【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
コゼの子宮に叩きつけるように、激しく続けざまに怒張を打ち込む。
「はうっ、ほうっ、ほおおっ、んふうっ」
一郎の腰の上に乗っているコゼの小柄な身体が、怒張の先によって、子宮にずんずんという刺激を受け、じっとりと汗をかいた身体をうねり舞わせる。
すでに五回達しているので、次の一回で終わってやるか。
一郎は股間の突き上げをさらに速くした。
「ああ、ご主人様ああ」
コゼが対面座位の状態でがっしりと一郎の背中に手を回し、強く抱き締めてくる。
そして、ぎゅうぎゅうと腕に力を入れつつ、身体を弓なりにした。
コゼは、また達しそうだ。
一郎は、コゼが絶頂しかかるのに合わせて、いったんコゼの腰をぎりぎりまで持ちあげて、一郎の股間に落下させるように打ち沈めた。
そして、コゼが衝撃で絶頂するのに合わせて、射精をしてやる。
「きゃふうう──」
コゼが奇声をあげて、全身を限界まで反り返らせながら絶頂した。
「きゃふううっ」
すると、コゼだけでなく、コゼの淫気を堪能していたクグルスまでも、同じような声をあげて、悶絶して地面に落ちそうになった。
コゼの発する淫気が大きすぎて、一瞬制御を失ったのだろうか。
しかし。すぐに立ち直って、宙を舞い出す。
「うわあ、びっくり。コゼに気絶させられるところだった。ご主人様、すごおおおい……。いまの淫気の津波みたいだったよねえ……。うわっ──。こいつ、白目剥いてる」
クグルスが叫び声をあげた。
その通り、コゼは一郎の一気の責めに、限界を突き抜けてしまったみたいで、ずるずると脱力してしまった。
これは、やり過ぎたみたいだ。
「あらら、それじゃあ、コゼもだめですね……。いいですよ、ロウ様。大した見張りじゃないし、今夜については、コゼの分もわたしがやっときます。そのまま、朝まで寝かせておいてください」
見張りについているエリカが、一郎に笑いながら声をかけてきた。
もともと、夜を三回に分けて、最初の三分の一をエリカとコゼ、次の三分の一をシャングリアとコゼで行い、最後の三分の一は、エリカひとりの予定だと話していた。
しかし、一郎がコゼをここで抱き潰してしまったため、このままだと、エリカが寝ずの番をする羽目になってしまう。
「それは悪かった。だったら、俺も見張りをするよ。腕っぷしには自信はないけど、なにかが接近すればわかるから、見張りなら役に立てるぞ」
一郎には「魔眼」という能力がある。
むしろ、見張りには最も適しているかもしれない。
「問題ありませんよ。この感じなら、第一層まであがってくる魔獣はいそうにありません。それに、ひと晩くらい寝なくても、まったく大丈夫です。人間族とエルフ族は、身体の造りが違いますから……。わたしたちは狩猟民族ですから」
「そうか?」
とりあえず、一郎はコゼを横抱きにして運んで毛布を出し、シャングリアの横に毛布に包んで寝かせた。
シャングリアは、本当に完全に寝入っている。
「はい。でも、ご褒美に明日、温泉で優しく抱いてください」
「ああ、約束する。少なくとも最初の一回目は優しくするよ」
一郎はわざと“最初の一回”という言葉を強調した。
エリカが小さく笑った。
「わかりました。それよりも、スクルズが可哀想ですよ」
調教の一環として、焦らし責めにしているスクルズの前でコゼを抱いたが、スクルズは、一郎によって掻痒剤を塗られた股間とお尻に張形をねじ込まれ、しかも、お尻については張形の先っぽを入れただけで尻尾のようにされた高尻の恰好だ。
そのスクルズに、一郎はじっと我慢して、お尻の張形を落とすなと命令している。
一郎はスクルズに目をやる。
「う、うう……。ロ、ロ、ロウ……しゃ、しゃま……い、いえ、様……」
スクルズあまりの痒みの苦しみに、汗みどろになり、涙も鼻水も涎も流して、顔がすごいことになっている。
それでも、言いつけの通りに我慢しているのだからすごい。
