※この作品はR-18です。

【2025.9.5コミック発売】異世界で淫魔師ハレム【完結】   作:ドン・ドナシアン

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279 夜の訪問者

「まあ、さすがは、(シーラ)・ランクの冒険者たちだ。女ばかりのパーティで、正直、軽く見ていたんだが、やっぱり、あのミランダの折り紙つきのパーティだな。度肝を抜かれちまったぜ」

 

 冒険者ギルドのマスターを兼ねた酒場の主人が自ら、一郎たちのテーブルに料理を並べながら言った。

 一郎を中心にして、エリカ、シャングリア、コゼ、イライジャの五人がテーブルを囲んでおり、軽いアルコールであるエールと数種類の料理の大皿が置かれ始める。

 

 ミウとマーズはいない。

 二階でミウが休んでおり、マーズはその看病についている。

 もっとも、ミウは大丈夫だ。

 いきなり倒れて、一時はどうなることかと思ったが、ここに辿り着く前に意識は戻り、問題はなさそうだ。

 実際のところ、大丈夫ではないかと食事に誘ったのだが、ミウの方から、少し横になっていたいと言われたのだ。マーズについていて欲しいというのもミウ自身が頼んできた。だから、食事を運んで、マーズに任せている。ミウもマーズとは仲がいいので、マーズとふたりの方が落ち着くのかもしれない。

 

「しかも、特異点の発見と始末までやっちまうとはなあ。確かに、急に東の森に魔獣が多くなったと思ってはいたが、まさか、ここに特異点が発生していたとは」

 

 主人が感嘆したように言った。

 一郎はたびたび特異点という瘴気の裂け目には遭遇しているが、この世界の一般の人々にとっては、特異点の発生など、太陽が欠けることほど珍しいことなのだ。魔獣が発生したところで、それが特異点の出現ということには結びつかない。なにしろ、普通の人々にとっては、特異点の討伐とは、王軍の一隊をもって、数年がかりでやることなのだ。

 冒険者がやってきて、数日で終わらせてしまうようなものではない。

 もっとも、イライジャによれば、このところ、急に特異点の発見例が多くなっているようだ。だが、これまで特異点の発生例のない地域では、どうしても、特異点の発生に気づくのが遅れがちになるようだ。

 

 いずれしても、今回も運がよかったと思う。

 魔獣に取りついていた特異点は、本当に生まれたばかりのものだった。

 だから、簡単に処置できたのだ。

 

「まあ、たまたま討伐した魔獣に魔瘴石があっただけで、偶然ですね。偶然」

 

 適当に誤魔化した。

 

「とにかく、軍には連絡はしておいた。ただ、王軍魔道師隊が確認できるまで、最低二日ほどかかると思うがな。クエスト褒賞金はすぐに手続きできるが、特異点破壊の賞金はそれが終わってからになると思う。それまでは、ここに足止めになってしまうな」

 

「それは構いません。もうひとつのマイセンという人の依頼もありますしね。そっちに手をつけますし」

 

 どんな依頼なのか、詳細はわからないのだが、明日にでも、連絡をしてみようと思った。

 

「それなんだが……」

 

 すると、主人が渋い表情になった。

 

「なにか?」

 

「あのサターシャに、本当に手を出すのか?」

 

「ああ、そのことですか……」

 

 一郎は思わず笑った。

 クエスト報酬に不足する分は、自分を一日自由にしていいとか言っていた元気な女の子だった。

 年齢は十二歳か……。

 

「まあ、あの子の覚悟を確かめただけですよ。そのつもりはありません。ただ、折角なので、話は聞きます。まあ、特別奉仕ですね」

 

 一郎は言った。

 

「えっ、そうなのか? 報酬が安いのに、興味を持ったのは、サターシャとかいう娘が気に入ったからだと思ったが?」

 

 すると、黙って食事をしていたシャングリアが横から言った。

 

「そうなのか……って……。いくらなんでも手は出さないよ。あのサターシャはまだ十二歳だぞ」

 

「十二歳がなんなんです。ミウは十一歳ですよ」

 

 コゼも含み笑いで口を挟んだ。

 

「ミウには、まだ手を出してない」

 

 手を出すつもりではいたが、まだ抱いてはいない。

 

「まだね……。そして、ミウは十一歳……。あなたの節操のなさに、年齢制限があるのは知らなかったわね。そもそも、あなたの手を出してないというのは、女の子のスカートに手を突っ込んで、股間を愛撫して絶頂させることは含まれないのね」

