【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
ち、違う──?
いや、これは違う──。
違う──。
違う。
違う。
違う。
スクルズは一瞬にして、股間に挿入してきた男根がロウのものではないことを悟った。
その瞬間、大混乱した。
必死になって腰を振って暴れた。
足を振りあげて、懸命に背後の男を蹴りどかそうともした。
「うわっ、あ、暴れる」
そのとき、急に後ろの男が狼狽したように声をあげた。
スクルズの腰を掴んでいた手が緩む。
すかさず、スクルズは自由な足をめちゃくちゃに動かして、背後の男を蹴りまくった。
そして、うまい具合に、背後の男の足を踏みつけることができた。
「い、いたあっ」
悲鳴があがり、すぽんと股間から男根が抜けて、男が離れたのがわかった。
すると、横から笑い声が起きた。
「まだまだじゃな。拘束した女を犯しておきながら、途中で逃げられるとは」
その男が笑いながら言った。
やはり、しわがれ声だったが、さっきの男とは別の声だ。
ふたり?
後ろにふたりいるの?
スクルズは動顛してしまった。
「そ、そんなこと言われたって……」
最初にスクルズを犯そうとした男の方が不満そうな声をあげた。
しかし、確かにしわがれ声の男の声なのだが、なんだか口調が不自然だ。
まるで、女が喋っているような……。
スクルズに疑念が走る。
「まずは弱らせるんじゃ……。それと脚も拘束してしまうか。お転婆神殿長様に足を踏まれては堪らんしな」
横にいたと思われる男がその言葉を口にした瞬間、突然に足の裏が床に貼りついたように動かなくなる。
しかも、ただ貼りついただけじゃなく、ぐいとスクルズの両足を左右に引っ張ったようにして、大股開きにしてから動かなくなったのだ。
魔道……?
スクルズはびっくりしたが、いずれにしても、これで絶体絶命の状態になってしまったことになる。
手足は大きく拡げられて身動きを封じられ、さらに魔道封じの手枷まで使われているのだ。
しかも、声を出すことのできない口枷と、目隠しまでされている。
今度こそ、逃げられない……。
スクルズの背中に冷たい汗が流れたのがわかった。
すると、横からスクルズの股間に、すっと手が伸びて股間を弄り始めた。
「……」
途端に、腰が抜けるほどの快感が襲いかかった。
突き抜けた鋭い愉悦に、スクルズは一瞬にして脱力してしまい、両手首の手枷に身体を預けるようなかたちになった。
「ほらほら、しっかりと立たんか。淫乱な雌神官め」
股間だけじゃなく、乳房をぎゅっと掴まれる。
電撃のような快感が乳房で爆発する。
うわあっ──。
とてもじゃないが我慢できるような甘美のうねりではない。
全身の官能という官能を一気に呼び起こされるような愛撫だ。
だが、同時にスクルズを疑念が襲った。
この稲妻のような快感に覚えがある。
こんな魔道のような愛撫をするのは、スクルズの知る限りひとりしかいない。
もっとも、スクルズもたくさんの男を知っているわけじゃないが……。
男の愛撫が続く。
なんでもないような手管なのに、ひと撫でひと撫でが爆発するような快感を呼び起こす。
スクルズは、もうなにも考えられなくなった。
そして、この指から与えられる感覚のあまりの気持ちよさと衝撃に、スクルズは上体をぴんと反らせた。
声が出せない状態になっていてよかった。
そうでなければ、スクルズは我慢できなくて、悲鳴のような嬌声をとどろかせてしまっただろう。
「ほら、もうできあがったぞ。もう一度やってみろ」
スクルズに愛撫を加えていた男がすっと身体を離す。
だが、スクルズは、そろそろ気がついてきた。
あんな愛撫ができる者がそんなにいるわけがない。
それに、愛撫をしていた男から香った微かな体臭……。
これは……。
スクルズはすっと全身の力が抜けるのがわかった。
再び、最初のときの男根が入ってくる。
しかし、冷静になってみると、これは本物の男根ではないことがわかった。
おそらく……。
スクルズは緊張を緩めた。
「ふふふ、さすが……。この淫乱神殿長殿は気がついてしまったようじゃな……。まあいい……。予定通りにいこう」