一郎の予想では、とても耐えられないと思っていたのだ。
そのときには、第二、第三の鬼畜を準備してあった。
まあいい……。
約束だ。
ここから先は、スクルズに集中することにしよう。
「ああ、ロウ様……。か、痒くて……痒くて……ああっ……」
スクルズが一郎と目が合ったことで、ぼろぼろとまた涙をこぼした。
かなり追い詰められて、かなり錯乱状態に近いのかもしれない。
しかし、震えるだけで、じっと耐えている。
本当に凄いなと思う。
拘束されているとはいえ、別にスクルズの魔道を遣えなくしているわけじゃない。その気になれば、スクルズは縄掛けなど、あっという間に切断して自由になれる。
それなのにしないというのは、心の底から一郎には逆らう気がないのだろう。
「頑張ったな……」
一郎は先っぽしか入っていなかったお尻に挿さっていた張形をぐっと押して、ずぶずぶと沈めてやる。
「のおおっ、ああああっ」
悲鳴そのものの嬌声をあげて、スクルズがお尻をぶるぶると振った。
そして、顎を毛布につけたまま、限界まで喉を上にあげる。
一郎は、お尻に深くまで入った張形を手でゆっくりと回すように動かす。
「ふおおおっ」
全身をひきつらせて、スクルズは人間とも思えないような声を放った。
こんなに追い詰められているスクルズは珍しいから新鮮だ。
「早くも、お尻で感じられるようになったみたいだな。いいぞ、スクルズ」
一郎は今度はゆっくりと抜いていく。
スクルズは、腰をひくひくと揺する。
開きっぱなしになったスクルズの口からだらりと涎が落ちたのがわかった。
「こいつも、すっかりとお尻遣いだな。ご主人様、一気にやっちゃえ」
クグルスがスクルズの周りを飛びながら、歓声のような声をあげる。
一郎は首を横に振る。
「いや、まだ早い……。もう少し、追い詰めないとね」
そして、一郎はスクルズの顔側に回る。
さっきコゼと性交して、一郎は、まだ下半身を露出したままだ。
一郎はあぐらをかいて、スクルズの顔の前に股間を持っていく。
「さあ、続きをして欲しければ、奉仕するんだ。スクルズは俺の雌犬になるんだろう。俺の雌犬だったら、自分よりも俺の快感を優先するんだ」
「ああ、も、もちろんです……。あっ、で、でも、力が……」
一郎の股間は地面からやや高い位置にあるので、地面に顔を付けているスクルズからすれば、ちょっと高いのだ。
ひょいとスクルズの上半身を抱えるようにして、スクルズの胸から上をあぐらに乗せるようにする。
「これで届くはずだ」
「あ、ありがとう……ございます」
スクルズが小さな口を精一杯に開いて、一郎の股間に吸いつくようにした。
いきなり喉の奥まで導いて、むしゃぶりつくように舌を動かしてくる。
「んあっ、んんっ、んんっ」
舌だけでなく、顔まで動かして遮二無二舐めてくる。
まるで、なにかが憑りついたみたいだ。
一郎はぐっと身体を前のめりにすると、スクルズのお尻に挿さっている張形に手を伸ばして、再びゆっくりと動かし始める。
「んふううっ、んくううっ」
スクルズが顔と身体をのけ反らせる。
「ほらほら、歯を立てないんだぞ」
一郎はお尻の張形を律動させて、だんだんとスクルズをお尻による絶頂に導いていく。
一方で、スクルズはもう憑りかれたように、一心不乱に一郎の性器に奉仕している。
一郎は道具を操作して、スクルズにのっぴきならない状況に追い込んでいった。
「スクルズ、いつでも達していい。力を抜け……。我慢するな」
一郎の動かすお尻の張形に、絶頂の波に乗せられているスクルズが、まるで電撃でも受けているかのように腰を痙攣しはじめた。
「んあむ、んあっ、んんっ、んんっ」
奉仕を懸命に続けるスクルズの震えが速くなる。
「お尻でいけそうだな、スクルズ……。ほら、もう少しだ」
一郎はお尻に入っている張形を前の穴に入りっぱなしの張形に肉壁越しにぶつけるように擦った。