 

 イライジャが呆れた口調で言った。

 

「それでも、手は出していないだろう。ちょっと味見しただけだ。まあ、いずれは、出すとは思うけど……」

 

 一郎は仕方なく言った。

 すでに、唾液などを飲ませて淫魔術を刻んでいるが、まだ結びつきは弱い。

 やはり、性行為をしなければ、完全には支配できない。

 ミウのステータスに読めない部分があるのも、倒れた原因がよくわからないのも、いま少し結びつきが弱いためだと思う。

 しかし、そのとき、はっとした。

 ギルドの主人がまだすぐ横にいるのを一瞬、失念していたのだ。

 際どい話を始めた一郎たちに、主人が目を白黒させている。

 

「……ところで、部屋割りはどうしましょう。わたしはロウ様と一緒に休みますが、ほかに同室するのは、ミウとマーズでよろしいですか…? でも、ミウはあんな調子だし、今夜は手を出さない方が……」

 

 すると、空気を読めないエルフ娘が周りを気にせずに、ぼそりと言った。

 

「な、なんで、あんたなのよ。一番活躍した者がご主人様の伽を受ける約束だったじゃないのよ」

 

 すぐにコゼが噛みつく。

 

「だから、わたしよ。わたしが断然多く数を仕留めたわよ。そんなの明らかだったでしょう。わたしは、ずっと前衛にいたのよ」

 

「知らないわよ。あたしが多かったってば。まあ、いちいち数なんてかぞえてないけど、絶対よ。ご主人様の伽はあたし──。譲らないからね」

 

「やめんか、ふたりとも──。恥ずかしいだろう」

 

 さすがに、一郎は声をあげた。

 エリカとコゼは、やっと声が少し大きかったことに気がついたようだ。赤くなって口を閉じた。

 気がつくと、そばにいる主人だけでなく、店にいるほかの男客たちも聞き耳を立てている。

 

「……ふふふ、やっぱり、実力のある男のところには、女が集まるんだな。まさかとは思ったが、本当にここにいる女はあんたの女なんだな」

 

 主人が笑った。

 

「それは否定しません。なぜか、みんな慕ってくれて……。でも、実力があるのは彼女たちですよ。俺なんて、付録のようなものです」

 

「謙遜も嫌味よ、ロウ。ワーム・ドレイク数百匹をひとりで倒した男が、付録だなんて」

 

 イライジャが苦笑した。

 

「ところで、話は変わりますが、マイセンさんという人はどんな人なんですか?」

 

 主人に訊ねてみた。

 明日の朝には、接触するとしても、その前に事前情報くらいは整理しておきたい。

 

「マイセンさんか? まあ、この辺りで知らない人はいないさ。みんな世話になっている。魔道遣いでな。病人が出ては治療してもらったり、畠仕事や害虫退治、日照りや大雨の災害、なんでも助けてもらっている。それなのに、本当に安い礼金しか受け取らないんだ。ただ、このところ、調子が悪いみたいでな。サターシャも心配しているというわけだ。こんなときこそ、俺たちも恩返ししたいんだが、あんまり、なにも言ってくれなくてな」

 

 主人がぼそりと言った。

 サターシャについても、改めて訊ねてみた。

 彼女はマイセンという魔道遣いの孫娘らしい。同じ屋敷で暮らしていて、屋敷には、さらに老侍女とその孫がふたりいるとのことだ。

 サターシャと一緒にやってきて、騒動を起こした自称サターシャの護衛のレオンは、老女の孫なのだそうだ。

 サターシャの両親については、サターシャが生まれて間もなく死んだのだということも教えてくれた。

 

「調子が悪いことと、今回の依頼は関係があるのかしら?」

 

 イライジャが口を挟む。

 主人は肩を竦めた。

 

「それについては、なにもわからん。そもそも、墓場にアンデッド・モンスターが出現するようになったという噂話はあったが、夜だけのことだし、しばらく様子見の感じだったんだ。だが、サターシャを通じて、マイセンさんがクエストとして依頼書を出してな。もしかしたら、関係があるのかもしれねえが、それは直接話を訊いてもらうしかねえな」

 

「でも、クエストの詳細がわからないのに、最終的に依頼を受けるかどうかの判断はできないわ」

 

