【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
ミウは思念に耽っていた。
ロウと同行することになって、最初のクエスト……。
タイランという街の外れにある東の森に巣食う魔獣を退治するというクエストであり、ミウは生まれて初めて、魔獣と戦うことになった。
少し前までは、魔獣など命からがら逃げるべきものであり、戦うなど夢にも考えなかった。
だけど、ミウがロウたちの旅に同行できるのは、覚えた魔道で戦うためだ。
そして、クエストの始まり……。
初めての戦闘だったが、うまくもやれた。
いずれも中級魔道だったが、うまくいった。
さすがに、魔力を制限する腕輪をしたままで戦うわけにはいかなかったので戦闘直前に外したが、周囲の味方を傷つけるということなく、役割を果たすことができた。
ミウは心の底から安堵した。
だから、気が抜けていたのだと思う……。
ちょっと感慨に耽っていたために、わからなかったのだが、気がつくと魔妖精が出現していたのだ。
魔妖精もまた魔獣の一種だ。
身体は手のひらほどと小さいが、宙を舞うことができ、淫気を支配して人間を虜にして操り、ときには身体に入り込んで肉体を支配してしまうという
「んふうっ、ああっ、ああっ」
ふと見ると、イライジャさんが身体を乗っ取られたらしく、突然に自慰のような行為を開始して、奇声をあげて悶えている。
「浄化──」
とっさに魔道を発して、イライジャさんの中から魔妖精を追い出す。
「うわあっ、やったなあ──。やるか、小さいの──」
一度は外に出た魔妖精だったが、激昂して今度はミウに向かってきた。
「やめろ、ミウは駄目だ」
ロウが焦ったように叫んだ。
そのときには、魔妖精はミウの身体の中に入り込んでしまっていた。
しまった──。
ミウは焦った。
体内に入られてしまうと、外からでなければ魔妖精を追い払えない。
抵抗のしようがないのだ。
それでも、必死に魔妖精を退治しようと、体内の魔力を練る行為をした。
「うわあっ──。な、なに、こいつ?」
次の瞬間、不思議にも魔妖精がミウの中から転がり出て地面に転がった。
そして、苦しそうにもがきだす。
しめた──。
「浄化──」
魔道を発射する。
「んふううっ、いやああ──。ご、ご主人様、助けて──。か、身体が溶ける──。ご主人様──」
魔妖精がのたうち回りだす。
それとともに、だんだんとその姿が薄くなっていくのがわかった。
「ま、待て、待て、待てよ、ミウ──。クグルスは仲間だ。消すな──」
ロウが必死の声をあげて、ミウの肩を掴んだ。
そのときだった。
ミウの意思とは関係なく、凄まじいまでの電撃が周囲に放出された。
*
「うわっ」
一郎は凄まじい力が、ミウの身体から暴発したことがわかって、瞬間的にミウの身体から手を離した。
「ひいっ」
「うわっ」
「ふわっ」
「ああっ」
「ううっ」
だが、予想をしていた先日の身体を放り投げられるような暴風は起きず、その代わりに周りにいた女たちが一斉に股間を押さえてうずくまった。
一郎もまた、瞬時に股間が勃起して、むらむらとした欲情が沸き起こった。
とりあえず、淫魔力で興奮を抑え込む。
自分の女たちの性欲だけじゃなく、自分自身の性欲もコントロールできるのだ。
それにしても、なにか様子がおかしい……。
魔眼を働かせると、全員のステータスのうち性的な欲情度を示す「快感値数」が“10”以下になっている。快感値数が0になれば絶頂したということなので、10というのはその寸前ということだ。常態から一気にそこまで欲情させられるということは、かなりの衝撃だったはずだ。そんなものは、快感を通り越して苦痛でしかないことを一郎は知っている。
まあ、いつもやっていることなのだが……。
「ご、ごめんなさい。あ、あたしったら、
ミウの泣くような声がした。
電撃──?
