【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】 作:ドン・ドナシアン
「前方から敵襲──。ええっと……
一郎は叫んだ。
実際には、まだ魔獣の姿は見えない。
東の森における「魔獣狩り」を続けつつ、クグルスの案内で特異点を追って進んでいた。
昨日に続けての二日目になる。結局、昨日だけでは特異点まで辿り着けずに、露営ということになった。
ちなみに、夜は誰も抱いてない。
魔術の巣のような場所で女を抱いて、全体戦力を低下させるような節操なしの愚物ではないのだ。
また、特異点とは、瘴気と呼ばれる魔物や魔獣の生命源が漏れている異界との「裂け目」であり、大抵は瘴気が固まって魔瘴石と呼ばれる瘴気の結晶体を作り出す。
それを核にして、特異点はさらに拡大し、放っておくと裂け目を拡大し、さらに強大な魔物の出現ということにも繋がるのだそうだ。
そして、さらに現象が進めば、巨大な空間の穴ができあがって、魔族や冥王そのものは封印から解放されて、こちら側に出現するかもしれない。
そうならないためにも、特異点は見つけ次第に封印をしなければならないのだ。
封印するには、魔瘴石を破壊すればよく、それで裂け目はなくなる。
ただ、問題は、魔瘴石のある場所には必ず魔物や魔獣が存在しており、しかも、魔瘴石の発散する瘴気を吸い込んでいるために、非常に強力であることだ。
効率がいいのは、成長する前の幼い特異点のときに魔瘴石を破壊することであり、そうすれば瘴気も薄いし裂け目も小さいため、封印も楽だ。
しかし、幼い魔瘴石は発見がしにくい。
従って、どうしても、発見される特異点は大きく育ったものが大半となり、軍による討伐対象となる。
そうでなければ手が付けられないのだ。
逆に、まだ育っていない特異点を偶然に見つけることは、国や領主にとって本当にありがたいことであり、発見して報告しただけでも、多額の褒賞金が出る。
ましてや、魔瘴石の破壊と裂け目の封印ということになれば、その賞金だけでもひと財産となる。
国側とすれば、成長してしまえば、軍を出動させなければならないほどの事態になるのであるから、相当の財を賞金としても安いものなのだ。
一郎は冒険者になったばかりのときから立て続けに、未成長の特異点を発見しては封印するということを繰り返して、一気に財を築いたし、冒険者レベルもあげた。
しかしながら、一郎にとっては難しいことではない。
特異点の発見はクグルスができるし、魔瘴石を破壊するための核点は一郎が魔眼で見つける。
あとは、エリカやコゼに命じて、その核点を強打させるだけでよかった。
ただ、特異点の近辺には強力な魔獣がいるので、そのあしらいが大変なだけだ。
でも、考えてみれば、あの頃はまだまだ、冒険者をまじめにやっていた。
生きることに余裕ができると、それにかまけて本能のまま生きているだけの気がする。
だから、こうやって特異点を追っていると、あの頃の初心に戻ったようだ。
「
すかさず、イライジャの声が飛ぶ。
「……エリカ、右の岩に登って弓を。コゼは前衛を埋めて」
「わかった。だけど、マーズ、ロウ様を守ってよ。魔獣が抜けるようなら、躊躇なくさがって」
「任せてください」
エリカがイライジャの指示に従って、崖を身軽に登り、足場を確保した。そして、エリカがいた位置にコゼがさっと入る
マーズがやや前方で大剣を抜く。だが、マーズは必要により、後衛の一郎の位置までさがって、護衛に徹することになっている。
また、一郎の横のミウは無言で魔道を放つ態勢をとった。
もう、何度目かの魔物との遭遇なので、全員が連携にも慣れてきた感じだ。
魔獣を発見するのは、魔眼保持者の一郎──。
全体の統制はイライジャ──。
戦闘は、基本的には、マーズを真ん中にして、エリカ、シャングリアが先頭に出て戦い、コゼが遊撃的に動く。
そして、一郎、イライジャ、ミウが後衛という陣形だ。
いまのように、エリカが遠くから弓を射る役目のときには、その代わりにコゼが前衛に出る。
すべて、イライジャの指示だ。
一郎は知らなかったが、一郎がいなくなったあと、里を追い出され、生活のために冒険者になったイライジャは、こうやって人を指揮をする役割で冒険者としての生計を立てていたらしい。
なにしろ、冒険者というのは自分自身の腕はあっても、他人の力をうまく使うということにかけては下手なものが多いらしい。
個人の能力はあっても、それを連携させる技量がないのだ。
その点、イライジャは人を使って、彼らに指示をしてなにかをやらせるという能力に長けていた。
冒険者を指図する役割の冒険者として重宝されていたようだ。
一郎も、イライジャに接して、剣の腕も魔道の腕も、それほど高くない彼女が、どうして冒険者として成り立っていたのかがわかってきた。
全員で、道の片端の岩壁を背にするに陣形を作る。
すぐに下り坂になっている前方から巨大なムカデの大軍がやって来た。ただし、顔の部分がトカゲだ。
あれが
だが、その数が……。
異常だ。
十匹──?