「もっともだな。今回のクエストについては、ギルド扱いにはしないことにするさ。直接にやりとりして、受けるかどうかを判断してくれ」

 

 主人が言った。

 一郎は「承知しました」と応じた。

 

 そのときだった。

 店の扉が開いて老婆が入ってきた。

 あのレオン少年も一緒だ。

 そのレオンがつかつかと一郎の前にやって来た。

 

「この前はいきなり、失礼なことをして申し訳ありませんでした。それと、殺さないでくれて感謝します」

 

 立ったまま、いきなり、がばりと頭をさげた。

 一郎は面食らった。

 

「あたしからも感謝します。レオンの祖母のメリジーヌと申します」

 

 老婆もやって来て、頭をさげた。

 さっき話に出てきたマイセンの老侍女だろうと思った。

 

「あっ、ロウです。こっちは仲間です……」

 

 丁寧な挨拶に思わず、一郎も丁寧な対応で返した。女たちについても、順に名前を紹介する。

 メリジーヌはいちいち女たちにも頭をさげて挨拶をした。

 

 挨拶が終わると、メリジーヌは自己紹介をした。

 やはり、メリジーヌは長くマイセン家に務める侍女であり、いまでは唯一の家人なのだそうだ。

 また、このレオンは死んだ娘夫婦の忘れ形見であり、遠方で暮らしていた娘夫婦が赤ん坊だったレオンを遺して死んだときに引き取ったようだ。

 かつては、もう少し、屋敷が賑やかな時期もあったようだが、いま屋敷で暮らしているのは、マイセンとサターシャ、そして、メリジーヌとレオンの四人のみとのことだった。

 

「高名な冒険者であり、子爵様でもあるボルグ様に依頼を受けていただけるなど、光栄です。どうか、主人のマイセンをお助けいただくよう、お願いします」

 

 ひと通りの挨拶が終わると、メリジーヌが一郎にまた頭をさげた。

 

「えっ? あんた、子爵様だったのか?」

 

 店の主人も驚いている。

 だが、それは一郎も同じだ。

 一郎が爵位持ちなどということは、誰にも言っていないはずなのだ。

 

「なんで、俺が爵位持ちだと知っていたのですか?」

 

 一郎は訊ねた。

 

「主人のマイセンより耳にしました。お嬢様から、旅の冒険者の方が依頼を引き受けてくださると知らされまして、失礼ながら、マイセンが少し調べたようでございます。是非ボルグ様に、助けていただきたいと申しております」

 

 驚いたが、片田舎で暮らす魔道遣いの割には、世間が広いようだ。ギルドの主人も知らなかった一郎の素性など、簡単に調べられなかっただろう。

 そして、一郎たちが魔獣退治のクエストを終了して戻ってきたということを小耳に挟んで、急いでここにやって来たらしい。

 

「申し訳ありませんが、まだ依頼を受けるかどうかの最終判断はしていません。とにかく、話を訊くということだけ決めているだけです」

 

 イライジャが口を挟んだ。

 

「はい。もっともです。それで、今日やってまいりましたのは、報酬の追加でございます。既定の報酬に加えて、これも受け取ってもらいたいと思ってでございます」

 

 メリジーヌがレオンを促した。

 すると、革袋をレオンがテーブルの上に置いた。

 中身は大きな額ではないが、さまざまな種類の硬貨だ。ほかにも、指輪や貴金属類。価値のありそうなものが雑多に入っている。かき集められるものを集めてきたという感じだ。

 

「これもつけるよ。お父さんの形見の剣だ。魔道が加わっているもので、少しは価値があると思う」

 

 レオンが腰の剣を抜いて出した。

 魔道がかけてあれば魔剣ということになるのだろうか。

 

 とにかく、これは侍女にすぎない彼女たちの私財だろう。主人の依頼に家人が私財を出すというのは余程のことと思った。

 どうしようかと思ったが、金は受け取った。

 だが、剣は返した。

 

「とりあえず、金子は受け取ります。依頼を達成したら成功報酬として受け取ります……。でも、これは返すよ。君はサターシャちゃんの護衛なんだろう? 剣がなければ守れないじゃないか」

 

 恰好つけたものの、どうせ、大した価値があるとも思えない。

 剣を金に換えるのも面倒だ。

 

「あ、ありがとう」

 

 レオンは感極まった様子で剣を受け取った。

 