横の男が言った。
いや、その男は、いまはスクルズを後ろから突いている「誰か」の背後に回っている。
スクルズは思わず笑い声が出そうになった。
しかし、それは魔道のかかった口枷に阻まれる。
律動が開始した。
だが、気持ちはいいとは思うが、それはさっきの指の余韻が残っているからだと思う。
スクルズは、改めて自分の身体がロウでなければ受け入れないものになっていることを悟った。
「……ほら、ご褒美じゃ」
二番目の男が言った。
スクルズにではなく、スクルズを後ろから犯している「男」に語りかけたものだ。
「んんっ、ああっ、んあああっ、だ、だめえっ」
スクルズを犯していた「男」が奇声をあげて、スクルズの背中に突っ伏した。
柔らかい乳房の感触が背中に伝わる。
しかも、声がしわがれ声の男ではなく、女そのものの悶え声になった。
「こらっ、興醒めするでしょう。変声の魔道を解かないでくださいよ」
二番目の男の声も変化した。
ロウの声だ。
そして、悲鳴をあげているのは、間違いなくベルズのようだ。
どうやら、ベルズは股間に張形を革帯のようなもので固定しているのだろう。
百合遊びのときに使用するものだ。
また、そのベルズをロウはさらに後ろから犯している気配だ。体勢的に後ろの穴を犯されているのではないだろうか。
いまや、ベルズはスクルズを犯すどころか、完全にスクルズに身体を預けるかたちになっている。
「あ、ああ、ああっ、そ、そんな、だ、だめだっ」
そして、スクルズを犯しているはずのベルズの反応が激しいものになった。
よくわからないが、どうやらロウとベルズが結託して、スクルズを悪戯しにきたらしい。
「ふううっ」
ベルズが悲鳴のような声をあげてがくがくと身体を震わせた。
そのまま、脱力してぺたりと背後に座り込んでしまった気配だ。
「しょうがないですねえ……。全部、失敗してしまいましたよ。このところ調子に乗っているスクルズを懲らしめるんじゃなかったんですか」
すっかりと元の声に戻ったロウが呆れたような口調で言った。
やはり、ふたりの声が変声していたのは、ベルズの魔道だったのだろう。
それをロウがベルズに悪戯したことで集中が途切れて、魔道が解かれてしまったに違いない。
とにかく、心からほっとした。
それにしても、懲らしめる……?
なぜ……?
……とは一瞬思ったが、心当たりはたくさんある。
いや、ありすぎる。
今回だって、本来はスクルズが仕切らなければならない、地方神官の会同を準備する王都巫女会合の寄り合いをベルズにやらせてしまった。
腹をたてたベルズから、無視を決め込まれてしまった真っ最中だった。
「そ、そなたが、ふざけるから……。そ、そもそも、わたしはスクルズを調子に乗らせないように、ロウ殿からも諭してやってくれと頼んだだけだ。こ、こんなことは無理だと言ったのに……」
「だけど、愉しかったでしょう。最初なんか、のりのりだったじゃないですか」
ロウがベルズと入れ替わったのがわかった。
スクルズはロウに挿入して欲しくて、すかさず、ロウを誘うように、ぐいとお尻を突きあげてみせる。
ロウだとわかった途端に、一切の羞恥も矜持も消え去る。
スクルズにあるのは、ロウに犯されて全身全霊を支配されたいという雌の本能だけだった。
「いやらしいですねえ」
ロウがスクルズの尻たぶを掴んですっかりと濡れ切った狭間に怒張を打ち込んできた。
火の出るような快感がスクルズの身体に襲い掛かる。
この一瞬にしてすべてのものを焼き尽くすような律動は、まさしくロウだ。
数回の律動でスクルズは達しそうになって、顔を前に突き出していた。
だが、口枷の魔道具のおかげで声は発しない。
これはいいかも……。
声を消すことができるこの口枷があれば、遠慮なく、どこであろうともロウとの快感にすべてを委ねることができる。
だったら、いつも以上の愉快な思いつきをロウにお願いできる……。スクルズの妄想のままに……。
そんなことを思った。
凄まじい愉悦が込みあがってきた。
いやらしい水の音が股間で鳴っている。
スクルズはさっそく絶頂を迎えようとしていた。
「ほら、首をこっちに……」
ロウが律動を続けながら言った。