いや、二十匹──。
それ以上だ。後から後からどんどん押し寄せる。
あっという間に目の前の地面が
「うわっ、か、数が──」
「だめだよ、イライジャ。数が多い──」
前に出ていたシャングリアとコゼが武器を構えたまま悲鳴をあげた。
一郎も度肝を抜かれてしまった。
とんでもない数だ。
エリカが立て続けに弓を射る。
先頭付近の
「きりがない。間に合わない」
上でエリカも悲鳴をあげた。
「ご主人様、この先に魔瘴石……特異点があるよ。近くだ」
一郎の横を飛んでいるクグルスが素早く言った。
「特異点から漏れ出る瘴気を吸って、大量発生したというわけだな」
一郎は呻いた。
「撤退──。全員、撤退──。崖の上に退避──」
イライジャが叫んだ。
なんにしても数が多い。
この数は許容範囲を超えている。
「あたしが盾になります。皆さま、そのあいだに」
マーズが前に出た。
「コゼ、縄を」
上にいたエリカが素早く叫んだ。
身軽なエリカやコゼはともかく、少なくとも一郎は簡単には崖を登れない。だから、上から引きあげようというのだろう。
「わたしも最後でいい」
シャングリアがマーズと並ぶ位置につく。
「ほい」
コゼが腰に吊っていた縄束をエリカに投げた。
「
横でミウが魔道を放った。
冷却に弱い
また、直撃の一群は凍りついて動かなくなっている。だが、それでも、どんどんと後ろから増える。
あっという間に、
「ロウ様、縄を取って──」
エリカが必死で叫んだ。
どうやら、女たちは、自分たちが犠牲になってでも、まずは一郎を安全地帯に引きあげるつもりのようだ。
イライジャさえも、武器をとっている。
しかし、間に合わないだろう。
「クグルス、なんとかしなさい。時間を稼ぐのよ」
上からエリカの怒鳴り声がした。
「なんとかって、なんだよ──」
クグルスも言い返す。
「みんな、落ち着けよ。それっ」
一郎は静かに言った。
足の裏から大量の粘性体を発生させて大地を這わせる。
一郎の前にいる女たちの足と足のあいだを粘性体が通り抜けて、
ギャギャギャガガガガ──。
ガギャガガガガ──。
イギャイギャイギャガガ──。
まさに迫らんとしていた
これでも、能力値レベル99の
もっとも、レベル99は淫魔師としてのものであり、この能力も、もともとは女を手っ取り早く拘束するための淫魔師としての技なのだが……。
ついでに、目の前にやはり粘性体の壁を作る。
腰ほどの高さだ。
粘性体を突破して、ここまでやって来たものをとめるためのものである。
だが、ほとんどの
また、後方からやってきた個体も、動けなくなった個体の上を走って来るが、一郎がどんどんと粘性体を増量して、捕らえた個体の上にも粘性体を流している。
それも次々に捕まえる。
「すごい……。でも、あんた、こんなことができたの? 早く、言ってよ……」
イライジャが目を丸くしている。
だが、いつも嗜虐のために使っているふざけた能力を実戦で使用することは、一郎だって初めてだ。
一郎だって、我ながら驚いている。
しかも、これだけの広域に粘性体を放射しても、魔力が途切れるような疲労感のようなものは皆無だ。
その気になれば、まだまだ作れそうである。
一郎にはもともとステータス上は魔力はないのだから、この魔道そのもののような現象は、淫魔師の操る淫気のエネルギーを根源としているのだと思うが、どうなっているのかは一郎にもよくわからない。
いずれにしても、力が枯渇する感じはない。
「へえ、あのいやらしい粘性体があんな風に……」
「こんな使い道が……」
「さすが、ご主人様……」
