【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
一郎はイライジャとスクルズを寝台にあげた。
すでに縄束を準備している。
とりあえず、スクルズを縛ろうとして、ふと思いついてイライジャに縄を渡した。
そう言えば、イライジャは最初に会ったとき、エリカを見事な亀甲縛りにしてみせた。
なかなかの縄遣いだと思ったし、あのときイライジャと抱き合いながら、イライジャが縄が得意だと語ったのを思い出したのだ。
それに、イライジャを抱いて、淫魔師の結びつきをすると、淫魔師の恩恵により、「緊縛師」というジョブが生まれていた。
お手並み拝見といきたいと考えた。
「わたしが?」
イライジャが戸惑いの声をあげた。
渡された縄束を持ったまま、当惑したように一郎とスクルズに交互に視線を送る。
「わたしがだよ、イライジャ。この神殿長殿はとても淫乱だからね。うんと、恥ずかしがらせてあげてくれ」
「そ、そんな……。わたしが淫乱なのは、ロウ様だけで……」
スクルズは言い訳をするような物言いをしたが、すぐに口を閉じた。
そして、苦笑するような表情を浮かべて顔を赤らめる。
「……そうですね。淫乱ですね。でも、それはロウ様に気に入られたいからです……。わたしだって一生懸命なんです……。だって、エリカさんたちは、いつもロウ様と一緒ですけど、わたしはそうじゃありませんし……。次もさすがに、ご一緒できないし……。エリカさんたちはずるいです。寂しいです」
スクルズがちょっと不満顔になった。
どうやら、うちの三人娘が同じ屋敷で一郎と生活しているのに、スクルズはそうではないと嫉妬めいたことを言っているようだ。
また、ナタルの森に出掛けるあいだ、一緒についていけないのも不満そうだ。
一郎は可愛らしいことを言い始めた若き神殿長を抱き寄せて、口づけをした。
スクルズが一郎の背中に両手を回して、裸体をもたれかけてくる。
「なるほど、王都第三神殿の神殿長様ということで緊張したけど、中身は可愛らしい女の子なのね。ほっとしたわ」
イライジャが笑って、背後からスクルズの胸の上下にすっと縄を回した。
「あら……?」
唇を離したスクルズが振り返って、視線をイライジャに向ける。
「スクルズ……様でしたよね。これでも、わたしはエリカの性の“お姉様”でしたのよ。スクルズ様って、本当は女の子が好きですよね……? いまは、ロウが好きみたいですけど」
すると、イライジャがスクルズに縄掛けをしながらくすくすと笑った。
スクルズが驚いた顔になった。
一郎もまた、ちょっとびっくりした。
そういえば、スクルズは一郎が助ける前に、かつての神学校同窓生であるウルズ、ベルズ、そして、ノルズと百合の関係だった。
その関係は神学校卒業とともに終わったようだが、神殿界に残らなかったノルズに、そのかつての関係をだしにして近づかれて騙され、体内に魔瘴石を入れられてしまったのだった。
いまはロウにべったりの感であるスクルズだが、確かにもともとの性癖は百合だ。
だが、イライジャはそれを一発で見抜いたようだ。
「どうして?」
スクルズが当惑している。
「わたしにはわかるんです。なんとなくね……。勘が働くというか、昔からそういうのには、目聡いですよ。誰が誰を好きかなんてのもわかります……。実のところ、相手が女の人だと、少し接すれば、被虐癖なのか、嗜虐癖なのか、普通なのかということもわかります……」
イライジャが妖艶に微笑む。
「そ、そうなのですか……? そんなにわかりますか?」
「ええ、当てましょうか」
イライジャほ、スクルズに縄掛けをしながら笑った。
「スクルズ様は“受け”ですね……。だけど、責めるのもちょっと好きかな……。だけど、本質は受け。しかも、被虐好き……。そんな感じ……。違いますか?」
イライジャの指摘にスクルズは動揺している。
「いや、その通りだね。よく当たってる」
一郎も納得するとともに感嘆したが、その通りなのだ。
そのあいだもイライジャは、スクルズの身体にどんどん縄掛けをしている。
どうやら、亀甲縛りのようだが少し違う。縄の編み方が特殊だ。
見たこともないような縄の組み方をしている。
