わわされたことがある。
しかし、今度のは桁違いの痒みだ。
アスカは、いままでにエマに塗ったことがないような強い痒みの薬剤を使ったのだ。
「そうだろうねえ。それは特別性だよ。いままでの油剤の十倍は痒い。凄いだろう? あとどのくらい、わたしの可愛いエマは我慢できるだろうかねえ? そうだね。少なくとも、一ノスはそこで踊ってもらうかい」
アスカは、エマが痒みの苦しみで悶える目の前に、酒を載せた小卓を運んできて、ちびちびとお酒を愉しむ態勢になる。
「そ、そんなの、無理です──」
エマは悲痛な声をあげた。
狂おしいほどの痒みは、もう瞬時も耐えられない。
「お、お願いします、アスカお姉様」
唇を噛みしめ、涙を浮かべ、髪を打ち振って、エマはひたすらに懇願を繰り返した。
「もっと苦しんでおくれよ、エマ。わたしは、お前の苦しむ顔が大好きさ。今度こそ、わたしだけのものになったんだと思えるからね」
「ああ、あたしはとっくに、アスカお姉様のものです──」
「……どうだかね……」
アスカが意味ありげに呟いた気がした。
そして、優雅に酒を口にする。
エマは、そのアスカの目の前で、苦悶と哀願を繰り返しながら、少しでも痒みを忘れようと、身体をくねらせ、太腿を擦り合わせる。
しかし、今日はいつもに増して、責めが長くて残酷だ。
すでに、宙吊りがかなりの長時間になった。
両肩と両腕につるような激痛が走っている。
しかし、いまのエマにはありがたい痛みだ。
その痛みが少しは痒みを忘れさせてくれるのだ。
どれくらいの時間が経っただろうか……。
いつの間にか、アスカが目の前に立っていた。
酒のせいか、ほんのりと目の周りが赤い。
「これを入れて欲しいかい、エマ?」
アスカが顔の前に示したのは、一本の張形だ。
そして、その先端を乳首の頂に、押し当ててきた。
「あんっ」
エマは悲鳴のような声をあげて、張形の先に胸を擦りつけようとした。
だが、すっと張形が逃げる。
「ここはどうだい?」
今度は股間だ。
もっとも敏感な肉芽に、ぐりぐりと淫らに擦りつける。
「おおおっ」
そこから全身に響き渡る快感の衝撃は凄かった。
エマは恥も外聞を忘れて、張形に股間を押し当てる。
「入れてやるよ、エマ。きっと気持ちがいいよ」
「ああ、入れて──。入れてください──」
焦らすようなアスカの愛撫に、もうなにも考えられない。
一瞬も我慢できない。
「お前は淫乱で、わたしの飼い猫だ。そうだろう? お前は裏切らない? そのはずさ。そうに違いないよ」
アスカが言った。
痒みに苦しみながらも、エマの鼓動が激しくなる。
ばれているわけがない──。
そんなはずはないのだ。
しかし、今日に限って、どうしてアスカは思わせぶりな言葉を……。
「お前はわたしのものだ。淫乱で、どうしようもなく淫らな淫獣だ……。そう、口にしな」
「ああ……、あ、あたしは、淫乱で……淫らな……淫獣です……。ア、アスカ様の……アスカお姉様のものです……」
「そうかい?」
ぐっと張形が亀裂を割って、押し入ってくる。
とてつもない興奮がエマの全身を噴きあがる。
「動くんじゃないよ。腰を動かせば、張形は抜いて、貞操帯で股間を封印する。明日の朝まで、刺激はお預けさ」
アスカが張形をさらに深く挿しながら笑った。
エマはすでに、挿し込まれた張形を股間で締めたり緩めたりして、痒みを癒そうとしていたが、慌ててそれをやめる。
「そうだ。動くんじゃない。動けば、明日までなにもなしだよ。朝までほったらかしだ。それがいやなら、動くんじゃない」
「ああ……、うう……」
張形は深くまで挿し込まれた。
アスカが張形から手を離す。
しかし、ちょっとでも気を緩めると、腰は無意識のうちに動き出しそうになる。
それとともに、全身が悶々とした疼きに染まり変える。
苦しい……。
痒い……。
エマは泣きそうになった。
「おいで……」
手錠を外されて、宙吊りの身体が降ろされる。そして、四つん這いのまま寝台に行くように命令された。
しかも、張形を股間に咥えたままだ。
ほとんど体力は残っていなかったが、エマは必死になって、這い進んだ。
「よくやったね、エマ……。じゃあ、楽しい時間だ。ふたりで愛し合おう……」
寝台の下まで辿り着くと、アスカに寝台に引きあげられた。
エマには、もう寝台にあがる力がなかったのだ。
寝台の上で、再び手錠をされた。
両手を背中に回されて、両腕を水平に置くかたちで手首に手錠を嵌められたのだ。
「ほら、欲しかったものだよ」
アスカがエマを仰向けにして、ずんと張形で腰を突きあげる。
「あうううっ、はああっ」
張り裂けそうな悲鳴をあげて。自分でも呆れるほどに腰を激しく動かした。
あちこちが痒いが、股間は特に痒い。
そこが張形で痒みを癒される──。
まさに、想像もできないような快感だ
「はああっ、いぐううっ、いかせて、いかせてください、アスカ様ああ──」