シャングリアとエリカは驚いているようだ。一方でコゼは感嘆の声をあげてくれている。
「うわあ……」
「まあ……」
マーズとミウはただただ唖然としている。
「なにをしている。どんどんと狩ってくれよ。とりあえず動きをとめただけだ。いくぞ」
一郎は亜空間から短銃を取り出すと、無造作に一匹を撃った。
場所は長い身体の中心部付近だ。
一郎には、そこに魔族の核があることが魔眼でわかったのだ。
人間の二倍ほどの大きさのワーム・ドレイクが弾丸一発で死骸に変わったのがわかった。
「そ、そうでした」
エリカが再び弓を持つと、さっと一匹を射る。
硬い甲羅のような鱗を持つ
エリカは、一郎が最初に銃撃して、
エリカの射た個体もそれで死んだ。
それから後は、作業のようなものだ。
手分けをして、無数の
「きりがないよ。焼いちゃえば?」
しばらくしてから、クグルスが口を挟んだ。
「そうねえ……。鱗は素材として売れば値がつくけど、こんなにたくさんあっても時間がかかるわねえ……。どうする?」
イライジャが一郎を見た。
最終判断を一郎に求めているようだ。
「そうするか」
一郎も頷いた。
すぐに、数百匹はいる
魔獣からの素材の剥ぎ方はエリカ以外はよく知らないので、エリカが講師となり、一郎も混ざって実地で覚えていく。少女魔道遣いのミウも含めて全員でとりかかり、五百枚ほどの鱗が集まった。
片っ端から、一郎の亜空間に放り込んでいく。
「討伐退治の証拠としては十分でしょう。これ以上の数は増えても賞金は同じだし。素材だって、これだけの数を買い取ってくれるギルドはないかもね。どっちにしても、ここの地方ギルドでは無理よ」
イライジャが汗を拭きながら言った。
「じゃあ、クグルス、頼むわ。残りは焼いて」
エリカが事もなげに言った。
クグルスがすごい勢いでエリカの正面に飛んでいった。
「これ、全部? こんなにひとりで焼けるわけないよ。倒れちゃうよ」
「倒れればいいじゃない。ロウ様に可愛がってもらえれば回復するんでしょう。許すから」
「なんで、お前に許しをもらわないとならないんだ」
クグルスが大きな声をあげた。
「あっ──。あたしがやりますから」
ミウが前に出た。
だが、一郎はそれを押し留めた。
「ちょっと実験してみたいことがあるんだ。いいか?」
一郎は女たちをさがらせると、切り離していた粘性体を新しい粘性体で繋げる。
やろうとしているのは、女たちを相手にハードプレイする気持ちで、淫魔師の技を戦闘に応用できないかということだ。
とっさに思いついたことだが、一郎の頭に浮かぶ「勘」というのは、大抵は正しい推量だったりする。
おそらく、魔眼保持者としての特性なのだろう。
一郎は以前に、シャングリアの股間を「土手焼き」したときのことを思った。
……粘性体が拘束している
……土手焼きの調教をするつもりで、粘性体を可燃性の油剤に変質させる……。
「な、なんかいやらしい顔していない、ロウ……?」
イライジャがぼそりと呟くのが聞こえた。
「ちょっとぞくぞくするかも……」
「ぷれいのときの表情だな……」
コゼとシャングリアがそれに応じるようにささやいた。
ふと見ると、三人娘は全員が赤い顔をしている。そろそろ、長い付き合いになるし、何百回も身体を重ね合った、時間以上に深い関係だ。一郎が淫らなことを妄想しているのがわかるのかもしれない。
しばらくすると、思ったことができたという感覚がやって来る。
粘性体のすべてが燃えやすい燃料体のようになった。
「ミウ、
一郎は言った。
ミウがすぐさま一弾の火炎を放射する。