訝しんだが、どうやらミウは、いまの魔道の暴発が電撃系の魔道だと思い込んでいるようだ。
だが、あれは断じて、そんなものとは違う。
淫魔師の一郎が唖然とするほどの強力な淫撃の暴発だ。
「な、なにが
クグルスが飛びあがって叫んだ。
「おう、元気になったか、クグルス?」
たったいままでミウの不思議な魔道で消滅しかかっていると思ってびっくりしてしまったが、どうやら元気になったようだ。宙に浮かんで、一郎の背中に隠れる位置に移動してきた。
「元気だよ。あれだけの淫気を大量に浴びせられたらね。でも、ちょっと洩らしちゃった……。うほうっ──。まあ、絶頂は淫魔の元気の源さ。だけど、こいつ、なに? なんで淫魔族の高等魔道を遣えるの?」
「さあなあ……」
一郎はミウを見た。
本当にどういうことだろう。
一郎はミウのステータスを覗いてみた。
“ミウ
人間族、女
見習い巫女
冒険者
年齢:11歳
ジョブ
魔道遣い(レベル12)
退魔師(淫)(レベル1)↑
生命力:50
攻撃力:5
魔道力:***
経験人数:男1
淫乱レベル:B
快感値:120”
驚いた。
改めて、ステータスなんか滅多に覗かないから知らなかったが、少し見ないうちに、かなり内容が変化している。
魔道遣いとしてのレベルは、いつのまにか“12”となり、これは、かなりの上級のレベルだ。
だが、本格的に習い出してから半年しか経っていないはずだから大した成長だ。
また、随分と感じやすい身体に変化していると思った。
そして、不思議なことに、魔力の数値がない。零ではなく、表示がないのだ。
これもよくわからない。
なによりも、「退魔師(淫)」というのはなんだろう。
こんなものは、なかったはずだ。
もしかしたら、たったいま覚醒したジョブということになるのだろうか。
一方で、いまのおかしな魔道について、クグルスは淫魔族の魔道だと言い切った。
確かに、一瞬にして女を欲情させてしまう術など、淫魔師の技そのものだ。
一郎も遣うことができるが、自分の女に対してだけだ。
しかし、ミウは性行為のない周囲の女たちに、一瞬にしてそれをかけてしまった。
「なあ、この中で退魔師というジョブに聞き覚えのある者はいるか?」
一郎はうずくまっている女たちに向かって訊ねた。
「た、退魔師──。それは、ぼくたちの敵だよ。淫魔族をはじめとして、魔族を消滅させるやつだ。それがこいつなの──? そ、そうか。だから、ぼくが消えそうになったんだな」
すると、クグルスが大きな声で叫んだ。
そして、ますます、ミウから逃げるように一郎の背中に隠れる。
「……そ、そんなことはいいわよ……。ロ、ロウ……。せ、説明してもらうわよ。その魔妖精が仲間ってどういうことなのよ? もしかしたら、あのときの魔妖精の騒動と関係あるんじゃあ……」
イライジャがやっと上体を起こして言った。
ただし、かなり息が荒い。
顔は上気して真っ赤だし、前髪が汗で額に貼りついている。
まさに情交の真っ最中という感じであり、とても色っぽい。
それはともかく、“あのときの魔妖精の騒動”というのは、褐色エルフの村における裁判に繋がった騒動のことだろう。
ユイナが禁忌の魔道を遣って魔妖精のクグルスを呼び出し、「契約」によって一郎に悪戯をさせようとしたものの、淫魔師だった一郎にクグルスが捕らわれ、逆にクグルスがユイナに仕返しをしたという事件だ。
その結果、魔妖精を召喚したのが一郎ではないかと疑われて、一郎は危うく裁判で処刑されるところだった。
こうやって、そのときのクグルスを一郎が眷属のように扱っているのを見ると、あのときの騒動の根源が一郎にあったのではないかと誤解をするかもしれないと思っていた。
「そのときの魔妖精だよ。縁があって、いまは俺のしもべだ。呼び出したのは、こいつには瘴気の根源である特異点を見抜く力があってね……」
一郎は説明をし始めた。
そのあいだに、ほかの女たちも、やっとなんとか落ち着きを取り戻した感じで、身体を起こしていく。
とにかく、イライジャにはユイナが呼び出した縁でしもべにしたのが始まりであり、価値観も違うし、お調子者のところもあるが、根はいいということを強調した。
話が終わったときには、全員の動揺もすっかりと収まり、普通に話ができる状態にはなっていた。ただし、全員が落ち着かないように、腿をすり寄せるような仕草をしている。
おそらく、さっきのミウの魔道で、股間がびっしょりと濡れたのだろう。
後で、下着を出してやった方がよさそうだ。
一郎は苦笑した。
「……話はわかったわ……。いまさら、あなたに驚くことはないと思ったけど、まだまだあるのね……。とにかく、その魔妖精は、元はといえば、ユイナの呼び出した魔妖精というわけね……」
イライジャが釈然としない感じでぶつぶつと言っている。
まあ、なんとかクグルスを受け入れてくれる気持ちにはなっているようだ。
とりあえず、一郎はほっとした。
「だ、だけど、魔族をしもべにって……? 怖くないのですか?」
マーズがおずおずとした口調で言った。
この怪力筋肉娘が怖いというのは意外すぎて面白いが、エリカに教えてもらったことによれば、一般には魔妖精というのは、性欲と精神を操る存在ということで忌避されている存在だということだった。
マーズの言葉は、魔妖精に対する反応としては当たり前のものであり、まだ大人しいくらいのものだ。
ミウなど、一瞬にして消滅させようとしていたし……。
そういえば、クグルスを身体から追い出して、そのまま消えさせようとした力……。
あれが覚醒したらしい「退魔師」の力なんだろうか。
だが、退魔師はともかく、「退魔師(淫)」ってなんなのだろう?