「もしかして、これは娘さんの形見では?」

 

 さらに一郎は、袋から指輪の類いを取り出した。

 

「……そ、そうですが……」

 

 一郎は嘆息した。

 そして、それらも外に出す。

 

「だったら、これも結構です。依頼は話を聞いてからですが、手に負えない内容でない限り、受けますよ」

 

 メリジーヌはほっとした表情になった。

 

「あ、あのう、だ、だったら……」

 

 レオンが少し険しい顔になる。

 この少年が言いたいことも予想がつく。

 

「サターシャには手を出さないよ。少なくとも、いまはその気はない」

 

 一郎ははっきりと言った。

 

「この人は、別にサターシャに手を出すつもりはないそうさ。相手をしなければならない女の人がいっぱいて、間に合っているそうだ」

 

 横で話を聞いていた主人が笑って言った。

 すると、レオンも目に見えて、安心した表情になる。

 

 そして、明日の昼前の訪問を約束して、ふたりが戻っていった。

 メリジーヌとレオンがいなくなると、主人がぽんと一郎の肩を叩いた。

 

「おっと、気軽に身体に触るなど、子爵様に失礼だったかな。まあ、嬉しくてな。やっぱり、あんたはいい人だ。せめて、酒を奢らせてくれ。今夜は、いくら飲んでもただでいいぞ。倒れるまで飲んでくれ」

 

 主人が豪快に笑った。

 

「そ、それは、だめ──」

「そ、そうです。お酒はほどほどに……」

「ご主人様、飲みすぎたら、いやですよ」

 

 すると、女たちが猛然と抗議した。

 

 

 *

 

 

「もう、大丈夫そうだな、ミウ」

 

 マーズは言った。

 墓地で突然に気絶をしたときには驚いてしまったが、すっかりと元気になったように思う。

 とりあえず、食べ終わった食器をさげようと、マーズはふたり分の食器をまとめ出した。

 だが、立ちあがりかけたところで、ミウに呼び止められた。

 

「なんだ?」

 

 ミウはまだ寝台に横になっている。

 マーズはその横に椅子を持ってきて、座っていた。

 

「相談があるの。実は、ここで休みたいと言ったのは、体調が悪いわけじゃないのよ。あなたとふたりっきりになりたくって……。だって、なかなか、ふたりきりにはなれないから……」

 

 ミウが改まったような物言いでマーズに言った。

 マーズは手に持っていた食器を横の台に置きなおす。

 ミウが寝台の上で身体を起こした。

 なんだか、妙に馴れ馴れしい。

 もちろん、馴れ馴れしいのは歓迎だ。

 最初は、ぎこちなくて、よそよそしかったミウに、丁寧な言葉遣いも不要だし、呼び捨てにしてくれと言ったのは、マーズの方だ。

 

 しかし、なんか距離感が……。

 ミウは、マーズの手を引いて、ほとんど密着せんばかりにくっついてくる。

 

「は、話とはなんだ?」

 

 とりあえず言った。

 

「セックスのことよ……。今夜はやめとこうと思うけど、あたしは数日すれば、ロウ様に抱かれることになる……。それで、マーズのときはどうだったかと思って……色々と教えてもらえない?」

 

「ああ、そのことか……」

 

 マーズはミウを不安に思わせないようにしなければならないと思い、にっこりと微笑んだ。

 よくはわからないが、このミウは、魔道遣いとしての能力を安定させるために、ロウとできるだけ早く関係をもたないとならないらしい。

 だが、不安だろう。

 まだ、十一歳だし、ミウは身体も小柄だ。

 その気持ちはわかる。

 

「……まあ、先生に任せておけば大丈夫としか言えないな。多分、なにも考えなくていいと思う。なにをやればいいかは、先生が教えてくれるし……。先生のやり方は、ちょっと変わっているけど。気持ちがいいし、まあ、幸せな気分にさせてくれることは確かだし……」

 

 ロウとの最初の性交は、ぬるぬるの油剤の中で戦闘をしながらだったけど、あれは数のうちに入らないだろう。

 ちゃんと寝台で抱かれたのは、マーズの所有者が、正式にロウに移動した日の夜のことだ。

 

 場所は、あの屋敷だった。

 最初は浴場で、次は寝室だ。

 いま思い出しても恥ずかしいし、あのときの狂態を考えてしまうと、穴があったら入りたくなる気分になる。だが、ロウのなんでもない手のひと触りひと触りが、信じられないくらいの愉悦をマーズにもたらした。