一瞬にして粘性体が燃えあがり巨大な炎が出現した。
大量の
彼らの阿鼻叫喚の鳴き声が響き渡る。
「すごい……」
イライジャは絶句している。
「ほおお」
マーズなど、馬鹿みたいな声を出している。
すると、一郎の魔眼に、なにかが接近する反応があった。
“
レベル40
生命力:2000
状態
魔瘴石による強化”
すぐに、火炎の向こうから巨大な生物がやって来た。
まるで、黒い山だ──。
目の前で焼かれている通常の蠕虫蜥蜴の五倍の大きさはある。
変異もしており、顔の部分は恐竜を思わせた。
「ご主人様、あいつだ──。あいつの身体の中に魔瘴石があるよ」
クグルスが興奮したように叫んだ。
「そのようだな。来るぞ、みんな──」
一郎は声をあげた。
だが、なぜかみんなすぐに動かない。
「……ねえ、あんたの技で、あいつを足止めできないの? ついでに、そのまま火炎で焼いたら?」
イライジャがぼそりと言った。
それもそうかと思った。
火炎を避けるように出てきた魔瘴石持ちの巨大な魔獣に、可燃性に変質している粘性体を繋げる。
魔獣の動きがとまるとともに、炎が燃え移って、魔獣の親玉が炎に包まれた。
森の中に魔獣の断末魔の奇声が響き渡る。
こうして、東の森の魔獣退治のクエストは、特異点の発見と封印というおまけ付きで、呆気なく終わった。
*
破壊された魔瘴石の一部を特異点封印の証拠として持ち帰り、一郎たちは東の森からの帰途についた。
なんだかんだで、クエスト達成には二日間しかかからなかった。
森を抜けて、辿り着いたのは墓地だ。
墓石のようなものがたくさん並んでいる。
「……ロウ様、そういえば、あのサターシャという娘が依頼してきたクエストの場所って、ここじゃないんでしょうか。東の森に面する墓地とありましたし……」
エリカが一郎に言った。
一郎たちは、終了した東の森の魔獣退治のクエストと合わせて、アンデッドモンスターの調査というクエストを受けている。
まだ、詳細なクエスト内容は聞いていないものの、宿屋を兼ねている冒険者ギルドの貼り紙によれば、確かに、その場所は、東の森に接する墓地だということだった。
おそらく、対象の場所は、ここで間違いないだろう。
「……そうだとしても、どこにも異常などないわね。まあ、もうすぐ陽が暮れるから、わからないけど……」
イライジャが言った。
陽は西の空に消えかけていて、そろそろ薄暗くなっている。
「アンデッド・モンスターの種類がわからないけど、大抵の
アスカ城の経験で、アンデッド・モンスターに詳しいエリカが素早く言った。
「ここは、このまま通り過ぎよう。まずは依頼の内容を聞いてからだ。宿に戻るぞ」
一郎は言った。
そうとなれば、魔妖精のクグルスは隠れてもらわなければならない。
出現させたまま人里に行けば、大騒ぎになる。
「ご苦労だったね、クグルス──。ありがとう」
一郎はクグルスに言った。
「ご主人様、ご褒美、ご褒美」
クグルスが寄ってきた。
最初の頃は裸に近い薄物だったが、最近では裸体に綺麗なドレスのようなものを纏うようになっている。よくわからないが、一郎がレベルアップしたために、クグルスのレベルもあがったのだそうだ。
いまは、魔妖精としてのレベルが“60”だ。
何気に超強力な魔族となっている。
さっきの
「ほら」
一郎はクグルスを掴むと、透明の服の下から指を入れて肌をゆっくりと擦り始める。
「あいいいっ、いいっ、くううう──。ご、ごしゅりんしゃま、いつもすごおおいい」
クグルスがすぐに激しく悶え始めて、激しく腰を振り始めた。