そこが、赤黒くなるくらいに、性感帯のもやが色づいてもいたのだ。女のどこをどうやって刺激すれば感じてしまうかを赤いもやで知ることができるのは、淫魔師である一郎の最大の武器だ。
「んふううう」
スクルズがあっという間に達してしまった。
一郎はそのスクルズの口に精を放った。
「もう一度だ、スクルズ」
一郎は股間をスクルズの口から抜いた。
すると、スクルズはもう力が入らないのか、いつもは飲み干す一郎の精をそのまま涎とともに、口の外に吐き出してしまった。
眼は虚ろで、かなり息も荒い。
「はあ、はあ、はあ……」
スクルズは呆けたように、ただ荒い息をするだけだ。
眼も泳いでいる。
「すごいなあ……。それに容赦ないな、ご主人様──。だけど、こいつは悦んでるぞ。ご主人様にもっと苛められたいみたいだ」
朦朧としているスクルズの周りを舞いながら、クグルスが元気に笑った。
「……わかってる……」
一郎は、スクルズから一度離れ、再び高尻になっている尻側に回って、再び張形を操作した。
今度は二本を同時に出し入れする。
「んほおおっ」
スクルズが奇声を発して、下半身全体をひきつらせた。
しばらく動かす。
すると、スクルズはすぐに二度目の絶頂に陥りそうになった。
一郎は、二本のうち、まずは前の穴の張形を抜く。
「ああ、そんなあ……」
絶頂しそうなところを取りあげられて、スクルズが失望で身体を震わせる。
「そんなあ、じゃないだろう、スクルズ。俺の一物が欲しくないのか?」
一郎は張形が抜けたばかりのヴァギナに、怒張の先端を当てながら言った。
「ああ、欲しいです──。き、来てください、ロウ様──。スクルズに、それを──」
スクルズが声を振り絞るように言った。
さすがに、追い詰められすぎて、いつもの慎みなど忘れたみたいに声をあげてくる。
一郎はすでにびっしょりと濡れたスクルズの股間に、怒張の先だけをぬるりぬるりと擦りつける。
焦らすようにゆっくりとだ。
いつものスクルズもいいけど、こうやって我を忘れたようになって乱れるスクルズもいい。
「ふわっ、ああっ、んああっ、も、もっと、もっとください──。お願いです」
スクルズが顎を突き出しながら、腰を必死に動かして、一郎の一物をもっと深く咥えようとする。
一郎は焦らすだけ焦らそうと思って、すっとぎりぎりまで腰を引く。
「ああ、待って、お待ちください、あああっ」
スクルズがあられもない声をあげて、腰を後ろ側に押し出すようにして、追いかけてくる。
そして、どうしても先端しか届かないとわかると、腰を物欲しそうに左右に振る。
「ロウ様、お願いです、来てください。それを──」
そのあいだにも、スクルズの股間からは、毀れたみたいに蜜が溢れ出しては滴り落ちる。
「わおっ、この巫女、最高──」
クグルスがうっとりと声を出す。
一郎は、スクルズのお尻の両脇を掴んで、今度こそ奥に怒張を沈めていく。
「ああっ」
スクルズが鼻息とともに、甘い声を出した。
「ほら、待ち焦がれたものだよ」
一郎は怒張をスクルズに入れていく。
「は、はいっ、あ、ありがとうございます、あああっ」
肉棒がゆっくりと沈むにつれて、スクルズの甘い声も大きなものになっていく。
瑞々しくて、綺麗なスクルズの性器だ。
一郎はその粘膜の狭間にずぶずぶと怒張を打ち込んでいった。
「ああああっ」
一郎の性器がついに子宮近くの最奥にまで届く。
快感が集まっている部分を狙うようにぐっと押す。
「いひゃあああっ、あああっ」
スクルズが縄掛けの上体を打ち震わせながら、気持ちよさそうな陶酔の声を出した。
すでに、エクスタシーのうねりに襲われているみたいだ。
一郎は、焦らすように、それでいて、絶頂寸前の快感の暴発の状態から逃げられないように、しばらく律動を調整する。
スクルズの反応がますます狂ったように派手になる。
「あっ、ああっ、ロウ様、最高です──。あああっ、あああああっ」
スクルズが、完全に一郎との性交に酔いしれたみたいになってきた。