エマが絶叫した。
早い律動で送り込まれる衝撃に、エマはすさまじい喜悦に打ち抜かれた。
そして、絶頂した。
しかも、それが終わらない。
絶頂したのに、すぐにまた次のうねりがあがってきた。
「ああっ、ま、またああっ」
エマは熱にうなされたように、さらに絶頂する。
やはり、まだ、終わらない。
終わらないのだ。
「二度連続で達したのかい、エマ? お前は、やっぱり、わたしの可愛い淫乱な奴隷だよ。さあ、次はわたしの番だ。お前がわたしをいかせてくれたら、今度は、まだ残っている痒い場所を順番に、癒してあげるよ」
アスカは服を脱ぐ。
あっという間に全裸になったアスカは、寝台に仰向けになり、膝を立てて股を拡げた。
エマはとり憑かれたように、その股間に顔を近づけると、舌でアスカの股間を刺激する。
すぐにアスカはよがりはじめた。
*
エマがアスカの部屋を出たのは、夜中に近い時間だった。
アスカは、まだ半分微睡んでいたが、エマが起きあがったことで、身体を起こした。
少し酒を飲みたいということだったので、残っていた酒で枕元に準備だけした。
部屋を出ていくエマに、アスカはなにか言いたそうにした気がしたが、結局何も言わなかった。
魔道の施錠のある扉を抜けると、そこはいつものように、パリスの部下がたむろする場所になっていて、数名のパリスの側近たちが、酒を飲んでいた。
彼らが今日の当番のアスカの見張りなのだろう。
このアスカ城には、ここで暮らす者についての序列がある。
そして、下位階級者は、上位階級者に絶対服従。
これが、パリスの取り決めだ。
しかも、上位階級者は下位階級者に対する懲罰権があり、理由があれば、負傷させるようなものでなければ、どんな屈辱的な罰でも与えていいことになっている。
一応は強姦はご法度だが、女などは、犯された方がましなような懲罰を面白がって与えられるのはよくある。
エマなど、かつては、頻繁に恥辱的な懲罰を受けた。この城塞で、アスカのお気に入りなど、パリスの直属の者からすれば、体のいいからかいの対象だ。
そして、その階級構成において、最上級にあるのが、アスカの従者ということになっているパリスだ。そして、第二階級と第三階級が、パリスが部下だと認めているパリスに直接に仕える者たちだ。
第三階級以上は、原則として、第四階級以下にはさがらない。
いわゆる貴族階級なのだ。
それも、パリスの取り決めだ。
もっとも、第二階級と第三階級の序列は厳然と存在する。
あとは、第四階級からが第六階級に分かれるが、大したことはない。第四階級以下は、所詮は、奴隷階級の中での序列のようなものだ。
しかも、頻繁に入れ替わるので、昨日まで上だった者が今日から最下層になったり、その逆も頻繁だ。
そして、エマはこのうち、第三階級になる。
もともとは、第五階級にすぎなかったが、アスカに気に入られ、そして、パリスに使命を与えられることで、第三階級に成りあがったのだ。
ここにいるアスカの見張りたちは、第二階級だ。
アスカ自身はアスカ城のどこにも行けないが、自分の影であれば、魔道の通信具になっている魔道の杖を転送させることで影を生み出し、大抵のところに送り込むことができる。
それでも、自分の部屋の前のこの地区については、影さえも送り込めない。
ここは、第二階級と第三階級の地区になるからだ。
また、アスカは、エマが第三階級の地位に上がったことは知らない。
そんなことが暴露されれば、エマがやったこと、やっていることがばれる。
アスカにばれれば、エマはパリスに見放され、アスカに八つ裂きにされる。
そうに決まっている。
パリスに言いつけられているのは、アスカの見張りだ。なにを喋り、どんな行動をするか。
それを逐一報告することになっている。
ご褒美は、パリスから与えられる寵愛だ。
アスカの猫だったエマだったが、あるとき、パリスに襲われて犯され、パリス側につくことで、第三階級にしてもらった。
これは、アスカへの裏切りかもしれないが、やっているのは、ただ、アスカのことを報告しているだけだ。
でも、アスカはパリスが嫌いなので、エマがパリスの愛人にもなっているとわかれば、エマを抱かなくなると思う。
それどころか、殺すかもしれない。
だから、ばれるわけにはいかないのだ。
「おう、エマか。お前らが乳繰り合う声がここまで聞こえていたぜ。気持ちよかったか?」
酒に酔ったパリスの部下が、エマの姿を認めて、からかうような声をかけてきた。
アスカは知らないだろうが、アスカはあの部屋で話すこと、呟くこと、すべて、この連中がたむろするここに、放送のように聞こえることになっている。
その機能も、エマが報告をさせられているのも、すべてパリスがアスカを見張るためのものだ。
しかし、エマのはしたない嬌声も、ここに響き渡っていたかと思うと、かっと羞恥で赤くなるものがある。