「……なんだ、それ? 不思議な結び目だな」
一郎はスクルズの身体に施される縄掛けを見ながら言った。
「わたしの編み出した技よ。エリカもシズも、この縄で泣かせたものよ」
「まあ、シズのことも知っているのですか? ……ああ、そういえば、エリカさんの幼馴染と言われてましたね。エリカさんとシズが幼馴染だそうですから、もちろん、イライジャさんも同じなのですね」
「シズも知っているのですか?」
イライジャはちょっと驚いている。
「まあ、色々あってね。後で説明するよ」
一郎は笑った。
やがて、すっかりとスクルズの胴体に網のように縄が絡まった。
イライジャは、スクルズに両手を頭の後ろで組むように言った。
「こ、こうですか……?」
スクルズが言われたとおりにする。
「もっと、後ろです」
イライジャはさらにスクルズの身体を思いっきり背中に反らせるようにしてから手首に縄をかけた。その縄尻を背中側で下に引っ張りお尻に向かって垂らす。
いつの間にかスクルズの股間の前側には、大きな縄瘤が作られている縄が準備されており、イライジャはその股縄をスクルズの両腿にくぐらせて割れ目深くに喰い込ませている。
そして、腰の後ろでまたもや特殊な巻きつけをしてから、両手首からさがっているさっきの縄に繋いだ。
「あっ」
スクルズの口から小さな悲鳴が迸る。
素早くて的確な見事な股縄だ。
縄瘤は見事にスクルズの股間の急所を抉っている。
しかも、イライジャはスクルズに、身体全体を大きく反り返らせるようにさせてから股間を潜った縄と繋いだ。
とても不自然な恰好であり、スクルズは窮屈そうだ。
だが、一郎はやっとイライジャの縄の仕掛けの工夫がわかってしまった。
「なるほど、これはいい」
一郎は思わず唸った。
イライジャが妖しげな笑みを浮かべる。
「この縄掛けなら、泣き悶えるだろうなあと思ったのよ。この神殿長様はどうかしら。でも、久しぶりなのに完璧にできたわ」
イライジャが悪戯っぽく笑った。
だが、すぐに妖艶な表情に戻る。
そして、どんと乱暴にスクルズの裸身を押し倒した。
「ああっ、そんな」
すぐに、スクルズの悲鳴が迸った。
イライジャの縄掛けの本領が発揮されたのである。
つまりは、イライジャがスクルズに施した股縄の縄掛けは、わざとスクルズが背中を反らせた状態で固定して窮屈に感じるようにし、姿勢を楽にしようとスクルズが身体を元に戻そうとすれば、股縄が食い込んでしまうという仕掛けなのだ。
一郎は、イライジャの思った以上の玄人技に、感嘆を通り越して、興奮してしまった。
これも、緊縛師というジョブの能力か?
「すごいなあ。うまくできている」
一郎は思ったことを言った。
すると、イライジャが得意そうに微笑む。
「ありがとう……。でも、まだまだよ。例えば……」
イライジャがスクルズの無防備な両脇に手を伸ばしてくすぐる。
「あんっ」
スクルズは身をよじって避ける。
「あっ、ううっ」
すると、スクルズは、直後にその場にくたくたと身体を沈めそうになった。
「あんっ、いやっ」
しかし、今度は途中で伸びあがる。
だが、またもや、身体を崩して膝を折る。そして、悲鳴をあげて、元通りの弓なりの体勢に身体を伸ばしてしまった。
「あらあら、でも、そんな不自然な体勢いつまで、もつかしら? それに、さっきよりも股間に縄が食い込んでいますよね、神殿長様? それは、動けば動くほど、股間が責められる仕掛けになっているんですよ」
イライジャか笑った。
「ほう……」
一郎はさらに感嘆した。
どうやら、身体にしている特殊な縄掛けの亀甲縛りは、スクルズが身体を大きくひねると、その動きによっても股縄が食い込む仕掛けになっているようだ。
これでは、確かにスクルズは動けない。
しかし、逆にいつまでも、このままじっとしているのも難しいと思う。
大した縄の技だ。
「じっとしていても愛撫を受ける。でも、愛撫を避けようとしても縄が股に喰い込んで感じてしまう。そんな縄なのよ、これは」
イライジャが言った。その表情には、いわゆる「女王様」の妖艶な笑みが浮かんでいる。
一郎はイライジャの別の顔を垣間見た気分だ。
「じゃあ、始めましょうよ、ロウ」
「ああ……」