一郎は生身の性器を出し入れしながら、手を伸ばして巫女服の上からスクルズのふたつの乳房を鷲掴みにする。
服越しでも、一郎にはスクルズがなにをどうされれば感じるのか、赤いもやではっきりとわかる。
「あはっ、はっ、あはああっ、ああっ、ああー、んはあああっ」
赤いもやに従って、手を動かし、怒張で膣を擦って刺激すると、ついにスクルズが歓喜の声を絶叫した。
一郎は、律動をもっと速くする。
なにをどうすればスクルズが満足し、どうやれば限界寸前でとどまってしまうのかなど知り抜いている。
一郎は、スクルズに最高の絶頂をさせるために、股間を動かした。
「あはあああっ」
ついにスクルズが絶頂をした。
しかし、それで終わらせない。
一郎は、そのまま連続絶頂にスクルズを追い込んだ。
「おおっ、おおおっ、あああっ」
さらに怒張を動かす。
絶頂したのに、下がってこない快感の暴発に、スクルズが狂乱する。
すぐに、スクルズは二度目の快感の極みに達した。
スクルズが二度連続の絶頂をするのに合わせて、精の噴射を解き放った。
「ひぐううっ、いぐううっ」
スクルズが悲鳴を放つなり、ぴんと身体を硬直させたように、全身を突っ張らせる。
だが、そこにさらに快感を足す。
「あ、ああっ、ああああ……」
再び甲高い声をあげながらスクルズが絶頂する。
絶頂三連発だ。
スクルズが脱力していく。
それとともに、股間が緩んだのか、じょろじょろと放尿を始めてしまった。
ほとんど白目を剥いている。
「うーん、満足──。こいつ、最高だね」
クグルスがぐったりとなったスクルズの背中にぽんと降り立ちながら言った。
だが、一郎は首を横に振った。
「まだだ……。もう一本、本命が残ってる」
一郎はスクルズの失禁が終わったところで、ずっと挿入されっぱなしだったお尻の張形を抜いた。
また、淫魔術を使って、自分の怒張の表面に潤滑油を浮かべる。
かなり、放置していたので、一郎との性交のあいだであっても、このお尻の穴だけは満たされることのない情欲と、解消されることのない痒みの苦痛に襲われ続けただろう。
一郎は絶頂の余韻の醒めないうちに、張形の挿入によって、口を開いたようになっているスクルズのお尻の穴に怒張を当てる。
ねっとりと押し当てながら、肉棒を沈めていく。
「んふうっ」
気を失ったかのように脱力をしていたスクルズがびくりと震える。
一郎は、スクルズのアナルを犯しながら、片手を女陰に這わせ、クリトリスを転がしつつ、さっき精を放った膣の外側を刺激し、穴の中にも指を出し入れさせた。
さらに、服の上からだが、乳房を揉み、乳首を転がし、粘性体を耳に飛ばして、ねっとりと舐めあげるように刺激を与える。
ついでに、粘性体を膣内に潜入させ、Gスポットとボルチオをぐっと刺激する。
逃げようのない四箇所、いや八箇所責めだ。
「んふううっ、んぐうううう」
スクルズはあっという間に、狂ったような激しい反応を示しだす。
そして、一郎の怒張はいとも簡単に、スクルズのお尻の穴に打ち抜かせることができた。
衝撃など与えない。
スクルズからすれば、気持ちよさに追い詰められているうちに、いつの間にか深々とお尻の穴に性器を挿し込まれていたという感じに違いない。
一郎は今度はゆっくりと抜く。
ほかの七箇所の刺激は、ぎりぎりのところで調整してやる。達するのは、尻の快感でと決めていた。
「んはあ、あああっ」
スクルズが洞窟の天井を向く。
「つ、突き抜けるうう、んはあああ、ひぎいいい──」
そして、奇声をあげた。
アナルセックスは、挿入よりも抜くときが気持ちいいようだ。
個人差はあるようだが、一郎の女たちもほとんどそうだ。
「だ、だめえですうっ、おおおおおっ」
スクルズが身体を反り返らせて叫んだ。
しかし、まだだ。
一郎はゆっくりと律動を続ける。
スクルズは官能の悦びによる大きな身悶えを繰り返す。
「ご主人様、こいつ、またいくね」
クグルスはくるくるとスクルズの周りを飛んでいたのだが、一郎のそばまでやって来て、耳元でささやいてきた。