「なにを言っているでか女──? 淫魔師のご主人様が淫魔のぼくをしもべにするのは当たり前だぞ──」
すると、クグルスが堂々と大きな声で言った。
「えっ?」
「淫魔師?」
「ええっ?」
マーズだけじゃなく、イライジャもミウも呆気にとられている。
そういえば、一郎が「淫魔師」だというのは教えていなかった気もする。
「……あれえ? もしかして、秘密だった、ご主人様?」
珍しくもクグルスが三人の表情に、空気を読んだようなことを口にした。
「まあ、いまさら隠し事は無意味だし、もういいよ」
一郎は自分が外界人であり、この世界に召喚されたときに、「淫魔師」の能力を覚醒したようだと教えた。
それを知っている三人娘は当然になんの反応もなかったが、残りの三人は目を丸くして驚いていた。
ついでに、淫魔師の能力のひとつは、支配した女の能力を高めることだとも言っておいた。
利点も言っておかないと、怖がられてばかりも困る。
「言いふらされるわけにはいかないが、解放して欲しいと思うものは口に出して欲しい。俺はみんなの心を縛るような真似はしていない。確かに、それができることは事実だけどね。約束するよ」
一郎が淫魔師だと初めて知らされた女たちが困惑する表情になった。
だが、それだけだ。
一郎も彼女たちの感情を探ったが、一郎に対する不信や危惧の心はない。
純粋にびっくりしているだけだ。
とりあえず、ほっとした。
「そんなこと、いいじゃないか、ご主人様──。それよりも、こいつだよ、こいつ──。これ、なんなの? なんで、魔妖精のぼくを消してしまうことができるのさ──? なんで、ご主人様と同じ淫魔術が遣えるのさ──?」
クグルスが叫んだ。
「えっ、あたしが……ですか?」
ミウはきょとんとしている。
どうやら、魔道を暴走させたという認識はあるが、淫魔術を暴走させたという認識はないようだ。
「ええっ、さっきのは、ロウ様の悪戯じゃないんですか?」
エリカだ。
ほかの女も同じような反応だ。
まあ、一瞬にして激しく欲情させるというのは、いつも一郎がやっているような悪戯なので、当然に女たちは一郎の仕業だと思ったのだろう。
しかし、正真正銘、ミウのやったことだ。
一郎はミウに説明を求めてみた。
「あ、あたしにはさっぱり……。あたしには、電撃の魔道が放出したと思ってました……」
ミウは自分の魔道が周りの女たちをあっという間に欲情させてしまったと教えられて、唖然としている。
「あっ、そうだ。皆さま、申しわけありません──」
そして、思い出したように、地面に両膝をつけて謝りだした。
一郎はとりあえず、ミウを落ち着かせて、もう一度事情を訊ねてみた。
やはり、ミウには周囲の女の淫情を突然に活性化させるような魔道は遣えないし、そんなことやろうとも思わなかったということだ。
スクルズの教えた魔道にも、そんなものは含まれていなかったとのことだ。
まあ、あのスクルズのことだから、ただの電撃魔道に、こっそりと淫情の魔道を忍び込ませるくらいはやりそうだが、一郎が知る限り、スクルズもその手の魔道は遣えないはずだ。
念のために、クグルスに放った魔道についても訊ねてみた。
突然に「退魔師」のジョブが出現したことに関係がありそうだが、ミウが放つつもりだったのは、中級の「
だが、クグルスだけでなく、エリカもきっぱりと否定した。
アンデッド・モンスターではないクグルスに、浄化系魔道は効果がないはずだというのだ。
だったら、退魔師系のほかの魔道が発動してしまったと考えるべきなのだろう。
退魔系の魔族退治の魔道だが、淫魔系の性欲をおかしくする波動が加わった魔道……?