なんだか、イライジャに圧倒されていると思った。
ともかく、一郎とイライジャによる、ふたりがかりのスクルズ苛めが始まった。
前後からスクルズを挟み込み、全身を撫でまわしてスクルズに悶えさせるのだ。
四本の手で全身を刺激されるスクルズはどうしても身体を動かしてしまう。
しかし、動けば股間の縄瘤がたちまちに食い込んで、「自家発電」することになる。
スクルズはあっという間に追い詰められた状態になった。
すぐに、スクルズは二度続けて絶頂した。
一郎はぐったりとなったスクルズの股縄だけを外すと、怒張を挿入した。
さらに責めたて、もう一度スクルズが絶頂したところで、精を放った。
「じゃあ、イライジャ、来てくれ」
一郎はイライジャを抱き寄せた。
だが、イライジャはスクルズをちらりと見て微笑んだ。
「ふふふ、でも、この神殿長様も可愛い……。本当に感じやすいし……。まだまだ、愛したいわね」
そこで、イライジャの提案で、脱力しているスクルズの両手首に天井から伸びている二本の鎖に繋がった枷を嵌め、膝立ちの体勢に起こした。
そして、イライジャがさっきの股縄を施し直す。
一郎とイライジャは、そのスクルズを挟んで愛撫をし合い、スクルズをもてあそびながら、さらにお互いを愛し合うということをした。
スクルズは狂乱した。
最後にはスクルズの胸と股を背中側から刺激するイライジャを背後から犯すという体勢で、イライジャに精を放った。
*
次はエリカとウルズだ。
もっとも、これは3Pにはならなかった。
エリカを払いのけるようにして一郎に抱きついてきたウルズを先に抱くと、ウルズは激しすぎる反応ですぐに気持ちよくなってしまい、求めに応じて挿入して律動をすると、すぐに絶頂して寝てしまったのだ。
そのため、事実上、エリカとふたりだけになってしまった。
あっという間に寝息をかき始めたウルズをエリカとともに呆れて眺めた。
「じゃあ、この回はふたりだけだな」
「はい」
一郎がそう言うと、エリカがはにかんだように頷く。
そして、なにも言わないのにエリカは一郎に背中を向けて、両手を背中に回してくる。
可愛い女だ。
一郎は縄でしっかりと、エリカの両腕を緊縛した。
「だったら、あたしが──」
すると、突然、カーテンががばりと開いてコゼが飛び込んできた。
「な、なによ、あんた? あんたの回は終わったでしょう」
エリカが目を見開いている。
「いいじゃないの。ふたりずつ抱いてもらう趣向なんだから、ひとりしかいないなんてずるい……じゃない。ご主人様のお考えに合わないわ。あたしが参加してあげる」
「余計なお世話よ」
エリカは息まいたが、コゼは強引に寝台にあがってきてしまった。
しかも、さらに文句を言おうとしたエリカに巧みに組み伏せて、股間に喰い込んでいるピアスを指で揺らす。
すでに縄で縛っているので、コゼの素早さにエリカも対応できない。
「んふうっ──」
エリカが悶えて脱力する。
しかし、すぐに下からコゼを睨む。
「あんた、ずるいわよ──。なにかというと、そうやって……」
「まあまあ、仲良くしましょうよ、エリカ……。いやなら、こうよ──」
コゼがエリカの股間のピアスを引っ張るような仕草をした。
エリカが悲鳴をあげた。
一郎はふたりを眺めて苦笑してしまった。
一方で一郎は、カーテンが開いていたので、ほかの女たちの様子を垣間見た。
アン、ノヴァ、イザベラ、そして、いま終わったばかりのスクルズはいまだに毛布のところで横になっている。
イライジャとシャングリアとシャーラは、やっと食事を始めたようだ。
まるでピクニックであるかのように、皿に載せた食材を床に直接置いて一緒に飲み食いをしている。
また、シルキーはやっと体力も回復して、給仕として動き出してもいた。
もちろん、全員が素っ裸だ。
なかなかに壮絶な光景である。
しかも、イライジャ以外は、全員が無毛だ。
何人かは、興奮するとうっすらと浮かぶ紋様が下腹部に浮き出ている。
そして、まだ番のやってきていないアネルザとサキは、最初に一郎が抱いたミランダと三人で酒を飲みながら談笑をしていた。
どうやら、最初のときのように、ぴったりと寝台に張りついていたのは、コゼだけだったようだ。