「そうだな……。じゃあ、最後に一緒にいこう、スクルズ」
一郎はスクルズに声をかけてから、少しだけ小刻みな律動に変化させた。
「おう、おう、おう」
お尻を打ちつけられ、抜かれ、一郎の施す責めのままに、スクルズは腰を懸命に振り、前後させ、そして、甘美なすすり泣きのような声を放った。
「んふううう、いぎまずうう」
スクルズが最後の力を振り絞るように、がくがくと激しく全身を震わせた。
一郎は、その絶頂に合わせて、精を射ち抜く。
今度こそ、スクルズは完全に意識を失った。
*
すっかりと満足して、クグルスは別空間に戻っていった。
クグルスの目の前で、激しく女たちと性交するのも、半分近くは、特異点の発見に協力してくれるクグルスへのお礼のようなものだ。
一方で、スクルズは完全に意識を失っている。
とりあえず、縄だけを解き、もう一枚毛布を出して、身体を包んでからシャングリアとコゼが寝ている横に運んでいった。
「お疲れ様です」
横穴の出口で見張りを続けているエリカのところに行くと、エリカが含み笑いのような表情を浮かべて、一郎に声をかけてきた。
「どうにも、やり過ぎる傾向があるのかな。どうしても限界まで責め抜いてしまう」
一郎は頭を掻きつつ、エリカに近づいて、軽く口づけをした。
エリカが嬉しそうに、一郎に一瞬だけ抱きついてくる。
最近はどの女もどんどんと美しくなっていく気がするが、エリカの色っぽさはその中でも群を抜いている。
おそらく、美形で知られているエルフ族の中でも、いまのエリカはかなりの美貌の持ち主ということになるだろう。
それでいて、醸し出す色香がすごい。
まあ、一郎が毎日のように精を注いでいる。
その影響があるのだろうと思う。
しかし、さすがに、この状況でエリカまで抱き潰せば問題があるので、自重して離れる。
エリカと向かい合うように、横穴の出口に座る。
とはいえ、さっきのスクルズもそうだし、コゼもそうだし、目の前のエリカも同じだが、一郎が好きなときに犯し、好きなように扱い、好きなだけ辱めても、まったく文句は言わない。
それどころか、嬉々として相手をしてくれる。
本当にありがたいことだ。
「ところで、さっきのことだけど相談しないか? まあ、エリカだけでなく、みんなの意見も聞くけど、とりあえず、いい機会だし」
一郎は座るなり言った。
「さっきの話?」
エリカが首を傾げている。
「新しいパーティ要員の話だよ。エリカは、こういうことには詳しいだろう? 今回、クエストをもらうときに、ミランダも口にしていたけど、やはり、最近の魔獣発生は異常なほどだそうだ。だから、今後は魔獣関連のクエストも多くなると思う。だったら、実質三人だけでは辛いんじゃないかと思ってね。どうにも、俺は冒険者として、役に立っているとはいえないし……。女を愉しませるだけしか、能のない男だ」
一郎は自嘲気味に笑った。
エリカがくすりと笑う。
「そのことですか……。でも、ロウ様は、パーティリーダーとして、十分にお役に立っていると思いますけど……。しかし、わたしよりも、ロウ様のご意見はどうなのですか? 実際にわたしたちを指揮しているのはロウ様ですし、全員の動きを見て、感じることがあるのではないですか?」
エリカが言った。
「そうだね。実のところ、これから、今日のような魔獣駆除のようなクエストが多くなるなら、ひとり盾役が欲しいと思っているんだ。うちの場合は、アタッカー、つまり、攻撃役はエリカとシャングリアで十分だ。だけど、ふたりだって、あんまり集団で襲われると対応できなくなる。今日は、スクルズが魔道で魔獣を散らす役割を担ってくれたけど、さすがに常備戦力として考えるべきじゃない」
「まあ、そうですね。スクルズは、その気っぽかったですけど」
エリカが笑った。
一郎も微笑んだ。
もしかしたら、もしも、一郎がスクルズに、神殿長などやめて、一郎のパーティに入るために冒険者になれと命じれば、すぐにそれに従ってしまうような気もする。