どうにも、不思議だ。
一郎も首を傾げた。
まあ、いいか。
そのうち、なんとなくわかってくるだろう。
「あたしは、やっぱり魔道遣いとして不適格者なんですね。思った魔道と別の魔道を遣ってしまうなんて」
ミウは意気消沈してしまった。
「なに言ってんのよ……。クグルスを消滅させかけるような強力な魔道を遣っておいて、不適格者もなにもないでしょうに……」
コゼがぼそりと言った。
「まあ、そうだな。だが、魔獣との戦闘のときには、ちゃんと魔道がうまく発動していたし、問題はないのではないか」
シャングリアも口を挟んだ。
「ふん、こいつが欲求不満なのが原因だよ。ちょっと身体に入ったけど、こいつはご主人様に対する欲情でいっぱいだった。それが消化されないから、それによって集められた淫気が突然に暴走してしまうんだよ。それにこんなに小さいけど、こいつマゾだよ。さっさと抱けばいいよ、ご主人様。きっとご主人様好みの女に化けるね」
クグルスが吐き捨てるように言った。
その口調には棘がある。どうやら、クグルスは自分を消滅しかけたミウのことをまだ根に持っているようだ。
それでいて、どうしても苦手意識があるのか、ミウとは一郎を挟んで反対側の位置から移動しようとはしない。
「俺に対する欲情?」
一郎はずっと背中に隠れているクグルスに問い返した。
「な、なにを言うのですか、魔妖精さん──」
ミウが悲鳴をあげた。
視線を向けると顔が真っ赤だ。
どうやら、本当のようだ。クグルスは身体に入ることで、その対象の心と身体を乗っ取って、一時的に同化する。
そもそも、淫情に関することなら、一郎同様にクグルスはなんでもわかる。
だが、それがそうなら、ミウの現象について、一郎にも思い当たることはある。
そもそも、淫気というのは、魔道遣いの力の源の魔力と同質だ。
それには諸説あるものの、一郎は真実だと思う。
淫魔師としての、あるいは魔眼保持者としての「勘」がそう言っている。
完全に同質ではないのだが、まあ本質は同じものというところではないだろうか……。
いずれにしても、スクルズによれば、神殿でも何度も魔道の暴発は発生したようだが、一郎の前では二回だけだ。
共通するのは、一郎がミウに触れたということだ。
仮説だが、ミウが一郎に対して愛情を持ってくれていて、それが一郎に触られたことで一気に淫情が発生し、さらに膨れあがることで「魔力」ではなく、本当は「淫気」として発散したのではないだろうか。
スクルズは魔力の暴発だと思ったかもしれないが、スクルズにも淫気と魔力の違いはわからない。
暴発した淫気がどのような現象を起こすかは予測はつかないはずだ。
さっきは淫情を起こさせるような波動だったらしいが、普通の魔道と同じ現象だって起きる。
クグルスだって、淫気を源にして、電撃や火炎の魔道を発出させる。
おそらく、一郎がミウに性的満足を与えてあげるようになれば、「魔力」の暴出、すなわち、淫気の暴出はなくなるような気がする。
もっとも、一方でスクルズが怪訝していた、そもそも魔力の容積が変化するという現象は、これでは説明がつかない。
スクルズもベルズも、まずは、魔力が変化する現象を抑制しないと、魔道制御をすることができないという見解である。
だが、一郎の見たところ、ミウの魔力が変異するとはいっても、魔道そのものについては、ミウは失敗していない。
スクルズもまた、ミウは上級魔道でさえも、発現できると言っていた。
ただ、ときどき、予期せずに暴発するだけなのだ。
もしかしたら、ミウの魔力が安定しないために魔道制御がうまくいかないこと、そして、魔力の流出の原因が無関係だとすればどうだろう。
つまり、暴出していたのは魔力ではなく、欲情して発散しない淫気が外に発出されていただけで、魔力の容積の変化とは関係がないということだ。
魔力の制御については、ミウの魔力が自在に変化するのだとすれば、そもそも、スクルズやベルズが教えているようなやり方では、制御できないだけなのではないか……。
そうであれば、逆に、ミウの能力は必要な魔力を必要なだけ確保できる自由自在の魔力集積力であり、欠点でもなんでもないというになる。
まあ、一郎は魔道には不案内なので、これはただの素人の思いつきだが、一郎の「勘」がなんとなく正しいと、いっている気がした。
しかし、一郎の仮説が正しければ正しいで、ミウは欲求不満になると、魔道を暴発させる体質だということか?