「放っておいてください。これも、任務なんですから。それよりも、パリス様に連絡を取っていただけますか? 今日のアスカの状況をお知らせしなければなりません。この前の作業をしてからのアスカの反応です。あたしは、それを確認するように指示されています」
「わかったことを言うな。ただの淫売のくせに。パリス様に犯されて、それでちゃっかり、ご主人様のアスカを裏切った売女だろうが。パリス様に会いたいって、まさか、パリス様の女になったつもりじゃねえだろうなあ。あの人は、根っからの嗜虐好きなんだ。気に入った相手については、とことん毀すのさ。お前を抱くのも、アスカを毀すための手段だ」
「そういうことだ。お前がパリス様の目に留まったのは、アスカのお気に入りだったからだ。パリス様は、そういう相手を自分のものにして、アスカをどん底に落とすのが好きなのさ」
男たちが嘲笑の声を発した。
そんなことは、わかっている。
でも、エマはパリスが忘れられない。
あと、一度でもいい。
パリスに抱かれる機会が欲しい。
それだけなのだ。
だからこそ、パリスに指示されたこと、すなわち、アスカを愚直に見張って、その心情の変化を報告するということを続けているのだ。
「そんなことよりも、アスカのことを報告します。パリス様に取り次いでください」
エマは言った。
第三階級のエマの立場では、パリスとの直接の接触は許されておらず、彼らを通しての取り次ぎが必要だ。
口惜しいがそれが現実だ。
「残念ながら、パリス様はいねえな。当分は戻らねえ。伝言は俺たちが受ける」
男たちのひとりが酒を呷りながら笑った。
エマは失望した。
よくはわからないが、アスカは、今回、極めて不本意なことをパリスに指示をされて、強制的にやらされたみたいなのだ。
だから、パリスには、これにより、アスカになにか変化がないか、よく観察して伝えろと指示されていた。
アスカの性の相手だったエマが、パリスに見出されて犯され、パリスの女になれと口説かれて、初めてもらった任務らしい任務だ。
だから、張り切っていた。
それなのに、肝心のパリスがいないだなんて……。
「それよりも、ちょっとやらせろよ。パリス様にはいいように伝えてやる。あんまり、お前らの淫靡な声ばかりを聴かされる俺たちの立場にもなれよ。それとも、懲罰がいいか? 理由はなんでもでっちあげられるぜ」
そのとき、男のひとりが立ちあがって、エマに近づいてきた。
エマは嘆息した。
拒否することはできる。
しかし、そのときには、また、懲罰で全裸掃除や床舐め、舌で厠清掃など、なにをさせられるかわからない。
それに、こいつらは、パリスに禁止されているにも関わらず、平気で下位階級を殴ったりする。
エマも嫌がれば、死ぬほど殴られるかもしれない。
その結果、結局は無理矢理に犯される。
さらに、そんなことになっても、ここでは誰も助けてくれない。全員が見て見ぬふりをする。
パリスへの訴えなど無意味だし、無論、アスカなど、なんの力も持っていない。
「さっさとして……。中に出していいわよ。避妊してるから。その代わりに、長引かせないで」
エマは経験上、素直にやらせた方が一番楽なのがわかっている。
スカートを捲り、下着を膝まで下げて、やって来る男に尻を向けた。
「おう、すぐに終わるぜ」
男が好色そうな声を出して、エマの股間を愛撫し始めた。
エマは黙って、それを受け入れた。
*
アスカは、ひとりで酒を口にしていた。
嫌なことがあると、酒に逃げるというのは、我ながら情けないとは思うのだが、ほかに逃げる対象などありはしない。
アスカの性癖は、自分と同性の女であるが、自分に靡いていない女にのめり込むのは、やはり虚しいものだ。
だから、どうしても、酒ということになる。
少なくとも、酒はアスカを不愉快にはさせない。
アスカは、憂いていた。
生きることに……。
人と接することに……。
人の世の絶望を味わうことに……。
今頃は、パリスはイムドリスだろうか……。
アスカにしか作ることのできない、ナスカ森林国の女王、ガドニエルの魔道を無効にする護符……。
なんのために、あんなものをパリスが欲したのかは不明だが、パリスの命令に逆らうことができないアスカには、やれと言われれば、それに抗う手段などない。
アスカは、その目的のわからない、ガドニエルを陥れる護符を作成して、パリスに手渡した。
アスカの心が晴れないのは、そのことがあったからだ。
だからこそ、こんなときには、エマを抱き、心の底からの性欲に発散して、なにもかも忘れたいのに、やっぱり、すでに心変わりして、自分に靡かなくなった相手に熱をあげたふりをするのも虚しい。
オデッセイ……。
エルスラ……。
エマ……。
なんで自分が愛そうと思った相手は、どいつもこいつも、すぐに自分を裏切るのか……。
アスカは、手にしている酒をぐびぐびと一気に呷った。