だが、まさか、そんなことをさせるわけにもいかない。
「……とはいっても、スクルズのような高位魔道遣いが冒険者として、見つかるわけがない。それに俺たちの場合は、ちょっと事情があるから、誰でもいいというわけにもいかないし」
「ロウ様の性の相手ができる女性であることが望ましいですね」
エリカが微笑みを浮かべたまま言った。
一郎は苦笑した。
「まあ、そういうことだけど、それで思ったんだが、盾役の戦士を増やしては、どうかと思うんだ。スクルズの魔道ほどの役割は期待できないにしても、その盾役の戦士がまずは先頭で魔獣の攻撃を受けとめることで代替えできる……。そして、うまく散らしてもらって、エリカとシャングリアがアタッカーとして攻撃するという戦術だ……。コゼは勘が鋭いし、罠の探知なども得意だ。シーフ役として俺と一緒に後方に位置するか、それとも、すばしっこいから“釣り役”にも期待できると思う」
「ちょ、ちょっと待ってください──。そのさっきから、“あたっかー”とか、“盾役”とか、“釣り役”とか、なんですか、それ? なんとなく、盾役だけは、意味もわかるんですけど……」
エリカが困惑した表情になった。
一郎の言葉は、自動的にこの世界の言葉に翻訳されているようなのだが、その言葉はうまく伝わっていなかったみたいだ。
前の世界では、貧乏社会人だったので、およそゲームなどには縁もなかったが、なんとなく、人から耳にしたりして知識だけはあった。
それがぴったりの言葉だったので使っただけで、別にゲームのつもりで提案したわけじゃない。
ただ、後ろからじっと見ていて、最適のやり方を考察して、自分たちに必要な新しい戦力について思ったことを、もっとも当てはまる言葉を使って、口にしただけだ。
一郎は、敵の攻撃を受けとめる防御役の“盾役”──。
敵を倒すことに専念する“アタッカー”──。
待ち受けている場所に、敵を牽引してくる“釣り役”について説明した。
エリカが大きく目を見開いた。
「随分と合理的な任務区分と役割設定だと思います。驚きました。ロウ様は、魔獣との戦いについても精通しておられたのですね」
エリカが大袈裟すぎる賞賛をした。
一郎はむしろ恥ずかしくなった。
「精通などしてないけど……。それに、前にアネルザにちょっとだけ相談されたこともあってね……。みんなの反対がなければ、一度試しに、思い切って声をかけてみようかと……」
一郎は言った。
エリカが怪訝な表情になる。
「その言い方は、誰か思い浮かべている者がいるのですね?」
一郎は頷いた。
「いつかクエストで俺が戦った闘奴少女のマーズを覚えているか?」
「マーズ? ああ、いつぞやの、ぬるぬる試合……」
エリカが思い出すような顔になる。
「実は、あのクエストで戦ったマーズの師匠が急死したらしくてね。所属の闘奴たちも、処分されているみたいなんだ。マーズほどになると、これまでの賞金で自分の身分を買い取って、自由人になるのが定番みたいなんだけど、ちょっと声をかけてみようかと思って……。まあ、あれだけ闘技に全力を注いでいた娘だから、冒険者としての誘いに乗るかどうかは不明なんだけど……]
「なるほど、あのマーズの実力であれば、ロウ様がおっしゃられた盾役というのはぴったりかもしれませんね。あのときも、マーズはかなり、ロウ様に心酔していたみたいなんで、案外に話に応じるかもしれません。声をかけるだけ無駄じゃないし、王都に戻ったときに、誘ってみてはいかがでしょう。わたしは賛成します」
「そうか……。じゃあ、コゼやシャングリアの意見も聞いてみて……」
「そうですね」
エリカが大きく頷いた。
そのときだった。
後ろに気配を感じたので、振り返るとスクルズだった。
まだ足元がふらつく感じだが、自分で歩いてこっちにやって来ていたのだ。
身体に毛布を巻きつけている。あの下の下半身はなにも身につけていないはずだ。
「あら、もう動けるの、スクルズ?」
エリカは目を丸くしている。