スクルズは口枷を嵌めている顔を後ろに向ける。
ロウが口枷から溢れでているスクルズの涎を舐め始めたのだ。
スクルズは途方もないくらいの焦燥感に襲われるのがわかった。
口枷がなければ、思う存分ロウの舌を味わうことができたのだ。
とにかく、スクルズは身体のあらゆる部分でロウを感じたかった。
「お仕置きだか、ご褒美だかわからなくなってしまったな」
ロウが笑いながら、スクルズの乳房を両手で掴んで、怒張をお尻の下から出し入れする。
全身に横溢していた欲情がひと打ちごとに五体をうねりまわる。
「仕置きなどであるものか。しっかりと悦んでいるではないか」
ベルズの皮肉交じりの声が床側から聞こえた。
まだ、ぺったりと床に腰をつけたままらしい。
その言葉には荒い息が混じっていた。さっき達したばかりだからだろう。
「仕方がないな。こんなに淫らな、いけない巫女様になってしまったのは、多分、俺のせいだし」
ロウがスクルズの胸をぎゅっと掴んで、さらに律動を激しくする。
「…………」
声にならない悲鳴をあげて、スクルズは上体をひねってロウに口枷と唇を舐められながら全身をがくがくと震わせた。
官能という官能が燃えていた。
そして、全身が溶けるような絶頂感が襲う。
スクルズは股間の中で膨れる怒張を締めあげながら、全身をわななかせた。
そのとき、熱ささえ感じるようなロウの精が子宮めがけて迸ったのがわかった。
*
「……お情けをありがとうございました、ロウ様」
私室に案内されると、すぐにスクルズが床にぺったりと腰をおろして、深々と頭をさげた。
一郎は苦笑してしまった。
第三神殿の神殿長用の私室である。
もっとも、私室とはいっても、ほっとらいんの鏡が置かれている完全な寝室ではなく、公務も兼ねる部屋であり、部屋の中央には大きな机とそれと対になっている椅子があった。
だが、ほかには椅子はない。
ここは客を迎えるような場所ではないからだ。
一郎はスクルズによって、強引にそこに腰かけさせられた。
一方で、スクルズは甘えるように、一郎の足元の床に座り込んでしまったのだ。
また、一緒にやって来たベルズは、一郎とは向かい合う椅子に座っている。
「ベルズもありがとう……。ロウ様を連れてきてくれるなんて……。それと、今回のことはご免なさい。反省しているのよ」
スクルズがにっこりと微笑みながら、ベルズに頭をさげた。
ベルズが盛大に嘆息した。
「冗談じゃない。わたしはちょっとお灸を据えてくれと頼んだのだ。それなのに、さかりのついた雌猫のように……」
ベルズが面白くなさそうに言った。
「ところで、今夜はどうして、あんなことを?」
床に座っているスクルズが一郎を見上げるようにして訊ねた。
「本来は挨拶だよ。みんなのところに順にね。スクルズは行事で忙しそうだったから、夜になっただけだ。でも、ベルズのところに先に寄ったら、喧嘩しているというしね。まあ、仲直りのきっかけの悪戯だ」
実のところ、もうすぐ出立なので、今日は最後に、女たちのところをひと回りしているところだったのだ。まあ、出発まではこうやって、女たちのところを毎日回るつもりではいる。
今日は、昼過ぎから始まり、まずは、王宮に忍び入り、アネルザを抱きに行った。
アネルザのところに先に行ったのは、昨日はばたばたして忘れていたが、あの闘奴少女のマーズのことを頼みたいと思ったからだ。
一郎とクエストで対決したマーズについて、騙すような勝負で戦った一郎だったが、彼女の実力はよく覚えている。
そのマーズの主人が亡くなり、慣例により自由民になると耳にし、それで、彼女さえよければ一郎のパーティーに入ってもらいたくて、アネルザに間に入ってもらいたいと思ったのだ。
もともと、アネルザが亡くなった興業主の知り合いだったことによる縁であり、確か親族が興業の一座を相続したと聞いたが、その親族との仲介をアネルザにお願いしてきた。
さらに、そこから後宮に忍び込んで、サキとチャルタとピカロをダウンさせた。
次いで、イザベラのところに向かい、イザベラとシャーラを犯してから、ヴァージニアをはじめとする侍女軍団を亜空間で順に犯して可愛がった。