「まあ、いいさ。コゼも来い」
一郎は笑ってコゼを手招きした。
「やった」
コゼがエリカを手放して抱きついてくる。
「もう」
エリカが頬を膨らませた。
そして、半ノスほどの時間をかけて、エリカとコゼを愛してやった。
今度はコゼもぐったりだ。
エリカとともに「毛布組」に混じっていった。
もちろん、ウルズも一緒だ。
多分、ウルズはこのまま、朝まで起きない気がする。
*
最後の組はアネルザとサキである。
「話し合ったのだがな。これだけの女をずっと相手をしてくれているロウ殿に、わたしたちがふたりがかりで奉仕をしようということになった。性の経験ということでは、わたしらはほかの女よりは多いからな。ロウ殿を少しは満足させてやれると思う」
「そういうことだ。
アネルザとサキがそう言って、寝台にやってきた。
一郎は、ならばと、ごろりと横になった。
すぐに、ふたりの一郎に対する愛撫が始まる。
大の字で寝転んでいる一郎の一物を最初に口に咥えたのはアネルザだ。一方でサキは一郎の身体を舌と手でねちっこく愛撫をしてくる。
また、乳房を使って一郎の全身を擦るようにもしてくる。
確かに気持ちいい。
ぞわぞわと快感が全身から吹きあがる。
そして、しばらくしたら、場所を入れ替えて今度はサキがフェラを担任して、アネルザが全身の愛撫になった。やり方も変化するので、さらに気持ちよさも上昇する。
いつまでも我慢してふたりの奉仕を味わってみたい気もあったが、一生懸命にしてくれるふたりに感謝の気持ちもあり、快感の覚えるままに精を放出した。
そのときに、一郎の男根を口に咥えていたのはアネルザだ。
アネルザがおいしそうに一郎の精を飲み下した。
ふたりとも一郎が気持ちよく達したのが嬉しそうだ。
ふたりは、それだけで満足し、そのまま寝台をおりてもいいような素振りだった。
すでに大勢の女たちに精を放った一郎に遠慮したのかもしれない。
まあ、がっつかないだけの年齢もある。
もっとも、もちろん、それだけでは一郎は許さない。
そもそも一郎は、自分だけ気持ちよくなるセックスというのは嫌なのだ。
まあ、根っからのサディストなのだと思う。
とにかく、女が一郎の技によって、よがりまくり、乱れ悶え、いき狂うのが好きだ。
このまま、終わるわけがない。
「じゃあ、感謝を込めて……」
一郎はとっておきの責め技を使うことにした。
粘性体を出してふたりの身体全体を薄い膜ですっぽりと覆ったのだ。
そのうえで、ふたりの身体に浮かぶ性感帯のつぼを示す赤いもやの位置の全部を、自動的に膜で刺激するように念を込めた。
全性感帯の一斉責めだ。
しかも、もやの薄い部分は強い刺激、濃い部分は弱い刺激とさせた。
そして、ふたりを正面から抱き合うようにさせて、お互いに相手の背中で粘性体で手首を束ねて固定する。
今日は縛られる側と縛らない側に分ける予定だったが、もう面倒だ。
一緒に責め落してしまうことにした。
ふたりの性感も一気に十倍モードにする。
「うはあっ」
「おおおっ」
ふたりとも瞬時に悶絶してひっくり返った。
さすがに、この責めは効くようだ。
ふたりが抱き合ったまま、三回連続で達した。しかも、ほんの短いあいだでだ。
放っておけば、いくらでも連続絶頂しそうだ。
アネルザの疑似男根も勃起して、精液と似た体液を噴出した。擬似男根とは、クリトリスを淫魔術で肥大化させて子供の陰茎ほどにして、射精機能まで持たせたものだ。アネルザを責めるためのもうひとつの性器である。
その根元には射精管理のための淫具の輪っかもある。
「ほら、アネルザ、遠慮なくいっていいよ。今日は射精管理をやめてやろう」
一郎はアネルザの疑似陰茎に手を伸ばして、軽く擦った。もちろん、ここにも薄い膜が取り巻いているので、膜の振動と伸縮の動きが加わっている。そこに一郎の手の刺激を加えたのだ。
「んふうう、ロ、ロウ殿──」
アネルザが身体を弓なりにして吠えるような声をあげる。
そして、またもや精を放った。
正面にいるサキを巻き込むように脱力する。
一郎はその勢いを利用して、ふたりの身体を転がし、アネルザを下にしてサキを上にした。
その上から肉棒を貫かせる。
場所はサキのアナルだ。