「自分で自分の身体の治療をして……。と、とりあえず力の入らない足腰の回復と疲労の除去をしました……。ロウ様、不甲斐なくて申し訳ありません……。途中から覚えていないのですが、あのう……。わたしはちゃんとできたでしょうか……。そのう……。あなるせっくすは……」
スクルズが顔を赤くして、はにかむように訊ねた。
さらに、腰が抜けたように、ぺたんと一郎の傍にしゃがみ込む。
一郎は慌てて、スクルズの身体を支えるように手を伸ばした。
とにかく、まだ脱力したように不安定なスクルズを手を添えて支えてやる。
そして、スクルズを真っ直ぐに見る。
「ああ、とても気持ちがよかったよ、スクルズ。俺はしっかりと愉しんだ。スクルズもちゃんとできていた。だけど、やりすぎだったかもしれないから、今度はもっとゆっくりとしよう」
一郎はスクルズの頭に手を伸ばして、その頭を撫でた。
スクルズがほっとしたような顔になる。
「そ、そうですか……。わ、わたしはちゃんとできましたか……。だ、だったら、ご調教をありがとうございます」
スクルズがぺこりと頭をさげた。魔道で回復させたと言っていたが、まだつらそうだ。息も荒い。
一郎は思わず微笑んでしまった。
「ところで、さっきのお話が耳に入って……。今後のクエストのために、パーティの戦力増強を行うというお話ですけど……」
スクルズが言った。
「また、自分の売り込み?」
エリカがからかうように口を挟んだ。
だが、スクルズは微笑みを浮かべたまま、首を横に振る。
「そ、それも魅力的な案ですが……。もし考えていただける余地があるのなら、ミ、ミウを預かってもらうわけにはいかないかと……。冒険者としてでも……。ただ、ちょっと問題があるので、できれば一度、神殿で会って頂いて……。実のところ、ベルズとも何度も相談をして……」
珍しくも、スクルズが困惑を顔に浮かべている。
しかし、ミウといえば、クライド事件の犠牲になり、両親を目の前で殺され、ミウ自身も、あのロリコン卑劣漢に凌辱された可哀想な少女のことだ。
一郎はステータスを読むことで、ミウに魔道遣いの才能があることがわかって、スクルズに面倒を看てもらうことをお願いした。
あれから、スクルズとベルズが魔道修行を施した結果、本当に魔道に開花したと耳にしている。
まだ童女だが、ミウはすでに十一歳であり、魔道遣いとしては遅い開花だ。
それでも、時折、神殿ですれ違ったときにステータスを覗くのだが、なかなかに高い魔道遣いのレベルを獲得していて、魔道修行とやらが、うまくいっているようだということを感じていた。
しかし、スクルズの表情はなんだか暗い。
「ミウを冒険者に?」
エリカは驚いている。
ステータスを垣間見れる一郎とは異なり、エリカはミウが魔道遣いとして、それなりの能力を秘めていたという感覚はないのだろう。
ミウ自身も、一郎たちの前で魔道を披露したことはない。
だから、スクルズがミウを冒険者に推薦したことにびっくりしているようだ。
「ええ、エリカさん……。ただ、このままでは、どうにもなりません。だから、一度、試しに、ミウをロウ様が抱いていただけないかと……。さっきも言いましたが、ベルズとも何度も意見は交換しました。いまとなっては、もうロウ様が頼りとしか……。せっかく、ロウ様がわたしたちを信頼して預けていただいたのに、だらしないことですけど……」
スクルズが申し訳なさそうに言った。
しかし、ロウはびっくりした。
「ミウを抱く? それは俺が思っている意味でいいの? つまり……」
「はい、ミウを犯して精を注ぎ、ロウ様の女のひとりにしてもらえないでしょうか。ミウが死なないためには、それしかないかもしれません」
スクルズが嘆息しながら言った。
「ミウが死なないため──?」
エリカが横から声をあげた。
「ええ……。もしも、それで駄目なら、ミウは慣習法に従い処分されます。わたしたちの立場では、ミウを庇うことはできないのです」
スクルズが深く息を吐いた。