あっという間に絶頂をしてしまう。
一郎は、そのまま愛撫を続ける。
クグルスが狂おしく身悶えをしながら奇声をあげ、再びがくがくとオルガニズムの痙攣を開始する。
「……いつも愛撫だけじゃ寂しいだろう。淫魔師レベルがあがって、こんなこともできるぞ」
一郎はクグルスの小さな膣と自分の男根の感覚を
ズボンの中で勃起している一郎の性器を指から出した粘性体でつくった小ペニスと完全に一致させて、それをクグルスの股間に貫く。
「んふううっ、ご、ごりゅりんしゃまあ──」
クグルスが手の上でのけぞった。
一郎は小ペニスを操って激しく律動させる。
「りゃめえ、りゃめええ、ひんりゃう、ひんりゃううう」
クグルスは完全に舌が回っていない状態だ。
一郎が肌の上から触るだけでも激しく連続絶頂してしまうクグルスには、同調した疑似男根とはいえ、膣を一郎に犯されるのは刺激が強すぎるのかもしれない。
やがて、クグルスの腰の痙攣がとまらなくなり、五回ほど連続で絶頂した。
一郎は五回目で、下着の中で精を放った。
だが、その精は下着やズボンを汚さずに、そのままクグルスの中にある疑似ペニスからクグルスに放たれる。
「んぶわあっ」
クグルスが悶絶した。
腹が一気に蛙のように膨れあがり、疑似ペニスをはじき出した膣だけでなく、口や鼻からも一郎の精が逆流して噴き出る。
「うわっ、まずい──」
一郎は慌てた。
考えてみれば、クグルスの小さな身体にそのままの量の精を放てば、こうなるのは当然だった。
急いで、ありったけの淫魔力を遣って、損傷したかもしれないクグルスの身体を治療する。
股間から注いだ精液がどの経路を使って口や鼻に流れたのか考えたくない……。
一瞬、息がとまったようになっていたクグルスが激しく息を再開した。
膨れあがった腹も、瞬時に戻る。
一郎はほっとした。
「ロウ、なにをしたのだ?」
「い、いまのなんですか、ロウ様?」
たまたま近くにいたシャングリアとエリカが驚いて声をあげた。
「な、なんでもない。なんでもない。なんでもない──」
一郎は懸命に誤魔化す。
おそらく、一郎はクグルスを内蔵破裂で殺しかけた。
もっとも、瞬時に治療ができたのは間違いないが……。
すると、全身が一郎の精液にまみれてしまったクグルスがさっと飛びあがった。
「しゅ、しゅごかった……。し、しあわせ……。ま、また、さっきのしてね……」
恍惚の表情のクグルスの身体が消滅した。
どうやら、大丈夫だ。
一郎はほっとした。
そのときだった。
「ミウ、大丈夫か──。ミウ」
マーズの悲鳴が轟く。
視線を向けると、ミウが仰向けで倒れていた。
「ミウ、どうしたの?」
「ミウ──」
全員がミウに駆け寄った。
「なにがあった?」
一郎はステータスを覗く。
“ミウ
人間族、女
見習い巫女
冒険者
年齢:11歳
ジョブ
魔道遣い(レベル12)
退魔師(淫)(レベル20)↑
生命力:50
攻撃力:5
魔力:***
経験人数:男1
淫乱レベル:B
快感値:120
状 態
***
***”
だが、どうしたのかわからない。
しかし、ステータスの最後にある「状態」の項目の部分の一部がかすんで読み取れなくなっている。
なんらかの異常状態にあることは確実だ。
しかも、退魔師(淫)のレベルが、“20”だ。
昨日の夕方は、まだ“1”だったはずだ。
「どうしたんだ? なにが起きたんだ?」
一郎は怒鳴った。
「わかりません。いきなり、倒れてしまって」
マーズは当惑したように言った。
「とにかく、宿に」
イライジャが言った。
マーズがミウの身体を横抱きにした。