一郎が手で穴を拡げるようにすると、そこから粘性体の膜がすっと内側に入り込んだのがわかった。さっそく、内側で刺激を開始している。
「おおお、
サキが絶叫した。
あまりもの急激な快感上昇に、サキも耐えられなかったようだ。
数回の律動であっさりと意識を手放した。
ふと見ると、アネルザもがっくりと脱力している。
こっちは、一郎が挿入する前に失神してしまったらしい。
一郎は苦笑した。
どうやら、この責めは刺激が強すぎるようだ。
ふたりにかけた淫魔術を解放して、ふたりを離す。
そのまま、ふたりを寝台に横にさせたまま、一郎は寝台を降りた。
*
「俺もなにか食べようかな。腹が減った」
なんだかんだで全員の相手をし終わるのに、四ノスほどすぎただろう。
一郎の時間感覚では、三時間半だ。
夕方がすぎたばかりだった外も、とっぷりと更けているようだ。
「すぐに何かお持ちします。そこに座っていてください」
寝台の横にいたコゼが、怠そうな身体をすぐに起こして食べ物をとりにいった。
前の性交で毛布の場所まで運ばれたと思ったが、もう復活して、そばにいたらしい。
「飲み物はわたしがお持ちします、ご主人様」
声があった。
アンだ。
そこにはノヴァもいる。
こっちも復活組だ。
「いえ、アン様、あたしが……」
ノヴァが言っている。
「おふたりとも、わたしがやるから大丈夫です」
一郎が寝台から出てくるとともに、毛布から起きたエリカも動き出して、飲み物のあるトレイに向かう。そばにはシルキーがいたが、任せるつもりはないらしい。
「あらあら、人気者ね」
すると、イライジャがそばに寄ってきて、一郎の背中に裸身をくっつけてきた。
乳房が当たる感覚が心地いい……。
「あっ、ずるい、イライジャ──」
食べ物を持って戻ってきたコゼが不満そうに声を出した。
なにがずるいのか知らないが、どうやら、コゼが待っていたのに、一郎を横取りされた気持ちになったようだ。
「ちょっとくらい、いいでしょう」
イライジャが一郎に肌を寄せたまま、コゼの場所を作るように横に動いた。
コゼが一郎の前にやって来て、料理の載っている皿を差し出す。
「ねえ、ロウ、今度はあなたが縛られてよ。その代わり、ふたりで奉仕するわ。食べ物や飲み物を口にするのも、ほかにもよ……。例えば……痒いところがあれば掻くとか、なにもかも、みんなふたりでやってあげる。ねっ?」
イライジャが悪戯っぽく言った。
「面白いことを言うなあ……。縛られればいいのか? セックスはなし?」
一郎はお道化て、両腕を背中に回した。
脚は胡坐にかいたままだ。
「セックスがしたいときは、あなたはそう口にすればいいのよ。相手をするわ。だけど、自分ではなにもしちゃだめ」
イライジャがくすくすと笑って、背後の寝台に手を伸ばす。
そこに置き捨ててあった縄束を取り、一郎を後手縛りにした。首の横と胸の上下にも縄がかかり、がっしりと縛られる。
「なにが始まるのだ?」
「なんじゃ?」
シャングリアが寄ってきた。
イザベラもだ。
さらに、シャーラとミランダも来る。
そこに、飲み物を持っているアン、ノヴァ、エリカも寄ってきた。
三人とも両手に飲み物入りのコップを持っている。
全部で六杯。
すべて酒のようだ。
そんなに飲むものかと、つっこみたくなった。
「今度はあたしたちが、ロウを責める番よ。飲み物をあげる人、食べ物をあげる人、奉仕する人……。それぞれ役割を決めましょう。順番に回すわね」
イライジャがいつの間にか仕切りだして、女たちに指図を始めた。
一方で、一郎の脚に縄をかけて、胡坐縛りに緊縛もしている。
一郎は手足を縛られて動けなくなった。
「これでいいわ。じゃあ、みんなで奉仕するわね、ロウ」
イライジャが顔をあげて、さっとエリカの持っていた飲み物を手に取り、自分の口に入れて、一郎に抱きついて口移しに飲ませてきた。
冷えた葡萄酒だ。
「わっ、やっぱり、ずるい、イライジャ──。仕切るふりをして抜け駆け──」
コゼが声をあげた。
*
半ノス後──。
一郎はすっかりと女たちに密着されて囲まれた状態にあった。
縄掛けされて胡坐縛りのうえに、後手縛りになっているのは変わらないが、まずは股間をアンとノヴァの主従コンビが舌で奉仕している。