それは、それでかなり迷惑な特異体質だ。
とにかく、なんでもいい。
ここには、スクルズもベルズもいないし、ミウを預かったのは一郎だ。
なんでも、やってみよう。
「ミウ、お前のことはもっと慎重にやってあげるつもりだったが、計画変更だ。最終的には俺を受け入れてもらうけど、まずは軽い調教をする。本格的な調教は、一連の魔獣退治が終わって宿に戻ってからにするが、これは前払いだ。魔道でもなんでも遣って跳ね返してみろ」
わざと酷薄な物言いをすると、一郎はミウを抱き寄せ、粘着油を発生させて、ぴったりと一郎とミウの身体をくっつけてしまった。
これで魔道の暴出が起きても跳ね飛ばされることだけはない。
「ひいっ、あ、ああ、ロ、ロウ様──」
いきなりのことで驚いたミウから強いエネルギーのようなものが発散しそうになったのを感じた。
だが、一郎はその前にミウのローブの中に手を入れ、さらにスカートの下の股間に指を触れさせて、離れないように密着する。
その直後、凄まじい電撃が全身を襲った。
興奮したミウによる淫気の流出だ。
今度は電撃のかたちで発生したようだ。
「んひいいいっ」
悲鳴をあげたのはミウだ。
一郎は自分自身を粘性体で覆うだけでなく、一時的な衝撃防止膜を作っていたので、それほどのものはなかった。
だが、ミウは一郎の指から逆流した電撃がもろに股間に流れてしまったみたいだ。
完全に脱力したミウを一郎は抱きかかえた。
すると、股間からじょろじょろとミウのおしっこが流れ出したのがわかった。
「あ、ああっ、ロ、ロウ様……。も、申しわけ……」
ミウが狼狽えた声をあげた。
だが、一郎はその口を唇で塞いで、舌とともに唾液を流し込むことで中断させた。
ミウの喉が動く。
一郎の唾液をミウが吸い取ったことで、わずかだが淫魔力の流れができあがった。
ミウの魔道を制御できる感覚が発生する。
これで一郎が関与して、淫気の暴流を防ぐこともできそうだ。
「ざまあみろ。ご主人様、もっと苦しめちゃえ」
クグルスが囃したてた。
すっかりとミウに苦手意識をもってしまったらしいクグルスは、ミウに仕返しをしてもらっている気分になっているのかもしれない。
だが、一郎は淫魔力が繋がったことで、さっきクグルスが口にした「ミウはマゾ」という意味も理解した。
電撃が股間に流れてしまうという激痛を喰らってしまったことで、ミウは完全に欲情していた。
それはかなり激しいものであり、ミウの股間からはおしっこ以外のかなりの量の分泌液をしっかりと感じた。
そのとき、一郎は顔をあげた。
一郎の魔眼がここに近づく存在を感知したのだ。
魔獣だ。
「……お前たち、お客さんだ……。相手をしていてくれ……。二匹……いや、五匹いるな。一番活躍してくれた者に一連の魔獣退治が終わったときに、なんでも、ひとつだけ、いうことをきいてやろう。どんなことでもだ」
やって来たのは
任せて問題ないだろう。
「わかりました」
風のようにエリカが飛び出していく。
「あっ、待って──」
「抜け駆けはさせん」
続いてコゼとシャングリアが駆けだす。
「そんなの狡いわよ、ロウ」
戦闘能力のないイライジャが不満そうに言った。
だが、そのときには、三人娘は我先に魔獣の気配に向かって消えてしまっている。
「あ、あたしはロウ様の護衛を……」
マーズも飛び出そうとしたようだが、さすがに護衛役がいないのは問題だと思ったのだろう。
イライジャとともに、この場に留まった。
「いい子だな、マーズ……。だったら、宿に戻ったときの伽はマーズを指名するよ。腰が抜けるまで抱いてやろう」
顔を横に向けると、マーズが「そんな」と言いながら、顔を赤くしている。だが、剣の構えだけはしっかりとしている。
一方で、ミウの股間に対する下着越しの愛撫は続けている。
最初の一回を除いて、一応は魔道の暴発現象は起きていない。
それよりも、順調に淫気というかたちで、ミウは身体に発生している淫情を放出している。
なんとなくだが、ミウの魔力も安定しているような気がする……。
「ん、んんんん」
そのとき、さっそくミウががくがくと身体を震わせて、最初の絶頂をした。
まとまって、かなりの淫気が発散したが、やはり、魔力の暴出というかたちでは表に出ることはなかった。
一郎はほっとした。
「ミウ、いまはここまでだ。みんなが戻って来たら、特異点探しだ。今夜は宿には戻れないかもしれないけど、明日か、明後日には戻る……。戻ったら、しばらく、ミウは俺と同じ部屋だ。この意味はわかるな?」
「は、はい……」
ミウが荒い息をしながら、真っ赤な顔で頷いた。