 マーズとしても、闘奴隷の自分が、あれほどまでに女として快感を得ることがあるとは思いもしなかった。

 特に、寝室で縛られてからは、ただただ、ロウに翻弄されて、快感に溺れただけだ。

 ロウとしては、マーズを鍛えてくれようとした気配なのだが、マーズは快感によがるだけで、ほとんどなにもできなかった。

 あのときの醜態を考えると、不甲斐なくて恥ずかしいという気持ちでしかない。

 

 とにかく、マーズはロウの前では、なにもできないひとりの少女でしかなかった。

 ほかの女の人にそれとなく訊ねたが、ロウは女を抱くときには、大抵拘束して抱くのだという。

 そうだとすれば、なにもしなくてもいい、というよりは、なにもできないだろう。

 ただ、ロウに委ねればいいということになる。

 マーズのときも、そうだったし……。

 

「た、多分、なにもしなくていい……。先生にお任せすればいい」

 

 マーズはもう一度言った。

 

「スクルズ様にも、そう言われたわ……。でも、不安かも……。ねえ、練習相手になってもらえない?」

 

 ミウが突然に言った。

 

「れ、練習相手?」

 

 マーズは思いもよらなかったミウの言葉に当惑してしまった。

 

 練習だって?

 なんの?

 セックスの──?

 

「どんな風に抱かれたの? まずは、それを教えて。さあ、寝台にあがって……」

 

 強引に寝台にあげられてしまった。

 拒否するのは簡単だが、ミウが、こんなに積極的に艶話をすることは珍しい。あるいは、ロウに抱かれることを前にして、思いつめていることもあるのかもしれない。

 ミウのことは好きだし、マーズにできることがあれば、協力してあげたいという気持ちもある。

 だから、結局、なすがままに寝台にあげられた。

 

「横になって……。さあ、教えて……。どんな風にロウ様に抱かれたの? ふふふ、口づけが先? それとも、いきなり抱かれた?」

 

 ミウに寝台に押し倒された。

 しかも、いきなりミウはマーズに馬乗りになってきたのだ。

 マーズは驚いた。

 さすがに、どいてもらおうと思って、ミウの身体に両手を伸ばす。

 

 そのときだった。

 ミウがマーズの胸の真ん中にすとんと手を置いた。

 

「はうっ」

 

 強い衝撃が襲いかかった。

 なにが起きたかわからなかったが、すぐになにかの魔道を浴びせられたのだとわかった。

 全身に痺れが走り、四肢が完全に弛緩していたのだ。

 

「マーズ、ごめんね……。でも、ちょっとだけ、大人しくして……。あたし、マーズのこと大好きなのよ……。本当のこと言うと、ロウ様なんかよりずっと好き……。男の人に抱かれるなんて嫌よ……。だから、お願い……。あたしの相手をして……。まあ、嫌だと言っても無駄だけどね。だって、無理矢理に愛し合っちゃうから……」

 

 ミウがくすくすと笑って、マーズの服に手をかけた。

 マーズは革のチョッキに革の半ズボンをしている。冒険者としては軽装で露出の部分が多すぎるのだが、長年闘奴隷をやっていたので、下着のような革の具足で闘うことに慣れている。それで、そうしていた。

 それをミウが脱がし始める。

 

「ちょ、ちょっと、ミウ」

 

 抗議の言葉を口にするが、四肢が動かないのでなにも抵抗はできない。

 意外に慣れているミウの手によって、チョッキが左右に拡げられ、紐で縛っている胸当ても解放される。

 

「大きなおっぱい、羨ましい……。そして、すごい筋肉……。うわああ……」

 

 ミウがマーズの乳房に手を伸ばしてきた。

 そのとき、またもや、身体に魔道が流れた感覚が襲った。

 ミウの手が乳房に触れる。

 

「いやっ」

 

 身体を思わず跳ねあげてしまった。

 もしも、弛緩されてなければ、上に乗っているミウを勢いで弾き飛ばしてしまったかもしれない。

 

「へへ、ちょっと悪戯しちゃった。マーズのおっぱいの感度を二十倍にあげたわ……。ふふ……、でも、気持ちよかった?」

 

「ちょ、ちょっと、変なことは……」

 

「変なことって、なによ、マーズ。これは、練習よ。練習相手になってくれるって言ったじゃないの」

 