両乳首をエリカとコゼだ。
また、首や耳、肩や脇など背後から舌で舐めるのがイザベラとシャーラである。
基本的には、一度に責めるのは五人から六人であり、それが入れ替わり、立ち替わりで交代をしている態勢だ。
それが続いている。
「ほら、飲み物だ、ロウ」
シャングリアだ。
口移しで炭酸入りの果実酒を飲ませてくる。いまの「飲み物係」なのだ。
「お肉よ」
すぐに反対側からイライジャの口がやってくる。「食べ物係」だ。
「そろそろ交代よ、みんな──。でも、ロウ、セックスしたければ、そうしてもいいのよ。あなたは命じるだけ……。そして、誰に声をかけてもいいわ」
口を離したイライジャが、さっと一郎の前にある砂時計に目をやって言った。
交代というのは、砂時計で時間を計って、一定時間すぎれば役回りと人が入れ替わるということだ。
一度に一郎に群がれないので、そういう仕組みにイライジャがしたのだ。
イライジャもいつの間にか、すっかりとこの馬鹿騒ぎに溶け込んでいる。
しかも、愉しそうだ。
一郎はほっとした。
一郎がやった性の宴だったが、もはや、一郎をだしにした女たちの遊びという雰囲気だ。
そして、やはりイライジャには、身についたリーダーシップがあるのだろう。
自然に女たちを指図する役に収まっている。
「なんか王様にでもなった気分だね。しばらく、このままで」
一郎は言った。
「そう……。じゃあ、はい、交代──」
イライジャが声をあげた。
「次はわたしがお道具にご奉仕です」
スクルズが寄ってきた。スクルズはいまさっき起きあがってきたばかりである。
アンたちに交代して、ぱくりと怒張を咥えてくる。
左右の四人も交代し、イザベラ、シャーラが背中側からの責め、乳首責め役はさっき口移し役だった、イライジャとシャングリアがスライドして受け持つ。
「わたくしめも参加してよろしいですか?」
すると、シルキーがやって来た。
「もちろんよ。じゃあ、飲み物役を」
イライジャが一度顔をあげて言った。
「ミランダも来いよ。そこの蜂蜜漬けのパンを食べさせてくれ。ミランダの唾液をたっぷりとまぶしてな」
一郎はちょっと離れていたミランダに声をかけた。
照れくさいのか、ミランダだけはちょっと距離を置いてこっちを見守るだけだったのだ。
「あ、あたし?」
当惑した声を出したが、一郎はミランダの心にかなりの喜びの感情が発生したのがわかった。
皿にさっとパンを載せて、こっちにやって来る。
しかも、山盛りだ。
これで、参加していないのは、毛布で寝ているウルズと、寝台で横になっているアネルザとサキだ。
「面白そうなことをしているな」
「わしらも参加させて欲しいな」
そのとき、アネルザとサキが寝台から降りてきた。
「王様遊びさ。仕切りはイライジャだから、イライジャに従ってくれ」
一郎は笑った。
「王様か……。
サキが縛られている一郎を見て、にこにこしている。
「悪くない。サキのフェラも久しぶりに欲しいな。アネルザにはどこを舐めてもらおうかな」
一郎はうそぶいた。
「なるほど……。では、わしに任せるがいい。主殿を王様にしてやる」
サキが白い歯を見せた。
「いいねえ。愉しみだ。じゃあ、いい気持ちにしてくれ」
一郎は女たちに奉仕されながら笑った。
「じゃあ、次は、サキさんとアネルザが奉仕係をしてください。あたしたちじゃあ、ロウはちっとも精を放ってくれないんです」
イライジャが口を挟んだ。
「もちろんじゃ。任せろ──。アネルザ、やるぞ。主殿をやり込めるんだ。さっきの仇だ」
サキも冗談ぽく言った。
「わかった……。だが、この馬鹿騒ぎも三箇月はなしだな……。ロウ殿、道中気をつけてくれ。そして、戻ったら、また呼んでくれ。こんな愉快な集まりは、なかなかないのだ」
アネルザも愉しそうに言った。
「……本当です。しばらく寂しくなりますね……。本当に……、本当に……。ところで、砂時計が終わるまではわたしの番ですからね……。まだ、奉仕の交代はしませんよ。念のため……」
一郎の股間の前に顔を埋めていたスクルズが一度顔をあげて言った。
そして、すぐに一郎の怒張を愛おしそうに舐める作業に戻った。
(第3話『第1回チキチキ3Pの宴』終わり)