最後に、もう一度、現実側でイザベラを犯した。
何度も、現実側でイザベラを抱くのは、王太女の仕事をするイザベラの股間にたっぷりと一郎の精を注ぎ、その淫靡な匂いのまま、余人に会わせるのが愉しいからだ。
我ながら、鬼畜趣味だとは思う。
それから、冒険者ギルドに向かい、ミランダをレイプごっこでしばらく遊んでから、ランを呼び出して抱いた。
そのとき、ついでなので、アネルザに仲介を頼んでいることを説明したうえで、一郎がマーズをパーティーに介入したいと考えてることを伝えた。
ミランダも賛成であり、協力しようと言ってくれた。
次は第二神殿に行った。
だが、第二神殿に行くとベルズはおらず、こっちではなく、小屋敷に数日引きこもっていることがわかって、そっちに行き、そこでお約束通りにベルズと、さらに、ウルズを抱いてから、引きこもりの事情を訊ねた。
すると、スクルズが仕事を放り出して、一郎のクエストについていったことが、相当に腹に据えかねたらしく、本来は協力して対応すべき地方神官の集まりの準備会合をスクルズに全部やらせて、ベルズは、小屋敷に閉じこもることに決めたというわけのようだった。
まあ、ふたりの喧嘩の原因の一端は一郎にもある。
だから、ベルズを宥めるべく、スクルズを懲らしめる一計とともに、こっちに来たのだ。
まあ、スクルズへの悪戯が成功したとは言いがたいが、こうやって、お互いに話す機会を作ったことで、まあ、よかったということだ。
いずれにしても、これだけの女のところに回って、全員を満足させただけでなく、ひとりひとりに精を注ぎ、まだ夜が遅いという時間にもなっていない。
それでも、いまでも性欲も尽きることがないように溢れ返っている。
我ながら、淫魔師になった自分の絶倫ぶりが怖ろしくなる。
それはともかく、今回のふたりのいざこざについては、確かに、スクルズが悪いのかもしれない。
価値観の違いとしかいえないが、スクルズとは異なり、ベルズはまだまだ敬虔な巫女の部分をしっかりと残している。
一郎に接するのが駄目だとは言わないが、巫女である以上、「遊び」は「遊び」、「信仰」は「信仰」と割り切るべきというのだ。
特に、今回については、大切な神殿長業務をベルズに代行させて丸投げしたことを非常に怒っていた。しかも、丸投げの理由が、一郎とくっついてクエストに行くためだったと知って、激怒していた。
だから一郎は、だったら、スクルズの肝を冷やすために、ちょっとした悪戯をしようと提案したのだ。
呆れかえるのかと思ったが、思いのほかベルズも乗り気になり、ああやって、見知らぬ襲撃者のふりをしてスクルズを襲ったということだ。
結局、すぐにばれてしまったが……。
「……そうですか。それはやっぱり、ありがとうございます。ところで、例の件ですが……」
すると、スクルズが急に神妙な表情になって、口を開いた。
「ミウのことか……」
一郎は言った。
スクルズは頷いた。
ミウの魔道制御の問題について、詳しく教えられたのは、先日のクエストのときだった。
すなわち、クライド事件を機会に一郎たちが保護し、魔眼によって、魔道遣いの能力を秘めていることがわかったので、スクルズに預けたミウだったが、そのミウはほんの少しの訓練で魔道遣いとしての有り余る才能の片鱗を示したらしい。
いまでは、立派にひと通りの魔道も遣えるそうだ。
一郎もそれは知っていた。
時折会うと、そのたびにミウのステータスの魔道遣いのレベルがあがっているからだ。スクルズもこのまま育てば、ミウは自分以上の魔道遣いになるだろうと以前に言っていた。
しかし、一方でミウは魔力が本当に不安定であり、時々自分でも制御できない魔力暴走で周囲を破壊したり、近くの者を怪我させたりしそうになったこともあるのだそうだ。
それが、先日のクエスト終了した洞窟で教えられた事実と、一郎への相談事の内容だ。
いまでこそ、スクルズの魔道具で抑えているが、いずれは抑えきれなくなることは明白らしい。
そして、魔道制御力の低い高位魔道遣いは、「アルペンガウム症候群発症者」といい、兆候の段階で安楽死処置をさせることが、法により定められているそうだ。