 ミウがくすくすと笑いながら、ゆっくりと乳房に指を喰い込ませるように動かしてくる。

 すると、両乳房に断続的に電撃でも走ったような衝撃が襲いかかった。

 マーズはついつい、声を洩らしてしまう。

 それにしても、練習相手になるなどと約束した覚えはない。

 そもそも、今日のミウはまるで人が変わったかのようだ。

 魔道でマーズの身体を弛緩させて、強姦同様に襲うなど、とても、普段のミウでは考えられないことだ。

 

「……マーズ、このことは内緒にしてね……。あっ、そうだ。魔道をかけちゃおう。あたしとこんなことをしたことをほかの人に口にしたら、その場で昏睡して、倒れてしまうようにする。それなら、誰かに言えないものね」

 

 ミウがまたもや、マーズの身体に魔道を流した。

 もはや、マーズは唖然としてしまった。

 

「そろそろ、こっちはどう? 確認するね……」

 

 ミウが身体をずらして、マーズの腰に手を伸ばして、半ズボンに手をかけた。

 あっという間に、ズボンも下着も抜き取られてしまう。

 

「んふううっ」

 

 マーズは悲鳴をあげた。

 クリトリスになにかの衝撃が加わったのだ。

 

「ここの感度も二十倍よ。ここまで敏感になったお豆を弄ったらどうなるかな? きっと、マーズは悶絶しちゃうね」

 

 ミウがさらに身体をずらして、クリトリスに口づけをするように口をつけて、舌でぺろぺろと舐め始める。

 

「んふううっ、うはああっ」

 

 凄まじい衝撃が襲いかかった。

 信じられないような快感が全身に迸る。

 

「可愛いお股……。びらびらも小さくて素敵……。はは、若いっていいわね」

 

 ミウがそんなことを口走りながら、敏感な肉芽を刺激していく。

 だが、若いって……。

 しかし、思念はそこまでだ。

 ミウの舌がマーズの股間を這い、電撃のような快感が身体に迸る。

 

「ああっ、あああっ、あああっ」

 

 もう我慢などできずに、開かれた状態のマーズの両脚ががくがくと痙攣した。

 暴れかけるマーズの身体に、さらに魔道による拘束が強化される。

 

 しばらくのあいだ、ミウの舌責めが続いた。

 思考することさえできずに、マーズは翻弄され続けた。

 

「んぐうっ、ああっ、あああっ」

 

 マーズは、ただ悲鳴をあげることしかできない。

 ミウの舌が動くたびに、じんじんと全身が熱くなり、甘い痺れが腰を震わせる。

 だんだんと、意識さえ怪しくなり、頭が朦朧としてきた。

 そして、絶頂がやって来た。

 

「あああああっ」

 

 白いかすみがかかったような視界の中で、ついにマーズは快楽の波に埋没した。

 激しい痙攣が続き、弛緩している全身が完全に脱力してしまう。

 

「いっちゃった? じゃあ、次はミウを気持ちよくして……。あたしをいかせてくれたら、休ませてあげるわ。でも、それまで、責め続けるからね」

 

 ミウが一度起きあがり、なにかを持ってきた。

 鳥の羽根がついた棒だ。

 ロウが使う責め具のひとつだ。

 

「ほら、休みなんかないわよ。早く、あたしをいかせないと、息が止まって死ぬかも」

 

 ミウは裸になり、マーズの顔の上にどんと跨った。

 マーズの鼻と口の上に、ミウの股間が乗っかる。

 さすがに苦しくて、顔をもがかせたが、ミウの魔道でその力も奪われ、ぴくりとも動かなくされる。

 

「ほらほら、あたしをいかせるのよ。舌を動かしなさい、マーズ──」

 

 ミウが鳥の羽根がついた棒でマーズの股間をくすぐりだした。

 

「んぐううっ」

 

 異常なほどに敏感になっている肉芽から、想像を絶する痺れが駆け抜け、脳天まで痺れさせてくる。

 しかも、顔に股間を乗せられて、息ができない。

 

 死ぬ──。

 本当に死ぬ──。

 

 マーズは容赦のないミウの責めが本当に怖くなってしまい、懸命に顔の上のミウの股を舌で刺激し始めた。

 そして、あっという間に二度目の絶頂が襲いかかり、マーズはまたもや身体を震わせて達してしまった。

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