このままでは、ミウを「処理」しなければならない。
だから、ロウがミウを犯すことで、能力向上をはかり、魔道制御の安定化をできないか、相談されたのだ。
しかし、一郎は迷っていた。
普通なら一郎には、女を抱くことに躊躇など持たない。
しかし、ミウはまだ、十一歳であり、クライドに凌辱されて、心の傷を負った娘だ。
一郎は、これについては、態度を保留していた。
「やはり、ミウをロウ殿に抱いてもらうのか?」
すると、ベルズがスクルズに声をかけてきた。
一郎はベルズに視線を向ける。
ベルズは真剣な顔だ。
ミウの問題のことは、ベルズも承知していたようだ。
「わたしには、もう、それしかないかと……」
「そうだな……。確かに、ミウについては、それしかないのかもしれん……。多分、ミウは男が怖いのではないかな? それが何故か魔力の安定を邪魔しているのだと思う。しかし、ロウ殿なら、うまく導いてくれるのは間違いないとは思うが……、しかし……」
ベルズが語った。
ミウのことについては、ベルズとスクルズとの間で、すでに相談済みの内容のようである。
あのクエストの終わったダンジョンで相談されたときも、ベルズとは何度も話したとスクルズも言っていた。
「……しかし、ロウ様とミウの相性のことね?」
「相性?」
一郎は首を捻った。
「つまり、ロウ殿がミウの相手をしてもらうとき、ミウの魔道が暴発しないかということだ。わたしらは、ロウ殿ならば、ミウの魔道の安定化を期待できるのではないかと考えている反面、ロウ殿を危険に晒したくはないとも思っている」
ベルズが溜め息をついた。
ふたりにしても、一郎に相談しつつも、どうしていいかの結論までは、出ていないのだ。
そのとき、扉を外から叩く男がした。
入ってきたのは、アンとノヴァだ。
ふたりについては、この部屋に入るとすぐに、夜の祈りの務めが終わればやって来るようにスクルズが伝言を飛ばしていたので、それでやって来たのだ。
「……ロウ様、さっきの話は後ほど……。いずれにせよ、ミウについては、禁淫の業をさせてますが、後で一度会って頂けないかと……。そのうえで、是非、ご判断を教えてもらえませんでしょうか」
スクルズが小さな声で言った。
禁淫の業というのが、なにかわからないが、要はミウに会い、一郎が手を出せるかどうかを意見をくれということだろう。
だが、まだ十一歳で親を殺した男に凌辱された童女を理由があるとはいえ、同じように犯すのか……。
さすがに、一郎も積極的にはなれないでいる。
「ご主人様、いらっしゃいませ……。嬉しいです」
「ロウ様、いらっしゃいませ」
アンとノヴァが満面の笑みを浮かべて、スクルズと同じように、床にちょこんと座る。
まあいい。
ミウについては、後で会うときに考えることにしよう。
それにしても、なぜ、床に座る?
向かいのベルズも苦笑している。
「アン様、ノヴァ……。ロウ様はわざわざ、わたしたちに旅立ちの挨拶をなさるために、訪問をなさってくれたのです。わたしたちは、もうお情けをもらいましたので、よければ、お相手をお願いしてはいかがですか」
スクルズが言った。
「まあ……。で、では、お願いできますでしょうか……」
「あ、あたしも……」
アンとノヴァがぱっと顔を赤らめながらも、ロウにさらににじり寄ってきた。
「ところで、ご主人様、ノヴァとも相談したのですけど、お願いがあるのです……」
そのとき、アンが急に、はにかんだ表情になって言った。
だが、その可愛らしい仕草に、一郎は思わず微笑んでしまった。
「今夜は、色々な人からお願いばかりだね。いいよ。ほかならぬ、アンの頼みだ。なんでも言ってくれ」
「本当ですか? 嬉しいです……。実は先日の集まりのとき、イザベラがご主人様に、ある約束をしてもらったことが、羨ましくて、羨ましくて……」
イザベラになにを言ったかなど微塵も覚えてないし、なにかの約束を交わした記憶もない。イザベラになにかを言ったのだろうか?
「それで、お願いいたします。わたしとノヴァにも子種を頂けませんでしょうか。わたしたちの子として大切に育てます。是非とも、ご主人様にお願いしたいのです……」
一郎は絶句してしまった。